当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」からの重要な変更があった事項は次のとおりであります。なお、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。
本項において、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当行グループが判断したものであります。
(9) 事業環境等に係るリスク
② 銀行法を始めとする各種法令等に係るリスク
当行グループは事業を行うにあたり、銀行法を始め税制・会計基準を含む各種法令等が適用され、銀行免許・当局の監督を受けております。また、我が国はWTO(World Trade Organization:世界貿易機関)の加盟国であり、当行が物品等を調達する場合にも、WTOによる政府調達ルールの遵守が求められます。各種法令等の改正や新たな法的規制等により、当行グループの競争条件が悪化したり、営業・運用等の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会の制限等により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、米国の外国資産管理法による指定国等に対する経済制裁の発動・強化は、当行の国際分散投資を制約し、直接又は投資信託を通じ保有する外国証券のリスクを高める可能性があります。
また、当行は、郵政民営化法によって、他の銀行には課せられていない規制が課されております。例えば、当行は、他の銀行と比較して業務拡大等に係る経営の自由度が限定されており、また、銀行を当行の子会社とすることや、預入限度額(なお、「第1 企業の概況 2 事業の内容(参考)」に記載のとおり、政府において、預入限度額の変更について検討しております。)を超える一顧客からの貯金受入れも、原則としてできません。郵政民営化法の規制により、当行グループの事業、成長戦略を含む事業戦略・経営計画の策定・遂行、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。更に将来、現行の民営化の枠組みを変更する法律が制定された場合、その内容によっては、当行グループに影響をもたらす可能性もあります。
(10) 日本郵政株式会社との関係に係るリスク
② 日本郵政株式会社による当行株式の追加処分の可能性
日本郵政株式会社は、2018年3月末日現在において、当行の発行済株式総数(自己株式を除く。)のうち約89%を保有しておりますが、郵政民営化法は、日本郵政株式会社が保有する当行株式は、その全部を処分することを目指し、当行の経営状況及びユニバーサルサービスの提供への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとしております。また、2018年12月26日に提出された「郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証に関する郵政民営化委員会の意見」において、将来の通常貯金の預入限度額の見直しについては、日本郵政株式会社が保有する当行株式を3分の2未満となるまで売却することが条件として付されております。今後の株式売却の時期・規模等は未確定ですが、日本郵政株式会社は、当行株式をまずは保有割合が50%程度となるまで段階的に売却していく方針を発表しており、将来、当行株式の追加的な売却が行われ、又はかかる売却により市場で流通する当行の株式数が増え需給が悪化するとの認識が市場で広まった場合には、当行株式の流動性・株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。
また、日本郵政グループ協定等は、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合に関わらず、所定の要件が満たされ解除されない限り、原則として存続しますが、日本郵政株式会社が当行の株式を更に売却し、当行又は株式会社かんぽ生命保険が日本郵政株式会社の連結子会社でなくなった場合、これらの協定等の多くは見直すこととされているため、当行にとって不利な条件に変更される等の場合には、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
一方、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合は、郵政民営化法による他の銀行には課せられていない規制が緩和される要件の一つであるため、日本郵政株式会社による当行株式の追加処分が行われない場合、当該緩和が、期待通りに進まず、当行の経営の自由度の拡大が実現しない可能性があります。
(11) 日本郵便株式会社との関係に係るリスク
② ユニバーサルサービスの提供に係るリスク
当行は、日本郵便株式会社との間で銀行窓口業務契約を締結しており、同社は全国の郵便局で、当行の基本的な商品・サービスを、日本郵便株式会社法に基づくいわゆるユニバーサルサービス提供に係る法的責務の履行として提供しております。当行は、法令上この責務を直接負わないものの、郵便局で使用するATM・窓口端末機など銀行委託業務に係るITシステムの導入・運行コストとともに(なお、当該ITシステムは当行が所有)、同業務に従事する日本郵便株式会社の従業員の指導・教育等を通じ、ユニバーサルサービス提供に係る一定のコストを負担しております。
その結果、より収益性の高い業務や地域への経営資源配分が制約されること等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、銀行窓口業務契約は、期限の定めがなく、また、本契約に定める特段の事由が生じた場合等を除き、当事者の合意がない限り、解除できないものと定めております。また、当行の定款には、日本郵便株式会社と銀行窓口業務契約を締結する旨規定しているため、当該契約を終了させる場合には、定款の変更を要します。従って、当行が銀行窓口業務契約を終了させるためには、これらの手続等を充足させる必要があります。
一方、本契約が終了した場合にも、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行されました(下記「(参考) 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要」をご参照ください。)。これによって、2020年3月期から当行と日本郵便株式会社との間の委託手数料の一部が交付金・拠出金となることとなります。このようなユニバーサルサービスの確保に関する政府の施策、法令や規制等の改正等の内容によっては、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(参考) 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要
2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行されました。これにより、2019年4月1日に独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構(以下「機構」)の名称が「独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」に変更されることとなり、また、機構の目的として、「郵便局ネットワークの維持の支援のための交付金を交付することにより、郵政事業に係る基本的な役務の提供の確保を図り、もって利用者の利便の確保及び国民生活の安定に寄与すること」が追加されることとなりました。
郵便局ネットワーク維持に要する費用は、従来、日本郵便株式会社と関連銀行・関連保険会社との間の契約に基づく委託手数料により賄われていましたが、当該費用のうち日本郵便株式会社が負担すべき額を除く基礎的費用は、本法に基づき、2020年3月期から、当行及び株式会社かんぽ生命保険からの拠出金を原資として機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われることとなります。
当該基礎的費用の算定方法は、直近の郵便局ネットワークの維持の状況を基礎とした次の費用の合計額となります。
ア あまねく全国において郵便局でユニバーサルサービスが利用できるようにすることを確保するものとなるように郵便局ネットワークを最小限度の規模の郵便局により構成するものとした場合における人件費、賃借料、工事費その他の郵便局の維持に要する費用、現金の輸送及び管理に要する費用、並びに固定資産税及び事業所税
イ 簡易郵便局で郵政事業に係る基本的な役務が利用できるようにすることを確保するための最小限度の委託に要する費用
当該基礎的費用及び交付金・拠出金の算定等に係る機構の事務経費は、郵便窓口業務、銀行窓口業務又は保険窓口業務において見込まれる利用者による郵便局ネットワークの利用の度合等に応じて按分され、銀行窓口業務に係る按分額を当行が拠出金として拠出することとなりますが、拠出金の額は機構が年度ごとに算定し、総務大臣の認可を受けることとされているため、現時点では確定しておりません。
また、2020年3月期から、郵便局ネットワークの維持に要する基礎的費用は、当行及び株式会社かんぽ生命保険からの拠出金を原資として機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われることとなるため、当行が業務委託契約等に基づいて日本郵便株式会社に支払っている委託手数料についても見直しを行う予定です。
以下の記載における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、当行グループは、銀行業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当第3四半期連結累計期間の経済情勢を顧みますと、世界経済は、回復基調が継続しているものの、一部地域では、減速傾向が鮮明になりました。海外では、米国経済が好調だった一方、欧州、中国経済は減速傾向が鮮明になりました。我が国経済は、相次ぐ自然災害を受け、7-9月期はマイナス成長に転じたものの、拡大基調が継続しています。
金融資本市場では、我が国の10年国債利回りは、長短金利操作付き量的・質的金融緩和の下、概ね0.1%を下回る水準で推移した後、7月末の「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」導入や米国長期金利の上昇等を受け、10月上旬には0.1%台半ばまで上昇しました。その後は、米国長期金利の低下、世界的な株安等を受け低下し、12月末には1年3か月ぶりのマイナスとなりました。米国の10年国債利回りは、概ね2.8~3.0%で推移した後、好調な経済指標等を受け、10月上旬には3.2%台まで上昇しました。11月以降、世界経済減速懸念、世界的な株安等を受け、大幅な低下基調に転じ、12月末には2.6%台まで低下しました。
外国為替市場は、対ドルでは、概ね円安基調で推移し、10月上旬には米国長期金利の上昇等を受け、114円台まで円安が進みました。12月以降は、米国の利上げペース鈍化観測の高まり、世界経済減速懸念、世界的な株安、金利低下を受け、急速に円高に転じ、12月末には109円台まで円高が進みました。対ユーロでは、欧州政治情勢の不透明感等から、一時124円台まで円高が進みましたが、8月下旬以降、それら懸念が後退したこと等を受け、円安に転じました。10月以降は、英国のEU離脱や欧州政治情勢への不透明感の高まりから円高基調に転じ、12月末にはリスク回避の動きが強まる中、125円台まで円高が進みました。
日経平均株価は、概ね21,000~23,000円で推移した後、米国株高、円安等を受け、9月下旬には24,000円台を回復しました。その後は世界的な株安、円高等を受け、下落基調に転じ、12月下旬には1年8か月ぶりの19,000円台となりました。
当第3四半期連結累計期間の経常収益は1兆3,847億円となりました。このうち、資金運用収益は1兆507億円となりました。役務取引等収益は1,059億円となりました。また、その他業務収益は1,660億円となりました。
一方、経常費用は1兆1,028億円となりました。このうち、資金調達費用は2,602億円、営業経費は7,812億円となりました。
以上により、金利が低位で推移するなど厳しい経営環境下、経常利益は2,818億円となりました。通期業績予想の経常利益3,700億円に対し、進捗率は76.1%となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は2,033億円となりました。通期業績予想の親会社株主に帰属する当期純利益2,600億円に対し、進捗率は78.1%となりました。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は前連結会計年度末比9,116億円減少の209兆7,182億円となりました。主要勘定につきましては、有価証券は前連結会計年度末比1兆1,191億円減少の138兆813億円、貸出金は前連結会計年度末比6,319億円減少の5兆5,136億円となりました。貯金残高は安定的に推移し、前連結会計年度末比1兆9,574億円増加の181兆8,387億円となりました。
株主資本が前連結会計年度末に比べ156億円増加、その他の包括利益累計額が前連結会計年度末に比べ8,067億円減少し、純資産は10兆7,351億円となりました。株主資本のうち、利益剰余金は2兆4,150億円となりました。
(2) 当行の財政状態及び経営成績の状況
当行の財政状態及び経営成績の分析・検討内容は次のとおりであります。
① 損益の概要
当第3四半期累計期間の業務粗利益は、前年同期比1,422億円減少の1兆200億円となりました。このうち、資金利益は、国債利息の減少を主因に、前年同期比1,169億円の減少となりました。役務取引等利益は、前年同期比87億円の増加となりました。その他業務利益は、外国為替売買損益の減少等により、前年同期比340億円の減少となりました。
経費は、前年同期比32億円減少の7,823億円となりました。
金利が低位で推移するなど厳しい経営環境下、業務純益は前年同期比1,389億円減少の2,377億円となりました。
経常利益は前年同期比1,161億円減少の2,818億円となりました。
四半期純利益は2,031億円、前年同期比789億円の減益となりました。
(注) 1.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額
2.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。
3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。
4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却
5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却
6.金額が損失又は費用には△を付しております。
② 国内・国際別の資金利益等
当行は、銀行業の単一セグメントであり、海外店や海外に本店を有する子会社(以下「海外子会社」)を有しておりませんが、円建の取引を「国内業務部門」、外貨建取引を「国際業務部門」に帰属させ(ただし、円建の対非居住者取引は「国際業務部門」に含む。)、各々の収益・費用を計上した結果、国内業務部門・国際業務部門別の資金利益等は次のとおりとなりました。
当第3四半期累計期間は、国内業務部門においては、資金利益は5,082億円、役務取引等利益は805億円、その他業務利益は11億円となりました。
国際業務部門においては、資金利益は2,876億円、役務取引等利益は6億円、その他業務利益は1,418億円となりました。
この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金利益は7,959億円、役務取引等利益は812億円、その他業務利益は1,429億円となりました。
(a) 国内業務部門
(b) 国際業務部門
(c) 合計
(注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前第3四半期累計期間4,739百万円、当第3四半期累計期間5,348百万円)を控除しております。
2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額等は下表のとおりであります。
③ 役務取引等利益の状況
当第3四半期累計期間の役務取引等利益は、投資信託の販売金額が増加したことや、ATMの設置を拡大したこと等により、前年同期比87億円増加の812億円となりました。
④ 預金残高の状況
当第3四半期会計期間末の貯金残高は、安定的に推移し、前事業年度末比1兆9,578億円増加の181兆8,406億円となりました。
○ 預金の種類別残高(末残・構成比)
(注) 1.「通常貯金等」=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)
2.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。
3.特別貯金(通常郵便貯金相当)は独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構からの預り金のうち、同機構が日本郵政公社から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。
⑤ 資産運用の状況(末残・構成比)
当第3四半期会計期間末の運用資産のうち、国債は59.7兆円、その他の証券は61.6兆円となりました。
(注) 「預け金等」は譲渡性預け金、日銀預け金、買入金銭債権であります。
⑥ 業種別貸出金残高の状況(末残・構成比)
(注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。
2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.「金融・保険業」のうち独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構向け貸出金は、前事業年度末829,243百万円、当第3四半期会計期間末640,676百万円であります。
⑦ 金融再生法開示債権(末残)
① 前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第3四半期連結累計期間に完成し
たものは、次のとおりであります。
(注)1.日本郵政グループの日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、当行及び株式会社かんぽ生命保険は、グ
ループ各社の本社機能を一拠点に集約・移転し、更なるグループのシナジー効果を発揮するため、前連
結会計年度末以前から大手町再開発ビル(仮称)への移転を計画しておりましたが、大手町再開発によ
り2018年8月に「大手町プレイス ウエストタワー」が完成し、当該施設の一部を自社所有いたしまし
た。なお、当行における当該ビルへの本社移転は、2018年11月に行っております。
2.上記の記載金額には、消費税及び地方消費税を含んでおりません。
② 当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設等の計画は次のとおりであります。
(注) 上記設備計画の記載金額には、消費税及び地方消費税を含んでおりません。