文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において当社が判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、「私たちは、がん免疫治療分野の最先端を切り拓くことにより、一人ひとりが自らの力でがんを克服する世界を実現します。」を経営理念として、安全性が高く、QOL(Quality of Life - 生活の質)の高いがん治療薬の研究開発の推進及び医薬品(薬剤)の上市の実現を目指します。
がんの克服を願うすべての人にとって「希望の光」となるがん治療薬の創製を目指すために、がん免疫療法を「サイエンスの光」で照らし、自らが前人未踏の領域を突破するための研究開発を推進する光となる意思を込めて、2017年7月1日から会社名を「ブライトパス・バイオ株式会社」に変更いたしまた。
当社グループは、安定経営の基盤作り及びステークホルダーへの価値創出の最大化に尽力することを基礎として、当社の技術・ノウハウを活用・発展させて、がんに苦しむ患者様のQOL(Quality of Life - 生活の質)の向上及び国内外のがん免疫療法(Immuno-Oncology)の領域及び市場の拡大に寄与するとともに、世界のがん治療の発展に貢献してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、創薬ベンチャーであり、研究開発活動という投資期間が長く、その研究開発活動の成果としてライセンスアウトによる契約一時金やマイルストン収入、販売ロイヤリティなどを獲得するビジネスモデルであります。
中長期的視点からの経営の安定化、企業価値の向上を目指して、また著しい技術革新がなされ、大きな期待を受けているがん免疫治療薬分野における大きな事業機会を逃さないために、既存のパイプラインの推進のみならず、新規パイプラインを積極的に導入していく方針であります。
従いまして、売上高や親会社株主に帰属する当期純損失の推移やROE、ROAといった経営指標を目的とすることはせずに、研究開発活動の効率化、パイプラインの充実を財務状況を勘案しながら、早期のライセンスアウト及び黒字化の実現に向けて、事業を進めてまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社設立以来、推進しておりましたリード開発品ITK-1は、平成30年5月の開鍵(キーオープン)の結果、主要評価項目を達成できませんでしたが、今後も研究開発領域をがん免疫療法分野から変更することはありません。引き続き、がん免疫療法分野における、市場及びサイエンス双方におけるフロンティア企業であることは不変であります。
当社は、今後、がん免疫療法のより広い領域(創薬モダリティー)で研究開発を推進してまります。がん免疫療法の中心的な概念である免疫応答は、近年その学術的な各イベントを多段階の免疫サイクルとして語られることが多くなりました。当社はその免疫サイクルの中において一箇所に留まるのではなく、各ステップを横断的にカバーするパイプライン構成を目指すことで、一つひとつのパイプラインから得た独自のノウハウが、優秀な人材の獲得や共同研究ネットワークの拡大など、複合的にシナジーを生み出す事業体系を目指してまいります。
また、免疫チェックポイント抗体の登場は、免疫サイクルの一部へのアプローチを改善したものといえますが、今後はその他のどのポイントに位置づけられる薬剤同士を組み合わせるのが良いのかという「複合化」、そしていかに患者個々人に合う治療法が提供できるかという「個別化」がキーワードになってくると考えられますし、これらをターゲットにしたライセンス活動も活発になっております。当社も現状及び今後の動向を踏まえ、「複合化」についてはGRN-1201にて、「個別化」についてはネオアンチゲンにて実現してまいりますし、その他にも細胞医薬分野、次々世代の抗体医薬等ライセンスアウトに繋がる研究開発領域を順次拡大してまいります。
下記に各パイプラインの戦略概要を説明いたします。
(ITK-1)
ITK-1の今後の方針につきましては、ライセンス先である富士フイルム株式会社が検討してまいります。
(複合的がん免疫療法の実現を目指すGRN-1201)
米国で開発中のGRN-1201は、免疫チェックポイント阻害剤の次のテーマとなるペプチドワクチンと免疫チェックポイント阻害剤との併用による複合的がん免疫治療法を目指しており、現在非小細胞肺がんを対象として、免疫チェックポイント阻害剤(ペンブロリズマブ)との併用にて、第Ⅱ相臨床試験を実施しております。
ITK-1がペプチドワクチン単剤であるのに対し、GRN-1201の場合は免疫チェックポイント阻害剤が承認されている肺がんを対象とし、ペプチドワクチンによって活性化された細胞傷害性T細胞が、がん組織に浸潤した際に抑制シグナルを受けるのを、併用する免疫チェックポイント阻害剤が防ぐため、T細胞は抑制を解除されがん細胞を殺傷できると考えられ、よって単剤よりも高い治療効果が期待されます。
平成31年度中に当該第Ⅱ相臨床試験において有効性を示すデータを取得することを目指し、その臨床データをもって製薬会社とのライセンスアウト交渉を開始し、契約一時金から始まるライセンス収入を得ていくことを想定しております。
(完全個別化ワクチンの開発を進めるネオアンチゲン)
免疫チェックポイント阻害剤、CAR-T療法に続く、がん免疫療法の"The Next Big Thing"として、ネオアンチゲンを標的とした完全個別化ワクチンの開発を進めてまいります。免疫チェックポイント阻害剤の効果予測において、遺伝子変異の多いがん種で良い臨床成績が得られており、その遺伝子変異を有しているネオアンチゲンががん免疫において有効ながん抗原となっている可能性を示唆しております。現在、日本国内で完全個別化ワクチン療法をリードしている国立大学法人東京大学及び地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター、国立研究開発法人国立がん研究センター及び国立大学法人三重大学とそれぞれ共同研究契約を締結しており、ネオアンチゲンの同定手法及び最適な医薬品のモダリティを開発してまいります。
(iPSを応用した細胞医薬)
iPS-T(iPS細胞由来再生T細胞療法)は国立大学法人東京大学と、iPS-NKT(iPS細胞由来再生NKT細胞療法)は国立研究開発法人理化学研究所と共同研究を進めております。iPS-NKTについては、独占的開発製造販売ライセンスのオプション権を取得しております。平成31年度中に計画されている医師主導治験を全面的に後押しし、世界でも初となるiPS-NKT細胞療法の臨床応用を実現してまいります。
(次々世代の抗体の創製)
PD-1/PDL-1やCTLA-4の次々世代の免疫調整因子を標的とする抗体医薬を創製中であり、当期中にパイプラインをリスト化し、来期以降において、製薬会社とのライセンスアウト交渉を開始してまいりたいと考えております。
がん免疫療法分野においては、ライセンスアウト活動が非常に活発になされております。来期以降において、GRN-1201等において、ライセンスアウト交渉を開始してまいりたいと考えております。そして、前述の免疫サイクルへの統合的アプローチの推進と、時代の流れを読んだ今以上のスピードによる事業展開を行ってまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループは設立以来、創薬ベンチャーとして、がん免疫治療法分野において新規作用メカニズムのパイプラインの創製、研究開発を行ってきました。しかし、当社設立以来、推進してまいりましたリード開発品ITK-1において、平成30年5月の開鍵(キーオープン)の結果、主要評価項目を達成できませんでした。今後のITK-1の方針については、導出先の富士フイルム株式会社が検討してまいりますが、主要評価項目を達成できなかった原因を解析するとともに、これまでのITK-1における第Ⅰ相臨床試験から第Ⅲ相臨床試験完遂までの経験・ノウハウを現行及び今後のパイプラインに活かしてまいります。
財務的には、現在の保有資金にて当面の研究開発及び事業運営にかかる経費等は確保している状況にあります。しかしながら、研究開発の推進・拡大の中で、長期に亘って資金を維持できる状況にはありません。そのため、来期以降において、GRN-1201等においてライセンスアウトによる収益の確保に尽力してまいります。
今後もライセンスアウトの動向及び財務状況を鑑みながら研究開発を積極的に推進又は新規投資・導入を行い、企業価値の向上を図っていくために、研究開発活動の質及びその研究開発活動を支える企業活動の基盤としての経営の質を向上させる必要があると認識しております。当社グループが対処すべき事項として認識している事項は、以下のとおりであります
① パイプラインの拡大・充実
がん免疫治療薬分野は、今後Precision(治療効果予測性)とPersonalized(患者ごとの個別性)というテーマとともに研究開発が進んでいくものと考えております。また、免疫チェックポイント阻害剤の登場以降、免疫チェックポイント阻害剤と併用薬との組み合わせにより更なる効果が期待されていることから、併用療法が世界中で研究されています。これらの観点から、当社グループは既存の研究開発テーマに加えて、完全個別化がん免疫療法や、免疫チェックポイント阻害剤に組み合わせる併用薬・抗体なども探索テーマとして掲げて研究開発を推進してまいります。
当社グループは、久留米本社、東京支社及び川崎創薬研究所に研究開発の施設を有しております。
当社グループの研究開発は、がん免疫療法における開発領域を対象として、探索的研究から第Ⅲ相臨床試験まで広い範囲に亘り、また臨床効果を裏付けるためのバイオマーカーの樹立及び臨床検体の実測定等の周辺にも及んでいます。そのため、開発工程や分野毎に、高度な専門性を有し、社内・社外とのコミュニケーションを通じ個々の能力を高められる研究員の育成、及びそのような専門性を有する研究員をまとめてプロジェクトを推進させるプロジェクト・リーダーの育成を図る必要があります。また、プロジェクトの進捗の加速及び各研究員の経験値を向上させるために研究用機器を含めたさらなる研究開発環境の充実を図っていく必要があります。
また、開発技術力については、OJTによる教育研修及び大学や研究機関・企業を通じて常に最先端の技術を積極的に集積・共有して研究開発における技術力・遂行能力の向上を図っていき、ハイレベルな研究開発体制を構築してまいります。
当社グループの属するがん免疫治療薬分野は、昨今のがんに対する効果のある新薬の登場などによる非常に大きな期待の中で、日本及び海外で研究開発が盛んになされており、市場も急激に拡大しております。
当社グループもその機会を逃すことなく、新規パイプラインの導入及び推進を加速させていく必要があります。そのために新規技術・ノウハウを日本及び海外の大学や企業等から積極的に導入すべく、国内外の人的・情報ネットワークをより一層強化・推進していくことが課題であると考えております。
他の創薬ベンチャーと同様に当社グループも新規性のある医薬品の開発を行っておりますので、個々の社員には非常に高度な専門性が要求されます。そのため、適切な人材の確保が重要な課題となります。十分な技術・知識のみならずベンチャーマインドを有し、成長意欲のある人材を全部門において採用し、OJTによる人材育成により、今後拡大・加速していくことが予想される事業・研究開発スピードに対応してまいりたいと考えております。
当社グループにとって前述のアライアンス・ネットワーク体制の構築は重要な課題であり、また株主を含めたステークホルダーとの良好な関係も重要な課題であります。社外関係者との良好な関係の構築のためには、社会的信用を維持・向上させていく必要があると認識しております。特に、当社グループの取引先は主に上場企業、医療機関、公的な研究機関でありますので、協業体制を構築し、取引関係を維持していくには、当社グループも社会的信用を維持していく必要があります。また、世間に広く製品を提供していく創薬企業としての社会的責任を果たしていく必要があると認識しております。
そのため、当社グループは小規模ではありますが、コーポレート・ガバナンス体制を構築し、内部管理体制および管理部門の強化を推進してまいります。また、内部監査の充実及び監査役との連携強化などの施策により業務執行の適法性・妥当性を監視する機能を強化し、財務報告に係るリスクを最小化して、経営の健全化に努めてまいります。
当社グループは創薬ベンチャーであり、実際の製品化までの研究開発活動において年単位での時間を要します。製品化までの研究開発活動において設備投資、人材の採用・育成、また、企業価値向上のための新規パイプラインの創製(最新の技術の探索、導入及び共同研究など)に多額の資金が必要となります。これらの資金を外部から調達する必要があり、中長期的な視点から、財務基盤の強化のためにも、様々な資金調達の可能性を検討してまいります。
⑤ IR活動の推進
当社グループは、株主・投資家等のステークホルダーからの意見を収集し、経営のさらなる改善に努め、また、企業情報及び研究開発の状況等を正確、適時及び適切に発信し、信頼と正当な評価を得ていくことを目指します。
当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、当社グループとして必ずしも重要なリスクと考えていない事項及び具体化する可能性が必ずしも高くないと想定される事項についても、投資判断の上で又は当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はありません。また、以下の記載内容は当社グループのリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。
なお、本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。
当社グループは、研究の初期段階の探索的研究から第Ⅲ相臨床試験に至るまで、幅広い段階の医薬品開発の経験を有しておりますが、研究の初期段階から医薬品の製造販売の段階に至るまでには、数多くの課題・項目をクリアし、規制当局からの承認及び認可の取得を要し、薬事規制等の法的な規制にも対応していく必要があります。そのため、長期間におよぶ研究開発体制を維持するために多額の資金を必要とします。また、新規の医薬品候補物質の市場は、国内外を問わないことから、資金力の豊富な国際的な製薬企業や国内においても多くの企業・研究開発機関と競合しております。
当社グループの事業は、医薬品候補物質の有効性及び安全性を評価するための初期段階の研究開発(探索的研究、非臨床試験、初期臨床試験等)を自社で行い、その後、製薬企業に対して当社グループが有する医薬品候補物質の開発製造販売に係る知的財産権の使用実施許諾(ライセンス・アウト)を行い、当該製薬企業からライセンス収入を得るものです。
ライセンス収入の形態は、ライセンス契約締結時に発生する契約一時金、開発進捗に伴って発生するマイルストン収入(臨床試験の開始や終了時、又は製造販売承認申請時等の予め定めた開発の節目(マイルストン)毎に支払われる収入)、上市後においてライセンス・アウト先である製薬会社が行う医薬品販売に対するロイヤリティ収入等があります。この他に、ライセンス・アウト後に当社グループがライセンス・アウト先製薬企業から委託を受けて共同で開発を継続する場合に、当該ライセンス・アウト先製薬企業から開発協力金として研究開発費を受領することもあります。
ライセンス契約の締結は、製薬企業から、それまでの研究開発で得られた医薬品候補物質の有効性及び安全性に関して、並びに予想される対象患者数や薬価、特許存続期間等の事業性に関して一定の評価をされる必要があります。従って、製薬企業から評価されうる研究開発成果が得られない可能性、研究成果が得られたとしても、研究開発の遅延により想定通りのタイミングで評価されない可能性、想定通りの評価が得られず、契約一時金をはじめ上記の各種収入を当社グループの想定する規模の金額で契約できない可能性、当社グループが想定するタイミングでライセンス契約を締結できない可能性、又はライセンス契約に至らない可能性があります。
またライセンス・アウト後も、次の開発段階に進むために必要な臨床試験成績が得られない可能性、開発途中で競合新薬の上市、治療法そのものの変化のほか、特許係争の発生等で事業性が大きく毀損されたとライセンス・アウト先製薬企業が判断する場合は、開発スケジュールが遅延する可能性や、ライセンス契約解消に至る可能性があります。
さらに、上市に至った場合においても、薬価が当初の想定を大きく下回ることや、市場環境等の状況が当初の想定より悪化する可能性があります。
上記の場合には、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
また、マイルストン収入及びロイヤリティ収入の発生については、ライセンス・アウト先製薬企業等の研究開発の進捗及び医薬品発売・販売の状況等に依存するものであり、事業収益として計上されるには長期間を要する可能性があり、またマイルストンに至らない場合、これらの事業収益が計上されない可能性もあります。さらに、契約一時金収入、マイルストン収入は継続的な収入ではなく、一定の条件の達成等を前提として一時的に発生する収入ですので、その収入の計上時期により、年度決算・四半期決算の売上高・利益等が非連続的に偏重する可能性、年度決算比較・四半期決算比較の売上高・利益等において大幅な変動・乖離が生じる可能性があります。また上記の収入の計上時期が想定から遅れた場合、決算短信で公表する業績予想が大幅に変更される可能性があります。
当社グループが開発している医薬品候補物質が上市に至るまで、有効性及び安全性の評価に関する数多くの探索及び検証並びに規制当局からの承認が必要とされ、それぞれに対応しなければ、研究開発が進捗しません。
研究開発の各段階において、次の段階へ進むか否かの判断は、ライセンス・アウト前であれば当社グループが、ライセンス・アウト後であればライセンス・アウト先製薬企業が行いますが、有効性及び安全性に良い評価が得られなかった場合、外部環境の変更等で事業性の喪失が懸念された場合などには、次の研究開発段階への進行が遅れる可能性、研究開発自体を終了・中止せざるを得ない状況になる可能性があります。
当社グループは、医薬品開発の不確実性を低減するために、開発ターゲットの疾患領域に精通する医師(キー・オピニオン・リーダー)、非臨床試験・臨床試験・CMC(Chemistry, Manufacturing and Control:原薬及び製剤の開発)・薬事それぞれに精通する外部専門家(コンサルタント)、並びに規制当局との事前相談を通じた情報収集に基づき試験を設計及び実施しています。
しかしながら、予めすべての要因を想定することは極めて困難であり、研究開発中であれば研究開発の大幅な遅れや中止の可能性、製造販売承認申請後であれば国内外の規制当局から追加の臨床試験を求められ、または承認が得られないなどの事態が発生する可能性があります。研究開発が遅れた場合や追加試験が必要となる場合には、計画外の追加資金が必要となり、追加資金確保のために新たな資金調達が必要となる可能性がありますし、その資金調達の実現自体にも不確実性があります。またライセンス契約の存続期間は、特許権の存続・有効期間が終了するまでの期間とされているため、ライセンス契約中にマイルストンが達成できず、当初想定した投資回収額を回収できないリスクがあります。
研究開発を終了・中止せざるを得ない状況になった場合又は研究開発を終えて製造販売に関する承認申請を規制当局に行っても、規制当局から承認されなかった場合には、当初想定していた投資回収額を回収できないリスクがあります。これらの事象が発生した場合、当社グループのような規模においては影響が非常に大きく、当社グループの事業、業績や財務状況等に甚大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが携わる研究開発領域は、研究開発を実施する国ごとに薬事に係る法律、薬価等が関係する医療保険制度及びその他の関係法規・法令による規制が存在します。
非臨床試験においては、医薬品の安全性試験の実施に関する基準であるGLP(Good Laboratory Practice)、原薬等の治験薬の製造においては、医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準であるGMP(Good Manufacturing Practice)に準ずる治験薬GMP、そして臨床試験においては、医薬品の臨床試験の実施に関する基準であるGCP(Good Clinical Practice)を確実に実施していることが研究開発上必須条件となっており、製造販売の段階においては、販売を行う各国で定められている薬事関連法規・法令に従った承認・認可・許可を得る必要があります。
当社グループの事業計画・研究開発計画は、現行の薬事関連法規・法令や規制当局の承認・認可の基準を前提に作成しておりますが、これらの法律・法令及び基準は技術の発展・市場の動向などにより適宜改定されます。
創薬事業は、年単位の長期間にわたる事業であり、その間にこれらの法律・法令・基準等が大きく改定される可能性、これら法令等が変更される可能性があります。これにより既存の研究開発の体制(組織的な体制、製造方法、開発手法、臨床試験の進め方、追加試験を行う必要性の発生など)の変更が必要となる場合、その体制の変更に速やかに対処できず研究開発が遅延・中止となるリスク、人員確保や設備投資に計画外の追加資金が必要となり、追加資金確保のために新たな資金調達が必要となるリスクがあり、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが携わる研究開発領域は、急激な市場規模の拡大が見込まれており、欧米を中心にベンチャー企業を含む多くの企業が参入する可能性があります。
競合他社の有する医薬品候補物質の研究開発が当社グループの有する医薬品候補物質と同じ疾患領域で先行した場合、当社グループの事業の優位性は低下する可能性があります。競合他社による新薬の登場により当社グループの臨床試験において被験者の登録が停滞し臨床試験が遅延する可能性、目標被験者数に届かず臨床試験が中止となる可能性があります。また、この場合、当社グループの事業において想定以上の資金が必要となる可能性があり、当社グループの事業戦略や経営成績等に甚大な影響を及ぼす可能性があります。
さらに、競合する新薬の開発が先行し、又は競合新薬が上市されたことにより、事業性が大きく毀損されたとライセンス・アウト先製薬企業が判断する場合は、開発スケジュールが遅延する可能性や、ライセンス契約解消に至る可能性があります。上市に至った場合においても、他社が同様の効果や、より安全性のある製品を販売した場合、薬価が付かず、想定したロイヤリティが得られない等により、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが携わる研究開発領域は、技術の革新及び進歩が著しく早いバイオ・テクノロジー分野に属しております。そのため、当社グループは、大学、公的研究機関及びコンサルタントなどとの連携を通じ、最先端の研究成果・情報を速やかに導入できる体制を構築していく必要があります。
しかしながら、急激な研究の進歩などにより医薬品の研究開発において有効と思われる研究成果等への対応が困難となった場合、当社グループの事業展開に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、必要な研究成果を常に追求するためには多額の費用と時間を要することから、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 医療費の抑制策について
日本政府は、今後の人口の高齢化及びそれに伴うさらなる医療費の増加を抑制するため、薬価の引き下げ、ジェネリック医薬品の使用推進などの施策を行っております。また、日本のみならず米国や諸外国においても、同様の傾向がみられます。今後の医療費抑制の政策に関する動向によっては、上市した医薬品に想定した薬価が付かず、想定したロイヤリティが得られない等により、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 業界の動向について
当社グループの開発するがん治療薬の市場は、患者の高齢化を背景に市場の拡大が予想されております。また、がん治療薬の市場の中で、がん免疫療法(Immuno-Oncology)の分野に属しており、現状、外科的手術、放射線療法そして化学療法(ホルモン療法含む)に加え、いわゆる第4の治療法と言われております。がん免疫療法とは、免疫細胞にがん細胞を狙い撃ちするよう免疫系をコントロールすることによってがん細胞を破壊、または増殖を抑制する治療法です。
当社グループは、第4の治療法のがん免疫療法のうち、がんペプチドワクチン、ネオアンチゲン及び細胞医薬等の研究開発に取り組んでおりますが、日本及び米国ではまだがんペプチドワクチン等が承認・上市された実績がないため、想定外の製造上の課題が発生する可能性、予期せぬ副作用が発生する可能性があります。また、急激な技術革新、第5の治療法や新薬の登場により、臨床開発活動に影響を受ける可能性もあります。これらの場合、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの開発するパイプラインは、上市まで数多くの開発課題を解決していく必要があります。各パイプラインが抱えるリスクは以下のとおりです。
平成30年5月に第Ⅲ相臨床試験の開鍵(キーオープン)を行いましたが、主要評価項目を達成できませんでした。今後の方針等につきましては、富士フイルム株式会社が検討してまいります。
なお、富士フイルム株式会社における検討の結果、当社と締結しております商業化許諾契約を解約する可能性があります。また、今後商業化許諾契約及びITK-1を継続する場合でありましても、以下に記載するような理由・事象などにより、開発・申請が遅延又は中止となる可能性、または商業化許諾契約が終了となる可能性があります。
・主に安全性等に起因する理由に基づく規制当局によるITK-1に係る臨床試験の中断又は中止命令が出る場合
・富士フイルム株式会社がITK-1の方針を変更した場合
・富士フイルム株式会社が医薬品候補物質の有効性及び安全性が認められる臨床試験成績が得られなかったと判断した場合
・富士フイルムグループと進める製造販売承認申請に係る業務及び製剤開発業務において、期待した成績・データが得られなかったことなどによりスケジュール・方針が変更される場合
・外部環境の変化
また、富士フイルムグループが規制当局へ製造販売承認申請を行いますが、規制当局が申請データからはITK-1の有効性及び安全性を認められないと判断する場合、規制当局から承認を取得できない可能性、追加の臨床試験を求められる可能性及び商業化許諾契約が解約・終了となる可能性があります。
富士フイルムグループは、製造販売承認取得後、引き続き薬価収載を申請しますが、承認されない可能性、想定した薬価とならず事業性が毀損する可能性があります。
これら上市に至る各プロセスにおいて延期、遅延又は中止(商業化許諾契約の解約・終了を含む)とされた場合、当社グループの事業、業績や財務状況等に甚大な影響を及ぼす可能性があります。また、追加の資金調達の必要性、業績予想の修正が必要となる可能性があります。
ITK-1の第Ⅲ相臨床試験の開鍵(キーオープン)において、副作用に関しましては、安全で十分な忍容性を示しましたが、今後ITK-1の開発を継続する場合において、未知の重篤な副作用が発生しないという保証はありません。今後において、重篤な副作用が検出された場合には、当社グループの事業、業績や財務状況等に甚大な影響を及ぼす可能性があります。
GRN-1201は、現在米国においてメラノーマを対象とした第Ⅰ相臨床試験と、非小細胞肺がんを対象とした第Ⅱ相試験を実施中であります。GRN-1201では、がんペプチドワクチンと他のがん免疫治療薬などを併用した臨床試験を第Ⅱ相臨床試験まで実施し、グローバル製薬企業へライセンス・アウトする予定です。GRN-1201においては、自社で研究開発を行っておりますので、ライセンス・アウトまでの研究開発費を当社が負担する予定であります。
今後、以下に記載するような理由などにより、開発が遅延又は中止となる可能性があります。
・臨床試験実施中に疾患領域において競合する新薬が上市される等の理由により、必要となる被験者数を適時に獲得できない場合
・主に安全性等に起因する理由に基づくFDAによる当該試験の中断又は中止命令が出る場合
・第Ⅰ相臨床試験及び第Ⅱ相臨床試験において期待する有効性及び安全性を示すデータが得られない場合
・GRN-1201における製剤開発において、期待する十分なデータが得られなかった場合
・臨床開発の後期を担うライセンス・アウト先が見つかるのに想定を大幅に越える時間がかかる、又は見つからない場合
・外部環境の変化
この場合、当社の事業、業績や財務状況等に甚大な影響を及ぼす可能性があります。また、追加の資金調達の必要性が生じる可能性があります。
当社グループの企業価値の向上及び経営理念「私たちは、がん免疫治療分野の最先端を切り拓くことにより、一人ひとりが自らの力でがんを克服する世界を実現します」に基づき、当社グループは、がん免疫治療薬分野を中心に順次開発領域を拡大しながら医薬品候補物質を創出・獲得し、共同研究等の第三者との連携も視野に入れ開発を進める方針です。
このような新規パイプラインを適時に創出・獲得及び開発できない場合、これらに想定以上の資金が必要となった場合、又は開発後に引受け手となるライセンス・アウト先が見つからず、適時にライセンス契約を締結できない場合などにおいて、事業計画の修正が必要となり、または、既存パイプラインの開発が遅延又は中止された場合には、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。また、追加の資金調達の必要性、業績予想の大幅な修正が必要となる可能性があります。
また、当社グループが提供する医薬品候補物質が、製薬企業等の研究開発の方針・ニーズに適時・的確に合致する保証はなく、契約の締結、研究開発の進捗が想定通りに進まない可能性ががあり、ライセンス許諾契約、提携契約等の契約を締結した場合であっても、当社グループに追加的な義務や金銭的負担等が生じる可能性、または締結した契約が解約・終了となる可能性があります。
(3) 特定の取引先への依存について
当社グループの販売先は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (生産、受注及び販売の状況) (3) 販売実績」に記載の通り、ITK-1のライセンス・アウト先である富士フイルム株式会社への依存度が高いものとなっております。平成30年5月の第Ⅲ相臨床試験の開鍵(キーオープン)の結果を受けまして、今後のITK-1の方針等につきましては、富士フイルム株式会社が検討してまいります。なお、同社がITK-1の開発を継続することとなった場合でありましても、同社への依存度が高い状況は当面続く見込みです。
当社は、同社に対し、ITK-1に関する特許及びノウハウの独占的通常実施権を許諾し、製造販売承認申請にかかる一定のマイルストン毎に一時金を受領し、上市後は、医薬品の販売高の一定率の実施料を受領する契約を締結しております。また、実施権許諾後も、同社からITK-1に関する治験実施の委託を受け、当該業務から収益を得ております。
当社は、同社と良好な取引関係を維持・継続していく方針ですが、平成30年5月の第Ⅲ相臨床試験の開鍵(キーオープン)の結果を受けて、同社が契約を終了する場合、また、ITK-1の開発を継続することとなった場合でも、同社の経営方針の変更あるいは何らかの事情により、契約の解除・終了や契約条件の変更等が生じた場合には、当社グループの事業、業績や財務状況等に甚大な影響を及ぼす可能性があります。後期の臨床開発・製造販売承認申請等は富士フイルムグループが実施することとなっており、同社グループが同社グループに課せられる各種規制等を遵守できない場合や、同社グループの判断により開発・申請等が遅延・中止する場合又は開発の方針が変更される場合には、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
今後においては、新規パイプラインの増加を図り新たな取引先を開拓することで、特定の取引先への依存度の低下を図る方針でありますが、製薬企業等とのライセンス契約締結までには長期間を要するため、当面、売上高が特定の取引先に大きく依存する状況にあります。また、新たな製薬企業等とライセンス契約を締結できる保証はありません。
臨床試験実施中に使用する治験薬、大学及びその提携施設が実施する医師主導治験用に提供する治験薬等に起因して未知の重篤な健康被害を被験者又は患者に与えた場合、製造物責任を当社が負う可能性があります。また、治験薬等の提供先もしくはライセンス・アウト先から損害賠償金を請求される可能性があり、その場合には当社の事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが研究開発を実施した治験薬及び上市後の医薬品で、臨床試験段階から製品上市後にかけて、予期せぬ重篤な副作用が発現する可能性があります。重篤な副作用が発現した場合、製造物責任などの損害賠償リスクが発生する可能性がありますが、保険の加入などにより財政的な影響を回避又は最小限にしていくよう対応しております。
しかしながら、最終的に当社グループが負担すべき損害賠償額の全額について保険金が支払われない可能性があります。その場合、当社グループの業績及び財務状況等に直接的な悪影響を及ぼす可能性があります。これ以外にも、当社グループへの損害賠償が結果として認められなかった場合であっても、また、損害賠償額の全額が保険で補償された場合であっても、損害賠償請求がなされたという事実により、当社グループに対してネガティブなイメージをステークホルダーに持たれ、その結果、研究開発中の医薬品候補物質及び上市後の医薬品に対する信頼性が損なわれ、その後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、久留米本社、東京支社及び川崎創薬研究所に研究開発施設を有しております。事故防止の管理教育は徹底しておりますが、何らかの原因により火災や環境汚染事故、感染等が発生した場合、研究開発活動の中断、停止、または、損害賠償や風評被害等重大な損失を招く可能性があり、その場合には当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。また、下記④に記載のとおり、当社グループは、研究開発業務の一部を専門機関である外部委託先(CRO-医薬品開発業務受託機関、治験実施施設、原薬・製剤の製造業者等)に委託しており、これら外部委託先において何らかの原因により火災や環境汚染事故等が発生した場合、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループ及び外部委託先において地震、水害等の自然災害・治安不安などの発生により、設備・インフラが支障をきたし稼働できない状況、従業員等が出社できない状況など一時的又は長期間業務が停止し、臨床開発を一時的又は長期間休止せざるを得ない状況が発生した場合には、当社グループの臨床開発、事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、経営の機動性・効率性の観点、コスト低減や専門性の高い分野における協業などの観点から主に以下の業務の一部を専門機関に委託しております。
・原薬・製剤(治験薬)の製造・評価試験
・薬理効果試験・毒性試験等の非臨床試験
・臨床試験のモニタリング・データマネジメント・統計解析
委託先とは今後も取引を継続していきますが、委託先における自然災害等の不測の事態等により、原薬の安定供給や適時なサービス業務を受けられなくなる可能性がないとは言えません。この場合には当社グループの研究開発の進捗及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
上記の委託及び上記以外の業務に関する委託において、当社グループにとって不利な契約改定が行われた場合又は予期せぬ事情により契約が終了した場合には、当社グループの研究開発の進捗、事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
また、外部委託先は日本国内のみならず外国の企業・医療機関にも委託しております。今後も日本・外国を問わず、研究開発において最善の企業・医療機関等に業務の委託を行う予定であります。
外国の企業・医療機関等に業務を委託するに際して、現地のコンサルタントを利用し、コミュニケーションを密にして情報収集に努めるなどトラブルを回避するための措置を講じておりますが、外国における法令等及びその解釈などの法的規制又は商取引慣行などにおいて現地の委託先と問題が生じる可能性、国際税務上の問題又は戦争・紛争などの治安不安などにより事業運営に制約を受ける可能性があります。この場合、当社グループの研究開発の進捗、事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、久留米大学との間で、ITK-1にかかる特許権等を同大学から譲り受け、その対価の支払い方法として、かかる特許権等を第三者に実施許諾又は譲渡したことによる収入(実施許諾料、一時金、マイルストン収入、ロイヤリティ等を含む。)の一定料率に相当する金額を同大学に支払う等の契約を締結しており、当該契約に基づき、富士フイルム株式会社等から上記に該当する収入を受け取った場合には、一定率の金額を久留米大学に支払うことになります。また、久留米大学から譲り受けた特許権等を、非商業目的の研究開発に用途を限定して、同大学に対して実施権許諾しております。
さらに、同大学との間には、同大学との協議により、以下のような取引等があります。
・久留米大学が実施する膠芽腫(脳腫瘍)に関する治験関連業務の受託及び治験薬の提供
(入金額)平成29年3月期 5百万円、平成30年3月期 3百万円
(無償提供の治験薬にかかる当社負担分)平成29年3月期 5百万円、平成30年3月期 0百万円
・久留米大学先端癌治療研究センター山田亮教授の当社取締役(非常勤)就任
上記の取引及び兼業において利益相反・競合取引等の行為が発生しないように法規制等を遵守するとともに、当社の企業運営上取締役会の監視等を通じて十分留意しております。しかしながら、このような留意にかかわらず、利益相反・競合取引等の行為が発生した場合には、当社の利益及び社会的評価を損ねる可能性があり、その結果として当社グループの事業、業績や財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、久留米大学等から「特許権又は特許を受ける権利」を正当に譲り受け、又は「実施権の許諾」を受けて、事業を行っております。
現在出願中の特許については、特許出願時に特許性等に関する調査を行っておりますが、すべてのものが特許として成立するとは限りません。出願中の特許が成立しなかった場合、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、特許の出願は、特許の内容、対象国などについて費用対効果を考慮して行いますので、研究開発で得られたすべての特許を出願するものではありません。また、出願費用・維持費用等のコストを回収できない可能性があります。
他社において優れた特許・発明が成立する可能性は常に存在しており、当社グループの特許が成立しても、他社の特許・発明により、当社グループの特許が無力化される可能性が潜在しています。天然物に関連する特許については、日本・米国・欧州の特許庁においてそれぞれ審査基準が発行されておりますが、これとは別のガイドライン等を発行する国があり、国によって法令・ガイドラインが異なり複雑な状況となっている場合があります。また国によってその法令・ガイダンス等における解釈や事実認定の方法・解釈が異なる場合があり、他国において当社グループが申請した特許が想定通りに取得・登録されない可能性があります。日本を含め他国においても、解釈等により、第三者が当社グループに通知・補償・支払をすることなく当社グループの特許及びそれに関連する技術を利用し、研究開発、医薬品・薬剤の販売をする可能性があります。
なお、上記について、現在、当社グループのパイプラインにおいて、その実施に支障もしくは支障をきたす可能性のある事項は、調査した限りにおいて存在しておりません。
本書提出日現在において、当社グループの事業に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームといった問題が発生した事実はありません。当社グループは、弁護士及び弁理士との連携を図って可能な限り特許侵害・被侵害の発生リスクを軽減する対策を講じております。
また当社グループは、現時点において、当社グループの事業に関し他社が保有する特許等への抵触により、事業に重大な影響を及ぼす可能性は少ないと考えております。
ただし、今後において当社グループが第三者との間の法的紛争に巻き込まれた場合、弁護士等と協議のうえ、その内容によって個別に対応策を検討していく方針でありますが、解決に時間及び多大の費用を要する可能性があり、場合によっては当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 職務発明について
役員、従業員等の職務発明の発明者に対し、今後相当の対価を支払う場合があります。当社グループでは職務発明に関する規程を設けておりますが、これまで発明者との間で問題は生じておりません。しかしながら、将来、発明者との間で対価の支払請求等について問題が生じる可能性があります。その場合、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループによる医薬品候補物質の研究開発の期間は長期間にわたります。また、研究開発の期間においては非常に多くの実証・確認すべき事項があること、また当社グループでは日本国内のみならず海外においても研究開発活動を行い、外部委託先も海外の企業等となることなどから研究開発費は多額となる見通しであります。
製薬企業等とのライセンス契約から発生する契約一時金収入、マイルストン収入、ロイヤリティ収入を研究開発中のパイプライン及び新規パイプラインに再投資することを事業及び資金サイクルとしていくこととしておりますが、製薬企業等との契約締結が想定通りに進まない場合、既存のライセンス・アウト先との契約解消等が生じた場合又は既存のパイプラインにおいて想定以上の研究開発費が必要となった場合などにおいては、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
主要な経営指標等の推移は以下のとおりであります。
|
回次 |
第11期 |
第12期 |
第13期 |
第14期 |
第15期 |
|
決算年月 |
平成26年3月 |
平成27年3月 |
平成28年3月 |
平成29年3月 |
平成30年3月 |
|
売上高(千円) |
933,388 |
821,625 |
822,556 |
529,612 |
354,410 |
|
経常利益又は経常損失(△)(千円) |
19,144 |
△413,501 |
△992,977 |
△1,116,556 |
△1,573,292 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益又は当期純損失(△)(千円) |
17,485 |
△412,435 |
△994,464 |
△1,113,661 |
△1,577,142 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー(千円) |
37,487 |
△447,197 |
△908,711 |
△1,067,512 |
△1,591,336 |
(注) 1.売上高には、消費税等は含まれておりません。
2.第14期(当連結会計年度)が連結初年度となりますので、第13期以前については、単体の数値を記載してお
ります。
3.第11期から第13期の親会社株主に帰属する当期純利益又は当期純損失については、単体の当期純利益又は当 期純損失を記載しております。
過年度の業績については、以下のとおりであります。
(売上高について)
第11期の平成25年6月に第Ⅲ相臨床試験を開始しました。富士フイルム株式会社から第Ⅲ相臨床試験にかかる関連業務を受託したことにより、治験施設に関連する売上及び臨床開発受託に関する報酬を計上することとなりました。
第12期においては、売上高の内容は第11期と同様でありますが、第Ⅲ相臨床試験の初年度に多く計上される治験施設との契約金が、第Ⅲ相臨床試験の2年目である第12期においては減少したことなどにより、第11期と比べて売上高は減少しました。
第13期においては、内容・金額ともに第12期と同水準の売上を計上しました。
第14期においては、ITK-1の第Ⅲ相試験の症例登録が完了し、臨床開発受託業務の活動量が平準化されたことに伴い、売上高が減少しました。
第15期においては、ITK-1の第Ⅲ相臨床試験は通期において観察期間となり、第14期と比べ臨床開発受託業務の活動量がさらに減少したことにより、売上高が減少しました。
(親会社株主に帰属する当期純利益及び当期純損失について)
第11期においては、平成25年6月からITK-1第Ⅲ相臨床試験を開始したことにより、富士フイルム株式会社から売上高を計上することとなり、第Ⅲ相臨床試験にかかる費用も増加しましたが、適切にコストをコントロールしたことにより、当期純利益を計上いたしました。
第12期においては、GRN-1201が米国で研究開発活動を本格的に開始したため、その研究開発費の増加を主要因として、当期純損失を計上することとなりました。
第13期においては、GRN-1201の治験申請(IND)に向けた非臨床試験の実施、製剤開発及び治験申請(IND)後の第Ⅰ相臨床試験の準備と第12期に比べて研究開発活動を積極的に実施したため、また、株式公開に係る費用が発生したため、第12期と比べて当期純損失が増加することとなりました。
第14期においては、新規パイプラインの研究開発の推進および事業開発を担う人材を積極的に採用したことにより人件費などが増加し、第13期と比べて親会社株主に帰属する当期純損失が増加することとなりました。
第15期においては、がん免疫治療分野における研究開発領域をさらに拡大したため、主に創薬及び細胞医薬に関する研究開発費が増加し、第14期と比べて親会社株主に帰属する当期純損失が増加することとなりました。
当社グループの携わる事業は創薬事業であり、研究開発期間においては、ライセンス・アウト先からの契約一時金収入、開発協力金収入及びマイルストン収入が主な収入になります。なお、今後、株式市場からの資金調達やライセンス・アウト先からの収入により財務基盤の強化を図ってまいりますが、資金調達やライセンス・アウト先からの収入の状況によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。資金収支及び資金残高の推移を勘案しながら研究開発を行ってまいります。
また、GRN-1201などのパイプラインにかかる研究開発費は今後もライセンス・アウトまでは引き続き発生し、損失を計上することが予想されます。当初想定した通りにライセンス・アウトができない場合及びライセンス・アウトの条件が当初の想定より下回った場合には、引き続き損失を計上することが予想されます。
新規パイプラインの導入(ネオアンチゲン、細胞医薬等)においても、今後は積極的にがん免疫治療薬分野での開発領域の拡張を図る予定でありますので、探索的研究(シーズの開発)から、技術の導入及び共同研究の締結・実施まで様々な形態を模索しながら推進していく予定であります。そのため、今後、多額の研究開発費が発生いたします。新規パイプライン導入の可否を判断するために行う事前の研究、導入した新規パイプラインの研究開発業務が想定よりも増大し、費用の増加・スケジュールの遅延、または想定したライセンス・アウト時期の遅延などにより、多額の損失を計上する可能性があります。
さらに、平成30年5月の第Ⅲ相臨床試験の開鍵(キーオープン)の結果を受けて、ITK-1の今後の方針については富士フイルム株式会社が検討いたしますが、ITK-1を継続する場合でも、がんペプチドワクチンが日本において承認・上市した実績がまだありませんので、持続的な売上成長や経常的なキャッシュ・フローを獲得できるか否か等を予測する判断材料としては、過去の業績及びその推移は不十分であると考えられます。
グローバルな展開を予定しているがんペプチドワクチンのパイプラインであるGRN-1201は米国で研究開発を行っており、米国及び欧州の外部委託先への委託費を外貨建てで支払いをしております。また、創薬研究においても、海外の会社に研究の一部を委託する場合があり、外貨建てで支払いをしております。外貨建てで支払われる研究開発費が今後増加する可能性があり、換算レートの変動によっては、円換算後の支払額が想定よりも多額になる可能性があり当社の業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
経営上重要と思われる契約の概要は、「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載の通りであります。平成30年5月の第Ⅲ相臨床試験の開鍵(キーオープン)の結果を受けまして、今後、契約の解約を含め大幅な見直しがなされる可能性があります。また、現行の契約を継続する場合でありましても、今後において、当該契約の期間満了、相手先の経営状態の悪化や経営方針の変更よる契約解除その他の理由による終了、もしくは当社グループにとって不利な改定が行われた場合、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
① 小規模組織であることについて
当社グループは、役員9名(取締役6名、監査役3名)、従業員は42名(平成30年3月31日現在)であり小規模な組織となっており、内部管理体制も規模に応じたものとなっております。人員については、研究開発の状況に応じて増員を図っていく予定であり、内部管理体制も規模に応じて体制の強化を図っていく予定であります。
しかし、小規模組織のため、役員はじめ従業員においてもそれぞれが重要な役割を持って業務に従事しており、特定の役員・従業員への過度な負担・依存とならないよう経営組織の強化を図る予定でありますが、退任・退職により人材が流出した場合、長期休養等により長期間業務の遂行が困難となった場合、代替要員を適時に確保できない場合、業務の引継ぎが不十分となった場合などにおいては、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが成長を続けていくために不可欠な要素の一つが、優秀な人材の確保育成であります。今後も、特に研究開発分野における専門的な知識・技能をもった優秀な人材の確保育成が必要であると考えております。しかしながら、当社グループの想定した人材の確保に支障が生じた場合、又は優秀な人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業においては、研究開発におけるデータ、ノウハウ、技術など、経理業務における財務データ、人事業務における役員、社員に関する情報などは非常に重要な機密事項になります。また、業務を通して入手した個人情報も重要な機密事項となります。その機密事項の流出リスクを低減するために、機密事項を取り扱う役員、社員に対しては規程等を整備し、情報管理の重要性を周知徹底するとともに、取引先等と守秘義務に関する契約を締結するなど、厳重な情報管理に努めております。
しかしながら、当社グループの通信インフラの破壊や故障などにより当社グループが利用しているシステム全般が正常に稼働しない状況に陥ってしまった場合、システムに不具合が発生した場合、もしくは役員・職員、取引先等により情報管理が十分に遵守されず、重要な機密情報・個人情報などが漏えいした場合には、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、優秀な人材を確保するため、また当社グループの事業及び研究開発活動へのモチベーションの維持・向上を目的として、新株予約権(ストック・オプション)を役員、社員及び社外の協力者等に付与しております。今後においても上記の目的のため新たに新株予約権を付与していく予定であります。また、研究開発領域の拡大に伴い、研究開発費及び事業運営経費が多額に必要となることから新株予約権を活用した資金調達を実施する可能性があります。これらの新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
なお、当社が発行した新株予約権にかかる潜在的株式の数は2,513,700株(平成30年5月31日現在)であり、発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は6.01%であります。新株予約権の状況及び内容につきましては、「第4 提出会社の状況 1.株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況」をご参照ください。
平成27年10月の株式上場時における公募増資の資金使途につきましては、主にGRN-1201の臨床開発試験、新規パイプライン導入のための研究開発費及び事業運営上必要となる経費等に充当しております。また、平成28年5月に開示いたしました第三者割当増資の資金使途につきましては、主にGRN-1201の新規適応症への新規パイプラインに関する臨床開発試験、ITK-1及びGRN-1201に続く新規パイプラインの探索・研究開発のための研究開発費、M&A資金及び事業運営上必要となる経費等に充当しております。さらに、平成29年11月に開示いたしました第三者割当増資の資金使途につきましては、がん免疫治療領域における研究開発費用及び事業運営上必要となる経費等に充当しております。
しかしながら、今後において事業環境の変化等により、また、上記本項目「事業等のリスク」に記載のリスクの発生により、たとえ計画通りに使用した場合でも、本書提出日現在において想定している成果を達成できない可能性があります。
なお、当社グループが携わる研究開発の領域においては、技術開発の変化など外部環境が急速に変化する可能性があります。新薬の上市、法令等の改正、当社の研究開発・臨床試験の進捗状況によっては、上記の資金使途以外の事象に資金を充当する可能性があり、今後の戦略の策定において新たな事象の発生、新たな戦略の実行により、研究開発資金が想定以上に増加する可能性もあります。
当社グループは、事業拡大へ向けた新たな経営資源を取得するため、また保有する経営資源の効率的運用と企業価値を最大化するため、M&A等を活用して事業規模の拡大を図ること検討してまいります。M&A候補の選定に当たりましては、詳細なデューデリジェンスを行うことにより極力リスクを回避してまいりますが、買収後の偶発債務の発生や、のれんが発生する場合は買収後の事業環境や競合状況の変化等により想定通りの効果が得られない場合にのれんの減損損失を計上する等、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。
当社グループのパイプラインの研究開発が完了し製品化となるまでまだ長期間を要しますので、今後も多額の資金調達を必要とします。この期間において、事業計画の修正を必要とする状況になった場合、資金不足が生じる可能性があります。その場合、公的補助金の活用や日本国内のみならず海外企業・機関を含めた新規提携契約の締結、新株発行等により資金需要に対応していく予定であります。しかしながら、適切なタイミングで資金調達ができなかった場合には、当社グループの事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。
また、今後において、さらなる事業拡大等のための資金調達の方法として新株発行や新株予約権付社債などを発行する可能性があります。新株等発行の結果、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
当社グループは、久留米本社、東京支社及び川崎創薬研究所に事業所及び研究施設を設けております。久留米本社では、臨床検査の実施、原薬・製剤の保管などの業務を行っており、東京支社では、当社の管理部門及び研究・開発部門を設置しております。また、川崎創薬研究所では、がん免疫治療薬分野における新しい技術・治療薬に関する新規パイプラインを創製する研究活動を行っております。
当社グループの事業地域で地震等の大規模な災害が発生した場合には、不測の事態の発生により事業活動が停滞する可能性があります。久留米、東京のいずれかで大規模な災害が発生した場合でも、いずれかで業務を継続できる体制となっており、また電子データ等のバックアップも前述の各地域以外の場所に設置しております。しかしながら、自然災害の規模、状況によっては、当社グループの事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(業績等の概要)
当社及び当社子会社(以下「当社グループ」といいます。)が医薬品開発を手掛けるがん免疫療法は、免疫チェ
ックポイント阻害剤と呼ばれるがん免疫治療薬の効果が広く認知され、世界のがん治療にパラダイムシフトを起こしています。当分野における開発の波は、より高い治療効果、より治療効果予測精度の高い医療、患者一人ひとりに合わせた個別化医療の実現を目指して、さらに拡がりを見せています。新たな方向性として、免疫チェックポイント阻害剤を中心に複数のがん免疫治療薬を組み合わせる併用療法や、CAR-Tに代表される遺伝子改変T細胞療法、ネオアンチゲンを用いた完全個別化ワクチンなど、それぞれの効果を最大限に引き出すことを狙った様々な取り組みが進められております。
このような環境下で、当社グループは、新しいがん治療の時代に適応すべく、創業以来の開発テーマで現在臨床試験段階にある2つのがんペプチドワクチンの開発と、その枠を超えた新規モダリティの創薬研究を進めてまいりました。
ITK-1につきましては、平成25年6月以降、ライセンス・アウト先の富士フイルム株式会社とともに、国内において去勢抵抗性前立腺がん患者を対象とする第Ⅲ相臨床試験を引き続き経過観察期間として実施し、最終解析に向けた準備を進めておりました。しかしながら、平成30年5月に第Ⅲ相臨床試験の開鍵(キーオープン)を行った結果、主要評価項目を達成することはできませんでした。今後の方針につきましては、富士フイルム株式会社が検討してまいります。
米国で開発中のペプチドワクチンGRN-1201については、単剤での治療効果に関する評価が確立された免疫チェックポイント阻害剤の次のテーマとして、併用パートナー薬との複合的がん免疫療法が志向される中で、非小細胞肺がんを対象に、免疫チェックポイント阻害剤と当該ワクチン併用の第Ⅱ相臨床試験を推進しています。
新規モダリティについては、iPS細胞技術をがん免疫療法へ応用する細胞医薬の開発を開始しており、前連結会計年度中に開始したiPS細胞由来再生T細胞療法(iPS-T)に続き、平成30年3月に国立研究開発法人理化学研究所と「iPS-NKT細胞療法」の共同研究を開始しました。今後、頭頸部がんを対象とする医師主導治験が平成31年度中に開始される予定です。
また、これまでITK-1で実現しようとしてきたテーラーメイドがんワクチン療法をさらに推し進めた、遺伝子レベ
ルで個人差に対応する完全個別化ネオアンチゲン・ワクチン療法を開発するべく、国立研究開発法人国立がん研究センター、国立大学法人東京大学及び地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター、並びに国立大学法人三重大学とそれぞれ共同研究を開始しております。
上記のとおり研究開発を拡大している中、新しい治療法を含めたさらなる研究開発活動を推進すべく、平成29年12月にクレディ・スイス証券株式会社を割当先とする行使価額修正条項付第12回及び第13回新株予約権を発行し、当連結会計年度中に合計3,277百万円の調達を完了させて財務基盤の強化を図りました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高につきましては、主に富士フイルム株式会社からの開発協力金を受領したことにより、354,410千円(前年同期比175,202千円減、33.1%減)となりました。また、研究開発活動の拡大により、経常損失は1,573,292千円(前年同期の経常損失は1,116,556千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,577,142千円(前年同期の親会社株主に帰属する当期純損失は1,113,661千円)となりました。
なお、当社グループは、医薬品開発事業の単一事業であるため、セグメント別の業績に関する記載を省略しております。
① 流動資産
当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末より1,660,657千円増加し6,900,127千円となりました。これは、主に研究開発に関連する支出の一方で資金調達の実施により現金及び預金が1,578,189千円増加したこと、及び治験薬開発等の前払いの支出により前払金が57,672千円増加したことが主な要因であります。
② 固定資産
当連結会計年度末における固定資産は前連結会計年度末より166,944千円増加し335,775千円となりました。これは、研究機器の購入により工具、器具及び備品が130,839千円増加したことが主な要因であります。
③ 流動負債
当連結会計年度末における流動負債は前連結会計年度末より67,838千円増加し229,107千円となりました。これは、研究開発費及び研究機器の購入などの増加により未払金が74,549千円増加したことが主な要因であります。
④ 固定負債
当連結会計年度末における固定負債は前連結会計年度末より10,342千円増加し56,225千円となりました。これは、社員数の増加により退職給付に係る債務が6,246千円増加したこと及び川崎創薬研究所の増床により資産除去債務が3,506千円増加したことが主な要因であります。
⑤ 純資産
当連結会計年度末における純資産は前連結会計年度末より1,749,421千円増加し6,950,570千円となりました。これは、資金調達等において新株式を発行したことにより資本金及び資本剰余金がそれぞれ1,645,517千円増加したこと及び親会社株主に帰属する当期純損失1,577,142千円を計上したことが主な要因であります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の95.8%から95.3%となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、1,591,336千円(前連結会計年度は1,067,512千円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失1,573,292千円を計上したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は111,556千円(前連結会計年度は96,564千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出108,218千円及び無形固定資産の取得による支出3,337千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は3,281,082千円(前連結会計年度は3,559,188千円の収入)となりました。これは、新株予約権の発行による収入12,174千円及び新株予約権の行使による株式の発行による収入3,268,908千円によるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
医薬品開発事業 |
313,014 |
△38.9 |
|
合計 |
313,014 |
△38.9 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.ITK-1第Ⅲ相臨床試験が通期に亘って観察期間となり治験受託業務量が減少したため、前年同期と比べ 199,412千円減少しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
医薬品開発事業 |
326,196 |
△37.9 |
― |
― |
|
合計 |
326,196 |
△37.9 |
― |
― |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.ITK-1第Ⅲ相臨床試験が通期に亘って観察期間となり治験受託業務量が減少したため、前年同期と比べ 199,390千円減少しております。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
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医薬品開発事業 |
354,410 |
△33.1 |
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合計 |
354,410 |
△33.1 |
(注)1.ITK-1第Ⅲ相臨床試験が通期に亘って観察期間となり治験受託業務量が減少したため、前年同期と比べ 175,202千円減少しております。
2.最近連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
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販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
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富士フイルム株式会社 |
515,370 |
97.3 |
318,522 |
89.9 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.ITK-1第Ⅲ相臨床試験が通期に亘って観察期間となり治験受託業務量が減少したため、前年同期と比べ 196,848千円減少しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は下記のとおりであります。なお、当社グループは、医薬品開発事業の単一事業であるため、セグメント別の業績に関する記載を省略しております。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において当社が判断したものであります。
(経営指標について)
当社グループは、創薬ベンチャーであり、研究開発活動という投資期間が長く、その研究開発活動の成果として、ライセンスアウトによる契約一時金やマイルストン収入等などを獲得するビジネスモデルであります。
中長期的視点からの経営の安定化、企業価値の向上を目指して、また著しい技術革新がなされ、大きな期待を受けているがん免疫治療薬分野における大きな事業機会を逃さないために、既存のパイプラインの推進のみならず、新規パイプラインを積極的に導入していく方針であります。
従いまして、売上高や親会社株主に帰属する当期純損益の推移やROE、ROAといった経営指標を目的とすることはせずに、現預金残高の推移、研究開発活動の効率化、パイプライン数の拡大・充実について、財務状況を勘案しながら、早期のライセンスアウト及び黒字化の実現に向けて、事業を進めてまいります。
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。この見積りに関しては、過去の実績や適切と判断する仮定に基づいて合理的に算出しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと相違する可能性があります。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末より1,827,602千円増加し7,235,902千円となりました。
研究開発等に関連する支出の一方で資金調達の実施にかかる新株式の発行に伴う入金3,277,335千円により現金及び預金が1,578,189千円増加したこと、GRN-1201にかかる安定性試験や治験薬開発等の支出の増加により前払金が57,672千円増加したこと、また、主に川崎創薬研究所における研究の本格稼働及び研究の進捗に伴う研究環境の整備に伴う研究機器の購入により工具器具備品が130,839千円増加したことが主な理由であります。
当連結会計年度末における資産の内訳としましては、現金及び預金が6,528,759千円であり、資産の合計に占める割合は90.2%となっております。研究開発を推進していくにあたり、当面の資金は確保している状況にあります。
今後の現金及び預金の残高推移については、株式市場等からの資金調達やライセンス・アウトによる契約一時金収入・マイルストン収入の獲得が実施されるまでの期間において、主に研究開発費用及び研究機器等の購入に伴う支出により減少する傾向にあります。現金及び預金の残高推移を注視しつつ、がん免疫治療薬分野の最先端の研究開発を積極的に推進してまいります。
当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末より78,180千円増加し285,332千円となりました。
主に創薬研究にかかる研究開発費等の増加により未払金が74,549千円増加、資金調達により資本金が増加したことに伴う税金の増加により未払法人税等が10,352千円増加しました。一方で、ITK-1の第Ⅲ相臨床試験の業務が最終段階に進捗したことにより治験施設への支出等が減少したことにより、買掛金は13,785千円減少しました。
当連結会計年度末における総資産に占める負債の割合は、3.94%であります。
ITK-1の第Ⅲ相臨床試験の業務終了に伴い、ITK-1の今後の方向性は富士フイルム株式会社が検討してまいりますので、今後買掛金はその結果により増減いたします。一方で創薬研究等における研究開発費用の増加に伴い、未払金は増加する傾向にあります。
当連結会計年度末における現金及び預金の残高に対する負債の割合は非常に小さいと考えており、引き続き効率的な研究開発活動を推進してまいります。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末より1,749,421千円増加し6,950,570千円となりました。
資金調達において新株式を発行したことにより資本金及び資本剰余金がそれぞれ1,645,517千円増加したこと及び親会社株主に帰属する当期純損失1,577,142千円を計上したことが主な要因であります。
自己資本比率は前連結会計年度末の95.8%から95.3%となりました。
引き続き、自己資本比率については高水準を維持してまいります。
当連結会計年度の売上高につきましては、前連結会計年度と比べ175,202千円減少(33.1%減)し、354,410千円となりました。
当連結会計年度の売上高の89.9%(318,522千円)が富士フイルム株式会社からの開発協力金でありますが、ITK-1の第Ⅲ相臨床試験の業務が最終段階に進捗したことにより治験受託業務量が減少したため、前連結会計年度と比べ、196,848千円の減収となりました。
平成31年3月期において、ITK-1の第Ⅲ相臨床試験にかかる業務の終了に伴うマイルストン収入100,000千円を富士フイルム株式会社から得ております。このマイルストン収入100,000千円及び既に締結している契約に基づく取引を見込み、平成31年3月期の売上高を150,000千円と想定しております。
当連結会計年度における営業損失は、前連結会計年度と比べ448,182千円損失が増加し1,561,732千円となりました。
当連結会計年度の研究開発費は、がん免疫治療薬分野の研究開発領域を拡大していくという方針のもと、川崎創薬研究所における創薬研究(ネオアンチゲンや抗体医薬)の本格稼働により研究が進捗したこと、細胞医薬の研究が進捗したこと、複数の大学・研究機関との共同研究契約を推進したことなどにより、前連結会計年度と比べ437,036千円増加し、1,253,819千円となりました。
当社グループの販管費に占める研究開発費の割合は約78%であり、事業運営費用が約22%となっております。このため、研究開発費の計上額の推移が営業損益の金額に直接影響を与える構造となっております。
平成31年3月期において、研究開発費は当連結会計年度よりも増額となる1,900,000千円、そして営業損益も研究開発費の増額により2,200,000千円の損失と当連結会計年度よりも損失増加を想定しております。
各パイプライン(GRN-1201、ネオアンチゲン、細胞医薬等)において、GRN-1201は第Ⅱ相臨床試験がさらに進捗していき、ネオアンチゲン及び細胞医薬については、共同研究先との研究が本格化していきます。各パイプラインの研究開発がそれぞれ進捗していくこと、また、がん免疫治療薬分野における「複合化」と「完全個別化」といった現在のトレンドのみならず、外部環境の状況を常に把握・アップデートしつつ新たなシーズ及びパイプライン候補にかかる研究も推進していくことから、当連結会計年度よりも研究開発費が増加することを想定しております。
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度と比べ463,481千円損失が増加し1,577,142千円となりました。
当連結会計年度の研究開発費が前連結会計年度と比べ437,036千円増加したこと、補助金収入が前連結会計年度と比べ12,628千円減少したことが主な要因であります。
平成31年3月期において、がん治療における期待の大きいがん免疫治療薬分野の研究開発を積極的に推進していく方針のもと、親会社株主に帰属する当期純損失は、主に研究開発の積極的な推進による販管費の増加により、当連結会計年度よりも損失増加となる2,200,000千円を想定しております。
① 営業活動によるキャッシュ・フローの状況
今後においても、がん免疫治療薬分野における新規パイプラインの創製・導入を積極的に推進するという方針を継続していきますので、当連結会計年度よりも支出額は増加する可能性があります。
② 投資活動によるキャッシュ・フローの状況
今後においても、がん免疫治療薬分野における新規パイプラインの創製・導入を積極的に推進するという方針を継続し、研究開発環境の向上を図ってまいりますので、当連結会計年度よりも支出額は増加する可能性があります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フローの状況
第13回新株予約権につきましては、行使条件を満たしておりませんので、行使がなされる予定はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度における資金調達の実施により、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は6,528,759千円となり、当面の研究開発及び事業運営にかかる経費を確保しております。
経営成績に重要な影響を与える要因は、当社が推進する研究開発を遅延又は中止させる事象でありますが、詳細については「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
当社グループの資金需要は、研究開発にかかる人件費、試薬等材料費、消耗品費、外部委託費及び研究機器の購入等、及び事業運営・上場維持にかかる人件費、外部委託費及び特許関連費用等であります。これらの費用及び研究機器の購入等については、自己資金により支出していく予定であります。自己資金については、すべて銀行預金としておりますので、すべての支出について迅速かつ確実に対応できるよう資金の流動性を確保しております。
平成31年3月期のキャッシュ・フローについては、平成31年3月期の親会社株主に帰属する当期純損失が研究開発費の増加を主要因として当連結会計年度よりも損失が増加すること、また創薬研究及び細胞医薬研究における研究機器の購入も当連結会計年度よりも増加する見込みであることから、営業活動によるキャッシュ・フロー及び投資活動によるキャッシュ・フローは当連結会計年度よりも支出が上回る見込みであります。
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契約相手方名 |
契約品目 |
契約 |
契約期間 |
契約内容 |
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伊東 恭悟 |
譲渡契約 |
平成16年10月4日 |
契約の効力発生日から特許等存続期間満了日までの最も遅い日まで |
譲渡人の有するペプチドの物質特許を当社が譲り受ける契約 |
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伊東 恭悟 |
譲渡契約 |
平成19年7月31日 |
― |
譲渡人の有するペプチドの物質特許を当社が譲り受ける契約 1.当社は譲渡の対価として、一定額を譲渡人に支払う。 |
(注) 上記譲渡契約は、下記の「③包括的業務契約」に内包されております。下記の「③包括的業務契約」は、上記5件の譲渡契約の後に締結している契約であり、上記5件の譲渡契約の内容を補完する包括的契約であります。当社が久留米大学に支払うロイヤリティ及び契約解除の取扱いなど上記譲渡契約に規定されていない事項については、下記の「③包括的業務契約」において、上記5件の譲渡契約に関して包括的に規定しております。
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契約相手方名 |
契約品目 |
契約 |
契約期間 |
契約内容 |
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久留米大学 |
譲渡契約 |
平成17年3月16日平成22年2月10日 |
特許存続期間 |
譲渡者が有するペプチドの物質特許を譲り受ける契約 1.当社は譲渡の対価として、一定額の契約一時金を譲渡先に支払う。 |
(注) 上記譲渡契約は、下記の「③包括的業務契約」に内包されております。下記の「③包括的業務契約」は、上記2件の譲渡契約の後に締結している契約であり、上記2件の譲渡契約の内容を補完する包括的契約であります。当社が久留米大学に支払うロイヤリティ及び契約解除の取扱いなど上記譲渡契約に規定されていない事項については、下記の「③包括的業務契約」において、上記2件の譲渡契約に関して包括的に規定しております。
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契約相手方名 |
契約品目 |
契約 |
契約期間 |
契約内容 |
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久留米大学 |
包括的業務 |
平成23年3月11日 |
以下のいずれか長い時点まで 1.5年 2.特許及び産業財産権の権利消滅 3.特許及び産業財産権の権利の不成立または無効の確定 |
久留米大学免疫・免疫治療学講座の研究者個人もしくは久留米大学から譲渡を受けた特許出願もしくは特許につき、将来の自己実施もしくは第三者への使用許諾から得る収入のうち一定の割合を、ロイヤリティとして久留米大学に支払う旨など、上記①及び②「特許譲受けに関する契約」に記載している7件の譲渡契約の内容を補完する包括的契約 1.当社は、久留米大学に対し以下の支払いを行う。 a.当社が自ら本件特許及び本件技術を実施して製品を製造し、これを販売した場合は、当社は当該製品の正味販売金額の2%を久留米大学に支払う。 b.当社が第三者からの委託等に基づき、自ら本件特許及び本件技術を実施して得られた収入の2%を久留米大学に支払う。 c.当社が本件特許及び本件技術を第三者に実施許諾もしくは譲渡し、当社が得た収入については、当該収入の25%を久留米大学に支払う。 2.上記②の特許譲受けに関する契約を内包する。 3.契約解除の取扱いについて 当社が下記の事項に該当した場合には、久留米大学は通告なしに直ちに、本契約を解除し、かつ損害賠償を請求できる。また、下記の事項により本契約を解除した場合、当社は本契約に定める特許及び技術を久留米大学に返還する。 a.当社が支払停止、破産等の申し立てをしたとき、または他から受け、あるいは差押等を受けるなどの信用が著しく悪化し、もしくは営業停止を受けたとき。 b.合併、吸収、役員の交代等の事由により、当社の会社運営の実権に大幅な変更が生じ、当該実権の変更が久留米大学に著しい悪影響があると判断されるとき。 |
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契約相手方名 |
契約品目 |
契約 |
契約期間 |
契約内容 |
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富士フイルム |
商業化 |
平成23年11月21日 |
特許存続期間 |
がんペプチドワクチンITK-1の開発製造販売権の許諾に関する契約 1.当社は、富士フイルム株式会社に対しITK-1の全世界、全適応における独占的な実施権(再許諾権付)を許諾する。 2.当社は、第1適応の去勢抵抗性前立腺がん(適応症の追加については協議のうえ別途決定)について、富士フイルム株式会社より以下支払いを受ける。 [日本おける] a.第Ⅲ相試験終了時点で1億円 b.製造販売承認申請時点で8億円 c.製造販売承認取得時点で11億円 d.正味販売高の5%相当額のロイヤリティ [世界(日本を除く)における] e.正味販売高の5%未満相当額のロイヤリティ 3.富士フイルム株式会社が契約を解除する場合、 a.当社から開示を受けた対象技術を当社に返還又は廃棄し、販売を直ちに停止する。 b.富士フイルム株式会社による本開発成果を無償で当社に譲渡する。 |
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契約相手方名 |
契約品目 |
契約 |
契約期間 |
契約内容 |
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久留米大学 |
特許実施 |
平成23年3月11日 |
特許存続期間 |
久留米大学もしくは久留米大学教授らから譲渡された特許について、久留米大学が行う非商業目的の臨床研究における使用許諾契約 |
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契約相手方名 |
契約品目 |
契約 |
契約期間 |
契約内容 |
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富士フイルム |
開発請負 |
平成25年3月22日 |
開発終了まで |
ITK-1のライセンス先である富士フイルム株式会社が、前立腺がん患者を対象とするITK-1第Ⅲ相臨床試験実施を当社に委託し、当社に開発協力金を支払う旨に関する契約 |
当社グループは、設立以来、新規作用メカニズムのがん免疫治療薬の研究開発を行っています。現在のパイプラインは、以下の通りです。

(1) [ITK-1去勢抵抗性前立腺がんを適応症とする薬剤選択型がんペプチドワクチン]
平成30年5月に第Ⅲ相臨床試験の開鍵(キーオープン)を行った結果、主要評価項目を達成することができませんでした。今後の方針については、導出先である富士フイルム株式会社が検討してまいります。
(2) [GRN-1201 グローバル展開を想定した欧米人向けがんペプチドワクチン]
グローバル展開を想定したパイプラインであり、現在米国においてメラノーマ(悪性黒色腫)を対象とする第Ⅰ相臨床試験(平成27年10月開始)及び非小細胞肺がんを対象とする免疫チェックポイント阻害剤との併用による第Ⅱ相臨床試験(平成29年1月開始)を行っております。
欧米人に多いHLA-A2型に対応した複数種類のがん抗原タンパク由来のペプチドから構成されるがんペプチドワクチンを開発しております。
(3) [GRN-1301 ネオアンチゲン(遺伝子変異抗原)ペプチドワクチン]
平成28年12月に、非小細胞肺がんを適応症とするネオアンチゲンペプチドワクチンを開発するべく、地方独立行政法人 神奈川県立病院機構が有する特許「上皮成長因子受容体(EGFR)のT790M点突然変異に由来する抗原ペプチド」の譲渡を受け、開発を開始いたしました。
(4) [iPS-T iPS細胞再生T細胞療法]
平成28年12月に、株式会社アドバンスト・イミュノセラピーを子会社化し、中内啓光東京大学医科学研究所教授兼スタンフォード大学教授等が創製した同社の技術を承継して、iPS細胞由来再生T細胞療法に関する研究開発を開始いたしました。適応症は、ウイルス性血液がんの一種であるEBウイルス性リンパ腫としております。
(5) [iPS-NKT iPS細胞再生NKT細胞療法]
平成30年3月に、国立研究開発法人理化学研究所統合生命医科学研究センターが進める本細胞医薬の技術開発と臨床応用に向けたプロジェクトに参画しました。頭頸部がんを対象とする医師主導治験が平成31年度中をめどに開始される計画です。理化学研究所からiPS-NKT細胞療法の独占的開発製造販売ライセンスのオプション権を取得し、世界でも初となるiPS-NKT細胞療法の臨床応用実現を目指します。
なお、当社グループは医薬品開発事業及びこれに付随する単一セグメントであり、当連結会計年度における研究開発費は1,253百万円であります。