以下の記載における将来に関する事項は、明示がある場合又は文脈上明らかな場合を除き、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当行グループは、以下の経営理念の下、お客さまの声を明日への羅針盤とする「最も身近で信頼される銀行」を目指してまいります。
「信 頼」:法令等を遵守し、お客さまを始め、市場、株主、社員との信頼、社会への貢献を大切にします。
「変 革」:お客さまの声・環境の変化に応じ、経営・業務の変革に真摯に取り組んでいきます。
「効 率」:お客さま志向の商品・サービスを追求し、スピードと効率性の向上に努めます。
「専門性」:お客さまの期待に応えるサービスを目指し、不断に専門性の向上を図ります。
(2) 経営戦略等
当行グループは、2018年度から2020年度までを計画期間とする中期経営計画を策定しております。中期経営計画は、2018年度からの3年間を、厳しい経営環境の中、安定的な収益を確保しつつ、将来の持続的成長に向けて、経営基盤を固めるための期間と位置づけております。その上で、郵便局ネットワークを通じて、全国の幅広い個人のお客さま、小さなお子様からご高齢の方まで、お一人おひとりの長い人生をしっかりサポートしていくことで、これからもお客さまや地域社会と共に歩んで行くことを目指しております。「『やっぱり、ゆうちょ』と言われることを、もっと。」のスローガンの下で、各種施策に取り組むとともに、中期経営計画で掲げた経営目標の達成を目指してまいります。
<中期経営計画における主な取組み>
① お客さま本位の良質な金融サービスの提供
・お客さまの資産形成への貢献
・決済サービスの充実
・ATMネットワークの拡充
② 運用の高度化・多様化
・国際分散投資の推進
・市場環境を踏まえたオルタナティブ投資の拡大
・財務健全性の確保
③ 地域への資金の循環等
・地域活性化ファンドへのLP出資
・地域金融機関との各種連携
④ 経営管理態勢の強化
・お客さま本位の業務運営
・リスクガバナンスの強化
・マネー・ローンダリング、テロ資金供与対策等への態勢強化
・サイバー攻撃への態勢強化
・ダイバーシティ、人材育成、要員戦略
・コストマネジメントの徹底・ITの有効活用
(3) 経営環境
当連結会計年度の経済情勢を顧みますと、2019年12月までは、米中貿易摩擦の激化や英国のEU離脱を巡る不確実性の高まりを背景に、世界経済は減速しました。そうした中、FRB(米連邦準備制度理事会)は金融緩和姿勢に転じ、7月には予防的利下げに踏み切りました。金融資本市場では、米国の10年国債利回りは、2.5%台から1.4%台まで低下した後、米中の貿易協議進展を受け、12月に1.9%台まで上昇しました。我が国の10年国債利回りは、日本銀行の追加緩和観測の高まりを受け、マイナス0.3%付近まで低下する場面もありましたが、政策が維持されたことにより、概ねマイナス0.1~0%のレンジで推移しました。外国為替市場は、日米金利差は縮小したものの、対ドルでは概ね105~110円のレンジで推移しました。対ユーロでは、英国のEU離脱問題等を受け、円高基調で推移しました。日経平均株価は、9月頃まで21,000円をはさむ値動きが続いた後、年末にかけて24,000円台に上昇しました。
2020年に入ってからは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2月以降中国を皮切りに、欧州、米国に続き、インド等の新興国でもヒトの移動等が制限され、経済活動停滞を余儀なくされました。各国政府及び中央銀行は、企業の破綻等を回避すべく大規模な政策を相次いで発表しました。我が国経済は、消費増税後の反動減に新型コロナウイルスの影響も加わり、一段と悪化しました。
そうした中、金融資本市場では、リスク回避の動きが強まり、ボラティリティ(変動幅)が大幅に高まりました。米国の10年国債利回りは、3月に一時0.3%台まで急低下した後、1.2%台に急反転する等、乱高下するとともに、海外のクレジット市場では、スプレッドが大幅に拡大しました。我が国の10年国債利回りは、2月下旬から3月にかけて、マイナス0.2%付近に低下した後、0.1%台に上昇しました。外国為替市場は、対ドルでは一時101円台まで円高が進んだ後、円安に転じ、3月下旬には一時111円台となりました。日経平均株価は、16,000円台まで急落後、日本銀行のETF(上場投資信託)買い入れ拡大等もあり、下げ幅を縮小しました。
このように、国内の低金利環境が継続するとともに、新型コロナウイルス感染拡大による市場の混乱が起きる等、国内外の有価証券による運用を主たる収益源とする当行にとって、厳しい経営環境が継続しております。
(4) 対処すべき課題
当行グループは、郵便局のネットワークを中心とした個人顧客基盤が支える安定した資金調達や、強固な資本基盤、またこれらの特性をいかしたALM(資産・負債の総合管理)・運用戦略によって、安定的な利益を計上してきました。
厳しい経営環境が見込まれる中での収益の確保と経営管理態勢の強化に向け、2018年度から2020年度を計画期間とする中期経営計画を策定しました。
中期経営計画の最終年度となる2020年度は、「お客さま本位の良質な金融サービスの提供」「運用の高度化・多様化」「地域への資金の循環等」に取り組みます。「経営管理態勢の強化」については、経営理念に則り、お客さまの声を明日への羅針盤とし、全社一体となってお客さま本位の業務運営を推し進め、「最も身近で信頼される銀行」を目指します。
また、新型コロナウイルス感染症への対応につき、引き続き、感染拡大防止策や重要業務の継続態勢確保に努めてまいります。
(お客さま本位の良質な金融サービスの提供)
○お客さまの資産形成への貢献
お客さま本位の業務運営の浸透強化に向けて、経営陣が責任をもって取り組み、全社員がお客さま本位の良質な金融商品・サービスを提供できるように努めます。
お客さま本位の業務運営の下、お客さまのライフプランに応じたコンサルティングを確立し、お客さま一人ひとりの資産形成ニーズに対応した商品・サービスを拡充します。就職・退職・相続等のライフイベントや、資産形成の目的に応じたコンサルティングを充実し、お客さまの暮らしを生涯にわたってサポートすることにより、お客さまに「安心」を提供してまいります。
具体的には、資産運用コンサルタントの育成や、タブレットを活用してお客さまのニーズ把握をサポートするツールを充実するほか、2019年5月に大和証券グループとの間で合意した「投資一任サービス(注)」について、サービスの開始に向けた取組みを進めます。また、「つみたてNISA」対象商品のご案内等により、お客さまの長期的な資産形成ニーズに応えます。
なお、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、その影響が収束する見通しが立つまでの間は、積極的な営業活動の停止、窓口の一部縮小などの対応を行います。
(注) 投資一任契約に基づき、投資運用業者がお客さまから投資判断の全部又は一部を一任されるとともに、当該投資判断に基づきお客さまのための投資を行うに必要な売買・管理等までを行うサービス
○デジタル化によるサービスの高度化、業務の効率化
新型コロナウイルスの感染拡大を契機として、社会のデジタル化の一層の進展が予測される中、当行でも、フィンテック(金融とITの融合)に代表される新たなテクノロジーの活用や、お客さまの利便性を一層高めるような金融チャネルの高度化・充実を通じて、いつでもどこでも使える「新しいべんり」の提供に努めます。スマートフォン決済サービス「ゆうちょPay」については、利用できる店舗の開拓、普及促進、サービス拡充等に取り組み、「ゆうちょ通帳アプリ」については、機能追加や普及促進に取り組みます。また、お客さまからの要望が多い機能を備えたインターネットバンキングサービス「ゆうちょBizダイレクト」への法人のお客さまの移行推奨にも引き続き注力します。
このほか、費用対効果を踏まえたコストマネジメントの徹底と、デジタル技術の活用により、業務の効率化と生産性向上に努めます。例えば、コールセンター、パートナーセンター(直営店及び郵便局からの事務照会に対する回答、郵便局に関する事務・営業支援を行う組織)へのAI導入等により、お客さまに応対する品質及び運営効率を向上させます。
このようなサービスのデジタル化やデジタル技術を用いた業務の効率化により、人的資源などの経営資源をトランザクション業務(窓口等における定型業務)からコンサルティング業務等に再配分し、お客さまサービスの更なる充実に努めます。
(運用の高度化・多様化)
○運用の高度化・多様化
国内の低金利環境の継続に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済の悪化や金融市場の混乱が継続する懸念など、運用を取り巻く環境は非常に厳しく、かつ不透明な状況にあります。
このため、金融市場の混乱が収束するまでの間は、ALM・運用業務について、リスク抑制的に対応することとし、混乱に収束の見通しが立った場合等は、市場動向を注視しつつ、許容されるリスクの範囲内で、追加的な収益確保に努めます。
○財務健全性の確保
世界経済や金融市場の先行きが不透明な中で、財務健全性の観点から、運用の高度化・多様化に必要十分な自己資本比率を確保します。
また、市場環境の変化やポートフォリオ・商品の特性を踏まえ、リスク管理態勢を高度化します。
(地域への資金の循環等)
引き続き、地域金融機関との連携・協働により、地域経済の発展・成長に貢献します。
地域活性化ファンドへの出資を推し進めるとともに、ATMネットワークの活用や事務の共同化、グループ会社を含めた連携等を通じて、地域金融機関との協業関係を深めます。
地域経済活性化の更なる貢献に向けて、案件選定・投資判断などに努めるとともに、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける全国の企業への資本面での支援について、検討していきます。
(経営管理態勢の強化)
○お客さま本位の業務運営
「サービス向上委員会」を中心に、お客さま本位の業務運営に全社一体となって取り組みます。お客さまの声を起点とした商品・サービスの改善を推進するため、全国の店舗等やコールセンターにお寄せいただいたお客さまの声やアンケート等を活用してまいります。また、コンプライアンスに関する指導・研修を強化し、お客さま目線に立った適正な投資勧誘・販売プロセスを徹底します。
お客さま本位の業務運営の強化に向けた取組みについては、項目ごとに取組状況を公表します。
○リスクガバナンスの強化
全社的なリスクアペタイト・フレームワーク(注)に基づく業務運営を実施し、経営管理態勢の一層の高度化を図ります。
また、店舗等と本社間のコミュニケーションを強化するとともに、コンプライアンス部門の牽制機能強化と監査部門の独立性・客観性強化により、コーポレートガバナンスの向上に努めます。
(注) 「リスクアペタイト=中長期的な収益性確保、財務健全性等を図るために必要な、当行が取得すべき適切なリスクの種類や水準」の明確化・見える化を通じ、「監督(取締役会)」機能の実効性を高めることで、リスクガバナンスを強化する枠組み
○サイバー攻撃への態勢強化
不正なアクセスの監視や被害防止に向けた対応を行っていますが、複雑・巧妙化するサイバー攻撃に対し、最新の動向に基づいて、引き続きサイバーセキュリティ態勢を強化します。特に2021年夏に開催が延期された東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、サイバー攻撃の脅威の高まりへの対応力を一層向上させます。
○コンプライアンス態勢の強化
コンプライアンス意識の更なる浸透や資産運用商品の適正な販売に引き続き努めます。
また、国際的な責務であるマネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止対策を一層強化します。これらの取組みを通じて、社会的責任を果たします。
○人事戦略
女性管理社員比率の上昇等を含めたキャリア形成支援、新型コロナウイルス問題を契機とした、テレワークの積極的な活用を含めた柔軟な働き方とそれに合わせた人事評価の高度化による社員のモチベーションと生産性の向上、社員の多様性に対応した働きやすい職場環境の整備等により、ダイバーシティ・マネジメント(多様な人材の活用)を推進します。
コンサルティング業務、運用の高度化・多様化等の強化分野・成長分野を中心とした人材育成に注力します。
○ESG(環境、社会、ガバナンス) ・CSR(企業の社会的責任)
国連で採択された国際目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」やESG・CSRを踏まえた取組みについては、経営戦略や事業戦略と一体的に進め、企業価値の向上を目指します。具体的には、「お客さま・マーケット」「地域社会」「環境」「社員(ダイバーシティ・マネジメント)」のテーマに対して、当行グループの業務の特性をいかした活動を継続します。
このうち「環境」については、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)(注)の提言に基づき、気候変動に関する取組みや指標を経営計画に反映し、それらの開示に向け、ESG・CSRの推進態勢を強化します。
(注) Task Force on Climate-related Financial Disclosures
気候変動に関する企業情報開示の充実を目的として金融安定理事会(Financial Stability Board)の提言のもと設立された組織
2017年6月に気候関連財務情報に係る自主的な情報開示の在り方に関する提言を公表
当行グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があると、当行グループが認識している重要な事項について、記載しております。
当行グループの事業、業績及び財政状態等に特に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクについては、リスクアペタイト・フレームワークの枠組みの中で取締役会及び経営会議において議論した上、影響度・蓋然性を踏まえて、トップリスクとして選定しております。選定したトップリスクへの対応は、当行の経営計画に反映し、定期的にコントロール状況等を確認した上、必要に応じて追加的な対応を行っております。
トップリスクは、以下のとおりであります。
本項において、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、明示がある場合又は文脈上明らかな場合を除き、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。また、当行グループが認識していない、又は重要性が乏しいと考えている追加的なリスク等が、当行グループの事業、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性もあります。
当行グループは、リスク管理に関する規程を定め、管理態勢を整備し、リスク管理を実施しております。また、当行グループは、経営環境、リスクの状況、今後の事業規模・範囲拡大などの想定に応じ、リスク管理態勢全般について随時見直しを行っておりますが、有効にリスク管理態勢が機能しない場合には、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、新たな投資領域を開拓するなど当行グループが有価証券等の運用業務・対象を多様化し、また、貸付け業務の範囲・規模を拡大した場合、信用・市場リスク管理態勢や不公正取引発生防止態勢等を拡充する必要がありますが、かかる業務の拡大に比してリスク管理態勢の拡充が十分になされない可能性があります。
加えて、当行グループによるリスク管理方針の実施、その遵守状況の監督は、当行グループ内部だけでなく、当行の商品・サービス(貯金・資産運用商品・為替等)を販売する日本郵便株式会社の郵便局ネットワーク全体についても行う必要がありますが、約24,000もの郵便局を有する広範な郵便局ネットワークでの実施・監督に困難又は不備が生じた場合には、当行グループによるリスク管理方針が機能せず、又は不十分となる可能性があります。これらの結果、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループが保有する金融資産・負債の多くは、市場の変動による価値変化等を伴うものであります。当行では、中長期的に収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の枠組みの下、市場環境の変化、リスク・リターン等を踏まえた機動的なポートフォリオ運営を行っている他、ストレス・テストや損益シミュレーション等を実施することにより、市場リスク等を適切に管理するよう努めておりますが、かかる管理にかかわらず、大幅な市場変動等により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、中長期的な収益の確保を目的とした外国証券やオルタナティブ資産への投資等、運用の高度化・多様化が目的に即した結果を生まない可能性もあります。
当行が保有する日本国債(2020年3月末日現在、53.6兆円・総資産額の25%)や外国証券(2020年3月末日現在、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)は65.6兆円・総資産額の31%)などの金融資産と、定額貯金を始めとする貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等には、差異が存在します。このため、金利(長期や短期の金利)の変動は、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当連結会計年度末現在において、日本国債の一部の金利がマイナスとなる等市場金利は非常に低い水準にあり、更に、今後の金融政策の動向によりかかる金利水準が長期に亘り継続し又は低下する場合、運用収益の減少に比して、相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少し、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
更に、市場金利の変動は、当行の債券ポートフォリオ等の価値に影響を及ぼします。例えば、国内外の景気変動、中央銀行の金融政策、日本国政府の財政運営やその信認の変化等、様々な要因により市場金利が上昇した場合、保有する債券等の価値下落によって評価損・減損損失や売却損等が生じ、その結果、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、定額貯金(2020年3月末日現在、90.0兆円・総貯金額の49%。預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)について、急激な市場金利上昇等により、事前のリスク管理の想定を超える貯金流出や預け替えが発生した場合にも、計画以上の運用原資の減少や調達コストの上昇を通じて、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行は、収益源泉・リスクの分散を目的に、運用の高度化・多様化の一環として国際分散投資を進め、外国証券の保有が増加しておりますが、外貨建て資産の一部については為替リスクを軽減するヘッジを行わない、又は短期のヘッジを行うことがあります。その結果、大幅な為替相場の変動が発生した場合、ヘッジしていない部分に差損が発生し、又はヘッジコストが上昇すること等により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループは、直接又は金銭の信託や投資信託を通じて間接的に、株式を保有することがあることから、国内外の経済状況又は市場環境の悪化や低迷等によって株価が下落する場合には、保有株式に評価損・減損損失や売却損等が発生し、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行では、市場流動性を確保する観点から、流動性が低い資産への投資が過大にならないよう、また、市場規模に比して過大なポジションを保有することがないよう、基準を設定することにより、市場流動性リスクを適切に管理するよう努めておりますが、かかる管理にかかわらず、経済状況の著しい悪化や金融市場の混乱、銀行・金融業界全体の社会的信用や信認が低下する場合等には、当行グループが国内外の市場で取引・決済ができなくなることや、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされること等により、損失を被る可能性があります。その結果、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行では、安定的な資金繰りを達成するため、資金の受払いの差額について基準を設定しているほか、予期しない資金流出等に備え、流動性の高い資産の保有額に基準を設定することにより、資金流動性リスクを適切に管理するよう努めておりますが、かかる管理にかかわらず、当行グループの業績や財政状態の悪化、風評等の発生や、予期せぬ資金流出、運用と調達の期間のミスマッチ(差異)等、また、当行グループの収益力・信用力の低下、日本国債の格下げ等の影響を受けた当行格付の引き下げにより、円貨・外貨の必要資金確保が困難になる、又は、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより、損失を被る可能性があります。その結果、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行では、有価証券発行体や貸出先などの債務者に対し、内部格付を付与の上、定期的にモニタリングを行う他、個社・企業グループ及び国・地域に対するエクスポージャーの上限管理等を実施することにより、信用リスクを適切に管理するよう努めておりますが、かかる管理にかかわらず、債務者において、国内外の経済情勢(景気・信用状況等)や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、誤った経営判断、不祥事等の発生、その他不測の事態により財政状態が悪化した結果、当行グループの与信関係費用が増加又は当行グループが保有する有価証券等の価値が下落することによって評価損・減損損失や売却損等が生じ、当行グループの業績、財政状態及び自己資本の状況に影響を及ぼす可能性があり、中長期的な収益の確保を目的とした外国証券やオルタナティブ資産への投資等、運用の高度化・多様化が目的に即した結果を生まない可能性もあります。
当行グループや当行の商品・サービスを販売・提供する日本郵便株式会社の役員・従業員が、事務に関する社内規程・手続等に定められた事務処理を怠る、あるいは事故・不正等を起こすリスクが存在します。当行グループでは、各種研修等を通じて手続等の浸透、不正の防止に努めておりますが、かかる事務リスクが顕在化した場合には、当行グループへの行政処分、訴訟提起等により、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当行グループの業務に関連して、顧客その他の第三者が、偽名による口座開設、当行口座の不正目的による使用、又は盗難カードを使用した犯罪行為その他の不正行為を行った場合や、当行グループの取引先が反社会的勢力と何らかの関係を有する者であった場合には、これに対応する費用の支出が発生する等、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループは、当行が保有する銀行業に係るシステムのほか、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険と共用しているシステムも利用して、銀行口座、資産運用等の取引・管理を行い、また、全国の郵便局ネットワークや全国銀行データ通信システム等と通信しているなど、情報通信システムは、当行グループの事業にとって極めて重要な機能を担っております。当行では、重要なシステムについては、システム監視や不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定する等して、システムの安定稼働の維持に努めておりますが、自然災害・サイバー攻撃等の外的要因に加えて、人的過失、事故、コンピュータウィルスの感染、システムの新規開発・更新における瑕疵等により、システム障害が発生する可能性があります。こうしたシステムの不具合、故障等が生じた場合に、これに対応する費用の支出の発生、業務の停止・混乱、それに伴う損害賠償、行政処分、社会的信用の毀損等が発生することにより、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループは、多数の個人・法人のお客さま等の情報を保有しています。顧客情報は銀行法、金融商品取引法等により適切な取扱いが求められ、特に個人情報については個人情報保護法等の下で、より厳格な管理が求められております。
当行グループでは、プライバシーポリシー等情報管理に関する規程等を整備し、厳正な情報管理に努めておりますが、機密情報や顧客情報等の重要な情報について、内部からの漏えいや、コンピュータへのサイバー攻撃等外部からの不正なアクセス等が発生する可能性があり、業務委託先を含め、仮にこのような事象が生じた場合には、これに対応する費用の支出の発生、当行グループに対する損害賠償請求、行政処分、社会的信用の毀損等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループは、事業の遂行に関して、訴訟等が提起されるリスクを有しております。
業績に影響を及ぼす訴訟や社会的影響の大きな訴訟等が発生し、当行グループに不利な判断がなされた場合には、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループでは、各種研修等を通じて、ハラスメントを含む人権問題、人事処遇、勤務管理などの人事労務上の問題、職場の安全衛生管理上の問題等の発生の防止に努めておりますが、かかる問題が発生した場合や、これらに関連する重大な訴訟等が発生し、当行グループに不利な判断がなされた場合、当行グループの業績、社会的信用及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループでは、風説・風評が伝達される媒体を定期的に確認し、風説・風評の把握に努めるとともに、その影響度等に応じた対応によるレピュテーショナル・リスクの管理に努めておりますが、当行グループや当行グループの事業の風説・風評が、報道機関・市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板への書込み、ソーシャル・ネットワーク・サービス等により拡散した場合、また、報道機関により憶測に基づいた報道が行われた場合には、お客さまや市場関係者等が、当行グループについて事実と異なる理解・認識をし、当行グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当行グループと競合する他の金融機関等に関する問題や不祥事の発生、批判、風評等であっても、それにより銀行・金融業界全体の社会的信用や信認が下落する場合には、当行グループの事業、業績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
当行グループは、顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)に取り組み、法令・諸規則等を遵守すべく、コンプライアンスやその意識の水準向上、内部牽制・内部監査・顧客保護等管理など内部管理の強化を経営上の重要課題として位置づけ、適切な指示・指導・モニタリングを行う態勢を整備するとともに、法令違反・不正行為等の防止策を講じております。しかしながら、これらが十分な効果を発揮せず、横領その他の犯罪行為、インサイダー取引規制等違反、お客さまの属性に照らし不適合な顧客説明や資産運用商品の販売等、法令・諸規則等を遵守できない等のミスコンダクトリスクが発生する可能性があります。また、これらの法令等の不遵守を、組織として迅速・適切に認識できない可能性もあります。業務委託先である日本郵便株式会社等を含め、法令違反・不正行為等に関するリスクが顕在化した場合には、当行グループへの訴訟提起、行政処分等により、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ マネー・ローンダリング等に係るリスク
昨今、我が国において、マネー・ローンダリングと関連し得る、振り込め詐欺、口座の不正利用・売買、インターネットバンキングを標的とした預金等の不正な払戻し等金融機関のサービスを悪用した金融犯罪は減少の兆しを見せず、手口も高度化しており、当行ではこれらの防止のため、顧客管理措置、疑わしい取引の検知・届出、商品・サービスの見直し等の対策を講じております。しかしながら、これらが十分な効果を発揮せず、マネー・ローンダリング等の不正な取引が発生した場合等には、これに対応する費用の発生、追加的な再発防止策の実行、当行グループへの行政処分、社会的信用の毀損等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループは、大規模災害等に備えた事業継続計画等を整備し、危機管理態勢の強化に努めておりますが、大規模災害、パンデミックの発生(感染症の大流行)、テロリズム・武力衝突等の人的災害、電気・通信その他の社会インフラの障害や混乱等が発生した場合、当行の店舗・事務センター等といった施設・有形資産やシステム等が毀損し、又は正常な業務遂行が困難になること等により、当行グループが損失を被る可能性があります。また、かかる状況の下で当行グループの業務が円滑に機能していたとしても、かかる状況の発生による経済・社会活動の沈滞や、インフラの機能不全等の影響を受けて、当行グループが保有する金融商品に評価損・減損損失や売却損等が生じたり、当行グループの不良債権・与信関係費用が増加したりする可能性もあり、その結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) サイバー攻撃等に関するリスク
当行が保有する銀行業に係るシステムのほか、業務の遂行にあたって利用する情報通信システムは、当行グループの事業にとって極めて重要な機能を担っております。特に、近年のデジタル技術の著しい発展により、インターネットやスマートフォンを利用した取引が増加している一方、サイバー攻撃手法の高度化・巧妙化も進んでおり、金融機関を取り巻くサイバーリスクは高まっております。当行ではこれらのサイバーリスクの低減を図るため、サイバーセキュリティに関する専門部署の設置やCISO(Chief Information Security Officer 最高情報セキュリティ責任者)を配置し、多層的な防御・検知対策の整備をしています。また、専門知識を有する人材を配置するとともに、外部専門機関との連携等を通じて新たな攻撃手口の分析や対策を行うなど、必要な対策を講じております。しかしながら、これらが十分な効果を発揮せず、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、コンピュータウィルス感染等の要因により、機密事項・顧客情報の漏えい・紛失や情報通信システムの障害等が発生した場合には、お客さまへの経済的・精神的損害や業務の停止及びそれに伴う損失や損害賠償の発生、行政処分や罰則、お客さま及びマーケット等からの信頼失墜等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループは、「『やっぱり、ゆうちょ』と言われることを、もっと。」のスローガンの下で、「お客さま本位の良質な金融サービスの提供」、「運用の高度化・多様化」、「地域への資金の循環等」、「経営管理態勢の強化」を主な戦略として、2018年度から2020年度までを計画期間とする中期経営計画を推進しております。
しかしながら、これらに向けた当行グループの事業戦略・経営計画は、各種のリスクにより実施が困難となり、又は有効でなくなる可能性があります。また、事業戦略・経営計画の策定時に前提とした各種の想定が想定通りとならないこと等により、当初計画した成果が得られない可能性もあります。特に、市場(金利・為替等)・経済情勢(景気・信用状況等)等が計画策定時の想定通り安定推移しなかった場合、例えば、市場金利の低下による運用利回りの減少によって計画が達成できない可能性や、海外のクレジットスプレッド拡大による当行が保有する有価証券中の投資信託の特別分配金発生によって計画が達成できない可能性、国際分散投資等の高度化・加速を継続していく中で、適切なポートフォリオ分散を達成できない可能性、より高いリスクを有する運用資産の増加によって価格変動リスクを受けやすくなり、当行グループの事業、業績及び財政状態に及ぼす影響が大きくなる可能性があります。更に、定額貯金の再預入や、投資信託の販売、運用・リスク管理・営業等の人材確保・育成が、想定通り進捗しなかった場合、総預かり資産の拡大等の計画が達成できなくなる可能性があります。また、減損損失、売却損の計上等により十分な利益水準が確保できない場合や、法令によりその他有価証券の評価損が発生した際は分配可能額から控除する必要があることから、相場変動によりその他有価証券の評価損が拡大し、分配可能額を確保できない場合等には、株主還元の目標が達成できない可能性があります。更に、日本郵政株式会社は、将来的なグループ連結ベースでのIFRS適用を検討しており、将来的に当行グループもIFRSを適用する可能性があるほか、事業の内容又は経営環境の変化に対応して会計方針等の変更を行う可能性もあります。これらの結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループは、新たな収益機会を得るために新規業務を行おうとする場合、郵政民営化法、銀行法の規制により必要となる当局の認可等を適時に取得できない可能性があります。例えば、当行は、2012年9月3日に行った相対による法人向け貸付、住宅ローン等の個人向け貸付などを内容とする認可申請を、2017年3月31日に取り下げました。
また、認可を得て業務範囲を拡大した場合でも、当行グループが限定的な経験しか有していない業務分野に進出した場合、競争の激しい分野に進出した場合等において、業務範囲の拡大が功を奏しない、又は、当初想定した成果をもたらさない可能性があります。その結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行は、郵政民営化法第98条第1項により、次に掲げる条件付きで銀行法第4条に定める銀行業の免許を受けたものとみなされております。
・郵政民営化法第110条第1項各号に掲げる業務(いわゆる新規業務。「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考) (1) 業務の制限」をご参照ください。)を行おうとするときは、内閣総理大臣の承認を受けなければならないこと。
・郵政民営化法第8章第3節の規定の適用を受ける間、業務の健全、適切かつ安定的な運営を維持するための基盤となる銀行代理業者への継続的な業務の委託がされていること。
この免許につきましては、有効期間は定められておりませんが、銀行法第26条、第27条、第28条及び第41条に規定された要件に該当した場合、業務の停止又は免許の取消し等を命じられることがあります。当連結会計年度末現在において、当行は、これらの要件に該当する事実はないものと認識しておりますが、将来、何らかの事由により当行がこれらの要件に該当した場合には、当行の主要な事業活動に支障をきたし、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループは事業を行うにあたり、銀行法を始め税制・会計基準を含む各種法令等が適用され、銀行免許・当局の監督を受けております。また、我が国はWTO(World Trade Organization:世界貿易機関)の加盟国であり、当行が物品等を調達する場合にも、WTOによる政府調達ルールの遵守が求められます。各種法令等の改正や新たな法的規制等により、当行グループの競争条件が悪化したり、営業・運用等の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会の制限等により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、米国の外国資産管理法による指定国等に対する経済制裁の発動・強化は、当行の国際分散投資を制約し、直接又は投資信託を通じ保有する外国証券のリスクを高める可能性があります。
また、当行は、郵政民営化法によって、他の銀行には課せられていない規制が課されております(当行に係る郵政民営化法に基づく規制は、「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考)」をご参照ください。)。例えば、当行は、他の銀行と比較して業務拡大等に係る経営の自由度が限定されており、また、銀行を当行の子会社とすることや、預入限度額(なお、「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考)」に記載のとおり、2019年4月1日から預入限度額が変更となりました。)を超える一顧客からの貯金受入れも、原則としてできません。郵政民営化法の規制により、当行グループの事業、成長戦略を含む事業戦略・経営計画の策定・遂行、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。更に将来、現行の民営化の枠組みを変更する法律が制定された場合、その内容によっては、当行グループに影響をもたらす可能性もあります。
当行グループが行う事業による収益の多くは日本国内での貯金調達や国内外での有価証券運用によって得られており、国内外の景気・信用状況や人口動態等の経済・社会情勢、金利・為替等の市場の変動・悪化が、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、消費税率の引き上げによる家計の可処分所得の低下や、少子高齢化に伴い、日本の貯蓄率・預金水準が低下し、当行の貯金残高が減少する可能性があります。また、国内外の金融市場に混乱等が生じた場合、当行グループの事業の低迷や資産内容の悪化、資金調達力・資産流動性の低下等が生じる可能性があります。このような場合、中長期的な収益の確保を目的とした運用の高度化・多様化が、目的に即した結果を生まない可能性もあります。
当行グループが行う事業は、いずれも激しい競争状況に置かれております。当行の主力事業は郵便局ネットワークをメインチャネルとするリテール・バンキング事業であるため、当行は、都市銀行のほか、地方銀行その他の金融機関と競合しております。また、当行グループが業務範囲を拡大した場合には、現時点では当行グループと競合関係にない会社との競合が新たに生じる可能性もあります。この他、近年では、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われており、参入規制の緩和や業務範囲の拡大等の規制緩和も行われております。更に、テクノロジーの進化により、他業界からの新たな金融サービスの提供者の参入や顧客ニーズの多様化が進展しております。
当行グループでは、新たなテクノロジーの活用や、デジタル化の推進等によるサービスの改善・充実に努めておりますが、当行グループが競合する他の金融機関に対して優位に立てない場合や、市場構造の変化に対応できなかった場合、規制緩和や新規参入が想定以上に進んだ場合、テクノロジーの進化や顧客ニーズの多様化に対応できなかった場合は、顧客基盤の流出・弱体化、収益力の低下、既存サービス・ネットワークの陳腐化等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、2020年4月7日に政府より緊急事態宣言が出される等、新型コロナウイルス感染症が国際社会・世界経済にとって大きな脅威となっております。当行グループでは、お客さまと社員の安全確保の観点から、社員の時差出勤、交替勤務、在宅勤務等の導入、窓口の一部縮小や一部店舗の営業時間短縮、訪問や窓口での積極的な営業活動の停止等の感染拡大防止策を実施したほか、現金の入出金や決済業務等のお客さまの日々の生活に必要な重要業務については、柔軟な人員配置や複数拠点によるバックアップを通じて、業務継続態勢を確保しておりますが、かかる対応にかかわらず、当行の商品・サービスの利用者が著しく減少した場合、また、当行グループ社員に感染が拡大することにより業務の継続が困難となった場合等は、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
更に、新型コロナウイルス感染拡大によるマーケット環境の悪化を受け、当行グループでは、ALM委員会及び経営会議において、当行グループに与える影響を確認の上、投資方針やリスク管理態勢を協議し、適切に対応しておりますが、金融市場の混乱の継続や想定を超える大幅な市場変動等により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
日本郵政株式会社は、以下の諸点を通じ、当行の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
日本郵政株式会社は、当連結会計年度末現在において、当行の発行済株式総数(自己株式を除く。)のうち約89%を保有しており、当行の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等、当行の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、日本郵政株式会社は、後記「4 経営上の重要な契約等」に記載の日本郵政グループ協定その他の契約や、日本国政府による日本郵政株式会社株式の保有等により、当行について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主の期待と異なる議決権の行使を行う可能性があります。更に、当行以外の日本郵政グループ各社が、直接又は子会社等を通じて当行と競合し又は競合する可能性のある事業を行うなど、当行の一般株主の利益とは異なる観点で行動する可能性があります。
下表のとおり、日本郵政グループの役員等が当行の役員を兼任しています。
また、当行経営会議(「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」をご参照ください。)には、原則、日本郵政株式会社の役員は出席しないものの、会議の議題に応じて、出席が必要と当行が考える日本郵政株式会社の代表執行役に限り出席を要請することとしています。
更に、従業員についても、2020年3月末日現在、当行に、日本郵政株式会社の子会社である日本郵便株式会社からの受入出向者が約250名、当行・日本郵便株式会社に、両社職務の兼務者が約660名(当行所属従業員約280名、日本郵便株式会社所属従業員約380名)おります。この他、日本郵政株式会社等からの受入出向者は5名であります。当行は日本郵便株式会社に銀行代理業務等を委託しており、代理店の現状に精通した人材を代理店の業務指導・支援に活用し、また、代理店の要員に当行直営店業務を経験させることは、代理店の事務品質・業務知識の向上を狙いとしています。更に、当行エリア本部、日本郵便株式会社の支社の所属者を相互に兼務させ、営業施策の立案・推進管理、営業人材の育成を協働推進させることは、直営店・郵便局一体の営業力強化を企図しております。なお、これらの受入出向者・兼務者はいずれも、当行の重要な意思決定に影響を与える職位・職務には就いておりません。
日本郵政株式会社は、上記の役員兼任等を通じ、当行の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
(日本郵政グループの役員等と当行役員を兼任している者)
本有価証券報告書提出日現在
(注) 増田 寬也氏は、2020年6月24日開催予定の日本郵便株式会社定時株主総会において取締役として選任され、就任する予定であります。
当行は、後記「4 経営上の重要な契約等」や「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(関連当事者情報)」に記載のとおり、日本郵政グループ各社と契約を締結し取引していますが、当該取引にあたっては、契約の締結・改定の際に、取引の目的・必要性、取引条件の適正性(銀行法に定めるアームズ・レングス・ルール)等を確認しており、日本郵政グループ内の取引を適正に管理する態勢を整備しております。加えて、当行と日本郵政グループ各社との重要な取引や、当行と当行の主要株主との非定型的な取引については、取締役会において審議の上、承認することにより、当行又は株主共同の利益を害することのないよう監視しております。
当行は、後記「4 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、グループ共通の理念・方針等のグループ運営に係る基本的事項を定め、円滑なグループ運営に資することを目的とした日本郵政グループ協定等を締結しております。これらの協定等に基づき、当行は一定の重要事項につき日本郵政株式会社と事前協議等を行うこととされ、また日本郵政株式会社から「ゆうちょ」等の商標の使用を許諾されるとともに、日本郵政株式会社に対し、日本郵政グループに属することによる利益の対価として、別途合意した算定方法に従いブランド価値使用料を支払っております。これらの協定等は後記「4 経営上の重要な契約等」に記載の要件が満たされ解除されない限り、原則として存続するため、当行は当該解除までの間、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合にかかわらず、一定の重要事項につき日本郵政株式会社と事前協議等を行う義務や、日本郵政株式会社に対してブランド価値使用料を支払う義務等を負います。
また、後記「4 経営上の重要な契約等」に記載の要件が満たされ、これらの協定等の終了又は見直しにより現在の条件での商標の使用が継続できなくなった場合や、重大な経済情勢の変化等が生じたと判断してブランド価値使用料の算定方法が変更された場合等には、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
日本郵政株式会社は、上記①のとおり、2020年3月末日現在において、当行の発行済株式総数(自己株式を除く。)のうち約89%を保有しておりますが、郵政民営化法は、日本郵政株式会社が保有する当行株式は、その全部を処分することを目指し、当行の経営状況及びユニバーサルサービスの提供への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとしております。また、2018年12月26日に郵政民営化委員会により提出された「郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証に関する郵政民営化委員会の意見」において、将来の通常貯金の預入限度額の見直しについては、日本郵政株式会社が保有する当行株式を3分の2未満となるまで売却することを条件にすると、記載されております。今後の株式売却の時期・規模等は未確定ですが、日本郵政株式会社は、前記「第1 企業の概況 2 沿革」に記載のとおり、当行株式をまずは保有割合が50%程度となるまで段階的に売却していく方針を発表しており、将来、当行株式の追加的な売却が行われ、又はかかる売却により市場で流通する当行の株式数が増え需給が悪化するとの認識が市場で広まった場合には、当行株式の流動性・株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。
また、日本郵政グループ協定等は、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合にかかわらず、後記「4 経営上の重要な契約等」に記載の要件が満たされ解除されない限り、原則として存続しますが、日本郵政株式会社が当行の株式を更に売却し、当行又は株式会社かんぽ生命保険が日本郵政株式会社の連結子会社でなくなった場合、これらの協定等の多くは見直すこととされているため、当行にとって不利な条件に変更される等の場合には、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
一方、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合は、郵政民営化法による他の銀行には課せられていない規制(「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考)」をご参照ください。)が緩和される要件の一つであるため、日本郵政株式会社による当行株式の追加処分が行われない場合、当該緩和が、期待通りに進まず、当行の経営の自由度の拡大が実現しない可能性があります。
当行は、日本国政府から何らの明示又は黙示の保証その他の信用補完を受けておりません。しかし、日本郵政株式会社による当行株式の処分や、日本国政府による日本郵政株式会社株式の処分の進捗に伴い、当行と日本国政府との関係の希薄化により、当行の経済的信用力が低下したとの誤認や錯誤が伝播した場合等には、貯金等の減少、取引条件や人材の採用・定着への影響等を通じ、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行は、後記「4 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、銀行代理業務の委託契約等に基づき日本郵便株式会社に銀行代理業務等を委託しております。2020年3月末日現在、当行の店舗23,881のうち23,647が代理店(郵便局)となっており、貯金残高の約9割が代理店で開設された口座への預入による等、当行の事業は、代理店である日本郵便株式会社の郵便局ネットワークによる営業に大きく依拠しております。
従って、コミュニケーション手段の多様化、競合するネットワークやサービスの利便性向上等により、当行の代理店である郵便局の利用者数や利用頻度が減少したり、代理店で取り扱う当行の商品・サービスの種類や代理店数が減少した場合、また新型コロナウイルスの感染拡大により、利用者数が減少等した場合、当行代理店業務に従事する従業員の確保やその教育が十分でない場合、郵便局で取り扱う競合商品との競争が激化する場合、日本郵便株式会社が人材等のリソースを当行の商品・サービス以外に優先的に配分する場合等においては、当行の貯金等や新商品等の販売が伸びず、その結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2019年7月に、日本郵政グループは、株式会社かんぽ生命保険及び日本郵便株式会社におけるお客さまのご意向に沿わずに不利益が生じた可能性がある契約乗換等に係る事案の判明を受けて、2019年7月以降、郵便局の取り扱う金融商品全般(一部商品を除く。)についての積極的な営業を控えております。また、当該事案を受け、2019年12月27日に、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社及び株式会社かんぽ生命保険は、保険業法等に基づく行政処分を受けております。今後、日本郵便株式会社からお客さまに対する通常の提案が可能となったとしても、日本郵政グループへの信頼の喪失等により、日本郵便株式会社が取り扱う当行の金融商品の販売が回復しない可能性があります。その結果、当行が委託している投資信託の販売等に影響し、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当行は、上記の銀行代理業務の委託契約等に基づき、日本郵便株式会社の郵便局を商品・サービスの販売・提供のメインチャネルとし、相当額の委託手数料を日本郵便株式会社に対して支払っております(「4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)が、当該委託手数料の算定方法その他の条件が当行と日本郵便株式会社との間の合意により見直されたり、当該契約等が解除され代替委託先等を適時に確保できない場合、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、上記(10)①のとおり、日本郵便株式会社が当行との間で締結している銀行代理業務の委託契約等は、当行の主要な事業活動の前提となっております。当該契約は期限の定めのない契約ですが、解除に係る協議の申入れより6か月経過後の通知により解除できるものと定めております。2020年3月末日現在において、日本郵便株式会社から当該契約等の見直しや解除の申入れ等、契約の存続に支障を来す要因は発生しておりませんが、当該要因が発生した場合には、当行の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当行は、後記「4 経営上の重要な契約等 (1) 銀行窓口業務契約」に記載のとおり、日本郵便株式会社との間で銀行窓口業務契約を締結しており、同社は全国の郵便局で、当行の基本的な商品・サービスを、日本郵便株式会社法に基づくいわゆるユニバーサルサービス提供に係る法的責務の履行として提供しております。当行は、法令上この責務を直接負わないものの、郵便局で使用するATM・窓口端末機など銀行委託業務に係るITシステムの導入・運行コストとともに(なお、当該ITシステムは当行が所有。)、同業務に従事する日本郵便株式会社の従業員の指導・教育等を通じ、ユニバーサルサービス提供に係る一定のコストを負担しております。
その結果、より収益性の高い業務や地域への経営資源配分が制約されること等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、銀行窓口業務契約は、期限の定めがなく、また、本契約に定める特段の事由が生じた場合等を除き、当事者の合意がない限り、解除できないものと定めております。また、当行の定款には、日本郵便株式会社と銀行窓口業務契約を締結する旨規定しているため、当該契約を終了させる場合には、定款の変更を要します。従って、当行が銀行窓口業務契約を終了させるためには、これらの手続等を充足させる必要があります。
一方、本契約が終了した場合にも、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行されました(下記「(参考) 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要」をご参照ください。)。これによって、2019年度から当行と日本郵便株式会社との間の委託手数料の一部が交付金・拠出金となりました。下記のとおり、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(以下「郵政管理・支援機構」)から日本郵便株式会社に交付される交付金の原資となる拠出金は、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構に関する省令に基づき、人件費、賃借料、工事費等の郵便局ネットワークの維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便株式会社が負担すべき額を除く。)から算出されており、郵政管理・支援機構が年度毎に算定しております。そのため、当行直営店での業務コストの増減にかかわらず、拠出金と委託手数料の合計額が将来的に増加する可能性があります。また、今後、このようなユニバーサルサービスの確保に関する政府の施策、法令や規制等の改正等があった場合、その内容によっては、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(参考) 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要
2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行されました。これにより、2019年4月1日に独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構の名称が「独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」に変更され、また、郵政管理・支援機構の目的として、「郵便局ネットワークの維持の支援のための交付金を交付することにより、郵政事業に係る基本的な役務の提供の確保を図り、もって利用者の利便の確保及び国民生活の安定に寄与すること」が追加されました。
郵便局ネットワーク維持に要する費用は、従来、日本郵便株式会社と関連銀行・関連保険会社との間の契約に基づく委託手数料により賄われておりましたが、当該費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便株式会社が負担すべき額を除く。)は、本法に基づき、2019年度から、当行及び株式会社かんぽ生命保険からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われております。
当該ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用の算定方法は、直近の郵便局ネットワークの維持の状況を基礎とした次の費用の合計額です。
ア あまねく全国において郵便局でユニバーサルサービスが利用できるようにすることを確保するものとなるように郵便局ネットワークを最小限度の規模の郵便局により構成するものとした場合における人件費、賃借料、工事費その他の郵便局の維持に要する費用、現金の輸送及び管理に要する費用、並びに固定資産税及び事業所税
イ 簡易郵便局で郵政事業に係る基本的な役務が利用できるようにすることを確保するための最小限度の委託に要する費用
当該ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用及び交付金・拠出金の算定等に係る郵政管理・支援機構の事務経費は、郵便窓口業務、銀行窓口業務又は保険窓口業務において見込まれる利用者による郵便局ネットワークの利用の度合等に応じて按分され、銀行窓口業務に係る按分額を当行が拠出金として拠出しており、拠出金の額は郵政管理・支援機構が年度毎に算定し、総務大臣の認可を受けております。なお、2020年度に当行が支払う拠出金の額は2,374億円です。
また、2019年度から、郵便局ネットワークの維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便株式会社が負担すべき額を除く。)は、当行及び株式会社かんぽ生命保険からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われているため、当行が業務委託契約等に基づいて日本郵便株式会社に支払っている委託手数料についても見直しを行っております(「4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。
当行は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に基づき、自己資本比率の規制比率(4%以上)を維持する必要があります。2020年3月末日現在、当行の連結自己資本比率は15.58%となっており、規制比率に比べ高い水準を確保しておりますが、運用の高度化・多様化により、自己資本比率が低下傾向にあることに加え、業績・財政状態や運用ポートフォリオの変動、比率の算出方法、バーゼル銀行監督委員会の議論(信用リスクの標準的手法の見直し等)の結果を受けた規制の新設・変更等により、当行の自己資本比率が低下したり、新たな規制等への対応が必要となる可能性があります。当行の自己資本比率等が規制比率を満たさない場合には、当局から業務の縮小・停止等の行政上の措置が課されること等により、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当行は、金利リスク状況のモニタリングの一環として、当局による「主要行等向けの総合的な監督指針(以下「監督指針」)」において定められた重要性テストの過程で用いられる手法に基づき、金利変動による資産・負債の経済価値の減少額(以下「ΔEVE」)を計測しております。2020年3月末日現在、当行のΔEVEの最大値は重要性テストにおける評価基準である自己資本の額の20%を超えております。ΔEVEで計測した金利リスクに対し、自己資本の余裕を十分に確保しているものと認識しておりますが、金融庁から深度ある対話を行う必要が認められる銀行と判断される場合には、対話を通じて共有された課題認識に基づき、原因への対応も含めて必要な改善対応を求められる可能性があります。
重要性テストの適用については、監督指針において、「ゆうちょ銀行は、法令上、一部の資産について国債等の安全資産の保有が義務付けられているため、(重要性テストに該当する場合の)監督上の対応をするにあたっては、当該特殊事情を適切に勘案することとする。」とされております。
また、国際的な金融規制の流れを考慮し、内部管理として、国際統一基準行目線での管理も行っております。
当行グループは、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その結果を記載した内部統制報告書の提出及び監査人による監査を受けることが義務付けられております。
当行グループは、財務報告の信頼性を確保するため、財務報告に係る内部統制の評価及び報告に関する規程等を制定し、財務報告に係る内部統制について必要な体制を整備しております。また、評価の過程で発見された問題点等は速やかに改善するべく努力しております。しかしながら、財務報告に係る内部統制が有効でない場合には、当行グループの財務報告の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。
本書には、日本の会計基準によらず外部監査を受けていない管理会計等に基づく数値・分析等が、含まれております。当行は、これらについても内部管理の体制を整備しておりますが、有効でない場合には、数値等の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループの退職給付費用及び債務は、将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる等の場合、退職給付費用及び債務が増加又は追加的負担が発生する可能性があります。その結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループは、安定した事務遂行と高い専門性を必要とする業務を行っており、営業・運用・ALM・リスク管理・IT・財務・コンプライアンス等の分野において有能で熟練した人材が必要とされます。そのため、専門人材の採用や、各種研修等を通じて人材育成を行っておりますが、当行グループは、他の金融機関等と競争状況に置かれているため、有能な人材を採用し定着・育成することができなかった場合には、事業の競争力、業務運営の効率性等が損なわれ、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば上記分野等の要員に係る採用、報酬等の処遇、育成に注力しても、十分なスキルを持った従業員を育成・定着させることができない可能性や、経営幹部を採用・定着させられない可能性があり、これらの場合には、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループは、業務の提携、運用・事務・システム開発等の外部委託等を行っております。当行グループが期待していたとおりの成果や利益を達成できない場合や、業務提携先や当行グループの関係会社・日本郵政グループ各社を含む委託先等で、業務遂行の問題が生じ商品・サービスの提供等に支障をきたしたり、お客さまの情報等の重要な情報漏えい等の違法行為が発生した場合、また、提携・委託等が解消され適切な代替委託先等を適時に確保できない場合等において、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループは、国内の銀行、証券会社、保険会社等の金融機関と取引を行っておりますが、取引先や他の金融機関の業績や財政状態の悪化により信用力等に問題が生じた場合、当行グループが当該金融機関との取引で損失を被ったり、政府が当該金融機関の資本増強や収益回復等のために規制・資金調達・税務等に係る救済措置を講じ、預金保険料等が増加したり、競争上の不利益を被ること等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。当行の連結財務諸表と個別財務諸表の差は僅少であるため、経営成績及び財政状態の状況に関する分析・検討内容の一部については、当行単体のものを記載しております。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、明示がある場合又は文脈上明らかな場合を除き、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、当行グループは、銀行業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当行グループは、2018年度から2020年度を計画期間とする中期経営計画で掲げた目指す姿の実現に向けて、「お客さま本位の良質な金融サービスの提供」「運用の高度化・多様化」「地域への資金の循環等」「経営管理態勢の強化」の諸施策に取り組みました。
(お客さま本位の良質な金融サービスの提供)
○お客さま本位の業務運営
当行グループ及び日本郵便株式会社において、ご高齢のお客さまへの投資信託の販売に関し、社内規則で定められた「勧誘前」と「申込受付前」の管理者承認のうち、「勧誘前」承認を怠っていたという事案が発生しました。
そのため、日本郵便株式会社と連携し、今般の事案の対象となったお客さまにアフターフォローを実施し、保有していただいている投資商品に対するご認識等を確認いたしました。ご認識等に懸念ありと判断されたお客さまには、適合性の原則(注)の観点から求められる説明を行っていなかった事案がないか、外部弁護士のご意見をいただきながら、社内調査を実施し、この結果、該当する事案は認められませんでした。
再発防止策として、研修等を通じた社内規則の趣旨の浸透強化、お客さま向け販売ツールの改善・充実、コンプライアンス・監査態勢の強化、営業目標の見直しに取り組みました。ご高齢のお客さまや投資初心者のお客さまには、より丁寧かつ慎重な投信販売の一層の徹底を図ってまいります。また、更なるお客さま本位の金融サービスの品質向上を目的に、すべてのご高齢のお客さまに対しても、定期的なアフターフォローを実施しており、今後も継続してまいります。
加えて、ご高齢のお客さまに限らず、すべてのお客さまに対するサービス向上を継続的に実践していくため、代表執行役社長を委員長とする「サービス向上委員会」を設置しました。経営陣をはじめ、全社一体となって、お客さまからの信頼回復と、お客さま本位の業務運営の浸透強化に取り組んでまいります。
(注) 金融商品取引法等で定められた「お客さまの『知識』『経験』『財産の状況』『投資目的』に照らして、不適当と認められる勧誘を行って投資家の保護に欠け、又は欠けるおそれがあることのないように、業務を行わなければならない」とする原則
○お客さまの資産形成への貢献
お客さまの資産形成へのニーズに応え、お役に立てるよう、お客さまのライフプランに応じたコンサルティングの高度化に努めました。
具体的には、資産運用コンサルタントの増員を継続するとともに、資産運用コンサルタントへの指導や研修、活動支援を充実させるなど、人材育成に注力しました。また、2019年5月には、当行及び日本郵政株式会社と、株式会社大和証券グループ本社及び大和証券株式会社の間で、お客さま一人ひとりのライフスタイル・ニーズに応じた、中長期的な資産形成のサポートに向け、資産形成分野における新たな協業の検討を進めることについて合意し、検討してまいりました。
○決済サービスの充実等
2019年5月に、スマートフォン決済サービス「ゆうちょPay」の取扱いを開始しました。ゆうちょPayユーザーの拡大とゆうちょPayを利用できる店舗の開拓に取り組み、2020年3月末時点では約10万店で利用が可能となっています。
また、当行の総合口座をご利用のお客さま(注)がスマートフォンを使っていつでも現在高や入出金明細を確認できる「ゆうちょ通帳アプリ」のサービスを開始しました。
2019年4月には、法人のお客さま向けのインターネットバンキングサービス「ゆうちょBizダイレクト」を開始したほか、法人のお客さま向けの「総合振込」「給与振込」サービス等も開始しました。このほか、利便性が高い場所への小型ATMの設置拡大やATMの効果的配置にも取り組みました。
なお、スマートフォン、インターネット、プリペイドカード、デビットカード、クレジットカードなどを通じたデジタルバンキング/キャッシュレス戦略を一体的に推進し、お客さまに更なる「新しいべんり」をご提供するため、複数部署に跨っていた関連業務を集約する専門部署として、「デジタルサービス事業部」の設置を決定しました。
(注) 振替口座、キャッシュカードを利用していない総合口座及び法人口座等ではご利用いただけません
○お客さまの多様なニーズへの対応
お客さまの住宅ローンニーズに応えるため、ソニー銀行株式会社の住宅ローンを媒介する業務を2019年10月に、株式会社新生銀行の住宅ローンを媒介する業務を2020年3月から、それぞれ開始しました。
(運用の高度化・多様化)
○運用の高度化・多様化
国内の低金利環境が継続し、世界経済の先行き不透明感が高まる中、安定的な収益確保のため、適切なリスク管理の下、国際分散投資を進めました。海外クレジット資産をクレジット・クオリティ(投資先の信用力)に配意しつつ積み上げたほか、戦略的な投資領域と位置づけているプライベートエクイティファンド(成長が見込まれる未上場企業等へ投資するファンド)、不動産ファンド等への投資を、市場環境の変化を踏まえて選別的に実行しました。
株式会社かんぽ生命保険との共同出資により設立したJPインベストメント株式会社では、2018年4月に組成した第1号ファンドの投資実績を着実に積み上げました。
また、新型コロナウイルス感染拡大によるマーケット環境の悪化を受け、ALM委員会及び経営会議において、当行に与える影響を確認の上、投資方針やリスク管理態勢を協議し、適切に対応しました。
○財務健全性の確保
運用の高度化・多様化を推進していく中、財務健全性の観点から必要十分な自己資本比率を確保しています。また、安定的な収益と財務健全性の両立のため、リスクアペタイト・フレームワークを活用し、当行が取得する適切なリスクの種類や水準を明確化した上で、投資方針を決定しました。
(地域への資金の循環等)
○地域活性化への貢献
お客さまからお預かりした大切な資金を地域に循環させていくために、地域金融機関との連携を通じて、2016年度から地域活性化ファンドへの参加を積極的に推し進めています。2019年度も事業承継や起業・創業の支援等を目的として、新たに10件(累計28件)の地域活性化ファンドに参加しました。
また、2019年4月に愛媛銀行及び名古屋銀行のお客さまによる当行ATMの利用手数料を一部無料にするなど、ATMネットワークの活用等による地域金融機関との連携強化に取り組みました。
更に、2019年10月から川崎信用金庫と税公金取りまとめ事務の共同化を開始するなど、当行及び地域金融機関の事務効率化や使用機器・要員の効率的な運用を図りました。
(経営管理態勢の強化)
○お客さま本位の業務運営、コンプライアンス態勢の強化
当行の経営理念に則り、お客さまからいただいた声を経営にいかし、お客さま本位の業務運営に一層努めるとともに、各種研修等を通じ、コンプライアンス意識の更なる浸透に取り組みました。当行は「お客さま本位の業務運営に関する基本方針」を制定し、当該方針に基づく取組状況を定期的に確認するため、成果指標(KPI)を設定し、その結果を公表するなど、「お客さま本位の良質な金融サービス」の提供に取り組んでいます。また、お客さま本位のサービス向上を継続的に実践していくため、代表執行役社長を委員長とする「サービス向上委員会」を設置しました。経営陣が責任をもって、お客さま本位の業務運営の一層の推進・実践に取り組んでまいります。
○リスクガバナンスの強化
当行では、リスクガバナンスの中核となるリスクアペタイト・フレームワークを段階的に導入しており、2019年度は、リスクアペタイト・フレームワークの対象をALM(資産・負債の総合管理)・運用業務から当行業務全体に拡大し、経営管理態勢の高度化を図りました。
○サイバー攻撃への態勢強化
複雑・巧妙化するサイバー攻撃への対応として、不正なアクセスの監視や被害防止に向けた態勢整備を進めました。特に、東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けたサイバー攻撃の脅威の高まりを踏まえ、対応の強化を図りました。
○マネー・ローンダリング及びテロ資金供与への対応強化
マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策への国際的・社会的要請の高まりを踏まえ、行内の対応態勢を整備するとともに、商品・サービスを見直すなど、対応の強化を図りました。
○人事戦略
成長分野・強化分野の推進に向けた人材育成に注力したほか、男性育児休業取得の促進など、社員の多様性に対応した働きやすい職場環境の整備により、ダイバーシティ・マネジメント(多様な人材の活用)を推進しました。
○コストマネジメントの徹底・ITの有効活用
貯金事務センターにおいて業務のRPA化(ソフトウェアロボットによる業務プロセスの自動化)を推進するなど、デジタル技術の活用による業務効率化に取り組みました。
また、トランザクション業務(窓口等における定型業務)のスリム化にあわせて、経営資源をコンサルティング業務等に再配分し、人的資源の有効活用等を進めることで、お客さまサービスの充実に努めました。
加えて、当行と外部事業者が連携し、お客さまに安全かつ利便性の高い高度な金融サービスをご提供するため、当行システムと当行外のシステムとの連携強化に必要なシステム基盤(外部連携基盤:API)の整備・拡大や、セキュリティ強化の観点から「ゆうちょ認証アプリ」のサービス開始によるゆうちょダイレクトへの生体認証の導入等に取り組みました。
○ESG(環境、社会、ガバナンス) ・CSR(企業の社会的責任)
当行はESG・CSRを事業活動と一体不可分であると認識しており、ESG・CSRに一元的に対応するための専門部署として、経営企画部内に「ESG室」の新設を決定しました。
世界共通の目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」も踏まえ、「お客さま・マーケット」「地域社会」「環境」「社員(ダイバーシティ・マネジメント)」の4つのテーマ設定の下、当行の業務の特性をいかした活動に取り組みました。
このうち「環境」については、2019年4月に、気候変動への対応として、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、同提言を踏まえた気候変動への対応について、事業活動を通じた取組みを推進する観点から「ゆうちょ銀行環境方針」を改定し、「ESG投資方針」を策定する等、態勢整備を進めました。
○新型コロナウイルス感染症への対応
新型コロナウイルスの感染が拡大する状況の中、当行では、「危機管理委員会」を立ち上げ、日本郵政グループ各社から構成される「本社合同対策本部」等と連携し、感染拡大防止策を導入するとともに、現金の入出金や決済業務など、社会機能維持のためお客さまが必要とするサービスを継続できるよう、社内の業務態勢を整えました。
具体的には、郵便局・当行店舗・ATMは、原則としてすべて営業を継続する一方、お客さまと社員の安全確保の観点から、社員に時差出勤、交替勤務、在宅勤務等を導入したほか、窓口の一部縮小や一部店舗の営業時間短縮、訪問や窓口での積極的な営業活動の停止、窓口カウンターへの飛沫感染防止のビニールシートの設置、インターネットバンキングサービス「ゆうちょダイレクト」ご利用検討のお願い、年金支給日等における混雑緩和のお願い等の感染拡大防止策を実施しました。また、お客さまの日々の生活に必要な現金の入出金や決済業務、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を受けた特別定額給付金の円滑な入金などの重要業務については、柔軟な人員配置や複数拠点によるバックアップを通じて、業務継続態勢を確保しています。
なお、社員に感染が確認された場合は、所管保健所と連携の上、必要な措置を適切に講じてまいります。
今後も引き続き、感染拡大防止策や重要業務の継続態勢確保に努めてまいります。
低金利環境の継続や、新型コロナウイルス感染拡大による市場環境の悪化など、非常に厳しい経営環境下、当連結会計年度の連結粗利益は、前連結会計年度比127億円減少の1兆3,140億円となりました。このうち、資金利益は、国債利息の減少を主因に、前連結会計年度比392億円の減少となりました。一方、役務取引等利益は、前連結会計年度比221億円の増加となりました。その他業務利益は、前連結会計年度比43億円の増加となりました。
経費は、前連結会計年度比170億円減少の1兆215億円となりました。
連結業務純益は、前連結会計年度比42億円増加の2,925億円となりました。
経常利益は、前連結会計年度比51億円増加の3,791億円となりました。通期業績予想の経常利益3,750億円に対し、達成率は101.1%となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、2,734億円と前連結会計年度比72億円の増益となり、通期業績予想の親会社株主に帰属する当期純利益2,700億円に対する達成率は101.2%となりました。
なお、「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(注) 1.連結業務純益=連結粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額
2.臨時損益とは、連結損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。
3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。
4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却
5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却
6.金額が損失又は費用には△を付しております(非支配株主に帰属する当期純損失を除く。)。
① 損益の概要(単体)
低金利環境の継続や、新型コロナウイルス感染拡大による市場環境の悪化など、非常に厳しい経営環境下、当事業年度の業務粗利益は、前事業年度比128億円減少の1兆3,142億円となりました。このうち、資金利益は、国債利息の減少を主因に、前事業年度比393億円の減少となりました。役務取引等利益は、前事業年度比221億円の増加となりました。その他業務利益は、前事業年度比43億円の増加となりました。
経費は、前事業年度比172億円減少の1兆202億円となりました。
業務純益は、前事業年度比44億円増加の2,939億円となりました。
経常利益は、前事業年度比47億円増加の3,790億円となりました。
この結果、当期純利益は、2,730億円、前事業年度比68億円の増益となりました。
(注) 1.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額
2.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。
3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。
4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却
5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却
6.金額が損失又は費用には△を付しております。
(参考) 与信関係費用
(注) 1.金融再生法開示債権に係る費用を計上しております。
2.金額が損失又は費用には△を付しております。
② 国内・国際別の資金利益等(単体)
当行は、銀行業の単一セグメントであり、海外店や海外に本店を有する子会社(以下「海外子会社」)を有しておりませんが、円建の取引を「国内業務部門」、外貨建取引を「国際業務部門」に帰属させ(ただし、円建の対非居住者取引は「国際業務部門」に含む。)、各々の収益・費用を計上した結果、国内業務部門・国際業務部門別の資金利益等は次のとおりとなりました。
当事業年度は、国内業務部門においては、資金利益は5,497億円、役務取引等利益は1,285億円、その他業務利益は31億円となりました。
国際業務部門においては、資金利益は4,270億円、役務取引等利益は3億円、その他業務利益は2,053億円となりました。
この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金利益は9,768億円、役務取引等利益は1,288億円、その他業務利益は2,084億円となりました。
イ.国内業務部門
ロ.国際業務部門
ハ.合計
(注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前事業年度5,298百万円、当事業年度5,441百万円)を控除しております。
2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額等は下表のとおりであります。
③ 国内・国際別資金運用/調達の状況(単体)
当事業年度の資金運用勘定の平均残高は203兆5,900億円、利回りは0.64%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は196兆2,173億円、利回りは0.17%となりました。
国内・国際別に見ますと、国内業務部門の資金運用勘定の平均残高は198兆263億円、利回りは0.31%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は190兆6,957億円、利回りは0.04%となりました。
国際業務部門の資金運用勘定の平均残高は63兆3,669億円、利回りは1.24%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は63兆3,247億円、利回りは0.57%となりました。
イ.国内業務部門
(注) 1.「国内業務部門」は円建取引であります。
2.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度2,730,010百万円、当事業年度2,483,454百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度2,730,010百万円、当事業年度2,483,454百万円)及び利息(前事業年度3,933百万円、当事業年度1,744百万円)を控除しております。
3.預け金等は、譲渡性預け金、日銀預け金、コールローン、買入金銭債権であります。「ロ.国際業務部門」「ハ.合計」においても同様であります。
4.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「ロ.国際業務部門」「ハ.合計」においても同様であります。
ロ.国際業務部門
(注) 1.「国際業務部門」は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引については、「国際業務部門」に含めております。
2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度247,597百万円、当事業年度646,071百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度247,597百万円、当事業年度646,071百万円)及び利息(前事業年度1,364百万円、当事業年度3,696百万円)を控除しております。
ハ.合計
(注) 1.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度2,977,608百万円、当事業年度3,129,526百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度2,977,608百万円、当事業年度3,129,526百万円)及び利息(前事業年度5,298百万円、当事業年度5,441百万円)を控除しております。
2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額は下表のとおりであります。
④ 役務取引等利益の状況(単体)
当事業年度の役務取引等利益は、為替・決済関連手数料の増加を主因に、前事業年度比221億円増加の1,288億円となりました。
当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度末比1兆9,367億円増加の210兆9,108億円となりました。主要勘定については、有価証券は前連結会計年度末比1兆9,340億円減少の135兆2,045億円、貸出金は前連結会計年度末比3,356億円減少の4兆9,617億円となりました。貯金残高は安定的に推移し、前連結会計年度末比2兆48億円増加の183兆19億円となりました。
株主資本が前連結会計年度末比860億円増加、その他の包括利益累計額が前連結会計年度末比2兆4,500億円減少し、純資産は9兆32億円となりました。株主資本のうち、利益剰余金は2兆5,638億円となりました。
① 預金残高の状況(単体)
当事業年度末の貯金残高は、安定的に推移し、前事業年度末比2兆55億円増加の183兆47億円となりました。
○ 預金の種類別残高(末残・構成比)
○ 預金の種類別残高(平残・構成比)
(注) 1.「通常貯金等」=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)
2.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。
3.特別貯金(通常郵便貯金相当)は郵政管理・支援機構からの預り金のうち、同機構が日本郵政公社から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。
4. 上記の通常貯金、定期性預金は、「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考) (2) 預入限度額」に記載の郵政民営化法における預入限度額規制上の区分とは異なります。
② 資産運用の状況(末残・構成比) (単体)
当事業年度末の運用資産のうち、国債は53.6兆円、その他の証券は65.6兆円となりました。
(注) 「預け金等」は譲渡性預け金、日銀預け金、買入金銭債権であります。
③ 評価損益の状況(末残)(単体)
当事業年度末の評価損益(その他目的)は、ヘッジ考慮後で△1,020億円(税効果前)となりました。
(注) 「有価証券」には、有価証券のほか、現金預け金中の譲渡性預け金、買入金銭債権を含んでおります。
④ 業種別貸出金残高の状況(末残・構成比)(単体)
(注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。
2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.「金融・保険業」のうち郵政管理・支援機構向け貸出金は、前事業年度末640,676百万円、当事業年度末439,734百万円であります。
(参考) リスク管理債権(末残)(単体)
キャッシュ・フローの状況については、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度比4兆566億円増加の2兆9,359億円、投資活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度比4兆5,010億円減少の△1兆7,873億円、財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度比6億円増加の△1,822億円となりました。その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比9,665億円増加の51兆6,002億円となりました。
当面の設備投資及び株主還元などは自己資金で賄う予定であります。
また、当行グループは、正確な資金繰りの把握及び資金繰りの安定に努めるとともに、適切なリスク管理態勢の構築を図っております。有価証券等の運用については、大部分をお客さまからお預かりした貯金にて調達するとともに、必要に応じて外貨建てを中心に、売現先取引や債券貸借取引等による資金調達を行っております。
(参考) ポートフォリオの状況
1.ポートフォリオの概要

当行は、ALM(資産・負債の総合管理)の枠組みとして7つのポートフォリオを設け、当行の内部規程に基づく管理会計により管理しております。上図は、その概要をイメージ図として重要性の観点から簡略化して記載しております。(なお、ALMとは、有価証券等の資産や貯金等の負債の金利・期間を把握し、将来の金利変動等を予測した上で、市場・信用・流動性等のリスクを管理しつつ、収益の確保を図る管理手法です。)
① 円金利ポートフォリオ(日本国債ポートフォリオを含む。)
主に円金利リスクを取得・管理するポートフォリオです。日本国債、政府保証債、短期運用資産等の運用サイドに加え、調達サイド(貯金等)も含めて、円金利リスクを管理します。
② 日本国債ポートフォリオ
円金利ポートフォリオの内、運用サイド(短期運用資産等を除く。)を特に日本国債ポートフォリオと呼びます。
③ クレジット・ポートフォリオ
主に信用リスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産には国内外の地方債、社債等が含まれます。
④ 外国国債ポートフォリオ
主に外貨金利リスク、為替変動リスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産には、外国国債等が含まれます。
⑤ 株式ポートフォリオ
主に株価変動リスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産には株式及び株式関連デリバティブ等が含まれます。
⑥ オルタナティブ・ポートフォリオ
主にオルタナティブ資産に係るリスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産にはプライベートエクイティファンド、不動産ファンド等が含まれます。
⑦ ファイナンス・ポートフォリオ
主に貸付に係る信用リスクを取得・管理するポートフォリオで、地方公共団体向け貸付(郵政管理・支援機構向け貸出金を含む。)、法人向け貸付、地域活性化ファンド等への投資を実施します。
ポートフォリオ間の内部資金取引には、市場金利等をベースにした仕切りレートを、トランスファー・プライス(以下「TP」)として設定しております。
≪ポートフォリオ別資産の概要、期末残高≫ (単位:億円)
(注) 1.円金利ポートフォリオから調達サイド(貯金等)を除いたものとなります。
2.クレジット・ポートフォリオ、外国国債ポートフォリオ、株式ポートフォリオ、オルタナティブ・ポートフォリオ、ファイナンス・ポートフォリオの合計となります。
3.戦略投資領域は、オルタナティブ資産(プライベートエクイティファンド、不動産ファンド(エクイティ)等)、不動産ファンド(デット)、ダイレクトレンディングファンドであります。
2.ポートフォリオ別平残・損益の概要
(単位:平残/兆円、損益/億円)
(注) ポートフォリオ別平残は、期首残高と期末残高の平均であります。
ポートフォリオ別損益は、以下により算出しており、各ポートフォリオの損益の合計は当行の経常利益に概ね一致します。
損益=資金収支等(資金運用に係る収益から資金調達に係る費用を除いたもの(売却損益等を含む))+役務取引等収支(役務取引等収益-役務取引等費用)-経費(損益計算書上の営業経費に相当)
資金収支等は、社外との実際の取引、社内の内部取引(TPを設定)を、各ポートフォリオに帰属させ、その収益・費用を計上しております。例えば、円金利ポートフォリオ(顧客性調達・営業)には、貯金で調達した資金を同期間の国債で運用した利鞘等を、リスク性資産には、国債レート(TP)の社内取引で調達した資金を同期間の社債等で運用した利鞘(信用スプレッド)等を、計上しております。
役務取引等に係る収益・費用は、大部分が為替・決済業務や投資信託販売手数料などサービス・商品販売に係る手数料とその費用であり、主に円金利ポートフォリオ(顧客性調達・営業)に計上しております。
経費は、以下により各ポートフォリオに帰属させていますが、そのほとんどは円金利ポートフォリオ(顧客性調達・営業)に計上しております。
① 各ポートフォリオに直接帰属させることが可能な経費
ア 特定のポートフォリオと関係の深い部署の経費は、当該ポートフォリオに賦課
イ 複数のポートフォリオと関係の深い部署の経費は、業務に従事する社員数等に応じて各ポートフォリオに配賦
② 各ポートフォリオに直接帰属させることができない経費
各ポートフォリオの業務に従事する社員数に応じて配賦
以上により算出したポートフォリオ別損益を概観しますと、国債等の歴史的な低金利の継続を反映して、円金利ポートフォリオ(顧客性調達・営業)がALM部署から受取るTP収益が低下する一方、貯金調達レートの低下余地は限定的で、当行全体の経費のほとんどが賦課されることから、円金利ポートフォリオの損益は赤字となっております。しかし、国内金利が平常化していく局面では、基本的には収益の回復が期待されます(詳細は、「2 事業等のリスク (2) 市場リスク ① 金利リスク」をご参照ください。)。一方、外国証券等に運用を拡大・多様化してきたリスク性資産の収益は増加してきており、歴史的低金利の下で、ポートフォリオ全体の収益確保に貢献しております。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(注) 連結総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(注) 単体総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
(1) 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
(2) 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
(3) 要管理債権
要管理債権とは、3カ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
(4) 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記(1)から(3)までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
当行が連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、次のとおりであります。
金融商品の時価評価
当行及び連結子会社における時価で測定される金融商品の残高は多額であり、経営成績等に対する影響が大きいため、金融商品の時価は会計上の見積りにおいて重要なものと判断しております。
債券については、取引所の価格、日本証券業協会が公表する店頭売買参考統計値、比準価格方式により算定された価額又はブローカー等から提示された価格、投資信託の受益証券については基準価額を時価としております。また、デリバティブ取引については取引所の価格、割引現在価値による算定価格等を時価としております。
当行の経営者は、金融商品の時価評価に用いた会計上の見積りの仮定は合理的であると判断しております。ただし、一部の金融商品の時価算定には一定の前提条件を採用しているため、予測不能な前提条件の変化により、金融商品の評価に関する見積りが変動する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大に伴う金融市場の混乱が継続する場合、金融商品の時価算定における一定の前提条件に影響が及び、翌年度の経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
経営上の重要な契約等は、次のとおりであります。
日本郵便株式会社は、日本郵便株式会社法により、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金・債権債務の決済の役務、簡易に利用できる生命保険の役務を、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国で公平に利用できるようにするユニバーサルサービス義務を、日本郵政株式会社とともに負っています。このうち簡易な貯蓄、送金・債権債務の決済の役務の業務を、銀行代理業として提供するために、日本郵便株式会社は、当行との間で銀行窓口業務契約を締結しており(日本郵便株式会社法第2条第2項、同法第4条第1項、同法第5条)、当行定款にもこの旨規定しております。
銀行窓口業務契約では、日本郵便株式会社が、当行を関連銀行として、ユニバーサルサービス(通常貯金、定額貯金、定期貯金、普通為替、定額小為替、通常払込み、電信振替)の銀行窓口業務を営むこととしております。
なお、本契約は、銀行窓口業務の健全・適切な運営確保の観点から特段の事由が生じた場合等を除き、当事者の合意がない限り解除できないものと定めております。
当行は、上記(1)の銀行窓口業務契約で定めたユニバーサルサービスに関する業務を含め、貯金の受払いや国債・投資信託の募集の取扱等の業務を委託するため、日本郵便株式会社との間で銀行代理業に係る業務の委託契約、金融商品仲介業に係る業務の委託契約を締結しております。
なお、本契約は、解除協議の申入れより6か月経過後の通知により解除できるものと定めております。また、銀行窓口業務に該当する業務については、銀行窓口業務契約に定めがある場合を除くほか、銀行代理業に係る業務の委託契約の定めるところによるものとしております。
当行は、日本郵便株式会社との間で、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(以下「郵政管理・支援機構」)より受託した郵便貯金管理業務の一部について、日本郵便株式会社が郵便貯金管理業務を営むこととする再委託契約を締結しております。本契約は、以下(5)の契約と同様、解除協議の申入れより6か月経過後の通知により解除できるものと定めております。
当行は、日本郵便株式会社との間で、上記(1)~(3)に係る業務の対価としての委託手数料の算定方法等を定めた支払要領を締結し、日本郵便株式会社に対して委託手数料を支払っております。
2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行されました。郵便局ネットワークの維持に要する費用は、従来、日本郵便株式会社と関連銀行・関連保険会社との間の契約に基づく委託手数料により賄われておりましたが、当該費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便株式会社が負担すべき額を除く。)は、本法に基づき、2019年度から、当行及び株式会社かんぽ生命保険からの拠出金を原資として、郵政管理・支援機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われております。
これに伴い、日本郵便株式会社への委託業務に係る費用は、これまでの委託手数料から、交付金・拠出金と新たな委託手数料で賄うように見直しております。
具体的には、2019年度以降の委託手数料については、従来の算定方法を変更し、以下の算定方法により支払っております。
(基本委託手数料)
委託手数料は、「基本委託手数料(貯金、投資信託、送金決済等の事務に対する手数料)」と「営業・事務報奨」から構成されております。
基本委託手数料は、当行の管理会計により毎年算出した単位業務コストをベースに、日本郵便株式会社での取扱実績等に基づき、委託業務コストに見合う額を算出し、その前年度からの増減率を、前年度の基本委託手数料に乗じて算出しております。
なお、基本委託手数料は、「貯金や投資信託等の預かり資産に係る事務等」、「送金決済その他役務の提供事務等」毎に毎年、料率・単価を設定し、下表の式により支払っております。
(注) 「平均総預かり資産残高」とは、貯金平均残高と投資信託平均残高の合計値です。また、「平均総預かり資産残高」及び「取扱件数」は、日本郵便株式会社の月次の取扱実績によるものであります。なお、本要領は、上記(1)~(3)の契約すべてを解除するまで、効力を有するものと定めております。
2019年度の基本委託手数料は、前年度の基本委託手数料が算定方法を変更する前であり、乗じる対象がないため、委託業務コストに見合う額から交付金で賄われる部分を除いて算出しております。
(営業・事務報奨)
営業目標達成や事務品質向上を確保するため、成果に見合った「営業・事務報奨」を支払っております。
(参考:2018年度までの算定方法)
当行の管理会計により毎年算出した単位業務コストに日本郵便株式会社での取扱実績を乗じて委託業務コストに見合う額を算出し、その中から、郵便局ネットワークの確保のために、郵便局維持に係るコスト(日本郵便株式会社の管理会計による当行委託業務配賦分)を「窓口基本手数料」としておりました。また、残額について、「貯金の預払事務等」、「送金決済その他役務の提供事務等」、「資産運用商品の販売事務等」毎に毎年、料率・単価を算出し、下表の式により支払うこととしておりました。
併せて、営業目標達成や事務品質向上を確保するため、成果に見合った「営業・事務報奨」を支払うこととしておりました。
(注) 「平均貯金残高」「取扱件数」「販売額」「平均投信残高」は、日本郵便株式会社の月次の取扱実績によるものであります。
(参考:委託手数料・拠出金の推移) (単位:百万円)
(注) 1.独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構法に基づき、2019年度から、日本郵便株式会社への交付金の原資となる拠出金を、郵政管理・支援機構に拠出しております。
2.2019年度の委託手数料(3,697億円)の内訳は、総預かり資産1,770億円、送金等1,522億円、営業・事務報奨404億円であります。
当行は、郵政管理・支援機構との間で郵政管理・支援機構の業務である郵便貯金管理業務(日本郵政公社から承継した郵便貯金の管理に関する業務等)の一部(払戻し、利息支払い等)について、業務委託契約を締結し委託を受けております。
また、当行は、郵政管理・支援機構との間で郵便貯金資産(郵便貯金管理業務の経理を区分する郵便貯金勘定に属する資産)の運用のための貯金(特別貯金)に関する契約を締結しております。本契約は、当行の国債等の安全資産保有額が特別貯金の合計額を下回ってはならないこと、また、特別貯金残高を基準として定める額以上の国債・地方債等を担保として郵政管理・支援機構に提供することを定めております。
なお、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構法上、郵便貯金管理業務委託契約の変更又は解除には、総務大臣の認可が必要とされております。
(6) 郵政管理・支援機構の借入金に関する契約(2007年9月12日締結)(期間の定めのない契約)
郵便貯金の預金者・地方公共団体に対し郵政管理・支援機構が保有する貸付債権のバックファイナンスとして、当行は、郵政管理・支援機構との間でその総額に相当する額について、当行からの借入金として郵政管理・支援機構が債務を負うものとする契約を締結しております。
当行は、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険との間で、日本郵政グループ各社の相互の連携・協力、シナジー効果の発揮が、グループ各社、ひいては日本郵政グループ全体の価値を向上させることに鑑み、グループ共通の理念・方針等のグループ運営に係る基本的事項を定め、円滑なグループ運営に資することを目的とした日本郵政グループ協定を締結しております。
この協定を受け、当行は、日本郵政株式会社との間で、日本郵政グループ運営に関する契約等を締結し、グループ運営の重要事項を、同社との事前協議事項(経営理念・経営方針、中期経営計画・年度事業計画の策定・変更等)、同社への報告事項(月次の貸借対照表・損益計算書等)としておりますが、同社は当行の意思決定を妨げ又は拘束しない旨、明定しております。更に、上記協定では、当行を含む同社の事業子会社は、日本郵政グループに属する利益を活用し、自主的・自律的な経営を行う旨、また、この旨を踏まえた上で、同社と日本郵便株式会社が、郵政民営化法第7条の2が規定する基本的な役務(いわゆるユニバーサルサービス)を確保するに当たり、グループとしての総合力を発揮できるよう相互に連携する旨、定めております。
これらの協定・契約等は、当行又は株式会社かんぽ生命保険のいずれかが、それぞれ上記(1)の銀行窓口業務契約又は日本郵便株式会社法第2条第3項に定める保険窓口業務契約を解除するまで存続する旨、また、両社のいずれかが日本郵政株式会社の連結子会社でなくなった場合には、必要な見直しを行う旨、定めております。
当行は、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険との間で、日本郵政グループのブランド価値の維持・向上を目的とした商標管理協定、日本郵政株式会社との間で商標管理契約を締結しております。
これらの協定・契約に基づき、当行は日本郵政株式会社が一元的に管理(商標権の取得等)する「ゆうちょ」等の商標の使用を許諾されており、本協定・契約は、上記(7)の日本郵政グループ協定が存続する間存続し、同協定を見直した場合は必要な見直しをする旨、定めております。
上記(7)の契約に基づき、当行は、日本郵政株式会社に対し2015年度から、日本郵政グループに属することによる利益の対価として、ブランド価値使用料を支払っており、本覚書は当該使用料の算定方法等を定めております。
ブランド価値使用料は、「ゆうちょ」等の商標使用料を含んでおり、他の企業グループでの例も参考に、当行が日本郵政グループのブランド力から利益を受ける代表的な業績指標に、当行と日本郵政株式会社が協議し合意した料率を乗じて、各事業年度の支払い総額を算出しております。具体的には、前事業年度の平均貯金残高に0.0023%を乗じた額としております。
上記の算定方法は、重大な経済情勢の変化等、特段の事情が生じない限り、変更しないものとしております。
(参考:ブランド価値使用料の推移) (単位:百万円)
該当事項はありません。