第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当行グループは、以下の経営理念の下、お客さまの声を明日への羅針盤とする「最も身近で信頼される銀行」を目指してまいります。

「信 頼」:法令等を遵守し、お客さまを始め、市場、株主、社員との信頼、社会への貢献を大切にします。

「変 革」:お客さまの声・環境の変化に応じ、経営・業務の変革に真摯に取り組んでいきます。

「効 率」:お客さま志向の商品・サービスを追求し、スピードと効率性の向上に努めます。

「専門性」:お客さまの期待に応えるサービスを目指し、不断に専門性の向上を図ります。

 

(2) 経営戦略等

当行グループは、平成30年5月に平成30年度から平成32年度までを計画期間とする新たな中期経営計画を策定いたしました。新たな中期経営計画は、平成30年度からの3年間を、厳しい経営環境の中、安定的な収益を確保しつつ、将来の持続的成長に向けて、経営基盤を固めるための期間と位置付けております。その上で、郵便局ネットワークを通じて、全国の幅広い個人のお客さま、小さなお子様からご高齢の方まで、お一人おひとりの長い人生をしっかりサポートしていくことで、これからもお客さまや地域社会と共に歩んで行くことを目指しております。「『やっぱり、ゆうちょ』と言われることを、もっと。」のスローガンの下で、各種施策に取り組むとともに、新たな中期経営計画で掲げた経常利益や当期純利益等の経営目標の達成を目指してまいります。

 

<主な取組み>

① お客さま本位の良質な金融サービスの提供
・お客さまの資産形成への貢献
・決済サービスの充実
・ATMネットワークの拡充

② 運用の高度化・多様化
・国際分散投資の推進
・オルタナティブ投資の拡大
・財務健全性の確保

③ 地域への資金の循環
・地域活性化ファンドへのLP出資
・ファンド運営(GP業務)参入
・地域金融機関との各種連携

④ 経営管理態勢の強化
・お客さま本位の業務運営
・リスクガバナンスの強化
・コンプライアンス態勢の強化
・ダイバーシティ、人材育成、要員戦略
・コストマネジメントの徹底・ITの有効活用

 

 

(3) 経営環境

当連結会計年度の経済情勢を顧みますと、不確定な要素から下振れするリスクはあるものの、世界経済の回復基調が鮮明となりました。海外では、米国経済は潜在成長率を上回る成長が続き、欧州経済は平成30年1-3月期に減速したものの、緩やかな回復が続きました。中国経済は、緩やかな減速基調にあるものの、底堅く推移しました。我が国経済は、平成30年1-3月期に一時的にマイナス成長に転じたものの、拡大基調が継続しました。

金融資本市場では、我が国の10年国債利回りは、長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策の下、概ね0.1%を下回る水準で推移しました。米国の10年国債利回りは、年度当初から2%台前半での推移となり、平成29年9月には北東アジアを巡る地政学リスクの高まり等から一時2.0%近辺まで低下しました。その後は、FRB(米連邦準備制度理事会)による9月のバランスシート縮小決定、12月の政策金利引き上げに加え、米税制改革法案の成立等を受け、上昇基調となり、平成30年2月下旬には、物価上昇圧力の高まりによる政策金利引き上げペースの加速懸念や財政拡張気運の高まり等も重なる中、3.0%近辺まで上昇しました。

 

外国為替市場は、対ドルでは、年度当初から概ね110円をやや上回る水準で推移していましたが、平成30年1月以降、米国通商政策の不透明感や米長期金利上昇に端を発した世界的な株安等から円高基調となり、3月に一時104円台まで円高が進みました。対ユーロでは、平成29年4月に一時114円台まで円高が進みましたが、欧州政治情勢を巡る先行き不透明感の後退、欧州金融緩和策の縮小等からユーロ高・円安基調となり、平成30年2月上旬に一時137円台まで円安が進みました。

日経平均株価は、年度当初から概ね20,000円前後で推移していましたが、平成29年10月以降、衆議院選挙での与党勝利や好調な企業業績、海外株式市場等を受け、上昇基調となり、平成30年1月に約26年ぶりとなる24,000円台を記録しました。その後は、世界的な株安、円高が進行する中、下落に転じ、年度末にかけては概ね21,000円台での動きとなりました。

 

(4) 対処すべき課題

当行グループは、郵便局ネットワークを中心としたリテール営業力が支える安定した資金調達や、強固な資本基盤、またこれらの特性を活かしたALM(資産・負債の総合管理)・運用戦略によって、安定的な利益を計上してきました。

 

引き続き、厳しい経営環境が見込まれる中、安定的な収益の確保と将来の持続的成長に向けた取組みが必要と考えており、このような認識の下、平成30年度から平成32年度を計画期間とする新たな中期経営計画を策定しました。

新たな中期経営計画では、「『やっぱり、ゆうちょ』と言われることを、もっと。」をスローガンに、全社一丸となって目指す姿の実現に向けて各種施策に取り組みます。

郵便局ネットワークを通じて、全国の幅広いお客さま、小さなお子様からご高齢の方まで、お一人おひとりの人生をしっかりとサポートし、共に歩んで行くことで、ゆうちょ銀行としてのブランドを構築していきます。

あわせて、最新の技術を活用しつつ、お客さまのニーズの変化を踏まえた、新しいサービス提供スタイルを模索していきます。

チームJPの一員として、郵便局ネットワークの安定的・効率的な運営を支援し、ユニバーサルサービスの確保に貢献していきます。

 

 

(お客さま本位の良質な金融サービスの提供)

Fintech(金融とITの融合)に代表される新たなテクノロジーの活用や、よりお客さまにご相談いただけるような全国のネットワークの高度化・充実を通じて、お客さまに対して「新しいべんり」と「安心」を提供します。

 

○お客さまの資産形成への貢献

お客さま本位の業務運営の下、資産形成のお役に立てるよう、お客さまのニーズや投資経験に応じた商品提案を通じ、投資信託等の資産運用商品を提供します。

資産運用コンサルタントの増員・育成やタブレット等の販売活動ツールを充実させるほか、「投資信託取扱局」の拡大により、コンサルティング営業を推進します。また、お客さまのニーズに応じた商品ラインアップや「つみたてNISA」対象商品のご案内等により、多様な資産形成ニーズに応えます。

就職・退職・相続等、ライフイベントに応じたコンサルティングを充実させ、お客さまの生涯にわたって暮らしをサポートすることによって、「安心」を提供していきます。

 

○決済サービスの充実

即時振替サービス等の既存のサービスの利用拡大に取り組むとともに、口座貸越サービス・スマートフォン決済等の新たな送金決済サービスの導入に向けて準備を進め、“いつでもどこでも使える”「新しいべんり」を提供していきます。

 

○ATMネットワークの拡充

利便性が高い場所への小型ATMの設置拡大やATMの効果的配置を継続します。加えて、電子マネーの現金チャージの提携を拡大するなどATMの機能向上に努めます。

 

(運用の高度化・多様化)

○運用の高度化・多様化による収益確保

国内の低金利の長期化により、運用を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあるものの、資本の有効活用による国際分散投資の推進、リスク性資産への投資拡大、デリバティブ取引等の活用による収益性向上を通じて、安定的な収益の確保を目指します。

リスク性資産への投資では、外国証券投資とオルタナティブ投資を引き続き推進します。

オルタナティブ投資のうち、プライベートエクイティファンドへの投資では、JPインベストメント株式会社を通じた投資機会も活用し、国内産業へリスクマネーを供給することで、産業育成に貢献していきます。

 

○財務健全性の確保

運用の高度化・多様化を推進していく中で、国際金融規制の段階的な厳格化も加わり、自己資本比率の低下が見込まれますが、財務健全性の観点から必要十分な自己資本比率を確保し、安定的な収益と財務健全性を両立します。また、ALM・運用業務においてリスクアペタイト・フレームワーク(注)を導入し、管理態勢を高度化します。

 

(注) 収益確保と財務健全性を両立させる観点から適切なリスクの種類・水準を明確化し、「執行(経営陣)」の説明責任と「監督(取締役会)」機能の実効性を高めることで、リスクガバナンスを強化する枠組み

 

(地域への資金の循環)

引き続き、地域金融機関との連携・協働により、地域経済の発展・成長に貢献します。

地域活性化ファンドへの出資を推し進めるとともに、ATMネットワークの活用や事務の共同化等を通じて、地域金融機関との協業関係を深めます。

更なる貢献に向けて、案件選定・投資判断などを行うファンド運営(GP:General Partner)への参入を目指します。

 

 

(経営管理態勢の強化)

○リスクガバナンスの強化

コーポレートガバナンスの強化に向けて、リスクガバナンスの中核となるリスクアペタイト・フレームワークを段階的に導入し、経営管理態勢の高度化を図ります。

 

○コンプライアンス態勢の強化

コンプライアンス意識の更なる浸透や資産運用商品販売におけるお客さま保護に引き続き努めるとともに、マネー・ローンダリング、テロ資金供与防止の対応を強化して、社会的責任を果たします。

 

○人事戦略

女性管理社員比率の上昇等も含めたキャリア形成支援、働き方の見直しによる生産性の向上、社員の多様性に対応した働きやすい職場環境の整備等により、ダイバーシティ・マネジメント(多様な人材の活用)を推進します。

投資信託の販売拡大、運用の高度化・多様化等の強化分野・成長分野を中心とした人材育成に注力します。

 

○コストマネジメントの徹底・ITの有効活用

Fintech・デジタル技術を活用した業務効率化・生産性向上により、コストマネジメントを徹底します。経営資源をトランザクション業務(窓口等における定型業務)からコンサルティング業務に再配分し、人的資源の有効活用等を進めることで、お客さまサービスの充実に努めます。

加えて、お客さまの利便性の向上のため、当行システムと当行外のシステムとの連携強化に必要なシステム基盤(外部連携基盤:API)の整備・拡大等を進めます。

 

○ESG(環境、社会、ガバナンス)

CSR(企業の社会的責任)の取組みと密接不可分なものとして、持続可能な社会の形成に寄与するための3つの要素とされるESG(環境、社会、ガバナンス)への対応を更に推進します。

 

 

2 【事業等のリスク】

当行グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があると、当行グループが認識している重要な事項について、記載しております。

本項において、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。また、当行グループが認識していない、又は重要性が乏しいと考えている追加的なリスク等が、当行グループの事業、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性もあります。

 

(1) リスク管理方針及び手続の有効性に係るリスク

当行グループは、リスク管理に関する規程を定め、管理態勢を整備し、リスク管理を実施しております。また、当行グループは、経営環境、リスクの状況、今後の事業規模・範囲拡大などの想定に応じ、リスク管理態勢全般について随時見直しを行っておりますが、有効にリスク管理態勢が機能しない場合には、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、プライベート・エクイティその他のオルタナティブ投資等、新たな投資領域を開拓するなど当行グループが有価証券等の運用業務・対象を多様化し、また、貸付け業務の範囲・規模を拡大した場合、信用・市場リスク管理態勢や不公正取引発生防止態勢等を拡充する必要がありますが、かかる業務の拡大に比してリスク管理態勢の拡充が十分になされない可能性があります。

加えて、当行グループによるリスク管理方針の実施、その遵守状況の監督は、当行グループ内部だけでなく、当行の商品・サービス(貯金・資産運用商品・為替等)を販売する日本郵便株式会社の郵便局ネットワーク全体についても行う必要がありますが、約24,000もの郵便局を有する広範な郵便局ネットワークでの実施・監督に困難又は不備が生じた場合には、当行グループによるリスク管理方針が機能せず、又は不十分となる可能性があります。これらの結果、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 市場リスク

当行グループが保有する金融資産・負債の多くは、市場の変動による価値変化等を伴うものであります。当行では、中長期的に安定的収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の他、ストレス・テストや損益シミュレーション等を実施することにより、市場リスク等を適切に管理するよう努めておりますが、大幅な市場変動等によりかかる管理が十分に機能しない場合には、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、また、中長期的な安定的収益の確保を目的とした外国証券、オルタナティブ投資等への運用の高度化・多様化が、目的に即した結果を生まない可能性もあります。

① 金利リスク

当行が保有する日本国債(平成30年3月末日現在、62.7兆円・総資産額の29%)や外国証券(平成30年3月末日現在、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)は59.2兆円・総資産額の28%)などの金融資産と、定額貯金を始めとする貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等には、差異が存在します。このため、金利(長期や短期の金利)の変動は、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当連結会計年度末現在において、日本国債の一部の金利がマイナスとなる等市場金利は非常に低い水準にあり、更に、今後の金融政策の動向によりかかる金利水準が長期に亘り継続し又は低下する場合、運用収益の減少に比して、相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少し、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

更に、市場金利の変動は、当行の債券ポートフォリオ等の価値に影響を及ぼします。例えば、国内外の景気変動、中央銀行の金融政策、日本国政府の財政運営やその信認の変化等、様々な要因により市場金利が上昇した場合、保有する債券等の価値下落によって評価損・減損損失や売却損等が生じ、その結果、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、定額貯金(平成30年3月末日現在、97.2兆円・総貯金額の54%。預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)について、急激な市場金利上昇等により、事前のリスク管理の想定を超える貯金流出や預け替えが発生した場合にも、計画以上の運用原資の減少や調達コストの上昇を通じて、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 為替リスク

当行は、収益源泉・リスクの分散を目的に、運用の高度化・多様化の一環として国際分散投資を進め、外国証券の保有が増加しておりますが、外貨建て資産の一部については為替リスクを軽減するヘッジを行わない、又は短期のヘッジを行うことがあります。その結果、大幅な為替相場の変動が発生した場合、ヘッジしていない部分に差損が発生し、又はヘッジコストが上昇すること等により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 株式価格変動リスク

当行グループは、直接又は金銭の信託や投資信託を通じて間接的に、株式を保有することがあることから、国内外の経済状況又は市場環境の悪化や低迷等によって株価が下落する場合には、保有株式に評価損・減損損失や売却損等が発生し、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 市場流動性リスク

経済状況の著しい悪化や金融市場の混乱、銀行・金融業界全体の社会的信用や信認が低下する場合等には、当行グループが国内外の市場で取引・決済ができなくなることや、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされること等により、損失を被る可能性があります。その結果、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 資金流動性リスク

当行グループの業績や財政状態の悪化、風評等の発生や、予期せぬ資金流出、運用と調達の期間のミスマッチ(差異)等、また、当行グループの収益力・信用力の低下、日本国債の格下げ等の影響を受けた当行格付の引き下げにより、円貨・外貨の必要資金確保が困難になる、又は、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより、損失を被る可能性があります。その結果、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 信用リスク

当行グループが保有する社債等の有価証券の発行者や投資先、貸出先の債務者等において、国内外の経済情勢(景気・信用状況等)や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、不祥事等の発生、その他不測の事態により、財政状態が悪化する可能性があります。その結果、当行グループの与信関係費用が増加、当行グループが保有する有価証券等の価値が下落すること等により、当行グループの業績、財政状態及び自己資本の状況に影響を及ぼす可能性や、中長期的な安定的収益の確保を目的とした外国証券への運用、プライベート・エクイティその他のオルタナティブ投資等、運用の高度化・多様化が、目的に即した結果を生まない可能性があります。

 

(6) オペレーショナル・リスク等

① 事務リスク

当行グループや当行の商品・サービスを販売・提供する日本郵便株式会社の役員・従業員が、事務に関する社内規程・手続等に定められた事務処理を怠る、あるいは事故・不正等を起こすリスクが存在します。これらの事務リスクが顕在化した場合には、当行グループへの行政処分、訴訟提起等により、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当行グループの業務に関連して、顧客その他の第三者が、偽名による口座開設、当行口座の不正目的による使用、又は盗難カードを使用した犯罪行為その他の不正行為を行った場合や、当行グループの取引先が反社会的勢力と何らかの関係を有する者であった場合には、これに対応する費用の支出が発生する等、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② システムリスク

当行グループは、当行が保有する銀行業に係るシステムのほか、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険と共用しているシステムも利用して、銀行口座、資産運用等の取引・管理を行い、また、全国の郵便局ネットワークや全国銀行データ通信システム等と通信しているなど、情報通信システムは、当行グループの事業にとって極めて重要な機能を担っております。これらについて、自然災害・サイバー攻撃等の外的要因に加えて、人的過失、事故、コンピュータウィルスの感染、システムの新規開発・更新における瑕疵等により、システム障害が発生する可能性があります。こうしたシステムの不具合、故障等が生じた場合に、これに対応する費用の支出の発生、業務の停止・混乱、それに伴う損害賠償、行政処分、社会的信用の毀損等が発生することにより、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 情報資産リスク

当行グループは、多数の個人・法人のお客さま等の情報を保有しています。顧客情報は銀行法、金融商品取引法等により適切な取扱いが求められ、特に個人情報については個人情報保護法等の下で、より厳格な管理が求められております。

当行グループでは、プライバシーポリシー等情報管理に関する規程等を整備し、厳正な情報管理に努めておりますが、機密情報や顧客情報等の重要な情報について、内部からの漏えいや、コンピュータへのサイバー攻撃等外部からの不正なアクセス等が発生する可能性があり、業務委託先を含め、仮にこのような事象が生じた場合には、これに対応する費用の支出の発生、当行グループに対する損害賠償請求、行政処分、社会的信用の毀損等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 訴訟等に係るリスク

当行グループは、事業の遂行に関して、訴訟等が提起されるリスクを有しております。

業績に影響を及ぼす訴訟や社会的影響の大きな訴訟等が発生し、当行グループに不利な判断がなされた場合には、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 人事リスク

人事処遇、勤務管理などの人事労務上の問題、職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合や、これらに関連する重大な訴訟等が発生し、当行グループに不利な判断がなされた場合、当行グループの業績、社会的信用及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ レピュテーショナル・リスク

当行グループや当行グループの事業の風説・風評が、報道機関・市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板への書込み、ソーシャル・ネットワーク・サービス等により拡散した場合、また、報道機関により憶測に基づいた報道が行われた場合には、お客さまや市場関係者等が、当行グループについて事実と異なる理解・認識をし、当行グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当行グループと競合する他の金融機関等に関する問題や不祥事の発生、批判、風評等であっても、それにより銀行・金融業界全体の社会的信用や信認が下落する場合には、当行グループの事業、業績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 法令違反等に係るリスク

当行グループは、顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)に取り組み、法令・諸規則等を遵守すべく、コンプライアンスやその意識の水準向上、内部牽制・内部監査・顧客保護等管理など内部管理の強化を経営上の重要課題として位置づけ、適切な指示・指導・モニタリングを行う態勢を整備するとともに、法令違反・不正行為等の防止策を講じております。しかしながら、これらが十分な効果を発揮せず、横領その他の犯罪行為、マネー・ローンダリング、テロ資金供与、インサイダー取引規制等違反、お客さまの属性に照らし不適合な顧客説明や資産運用商品の販売等、法令・諸規則等を遵守できない可能性があります。また、これらの法令等の不遵守を、組織として迅速・適切に認識できない可能性もあります。業務委託先である日本郵便株式会社等を含め、法令違反・不正行為等に関するリスクが顕在化した場合には、当行グループへの訴訟提起、行政処分等により、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 災害リスク

当行グループは、大規模災害等に備えた事業継続計画等を整備し、危機管理態勢の強化に努めておりますが、大規模災害、感染症の大流行、テロリズム・武力衝突等の人的災害、電気・通信その他の社会インフラの障害や混乱等が発生した場合、当行の店舗・事務センター等といった施設・有形資産やシステム等が毀損し、又は正常な業務遂行が困難になること等により、当行グループが損失を被る可能性があります。また、かかる状況の下で当行グループの業務が円滑に機能していたとしても、かかる状況の発生による経済・社会活動の沈滞や、インフラの機能不全等の影響を受けて、当行グループが保有する金融商品に評価損・減損損失や売却損等が生じたり、当行グループの不良債権・与信関係費用が増加したりする可能性もあり、その結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 事業戦略・経営計画に係るリスク

当行グループは、「『やっぱり、ゆうちょ』と言われることを、もっと。」のスローガンの下で、「お客さま本位の良質な金融サービスの提供」、「運用の高度化・多様化」、「地域への資金の循環」、「経営管理態勢の強化」に取り組むとともに、平成30年度から平成32年度までを計画期間とする新たな中期経営計画で掲げた経常利益や当期純利益等の経営目標の達成を目指しております。

しかしながら、これらに向けた当行グループの事業戦略・経営計画は、各種のリスクにより実施が困難となり、又は有効でなくなる可能性があります。また、事業戦略・経営計画の策定時に前提とした各種の想定が想定通りとならないこと等により、当初計画した成果が得られない可能性もあります。特に、市場(金利・為替等)・経済情勢(景気・信用状況等)等が計画策定時の想定通り安定推移しなかった場合、例えば、市場金利の低下による運用利回りの減少によって収益計画が達成できない可能性や、国際分散投資等の高度化・加速を継続していく中で、適切なポートフォリオ分散を達成できない可能性、より高いリスクを有する運用資産の増加によって価格変動リスクを受けやすくなり、当行グループの事業、業績及び財政状態に及ぼす影響が大きくなる可能性があります。更に、平成29年3月期第2四半期以降に満期が集中している定額貯金の再預入や、投資信託の販売、運用・リスク管理・営業等の人材確保・育成が、想定通り進捗しなかった場合、総預かり資産の拡大等の計画が達成できなくなる可能性があります。また、有価証券の評価損の資本直入、減損損失、売却損の計上により十分な配当可能額が確保できない等、当該計画における目標を達成できない可能性があります。更に、日本郵政株式会社は、将来的なグループ連結ベースでのIFRS適用を検討しており、将来的に当行グループもIFRSを適用する可能性があるほか、事業の内容又は経営環境の変化に対応して会計方針等の変更を行う可能性もあります。これらの結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 業務範囲の拡大等に係るリスク

当行グループは、新たな収益機会を得るために新規業務を行おうとする場合、郵政民営化法、銀行法の規制により必要となる当局の認可等を適時に取得できない可能性があります。例えば、当行は、平成24年9月3日に行った相対による法人向け貸付、住宅ローン等の個人向け貸付などを内容とする認可申請を、平成29年3月31日に取り下げました。

また、認可を得て業務範囲を拡大した場合でも、当行グループが限定的な経験しか有していない業務分野に進出した場合、競争の激しい分野に進出した場合等において、業務範囲の拡大が功を奏しない、又は、当初想定した成果をもたらさない可能性があります。その結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 事業環境等に係るリスク

① 主要な事業の前提に係るリスク

当行は、郵政民営化法第98条第1項により、次に掲げる条件付きで銀行法第4条に定める銀行業の免許を受けたものとみなされております。

・郵政民営化法第110条第1項各号に掲げる業務(いわゆる新規業務。「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考) (1) 業務の制限」をご参照ください。)を行おうとするときは、内閣総理大臣の承認を受けなければならないこと。

・郵政民営化法第8章第3節の規定の適用を受ける間、業務の健全、適切かつ安定的な運営を維持するための基盤となる銀行代理業者への継続的な業務の委託がされていること。

この免許につきましては、有効期間は定められておりませんが、銀行法第26条、第27条、第28条及び第41条に規定された要件に該当した場合、業務の停止又は免許の取消し等を命じられることがあります。当連結会計年度末現在において、当行は、これらの要件に該当する事実はないものと認識しておりますが、将来、何らかの事由により当行がこれらの要件に該当した場合には、当行の主要な事業活動に支障をきたし、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 銀行法を始めとする各種法令等に係るリスク

当行グループは事業を行うにあたり、銀行法を始め税制・会計基準を含む各種法令等が適用され、銀行免許・当局の監督を受けております。また、我が国はWTO(World Trade Organization:世界貿易機関)の加盟国であり、当行が物品等を調達する場合にも、WTOによる政府調達ルールの遵守が求められます。各種法令等の改正や新たな法的規制等により、当行グループの競争条件が悪化したり、営業・運用等の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会の制限等により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、米国の外国資産管理法による指定国等に対する経済制裁の発動・強化は、当行の国際分散投資を制約し、直接又は投資信託を通じ保有する外国証券のリスクを高める可能性があります。

 

また、当行は、郵政民営化法によって、他の銀行には課せられていない規制が課されております(当行に係る郵政民営化法に基づく規制は、「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考)」をご参照ください。)。例えば、当行は、他の銀行と比較して業務拡大等に係る経営の自由度が限定されており、また、銀行を当行の子会社とすることや、預入限度額を超える一顧客からの貯金受入れも、原則としてできません。郵政民営化法の規制により、当行グループの事業、成長戦略を含む事業戦略・経営計画の策定・遂行、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。更に将来、現行の民営化の枠組みを変更する法律が制定された場合、その内容によっては、当行グループに影響をもたらす可能性もあります。

③ 経済・社会情勢、市場に係るリスク

当行グループが行う事業による収益の多くは日本国内での貯金調達や国内外での有価証券運用によって得られており、国内外の景気・信用状況や人口動態等の経済・社会情勢、金利・為替等の市場の変動・悪化が、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、消費税率の引き上げによる家計の可処分所得の低下や、少子高齢化に伴い、日本の貯蓄率・預金水準が低下し、当行の貯金残高が減少する可能性があります。また、国内外の金融市場に混乱等が生じた場合、当行グループの事業の低迷や資産内容の悪化、資金調達力・資産流動性の低下等が生じる可能性があります。このような場合、中長期的な安定的収益の確保を目的とした運用の高度化・多様化が、目的に即した結果を生まない可能性もあります。

④ 競争に係るリスク

当行グループが行う事業は、いずれも激しい競争状況に置かれております。当行の主力事業は郵便局ネットワークをメインチャネルとするリテール・バンキング事業であるため、当行は、都市銀行のほか、地方銀行その他の金融機関と競合しております。また、当行グループが業務範囲を拡大した場合には、現時点では当行グループと競合関係にない会社との競合が新たに生じる可能性もあります。更に、近年では、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われているほか、参入規制の緩和や業務範囲の拡大等の規制緩和が行われております。

当行グループが競合する他の金融機関に対して優位に立てない場合や、市場構造の変化に対応できなかった場合、規制緩和や新規参入が想定以上に進んだ場合は、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 日本郵政株式会社との関係に係るリスク

① 日本郵政株式会社の当行の事業運営に対する影響

日本郵政株式会社は、以下の諸点を通じ、当行の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

(a) 議決権の行使等を通じた影響

日本郵政株式会社は、当連結会計年度末現在において、当行の発行済株式総数(自己株式を除く。)のうち約89%を保有しており、当行の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等、当行の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。

また、日本郵政株式会社は、後記「4 経営上の重要な契約等」に記載の日本郵政グループ協定その他の契約や、日本国政府による日本郵政株式会社株式の保有等により、当行について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主の期待と異なる議決権の行使を行う可能性があります。更に、当行以外の日本郵政グループ各社が、直接又は子会社等を通じて当行と競合し又は競合する可能性のある事業を行うなど、当行の一般株主の利益とは異なる観点で行動する可能性があります。

(b) 日本郵政グループとの人的関係を通じた影響

下表のとおり、日本郵政グループの役員等が当行の役員を兼任しています。

また、当行経営会議(「第4 提出会社の状況 6 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの状況 ② 企業統治の体制の概要等」をご参照ください。)には、原則、日本郵政株式会社の役員は出席しないものの、会議の議題に応じて、出席が必要と当行が考える日本郵政株式会社の代表執行役に限り出席を要請することとしています。

 

更に、従業員についても、平成30年3月末日現在、当行に、日本郵政株式会社の子会社である日本郵便株式会社からの受入出向者が約290名、当行・日本郵便株式会社に、両社職務の兼務者が約630名(当行所属従業員約240名、日本郵便株式会社所属従業員約390名)おります。この他、日本郵政株式会社等からの受入出向者は8名であります。当行は日本郵便株式会社に銀行代理業務等を委託しており、代理店の現状に精通した人材を代理店の業務指導・支援に活用し、また、代理店の要員に当行直営店業務を経験させることは、代理店の事務品質・業務知識の向上を狙いとしています。更に、当行エリア本部、日本郵便株式会社の支社の所属者を相互に兼務させ、営業施策の立案・推進管理、営業人材の育成を協働推進させることは、直営店・郵便局一体の営業力強化を企図しております。なお、これらの受入出向者・兼務者はいずれも、当行の重要な意思決定に影響を与える職位・職務には就いておりません。

日本郵政株式会社は、上記の役員兼任等を通じ、当行の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 

(日本郵政グループの役員等と当行役員を兼任している者)

本有価証券報告書提出日現在

役職・氏名

兼任している会社・役職

兼任の理由

会社

役職

取締役兼代表
執行役社長

池田 憲人

日本郵政
株式会社

取締役
(非常勤)

当行代表として、親会社である日本郵政株式会社の意思決定過程に参画するため

取締役兼代表
執行役副社長

田中  進

日本郵政
株式会社

常務執行役

国が資本金の2分の1以上を出資している法人である日本郵政株式会社として国会で当行に関する専門的な質問への答弁対応の必要があると考えているため

取締役
(非常勤)

長門 正貢

日本郵政
株式会社
 
日本郵便
株式会社
 
株式会社
かんぽ生命
保険

取締役兼
代表執行役社長
 
取締役
(非常勤)
 
 
取締役
(非常勤)

グループ経営の観点からの総合的な助言を得るため

執行役副社長

萩野 善教

日本郵政
インフォメ
ーションテ
クノロジー
株式会社

取締役
(非常勤)

当行が日本郵政インフォメーションテクノロジー株式会社に委託している業務について、当行の意向をより適切に反映させるため

常務執行役

林  鈴憲

日本郵政
スタッフ
株式会社

取締役
(非常勤)

当行が日本郵政スタッフ株式会社に委託している業務について、当行の意向をより適切に反映させるため

 

 

(c) 契約関係・取引関係を通じた影響

当行は、後記「4 経営上の重要な契約等」や「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(関連当事者情報)」に記載のとおり、日本郵政グループ各社と契約を締結し取引していますが、当該取引にあたっては、契約の締結・改定の際に、取引の目的・必要性、取引条件の適正性(銀行法に定めるアームズ・レングス・ルール)等を確認しており、日本郵政グループ内の取引を適正に管理する態勢を整備しております。加えて、当行と日本郵政グループ各社との重要な取引や、当行と当行の主要株主との非定型的な取引については、取締役会において審議の上、承認することにより、当行又は株主共同の利益を害することのないよう監視しております。

 

当行は、後記「4 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、グループ共通の理念・方針等のグループ運営に係る基本的事項を定め、円滑なグループ運営に資することを目的とした日本郵政グループ協定等を締結しております。これらの協定等に基づき、当行は一定の重要事項につき日本郵政株式会社と事前協議等を行うこととされ、また日本郵政株式会社から「ゆうちょ」等の商標の使用を許諾されるとともに、日本郵政株式会社に対し、日本郵政グループに属することによる利益の対価として、別途合意した算定方法に従いブランド価値使用料を支払っています。これらの協定等は後記「4 経営上の重要な契約等」に記載の要件が満たされ解除されない限り、原則として存続するため、当行は当該解除までの間、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合に関わらず、一定の重要事項につき日本郵政株式会社と事前協議等を行う義務や、日本郵政株式会社に対してブランド価値使用料を支払う義務等を負います。

また、後記「4 経営上の重要な契約等」に記載の要件が満たされ、これらの協定等の終了又は見直しにより現在の条件での商標の使用が継続できなくなった場合や、重大な経済情勢の変化等が生じたと判断してブランド価値使用料の算定方法が変更された場合等には、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 日本郵政株式会社による当行株式の追加処分の可能性

日本郵政株式会社は、上記①のとおり、当連結会計年度末現在において、当行の発行済株式総数(自己株式を除く。)のうち約89%を保有していますが、郵政民営化法は、日本郵政株式会社が保有する当行株式は、その全部を処分することを目指し、当行の経営状況及びユニバーサルサービスの提供への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとしています。今後の株式売却の時期・規模等は未確定ですが、日本郵政株式会社は、前記「第1 企業の概況 2 沿革」に記載のとおり、当行株式をまずは保有割合が50%程度となるまで段階的に売却していく方針を発表しており、将来、当行株式の追加的な売却が行われ、又はかかる売却により市場で流通する当行の株式数が増え需給が悪化するとの認識が市場で広まった場合には、当行株式の流動性・株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。

また、日本郵政グループ協定等は、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合に関わらず、後記「4 経営上の重要な契約等」に記載の要件が満たされ解除されない限り、原則として存続しますが、日本郵政株式会社が当行の株式を更に売却し、当行又は株式会社かんぽ生命保険が日本郵政株式会社の連結子会社でなくなった場合、これらの協定等の多くは見直すこととされているため、当行にとって不利な条件に変更される等の場合には、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

一方、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合は、郵政民営化法による他の銀行には課せられていない規制(「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考)」をご参照ください。)が緩和される要件の一つであるため、日本郵政株式会社による当行株式の追加処分が行われない場合、当該緩和が、期待通りに進まず、当行の経営の自由度の拡大が実現しない可能性があります。

③ 日本国政府との関係希薄化により顧客等に誤認が伝播するリスク

当行は、日本国政府から何らの明示又は黙示の保証その他の信用補完を受けておりません。しかし、日本郵政株式会社による当行株式の処分や、日本国政府による日本郵政株式会社株式の処分の進捗に伴い、当行と日本国政府との関係の希薄化により、当行の経済的信用力が低下したとの誤認や錯誤が伝播した場合等には、貯金等の減少、取引条件や人材の採用・定着への影響等を通じ、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 日本郵便株式会社との関係に係るリスク

① 郵便局ネットワークをメインチャネルとする営業に係るリスク

当行は、後記「4 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、銀行代理業務の委託契約等に基づき日本郵便株式会社に銀行代理業務等を委託しています。平成30年3月末日現在、当行の店舗24,019のうち23,785が代理店(郵便局)となっており、貯金残高の約9割が代理店で開設された口座への預入による等、当行の事業は、代理店である日本郵便株式会社の郵便局ネットワークによる営業に大きく依拠しています。

 

従って、コミュニケーション手段の多様化、競合するネットワークやサービスの利便性向上等により、当行の代理店である郵便局の利用者数や利用頻度が減少したり、代理店で取り扱う当行の商品・サービスの種類や代理店数が減少した場合、また当行代理店業務に従事する従業員の確保やその教育が十分でない場合、郵便局で取り扱う競合商品との競争が激化する場合、日本郵便株式会社が人材等のリソースを当行の商品・サービス以外に優先的に配分する場合等においては、当行の貯金等や新商品等の販売が伸びず、その結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当行は、上記の銀行代理業務の委託契約等に基づき、日本郵便株式会社の郵便局を商品・サービスの販売・提供のメインチャネルとし、相当額の委託手数料を日本郵便株式会社に対して支払っております(「4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)が、当該委託手数料の算定方法その他の条件が当行と日本郵便株式会社との間の合意により見直されたり、当該契約等が解除され代替委託先等を適時に確保できない場合、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、上記(9)①のとおり、日本郵便株式会社が当行との間で締結している銀行代理業務の委託契約等は、当行の主要な事業活動の前提となっております。当該契約は期限の定めのない契約ですが、解除に係る協議の申入れより6か月経過後の通知により解除できるものと定めております。当連結会計年度末現在において、日本郵便株式会社から当該契約等の見直しや解除の申入れ等、契約の存続に支障を来す要因は発生しておりませんが、当該要因が発生した場合には、当行の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

② ユニバーサルサービスの提供に係るリスク

当行は、後記「4 経営上の重要な契約等 (1) 銀行窓口業務契約」に記載のとおり、日本郵便株式会社との間で銀行窓口業務契約を締結しており、同社は全国の郵便局で、当行の基本的な商品・サービスを、日本郵便株式会社法に基づくいわゆるユニバーサルサービス提供に係る法的責務の履行として提供しています。当行は、法令上この責務を直接負わないものの、郵便局で使用するATM・窓口端末機など銀行委託業務に係るITシステムの導入・運行コストとともに(なお、当該ITシステムは当行が所有)、同業務に従事する日本郵便株式会社の従業員の指導・教育等を通じ、ユニバーサルサービス提供に係る一定のコストを負担しております。

その結果、より収益性の高い業務や地域への経営資源配分が制約されること等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、銀行窓口業務契約は、期限の定めがなく、また、本契約に定める特段の事由が生じた場合等を除き、当事者の合意がない限り、解除できないものと定めています。また、当行の定款には、日本郵便株式会社と銀行窓口業務契約を締結する旨規定しているため、当該契約を終了させる場合には、定款の変更を要します。従って、当行が銀行窓口業務契約を終了させるためには、これらの手続等を充足させる必要があります。

一方、本契約が終了した場合にも、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、平成30年6月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が成立しました(下記「(参考) 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要」をご参照ください。)。これによって、平成32年3月期から当行と日本郵便株式会社との間の委託手数料の一部が交付金・拠出金となることとなります。このようなユニバーサルサービスの確保に関する政府の施策、法令や規制等の改正等の内容によっては、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(参考) 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要

平成30年6月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が国会で成立しました。これにより、平成31年4月1日に独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構(以下「機構」)の名称が「郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」に変更されることになり、また、機構の目的として、「郵便局ネットワークの維持の支援のための交付金を交付することにより、郵政事業に係る基本的な役務の提供の確保を図り、もって利用者の利便の確保及び国民生活の安定に寄与すること」が追加されることになりました。

本法に基づき、平成32年3月期から、機構から日本郵便株式会社に対し、下記①から②を控除して得た額の交付金が交付されます。また、機構は、郵便局ネットワーク支援業務に要する費用に充てるため、関連銀行・関連保険会社から下記③の額の拠出金を徴収します。

 

① 郵便局ネットワークの維持に要する基礎的費用(注)の額

② ③の按分して得た額のうち日本郵便株式会社に係る額

③ ①の額及び機構の郵便局ネットワーク支援業務に関する事務費相当額の合計額を、日本郵便株式会社・関連銀行・関連保険会社の各業務において見込まれる郵便局ネットワークの利用の度合に応じて按分して得た額のうち、関連銀行・関連保険会社に係る額

 

(注) 基礎的費用とは、郵便局ネットワークの維持に要する費用のうち、あまねく全国において郵便局で、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務が利用できるようにすることを確保するために不可欠な費用として総務省令で定める方法により算定した額をいう。

 

(12) その他のリスク

① 自己資本比率等に係るリスク

当行は、「銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成十八年金融庁告示第十九号)に基づき、自己資本比率の規制比率(4%以上)を維持する必要があります。平成30年3月末日現在、当行の連結自己資本比率は17.43%となっており、規制比率に比べ高い水準を確保しておりますが、運用の高度化・多様化により、自己資本比率が低下傾向にあることに加え、業績・財政状態や運用ポートフォリオの変動、比率の算出方法、バーゼル銀行監督委員会の議論(信用リスクの標準的手法の見直し等)の結果を受けた規制の新設・変更等により、当行の自己資本比率が低下したり、新たな規制等への対応が必要となる可能性があります。当行の自己資本比率等が規制比率を満たさない場合には、当局から業務の縮小・停止等の行政上の措置が課されること等により、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当行は、金利リスク状況のモニタリングの一環として、一定の金利変動による資産・負債ネットの経済価値低下額の自己資本に対する割合を計る基準であるアウトライヤー比率を計測しております。平成30年3月末日現在、11.37%となっておりますが、今後、当行のアウトライヤー比率が規制比率(20%)を超えた場合には、金融庁から改善措置を求められる等の可能性があります。

アウトライヤー基準の適用については、当局が定めた「主要行等向けの総合的な監督指針」において、「ゆうちょ銀行は、法令上、一部の資産について国債等の安全資産の保有が義務付けられているため、(アウトライヤー基準に該当する場合の)監督上の対応をするにあたっては、当該特殊事情を適切に勘案することとする。」とされています。

なお、平成30年3月31日付で「主要行等向けの総合的な監督指針」が改正され、平成31年3月末より新たな枠組みに基づく金利リスクの計測が開始されることとなりました。かかる金利リスク等に関する規制の創設や変更により、新たな対応が必要となる可能性があります。

② 財務報告に係る内部統制に関するリスク

当行グループは、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その結果を記載した内部統制報告書の提出及び監査人による監査を受けることが義務付けられております。

当行グループは、財務報告の信頼性を確保するため、財務報告に係る内部統制の評価及び報告に関する規程等を制定し、財務報告に係る内部統制について必要な体制を整備しております。また、評価の過程で発見された問題点等は速やかに改善するべく努力しております。しかしながら、財務報告に係る内部統制が有効でない場合には、当行グループの財務報告の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。

③ 管理会計等に係る内部管理に関するリスク

本書には、日本の会計基準によらず外部監査を受けていない管理会計等に基づく数値・分析等が、含まれております。当行は、これらについても内部管理の体制を整備しておりますが、有効でない場合には、数値等の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。

④ 退職給付債務に係るリスク

当行グループの退職給付費用及び債務は、将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件に変更があった場合等には、退職給付費用及び債務が増加する可能性があります。また、当行グループの退職給付制度を改定した場合にも、追加的負担が発生する可能性があります。その結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 人材確保に係るリスク

当行グループは、安定した事務遂行と高い専門性を必要とする業務を行っており、営業・運用・ALM・リスク管理・IT・財務・コンプライアンス等の分野において有能で熟練した人材が必要とされます。当行グループは、他の金融機関等と競争状況に置かれているため、有能な人材を採用し定着・育成することができなかった場合には、事業の競争力、業務運営の効率性等が損なわれ、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば上記分野等の要員に係る採用、報酬等の処遇、育成に注力しても、十分なスキルを持った従業員を育成・定着させることができない可能性や、経営幹部を採用・定着させられない可能性があり、これらの場合には、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 業務提携・外部委託等に伴うリスク

当行グループは、業務の提携、運用・事務・システム開発等の外部委託等を行っております。当行グループが期待していたとおりの成果や利益を達成できない場合や、業務提携先や当行グループの関係会社・日本郵政グループ各社を含む委託先等で、業務遂行の問題が生じ商品・サービスの提供等に支障をきたしたり、お客さまの情報等の重要な情報漏えい等の違法行為が発生した場合、また、提携・委託等が解消され適切な代替委託先等を適時に確保できない場合等において、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 他の金融機関等の信用力の悪化等に係るリスク

当行グループは、国内の銀行、証券会社、保険会社等の金融機関と取引を行っておりますが、取引先や他の金融機関の業績や財政状態の悪化により信用力等に問題が生じた場合、当行グループが当該金融機関との取引で損失を被ったり、政府が当該金融機関の資本増強や収益回復等のために規制・資金調達・税務等に係る救済措置を講じ、預金保険料等が増加したり、競争上の不利益を被ること等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 当行グループの経営成績等の状況の概要及び分析・検討内容

当連結会計年度における当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、当行グループは、銀行業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

また、当行は当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析は記載しておりません。

 

① 経営成績

当連結会計年度の経常収益は2兆449億円となりました。このうち、資金運用収益は1兆5,027億円となりました。役務取引等収益は1,300億円となりました。また、その他業務収益は2,116億円となりました。

一方、経常費用は1兆5,452億円となりました。このうち、資金調達費用は3,317億円、営業経費は1兆429億円となりました。

以上により、金利が低位で推移するなど厳しい経営環境下、経常利益は4,996億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は3,527億円となりました。

なお、「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

 

② 財政状態

当連結会計年度末における総資産は210兆6,298億円となりました。主要勘定については、有価証券は139兆2,004億円、貸出金は6兆1,455億円となりました。貯金残高は179兆8,813億円となりました。このうち、特別貯金に計上している独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構からの預り金(旧日本郵政公社において平成19年9月末までに預入された定額貯金等の郵便貯金)は1兆9,701億円です。

株主資本は8兆8,947億円、その他の包括利益累計額は2兆6,264億円となり、純資産は11兆5,216億円となりました。株主資本のうち、利益剰余金は2兆3,991億円となりました。

 

③ キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの状況については、営業活動によるキャッシュ・フローは△1,304億円、投資活動によるキャッシュ・フローは△1兆6,761億円、財務活動によるキャッシュ・フローは△1,873億円となりました。その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、49兆2,233億円となりました。

資本の財源及び資金の流動性については、当面の設備投資及び株主還元などは自己資金で賄う予定であります。

 

 (2) 当行の経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当行の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 事業の概況

当行は、平成27年度から平成29年度を計画期間とする中期経営計画を策定し、計画目標の達成に向けて取り組みました。

 

中期経営計画(平成27年度~平成29年度)

 

目指す姿

・約24,000局の郵便局を中心にした全国を網羅するネットワークを通じ、お客さま満足度No.1のサービスを提供する「最も身近で信頼される銀行」

 

・「本邦最大級の機関投資家」として、適切なリスク管理の下で、運用の高度化・多様化を推進し、安定的収益を確保

 

具体的戦略

1.1億人規模のお客さまの生活・資産形成に貢献するリテールサービスの推進

  「安定的な顧客基盤の構築による総預かり資産の拡大」「役務手数料の拡大」「営業基盤の整備」「お客さま本位のサービス提供体制の構築」

 

2.安定的な調達構造の下、一層の運用収益を求めて、運用戦略を高度化

 

3.コンプライアンスの徹底を大前提に、上場企業としての強靭な経営態勢を構築

 

 

 

最終年度である平成29年度は、当行の強みを有する分野での業務に特化することを企図し、「お客さま本位の良質な金融サービスの提供」「地域への資金の循環等」「運用の高度化・多様化」の3点を基軸に、以下の諸施策に取り組みました。

 

(お客さま基盤の確保と手数料ビジネスの強化)

○お客さまの資産形成のサポート

お客さま本位の業務運営の実践により、お客さまのライフスタイルやニーズに応じたコンサルティング営業、郵便局ネットワークを活用した資産運用商品販売を展開しました。

 

具体的には、資産運用コンサルタントの増員・育成に努めたほか、平成29年7月以降、投資信託の販売を行う「投資信託取扱局」、資産運用のご相談や投資信託の紹介を行う「投資信託紹介局」を拡大しました。

 

また、新規のお客さまを対象としたキャンペーン等を通じて、裾野拡大に向けた取組みを継続するとともに、お客さまの多様な資産形成ニーズにお応えできるよう、iDeCo(個人型確定拠出年金)の商品ラインアップ拡充や信託報酬等の手数料引き下げを実施しました。

 

平成30年1月から取扱いを開始した「つみたてNISA」は、初めての投資や少額での積立をお考えのお客さまに安心してご購入いただける商品を用意しました。

 

 

○ATMネットワーク・スマートフォン向けサービスの拡充

平成28年度に引き続き、16言語対応の小型ATMを全国のファミリーマート店舗等に設置しました。

平成30年1月には、当行のキャッシュカードをイーネットATM(注)でご利用いただいた際の手数料を一部無料化しました。当行以外のATMで手数料が無料となることは初めてであり、お客さまの利便性が更に高まるものと考えています。

このほか、「ゆうちょ銀行ATM検索アプリ」や「ゆうちょダイレクト残高照会アプリ」といったスマートフォン向けアプリの提供を開始しました。

 

(注) イーネットATMは株式会社イーネットが設置・運営する銀行共同ATM。全国のファミリーマートなどのコンビニエンスストアやスーパーなど全国約13,000箇所に設置されています。

 

○決済サービスの拡充

平成29年7月からビリングシステム株式会社が提供するスマートフォン決済アプリ「PayB(ペイビー)」において、当行口座からのお支払いが可能となったほか、即時振替サービスを活用した証券会社等との連携拡大等、決済機能の拡充に努めました。

平成28年度から日本郵便株式会社とともに発行しているVisaプリペイドカード「mijica(ミヂカ)」は、機能追加や発行地域の拡大等を行いました。

 

(地域への資金の循環等)

○地域活性化への貢献

お客さまの大切な資金を地域に循環させていくために、地域金融機関との連携を通じて、平成28年度から地域活性化ファンドへの参加を積極的に推し進めています。平成29年度においても、事業承継や起業・創業の支援等を目的として、複数のファンドへの出資を決定しました。

 

(運用の高度化・多様化)

○運用の高度化・多様化

国内の低金利環境が継続する中、海外の投資適格債を中心とした外国証券投資を拡大しました。また、成長が見込まれる未上場企業等へ投資するプライベートエクイティファンド、不動産ファンド、ヘッジファンドなどのオルタナティブ投資の着実な積上げを進めました。

プライベートエクイティ投資による、更なる収益拡大を図るため、株式会社かんぽ生命保険と協力し、平成30年2月にJPインベストメント株式会社を設立しました。同社では、主として日本国内の企業を対象に、事業性の評価に基づく投資判断及び投資先企業の経営支援を行い、他の優れたファンド運営者等と共同出資により資金供給を行っていきます。

 

○運用態勢・リスク管理態勢の強化

運用の高度化・多様化にあわせて、外貨資金の安定的な確保に努めるとともに、外部からの専門的人材の登用・内部人材の育成により、運用態勢を一層強化しました。

また、オルタナティブ投資を始めとする投資対象の拡大に対応し、モニタリングの高度化等により、リスク管理態勢の強化に取り組みました。

 

 

(経営基盤の強化)

○経営インフラの整備

IR活動・IR態勢の充実、ダイバーシティ・マネジメント(多様な人材の活用)等の推進のほか、Fintech(金融とITの融合)への対応、成長分野を中心とした人材育成、システムによる自動化等も通じた事務の効率化や社員の生産性を高めるための働き方改革を推進しました。

CSR(企業の社会的責任)では、「安心のサービス」「環境」「ダイバーシティ・マネジメント」「教育」を重点テーマとして、当行の業務の特性を活かして社会の基盤づくりに貢献しました。

 

○経費の効率的使用

お客さまサービスの向上や当行の成長に資する分野への投資は積極的に行う一方で、既定経費の削減やBPR(業務プロセスの変革による生産性の向上)を推進するなど、経費の効率的使用に取り組みました。

 その結果、中期経営計画(平成27年度から平成29年度)の経営目標としていた物件費削減については、平成26年度対比785億円削減となり、目標(500億円削減)を上回りました。

 

○内部管理態勢の充実

「コンプライアンスなくして会社は存続し得ない」との強い信念の下、各種研修等を通じたコンプライアンス意識の更なる浸透や、資産運用商品販売におけるお客さま保護など、企業価値向上に向けた内部管理態勢を一層強化しました。

平成29年6月には「お客さま本位の業務運営に関する基本方針」を公表し、その定着・推進に努めました。平成30年3月には、更なる定着を図るため、同方針の内容を更新し、公表しています。

また、国際的・社会的要請の高まりを踏まえ、マネー・ローンダリング、テロ資金供与防止の態勢強化に取り組んでいます。

 

(「新規業務の認可申請」について)

「お客さま本位の良質な金融サービスの提供」「地域への資金の循環等」「運用の高度化・多様化」の3点を基軸に、当行の更なる企業価値の向上の観点から、平成29年6月19日付で、以下の新規業務の認可を取得しました。

 

 

Ⅰ.口座貸越サービス

決済サービスの一環として、残高を超える自動払込等の場合に、不足分を自動的に貸越しするサービス
 

Ⅱ.地域金融機関との連携に係る業務等

地域金融機関との事務の共同化など、当行が、郵政民営化法上実施可能とされている業務に付随する業務等
 

Ⅲ.市場運用関係業務

資金運用の高度化・多様化に資するため、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)等の市場運用関係業務

 

 

 

 

② 事業の成果

当事業年度の業務粗利益は、前事業年度比521億円増加の1兆4,623億円となりました。このうち、資金利益は、国債利息の減少を主因に、前事業年度比478億円の減少となりました。一方、役務取引等利益は、前事業年度比98億円の増加となりました。その他業務利益は、外国為替売買損益の増加等により、前事業年度比901億円の増加となりました。

経費は、前事業年度比111億円減少の1兆450億円となりました。

金利が低位で推移するなど厳しい経営環境下にあるものの、業務純益は前事業年度比632億円増加の4,173億円となりました。

臨時損益は金銭の信託運用損益の減少等により、前事業年度比56億円減少し、経常利益は前事業年度比575億円増加の4,996億円となりました。通期業績予想の経常利益4,900億円に対し、達成率は101.9%となりました。

当期純利益は3,527億円、前事業年度比404億円の増益となりました。通期業績予想の当期純利益3,500億円に対し、達成率は100.7%となりました。

 

 

(a) 損益の概要

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

業務粗利益

1,410,256

1,462,367

52,110

 資金利益

1,223,546

1,175,691

△47,854

 役務取引等利益

86,619

96,448

9,828

 その他業務利益

100,091

190,227

90,136

  うち外国為替売買損益

99,395

194,930

95,534

  うち国債等債券損益

△2,454

△6,473

△4,019

経費(除く臨時処理分)

△1,056,168

△1,045,046

11,122

人件費

△125,328

△128,658

△3,330

物件費

△854,369

△838,925

15,444

税金

△76,470

△77,462

△991

業務純益(一般貸倒引当金繰入前)

354,087

417,320

63,233

一般貸倒引当金繰入額

10

△11

△21

業務純益

354,098

417,309

63,211

臨時損益

87,987

82,359

△5,627

うち株式等関係損益

88

△21,265

△21,354

うち金銭の信託運用損益

82,930

50,933

△31,997

うち睡眠貯金関係損益

7,654

60,205

52,550

経常利益

442,085

499,669

57,583

特別損益

△1,488

△731

757

固定資産処分損益

△529

△713

△183

減損損失

△958

△17

941

税引前当期純利益

440,596

498,937

58,341

法人税、住民税及び事業税

△133,287

△174,218

△40,931

法人税等調整額

4,954

28,025

23,070

法人税等合計

△128,332

△146,192

△17,860

当期純利益

312,264

352,745

40,480

 

 

(注) 1.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額

2.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。

3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。

4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却

5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却

6.金額が損失又は費用には△を付しております。

 

(参考) 与信関係費用

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

与信関係費用

0

△11

△11

 一般貸倒引当金繰入額

0

△11

△11

 貸出金償却

 個別貸倒引当金繰入額

 償却債権取立益

 

(注) 1.金融再生法開示債権に係る費用を計上しております。

2.金額が損失又は費用には△を付しております。

 

 

(b) 国内・国際別の資金利益等

当行は、銀行業の単一セグメントであり、海外店や海外に本店を有する子会社(以下「海外子会社」)を有しておりませんが、円建の取引を「国内業務部門」、外貨建取引を「国際業務部門」に帰属させ(ただし、円建の対非居住者取引は「国際業務部門」に含む。)、各々の収益・費用を計上した結果、国内業務部門・国際業務部門別の資金利益等は次のとおりとなりました。

当事業年度は、国内業務部門においては、資金利益は6,657億円、役務取引等利益は957億円、その他業務利益は14億円となりました。

国際業務部門においては、資金利益は5,099億円、役務取引等利益は7億円、その他業務利益は1,888億円となりました。

この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金利益は1兆1,756億円、役務取引等利益は964億円、その他業務利益は1,902億円となりました。

 

 

イ.国内業務部門

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

資金利益

804,038

665,752

△138,285

資金運用収益

1,046,541

852,033

△194,507

うち国債利息

793,325

611,847

△181,477

資金調達費用

242,503

186,280

△56,222

役務取引等利益

85,883

95,747

9,864

役務取引等収益

118,688

129,292

10,604

役務取引等費用

32,805

33,545

739

その他業務利益

688

1,404

715

その他業務収益

2,453

7,423

4,970

その他業務費用

1,764

6,018

4,254

 

 

ロ.国際業務部門

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

資金利益

419,508

509,938

90,430

資金運用収益

596,691

732,171

135,479

うち外国証券利息

595,384

730,365

134,981

資金調達費用

177,183

222,232

45,049

役務取引等利益

736

700

△35

役務取引等収益

776

748

△27

役務取引等費用

40

48

8

その他業務利益

99,402

188,822

89,420

その他業務収益

111,918

204,204

92,286

その他業務費用

12,516

15,381

2,865

 

 

ハ.合計

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

資金利益

1,223,546

1,175,691

△47,854

資金運用収益

1,567,512

1,502,747

△64,765

資金調達費用

343,966

327,056

△16,910

役務取引等利益

86,619

96,448

9,828

役務取引等収益

119,465

130,041

10,576

役務取引等費用

32,845

33,593

747

その他業務利益

100,091

190,227

90,136

その他業務収益

114,371

211,627

97,256

その他業務費用

14,280

21,400

7,119

 

(注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前事業年度4,779百万円、当事業年度4,725百万円)を控除しております。

2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額は下表のとおりであります。

 

前事業年度
(百万円)

当事業年度
(百万円)

国内業務部門・資金運用収益

75,719

81,456

国際業務部門・資金調達費用

75,719

81,456

 

 

(c) 国内・国際別資金運用/調達の状況

当事業年度の資金運用勘定の平均残高は201兆4,673億円、利回りは0.74%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は191兆9,010億円、利回りは0.17%となりました。

国内・国際別に見ますと、国内業務部門の資金運用勘定の平均残高は195兆143億円、利回りは0.43%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は186兆5,243億円、利回りは0.09%となりました。

国際業務部門の資金運用勘定の平均残高は54兆2,480億円、利回りは1.34%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は53兆1,716億円、利回りは0.41%となりました。

 

イ.国内業務部門

種類

前事業年度

当事業年度

増減

平均残高

利息

利回り

平均残高

利息

利回り

利回り

(百万円)
 

(百万円)
 

(%)
(A)

(百万円)
 

(百万円)
 

(%)
(B)

(%)
(B)-(A)

資金運用勘定

193,991,919

1,046,541

0.53

195,014,321

852,033

0.43

△0.10

うち貸出金

3,081,133

17,741

0.57

4,765,201

14,008

0.29

△0.28

うち有価証券

92,901,349

926,690

0.99

82,402,056

730,011

0.88

△0.11

うち債券貸借取引支払保証金

8,318,619

1,471

0.01

8,414,660

1,417

0.01

△0.00

うち預け金等

47,723,014

24,916

0.05

51,583,059

25,115

0.04

△0.00

資金調達勘定

184,991,156

242,503

0.13

186,524,351

186,280

0.09

△0.03

うち貯金

179,251,855

200,373

0.11

180,316,482

145,129

0.08

△0.03

うち債券貸借取引受入担保金

8,385,284

844

0.01

8,903,813

1,285

0.01

0.00

 

(注) 1.「国内業務部門」は円建取引であります。

2.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度2,646,066百万円、当事業年度2,727,088百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度2,646,066百万円、当事業年度2,727,088百万円)及び利息(前事業年度4,778百万円、当事業年度4,534百万円)を控除しております。

3.預け金等は、譲渡性預け金、日銀預け金、コールローン、買入金銭債権であります。「ロ.国際業務部門」「ハ.合計」においても同様であります。

4.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「ロ.国際業務部門」「ハ.合計」においても同様であります。

 

ロ.国際業務部門

種類

前事業年度

当事業年度

増減

平均残高

利息

利回り

平均残高

利息

利回り

利回り

(百万円)
 

(百万円)
 

(%)
(A)

(百万円)
 

(百万円)
 

(%)
(B)

(%)
(B)-(A)

資金運用勘定

48,252,687

596,691

1.23

54,248,055

732,171

1.34

0.11

うち貸出金

2,151

7

0.35

2,534

10

0.40

0.05

うち有価証券

48,099,311

595,384

1.23

54,067,069

730,365

1.35

0.11

うち債券貸借取引支払保証金

うち預け金等

81,553

968

1.18

68,461

1,019

1.48

0.30

資金調達勘定

47,375,519

177,183

0.37

53,171,677

222,232

0.41

0.04

うち貯金

うち債券貸借取引受入担保金

4,674,255

40,697

0.87

3,995,938

53,987

1.35

0.48

 

(注) 1.「国際業務部門」は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引については、「国際業務部門」に含めております。

2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。

3.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度184百万円、当事業年度45,768百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度184百万円、当事業年度45,768百万円)及び利息(前事業年度0百万円、当事業年度191百万円)を控除しております。 

 

ハ.合計

種類

前事業年度

当事業年度

増減

平均残高

利息

利回り

平均残高

利息

利回り

利回り

(百万円)
 

(百万円)
 

(%)
(A)

(百万円)
 

(百万円)
 

(%)
(B)

(%)

(B)-(A)

資金運用勘定

200,321,045

1,567,512

0.78

201,467,351

1,502,747

0.74

△0.03

うち貸出金

3,083,285

17,748

0.57

4,767,735

14,019

0.29

△0.28

うち有価証券

141,000,661

1,522,075

1.07

136,469,126

1,460,377

1.07

△0.00

うち債券貸借取引支払保証金

8,318,619

1,471

0.01

8,414,660

1,417

0.01

△0.00

うち預け金等

47,804,568

25,885

0.05

51,651,521

26,135

0.05

△0.00

資金調達勘定

190,443,114

343,966

0.18

191,901,004

327,056

0.17

△0.01

うち貯金

179,251,855

200,373

0.11

180,316,482

145,129

0.08

△0.03

うち債券貸借取引受入担保金

13,059,539

41,542

0.31

12,899,752

55,272

0.42

0.11

 

(注) 1.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度2,646,250百万円、当事業年度2,772,856百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度2,646,250百万円、当事業年度2,772,856百万円)及び利息(前事業年度4,779百万円、当事業年度4,725百万円)を控除しております。

2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額は下表のとおりであります。

 

前事業年度

当事業年度

平均残高

(百万円)

利息

(百万円)

平均残高

(百万円)

利息

(百万円)

国内業務部門・資金運用勘定

41,923,561

75,719

47,795,025

81,456

国際業務部門・資金調達勘定

41,923,561

75,719

47,795,025

81,456

 

 

 

(d) 役務取引等利益の状況

当事業年度の役務取引等利益は、投資信託の販売金額が増加したことや、ATMの設置を拡大したこと等により、前事業年度比98億円増加の964億円となりました。

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

役務取引等利益

86,619

96,448

9,828

為替・決済関連手数料

59,142

59,170

28

ATM関連手数料

7,287

9,210

1,922

投資信託関連手数料

10,549

19,036

8,487

その他

9,640

9,030

△609

 

 

(参考) 投資信託の取扱状況(約定ベース)

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

販売金額

544,399

737,878

193,478

純資産残高

1,310,151

1,642,301

332,149

 

 

 

 

(e) 預金残高の状況

当事業年度末の貯金残高は、安定的に推移し、前事業年度末比4,480億円増加179兆8,827億円となりました。

○ 預金の種類別残高(末残・構成比)

種類

前事業年度

当事業年度

増減

金額(百万円)

(A)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)-(A)

預金合計

179,434,686

100.00

179,882,759

100.00

448,073

流動性預金

67,994,923

37.89

73,765,405

41.00

5,770,482

振替貯金

13,052,115

7.27

14,437,576

8.02

1,385,461

通常貯金等

54,550,845

30.40

58,931,564

32.76

4,380,719

貯蓄貯金

391,963

0.21

396,265

0.22

4,301

定期性預金

111,280,733

62.01

105,989,336

58.92

△5,291,396

うち定期貯金

10,065,156

5.60

8,696,122

4.83

△1,369,033

うち定額貯金等

101,215,576

56.40

97,293,213

54.08

△3,922,363

その他の預金

159,029

0.08

128,017

0.07

△31,012

譲渡性預金

総合計

179,434,686

100.00

179,882,759

100.00

448,073

 

 

○ 預金の種類別残高(平残・構成比)

種類

前事業年度

当事業年度

増減

金額(百万円)

(A)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)-(A)

預金合計

179,251,855

100.00

180,316,482

100.00

1,064,627

流動性預金

65,952,601

36.79

71,585,050

39.69

5,632,448

振替貯金

13,133,438

7.32

13,748,320

7.62

614,881

通常貯金等

52,429,547

29.24

57,442,722

31.85

5,013,175

貯蓄貯金

389,616

0.21

394,007

0.21

4,391

定期性預金

113,138,020

63.11

108,562,006

60.20

△4,576,014

うち定期貯金

10,752,770

5.99

9,455,067

5.24

△1,297,703

うち定額貯金等

102,384,806

57.11

99,106,938

54.96

△3,277,868

その他の預金

161,233

0.08

169,425

0.09

8,192

譲渡性預金

総合計

179,251,855

100.00

180,316,482

100.00

1,064,627

 

(注) 1.「流動性預金」=振替貯金+通常貯金等+貯蓄貯金

「通常貯金等」=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)

2.「定期性預金」=定期貯金+定額貯金等+特別貯金(教育積立郵便貯金相当)

「定額貯金等」=定額貯金+特別貯金(定額郵便貯金相当)

3.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。

4.特別貯金は独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構からの預り金で、同機構が日本郵政公社から承継した郵便貯金に相当するものであります。

5.特別貯金(通常郵便貯金相当)は独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構からの預り金のうち、同機構が日本郵政公社から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。

 

 

 

(f) 資産運用の状況(末残・構成比)

当事業年度末の運用資産のうち、国債は62.7兆円、その他の証券は59.2兆円となりました。

種類

前事業年度

当事業年度

増減

金額(百万円)

(A)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)-(A)

預け金等

51,213,391

24.71

49,314,634

23.73

△1,898,757

コールローン

470,000

0.22

480,000

0.23

10,000

債券貸借取引支払保証金

8,718,905

4.20

8,224,153

3.95

△494,752

金銭の信託

3,817,908

1.84

4,241,524

2.04

423,616

うち国内株式

2,079,290

1.00

2,286,148

1.10

206,858

うち国内債券

1,274,178

0.61

1,256,039

0.60

△18,139

有価証券

138,792,448

66.98

139,201,254

67.00

408,806

国債

68,804,989

33.20

62,749,725

30.20

△6,055,264

地方債

6,082,225

2.93

6,405,190

3.08

322,964

短期社債

233,998

0.11

229,998

0.11

△4,000

社債

10,752,831

5.18

10,486,327

5.04

△266,504

株式

1,390

0.00

31,167

0.01

29,777

その他の証券

52,917,013

25.53

59,298,846

28.54

6,381,833

うち外国債券

20,143,467

9.72

20,244,358

9.74

100,890

うち投資信託

32,726,722

15.79

39,042,659

18.79

6,315,936

貸出金

4,064,120

1.96

6,145,537

2.95

2,081,417

その他

116,718

0.05

126,472

0.06

9,753

合計

207,193,492

100.00

207,733,576

100.00

540,084

 

(注) 「預け金等」は譲渡性預け金、日銀預け金、買入金銭債権であります。

 

(g) 評価損益の状況(末残)

当事業年度末の評価損益(その他目的)は、ヘッジ考慮後で3兆7,744億円(税効果前)となりました。

 

前事業年度(A)

当事業年度(B)

増減(B)-(A)

貸借対照表

計上額

評価損益

貸借対照表

計上額

評価損益

貸借対照表

計上額

評価損益

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(百万円)

満期保有目的の債券

38,316,923

1,456,549

31,458,923

1,003,574

△6,857,999

△452,974

 

 

 

前事業年度(A)

当事業年度(B)

増減(B)-(A)

貸借対照表

計上額
/想定元本

評価損益
/ネット繰延

損益

貸借対照表

計上額
/想定元本

評価損益
/ネット繰延

損益

貸借対照表

計上額
/想定元本

評価損益
/ネット繰延

損益

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(百万円)

その他目的

104,609,262

4,566,173

112,245,771

3,769,977

7,636,509

△796,196

有価証券      ①

100,791,353

3,282,169

108,083,520

1,912,022

7,292,166

△1,370,147

国債

33,487,558

1,320,778

33,645,763

1,129,996

158,205

△190,782

外国債券

20,078,556

1,335,157

20,211,925

375,390

133,368

△959,766

投資信託

32,726,722

435,050

39,042,659

265,830

6,315,936

△169,220

その他

14,498,515

191,183

15,183,171

140,805

684,656

△50,378

時価ヘッジ効果額 ②

185,342

568,753

383,410

金銭の信託    ③

3,817,908

1,098,661

4,162,251

1,289,201

344,342

190,540

国内株式

2,079,290

1,058,661

2,286,148

1,262,041

206,858

203,380

その他

1,738,617

40,000

1,876,102

27,160

137,484

△12,839

デリバティブ取引  ④

(繰延ヘッジ適用分)

7,553,302

△168,039

11,326,565

4,495

3,773,263

172,535

評価損益合計

    ①+②+③+④

4,398,134

3,774,473

△623,661

 

(注)  「有価証券」には、有価証券のほか、現金預け金中の譲渡性預け金、買入金銭債権を含んでおります。

 

 

(h) 業種別貸出金残高の状況(末残・構成比)

業種別

前事業年度

当事業年度

増減

金額(百万円)

(A)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)-(A)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

4,064,120

100.00

6,140,537

100.00

2,076,417

農業、林業、漁業、鉱業

製造業

15,524

0.25

15,524

電気・ガス等、情報通信業、運輸業

75,811

1.86

92,162

1.50

16,351

卸売業、小売業

10,518

0.25

25,094

0.40

14,576

金融・保険業

1,311,274

32.26

1,121,062

18.25

△190,212

建設業、不動産業

14,062

0.34

24,013

0.39

9,950

各種サービス業、物品賃貸業

23,044

0.56

22,837

0.37

△206

国、地方公共団体

2,440,005

60.03

4,667,184

76.00

2,227,179

その他

189,404

4.66

172,658

2.81

△16,746

国際及び特別国際金融取引勘定分

5,000

100.00

5,000

政府等

金融機関

その他

5,000

100.00

5,000

合計

4,064,120

6,145,537

2,081,417

 

(注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。

2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。

3.「金融・保険業」のうち独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構向け貸出金は、前事業年度末951,200百万円、当事業年度末829,243百万円であります。

 

(参考) リスク管理債権(末残)

 

前事業年度
(億円)(A)

当事業年度
(億円)(B)

増減(億円)
(B)-(A)

破綻先債権

延滞債権

0

0

3カ月以上延滞債権

貸出条件緩和債権

合計

0

0

 

 

 

 

 (参考) ポートフォリオの状況

 

1.ポートフォリオの概要

 


 

当行は、ALM(資産・負債の総合管理)の枠組みとしてベース・ポートフォリオとサテライト・ポートフォリオを設け、当行の内部規程に基づく管理会計により管理しております。上図は、その概要をイメージ図として重要性の観点から簡略化して記載しております。(なお、ALMとは、有価証券等の資産や貯金等の負債の金利・期間を把握し、将来の金利変動等を予測した上で、市場・信用・流動性等のリスクを管理しつつ、収益の確保を図る管理手法です。)

 

ベース・ポートフォリオ(以下「BP」)は、金利・流動性リスクをマネージしつつ、国債運用等により安定的収益の確保を図るポートフォリオです。具体的には、顧客性調達(お客さまからの貯金)と市場性調達(他の日本の金融機関等から調達した資金)により資金を調達し(BP調達サイド)、国債、政府保証債、短期運用資産等への運用を行って(BP運用サイド)、主として運用と調達の長短金利スプレッドにより収益を生み出しております。

 

サテライト・ポートフォリオ(以下「SP」)は、国際分散投資等により主に信用・市場リスクを取って、キャピタル・ゲイン(債券等の売買益)も含め収益の積上げを追求するポートフォリオです。具体的には、主としてBPからの内部取引(管理会計上、ALM部署と各ポートフォリオの間で行う取引)により資金を調達し、地方債、社債、外国証券、金銭の信託、オルタナティブ資産等に運用しております。SPでは市場変動との相関も意識して多様な資産に分散投資しており、SP残高は民営化した平成19年度末の約4兆円から平成30年3月末には約78兆円まで増加しています。また、安定的な調達と厚い資本基盤は、相場サイクルを超えた期間の投資も可能としています。

 

ポートフォリオ間の内部資金取引には、市場金利等をベースにした仕切りレートを、トランスファー・プライス(以下「TP」)として設定しております。

  

 

≪ポートフォリオ別資産の概要、期末残高≫                          (単位:億円)

 

平成26年

3月末

平成27年

3月末

平成28年

3月末

平成29年

3月末

平成30年

3月末

ベース・ポートフォリオ

1,564,615

1,495,904

1,363,887

1,290,981

1,225,485

 

短期資産

215,307

353,427

477,080

546,460

548,489

国債・政府保証債

1,329,581

1,125,571

872,663

733,145

667,006

貸出金

19,727

16,905

14,143

11,375

9,989

サテライト・ポートフォリオ

369,304

480,720

615,636

704,526

780,356

 

地方債

55,503

55,251

58,565

60,822

64,051

社債等

59,357

62,326

68,481

77,191

79,944

外国証券等(注1)

227,313

329,478

454,463

523,748

581,046

貸出金

11,036

10,934

11,277

10,695

12,129

金銭の信託(株式)等

16,094

22,729

22,849

25,996

28,541

オルタナティブ資産(注2)

6,073

14,642

 

(注) 1.外貨建の買入金銭債権を含んでおります。

2.オルタナティブ資産は、プライベートエクイティファンド、不動産ファンド、ヘッジファンドであります。

 

 

2.ポートフォリオ別平残・損益の概要                    (単位:平残/兆円、損益/億円)

 

平成25年度

平成26年度

平成27年度

平成28年度

平成29年度

平残

損益

平残

損益

平残

損益

平残

損益

平残

損益

ポートフォリオ全体
(BP+SP)

190.5

5,731

194.2

5,599

196.5

4,804

197.5

4,330

198.9

4,384

 

ベース・ポートフォリオ
(BP)

156.7

2,897

151.7

947

141.7

△356

131.5

△2,433

124.6

△3,800

 

 

BP(顧客性調達・営業)

△1,203

△2,224

△2,504

△3,996

△5,718

 

 

BP運用等

4,100

3,172

2,147

1,563

1,918

 

サテライト・
ポートフォリオ(SP)

33.7

2,834

42.4

4,651

54.8

5,160

66.0

6,764

74.2

8,185

 

(注) ポートフォリオ別平残は、期首残高と期末残高の平均であります。

 

 

ポートフォリオ別損益は、以下により算出しており、各ポートフォリオの損益の合計は当行の経常利益に概ね一致します。

損益=資金収支等(資金運用に係る収益から資金調達に係る費用を除いたもの(売却損益等を含む))+役務取引等収支(役務取引等収益-役務取引等費用)-経費(損益計算書上の営業経費に相当)

 

資金収支等は、社外との実際の取引、社内の内部取引(トランスファー・プライス(TP)を設定)を、各ポートフォリオに帰属させ、その収益・費用を計上しております。例えば、BP(顧客性調達・営業)には、貯金で調達した資金を同期間の国債で運用した利鞘等を、SPには、国債レート(TP)の社内取引で調達した資金を同期間の社債等で運用した利鞘(信用スプレッド)等を、計上しております。

 

役務取引等に係る収益・費用は、大部分が為替・決済業務や投資信託販売手数料などサービス・商品販売に係る手数料とその費用であり、主にBP(顧客性調達・営業)に計上しております。

 

経費は、以下により各ポートフォリオに帰属させていますが、そのほとんどはBP(顧客性調達・営業)に計上しております。

① 各ポートフォリオに直接帰属させることが可能な経費

ア 特定のポートフォリオと関係の深い部署の経費は、当該ポートフォリオに賦課

イ 複数のポートフォリオと関係の深い部署の経費は、業務に従事する社員数等に応じて各ポートフォリオに配賦

② 各ポートフォリオに直接帰属させることができない経費

各ポートフォリオの業務に従事する社員数に応じて配賦

 

以上により算出したポートフォリオ別損益の平成29年度までの推移を概観しますと、国債等の歴史的な低金利の継続を反映して、ベース・ポートフォリオ(顧客性調達・営業)がALM部署から受取るTP収益が低下する一方、貯金調達レートの低下余地は限定的で、当行全体の経費のほとんどが賦課されることから、同ポートフォリオの赤字幅が拡大してきました。しかし、国内金利が平常化していく局面では、基本的には収益の回復が期待されます(詳細は、「2 事業等のリスク (2) 市場リスク ① 金利リスク」をご参照ください。)。一方、外国証券等に運用を拡大・多様化してきたサテライト・ポートフォリオの収益は増加してきており、歴史的低金利の下で、ポートフォリオ全体の収益確保に貢献してきました。

 

なお、平成30年度からは、運用の高度化・多様化が進み、サテライト・ポートフォリオの残高が相応に積み上がったことを契機に、これまでのベース・ポートフォリオとサテライト・ポートフォリオという管理の枠組みをポートフォリオの特性に合わせ、7つのポートフォリオに細分化して管理する枠組みに移行いたします。

 


 

① 円金利ポートフォリオ

主に円金利リスクを取得・管理するポートフォリオです。日本国債、政府保証債、短期運用資産等の運用サイドに加え、調達サイド(貯金等)も含めて、円金利リスクを管理します。

② 日本国債ポートフォリオ

円金利ポートフォリオの内、運用サイドを特に日本国債ポートフォリオと呼びます。

③ クレジット・ポートフォリオ

主に信用リスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産には国内外の地方債、社債等が含まれます。

④ 外国国債ポートフォリオ

主に外貨金利リスク、為替変動リスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産には、外国国債等が含まれます。

⑤ 株式ポートフォリオ

主に株価変動リスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産には株式及び株式関連デリバティブ等が含まれます。

⑥ オルタナティブ・ポートフォリオ

主にオルタナティブ資産に係るリスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産にはプライベートエクイティファンド、ヘッジファンド、不動産ファンドが含まれます。

⑦ ファイナンス・ポートフォリオ

主に貸付に係る信用リスクを取得・管理するポートフォリオで、地方公共団体向け貸付(独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構向け貸出金を含む。)、法人向け貸付、地域活性化ファンド等への投資を実施します。

 

 

(自己資本比率の状況)

 

(参考)

自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。

なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。

 

 連結自己資本比率(国内基準)

(単位:億円、%)

 

平成30年3月31日

1.連結自己資本比率(2/3)

17.43

2.連結における自己資本の額

87,788

3.リスク・アセット等の額

503,422

4.連結総所要自己資本額

20,136

 

(注) 連結総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。

 

 単体自己資本比率(国内基準)

(単位:億円、%)

 

平成30年3月31日

1.自己資本比率(2/3)

17.42

2.単体における自己資本の額

87,720

3.リスク・アセット等の額

503,435

4.単体総所要自己資本額

20,137

 

(注) 単体総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。

 

(資産の査定)

 

(参考)

資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

(1) 破産更生債権及びこれらに準ずる債権

破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

(2) 危険債権

危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

(3) 要管理債権

要管理債権とは、3カ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

 

(4) 正常債権

正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記(1)から(3)までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

 資産の査定の額

債権の区分

平成29年3月31日

平成30年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

危険債権

0

要管理債権

正常債権

41,454

62,375

 

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

経営上の重要な契約等は、次のとおりであります。

 

(1) 銀行窓口業務契約(平成24年10月1日締結)(期間の定めのない契約)

日本郵便株式会社は、日本郵便株式会社法により、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金・債権債務の決済の役務、簡易に利用できる生命保険の役務を、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国で公平に利用できるようにするユニバーサルサービス義務を、日本郵政株式会社とともに負っています。このうち簡易な貯蓄、送金・債権債務の決済の役務の業務を、銀行代理業として提供するために、日本郵便株式会社は、当行との間で銀行窓口業務契約を締結しており(日本郵便株式会社法第2条第2項、同法第4条第1項、同法第5条)、当行定款にもこの旨規定しております。

銀行窓口業務契約では、日本郵便株式会社が、当行を関連銀行として、ユニバーサルサービス(通常貯金、定額貯金、定期貯金、普通為替、定額小為替、通常払込み、電信振替)の銀行窓口業務を営むこととしております。

なお、本契約は、銀行窓口業務の健全・適切な運営確保の観点から特段の事由が生じた場合等を除き、当事者の合意がない限り解除できないものと定めております。

 

(2) 銀行代理業に係る業務の委託契約、金融商品仲介業に係る業務の委託契約(平成19年9月12日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、上記(1)の銀行窓口業務契約で定めたユニバーサルサービスに関する業務を含め、貯金の受払いや国債・投資信託の募集の取扱等の業務を委託するため、日本郵便株式会社との間で銀行代理業に係る業務の委託契約、金融商品仲介業に係る業務の委託契約を締結しております。

なお、本契約は、解除協議の申入れより6か月経過後の通知により解除できるものと定めております。また、銀行窓口業務に該当する業務については、銀行窓口業務契約に定めがある場合を除くほか、銀行代理業に係る業務の委託契約の定めるところによるものとしております。

 

(3) 郵便貯金管理業務の再委託契約(平成19年9月12日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、日本郵便株式会社との間で、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構(以下「機構」)より受託した郵便貯金管理業務の一部について、日本郵便株式会社が郵便貯金管理業務を営むこととする再委託契約を締結しております。本契約は、以下(5)の契約と同様、解除協議の申入れより6か月経過後の通知により解除できるものと定めております。

 

(4) 委託手数料支払要領(平成25年3月28日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、日本郵便株式会社との間で、上記(1)~(3)に係る業務の対価としての委託手数料の算定方法等を定めた支払要領を締結し、当行直営店での業務コストをベースに、日本郵便株式会社での取扱実績に基づいて委託業務コストに見合う額を算出し、これに「営業・事務報奨」を併せて支払っております。

具体的には、まず、委託業務コスト見合いの総額として、当行の管理会計により毎年算出した単位業務コストに日本郵便株式会社での取扱実績を乗じた額を算出し、その中から、郵便局ネットワークの確保のために、郵便局維持に係るコスト(日本郵便株式会社の管理会計による当行委託業務配賦分)を「窓口基本手数料」として支払います。また、残額について、「貯金の預払事務等」、「送金決済その他役務の提供事務等」、「資産運用商品の販売事務等」毎に毎年、料率・単価を算出し、下表の式により委託手数料を支払っております。

併せて、営業目標達成や事務品質向上を確保するため、成果に見合った「営業・事務報奨」を支払っております。

 

委託手数料の項目

支払額の算出式

① 貯金の預払事務等

平均貯金残高 × 料率

② 送金決済その他役務の提供事務等

取扱件数 × 単価

③ 資産運用商品の販売事務等

販売額 × 料率

平均投信残高 × 料率

 

(注) 「平均貯金残高」「取扱件数」「販売額」「平均投信残高」は、日本郵便株式会社の月次の取扱実績によるものであります。なお、本要領は、上記(1)~(3)の契約すべてを解除するまで、効力を有するものと定めております。

 

(参考:委託手数料の推移)                               (単位:百万円)

平成25年度

平成26年度

平成27年度

平成28年度

平成29年度

607,266

602,446

609,431

612,465

598,116

 

(注) 平成29年度の委託手数料(5,981億円)の内訳は、窓口基本手数料2,614億円、貯金関連1,957億円、送金等918億円、資産運用商品関連88億円、営業・事務報奨402億円(平成28年度は、窓口基本手数料2,620億円、貯金関連2,027億円、送金等982億円、資産運用商品関連41億円、営業・事務報奨450億円)であります。

 

(5) 郵便貯金管理業務委託契約、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法及び郵政民営化法の規定に基づく貯金に関する契約(平成19年9月12日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、機構との間で機構の業務である郵便貯金管理業務(日本郵政公社から承継した郵便貯金の管理に関する業務等)の一部(払戻し、利息支払い等)について、業務委託契約を締結し委託を受けております。

また、当行は、機構との間で郵便貯金資産(郵便貯金管理業務の経理を区分する郵便貯金勘定に属する資産)の運用のための貯金(特別貯金)に関する契約を締結しております。本契約は、当行の国債等の安全資産保有額が特別貯金の合計額を下回ってはならないこと、また、特別貯金残高を基準として定める額以上の国債・地方債等を担保として機構に提供することを定めております。

なお、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法上、郵便貯金管理業務委託契約の変更又は解除には、総務大臣の認可が必要とされております。

 

(6) 機構の借入金に関する契約(平成19年9月12日締結)(期間の定めのない契約)

郵便貯金の預金者・地方公共団体に対し機構が保有する貸付債権のバックファイナンスとして、当行は、機構との間でその総額に相当する額について、当行からの借入金として機構が債務を負うものとする契約を締結しております。

 

(7) 日本郵政グループ協定、日本郵政グループ運営に関する契約(平成27年3月31日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険との間で、日本郵政グループ各社の相互の連携・協力、シナジー効果の発揮が、グループ各社、ひいては日本郵政グループ全体の価値を向上させることに鑑み、グループ共通の理念・方針等のグループ運営に係る基本的事項を定め、円滑なグループ運営に資することを目的とした日本郵政グループ協定を締結しております。

この協定を受け、当行は、日本郵政株式会社との間で、日本郵政グループ運営に関する契約等を締結し、グループ運営の重要事項を、同社との事前協議事項(経営理念・経営方針、中期経営計画・年度事業計画の策定・変更等)、同社への報告事項(月次の貸借対照表・損益計算書等)としておりますが、同社は当行の意思決定を妨げ又は拘束しない旨、明定しております。更に、上記協定では、当行を含む同社の事業子会社は、日本郵政グループに属する利益を活用し、自主的・自律的な経営を行う旨、また、この旨を踏まえた上で、同社と日本郵便株式会社が、郵政民営化法第7条の2が規定する基本的な役務(いわゆるユニバーサルサービス)を確保するに当たり、グループとしての総合力を発揮できるよう相互に連携する旨、定めております。

これらの協定・契約等は、当行又は株式会社かんぽ生命保険のいずれかが、それぞれ上記(1)の銀行窓口業務契約又は日本郵便株式会社法第2条第3項に定める保険窓口業務契約を解除するまで存続する旨、また、両社のいずれかが日本郵政株式会社の連結子会社でなくなった場合には、必要な見直しを行う旨、定めております。

 

(8) 日本郵政グループ商標管理協定、グループ商標管理契約(平成27年3月31日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険との間で、日本郵政グループのブランド価値の維持・向上を目的とした商標管理協定、日本郵政株式会社との間で商標管理契約を締結しております。

これらの協定・契約に基づき、当行は日本郵政株式会社が一元的に管理(商標権の取得等)する「ゆうちょ」等の商標の使用を許諾されており、本協定・契約は、上記(7)の日本郵政グループ協定が存続する間存続し、同協定を見直した場合は必要な見直しをする旨、定めております。

 

 

(9) ブランド価値使用料の算定及び支払に関する覚書(平成27年3月31日締結)(期間の定めのない契約)

上記(7)の契約に基づき、当行は、日本郵政株式会社に対し平成27年度から、日本郵政グループに属することによる利益の対価として、ブランド価値使用料を支払っており、本覚書は当該使用料の算定方法等を定めております。

ブランド価値使用料は、「ゆうちょ」等の商標使用料を含んでおり、他の企業グループでの例も参考に、当行が日本郵政グループのブランド力から利益を受ける代表的な業績指標に、当行と日本郵政株式会社が協議し合意した料率を乗じて、各事業年度の支払い総額を算出しております。具体的には、前事業年度の平均貯金残高に0.0023%を乗じた額としております。

上記の算定方法は、重大な経済情勢の変化等、特段の事情が生じない限り、変更しないものとしております。

 

(参考:ブランド価値使用料)                                                        (単位:百万円)

平成27年度

平成28年度

平成29年度

4,088

4,091

4,123

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。