第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

以下の記載における将来に関する事項は、明示がある場合又は文脈上明らかな場合を除き、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当行グループは、お客さまの声を明日への羅針盤とする「最も身近で信頼される銀行」を目指してまいります。

「信 頼」:法令等を遵守し、お客さまを始め、市場、株主、社員との信頼、社会への貢献を大切にします。

「変 革」:お客さまの声・環境の変化に応じ、経営・業務の変革に真摯に取り組んでいきます。

「効 率」:お客さま志向の商品・サービスを追求し、スピードと効率性の向上に努めます。

「専門性」:お客さまの期待に応えるサービスを目指し、不断に専門性の向上を図ります。

 

(2) 経営環境

当連結会計年度の経済情勢を顧みますと、世界経済は、新型コロナウイルス感染動向に左右されつつも、概ね回復基調で推移しました。米国、欧州経済は、ワクチン接種の進展を背景にコロナショック前のGDP水準を回復し、中国経済は不動産問題やゼロコロナ政策の下押しはあるものの、底堅い成長が続きました。日本経済は、ワクチン接種の遅れから欧米主要国に比べ回復が後ずれしているものの、緩やかに持ち直しました。しかし、2月下旬のロシアによるウクライナ侵攻以降、景気下振れリスクが急速に高まりました。エネルギーのロシア依存度が高い欧州経済への悪影響が強く懸念されるほか、資源価格高騰やサプライチェーンの混乱を通じた悪影響が懸念されます。更に、3月に入り中国で新型コロナウイルスが感染急拡大するなど、世界的に景気の不透明感が強まっています。

金融資本市場では、米国10年債利回りは、デルタ変異株の感染拡大等により、7月に一時1.1%台まで低下しましたが、想定以上のインフレ高進を受け、12月以降、FRB(米連邦準備理事会)は利上げ姿勢を鮮明にし、3月には2.5%程度まで上昇しました。日本の10年債利回りは、12月まで概ね0~0.1%程度の狭いレンジで上下した後、米金利に追随して上昇し、3月下旬に一時0.25%を上回りましたが、日本銀行の指値オペを受け、月末に0.2%程度まで低下しました。

また、海外のクレジットスプレッドは、12月までは概ね安定的に推移しましたが、ウクライナ情勢や米金利上昇等に伴う企業業績悪化懸念等を背景に、1月以降、急速に拡大する局面も見られました。

外国為替市場では、対ドルで概ね110円前後で推移した後、日米金融政策の方向性の違いを反映し、3月に一時125円台まで円安が進みました。対ユーロでは、欧州の景気動向とECB(欧州中央銀行)の金融政策を背景に、概ね130円前後で推移した後、2月下旬以降、ウクライナ情勢の緊迫化を受けユーロが下落する中、136円程度まで円安が進みました。

日経平均株価は、景気回復の遅れから欧米主要国株価に比べ低迷が続き、感染動向に左右されながら、概ね29,000円を挟んで上下しましたが、ウクライナ情勢の緊迫化を受け下落基調に転じました。その後は円安等を受けてやや持ち直し、3月末にかけて28,000円程度で推移しました。

このように、新型コロナウイルスに関しては、日米欧を中心にワクチン接種が進んだものの、年末から2月にかけて、世界的に新規感染者数が大幅に増加する等、依然として不透明な状況が継続しています。また、インフレ懸念を背景とした米国等の金融政策の転換や、ウクライナ情勢等を背景に、海外短期金利上昇に伴う外貨調達コストの上昇や海外クレジットスプレッドの拡大が生じているほか、今後の金融経済環境についても、不確実性が高い状況となっております。更に、国内の低金利環境も長期化するなど、国内外の有価証券による運用を主たる収益源とする当行グループにとって、厳しい経営環境が継続しております。

 

(3) 経営戦略、対処すべき課題等

当行グループをとりまく社会環境は、人口減少・超高齢化社会、地域経済の縮小、デジタル革命の進展、コロナ禍を受けた新しい生活様式への変化、超低金利環境の長期化など、大きく変化しております。こうした環境変化への課題認識と当行グループの強み・経営資源を踏まえ、当行グループは2021年5月に中期経営計画(2021年度~2025年度)を策定し、当該中期経営計画で明確化した3つのミッションの下で、急激に変化する社会環境に対応したサステナブルな経営の実現を目指すべく、ESG経営を推進しています。2021年度は、5つの重点戦略を着実に推進し、その基盤を固めました。2022年度は、重点戦略の取組みを加速し、目指す姿の実現に向けた道筋をつけてまいります。

 

当行グループのパーパス・経営理念・ミッション


 

中期経営計画(2021年度~2025年度)の基本方針と5つの重点戦略


 

<財務目標>

中期経営計画期間(2021年度~2025年度)の財務目標について、収益性指標として連結当期純利益(当行帰属分)・ROE(株主資本ベース)、効率性指標としてOHR(金銭の信託運用損益等を含むベース)(注1)・営業経費(2020年度対比)、健全性指標として自己資本比率(国内基準)・CET1(普通株式等Tier1)比率(国際統一基準)(注2)を設定しました。

当行グループは、この財務目標の下、約24,000の郵便局ネットワークを通じて全国のお客さまに良質な金融サービスを提供しながら、同時に収益性・効率性改善に向けた取組みを進めてまいります。

 

(注) 1.Over Head Ratioの略。銀行業務の効率性を示す指標の一つで、一般的には、経費の業務粗利益に対する比率のこと。当行は相応の規模で金銭の信託を活用した有価証券等運用を行っていることを踏まえ、金銭の信託に係る運用損益も分母に含めたOHRを指標として設定。経費÷(資金収支等+役務取引等利益)で算出。資金収支等とは、資金運用に係る収益から資金調達に係る費用を除いたもの(売却損益等を含む。)

 

2.その他有価証券評価益除くベース。2025年度目標はバーゼルⅢ完全実施ベース

 

(リアルとデジタルの相互補完による新しいリテールビジネスへの変革)

○デジタルサービス戦略の展開

安心・安全を最優先に、デジタル人材を強化しつつ、すべてのお客さまが利用しやすいデジタルサービスを拡充してまいります。

「通帳アプリ」等のデジタルサービスについて、機能や使いやすさの継続的な改善に取り組むとともに、お客さまの資産・収支を見える化し、家計管理を支援する「家計簿・家計相談アプリ」の構築に取り組んでまいります。

また、全国の郵便局ネットワークを活用し、通帳アプリ等の各種デジタルサービスの積極的なご案内・身近なサポートを進めてまいります。

更に、通帳アプリ、家計簿・家計相談アプリを起点として、多様な事業者との連携を通じて最適なサービスを提供する、オープンな「共創プラットフォーム」の構築に注力してまいります。

 

○資産形成サポートビジネスの推進

お客さま本位の業務運営の下、対面チャネルとデジタルチャネルの相互補完により、お客さまニーズに応じ、最適な商品・チャネルを提案いたします。

対面チャネルにおいては、2022年4月から窓口の投資信託商品ラインアップを当行グループのお客さまに理解いただきやすい商品に厳選するとともに、投資初心者には主に積立投資を提案してまいります。また、2022年5月からは「投資一任サービス(ゆうちょファンドラップ)(注3)」を開始しました。加えて、オンラインでの相談環境の一層の充実を図ってまいります。

投資信託の購入時手数料を無料化したデジタルチャネルにおいては、投資信託Webページやアプリの更なる充実に取り組み、よりお客さまに利用いただきやすいチャネルに見直してまいります。

 

(注) 3.投資一任契約に基づき、投資運用業者がお客さまから投資判断の全部又は一部を一任されるとともに、当該投資判断に基づきお客さまのための投資を行うに必要な売買・管理等までを行うサービス

 

○新規ビジネスの推進

キャッシュカード一体型のブランドデビットカード「ゆうちょデビット」の取扱いを2022年5月から開始しております。また、「信託・相続サービス」等、新たなサービスの開始に向けて準備してまいります。

 

(デジタル技術を活用した業務改革・生産性向上)

窓口タブレットを全直営店に導入するほか、新規口座開設をスマートフォン上で行う「口座開設アプリ」のサービスを開始する等、お客さまの取引チャネルの選択肢を拡充しながら、窓口業務の効率化を進めてまいります。

貯金事務センターにおいては、BPMS(注4)の機能・拠点の拡大に向けた準備、相続関連業務のシステム化やAI-OCR(注5)・RPA(注6)の更なる拡大を進める等、今後ともデジタル技術を組み合わせた総合的な事務の自動化を推進してまいります。

これらの取組みを通じ、引き続き窓口等の業務量削減を図る一方、強化分野への人員シフトを継続しつつ、育成の強化を図ることで、より一層、生産性の向上を図ってまいります。

また、引き続き、戦略的なIT投資等、重点分野への投資を強化しつつ、既定経費の削減により、経営の効率性改善を目指してまいります。

 

(注) 4.Business Process Management Systemの略。RPAを自動で起動し、人による確認作業等を要求するなど、業務フローをシステム的に制御し、自動的に工程管理を行うシステム

AIを活用し、非定型帳票や手書き文字等の認識率を向上したOCR

6.Robotics Process Automationの略。今まで人間がマウスやキーボードで操作していた、端末操作等を自動化すること等によって、作業時間の短縮や品質向上を図る技術

 

 

(多様な枠組みによる地域への資金循環と地域リレーション機能の強化)

お客さまからお預かりした大切な資金を地域へと循環するために、特にエクイティ性資金の供給を拡充し、地域活性化への貢献に努めてまいります。

「地域活性化ファンド」や「投資・事業経営会社」への出資を引き続き推進するとともに、連結子会社のJPインベストメント株式会社が2022年4月に設立した「JPインベストメント地域・インパクト1号ファンド」に出資する等、地域経済発展に貢献してまいります。

また、地域金融機関と連携し、「地域の金融プラットフォーム」として、ATM連携や税公金取りまとめ事務共同化等についても継続的に取り組み、多様な手段により、全国の地方創生を多面的に支援してまいります。

 

(ストレス耐性を意識した市場運用・リスク管理の深化)

ウクライナ情勢、インフレ懸念を背景とした米国等の金融政策の転換等によるマーケット変動に十分留意しつつ、リスク対比リターンやストレス耐性の強化等を意識したポートフォリオ運営を実施します。

リスク性資産については、投資適格領域のクレジット資産(国内外の社債等)を中心に残高を積み上げていくほか、リスク性資産のうち、戦略投資領域(注7)については、中長期的な視点で、優良ファンドへの選別的な投資を継続してまいります。

加えて、ストレス・テスト高度化、モニタリング充実、外貨流動性リスク低減等、リスク管理高度化の取組みを推進してまいります。

 

(注) 7.プライベートエクイティファンド(成長が見込まれる未上場企業等へ投資するファンド)、不動産ファンド等からなる戦略的な投資領域

 

(一層信頼される銀行となるための経営基盤の強化)

○組織風土改革

社長を委員長とする「サービス向上委員会」を中心に、お客さま本位の業務運営の実践に向けた組織風土改革に取り組みます。具体的には、役員等による社内向け動画の活用や、好取組事例の社内共有等を通じた社内コミュニケーション強化等を図ってまいります。

 

○ステークホルダーとの対話促進・開示充実

各事業部門の責任者によるIR機会の創出等、IR活動・IR態勢を充実してまいります。また、プライム市場上場会社として、気候変動リスク等に係る開示の充実を進めるほか、社会的要請やトレンド等に対応した各種開示の充実に努めてまいります。

 

○内部管理態勢の強化

日本郵便株式会社及び日本郵政株式会社と連携し、部内犯罪やお客さま情報の漏洩・紛失の防止等、コンプライアンス態勢の更なる強化に努めてまいります。

また、重点点検システムの点検や2023年5月の基幹系システムの円滑な更改に向けた対応等、システムリスク管理の強化を図るとともに、サイバーセキュリティのアクションプランの継続等、高度なサイバーセキュリティ対策の実行を推進します。

加えて、継続的顧客管理の更なる推進や取引モニタリングの強化等、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策の高度化に取り組んでまいります。

 

(ESG経営の推進)

当行グループがESG経営の観点から特に取り組むべき社会課題として設定した4つの重点課題(マテリアリティ)のうち、「日本全国あまねく誰にでも「安心・安全」な金融サービスを提供」と「地域経済発展への貢献」については、前述のとおり、リアルとデジタルの相互補完によるリテールサービスの充実や、多様な枠組みによる地域への資金循環等の取組みを推進してまいります。

 

 

当行グループが定めた4つのマテリアリティ


 

「環境の負荷低減」については、当行グループのCO2排出量削減に向け、引き続き使用電力の再生可能エネルギーへの切り替えを推進します。また、ESGテーマ型投資(注8)の2025年度末の残高目標を従来の2兆円から4兆円に引き上げ、資金運用業務を通じた社会全体の環境負荷低減に努めてまいります。

「働き方改革・ガバナンス高度化の推進」については、強化分野の人材確保・育成、多様な人材を活かす環境整備や健康経営の積極的な推進等の人材投資の強化に加え、社員のキャリア形成支援・人材の見える化実現による人的資本の最大化を目指してまいります。

また、取締役会の任意の諮問機関として「リスク委員会」を設置する等、ガバナンス態勢の一層の強化に取り組んでまいります。

 

(注) 8.ESG債(グリーン債、ソーシャル債(パンデミック債含む。)、サステナビリティ債)、再生可能エネルギーセクター向け与信、地域活性化ファンド等

 

2 【事業等のリスク】

当行グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があると、当行グループが認識している重要な事項について、記載しております。

 

当行グループの事業、業績及び財政状態等に特に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクについては、リスクアペタイト・フレームワークの枠組みの中で取締役会及び経営会議において議論した上、影響度・蓋然性を踏まえて、トップリスクとして選定しております。選定したトップリスクへの対応は、当行の経営計画に反映し、定期的にコントロール状況等を確認した上、必要に応じて追加的な対応を行っております。

トップリスクは、以下のとおりであります。

 

リスク事象

主な対応策

国内の低金利継続、海外のクレジットスプレッド急拡大・外貨資金調達環境の悪化等の市場環境の急激な変化

当行に適用される金融規制の厳格化

・ストレス耐性のあるポートフォリオ構築

・ストレス・テストの高度化

・運用・リスク管理の専門人材の強化

・国際統一基準行目線での内部管理態勢の強化

サイバー攻撃

サイバーセキュリティに係るアクションプランの実施・定着、フィッシング詐欺対策等の継続

システム障害の発生

・他社事例の社内検証

・コンティンジェンシープラン訓練の実施

・基幹システムの更改に向けた対応の着実な推進

大規模災害・パンデミック等の発生

・非常時対応計画の策定

・リモート環境の整備

デジタルトランスフォーメーション(以下「DX」)・

キャッシュレス施策・業務改革等の推進が想定通り進まない、対応が不十分

中期経営計画で定めたDX推進施策の着実な推進

不祥事件の発生や個人情報の漏洩・紛失等の法令違反事案の発生

過去の事案を踏まえた不祥事件の再発防止策、個人情報漏洩・紛失防止策等の徹底

お客さま本位の業務運営が徹底されないことによりお客さまが不利益を被るリスク

・お客さま本位の業務運営を行うための品質管理

・2線の機能強化、専門委員会の議論の深化、情報伝達

の複線化 等

※リスク管理・コンプライアンス部門等の管理部門

マネー・ローンダリング等に係る態勢不備

当局のガイドラインに対応した各種対策の計画的な推進

人材不足等による戦略遂行の阻害

・専門人材等の採用継続

・育成プログラムに基づいた人材の育成

気候変動対応等、サステナビリティに係る取組み・開示が不十分

サステナビリティ基本方針に基づき、外部環境の変化に応じた施策推進、モニタリング実施、適切な開示

 

 

当行グループの事業その他に関するリスクについて、上記トップリスクを踏まえ、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。もっとも、当行グループの事業等のリスクはこれらトップリスクに限定されるものではなく、それ以外においても、投資家の投資判断上、特に重要であると考えられる事項は、投資家に対する情報開示の観点から、以下に記載しております。なお、当行グループは、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めます。しかしながら、これらの対応が十分に成果を上げない場合には、当行グループの事業、業績及び財政状態等に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

また、本項において、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、明示がある場合又は文脈上明らかな場合を除き、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。また、当行グループが認識していない、又は重要性が乏しいと考えている追加的なリスク等が、当行グループの事業、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性もあります。

 

 

(1) リスク管理方針及び手続の有効性に係るリスク

当行グループは、リスク管理に関する規程を定め、管理態勢を整備し、リスク管理を実施しております。また、当行グループは、経営環境、リスクの状況、今後の事業規模・範囲拡大などの想定に応じ、リスク管理態勢全般について随時見直しを行っておりますが、有効にリスク管理態勢が機能しない場合には、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、新たな投資領域を開拓するなど当行グループが有価証券等の運用業務・対象を多様化し、また、貸付け業務の範囲・規模を拡大した場合、信用・市場リスク管理態勢や不公正取引発生防止態勢等を拡充する必要がありますが、かかる業務の拡大に比してリスク管理態勢の拡充が十分になされない可能性があります。

加えて、当行グループによるリスク管理方針の実施、その遵守状況の監督は、当行グループ内部だけでなく、当行の商品・サービス(貯金・資産運用商品・為替等)を販売する日本郵便株式会社の郵便局ネットワーク全体についても行う必要がありますが、約24,000もの郵便局を有する広範な郵便局ネットワークでの実施・監督に困難又は不備が生じた場合には、当行グループによるリスク管理方針が機能せず、又は不十分となる可能性があります。これらの結果、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 市場リスク

当行グループが保有する金融資産・負債の多くは、市場の変動による価値変化等を伴うものであります。当行では、中長期的に収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の枠組みの下、市場環境の変化、リスク・リターン等を踏まえた機動的なポートフォリオ運営を行っているほか、ストレス・テストや損益シミュレーション等を実施することにより、市場リスク等を適切に管理するよう努めておりますが、かかる管理にかかわらず、大幅な市場変動等により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、中長期的な収益の確保を目的とした外国証券やオルタナティブ資産への投資等、運用の高度化・多様化が目的に即した結果を生まない可能性もあります。

特に、足許では、インフレ懸念を背景とした米国等の金融政策の転換等に伴い、外貨調達コストの上昇やクレジットスプレッドの拡大等の影響が見込まれますが、これに加えて、更なる金融引き締めの進展、ウクライナ情勢の悪化、新型コロナウイルス感染症の再拡大等に伴い、市場の大幅な変動や金融市場の混乱等が生じた場合には、当行グループの業績及び財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

① 金利リスク

当行が保有する日本国債(2022年3月末日現在、49.2兆円・総資産額の21%)や外国証券(2022年3月末日現在、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)は74.1兆円・総資産額の31%)などの金融資産と、定額貯金を始めとする貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等には、差異が存在します。このため、金利(長期や短期の金利)の変動は、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、2022年3月末日現在において、日本国債の一部の金利がマイナスとなる等市場金利は非常に低い水準にあり、更に、今後の金融政策の動向により、かかる金利水準が長期に亘り継続し又は低下する場合、運用収益の減少に比して、相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少し、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、足許では、インフレ懸念を背景とした米国等の金融政策の転換等により、海外短期金利が上昇し、国内外の金利差が拡大傾向にあることから、外貨調達コストの上昇が見込まれますが、今後、大幅に国内外の金利差が拡大した場合、当行グループの業績及び財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

更に、市場金利及びクレジットスプレッドの変動は、当行の債券ポートフォリオ等の価値に影響を及ぼします。例えば、国内外の景気変動、中央銀行の金融政策、日本国政府の財政運営やその信認の変化等、様々な要因により市場金利が上昇(クレジットスプレッドが拡大)した場合、保有する債券等の価値下落によって評価損・減損損失、売却損や当行が保有する有価証券中の投資信託において収益認識できない特別分配金の発生等が生じる可能性があります。その結果、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、貯金について、急激な市場金利上昇等により、定額貯金(預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)への預け替え等が発生した場合にも、調達コスト等の上昇等を通じて、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 為替リスク

当行は、収益源泉・リスクの分散を目的に、運用の高度化・多様化の一環として国際分散投資を進め、外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等の外国証券の保有が増加しております。これらのうち、外貨建て資産については、為替リスクを軽減する目的から通貨スワップや為替予約等によりヘッジ取引を行っておりますが、その一部については為替リスクを軽減するヘッジを当初から行わない、若しくはヘッジを行った後に外国証券の価格変動等によりヘッジ比率に変動が生じる、又は短期のヘッジを行うことがあります。その結果、外国証券の取得後に大幅な為替相場の変動が発生した場合、非ヘッジ部分に係る差損が発生し、又は通貨ベーシスの拡大が発生した場合、ヘッジコストが上昇すること等により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 株式価格変動リスク

当行グループは、直接又は金銭の信託や投資信託を通じて間接的に、株式を保有することがあることから、国内外の経済状況又は市場環境の変化によって株価が変動する場合には、保有株式に評価損・減損損失や売却損等が生じ、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 市場流動性リスク

当行では、市場流動性を確保する観点から、流動性が低い資産への投資が過大にならないよう、また、市場規模に比して過大なポジションを保有することがないよう、基準を設定することにより、市場流動性リスクを適切に管理するよう努めておりますが、かかる管理にかかわらず、経済状況の著しい悪化や金融市場の混乱、銀行・金融業界全体の社会的信用や信認が低下する場合等には、当行グループが国内外の市場で取引・決済ができなくなることや、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされること等により、損失を被る可能性があります。その結果、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 資金流動性リスク

当行では、安定的な資金繰りを達成するため、資金の受払いの差額について基準を設定しているほか、予期しない資金流出等に備え、流動性の高い資産の保有額に基準を設定することにより、資金流動性リスクを適切に管理するよう努めておりますが、かかる管理にかかわらず、当行グループの業績や財政状態の悪化、風評等の発生や、予期せぬ資金流出、運用と調達の期間のミスマッチ(差異)等、また、当行グループの収益力・信用力の低下、日本国債の格下げ等の影響を受けた当行格付の引き下げにより、円貨・外貨の必要資金確保が困難になる、又は、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより、損失を被る可能性があります。その結果、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 信用リスク

当行では、有価証券発行体や貸出先などの債務者に対し、内部格付を付与の上、定期的にモニタリングを行うほか、個社・企業グループ及び国・地域に対するエクスポージャーの上限管理等を実施することにより、信用リスクを適切に管理するよう努めておりますが、かかる管理にかかわらず、債務者において、国内外の経済情勢(景気・信用状況等)や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、誤った経営判断、不祥事等の発生、その他不測の事態により財政状態が悪化した結果、当行グループの与信関係費用が増加又は当行グループが保有する有価証券等の価値が下落することによって評価損・減損損失や売却損等が生じ、当行グループの業績、財政状態及び自己資本の状況に影響を及ぼす可能性があり、中長期的な収益の確保を目的とした外国証券やオルタナティブ資産への投資等、運用の高度化・多様化が目的に即した結果を生まない可能性もあります。

 

 

(6) オペレーショナル・リスク等

① 事務リスク

当行グループや当行の商品・サービスを販売・提供する日本郵便株式会社の役員・従業員が、事務に関する社内規程・手続等に定められた事務処理を怠る、あるいは事故・不正等を起こすリスクが存在します。当行グループでは、各種研修等を通じて手続等の浸透、不正の防止に努めておりますが、かかる事務リスクが顕在化した場合には、当行グループへの行政処分、訴訟提起等により、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当行グループの業務に関連して、顧客その他の第三者が、偽名による口座開設、当行口座の不正目的による使用、又は盗難カードを使用した犯罪行為その他の不正行為を行った場合や、当行グループの取引先が反社会的勢力と何らかの関係を有する者であった場合には、これに対応する費用の支出が発生する等、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② システムリスク

当行グループは、当行が保有する銀行業に係るシステムのほか、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険と共用しているシステムも利用して、銀行口座、資産運用等の取引・管理を行い、また、全国の郵便局ネットワークや全国銀行データ通信システム等と通信しているなど、情報通信システムは、当行グループの事業にとって極めて重要な機能を担っております。当行では、重要なシステムについては、システム監視や不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定する等して、システムの安定稼働の維持に努めておりますが、自然災害・サイバー攻撃等の外的要因に加えて、人的過失、事故、コンピュータウイルスの感染、システムの新規開発・更新における瑕疵等により、システム障害が発生する可能性があります。こうしたシステムの不具合、故障等が生じた場合に、これに対応する費用の支出の発生、業務の停止・混乱、それに伴う損害賠償、行政処分、社会的信用の毀損等が発生することにより、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 情報資産リスク

当行グループは、多数の個人・法人のお客さま等の情報を保有しております。顧客情報は銀行法、金融商品取引法等により適切な取扱いが求められ、特に個人情報については個人情報保護法等の下で、より厳格な管理が求められております。

当行グループでは、プライバシーポリシー等情報管理に関する規程等を整備し、厳正な情報管理に努めておりますが、機密情報や顧客情報等の重要な情報について、内部からの漏えいや、コンピュータへのサイバー攻撃等外部からの不正なアクセス等が発生する可能性があり、業務委託先を含め、仮にこのような事象が生じた場合には、これに対応する費用の支出の発生、当行グループに対する損害賠償請求、行政処分、社会的信用の毀損等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 訴訟等に係るリスク

当行グループは、事業の遂行に関して、人事労務、業務上の事故、外部委託、知的財産権等の利用に関する事項を始めとする、訴訟等が提起されるリスクを有しております。

業績に影響を及ぼす訴訟や社会的影響の大きな訴訟等が発生し、当行グループに不利な判断がなされた場合には、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 人事リスク

当行グループでは、各種研修等を通じて、ハラスメントを含む人権問題、人事処遇、勤務管理などの人事労務上の問題、職場の安全衛生管理上の問題等の発生の防止に努めておりますが、かかる問題が発生した場合や、これらに関連する重大な訴訟等が発生し、当行グループに不利な判断がなされた場合、当行グループの業績、社会的信用及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ レピュテーショナル・リスク

当行グループでは、風説・風評が伝達される媒体を定期的に確認し、風説・風評の把握に努めるとともに、その影響度等に応じた対応によるレピュテーショナル・リスクの管理に努めておりますが、当行グループや当行グループの事業の風説・風評が、報道機関・市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板への書込み、ソーシャル・ネットワーキングサービス等により拡散した場合、また、報道機関により憶測に基づいた報道が行われた場合には、お客さまや市場関係者等が、当行グループについて事実と異なる理解・認識をし、当行グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当行グループと競合する他の金融機関等に関する問題や不祥事の発生、批判、風評等であっても、それにより銀行・金融業界全体の社会的信用や信認が下落する場合には、当行グループの事業、業績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 災害・パンデミックに係るリスク

当行グループは、大規模災害等に備えた事業継続計画等を整備し、危機管理態勢の強化に努めておりますが、大規模災害、パンデミックの発生(感染症の大流行)、テロリズム・武力衝突等の人的災害、電気・通信その他の社会インフラの障害や混乱等が発生した場合、当行の店舗・事務センター等といった施設・有形資産やシステム等が毀損し、又は正常な業務遂行が困難になること等により、当行グループが損失を被る可能性があります。また、かかる状況の下で当行グループの業務が円滑に機能していたとしても、かかる状況の発生による経済・社会活動の沈滞や、インフラの機能不全等の影響を受けて、当行グループが保有する金融商品に評価損・減損損失や売却損等が生じたり、当行グループの不良債権・与信関係費用が増加したりする可能性もあり、その結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(新型コロナウイルス感染症に係るリスク)

新型コロナウイルス感染症については、日米欧を中心としたワクチン接種の進展等、一部環境の改善要素もありますが、感染拡大予防のための経済社会活動の制限や、新規感染者数が大幅に拡大する局面も未だ見られる等、引き続き国際社会・世界経済にとって大きな脅威となっております。当行グループでは、お客さまや社員への感染拡大防止や業務継続態勢の確保に努めておりますが、かかる対応にかかわらず、当行グループの商品・サービスの利用者が著しく減少した場合、また、当行グループ社員に感染が拡大することにより業務の継続が困難となった場合等は、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります(新型コロナウイルス感染症に係る金融市場の混乱等が当行グループに及ぼすリスクについては前記「(2) 市場リスク」をご参照ください。)。

⑧ サイバー攻撃等に係るリスク

当行が保有する銀行業に係るシステムのほか、業務の遂行にあたって利用する情報通信システムは、当行グループの事業にとって極めて重要な機能を担っております。特に、近年のデジタル技術の著しい発展により、インターネットやスマートフォンを利用した取引が増加しており、当行のデジタルチャネルの拡充も進んでいる一方、サイバー攻撃手法の高度化・巧妙化も進んでおり、金融機関を取り巻くサイバーリスクは高まっております。更に、経済安全保障の観点からも、国外からの各種サービスの安定的な提供に対する妨害行為等への対策の重要性が高まっている状況です。当行ではこれらのサイバーリスクの低減を図るため、サイバーセキュリティに関する専門部署の設置やサイバーセキュリティ担当役員(CISO:Chief Information Security Officer)を配置し、多層的な防御・検知対策の整備をしております。また、専門知識を有する人材を配置するとともに、外部専門機関との連携等を通じて新たな攻撃手口の分析や対策を行うなど、必要な対策を講じております。当行のサイバーセキュリティ態勢が十分に機能しなかった場合には、国内外からのサイバー攻撃や不正アクセス、コンピュータウイルス感染等の要因により、機密事項・顧客情報の漏えい・紛失、各種サービスの不正利用・不正送金や情報通信システムの障害等が発生した場合には、お客さまへの経済的・精神的損害や業務の停止及びそれに伴う損失や損害賠償の発生、行政処分や罰則、お客さま及びマーケット等からの信頼失墜等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 法令違反等に係るリスク

当行グループは、お客さま本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)に取り組み、法令・諸規則等を遵守すべく、コンプライアンスやその意識の水準向上、内部牽制・内部監査・顧客保護等管理など内部管理の強化を経営上の重要課題として位置づけ、適切な指示・指導・モニタリングを行う態勢を整備するとともに、法令違反・不正行為等の防止策を講じております。しかしながら、これらが十分な効果を発揮せず、横領その他の犯罪行為、インサイダー取引規制等違反、お客さまの属性に照らし不適合な顧客説明や資産運用商品の販売等、法令・諸規則等を遵守できない等のミスコンダクトリスクが発生する可能性があります。また、これらの法令等の不遵守を、組織として迅速・適切に認識できない可能性もあります。業務委託先である日本郵便株式会社等を含め、法令違反・不正行為等に関するリスクが顕在化した場合には、当行グループへの訴訟提起、行政処分等により、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑩ マネー・ローンダリング等に係るリスク

昨今、我が国において、各種マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に係る事案、振り込め詐欺、口座の不正利用・売買、インターネットバンキングを標的とした預金等の不正な払戻し等金融機関のサービスを悪用した金融犯罪は減少の兆しを見せず、手口も年々高度化しております。当行ではこれらの防止のため、国内外の法令諸規制を遵守する態勢を整備し、顧客管理措置、疑わしい取引の検知・届出、商品・サービスの見直し等の対策を講じることで、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策の強化、経済制裁措置への対応に取り組んでおります。

しかしながら、これら施策の実施にもかかわらず、マネー・ローンダリング等の法令諸規制に違反する不正な取引が発生した場合には、追加的な再発防止策の実行、当行グループへの行政処分、社会的信用の毀損等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 気候変動を始めとするサステナビリティ課題に係るリスク

2015年に採択された気候変動問題に関する国際的枠組みである「パリ協定」を受け、脱炭素社会への移行が社会全体で進んでおり、当行グループでもその対応の重要性は高まっております。

気候変動リスクとしては、温室効果ガス排出に係る規制の強化等、低炭素経済への移行に関するリスクや、気候変動に伴う洪水等の異常気象の深刻化・増加等による、物理的変化に関するリスクが挙げられます。当行グループでは、気候変動リスクの顕在化による投融資先の業績悪化等に伴う保有有価証券の価値の低下や、自然災害等による当行の店舗・事務センター等といった施設・有形資産やシステムの毀損等を、主な気候変動リスクとして想定しております。

当行グループでは、気候変動への対応は、環境・社会及び企業活動にも大きな影響を及ぼす重要な課題であると認識しており、2019年4月に気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言に賛同するとともに、同提言を踏まえた気候変動シナリオ分析の高度化等、気候変動に係るリスクの適切な管理や情報開示に取り組んでおります。

また、2030年度までに当行のCO2排出量を2019年度比46%削減する目標KPI、及び2025年度末のESGテーマ型投資残高を4兆円とする目標KPIを設定するとともに、2050年までに当行及び投融資ポートフォリオのGHG(温室効果ガス)排出量のネットゼロ達成を目指す「ゆうちょ銀行 GHG排出量ネットゼロ宣言」を2022年3月に発表し、気候変動対応の取組みを推進しております。

この他、生物多様性保全や人権尊重等、サステナビリティ課題への関心や重要性が高まっていることを踏まえ、当行グループは、様々な環境保全活動や国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく人権デューデリジェンス等を実施しております。

しかしながら、これらの取組みが十分な効果を発揮しない場合や、これらの取組みや開示が不十分とみなされた場合は、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 事業戦略・経営計画に係るリスク

当行グループは、“信頼を深め、金融革新に挑戦”のスローガンの下、5つの重点戦略である「リアルとデジタルの相互補完による新しいリテールビジネスへの変革」、「デジタル技術を活用した業務改革・生産性向上」、「多様な枠組みによる地域への資金循環と地域リレーション機能の強化」、「ストレス耐性を意識した市場運用・リスク管理の深化」、「一層信頼される銀行となるための経営基盤の強化」を通じて、2021年度から2025年度までを計画期間とする中期経営計画を推進しております。

しかしながら、これらに向けた当行グループの事業戦略・経営計画は、各種のリスクにより実施が困難となり、又は有効でなくなる可能性があります。また、本項に記載したリスク要因等に伴い、事業戦略・経営計画の策定時に前提とした各種の想定が想定通りとならないこと等により、当初計画した成果が得られない可能性もあります。特に、市場(金利・為替等)・経済情勢(景気・信用状況等)等が計画策定時の想定通り安定推移しなかった場合、例えば、市場金利の低下による運用利回りの減少や米ドルを始めとする海外短期金利上昇に伴う外貨調達コストの増加によって計画が達成できない可能性や、海外のクレジットスプレッド拡大による当行が保有する有価証券中の投資信託の特別分配金発生によって計画が達成できない可能性、プライベートエクイティファンドの投資先の企業価値向上や資金回収のペースが想定対比で乖離することによって計画が達成できない可能性、国際分散投資等の高度化・加速を継続していく中で、適切なポートフォリオ分散を達成できない可能性、より高いリスクを有する運用資産の増加によって価格変動リスクを受けやすくなり、当行グループの事業、業績及び財政状態に及ぼす影響が大きくなる可能性があります。更に、DXの推進等による、各種決済サービス及び資産形成サポートサービスの利用促進等並びに店舗改革等の業務効率化、運用・リスク管理・営業等の人材確保・育成が、想定通り進捗しなかった場合、役務取引等利益の拡大や営業経費の削減等の計画が達成できなくなる可能性があります。また、減損損失、売却損の計上等により十分な利益水準が確保できない場合や、法令によりその他有価証券の評価損が発生した際は分配可能額から控除する必要があることから、相場変動によりその他有価証券の評価損が拡大し、分配可能額を確保できない場合等には、株主還元の目標が達成できない可能性があります。更に、日本郵政株式会社は、将来的なグループ連結ベースでのIFRS適用を検討しており、将来的に当行グループもIFRSを適用する可能性があるほか、事業の内容又は経営環境の変化に対応して会計方針等の変更を行う可能性もあります。これらの結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 業務範囲の拡大等に係るリスク

当行グループは、新たな収益機会を得るために新規業務を行おうとする場合、郵政民営化法、銀行法の規制により必要となる当局の認可等を適時に取得できない可能性があります。例えば、当行は、2012年9月3日に行った相対による法人向け貸付などを内容とする認可申請を、2017年3月31日に取り下げました。

また、認可を得て業務範囲を拡大した場合でも、当行グループが限定的な経験しか有していない業務分野に進出した場合、競争の激しい分野に進出した場合等において、業務範囲の拡大が功を奏しない、又は、当初想定した成果をもたらさない可能性があります。その結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 事業環境等に係るリスク

① 主要な事業の前提に係るリスク

当行は、郵政民営化法第98条第1項により、次に掲げる条件付きで銀行法第4条に定める銀行業の免許を受けたものとみなされております。

・郵政民営化法第110条第1項各号に掲げる業務(いわゆる新規業務。「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考) (1) 業務の制限」をご参照ください。)を行おうとするときは、内閣総理大臣の承認を受けなければならないこと。

・郵政民営化法第8章第3節の規定の適用を受ける間、業務の健全、適切かつ安定的な運営を維持するための基盤となる銀行代理業者への継続的な業務の委託がされていること。

この免許につきましては、有効期間は定められておりませんが、銀行法第26条、第27条、第28条及び第41条に規定された要件に該当した場合、業務の停止又は免許の取消し等を命じられることがあります。2022年3月末日現在において、当行は、これらの要件に該当する事実はないものと認識しておりますが、将来、何らかの事由により当行がこれらの要件に該当した場合には、当行の主要な事業活動に支障をきたし、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 銀行法を始めとする各種法令等に係るリスク

当行グループは事業を行うにあたり、銀行法を始め税制・会計基準を含む各種法令等が適用され、銀行免許・当局の監督を受けております。また、我が国はWTO(World Trade Organization:世界貿易機関)の加盟国であり、当行グループが物品等を調達する場合にも、WTOによる政府調達ルールの遵守が求められます。各種法令等の改正や新たな法的規制等により、当行グループの競争条件が悪化したり、営業・運用等の一部が制限又は変更を余儀なくされた場合は、新たな対応費用の増加、収益機会の制限等により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、米国の外国資産管理法による指定国等に対する経済制裁の発動・強化は、当行の国際分散投資を制約し、直接又は投資信託を通じ保有する外国証券のリスクを高める可能性があります。

また、当行は、郵政民営化法によって、他の銀行には課せられていない規制が課されております(当行に係る郵政民営化法に基づく規制は、「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考)」をご参照ください。)。例えば、当行は、他の銀行と比較して業務拡大等に係る経営の自由度が限定されており、また、銀行を当行の子会社とすることや、預入限度額を超える一顧客からの貯金受入れも、原則としてできません。郵政民営化法の規制により、当行グループの事業、成長戦略を含む事業戦略・経営計画の策定・遂行、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。更に将来、現行の民営化の枠組みを変更する法律が制定された場合、その内容によっては、当行グループに影響をもたらす可能性もあります。

③ 経済・社会情勢、市場に係るリスク

当行グループが行う事業による収益の多くは日本国内での貯金調達や国内外での有価証券運用によって得られており、国内外の景気・信用状況や人口動態等の経済・社会情勢、金利・為替等の市場の変動・悪化が、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、消費税率の引き上げによる家計の可処分所得の低下や、インフレ高進に伴う実質所得の低下、子高齢化等に伴い、日本の貯蓄率・預金水準が低下し、当行の貯金残高が減少する可能性があります。また、国内外の金融市場に混乱等が生じた場合、当行グループの事業の低迷や資産内容の悪化、資金調達力・資産流動性の低下等が生じる可能性があります。このような場合、中長期的な収益の確保を目的とした運用の高度化・多様化が、目的に即した結果を生まない可能性もあります。

④ 競争に係るリスク

当行グループが行う事業は、いずれも激しい競争状況に置かれております。当行の主力事業は郵便局ネットワークをメインチャネルとするリテール・バンキング事業であるため、当行は、都市銀行のほか、地方銀行その他の金融機関と競合しております。また、当行グループが業務範囲を拡大した場合には、現時点では当行グループと競合関係にない会社との競合が新たに生じる可能性もあります。この他、近年では、国内外の各業界において統合や再編、業務提携が積極的に行われており、参入規制の緩和や業務範囲の拡大等の規制緩和も行われております。更に、テクノロジーの進化により、他業界からの新たな金融サービスの提供者の参入や顧客ニーズの多様化が進展しております。

当行グループでは、新たなテクノロジーの活用や、デジタル化の推進等によるサービスの改善・充実に努めておりますが、当行グループが競合する他の金融機関に対して優位に立てない場合や、市場構造の変化に対応できなかった場合、規制緩和や新規参入が想定以上に進んだ場合、テクノロジーの進化や顧客ニーズの多様化に対応できなかった場合は、顧客基盤の流出・弱体化、収益力の低下、既存サービス・ネットワークの陳腐化等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 日本郵政株式会社との関係に係るリスク

① 日本郵政株式会社の当行の事業運営に対する影響

日本郵政株式会社は、以下の諸点を通じ、当行の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

(a) 議決権の行使等を通じた影響

日本郵政株式会社は、2022年3月末日現在において、当行の発行済株式総数(自己株式を除く。)のうち約89%を保有しており、当行の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等、当行の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。

また、日本郵政株式会社は、後記「4 経営上の重要な契約等」に記載の日本郵政グループ協定その他の契約や、日本国政府による日本郵政株式会社株式の保有等により、当行について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主の期待と異なる議決権の行使を行う可能性があります。更に、当行以外の日本郵政グループ各社が、直接又は子会社等を通じて当行と競合し又は競合する可能性のある事業を行うなど、当行の一般株主の利益とは異なる観点で行動する可能性があります。

 

(b) 日本郵政グループとの人的関係を通じた影響

下表のとおり、日本郵政グループの役員等が当行の役員を兼任しております。

また、当行経営会議(「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」をご参照ください。)には、原則、日本郵政株式会社の役員は出席しないものの、会議の議題に応じて、出席が必要と当行が考える日本郵政株式会社の代表執行役に限り出席を要請することとしております。

更に、従業員についても、2022年3月末日現在、当行に、日本郵政株式会社の子会社である日本郵便株式会社からの受入出向者が約160名、当行・日本郵便株式会社に、両社職務の兼務者が約560名(当行所属従業員約240名、日本郵便株式会社所属従業員約320名)おります。この他、日本郵政株式会社等からの受入出向者は5名であります(なお、上記の日本郵便株式会社からの受入出向者約160名のうち、約140名は、業務指導・支援の内製化等に伴い、2022年4月1日付で出向復帰いたしました。)。当行は日本郵便株式会社に銀行代理業務等を委託しており、代理店の現状に精通した人材を代理店の業務指導・支援に活用し、また、代理店の要員に当行直営店業務を経験させることは、代理店の事務品質・業務知識の向上を狙いとしております。更に、当行エリア本部、日本郵便株式会社の支社の所属者を相互に兼務させ、営業施策の立案・推進管理、営業人材の育成を協働推進させることは、直営店・郵便局一体の営業力強化を企図しております。なお、これらの受入出向者・兼務者はいずれも、当行の重要な意思決定に影響を与える職位・職務には就いておりません。

日本郵政株式会社は、上記の役員兼任等を通じ、当行の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 

(日本郵政グループの役員等と当行役員を兼任している者)

本有価証券報告書提出日現在

役職・氏名

兼任している会社・役職

兼任の理由

会社

役職

取締役兼代表
執行役社長

池田 憲人

日本郵政
株式会社

取締役
(非常勤)

当行代表として、親会社である日本郵政株式会社の意思決定過程に参画するため

取締役兼代表
執行役副社長

田中  進

日本郵政
株式会社

常務執行役

国が資本金の3分の1以上を出資している法人である日本郵政株式会社として国会で当行に関する専門的な質問への答弁対応の必要があるため

取締役

(非常勤)

増田 

日本郵政

株式会社

 

日本郵便

株式会社

 

株式会社

かんぽ生命

保険

取締役兼

代表執行役社長

 

取締役

(非常勤)

 

取締役

(非常勤)

グループ経営の観点からの総合的な助言を得るため

執行役副社長

萩野 善教

日本郵政
インフォメ
ーションテ
クノロジー
株式会社

取締役
(非常勤)

当行が日本郵政インフォメーションテクノロジー株式会社に委託している業務について、当行の意向をより適切に反映させるため

常務執行役

田中 隆幸

日本郵政
コーポレー

トサービス
株式会社

取締役
(非常勤)

当行が日本郵政コーポレートサービス株式会社に委託している業務について、当行の意向をより適切に反映させるため

 

 

(c) 契約関係・取引関係を通じた影響

当行は、後記「4 経営上の重要な契約等」や「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(関連当事者情報)」に記載のとおり、日本郵政グループ各社と契約を締結し取引しておりますが、当該取引にあたっては、契約の締結・改定の際に、取引の目的・必要性、取引条件の適正性(銀行法に定めるアームズ・レングス・ルール)等を確認しており、日本郵政グループ内の取引を適正に管理する態勢を整備しております。加えて、当行と日本郵政グループ各社との重要な取引や、当行と当行の主要株主との非定型的な取引については、取締役会において審議の上、承認することにより、当行又は株主共同の利益を害することのないよう監視しております。

当行は、後記「4 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、グループ共通の理念・方針等のグループ運営に係る基本的事項を定め、円滑なグループ運営に資することを目的とした日本郵政グループ協定等を締結しております。これらの協定等に基づき、当行は一定の重要事項につき日本郵政株式会社と事前協議等を行うこととされ、また日本郵政株式会社から「ゆうちょ」等の商標の使用を許諾されるとともに、日本郵政株式会社に対し、日本郵政グループに属することによる利益の対価として、別途合意した算定方法に従いブランド価値使用料を支払っております。これらの協定等は後記「4 経営上の重要な契約等」に記載の要件が満たされ解除されない限り、原則として存続するため、当行は当該解除までの間、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合にかかわらず、一定の重要事項につき日本郵政株式会社と事前協議等を行う義務や、日本郵政株式会社に対してブランド価値使用料を支払う義務等を負います。

また、後記「4 経営上の重要な契約等」に記載の要件が満たされ、これらの協定等の終了又は見直しにより現在の条件での商標の使用が継続できなくなった場合や、重大な経済情勢の変化等が生じたと判断してブランド価値使用料の算定方法が変更された場合等には、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 日本郵政株式会社による当行株式の追加処分の可能性

日本郵政株式会社は、上記①のとおり、2022年3月末日現在において、当行の発行済株式総数(自己株式を除く。)のうち約89%を保有しておりますが、郵政民営化法は、日本郵政株式会社が保有する当行株式は、その全部を処分することを目指し、当行の経営状況及びユニバーサルサービスの提供への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとしております。また、2021年4月22日に郵政民営化委員会により提出された「郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証に関する郵政民営化委員会の意見」において、2018年12月26日に同委員会から提出された意見と変わらず、将来の通常貯金の預入限度額の見直しについては、日本郵政株式会社が保有する当行株式を3分の2未満となるまで売却することを条件にすると、記載されております。今後の株式売却の時期・規模等は未確定ですが、日本郵政株式会社は、前記「第1 企業の概況 2 沿革」に記載のとおり、同社の金融2社株式保有割合を、中期経営計画期間中(2021年度~2025年度)のできる限り早期に50%以下とすることを目指す方針を発表しており、将来、当行株式の追加的な売却が行われ、又はかかる売却により市場で流通する当行の株式数が増え需給が悪化するとの認識が市場で広まった場合には、当行株式の流動性・株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。

また、日本郵政グループ協定等は、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合にかかわらず、後記「4 経営上の重要な契約等」に記載の要件が満たされ解除されない限り、原則として存続しますが、日本郵政株式会社が当行の株式を更に売却し、当行又は株式会社かんぽ生命保険が日本郵政株式会社の連結子会社でなくなった場合、これらの協定等の多くは見直すこととされているため、当行にとって不利な条件に変更される等の場合には、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

一方、日本郵政株式会社の当行株式の保有割合は、郵政民営化法による他の銀行には課せられていない規制(「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考)」をご参照ください。)が緩和される要件の一つであるため、日本郵政株式会社による当行株式の追加処分が行われない場合、当該緩和が、期待通りに進まず、当行の経営の自由度の拡大が実現しない可能性があります。

③ 日本国政府との関係希薄化により顧客等に誤認が伝播するリスク

当行は、日本国政府から何らの明示又は黙示の保証その他の信用補完を受けておりません。しかし、日本郵政株式会社による当行株式の処分や、日本国政府による日本郵政株式会社株式の処分の進捗に伴い、当行と日本国政府との関係の希薄化により、当行の経済的信用力が低下したとの誤認や錯誤が伝播した場合等には、貯金等の減少、取引条件や人材の採用・定着への影響等を通じ、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(12) 日本郵便株式会社との関係に係るリスク

① 郵便局ネットワークをメインチャネルとする営業に係るリスク

当行は、後記「4 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、銀行代理業務の委託契約等に基づき日本郵便株式会社に銀行代理業務等を委託しております。2022年3月末日現在、当行の店舗23,734のうち23,499が代理店(郵便局)となっており、貯金残高の約9割が代理店で開設された口座への預入による等、当行の事業は代理店である日本郵便株式会社の郵便局ネットワークによる営業に大きく依拠しております。

従って、コミュニケーション手段の多様化、競合するネットワークやサービスの利便性向上等により、当行の代理店である郵便局の利用者数や利用頻度が減少したり、代理店で取り扱う当行の商品・サービスの種類や代理店数が減少した場合、当行代理店業務に従事する従業員の確保やその教育が十分でない場合、郵便局で取り扱う競合商品との競争が激化する場合、日本郵便株式会社が人材等のリソースを当行の商品・サービス以外に優先的に配分する場合等においては、当行の貯金等や新商品等の販売が伸びず、その結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

株式会社かんぽ生命保険及び日本郵便株式会社におけるお客さまのご意向に沿わず不利益が生じた保険契約乗換等に係る事案に関し、日本郵政グループに対する株主、投資家、お客さま、その他ステークホルダーからの大きく低下した信頼の回復は未だ途上にあり、日本郵政グループとして、外部専門家で構成されたJP改革実行委員会のモニタリングを受けながら、お客さまからの信頼回復に向けた改善策を実行してまいりました。

また、日本郵便株式会社において行われた一部のお客さまのご意向に沿っていない取引のうち、法令違反が認められた株式会社かんぽ生命保険の保険商品と当行グループの投資信託の横断的な販売について、契約無効措置等のお客さま対応を実施するとともに、日本郵政グループとして商品横断的なデータモニタリングを行うなど、改善に向けた取組みを進めてまいりました。

しかしながら、かかる取組みが功を奏しない場合や、今後も法令違反等の不適切な事案が発生する等の場合には、日本郵政グループへの信頼の喪失等により、日本郵便株式会社が取り扱う当行グループの金融商品の販売が回復しない可能性があります。結果的に、当行が委託している投資信託の販売等に影響し、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

2021年4月6日に公表した長崎県内の郵便局における長期・高額な現金詐取事案や、2021年7月21日に公表した愛媛県内の郵便局における郵便局資金横領等事案、2022年1月20日に公表した山口県内の郵便局における貯金払戻金横領等事案を含め、郵便局において部内犯罪が発生している事態を受け、日本郵便株式会社及び日本郵政株式会社と連携し、発生原因の分析、再発防止策の検討等を行い、不祥事件の撲滅に向けてコンプライアンスの徹底・強化に取り組んでおります。また、2021年12月15日に公表した郵便局におけるお客さま情報の紛失に係る調査結果について、投資信託取引及び国債取引に関する金融商品仲介補助簿については、当該補助簿の電子化による再発防止策を実施したほか、当該補助簿以外の書類についても、紛失防止に向け、保存書類の削減、電子化(ペーパーレス化)を順次進めてまいります。しかしながら、かかる取組みが功を奏しない場合や、今後も法令違反等の不適正な事案が発覚する等の場合には、日本郵政グループの社会的信用に影響を与える可能性があり、今後、当行の金融商品の販売が低迷し、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当行は、上記の銀行代理業務の委託契約等に基づき、日本郵便株式会社の郵便局を商品・サービスの販売・提供のメインチャネルとし、相当額の委託手数料を日本郵便株式会社に対して支払っております(「4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)が、当該委託手数料の算定方法その他の条件が当行と日本郵便株式会社との間の合意により見直されたり、当該契約等が解除され代替委託先等を適時に確保できない場合、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、上記(10)①のとおり、日本郵便株式会社が当行との間で締結している銀行代理業務の委託契約等は、当行の主要な事業活動の前提となっております。当該契約は期限の定めのない契約ですが、解除に係る協議の申入れより6か月経過後の通知により解除できるものと定めております。2022年3月末日現在において、日本郵便株式会社から当該契約等の見直しや解除の申入れ等、契約の存続に支障をきたす要因は発生しておりませんが、当該要因が発生した場合には、当行の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② ユニバーサルサービスの提供に係るリスク

当行は、後記「4 経営上の重要な契約等 (1) 銀行窓口業務契約」に記載のとおり、日本郵便株式会社との間で銀行窓口業務契約を締結しており、同社は全国の郵便局で、当行の基本的な商品・サービスを、日本郵便株式会社法に基づくいわゆるユニバーサルサービス提供に係る法的責務の履行として提供しております。当行は、法令上この責務を直接負わないものの、郵便局で使用するATM・窓口端末機など銀行委託業務に係るITシステムの導入・運行コストとともに(なお、当該ITシステムは当行が所有)、同業務に従事する日本郵便株式会社の従業員の指導・教育等を通じ、ユニバーサルサービス提供に係る一定のコストを負担しております。

その結果、より収益性の高い業務や地域への経営資源配分が制約されること等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、銀行窓口業務契約は、期限の定めがなく、また、本契約に定める特段の事由が生じた場合等を除き、当事者の合意がない限り、解除できないものと定めております。また、当行の定款には、日本郵便株式会社と銀行窓口業務契約を締結する旨規定しているため、当該契約を終了させる場合には、定款の変更を要します。従って、当行が銀行窓口業務契約を終了させるためには、これらの手続等を充足させる必要があります。

一方、本契約が終了した場合にも、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行されました(下記「(参考) 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要」をご参照ください。)。これによって、2019年度から当行と日本郵便株式会社との間の委託手数料の一部が交付金・拠出金となりました。下記のとおり、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(以下「郵政管理・支援機構」)から日本郵便株式会社に交付される交付金の原資となる拠出金は、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構に関する省令に基づき、人件費、賃借料、工事費等の郵便局ネットワークの維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便株式会社が負担すべき額を除く。)から算出されており、郵政管理・支援機構が年度毎に算定しております。そのため、当行直営店での業務コストの増減にかかわらず、拠出金と委託手数料の合計額が将来的に増加する可能性があります。また、今後、このようなユニバーサルサービスの確保に関する政府の施策、法令や規制等の改正等があった場合、その内容によっては、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(参考) 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律の概要

2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行されました。これにより、2019年4月1日に独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構の名称が「独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」に変更され、また、郵政管理・支援機構の目的として、「郵便局ネットワークの維持の支援のための交付金を交付することにより、郵政事業に係る基本的な役務の提供の確保を図り、もって利用者の利便の確保及び国民生活の安定に寄与すること」が追加されました。

郵便局ネットワーク維持に要する費用は、従来、日本郵便株式会社と関連銀行・関連保険会社との間の契約に基づく委託手数料により賄われておりましたが、当該費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便株式会社が負担すべき額を除く。)は、本法に基づき、2019年度から、当行及び株式会社かんぽ生命保険からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われております。

当該ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用の算定方法は、直近の郵便局ネットワークの維持の状況を基礎とした次の費用の合計額です。

ア あまねく全国において郵便局でユニバーサルサービスが利用できるようにすることを確保するものとなるように郵便局ネットワークを最小限度の規模の郵便局により構成するものとした場合における人件費、賃借料、工事費その他の郵便局の維持に要する費用、現金の輸送及び管理に要する費用、並びに固定資産税及び事業所税

イ 簡易郵便局で郵政事業に係る基本的な役務が利用できるようにすることを確保するための最小限度の委託に要する費用

当該ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用及び交付金・拠出金の算定等に係る郵政管理・支援機構の事務経費は、郵便窓口業務、銀行窓口業務又は保険窓口業務において見込まれる利用者による郵便局ネットワークの利用の度合等に応じて按分され、銀行窓口業務に係る按分額を当行が拠出金として拠出しており、拠出金の額は郵政管理・支援機構が年度毎に算定し、総務大臣の認可を受けております。なお、2022年度に当行が支払う拠出金の額は2,307億円です。

また、2019年度から、郵便局ネットワークの維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便株式会社が負担すべき額を除く。)は、当行及び株式会社かんぽ生命保険からの拠出金を原資として郵政管理・支援機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われているため、当行が業務委託契約等に基づいて日本郵便株式会社に支払っている委託手数料についても見直しを行っております(「4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。)。

 

(13) その他のリスク

① 自己資本比率等に係るリスク

当行は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に基づき、自己資本比率の規制比率(4%以上)を維持する必要があります。2022年3月末日現在、当行の連結自己資本比率は15.56%となっており、規制比率に比べ高い水準を確保しておりますが、運用の高度化・多様化により、自己資本比率が低下傾向にあることに加え、業績・財政状態や運用ポートフォリオの変動、比率の算出方法、バーゼル銀行監督委員会の議論(信用リスクの標準的手法の見直し等)の結果を受けた規制の新設・変更等により、当行の自己資本比率が低下したり、新たな規制等への対応が必要となる可能性があります。当行の自己資本比率等が規制比率を満たさない場合には、当局から業務の縮小・停止等の行政上の措置が課されること等により、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当行は、金利リスク状況のモニタリングの一環として、当局による「主要行等向けの総合的な監督指針(以下「監督指針」)」において定められた重要性テストの過程で用いられる手法に基づき、金利変動による資産・負債の経済価値の減少額(以下「ΔEVE」)を計測しております。今後、当行のΔEVEの最大値が重要性テストにおける評価基準である自己資本の額の20%を超え、当局から深度ある対話を行う必要が認められる銀行と判断される場合には、対話を通じて共有された課題認識に基づき、原因への対応も含めて必要な改善対応を求められる可能性があります。なお、仮に当該改善計画を確実に実行させる必要があると当局から判断された場合、当局から行政上の措置が課される可能性があります。

重要性テストの適用については、監督指針において、「ゆうちょ銀行は、法令上、一部の資産について国債等の安全資産の保有が義務付けられているため、(重要性テストに該当する場合の)監督上の対応をするにあたっては、当該特殊事情を適切に勘案することとする。」とされております。

また、国際的な金融規制の流れを考慮し、内部管理として、国際統一基準行目線での管理も行っております。

② LIBOR等の指標金利に関するリスク

当行は、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)等の指標金利を参照する金融商品を保有しており、更に当該指標金利は、当行内における金融商品の評価等においても利用されております。

2014年7月に、金融安定理事会が、金利指標の改革及び代替金利指標としてリスク・フリー・レートの構築を提言し、また、2017年7月には、LIBORを規制する英国の金融行動監視機構(FCA)長官が、2021年末以降はLIBOR公表継続のためにパネル銀行にレート呈示を強制する権限を行使しない旨表明しており、2021年末以降のLIBORの公表には不確実性があるとされていましたが、2021年3月5日、LIBOR運営機関(IBA)が、米ドルの一部テナーを除き、2021年12月末をもってLIBORの公表を停止する旨を公表し、同公表のとおり、LIBORは公表停止となりました(米ドルの一部テナーは、2023年6月末まで公表継続予定)。

当行では、代替金利指標への移行に対する対応を進め、2021年12月末のLIBOR公表停止に向けた対応を実施しました。ただし、2023年6月末に予定されている米ドルLIBORの一部テナーの公表停止に関して、後継指標に関する市場慣行等、未確定事項が残存しており、参照金利や評価方法の変更等により、指標金利を参照する当行の金融資産につき損失が発生し、また、システム開発が必要になること等に伴う費用の増加等の要因により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 財務報告に係る内部統制に関するリスク

当行グループは、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その結果を記載した内部統制報告書の提出及び監査人による監査を受けることが義務付けられております。

当行グループは、財務報告の信頼性を確保するため、財務報告に係る内部統制の評価及び報告に関する規程等を制定し、財務報告に係る内部統制について必要な体制を整備しております。また、評価の過程で発見された問題点等は速やかに改善するべく努力しております。しかしながら、財務報告に係る内部統制が有効でない場合には、当行グループの財務報告の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。

④ 管理会計等に係る内部管理に関するリスク

本書には、日本の会計基準によらず外部監査を受けていない管理会計等に基づく数値・分析等が、含まれております。当行は、これらについても内部管理の体制を整備しておりますが、有効でない場合には、数値等の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 退職給付債務に係るリスク

当行グループの退職給付費用及び債務は、将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる等の場合、退職給付費用及び債務が増加又は追加的負担が発生する可能性があります。その結果、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 人材確保に係るリスク

当行グループは、安定した事務遂行と高い専門性を必要とする業務を行っており、営業・市場運用・ALM・リスク管理・システム開発・DX・サイバーセキュリティ・財務・コンプライアンス等の分野において有能で熟練した人材が必要とされます。そのため、専門人材の採用や、各種研修等を通じて人材育成を行っておりますが、当行グループは、他の金融機関等と競争状況に置かれているため、有能な人材を採用し定着・育成することができず、当該専門分野を中心に人材確保に支障をきたした場合には、事業の競争力、業務運営の効率性等が損なわれ、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、上記分野等の要員に係る採用、報酬等の処遇、育成に注力しても、十分なスキルを持った従業員を育成・定着させることができない可能性や、経営幹部を採用・定着させられない可能性があり、これらの場合には、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 業務提携・外部委託等に伴うリスク

当行グループは、業務の提携、運用・事務・システム開発等の外部委託等を行っております。当行グループが期待していたとおりの成果や利益を達成できない場合や、業務提携先や当行グループの関係会社・日本郵政グループ各社を含む委託先等で、業務遂行の問題が生じ商品・サービスの提供等に支障をきたしたり、お客さまの情報等の重要な情報漏えい等の違法行為が発生した場合、また、提携・委託等が解消され適切な代替委託先等を適時に確保できない場合等において、当行グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 他の金融機関等の信用力の悪化等に係るリスク

当行グループは、国内の銀行、証券会社、保険会社等の金融機関と取引を行っておりますが、取引先や他の金融機関の業績や財政状態の悪化により信用力等に問題が生じた場合、当行グループが当該金融機関との取引で損失を被ったり、政府が当該金融機関の資本増強や収益回復等のために規制・資金調達・税務等に係る救済措置を講じ、預金保険料等が増加したり、競争上の不利益を被ること等により、当行グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑨ 東京証券取引所におけるプライム市場上場維持に係るリスク

2022年4月に実施された東京証券取引所の市場区分見直しに際し、当行はプライム市場の上場維持基準のうち、「流通株式比率35%以上」に適合しておりませんが、2021年11月12日に「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」等を提出・開示し、経過措置の適用を受けることで、2022年4月4日、プライム市場へ移行しました。当分の間、経過措置の適用対象となる結果、当該期間中はプライム市場への上場が維持されますが、当該期間中においては、当該計画書に記載の事項を遵守し、適切に進捗させる必要があります。

なお、当該計画の適切な実行については、各種のリスクによりその実施が困難となり、又は有効でなくなる可能性がある等、不確実性を伴い、また仮に当該計画の遵守ができない場合には、上場維持が認められなくなる可能性があります。

また、JPビジョン2025(日本郵政グループ中期経営計画)において、日本郵政株式会社は当該経営計画期間中のできる限り早期に、当行株式の保有割合を50%以下とする方針を発表しており、当行としても当該方針に沿って民営化プロセスを着実に推進してまいります。日本郵政株式会社の当行株式保有割合が低下した場合、当行の流通株式比率向上に寄与することが期待されますが、その過程において、当行株式の追加的な売却が行われ、又はかかる売却により市場で流通する当行の株式数が増え需給が悪化するとの認識が市場で広まった場合には、当行株式の流動性・株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。

 

※2022年4月26日、東京証券取引所は、上場会社の企業価値向上に向けた取組みや経過措置の取扱い等について、同社に対して助言を行うことを目的とした有識者会議の設置を公表しました。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。当行の連結財務諸表と個別財務諸表の差は僅少であるため、経営成績及び財政状態の状況に関する分析・検討内容の一部については、当行単体のものを記載しております。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、明示がある場合又は文脈上明らかな場合を除き、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

また、当行グループは、銀行業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(1) 事業の概況

当行グループは、2021年度から2025年度を計画期間とする新たな中期経営計画をスタートしました。経営環境が大きく変化するなか、「社会と地域の発展に貢献する」というパーパス(社会的存在意義)と、「最も身近で信頼される銀行を目指す」という経営理念に立ち返り、当行グループが果たすべき3つのミッション(社会的使命)を明確化しました。

当行グループは、約24,000の郵便局ネットワークを通じて、幅広いお客さまに、各種金融サービスをあまねく提供しており、3つのミッションには、SDGsの基本理念でもある「誰一人取り残さない」という考えが貫かれています。

 

当行グループのパーパス・経営理念・ミッション


 

中期経営計画では、3つのミッションを果たすため、「信頼を深め、金融革新に挑戦」というスローガンの下、ビジネスモデルを変革するとともに、事業のサステナビリティを強化し、企業価値向上と社会課題解決の両立を図る経営(ESG経営)を目指しています。ESG経営推進に向け、5つの重点戦略を策定しており、2021年度はこれらの戦略に基づく諸施策を着実に推進しました。

また、過年度に発生したキャッシュレス決済サービスにおける不正利用事案等を受け、内部統制システムの改善に向けた取組みを進めました。お客さまにより安心・安全にサービスをご利用いただけるよう、「お客さま本位の業務運営」に一層努めてまいります。

なお、当行は、株式会社東京証券取引所の市場区分見直しに関して、「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を2021年11月に提出し、経過措置適用の上(流通株式比率について基準未達成)、2022年4月よりプライム市場へ移行しました。

 

 

中期経営計画(2021年度~2025年度)の基本方針と5つの重点戦略


 

(リアルとデジタルの相互補完による新しいリテールビジネスへの変革)

デジタルサービス戦略の展開

安心・安全を最優先に、すべてのお客さまが利用しやすいデジタルサービスの拡充に努めました。

スマートフォンを使っていつでも現在高や入出金明細を確認できる「ゆうちょ通帳アプリ」について、より便利にサービスをご利用いただけるよう、投資信託の取引や口座の住所変更、送金等の機能を追加しました。通帳アプリの登録口座数は2022年3月末時点で481万口座となり、順調に利用を拡大しております。

また、「ゆうちょ通帳アプリ」をはじめ、「ゆうちょダイレクト(インターネットバンキングサービス)」や、「ゆうちょPay(スマートフォン向け決済サービス)」の本人確認機能としてご利用いただける「ゆうちょ認証アプリ」について、eKYC機能(注1)を追加するなど、セキュリティ強化に取り組みました。

 

(注) .Electric Know Your Customerの略。オンラインによる本人確認

 

資産形成サポートビジネスの推進

お客さま本位の業務運営の下、対面チャネルとデジタルチャネルの双方でお客さまニーズに応じたサービスの充実に努めました。

対面チャネルにおいて、お客さま一人ひとりにあった資産形成のご相談に応じるべく、社員の更なる育成に努めたほか、スマートフォンやパソコンを使って、ご自宅等にいながら当行直営店社員に相談いただける「オンライン相談」を開始しました。

また、大和証券グループとの間で協業の検討を進めていた「投資一任サービス(注2)」について、サービス開始に向け郵政民営化法に基づく認可申請を行い、2022年3月に認可を取得しました。

デジタルチャネルにおいては、これまで以上に資産形成を行いやすい環境をご提供するため、2022年1月からデジタルチャネルでのすべての投資信託の購入時手数料を無料としました。

 

(注) 2.投資一任契約に基づき、投資運用業者がお客さまから投資判断の全部又は一部を一任されるとともに、当該投資判断に基づきお客さまのための投資を行うに必要な売買・管理等までを行うサービス

 

新規ビジネスの推進

お客さまの長い人生をサポートする新サービスや、利便性をより高める新サービスを展開しました。

具体的には、2021年5月より、お客さまの急な出費や一時的な資金ニーズに対応する口座貸越サービスや、個人向け住宅融資業務(フラット35)の取扱いを開始したほか、2021年12月より、楽天カード株式会社と連携し、「楽天カードゆうちょ銀行デザイン」の取扱いを開始しました。

 

 

(デジタル技術を活用した業務改革・生産性向上)

通帳繰越機能付ATMの配備推進や、一部の直営店での窓口タブレット先行導入、通帳アプリの機能拡充等、お客さまの取引チャネルの選択肢を拡充しながら、窓口業務の効率化に取り組みました。

また、貯金事務センターにおいては、行政機関からの預貯金等照会業務の電子化の開始や、一部の貯金事務センターでのBPMS(注3)の先行導入等、業務の自動化を推進しました。

更に、電話照会事務を行うパートナーセンターにおいて、電話応対に係るAIシステムを導入し、事務効率化を図りました。

これらの取組みを通じ、直営店や貯金事務センター等の業務量を削減する一方、強化分野へ人員をシフトし、生産性の向上を図りました。

 

(注) Business Process Management Systemの略。RPAを自動で起動し、人による確認作業等を要求するなど、業務フローをシステム的に制御し、自動的に工程管理を行うシステム

 

(多様な枠組みによる地域への資金循環と地域リレーション機能の強化)

お客さまからお預かりした大切な資金を地域に循環するため、地域活性化ファンドへの参加を新たに7件(累計39件)行いました。また、連結子会社のJPインベストメント株式会社を通じて、地域活性化やSDGsへの貢献を目的とした新たなファンドの設立に向けて準備を進めました。

更に、再生可能エネルギーファンドの設立や事業運営を行う「Zエナジー株式会社」及び当該会社が設立した「カーボンニュートラルファンド1号」に出資を行いました。

また、地域金融機関とのATM連携や、税公金取りまとめ事務の共同化を推進する等、「地域の金融プラットフォーム」として各地域の実情に応じた金融ニーズに応える取組みを行いました。

 

(ストレス耐性を意識した市場運用・リスク管理の深化)

国内の低金利環境が継続する等、厳しい運用環境の中、リスク対比リターンやストレス耐性の強化を意識しつつ、投資適格領域を中心にリスク性資産残高を2022年3月末時点で94.9兆円まで拡大しました。リスク性資産のうち、戦略投資領域(注4)については、優良な案件への選別的な投資に努め、残高を6.4兆円まで積み上げました。

また、ストレス・テストの高度化やモニタリングの強化を着実に推進し、リスク管理の一層の深化を図りました。

更に、中期経営計画において、自己資本比率(国内基準)に加え、CET1比率(国際統一基準)の平時に最低限確保すべき水準を設定しました。

 

(注) 4.プライベートエクイティファンド(成長が見込まれる未上場企業等へ投資するファンド)、不動産ファンド等からなる戦略的な投資領域

 

(一層信頼される銀行となるための経営基盤の強化)

組織風土改革

お客さま本位の業務運営の更なる浸透に向け、直営店の業績評価等にお客さま本位の営業プロセスを反映させる仕組みを新たに導入しました。

また、社員の声(意見・要望等)が直接、代表執行役社長に届き、当該社員へ回答を開示する「社長直通意見箱」を一層活用し、社員の声を各種改善に活かす取組みを推進しました。

 

内部管理態勢の強化

郵便局長等による部内犯罪や郵便局におけるお客さま情報の漏洩・紛失事案が発生している事態を深刻に受け止めており、日本郵便株式会社及び日本郵政株式会社と連携し、発生原因の分析、再発防止策の策定・実行等、コンプライアンスの徹底・強化に取り組んでいます。

国際的な責務であるマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策については、お客さま情報の取得の推進や新システム構築に向けた準備など態勢強化に取り組みました。

 

加えて、「リスク管理委員会」の下部組織として、新商品・サービスの導入時や導入後の審査態勢の強化を目的とした「新商品・サービス検討小委員会」や、システムセキュリティやシステムリスクについて関係部で議論・共有する「システムリスク小委員会」を新たに設置・運営する等、リスクマネジメント態勢の強化を図りました。

更に、複雑・巧妙化するサイバー攻撃への対応として、国際基準に則り策定したアクションプランを着実に実行し、サイバーセキュリティ態勢の強化を図りました。

 

(ESG経営の推進)

人口減少、超高齢化社会の進行、地域経済の縮小、デジタル革命の進展、コロナ禍を受けた新しい生活様式の浸透、気候変動問題の深刻化など、社会環境・社会課題は大きく変化しています。

当行グループは、企業価値向上と社会課題解決の両立を通じてサステナブルな(持続性のある)経営の実現を目指す「ESG経営」の推進を、経営の最重要施策の1つと位置づけております。ステークホルダーにとっての重要性と、事業活動によるインパクトの2つの側面から、社会課題のうち特に取り組むべき重点課題(マテリアリティ)を4つ設定しており、持続可能な社会の実現に向け、その解決に取り組んでいます。

 

当行グループが定めた4つのマテリアリティ


 

4つの重点課題のうち、「日本全国あまねく誰にでも「安心・安全」な金融サービスを提供」と「地域経済発展への貢献」については、前述のとおり、リアルとデジタルの相互補完によるリテールサービスの充実や、多様な枠組みによる地域への資金循環等の取組みを推進しました。

「環境の負荷低減」に係る取組みとしては、使用電力の再生可能エネルギー化等に取り組むとともに、ESGテーマ型投資(注5)残高の積上げや、投資先との建設的な対話等、社会全体の環境負荷低減にも努めました。2022年3月には、2050年までに当行グループ及び投融資先のGHG(温室効果ガス)排出量のネットゼロ達成を目指す「ゆうちょ銀行 GHG排出量ネットゼロ宣言」を発表しました。

また、「働き方改革・ガバナンス高度化の推進」については、女性管理職比率の向上、男性育児休業取得率100%達成等によるダイバーシティ・マネジメントの推進、キャリアチャレンジ制度(社内公募)の募集コース拡大等による社員の自発的なキャリア形成促進、デジタルサービスや市場運用業務等の強化・成長分野での人材育成を推進しました。更に、テレワーク環境やフレックスタイム制の更なる推進等による職場環境整備にも取り組みました。

加えて、独立社外取締役が独立した客観的な立場に基づき、当行グループの経営上重要な課題及びガバナンスに関する重要な事項について、情報交換・認識共有することを目的とした「独立社外取締役会議」を設置する等、ガバナンスの高度化に取り組みました。

 

(注) 5.ESG債(グリーン債、ソーシャル債(パンデミック債含む。)、サステナビリティ債)、再生可能エネルギーセクター向け与信、地域活性化ファンド等

 

 

(中期経営計画の財務目標における当連結会計年度の実績)

中期経営計画において、財務目標として掲げている項目の当連結会計年度の実績は、下表のとおりとなりました。

 

当連結会計年度

(参考)前連結会計年度

収益性

連結当期純利益(当行帰属分)

3,550億円

2,801億円

ROE(株主資本ベース)(注6)

3.80%

3.06%

効率性

OHR(金銭の信託運用損益等を含むベース)(注7)

67.52%

72.34%

営業経費(2020年度対比)

△279億円

健全性

自己資本比率(国内基準)(注8)

15.56%

15.53%

CET1(普通株式等Tier1)比率

(国際統一基準)(注9)

14.23%

14.09%

 

(注) 6.ROE(株主資本ベース)は、連結当期純利益(当行帰属分)÷((当期首株主資本+当期末株主資本)÷2)で算出しております。

7.OHRは、経費÷(資金収支等+役務取引等利益)で算出しております。資金収支等とは、資金運用に係る収益から資金調達に係る費用を除いたもの(売却損益等を含む。)です。なお、当行は相応の規模で金銭の信託を活用した有価証券等運用を行っていることを踏まえ、金銭の信託に係る運用損益も分母に含めたOHRを指標として設定しております。

8.自己資本比率(国内基準)は、自己資本の額÷リスク・アセット等で算出しております(なお、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移」に記載の自己資本比率とは、算出方法が異なります。)。

9.CET1(普通株式等Tier1)比率(国際統一基準)は、国際統一基準(バーゼルⅢ)に従い、CET1資本÷リスク・アセット等で算出しております(ただし、一部計算項目を簡便的に算出しております。)。なお、CET1資本とは、最も損失吸収力の高い資本である普通株式等Tier1(普通株式、内部留保等)をいい、リスク・アセット等とは、資産の各項目にそれぞれのリスク・ウェイトを乗じて得た額の合計額(信用リスク)、資産の市場変動リスク相当額(マーケット・リスク)及び種々の事故リスク相当額(オペレーショナル・リスク)の和をいいます。当行は国内基準行であるものの、国際分散投資拡大に伴う、国際金融システム上の重要性の増加等を踏まえ、国際統一基準であるCET1比率(その他有価証券評価益除くベース)も目標項目として設定しております。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の連結粗利益は、前連結会計年度比271億円減少1兆2,920億円となりました。このうち、資金利益は、外債投資信託やプライベートエクイティファンドの収益増加を主因に、前連結会計年度比1,854億円の増加となりました。外債投資信託の収益増加は、海外のクレジットスプレッドが概ね第3四半期までの間は低位で推移する中、収益認識できない特別分配金の減少、投資信託の解約益の増加、投資信託内債券の早期償還に伴う償還益の増加、外貨調達コストの減少等によるものです。プライベートエクイティファンドの収益増加は、一部の投資先企業の企業価値が向上し、その売却が進展したこと等によるものです。役務取引等利益は、投資信託関連手数料が減少した一方、ATM関連手数料が増加したこと等により、前連結会計年度比5億円の増加となりました。その他業務利益は、外国債券の償還時為替差益の減少を主因に、前連結会計年度比2,131億円の減少となりました。

経費は、日本郵便株式会社への委託手数料の減少や、支払消費税の計算方法見直しに伴う税金の減少等により、前連結会計年度比282億円減少9,832億円となりました。

連結業務純益は、前連結会計年度比10億円増加3,087億円となりました。

臨時損益は、プライベートエクイティファンドや不動産ファンドに係る収益の増加等により、前連結会計年度比955億円増加1,821億円となりました。

経常利益は、前連結会計年度比966億円増加4,908億円となりました。通期業績予想の経常利益4,850億円に対し、達成率は101.2%となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、3,550億円と前連結会計年度比749億円の増益となり、通期業績予想の親会社株主に帰属する当期純利益3,500億円に対する達成率は101.4%となりました。

なお、「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

 

前連結会計年度
(百万円)(A)

当連結会計年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

連結粗利益

1,319,136

1,292,028

△27,108

 資金利益

961,997

1,147,487

185,489

 役務取引等利益

127,942

128,471

528

 その他業務利益

229,195

16,069

△213,126

  うち外国為替売買損益

254,662

79,059

△175,603

  うち国債等債券損益

△25,980

△63,245

△37,265

経費(除く臨時処理分)

△1,011,444

△983,240

28,204

人件費

△120,422

△118,166

2,255

物件費

△834,392

△819,979

14,413

税金

△56,629

△45,094

11,535

連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前)

307,691

308,787

1,096

一般貸倒引当金繰入額

△10

△10

連結業務純益

307,691

308,777

1,085

臨時損益

86,530

182,113

95,583

うち株式等関係損益

△188,480

△126,340

62,139

うち金銭の信託運用損益

272,749

286,671

13,922

経常利益

394,221

490,891

96,669

特別損益

△1,566

5,682

7,249

固定資産処分損益

△560

5,698

6,258

減損損失

△1,006

△15

990

税金等調整前当期純利益

392,654

496,574

103,919

法人税、住民税及び事業税

△124,350

△104,430

19,920

法人税等調整額

11,225

△37,917

△49,143

法人税等合計

△113,124

△142,348

△29,223

当期純利益

279,529

354,225

74,696

非支配株主に帰属する当期純損失

600

844

244

親会社株主に帰属する当期純利益

280,130

355,070

74,940

 

 

(注) 1.連結業務純益=連結粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額

2.臨時損益とは、連結損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。

3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。

4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却

5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却

6.金額が損失又は費用には△を付しております(非支配株主に帰属する当期純損失を除く。)。

 

 

① 損益の概要(単体)

当事業年度の業務粗利益は、前事業年度比281億円減少1兆2,908億円となりました。このうち、資金利益は、外債投資信託やプライベートエクイティファンドの収益増加を主因に、前事業年度比1,856億円の増加となりました。外債投資信託の収益増加は、海外のクレジットスプレッドが概ね第3四半期までの間は低位で推移する中、収益認識できない特別分配金の減少、投資信託の解約益の増加、投資信託内債券の早期償還に伴う償還益の増加、外貨調達コストの減少等によるものです。プライベートエクイティファンドの収益増加は、一部の投資先企業の企業価値が向上し、その売却が進展したこと等によるものです。役務取引等利益は、ATM関連手数料が増加した一方、投資信託関連手数料の減少や、当事業年度にサービスを開始した口座貸越サービス関連費用の計上等により、前事業年度比5億円の減少となりました。その他業務利益は、外国債券の償還時為替差益の減少を主因に、前事業年度比2,132億円の減少となりました。

経費は、日本郵便株式会社への委託手数料の減少や、支払消費税の計算方法見直しに伴う税金の減少等により、前事業年度比292億円減少9,809億円となりました。

業務純益は、前事業年度比10億円増加3,099億円となりました。

臨時損益は、プライベートエクイティファンドや不動産ファンドに係る収益の増加等により、前事業年度比960億円増加1,815億円となりました。

経常利益は、前事業年度比971億円増加4,914億円となりました。

この結果、当期純利益は3,549億円、前事業年度比751億円の増益となりました。

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

業務粗利益

1,319,027

1,290,865

△28,162

 資金利益

961,884

1,147,500

185,616

 役務取引等利益

127,943

127,400

△543

 その他業務利益

229,200

15,964

△213,235

  うち外国為替売買損益

254,666

78,954

△175,712

  うち国債等債券損益

△25,980

△63,245

△37,265

経費(除く臨時処理分)

△1,010,175

△980,906

29,269

人件費

△119,374

△116,943

2,431

物件費

△834,256

△819,027

15,228

税金

△56,544

△44,935

11,609

業務純益(一般貸倒引当金繰入前)

308,852

309,959

1,107

一般貸倒引当金繰入額

△9

△9

業務純益

308,852

309,949

1,097

臨時損益

85,473

181,509

96,036

うち株式等関係損益

△188,480

△125,583

62,896

うち金銭の信託運用損益

272,749

286,671

13,922

経常利益

394,325

491,459

97,134

特別損益

△1,564

5,682

7,246

固定資産処分損益

△557

5,698

6,256

減損損失

△1,006

△15

990

税引前当期純利益

392,760

497,141

104,380

法人税、住民税及び事業税

△124,123

△104,295

19,828

法人税等調整額

11,200

△37,901

△49,101

法人税等合計

△112,923

△142,196

△29,273

当期純利益

279,837

354,945

75,107

 

 

(注) 1.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額

2.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。

3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。

4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却

5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却

6.金額が損失又は費用には△を付しております。

 

(参考) 与信関係費用

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

与信関係費用

△23

△9

14

一般貸倒引当金繰入額

△23

△9

14

貸出金償却

個別貸倒引当金繰入額

償却債権取立益

 

(注) 1.金融再生法開示債権に係る費用を計上しております。

2.金額が損失又は費用には△を付しております。

 

② 国内・国際別の資金利益等(単体)

当行は、銀行業の単一セグメントであり、海外店や海外に本店を有する子会社(以下「海外子会社」)を有しておりませんが、円建の取引を「国内業務部門」、外貨建取引を「国際業務部門」に帰属させ(ただし、円建の対非居住者取引は「国際業務部門」に含む。)、各々の収益・費用を計上した結果、国内業務部門・国際業務部門別の資金利益等は次のとおりとなりました。

当事業年度は、国内業務部門においては、資金利益は、国内の低金利環境が継続する中、過去に投資した高利回りの日本国債の償還に伴う国債利息の減少を主因に4,022億円に減少、役務取引等利益は1,276億円、その他業務利益は△175億円となりました。

国際業務部門においては、外債投資信託やプライベートエクイティファンドの収益増加等により、外国証券利息が増加し、資金利益は7,452億円、役務取引等利益は△2億円となったほか、その他業務利益は、外国債券の償還時為替差益の減少を主因に334億円となりました。

この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金利益は1兆1,475億円、役務取引等利益は1,274億円、その他業務利益は159億円となりました。

 

イ.国内業務部門

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

資金利益

455,698

402,257

△53,440

資金運用収益

518,305

446,743

△71,561

うち国債利息

364,671

304,191

△60,479

資金調達費用

62,606

44,486

△18,120

役務取引等利益

127,875

127,631

△244

役務取引等収益

156,939

157,355

416

役務取引等費用

29,063

29,724

660

その他業務利益

△41,327

△17,525

23,801

その他業務収益

3,187

433

△2,754

その他業務費用

44,514

17,958

△26,556

 

 

 

ロ.国際業務部門

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

資金利益

506,185

745,243

239,057

資金運用収益

751,460

991,619

240,159

うち外国証券利息

750,955

991,228

240,273

資金調達費用

245,274

246,376

1,101

役務取引等利益

67

△231

△298

役務取引等収益

436

354

△82

役務取引等費用

369

586

216

その他業務利益

270,527

33,490

△237,037

その他業務収益

290,497

87,044

△203,452

その他業務費用

19,969

53,554

33,585

 

 

ハ.合計

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

資金利益

961,884

1,147,500

185,616

資金運用収益

1,198,278

1,369,747

171,469

資金調達費用

236,393

222,246

△14,147

役務取引等利益

127,943

127,400

△543

役務取引等収益

157,376

157,710

334

役務取引等費用

29,433

30,310

877

その他業務利益

229,200

15,964

△213,235

その他業務収益

293,684

87,477

△206,206

その他業務費用

64,484

71,513

7,029

 

(注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前事業年度4,760百万円、当事業年度4,404百万円)を控除しております。

2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額は下表のとおりであります。

 

前事業年度
(百万円)

当事業年度
(百万円)

国内業務部門・資金運用収益

71,487

68,616

国際業務部門・資金調達費用

71,487

68,616

 

 

③ 国内・国際別資金運用/調達の状況(単体)

当事業年度の資金運用勘定の平均残高は217兆3,611億円、利回りは0.63%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は209兆9,361億円、利回りは0.10%となりました。

国内・国際別に見ますと、国内業務部門の資金運用勘定の平均残高は211兆3,420億円、利回りは0.21%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は204兆5,294億円、利回りは0.02%となりました。

国際業務部門の資金運用勘定の平均残高は70兆8,346億円、利回りは1.39%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は70兆2,221億円、利回りは0.35%となりました。

 

イ.国内業務部門

種類

前事業年度

当事業年度

増減

平均残高

利息

利回り

平均残高

利息

利回り

利回り

(百万円)
 

(百万円)
 

(%)
(A)

(百万円)
 

(百万円)
 

(%)
(B)

(%)
(B)-(A)

資金運用勘定

204,928,217

518,305

0.25

211,342,025

446,743

0.21

△0.04

うち貸出金

5,888,523

10,060

0.17

4,620,369

10,120

0.21

0.04

うち有価証券

70,330,066

410,942

0.58

69,451,545

341,824

0.49

△0.09

うち預け金等

56,799,558

29,230

0.05

60,361,005

29,872

0.04

△0.00

資金調達勘定

197,783,193

62,606

0.03

204,529,496

44,486

0.02

△0.00

うち貯金

188,043,501

38,323

0.02

192,386,838

20,984

0.01

△0.00

うち債券貸借取引受入担保金

155,875

155

0.09

17,507

17

0.09

0.00

 

(注) 1.「国内業務部門」は円建取引であります。

2.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度3,107,611百万円、当事業年度2,629,573百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度3,107,611百万円、当事業年度2,629,573百万円)及び利息(前事業年度1,147百万円、当事業年度△967百万円)を控除しております。

3.預け金等は、譲渡性預け金、日銀預け金、コールローン、買入金銭債権であります。「ロ.国際業務部門」「ハ.合計」においても同様であります。

4.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「ロ.国際業務部門」「ハ.合計」においても同様であります。

 

ロ.国際業務部門

種類

前事業年度

当事業年度

増減

平均残高

利息

利回り

平均残高

利息

利回り

利回り

(百万円)
 

(百万円)
 

(%)
(A)

(百万円)
 

(百万円)
 

(%)
(B)

(%)
(B)-(A)

資金運用勘定

67,100,563

751,460

1.11

70,834,616

991,619

1.39

0.28

うち貸出金

23,763

125

0.52

26,122

137

0.52

△0.00

うち有価証券

66,938,098

750,955

1.12

70,670,623

991,228

1.40

0.28

うち預け金等

資金調達勘定

67,508,045

245,274

0.36

70,222,165

246,376

0.35

△0.01

うち債券貸借取引受入担保金

1,482,339

6,752

0.45

1,458,983

2,579

0.17

△0.27

 

(注) 1.「国際業務部門」は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引については、「国際業務部門」に含めております。

2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。

3.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度994,585百万円、当事業年度1,531,380百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度994,585百万円、当事業年度1,531,380百万円)及び利息(前事業年度3,613百万円、当事業年度5,372百万円)を控除しております。 

 

ハ.合計

種類

前事業年度

当事業年度

増減

平均残高

利息

利回り

平均残高

利息

利回り

利回り

(百万円)
 

(百万円)
 

(%)
(A)

(百万円)
 

(百万円)
 

(%)
(B)

(%)

(B)-(A)

資金運用勘定

210,430,410

1,198,278

0.56

217,361,148

1,369,747

0.63

0.06

うち貸出金

5,912,287

10,186

0.17

4,646,492

10,257

0.22

0.04

うち有価証券

137,268,164

1,161,897

0.84

140,122,168

1,333,053

0.95

0.10

うち預け金等

56,799,558

29,230

0.05

60,361,005

29,872

0.04

△0.00

資金調達勘定

203,692,867

236,393

0.11

209,936,168

222,246

0.10

△0.01

うち貯金

188,043,501

38,323

0.02

192,386,838

20,984

0.01

△0.00

うち債券貸借取引受入担保金

1,638,214

6,908

0.42

1,476,490

2,597

0.17

△0.24

 

(注) 1.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度4,102,197百万円、当事業年度4,160,954百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度4,102,197百万円、当事業年度4,160,954百万円)及び利息(前事業年度4,760百万円、当事業年度4,404百万円)を控除しております。

2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額は下表のとおりであります。

 

前事業年度

当事業年度

平均残高

(百万円)

利息

(百万円)

平均残高

(百万円)

利息

(百万円)

国内業務部門・資金運用勘定

61,598,371

71,487

64,815,494

68,616

国際業務部門・資金調達勘定

61,598,371

71,487

64,815,494

68,616

 

 

 

④ 役務取引等利益の状況(単体)

当事業年度の役務取引等利益は、2022年1月の料金改定の影響等によりATМ関連手数料が増加した一方、投資信託関連手数料の減少や、当事業年度にサービスを開始した口座貸越サービス関連費用の計上等により、前事業年度比5億円減少1,274億円となりました。

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

役務取引等利益

127,943

127,400

△543

為替・決済関連手数料

83,425

83,722

296

ATM関連手数料

20,152

22,776

2,624

投資信託関連手数料

14,654

13,666

△988

その他

9,710

7,234

△2,476

 

 

(参考) 投資信託の取扱状況(約定ベース)

 

前事業年度
(百万円)(A)

当事業年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

販売金額

262,912

200,433

△62,478

純資産残高

2,565,801

2,595,536

29,734

 

 

 

(3) 財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は、有価証券等の運用資産の増加を主因に、前連結会計年度末比9兆838億円増加232兆9,544億円となりました。主要勘定については、有価証券は前連結会計年度末比1兆3,731億円増加139兆5,773億円、貸出金は前連結会計年度末比2,497億円減少4兆4,419億円となりました。貯金残高は、通常貯金等の残高増加を主因に、前連結会計年度末比3兆8,500億円増加193兆4,386億円となりました。

株主資本は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び配当金の支払により、前連結会計年度末比1,675億円増加しました。その他の包括利益累計額は、第4四半期以降の内外金利の上昇及び海外のクレジットスプレッド拡大等に伴い、前連結会計年度末比1兆2,674億円減少し、純資産は10兆3,022億円となりました。

なお、2021年8月30日開催の取締役会決議に基づき、2021年9月15日付で自己株式750,454,980株を消却したこと等により、資本剰余金は前連結会計年度末比7,965億円減少3兆5,000億円、利益剰余金は前連結会計年度末比3,358億円減少2兆4,143億円自己株式は前連結会計年度末比1兆2,999億円減少9億円となっております。

 

① 預金残高の状況(単体)

当事業年度末の貯金残高は前事業年度末比3兆8,484億円増加193兆4,419億円となりました。

○ 預金の種類別残高(末残・構成比)

種類

前事業年度

当事業年度

増減

金額(百万円)

(A)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)-(A)

預金合計

189,593,469

100.00

193,441,929

100.00

3,848,459

流動性預金

101,309,018

53.43

112,254,409

58.03

10,945,390

振替貯金

9,150,117

4.82

10,749,849

5.55

1,599,731

通常貯金等

91,546,309

48.28

100,805,356

52.11

9,259,046

貯蓄貯金

612,591

0.32

699,203

0.36

86,612

定期性預金

88,145,649

46.49

81,022,589

41.88

△7,123,060

定期貯金

4,709,291

2.48

4,352,435

2.24

△356,855

定額貯金

83,436,358

44.00

76,670,153

39.63

△6,766,204

その他の預金

138,801

0.07

164,930

0.08

26,129

譲渡性預金

総合計

189,593,469

100.00

193,441,929

100.00

3,848,459

 

 

○ 預金の種類別残高(平残・構成比)

種類

前事業年度

当事業年度

増減

金額(百万円)

(A)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)-(A)

預金合計

188,043,501

100.00

192,386,838

100.00

4,343,336

流動性預金

96,053,067

51.08

107,384,771

55.81

11,331,703

振替貯金

8,686,730

4.61

10,025,532

5.21

1,338,802

通常貯金等

86,803,482

46.16

96,703,365

50.26

9,899,882

貯蓄貯金

562,854

0.29

655,873

0.34

93,018

定期性預金

91,763,655

48.79

84,779,519

44.06

△6,984,135

定期貯金

4,940,369

2.62

4,533,450

2.35

△406,918

定額貯金

86,823,285

46.17

80,246,068

41.71

△6,577,217

その他の預金

226,778

0.12

222,547

0.11

△4,230

譲渡性預金

総合計

188,043,501

100.00

192,386,838

100.00

4,343,336

 

 

(注) 1.通常貯金等=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)

2.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。

3.特別貯金(通常郵便貯金相当)は独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(以下「郵政管理・支援機構」)からの預り金のうち、同機構が日本郵政公社から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。

4. 上記の通常貯金、定期性預金は、「第1 企業の概況 3 事業の内容(参考) (2) 預入限度額」に記載の郵政民営化法における預入限度額規制上の区分とは異なります。

 

② 資産運用の状況(末残・構成比) (単体)

当事業年度末の運用資産のうち、国債は49.2兆円、その他の証券は74.1兆円となりました。

種類

前事業年度

当事業年度

増減

金額(百万円)

(A)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)-(A)

預け金等

60,667,097

27.50

66,622,875

29.00

5,955,778

コールローン

1,390,000

0.63

2,470,000

1.07

1,080,000

買現先勘定

9,721,360

4.40

9,861,753

4.29

140,392

金銭の信託

5,547,574

2.51

5,828,283

2.53

280,709

うち国内株式

2,261,772

1.02

2,024,619

0.88

△237,152

うち国内債券

1,545,190

0.70

1,406,103

0.61

△139,087

有価証券

138,183,264

62.64

139,549,103

60.75

1,365,838

国債

50,493,477

22.88

49,259,766

21.44

△1,233,711

地方債

5,493,814

2.49

5,580,874

2.42

87,060

短期社債

1,869,535

0.84

1,434,510

0.62

△435,024

社債

9,145,414

4.14

9,118,414

3.96

△26,999

株式

13,755

0.00

20,533

0.00

6,777

その他の証券

71,167,266

32.26

74,135,001

32.27

2,967,735

うち外国債券

23,505,116

10.65

24,509,689

10.67

1,004,573

うち投資信託

47,591,186

21.57

49,534,425

21.56

1,943,238

貸出金

4,691,723

2.12

4,441,967

1.93

△249,756

その他

394,410

0.17

920,646

0.40

526,235

合計

220,595,431

100.00

229,694,629

100.00

9,099,197

 

(注) 「預け金等」は譲渡性預け金、日銀預け金、買入金銭債権であります。

 

③ 評価損益の状況(末残)(単体)

当事業年度末の評価損益(その他目的)は、第4四半期以降の内外金利の上昇及び海外のクレジットスプレッドの拡大等に伴い、ヘッジ考慮後で、前事業年度末から1兆8,257億円減少し、1兆2,230億円(税効果前)となりました。

 

前事業年度(A)

当事業年度(B)

増減(B)-(A)

貸借対照表

計上額

評価損益

貸借対照表

計上額

評価損益

貸借対照表

計上額

評価損益

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(百万円)

満期保有目的の債券

25,178,079

238,178

23,069,257

△55,784

△2,108,821

△293,962

 

 

 

前事業年度(A)

当事業年度(B)

増減(B)-(A)

貸借対照表

計上額
/想定元本

評価損益
/ネット繰延

損益

貸借対照表

計上額
/想定元本

評価損益
/ネット繰延

損益

貸借対照表

計上額
/想定元本

評価損益
/ネット繰延

損益

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(百万円)

(百万円)

その他目的

118,940,510

3,586,863

122,720,450

2,002,106

3,779,939

△1,584,757

有価証券      ①

113,392,936

2,407,252

116,892,166

1,673,052

3,499,230

△734,199

国債

29,917,094

542,798

34,285,554

85,743

4,368,459

△457,054

外国債券

23,505,116

1,031,399

22,701,193

1,484,225

△803,922

452,826

投資信託

47,591,186

776,215

49,534,425

82,347

1,943,238

△693,868

その他

12,379,538

56,838

10,370,993

20,735

△2,008,545

△36,102

時価ヘッジ効果額 ②

△173,512

△852,922

△679,409

金銭の信託    ③

5,547,574

1,353,124

5,828,283

1,181,977

280,709

△171,147

国内株式

2,261,772

1,363,424

2,024,619

1,202,212

△237,152

△161,212

その他

3,285,801

△10,299

3,803,663

△20,234

517,862

△9,934

デリバティブ取引  ④

(繰延ヘッジ適用分)

16,210,065

△538,052

16,081,660

△779,085

△128,404

△241,032

評価損益合計

    ①+②+③+④

3,048,811

1,223,021

△1,825,789

 

(注)  「有価証券」には、有価証券のほか、現金預け金中の譲渡性預け金、買入金銭債権を含んでおります。

 

 

④ 業種別貸出金残高の状況(末残・構成比)(単体)

業種別

前事業年度

当事業年度

増減

金額(百万円)

(A)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)

構成比(%)

金額(百万円)

(B)-(A)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

4,666,152

100.00

4,415,145

100.00

△251,006

農業、林業、漁業、鉱業

製造業

81,669

1.75

92,847

2.10

11,178

電気・ガス等、情報通信業、運輸業

137,714

2.95

130,030

2.94

△7,684

卸売業、小売業

34,255

0.73

18,836

0.42

△15,418

金融・保険業

739,510

15.84

606,744

13.74

△132,765

建設業、不動産業

63,184

1.35

96,815

2.19

33,630

各種サービス業、物品賃貸業

84,214

1.80

81,943

1.85

△2,270

国、地方公共団体

3,428,219

73.46

3,304,344

74.84

△123,874

その他

97,383

2.08

83,582

1.89

△13,801

国際及び特別国際金融取引勘定分

25,571

100.00

26,821

100.00

1,250

政府等

その他

25,571

100.00

26,821

100.00

1,250

合計

4,691,723

4,441,967

△249,756

 

(注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。

2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。

3.「金融・保険業」のうち郵政管理・支援機構向け貸出金は、前事業年度末340,563百万円、当事業年度末246,483百万円であります。

 

(4) キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの状況については、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度比1兆7,658億円減少7兆6,653億円、投資活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度比1兆3,375億円減少△1兆5,855億円、財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度比1,025億円減少△1,816億円となりました。その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比5兆8,982億円増加66兆6,027億円となりました。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性

当面の設備投資及び株主還元などは自己資金で賄う予定であります。

また、当行グループは、正確な資金繰りの把握及び資金繰りの安定に努めるとともに、適切なリスク管理態勢の構築を図っております。有価証券等の運用については、大部分をお客さまからお預かりした貯金にて調達するとともに、必要に応じて外貨建てを中心に、売現先取引や債券貸借取引等による資金調達を行っております。

 

 (参考) ポートフォリオの状況

 

1.ポートフォリオの概要

 


 

 

当行は、ALM(資産・負債の総合管理)の枠組みとして7つのポートフォリオを設け、当行の内部規程に基づく管理会計により管理しております。上図は、その概要をイメージ図として重要性の観点から簡略化して記載しております。(なお、ALMとは、有価証券等の資産や貯金等の負債の金利・期間を把握し、将来の金利変動等を予測した上で、市場・信用・流動性等のリスクを管理しつつ、収益の確保を図る管理手法です。)

 

① 円金利ポートフォリオ(日本国債ポートフォリオを含む。)

主に円金利リスクを取得・管理するポートフォリオです。日本国債、政府保証債、短期運用資産等の運用サイドに加え、調達サイド(貯金等)も含めて、円金利リスクを管理します。

② 日本国債ポートフォリオ

円金利ポートフォリオの内、運用サイド(短期運用資産等を除く。)を特に日本国債ポートフォリオと呼びます。

③ クレジット・ポートフォリオ

主に信用リスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産には国内外の地方債、社債等が含まれます。

④ 外国国債ポートフォリオ

主に外貨金利リスク、為替変動リスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産には外国国債等が含まれます。

⑤ 株式ポートフォリオ

主に株価変動リスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産には株式及び株式関連デリバティブ等が含まれます。

⑥ オルタナティブ・ポートフォリオ

主にオルタナティブ資産に係るリスクを取得・管理するポートフォリオで、対象資産にはプライベートエクイティファンド、不動産ファンド等が含まれます。

⑦ ファイナンス・ポートフォリオ

主に貸付に係る信用リスクを取得・管理するポートフォリオで、地方公共団体向け貸付(郵政管理・支援機構向け貸出金を含む。)、法人向け貸付、地域活性化ファンド等への投資を実施します。

 

ポートフォリオ間の内部資金取引には、市場金利等をベースにした仕切りレートを、トランスファー・プライス(以下「TP」)として設定しております。

 

 

≪ポートフォリオ別資産の概要、期末残高≫                          (単位:億円)

 

2021年3月31日

2022年3月31日

円金利リスク資産(注1)

1,209,543

1,256,574

 

短期資産

669,423

732,233

国債・政府保証債

540,120

524,340

リスク性資産(注2)

911,207

949,607

 

地方債

54,938

55,808

社債等

75,342

74,965

外国証券等

682,131

698,651

貸出金

26,373

26,924

株式(金銭の信託)等

29,768

28,497

戦略投資領域(注3)

42,652

64,759

 

(注) 1.円金利ポートフォリオから調達サイド(貯金等)を除いたものとなります。

2.クレジット・ポートフォリオ、外国国債ポートフォリオ、株式ポートフォリオ、オルタナティブ・ポートフォリオ、ファイナンス・ポートフォリオの合計となります。

3.戦略投資領域は、オルタナティブ資産(プライベートエクイティファンド、不動産ファンド(エクイティ)等)、不動産ファンド(デット)、ダイレクトレンディングファンド、インフラデットファンド等であります。

 

2.ポートフォリオ別平残・損益の概要

  (単位:平残/兆円、損益/億円)

 

前事業年度

当事業年度

平残

損益

平残

損益

全体

204.0

3,889

215.0

4,759

 

円金利ポートフォリオ

116.1

△5,818

121.9

△5,803

 

 

顧客性調達・営業

△8,407

△8,784

 

 

運用等

2,588

2,981

 

リスク性資産

87.9

9,708

93.0

10,562

 

(注) ポートフォリオ別平残は、期首残高と期末残高の平均であります。

 

 

ポートフォリオ別損益は、以下により算出しており、各ポートフォリオの損益の合計は当行の経常利益に概ね一致します。

損益=資金収支等(資金運用に係る収益から資金調達に係る費用を除いたもの(売却損益等を含む))+役務取引等収支(役務取引等収益-役務取引等費用)-経費(損益計算書上の営業経費に相当)

 

資金収支等は、社外との実際の取引、社内の内部取引(TPを設定)を、各ポートフォリオに帰属させ、その収益・費用を計上しております。例えば、円金利ポートフォリオ(顧客性調達・営業)には、貯金で調達した資金を同期間の国債で運用した利鞘等を、リスク性資産には、国債レート(TP)の社内取引で調達した資金を同期間の社債等で運用した利鞘(信用スプレッド)等を、計上しております。

 

役務取引等に係る収益・費用は、大部分が為替・決済業務や投資信託販売手数料などサービス・商品販売に係る手数料とその費用であり、主に円金利ポートフォリオ(顧客性調達・営業)に計上しております。

 

経費は、以下により各ポートフォリオに帰属させていますが、そのほとんどは円金利ポートフォリオ(顧客性調達・営業)に計上しております。

① 各ポートフォリオに直接帰属させることが可能な経費

ア 特定のポートフォリオと関係の深い部署の経費は、当該ポートフォリオに賦課

イ 複数のポートフォリオと関係の深い部署の経費は、業務に従事する社員数等に応じて各ポートフォリオに配賦

② 各ポートフォリオに直接帰属させることができない経費

各ポートフォリオの業務に従事する社員数に応じて配賦

 

以上により算出したポートフォリオ別損益を概観しますと、国債等の歴史的な低金利の継続を反映して、円金利ポートフォリオ(顧客性調達・営業)がALM部署から受取るTP収益が低下する一方、貯金調達レートの低下余地は限定的で、当行全体の経費のほとんどが賦課されることから、円金利ポートフォリオの損益は赤字となっております。しかし、国内金利が平常化していく局面では、基本的には収益の回復が期待されます(詳細は、「2 事業等のリスク (2) 市場リスク ① 金利リスク」をご参照ください。)。一方、外国証券等に運用を拡大・多様化してきたリスク性資産の収益は増加してきており、歴史的低金利の下で、ポートフォリオ全体の収益確保に貢献しております。

 

 

(自己資本比率の状況)

 

(参考)

自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。

なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。

 

 連結自己資本比率(国内基準)

(単位:億円、%)

 

2022年3月31日

1.連結自己資本比率(2/3)

15.56

2.連結における自己資本の額

91,993

3.リスク・アセット等の額

591,060

4.連結総所要自己資本額

23,642

 

(注) 連結総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。

 

 単体自己資本比率(国内基準)

(単位:億円、%)

 

2022年3月31日

1.単体自己資本比率(2/3)

15.54

2.単体における自己資本の額

91,880

3.リスク・アセット等の額

590,895

4.単体総所要自己資本額

23,635

 

(注) 単体総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。

 

(資産の査定)

 

(参考)

資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

(1) 破産更生債権及びこれらに準ずる債権

破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

(2) 危険債権

危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

(3) 要管理債権

要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

 

(4) 正常債権

正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記(1)から(3)までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

 資産の査定の額

債権の区分

2021年3月31日

2022年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

危険債権

0

要管理債権

正常債権

47,749

46,580

 

 

 

(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

経営上の重要な契約等は、次のとおりであります。

 

(1) 銀行窓口業務契約(2012年10月1日締結)(期間の定めのない契約)

日本郵便株式会社は、日本郵便株式会社法により、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金・債権債務の決済の役務、簡易に利用できる生命保険の役務を、利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国で公平に利用できるようにするユニバーサルサービス義務を、日本郵政株式会社とともに負っています。このうち簡易な貯蓄、送金・債権債務の決済の役務の業務を、銀行代理業として提供するために、日本郵便株式会社は、当行との間で銀行窓口業務契約を締結しており(日本郵便株式会社法第2条第2項、同法第4条第1項、同法第5条)、当行定款にもこの旨規定しております。

銀行窓口業務契約では、日本郵便株式会社が、当行を関連銀行として、ユニバーサルサービス(通常貯金、定額貯金、定期貯金、普通為替、定額小為替、通常払込み、電信振替)の銀行窓口業務を営むこととしております。

なお、本契約は、銀行窓口業務の健全・適切な運営確保の観点から特段の事由が生じた場合等を除き、当事者の合意がない限り解除できないものと定めております。

 

(2) 銀行代理業に係る業務の委託契約、金融商品仲介業に係る業務の委託契約(2007年9月12日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、上記(1)の銀行窓口業務契約で定めたユニバーサルサービスに関する業務を含め、貯金の受払いや国債・投資信託の募集の取扱等の業務を委託するため、日本郵便株式会社との間で銀行代理業に係る業務の委託契約、金融商品仲介業に係る業務の委託契約を締結しております。

なお、本契約は、解除協議の申入れより6か月経過後の通知により解除できるものと定めております。また、銀行窓口業務に該当する業務については、銀行窓口業務契約に定めがある場合を除くほか、銀行代理業に係る業務の委託契約の定めるところによるものとしております。

 

(3) 郵便貯金管理業務の再委託契約(2007年9月12日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、日本郵便株式会社との間で、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(以下「郵政管理・支援機構」)より受託した郵便貯金管理業務の一部について、日本郵便株式会社が郵便貯金管理業務を営むこととする再委託契約を締結しております。本契約は、以下(5)の契約と同様、解除協議の申入れより6か月経過後の通知により解除できるものと定めております。

 

(4) 委託手数料支払要領(2019年3月29日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、日本郵便株式会社との間で、上記(1)~(3)に係る業務の対価としての委託手数料の算定方法等を定めた支払要領を締結し、日本郵便株式会社に対して委託手数料を支払っております。

2018年12月1日、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行されました。郵便局ネットワークの維持に要する費用は、従来、日本郵便株式会社と関連銀行・関連保険会社との間の契約に基づく委託手数料により賄われておりましたが、当該費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便株式会社が負担すべき額を除く。)は、本法に基づき、2019年度から、当行及び株式会社かんぽ生命保険からの拠出金を原資として、郵政管理・支援機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われております。

これに伴い、日本郵便株式会社への委託業務に係る費用は、これまでの委託手数料から、交付金・拠出金と新たな委託手数料で賄うように見直しております。

具体的には、2019年度以降の委託手数料については、従来の算定方法を変更し、以下の算定方法により支払っております。

 

 (基本委託手数料)

委託手数料は、「基本委託手数料(貯金、投資信託、送金決済等の事務に対する手数料)」と「営業・事務報奨」から構成されております。

基本委託手数料は、当行の管理会計により毎年算出した単位業務コストをベースに、日本郵便株式会社での取扱実績等に基づき、委託業務コストに見合う額を算出し、その前年度からの増減率を、前年度の基本委託手数料に乗じて算出しております。

 

なお、基本委託手数料は、「貯金や投資信託等の預かり資産に係る事務等」、「送金決済その他役務の提供事務等」毎に毎年、料率・単価を設定し、下表の式により支払っております。

委託手数料の項目

支払額の算出式

① 貯金や投資信託等の預かり資産に係る事務等

平均総預かり資産残高 × 料率

② 送金決済その他役務の提供事務等

取扱件数 × 単価

 

(注) 「平均総預かり資産残高」とは、貯金平均残高と投資信託平均残高の合計値です。また、「平均総預かり資産残高」及び「取扱件数」は、日本郵便株式会社の月次の取扱実績によるものであります。なお、本要領は、上記(1)~(3)の契約すべてを解除するまで、効力を有するものと定めております。

 

2019年度の基本委託手数料は、前年度の基本委託手数料が算定方法を変更する前であり、乗じる対象がないため、委託業務コストに見合う額から交付金で賄われる部分を除いて算出しております。

 

 (営業・事務報奨)

営業目標達成や事務品質向上を確保するため、成果に見合った「営業・事務報奨」を支払っております。

 

 (参考:2018年度までの算定方法)

当行の管理会計により毎年算出した単位業務コストに日本郵便株式会社での取扱実績を乗じて委託業務コストに見合う額を算出し、その中から、郵便局ネットワークの確保のために、郵便局維持に係るコスト(日本郵便株式会社の管理会計による当行委託業務配賦分)を「窓口基本手数料」としておりました。また、残額について、「貯金の預払事務等」、「送金決済その他役務の提供事務等」、「資産運用商品の販売事務等」毎に毎年、料率・単価を算出し、下表の式により支払うこととしておりました。

併せて、営業目標達成や事務品質向上を確保するため、成果に見合った「営業・事務報奨」を支払うこととしておりました。

委託手数料の項目

支払額の算出式

① 貯金の預払事務等

平均貯金残高 × 料率

② 送金決済その他役務の提供事務等

取扱件数 × 単価

③ 資産運用商品の販売事務等

販売額 × 料率

平均投信残高 × 料率

 

(注) 「平均貯金残高」「取扱件数」「販売額」「平均投信残高」は、日本郵便株式会社の月次の取扱実績によるものであります。

 

(参考:委託手数料・拠出金推移)                           (単位:百万円)

 

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

委託手数料

598,116

600,661

369,716

366,358

353,214

拠出金

237,820

237,439

237,040

合計

598,116

600,661

607,536

603,797

590,255

 

(注) 1.独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構法に基づき、2019年度から、日本郵便株式会社への交付金の原資となる拠出金を、郵政管理・支援機構に拠出しております。

2.2021年度の委託手数料(3,532億円)の内訳は、総預かり資産1,743億円、送金等1,424億円、営業・事務報奨364億円であります。

 

(5) 郵便貯金管理業務委託契約、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構法及び郵政民営化法の規定に基づく貯金に関する契約(2007年9月12日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、郵政管理・支援機構との間で郵政管理・支援機構の業務である郵便貯金管理業務(日本郵政公社から承継した郵便貯金の管理に関する業務等)の一部(払戻し、利息支払い等)について、業務委託契約を締結し委託を受けております。

また、当行は、郵政管理・支援機構との間で郵便貯金資産(郵便貯金管理業務の経理を区分する郵便貯金勘定に属する資産)の運用のための貯金(特別貯金)に関する契約を締結しております。本契約は、当行の国債等の安全資産保有額が特別貯金の合計額を下回ってはならないこと、また、特別貯金残高を基準として定める額以上の国債・地方債等を担保として郵政管理・支援機構に提供することを定めております。

なお、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構法上、郵便貯金管理業務委託契約の変更又は解除には、総務大臣の認可が必要とされております。

 

 

(6) 郵政管理・支援機構の借入金に関する契約(2007年9月12日締結)(期間の定めのない契約)

郵便貯金の預金者・地方公共団体に対し郵政管理・支援機構が保有する貸付債権のバックファイナンスとして、当行は、郵政管理・支援機構との間でその総額に相当する額について、当行からの借入金として郵政管理・支援機構が債務を負うものとする契約を締結しております。

 

(7) 日本郵政グループ協定、日本郵政グループ運営に関する契約(2015年3月31日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険との間で、日本郵政グループ各社の相互の連携・協力、シナジー効果の発揮が、グループ各社、ひいては日本郵政グループ全体の価値を向上させることに鑑み、グループ共通の理念・方針等のグループ運営に係る基本的事項を定め、円滑なグループ運営に資することを目的とした日本郵政グループ協定を締結しております。

この協定を受け、当行は、日本郵政株式会社との間で、日本郵政グループ運営に関する契約等を締結し、グループ運営の重要事項を、同社との事前協議事項(経営理念・経営方針、中期経営計画・年度事業計画の策定・変更等)、同社への報告事項(月次の貸借対照表・損益計算書等)としておりますが、同社は当行の意思決定を妨げ又は拘束しない旨、明定しております。更に、上記協定では、当行を含む同社の事業子会社は、日本郵政グループに属する利益を活用し、自主的・自律的な経営を行う旨、また、この旨を踏まえた上で、同社と日本郵便株式会社が、郵政民営化法第7条の2が規定する基本的な役務(いわゆるユニバーサルサービス)を確保するに当たり、グループとしての総合力を発揮できるよう相互に連携する旨、定めております。

これらの協定・契約等は、当行又は株式会社かんぽ生命保険のいずれかが、それぞれ上記(1)の銀行窓口業務契約又は日本郵便株式会社法第2条第3項に定める保険窓口業務契約を解除するまで存続する旨、また、両社のいずれかが日本郵政株式会社の連結子会社でなくなった場合には、必要な見直しを行う旨、定めております。

 

(8) 日本郵政グループ商標管理協定、グループ商標管理契約(2015年3月31日締結)(期間の定めのない契約)

当行は、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険との間で、日本郵政グループのブランド価値の維持・向上を目的とした商標管理協定、日本郵政株式会社との間で商標管理契約を締結しております。

これらの協定・契約に基づき、当行は日本郵政株式会社が一元的に管理(商標権の取得等)する「ゆうちょ」等の商標の使用を許諾されており、本協定・契約は、上記(7)の日本郵政グループ協定が存続する間存続し、同協定を見直した場合は必要な見直しをする旨、定めております。

 

(9) ブランド価値使用料の算定及び支払に関する覚書(2015年3月31日締結)(期間の定めのない契約)

上記(7)の契約に基づき、当行は、日本郵政株式会社に対し2015年度から、日本郵政グループに属することによる利益の対価として、ブランド価値使用料を支払っており、本覚書は当該使用料の算定方法等を定めております。

ブランド価値使用料は、「ゆうちょ」等の商標使用料を含んでおり、他の企業グループでの例も参考に、当行が日本郵政グループのブランド力から利益を受ける代表的な業績指標に、当行と日本郵政株式会社が協議し合意した料率を乗じて、各事業年度の支払い総額を算出しております。具体的には、前事業年度の平均貯金残高に0.0023%を乗じた額としております。

上記の算定方法は、重大な経済情勢の変化等、特段の事情が生じない限り、変更しないものとしております。

 

(参考:ブランド価値使用料の推移)                                                   (単位:百万円)

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

4,123

4,148

4,169

4,210

4,326

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。