当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、経済社会活動の活性化に伴い、個人消費の回復やインバウンド需要の増加等を背景に、景気は緩やかな回復基調を維持いたしました。一方で、エネルギー・原材料価格の高騰、円安の影響による物価上昇、ならびに物流費の上昇等により、先行きは依然として不透明な状況であります。外食業界におきましては、新たな人流の増加やインバウンド消費の拡大等により売上高は増加傾向にあるものの、円安や天候不良等による仕入価格の高止まり、働き手の不足やそれに起因する人件費の上昇などにより厳しい状況が続いております 。
このような状況の中、当社グループでは、従来の「レストラン事業」におけるバッドロケーション戦略での出店で培ったノウハウや知見をもとに、食をベースに総合的なエリア開発を行うことで活性化した不動産の流動化により新たな収益を見込む「エステートビルドアップ事業」を2つ目の成長戦略の柱とし、「食から始まる日本創再生」に取り組んでおります。
レストラン事業においては、ニューノーマルのライフスタイルにおける新しい外食時間として、時間の概念にとらわれず楽しんで頂けるメニューの提案や空間づくりに取り組むと共に、顧客体験の向上と収益の最大化を目指し、既存店の再構築を進めております。店舗運営子会社を中心に、その店舗のマーケットや環境に適したきめ細やかなサービス内容の拡充や価格帯の見直し、業態変更等を含む総合的なアプローチなどにより、お客様の潜在的なニーズに応えることで付加価値を高め、市場競争力の一層の強化を図るべくグループ一丸となって取り組みを行っております。また行政・自治体からの出店要請は引き続き強いニーズがあり、出店エリアを厳選したうえで新規出店に伴う運営体制の構築に取り組んでおり、さらには都心部や季節変動の高いエリアの店舗から期間限定で異動することのできる新たな働き方のモデルケースとして、冬季期間限定出店も実施しております。これにより、柔軟で効率的な事業運営を実現し、社員のライフスタイルにも対応した働き方を支援しております 。
エステートビルドアップ事業においては淡路島北西海岸を舞台に展開する食を通じた地方創再生プロジェクト「Frogs FARM ATMOSPHERE」におきまして、飲食店、宿泊施設の展開等、現在20施設を展開しております。廃校をリノベーションした「SAKIA」におきましては、地域交流の場を提供すると共に、中長期滞在に向けたワーキングスペース機能や宿泊機能等を併設した「SAKIA STAY」も順調に稼働しております。また淡路島南岸におけるプロジェクトは、2024年7月に開業したレストランを核に、一棟貸コテージ、ホテルを来春以降の開業に向けて進行中です。淡路島に新たな観光客を呼び込む拠点としての役割を果たすと共に、地域全体の魅力を発信し、エリアの活性化に寄与することを目指してまいります。また2023年に開業いたしました島根県出雲市西海岸における観光、二拠点ライフ、移住を見据えた地方創再生プロジェクト「WINDY FARM ATMOSPHERE」につきましては、レストラン、宿泊施設の運営を強化すると共に、パーキングエリアを活用したアウトドアスタイルのウェディングプランの構築など様々な施策に取り組んでおります。現在、開発エリアを拡大するための準備を実施しておりますが、より多様な施設やサービスを提供できるよう、自治体や地域企業と連携しながら地方創生の取り組みを推進いたします。
当中間連結会計期間における当社及び連結子会社の店舗の増減といたしましては、レストラン事業の大学・その他ロケーションにおいて3店舗を期間限定オープンし、当中間連結会計期間末における当社グループの運営する店舗数は103店舗となっております。
① 財政状態
(資産)
現金及び預金の増加1,864,026千円、売掛金の減少63,682千円、販売用不動産の増加120,524千円及び未収還付法人税等の減少31,728千円等により、総資産は前連結会計年度末に比べ2,097,957千円増加し12,269,693千円となりました。
(負債)
買掛金の減少104,224千円、短期借入金の減少366,484千円、未払金の減少106,313千円、設備未払金の減少318,703千円及び長期借入金の増加658,383千円等により、負債は前連結会計年度末に比べ266,364千円減少し6,476,603千円となりました。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末と比較して、2,364,322千円増加し、5,793,089千円となりました。これは主に資本金の増加1,141,185千円及び資本剰余金の増加1,141,185千円によるものであります。
② 経営成績
当中間連結会計期間における当社グループの売上高は6,962,051千円(前年同期比6.3%増)、営業利益は240,353千円(前年同期比13.5%減)、経常利益は227,515千円(前年同期比19.2%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は124,906千円(前年同期比62.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。
(a) レストラン事業
店舗運営に関しましては、店舗運営子会社における各店舗の状況に合わせたきめ細かい店舗運営に取り組み、ビアガーデンやバーベキュー、こたつテラス等季節に応じた店舗運営、営業企画やイベントの立案、安心安全なテラスの活用や、顧客満足度の向上と収益性を安定させる取り組みを実施しております。
この結果、当中間連結会計期間における売上高は6,350,460千円(前年同期比8.2%増)となり、セグメント利益は246,776千円(前年同期比32.4%増)となりました。
i バッドロケーション
バッドロケーション戦略におきましては、大型・複合型物件の開発を進める一方で行政や大手デベロッパーとの連携により様々なソーシャルプロジェクトなどへ参画を行うことで、食をベースに複合的な店舗開発を推進しております。また引き続きバッドロケーション戦略の店舗の運営安定化を目的に不動産定期借家契約による退店リスクのある物件につきましては土地、建物、借地権取得など不動産保有を推進し店舗運営の安定化による収益性確保、不動産価値向上による財務体質の改善に努めております。2024年9月には、京都市中京区の京町屋をリノベーションした「BONSAI1877」をオープン、10月には更なるブランド力の向上と新しい顧客層の開拓を目的に、東京都新宿区の「本家かのや」をダブルネーム業態の「十割そば 否否五杯と本家かのや」としてリオープンしております。
この結果、当中間連結会計期間末におけるバッドロケーション戦略の店舗数は、関東地区18店舗、関西地区8店舗、その他地域2店舗の計28店舗となり、当中間連結会計期間における売上高は1,691,188千円(前年同期比6.2%減)となりました。
ii 不動産デベロッパー
不動産デベロッパー戦略におきましては、好立地、特別な店舗家賃での誘致や初期投資の軽減など好条件での物件獲得を行うことができ、売上規模、収益性、話題性の高い物件を選定することで当社の個性を活かした店舗開発を推進しております。2024年10月には当社初となるスポーツバーとして東京都千代田区に「GARB Cheers OTEMACHI」をオープンしております。
この結果、当中間連結会計期間末における不動産デベロッパー戦略の店舗数は、関東地区19店舗、関西地区15店舗、その他地域2店舗の計36店舗となり、当中間連結会計期間における売上高は2,997,050千円(前年同期比14.0%増)となりました。
iii 行政・公共機関
行政・公共機関戦略におきましては、新たな地方自治体との取り組みにおいて、その街ならではのオリジナルな業態の開発、地域活性化イベントの開催などを行い、地方創再生ネットワークの形成を推進しております。
この結果、当中間連結会計期間末における行政・公共機関戦略の店舗数は、関西地区13店舗、その他地域1店舗の計14店舗となり、当中間連結会計期間における売上高は1,168,193千円(前年同期比14.9%増)となりました。
iv 大学・その他
大学・その他戦略におきましては、学生のみならず近隣住民へのターゲット層の拡大及びコストコントロールによる収益性改善を進めております。また、顧客の消費動向の変化により拡大した中食需要の取り込みを目的とした通販サイト「CANDLE TABLE」の展開等、顧客満足度の向上と収益性を安定させる取り組みを行っております。2024年12月には冬季期間限定店舗として新潟県魚沼郡のかぐらスキー場に「ぶなキッチン」「スープステーション田代」をオープン、長野県北安曇郡のつがいけマウンテンリゾートに「瀬戸内淡路島 中華そばいのうえ」をオープン、北海道富良野市の富良野スキー場に「レストラン ダウンヒル」をオープンしております。
この結果、当中間連結会計期間末における大学・その他戦略の店舗数は、関東地区1店舗、関西地区3店舗、その他地域3店舗の計7店舗となり、当中間連結会計期間における売上高187,416千円(前年同期比10.0%増)となりました。
v その他の事業
その他の事業は、企業、行政機関などに対して、地域ブランド振興、カフェやレストランの企画・開発等のコンサルティングを行っております。当中間連結会計期間における売上高は151,030千円(前年同期比26.4%増)となりました。
(b) エステートビルドアップ事業
当社グループでは、食をベースとした地方創再生プロジェクトとして兵庫県淡路島北西海岸「Frogs FARM ATMOSPHERE」を筆頭に、島根県出雲市西海岸「WINDY FARM ATMOSPHERE」に取り組むことで、地方創再生ネットワークの形成を推進しております。2024年8月には業務移管を受け、兵庫県淡路市におきまして6棟のヴィラ「Lazy Inn.」をオープンしております。
この結果、当中間連結会計期間末におけるエステートビルドアップ事業の店舗数は関西地区14店舗、その他地域4店舗の計18店舗となり、当中間連結会計期間における売上高は767,171千円(前年同期比5.2%減)となり、セグメント損失は6,422千円(前年同期はセグメント利益91,501千円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,864,026千円増加し、3,673,208千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は116,277千円(前年同期は105,621千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益208,732千円、減価償却費254,325千円、販売用不動産の増加額137,485千円、仕入債務の減少額104,224千円及び未払金の減少額106,313千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は731,943千円(前年同期は340,757千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出728,339千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は2,479,639千円(前年同期は610,389千円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,551,930千円、長期借入金の返済による支出915,880千円及び株式の発行による収入2,282,370千円によるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。