当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当行グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があると、当行グループが認識している重要な事項の発生及び前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」からの重要な変更は次のとおりであり、変更箇所等は下線で示しております。なお、以下の見出し及び本文中に付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。
本項において、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、明示がある場合又は文脈上明らかな場合を除き、当四半期連結会計期間の末日現在において当行グループが判断したものであります。
当行グループが保有する金融資産・負債の多くは、市場の変動による価値変化等を伴うものであります。当行では、中長期的に収益の確保を図ることを目的に、資産・負債を総合管理するALM(Asset Liability Management)の枠組みの下、市場環境の変化、リスク・リターン等を踏まえた機動的なポートフォリオ運営を行っているほか、ストレス・テストや損益シミュレーション等を実施することにより、市場リスク等を適切に管理するよう努めておりますが、かかる管理にかかわらず、大幅な市場変動等により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、中長期的な収益の確保を目的とした外国証券やオルタナティブ資産への投資等、運用の高度化・多様化が目的に即した結果を生まない可能性もあります。
特に、足許では、世界的な高インフレを背景とした米欧中銀の金融引き締め、及びそれを受けた景気減速懸念も重なり、金利上昇、クレジットスプレッド拡大、外貨調達コストの上昇等の影響が顕在化しておりますが、これに加えて、今後の各国中央銀行の金融政策の動向、ウクライナ情勢の悪化、新型コロナウイルス感染症の再拡大等に伴い、市場の大幅な変動や金融市場の混乱等が生じた場合には、当行グループの業績及び財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
当行が保有する日本国債(2022年3月末日現在、49.2兆円・総資産額の21%)や外国証券(2022年3月末日現在、その他の証券(外国債券や主な投資対象が外国債券である投資信託等で構成)は74.1兆円・総資産額の31%)などの金融資産と、定額貯金を始めとする貯金や外貨を含む市場性調達の負債の期間や金利更改サイクル等には、差異が存在します。このため、金利(長期や短期の金利)の変動は、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、2022年3月末日現在において、日本国債の一部の金利がマイナスとなる等市場金利は非常に低い水準にあり、更に、今後の金融政策の動向により、かかる金利水準が長期に亘り継続し又は低下する場合、運用収益の減少に比して、相対的に貯金の調達コストが減少しないことにより、資金粗利鞘が減少し、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
特に、足許では、世界的な高インフレを背景とした米欧中銀の金融引き締めにより、海外短期金利が上昇し、国内外の金利差が拡大していることから、外貨調達コストの上昇が顕在化しておりますが、今後も更に国内外の金利差が拡大した場合、当行グループの業績及び財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
また、市場金利及びクレジットスプレッドの変動は、当行の債券ポートフォリオ等の価値に影響を及ぼします。足許においては、米欧中銀の金融引き締め政策や、日本銀行によるイールドカーブ・コントロールの運用の見直しに伴う国内外の金利上昇により、当行グループの保有する債券等の価値が下落しております。加えて、今後の各国中央銀行の金融政策動向、国内外の景気変動、日本国政府の財政運営やその信認の変化等、様々な要因により市場金利が上昇(クレジットスプレッドが拡大)した場合、保有する債券等の価値下落によって評価損・減損損失、売却損や当行が保有する有価証券中の投資信託において収益認識できない特別分配金の発生等が生じる可能性があります。その結果、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、貯金について、急激な市場金利上昇等により、定額貯金(預入から6か月経過後は払戻し自由、3年までは6か月ごとの段階金利、それ以降は固定金利の10年満期・複利貯金)への預け替え等が発生した場合にも、調達コスト等の上昇等を通じて、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当行の四半期連結財務諸表と四半期財務諸表の差は僅少であるため、経営成績及び財政状態の状況に関する分析・検討内容の一部については、当行単体のものを記載しております。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、明示がある場合又は文脈上明らかな場合を除き、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
また、当行グループは、銀行業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当第3四半期連結累計期間の経済情勢を顧みますと、世界経済は、高インフレ抑制に向けた各国中央銀行による本格的な金融引き締め等により、2022年終盤にかけて減速しました。米国経済は、FRB(連邦準備制度理事会)の大幅利上げにより減速しましたが、良好な雇用環境を背景にプラス成長を維持しました。一方、ユーロ圏経済は、スタグフレーション環境が強まりました。日本経済は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中でも、個人消費や設備投資が牽引し持ち直し基調で推移しました。中国経済は、ゼロコロナ政策と不動産不況により減速基調となり、12月のゼロコロナ政策大幅緩和後の感染爆発も加わり失速しました。
金融資本市場では、米国10年債利回りは、高インフレ抑制に向けたFRBによる利上げ加速と利上げ終着点引き上げの思惑から、10月下旬に一時4%台前半まで急上昇しましたが、インフレのピークアウトと景気減速懸念を反映して年末には3.4%台まで低下しました。0.25%近傍で推移していた日本の10年債利回りは、12月下旬に、日本銀行が長期金利の変動幅を±0.25%から±0.5%へと拡大するイールドカーブ・コントロールの運用の見直し(以下、「YCCの運用見直し」)を行ったことから、0.4%台まで急騰しました。
また、海外クレジットスプレッドは、金利の先高感や景気減速懸念を受けて拡大傾向で推移しました。
外国為替市場では、日米欧の金融政策の方向性の違いや貿易統計を反映し、対ドルでは10月下旬に150円台まで急落し、当局による為替介入も実施されました。日本銀行によるYCCの運用見直し後は、131円台まで急速に円高へ戻しました。対ユーロでも、147円台まで下落した後、140円程度まで上昇しました。
S&P500種指数は、10月中旬に今期最安値の3,500台まで下落した後、インフレにピークアウトの兆しが見られ、FRBの利上げペースが鈍化したことで上昇に転じ、3,800前後で推移しました。日経平均株価は、海外株価と比べて底堅く、概ね26,000円から28,000円のレンジ圏内で推移して来ましたが、日本銀行によるYCCの運用見直しを受け、12月下旬に26,000円近辺に下落しました。
当行を取り巻く経営環境について、新型コロナウイルス感染症に関しては、新規感染者数が増加する局面が断続的に見られる等、依然として不透明な状況が継続しております。
また、ウクライナ情勢の長期化や、インフレ高進を受けた米欧中銀による大幅な金融引き締め及びこれに伴う景気減速懸念等を背景に、海外短期金利上昇に伴う外貨調達コストの増加や海外クレジットスプレッドの拡大傾向は継続しております。更に、日本銀行によるYCCの運用見直し後は、低金利環境は継続しつつも、国内金利のボラティリティや先行き不透明感は高まりを見せており、今後の金融経済環境についても、不確実性が高い状況が継続することが想定されます。
このように、国内外の有価証券による運用を主たる収益源とする当行グループにとって、厳しい経営環境が継続しております。
当第3四半期連結累計期間の連結粗利益は、前年同期比1,792億円減少の8,732億円となりました。このうち、資金利益は、外債投資信託の収益減少を主因に、前年同期比2,989億円の減少となりました。外債投資信託の収益減少は、海外の金利上昇やクレジットスプレッドの拡大等による、為替ヘッジコストの増加、投資信託内債券の早期償還に伴う償還益の減少、収益認識できない特別分配金の増加、投資信託の解約益の減少等によるものです。役務取引等利益は、2022年1月の料金改定の影響によりATM関連手数料や為替・決済関連手数料等が増加したことを主因に、前年同期比181億円の増加となりました。その他業務利益は、外国債券の売却に伴う外国為替売買損益の増加を主因に、前年同期比1,015億円の増加となりました。
経費は、預金保険料の減少や日本郵便株式会社への委託手数料の減少等により、前年同期比521億円減少の6,963億円となりました。
連結業務純益は、前年同期比1,270億円減少の1,768億円となりました。
臨時損益は、プライベートエクイティファンドや不動産ファンドに係る収益の拡大等により、前年同期比768億円増加の1,674億円となりました。
経常利益は、前年同期比502億円減少の3,443億円となりました。通期業績予想の経常利益4,450億円に対し、進捗率は77.3%となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、2,474億円と前年同期比401億円の減益となりました。通期業績予想の親会社株主に帰属する当期純利益3,200億円に対する進捗率は77.3%となりました。
(注) 1.連結業務純益=連結粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額
2.臨時損益とは、連結損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。
3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。
4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却
5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却
6.金額が損失又は費用には△を付しております(非支配株主に帰属する四半期純損失を除く。)。
(a) 損益の概要(単体)
当第3四半期累計期間の業務粗利益は、前年同期比1,914億円減少の8,598億円となりました。このうち、資金利益は、外債投資信託の収益減少を主因に、前年同期比3,101億円の減少となりました。外債投資信託の収益減少は、海外の金利上昇やクレジットスプレッドの拡大等による、為替ヘッジコストの増加、投資信託内債券の早期償還に伴う償還益の減少、収益認識できない特別分配金の増加、投資信託の解約益の減少等によるものです。役務取引等利益は、2022年1月の料金改定の影響によりATM関連手数料や為替・決済関連手数料等が増加したことを主因に、前年同期比180億円の増加となりました。その他業務利益は、外国債券の売却に伴う外国為替売買損益の増加を主因に、前年同期比1,006億円の増加となりました。
経費は、預金保険料の減少や日本郵便株式会社への委託手数料の減少等により、前年同期比522億円減少の6,947億円となりました。
業務純益は、前年同期比1,391億円減少の1,651億円となりました。
臨時損益は、プライベートエクイティファンドや不動産ファンドに係る収益の拡大等により、前年同期比745億円増加の1,646億円となりました。
経常利益は、前年同期比646億円減少の3,298億円となりました。
この結果、四半期純利益は、2,400億円、前年同期比470億円の減益となりました。
(注) 1.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額
2.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。
3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。
4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却
5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却
6.金額が損失又は費用には△を付しております。
(b) 国内・国際別の資金利益等(単体)
当行は、銀行業の単一セグメントであり、海外店や海外に本店を有する子会社(以下「海外子会社」)を有しておりませんが、円建の取引を「国内業務部門」、外貨建取引を「国際業務部門」に帰属させ(ただし、円建の対非居住者取引は「国際業務部門」に含む。)、各々の収益・費用を計上した結果、国内業務部門・国際業務部門別の資金利益等は次のとおりとなりました。
当第3四半期累計期間は、国内業務部門においては、資金利益は3,383億円、役務取引等利益は1,136億円、その他業務利益は△175億円となりました。
国際業務部門においては、資金利益は、海外の金利上昇やクレジットスプレッドの拡大等による、為替ヘッジコストの増加、投資信託内債券の早期償還に伴う償還益の減少、収益認識できない特別分配金の増加、投資信託の解約益の減少等に伴う外債投資信託の収益減少等による外国証券利息の減少や、資金調達費用の増加等により2,635億円に減少、役務取引等利益は△3億円、その他業務利益は1,622億円となりました。
この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金利益は6,019億円、役務取引等利益は1,132億円、その他業務利益は1,446億円となりました。
イ.国内業務部門
ロ.国際業務部門
ハ.合計
(注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前第3四半期累計期間4,233百万円、当第3四半期累計期間9,734百万円)を控除しております。
2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額は下表のとおりであります。
(c) 役務取引等利益の状況(単体)
当第3四半期累計期間の役務取引等利益は、2022年1月の料金改定の影響によりATM関連手数料や為替・決済関連手数料等が増加したことを主因に、前年同期比180億円増加の1,132億円となりました。
③ 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は前連結会計年度末比6兆1,429億円減少の226兆8,115億円となりました。主要勘定については、有価証券は前連結会計年度末比7兆3,048億円減少の132兆2,725億円、貸出金は前連結会計年度末比8,625億円増加の5兆3,044億円となりました。貯金残高は、通常貯金等の残高増加を主因に、前連結会計年度末比1兆8,134億円増加の195兆2,521億円となりました。
株主資本は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上及び配当金の支払いにより、前連結会計年度末比592億円増加しました。その他の包括利益累計額は、「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2021年6月17日)の適用により、プライベートエクイティファンド等の評価損益が新たに反映されることとなった一方、内外金利の上昇及び海外のクレジットスプレッドの拡大等に伴い、前連結会計年度末比1兆1,247億円減少し、純資産は9兆2,448億円となりました。株主資本のうち、利益剰余金は2兆4,743億円となりました。
(a) 預金残高の状況(単体)
当第3四半期会計期間末の貯金残高は前事業年度末比1兆8,129億円増加の195兆2,548億円となりました。
○ 預金の種類別残高(末残・構成比)
(注) 1.通常貯金等=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)
2.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。
3.特別貯金(通常郵便貯金相当)は独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(以下「郵政管理・支援機構」)からの預り金のうち、郵政管理・支援機構が日本郵政公社から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。
(b) 資産運用の状況(末残・構成比) (単体)
当第3四半期会計期間末の運用資産のうち、国債は37.0兆円、その他の証券は77.9兆円となりました。
(注) 「預け金等」は譲渡性預け金、日銀預け金、買入金銭債権であります。
(c) 業種別貸出金残高の状況(末残・構成比)(単体)
(注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。
2.当行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.「金融・保険業」のうち郵政管理・支援機構向け貸出金は、前事業年度末246,483百万円、当第3四半期会計期間末200,419百万円であります。
(d) 金融再生法開示債権(末残)(単体)
(2) 対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間開始日以降、当四半期報告書提出日までの間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「対処すべき課題」につきまして、以下の追加すべき事項が生じております。
① Σ(シグマ)ビジネスの推進について
当行グループはビジネスを大きく3つの成長エンジンと捉え、これまで第1のエンジン「リテールビジネス」及び第2のエンジン「マーケットビジネス」を稼働させてきましたが、将来の収益の一翼を担い得る新たな第3のエンジンとして「投資を通じたゆうちょ銀行らしい新しい法人ビジネス(Σビジネス)」を加え、3つのエンジンを軸とするサステナブルな収益基盤の構築を目指しております。2026年度以降の本格展開に向け、当初2年間(2024年9月末まで)をパイロット期間と位置づけ、ビジネス推進基盤の整備に取り組んでまいります。
具体的には、子会社のJPインベストメント株式会社を中核としたGP業務(注)の本格化を通じて、全国津々浦々に展開するネットワークを活用した、投資先候補の情報収集等のソーシング業務や、令和3年銀行法改正により解禁された地域活性化等支援業務を繋ぎ合わせ、地域金融機関等と協働して、当行グループのパーパスである「社会と地域の発展に貢献する」とともに、当行グループの企業価値向上を図る「ゆうちょならでは」の新しい法人ビジネスの創出に挑戦します。
(注) General Partnerの略。案件選定、投資判断等を行うファンドの運営主体
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設の計画は次のとおりであります。
2022年12月31日現在
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。