(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、金融緩和策や各種経済政策の効果もあって雇用情勢や個人所得環境に緩やかな改善が見られ、回復基調が続いております。
当業界においては、大手企業を中心とした各社の広告宣伝活動の効果もあって業界の認知度が継続的に向上するとともに、平成27年7月に発足した業界団体「日本結婚相手紹介サービス協議会(略称:JMIC)」は当業界における信頼性の向上及び健全化に取り組んでおり、社会的信用度の向上や健全な競争による活性化といったプラスの効果が生まれる一方、事業者間の競争は激しさを増しております。
その他、国は引き続き地域少子化対策重点推進交付金による地方自治体の支援を行い、地方自治体による婚活支援・少子化対策支援は量的増加、質的向上の動きを見せており、今後もこの流れは継続していくものと考えております。
サービス利用者の動向としては、引き続き婚活に関するニーズが多様化するのに併せ、サービスの態様や価格設定についても、結婚相談所に加えて街コンや婚活パーティー、オンラインマッチングなど多様化が進むことで、潜在需要の喚起、取り込みにつながり、当業界の市場規模は堅調に拡大しております。
このような状況において当社は、経営理念である「世の中に、もっと笑顔を。もっと幸せを。」という想いの下、高い顧客成果即ち成婚率を実現するパートナーエージェント事業を中核事業としながら、より気軽な婚活サービスを提供するファスト婚活事業、地方自治体や企業の婚活支援・ソリューションサービスや婚活支援事業者間の会員相互紹介を実現するプラットフォームを提供するソリューション事業、成婚後のブライダル関連サービスや生活品質向上に資するサービス、企業主導型保育サービスを提供するQOL事業の4つの事業の成長に努めてまいりました。
ファスト婚活事業において婚活パーティー事業「OTOCON」が順調に成長し、QOL事業においても内閣府が主導する企業主導型保育事業も開始するなど将来の成長に備える一方で、主要事業であるパートナーエージェント事業においては日本結婚相談所連盟との会員相互紹介ができなくなった影響により当期第2四半期の新規入会数が前年同四半期比で約14%低下いたしました。これを挽回すべく準備を進めていた婚活支援事業者間の会員相互紹介を実現するプラットフォームサービス「CONNECT-ship」については開始までに時間を要し、さらに同サービスの開始のために行った新システムのリリースについて不具合が生じるなどの影響もあり、当社グループの当連結会計年度における売上高は3,812,210千円(前年同期比4.6%増)、営業利益は204,647千円(前年同期比54.1%減)、経常利益は212,386千円(前年同期比51.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は107,321千円(前年同期比62.4%減)となりました。
パートナーエージェント事業における新規入会数は当期第4四半期連結会計期間では前年同四半期比0.4%増と前期水準まで持ち直しており、足下の4月の新規入会数も前年同月を上回るペースで推移しております。前述のとおり競争が激しさを増す中で楽観的な見方はできないものの、平成30年3月期においてはCI(注)の強化戦略により時間をかけて新規入会数を向上させる基盤固めを行い、同時に顧客成果の向上に努めながら、引き続き、今後の企業価値向上の原動力となる他3事業の成長にも取り組んでまいります。
(注)コーポレートアイデンティティの略で、企業文化をもとに統一されたイメージやデザイン、またわかりやすいメッセージを用いて発信し社会と共有することで存在価値を高めていくこと
なお、当社グループの事業は現時点では結婚情報サービスの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
主な事業(サービス分類)別の概況は次のとおりであります。
(パートナーエージェント事業)
パートナーエージェント事業においては、当社顧客として入会した会員に対する情報提供、お相手の紹介、出会いの機会の提供を行う婚活支援サービスを行っております。会員にはそれぞれ専任のコンシェルジュが婚活支援を行い、プロフェッショナルとしてお客様をサポートしております。また、出会いの機会を提供するため、会員同士のイベントを企画・運営するなどの付随サービスも提供しております。
当該事業につきましては、引き続き広告宣伝を強化するとともに、既存会員・成婚退会会員から新たな顧客の紹介を受ける紹介特典プログラム、就業者の福利厚生制度を活用した、地方自治体や法人との提携による入会チャネルの強化、過去の資料請求に対するニーズの喚起などの広告外集客の強化も並行して行っております。
当社は今後、平成29年6月に稼働を予定している「CONNECT-ship」サービス及び先に述べたCI強化戦略により、新規入会会員数の増加を図ってまいります。また、顧客成果である成婚率(注1、2)につきましては、平成28年3月期の実績である27.2%を1.4ポイント上回り、28.6%と6期連続で伸長しており、引き続き顧客成果にこだわり、サービス品質の向上及び顧客満足度の向上に努め、当社の競争力強化を図ってまいります。
最後に、地域と時期につきましては継続検討し順次決定いたしますが、平成30年3月期において8店舗の新規出店を計画しており、サービス提供エリアの拡大とそれに伴う事業成長を図ってまいります。
(注)1.成婚とは、当社のサービスを利用して知り合った会員同士が、結婚を視野に入れ交際を継続していくことをいい、当社が成婚の意向を双方の会員から確認した場合に、当該会員は成婚退会をすることになります。
2.成婚率とは、在籍会員中何名の会員が成婚退会しているか、その割合を示すものです。具体的には、成婚率は、毎年4月1日から翌年3月末までを計算期間とし、以下の計算式にて算出しております。
(計算式)年間成婚退会会員数÷年間平均在籍会員数
(ファスト婚活事業)
ファスト婚活事業においては、主に『OTOCON(オトコン)』として一般会員向けの婚活パーティーを企画・運営し、また、婚活パーティーだけでなく、お相手の紹介などの婚活支援を希望する方に向けて、比較的低価格で利用できる婚活支援サービス『OTOCON MEMBERS婚活カウンター』を提供しております。
当該事業につきましては、婚活パーティー『OTOCON』の当連結会計年度における延べ参加者数は136,491名となり、前期比111.7%増と倍増し、引き続き好調であります。『OTOCON』は一般会員向けの婚活パーティーサービスであると同時に、パーティー利用者の方が会員制婚活支援エントリーサービスである『OTOCON MEMBERS婚活カウンター』にご入会いただくチャネルとして機能しております。また、パートナーエージェント事業の会員向けイベントサービスと同様に、イベント・パーティー専門のスタッフが自社店舗内のスペースでパーティーを企画・運営するため、社内設備の有効活用ができ、かつ上記のとおり入会チャネルとして機能しているため、当該事業自体の収益だけでなく、他の自社サービスとのシナジーも発揮しております。
婚活パーティーサービスに対する旺盛な需要を踏まえて、平成28年10月の船橋店(千葉県)の開設に加え、出店の加速と強化を図り、同じ平成28年10月に銀座店、同年11月に池袋店(いずれも東京都)を開設いたしました。なお、その後平成29年4月には大阪店(大阪府)及び栄店(愛知県)を出店しております。
次に、多くの顧客や会員組織を有する事業者様とのアライアンス型婚活支援サービスですが、全国に約7万軒ある歯科医院のうち、約6万軒の歯科医院関係者の皆様が利用する医療用品の総合通販サイト「Ciモール」を運営する株式会社歯愛メディカル様と提携した『Ciしあわせエージェント』を平成29年3月に開始いたしました。当社では、既存サービスの見直し・改善と並行して、より多くの皆様に当社サービスをご利用いただけるよう、引き続き事業者様に対して提携や共同事業の提案を進め、順次実現させてまいります。
(ソリューション事業)
ソリューション事業におきましては、事業会社向けに当業界への参入コンサルティング、自治体による婚活支援活動に対するソリューション提供を行っております。支援先のニーズや状況に応じて、サービス・業務設計、システム設計・構築・保守運用、業務受託によるサポートなどの幅広いメニューから最適化したソリューションサービスを提供しております。
また、同事業領域においては婚活支援事業者間の相互会員紹介を可能にする『CONNECT-ship』サービスを平成29年1月に提供開始予定でしたが、当該サービス提供に必要な新システムのリリースにおいて不具合が発生し、改めて準備期間を設けて平成29年6月15日に提供を開始いたしました。『CONNECT-ship』サービス開始時の利用事業者は6社7サービスで変更はなく、一般社団法人日本結婚相談協会(運営サービス名称(以下同じ)『日本結婚相談協会』)、株式会社日本仲人連盟(『日本仲人連盟』)、株式会社シニアーライフ(『マリックス』)、株式会社リクルートマーケティングパートナーズ(『ゼクシィ縁結び』)、エン婚活株式会社(『エン婚活』)、株式会社パートナーエージェント(『パートナーエージェント』、『OTOCON MEMBERS婚活カウンター』)となっており、最大5万人規模の各社会員の相互紹介が可能となっております。このように大・中規模の婚活支援事業者間において、顧客成果の最大化や顧客満足度の向上を図るために協力し、会員の相互紹介を行うことは婚活支援業界が継続して発展するためには欠かせないと考えておりますので、今後も利用会員数及び利用事業者数の増加に努めます。
(QOL事業)
QOL(Quality of Life)事業におきましては、『アニバーサリークラブ』として成婚退会会員向けに結婚式場の紹介、結婚式に関連するアイテムの販売、エンゲージリング・マリッジリングの販売を通じてサポートを行うとともに、ライフステージの変化に合わせた保険契約の見直しサービスも提供しております。結婚式場の紹介サービスにおきましては、株式会社リクルートマーケティングパートナーズと業務提携を行い、同社のグループ会社である株式会社リクルートゼクシィなびが運営する『ゼクシィ相談カウンター』に当社の成婚会員様を紹介できるようになり、これまで関東に限られていた式場紹介サービスを全国にて提供できるようになりました。
また、提携先との協力関係に基づき、婚活またはそれ以外でも利用できる様々な割引サービスの提供を行うことで、婚活を間接的に支援するサービスも行っております。
当該事業におきましては、『アニバーサリークラブ』ブランドにて、これらのサービスを提供してまいりました。会員様と人生の節目においてご相談させていただき、より長くお付き合いをさせていただくことで、顧客満足の充足・向上を図る仕組みとして、今後も発展・拡大を図ってまいります。
また、会員様が結婚し、その後お子様が生まれた際に直面するであろう待機児童の問題の解決の一助として、社員の福利厚生も兼ねた企業主導型保育施設『めばえ保育ルーム三鷹台』をQOL事業の一環として運営しております。保育園に対する需要は大きく、当社といたしましてもより多くの保護者の皆様のお役に立ちたいと考え、三鷹台の他、平成29年7月に亀戸、同年11月に芦花公園、平成30年1月に千歳船橋、同年2月に春日、同年3月に用賀と、順次開園予定となっております。今後も地域の需要に応じて、同保育施設の複数展開(新規開設)を検討してまいります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は497,520千円(前年同期比3.7%減)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、21,725千円(前年同期は380,603千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益174,167千円、減価償却費100,866千円、未払金の増加31,563千円、未払消費税等の減少62,288千円及び法人税等の支払額214,430千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、331,345千円(前年同期比64.4%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出140,490千円、無形固定資産の取得による支出162,075千円及び敷金の差入による支出52,481千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、333,622千円(前年同期比238.6%増)となりました。これは主に、長期借入金の借入による収入685,660千円、短期借入金の増加100,000千円、自己株式の売却による収入41,568千円、長期借入金の返済による支出190,460千円、自己株式の取得による支出285,640千円及び社債の償還による支出16,000千円によるものです。
(1)生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(2)受注状況
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注状況の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループは結婚情報サービス事業の単一セグメントであるため、種類別に記載しております。
|
種類別 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
入会等売上 |
777,233 |
93.5 |
|
月会費等売上 |
2,214,314 |
104.3 |
|
その他 |
820,662 |
119.1 |
|
合計 |
3,812,210 |
104.6 |
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営理念・経営方針
当社グループは、下記のとおり経営理念及び経営方針を定め、企業価値向上に向けて努力して参ります。
(経営理念)
①私たちの想い
世の中に、もっと笑顔を。もっと幸せを。
②私たちのミッション(使命)
a.婚活支援業界の変革者として「価値」を創造し続け、より多くの成婚の機会をつくります。
b.人とともに歩む生涯のサポーターとして、「想い」を「かたち」にした事業を通じて幸せを感じられる人生の実現を目指します。
(経営方針)
①サービス品質の向上
高い顧客成果の創出にこだわり、サービス品質の向上に努めます。結果を出すことで、顧客満足度を高め、ひいては市場からの信頼・支持を獲得し、成長を果たします。
②認知度の向上
当社グループの社会における認知度については向上の余地がまだ大きいと考えており、認知度の向上によってサービスに興味を持つ新たな顧客の獲得が期待できるため、より効果的な広告宣伝効果を期した様々な手法を用い、継続的に認知度の向上に取り組んでまいります。
③優秀な人材の獲得・育成
当社グループのパートナーエージェント事業の中核は「人」による結婚相手の紹介にあり、サービスを提供する人材の獲得、育成は当社の強み、差別化のために必要です。また、企業体質の強化、今後の事業拡大に備え、優秀な人材の獲得、育成に取り組んでまいります。
④企業体質の強化
企業規模の拡大により、意思決定の迅速化・効率化、また人材育成を視野に入れた権限委譲と、その適切な権限行使を支えるガバナンスの重要度は増しています。それに伴い、全国の各エリアの店舗の成長を促進する統括責任者、また当社グループ内の各種サービスにおける執行責任者への権限委譲を進めるとともに、コーポレートガバナンスコードを中心とした高度な企業統治を実現すべく、取り組んでまいります。
⑤セキュリティの確保
当社グループの事業においては、多くのお客様の大切な個人情報をお預かりしております。そのため、プライバシーマーク、ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)に準拠した社内体制を維持・強化し、またシステム面におけるセキュリティ強化に対する適切な投資も行ってまいります。
⑥社会的責任
企業は公器であるということを強く自覚し、利益を追求するだけでなく、あらゆるステークホルダーからの要請に応えられるよう努めます。また今般、社会問題化している晩婚化・未婚化、関連する超少子高齢化社会の到来に対し、国をはじめとした地方公共団体が様々な取り組みを開始していますが、当社がこれまで培い蓄積してきたノウハウ等を用い、その解決のための支援も行ってまいります。
(2) 経営戦略等
各事業に関する経営戦略の概要は以下のとおりであります。
(パートナーエージェント事業)
高い顧客成果(成婚率)を実現するノウハウを強みとして、成婚率の向上に努め、より多くの顧客に利用していただけるよう取り組んでまいります。競合との関係においては、認知度がまだ低い一方で、サービスを知っていただければ選んでいただけているとの調査結果もあり、CI戦略・対策を強化し、認知度向上に努めます。また、新規出店については、自社で店舗展開をしている同業大手事業者に比べて半数程度の店舗数であり、まだまだ出店余地があることから、年間6店舗程度のペースでの出店を継続していく計画であります。
以上のとおり、成婚率の向上、認知度の向上、新規出店により事業成長に努めます。
(ファスト婚活事業)
婚活パーティーサービス「OTOCON」は利用者数(参加者数)を増やすべく、各エリアのニーズを踏まえ、新規出店により順次会場を増やして参ります。またパーティー開催に当たっては、様々な企画を用意し、集客力の強化にも努めます。
利用しやすい価格設定を行っている会員制婚活支援サービス「OTOCON MEMBERS婚活カウンター」は、パーティー参加者を対象に入会を促進し、会員数の増加と成婚率の向上に努めます。
アライアンスモデル婚活支援サービスにおいては、多数の顧客や会員組織を有する企業との提携を行い、当社がノウハウやシステムを提供し共同して当該顧客や会員に対し婚活支援サービスを提供することで、当社サービス利用者を増やしてまいります。
(ソリューション婚活事業)
企業向け婚活支援ソリューションサービスについては、婚活支援サービス業界に参入する企業のニーズに応えるとともに、当社がノウハウやシステムを提供し共同事業を営むなど、提携関係を構築できるよう努めます。
地方自治体向け婚活支援ソリューションサービスについては、各地方自治体のニーズに応えつつ、ASPにてマッチングシステムを提供することに注力して参ります。
業界初となる婚活支援事業者間の相互会員紹介を実現するプラットフォームである「CONNECT-ship」については、顧客成果を最大化し、当業界に対する期待・信頼を高めるものと考えております。「CONNECT-ship」に関してはシステム利用者数(各社会員数)を増やすとともに、システムを利用し自社の会員と他社の会員をマッチングしようとする利用事業者を増やすことに注力し、「日本一お見合いが組める」ネットワーク構築を目指します。
(QOL事業)
式場紹介、ブライダルリング販売、保険見直しサービス、賃貸・注文住宅の相談窓口紹介等の成婚会員向けサービスについては、サービス提供事業者との提携によりサービス・アイテムを増やし、また提供エリアを拡大して参ります。
保育園事業については、地域の保育ニーズを踏まえて継続的に開園し、待機児童問題の緩和に貢献して参ります。園児の安全と、のびのびとした保育環境を実現すべく、保育園の造りから運営に至るまでノウハウの蓄積に努めながら、保育士の業務改善、待遇改善に努めます。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、現在のところ、高い顧客成果を実現するパートナーエージェント事業を主力事業としながら、中長期的な企業価値向上のためにファスト婚活事業、ソリューション事業、QOL事業を展開しており、かつ各事業においては事業投資を積極的に行っているところです。
こうした状況の下、顧客支持の獲得を示す売上高と、投資をしながらも株主利益増大のために収益を確保すべく営業利益を重要視しております。平成30年3月期の連結業績予想は売上高4,649百万円、営業利益405百万円としております。また、長期的に、収益性と資本効率向上の尺度として自己資本利益率(ROE)の向上に努めてまいります。
(4) 事業上及び財務上対処すべき課題
当社グループは、顧客として入会した会員に対する情報提供、お相手の紹介、出会いの機会の提供を行う婚活支援サービス事業ならびにこれに関連する事業を行っております。
将来的に幅広く市場・会員の支持を獲得し、仕事探しに既にエージェントサービスが利用されているのと同様に、結婚相手探しにも当たり前にエージェントサービスを利用する、そんな時代を創りたいと考えており、そうした新たな文化・価値観を創出することにより、結婚適齢期の男女の晩婚化・未婚化、それに関連する少子高齢化といった我が国が抱える問題の解決を図りたいと考えております。
上記を実現するため、当社グループは今後以下の課題に取り組んでまいります。
①認知度の向上
当社グループが行っている結婚情報サービス事業は、提供を開始してからの歴史が浅く、認知度が十分にあるとはいえません。このため結婚を望む適齢期の方々に対し、当社グループの存在を知っていただき、興味を持っていただくための取り組みが必要と考えております。また、交通広告、新聞広告等のメディア出稿によるサービスの紹介に加え、バナー広告、アフィリエイトなどのウェブ上の広告宣伝活動を展開し、併せて婚活に関する各種アンケート調査の結果を分析し、「QOM総合研究所」名で各種メディアへの発表・公開を行うなど、積極的かつ相当規模の広告宣伝活動を実施し、当社グループのサービスに対する信頼性、有用性を認識していただくことで、ブランドの確立にも努めてまいります。
②優秀な人材の確保及び育成
当社グループは、今後の新規出店に伴う事業規模、組織規模の拡大に備えて、継続的に中途採用および新卒採用を進めていきます。優秀な人材の採用を行うと同時に、社員に対する計画的な研修を実施して知識・経験・ノウハウを共有し、育成をすることで、組織規模の拡大と人材レベルの向上の相乗効果により、さらなる企業としての成長を実現してまいります。社員一人一人が当社グループの理念や経営方針を理解し、これに共感しながら仕事に取り組み、お客様により高品質なサービスを提供できるように取り組んでまいります。
③システムのセキュリティ管理体制
当社グループが運営する事業においては、ウェブサイト、会員情報および課金情報を主に扱う基幹システムのセキュリティ管理体制の構築・維持が重要となります。顧客に安心してサービスを利用していただくため、現在当社グループでは、プライバシーマーク、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム/ISO27001)の認証を受けておりますが、今後も引き続き、個人情報の保護も含め市場が求めるセキュリティレベルを充足しつつ、顧客視点に立ったシステム整備を進められるように継続的に取り組んでまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)市場動向について
結婚情報サービス・仲介業の市場動向は、当社グループの事業に影響を及ぼします。我が国における婚姻件数は減少傾向にあり、また、結婚そのものに関する考え方は多様化する傾向にあります。当社グループはこのような市場環境において、結婚を希望する方々のニーズに合ったサービス内容の開発及び提供を継続してまいりますが、今後経済情勢の悪化、非婚化傾向の増大、少子高齢化の進行によって結婚情報サービス・仲介業の市場が縮小した場合には、当社グループの事業及び業績に大きな影響を与える可能性があります。
(2)競合について
当社グループが営む事業については、その開始に際して許認可を要しないため、参入障壁が比較的低く、一定の資本とノウハウさえあれば、同種の事業を開始することは多くの事業者にとって比較的容易であります。ただし、会員獲得のための広告等の先行投資や、マッチングを行っていくためのシステム開発に初期投資がかかるため、初期投資や継続投資負担が事実上の参入障壁となっているものと考えます。また、当社グループの事業においては、データマッチングに加えて顧客を担当するコンシェルジュが介在し、様々な経験やノウハウを用いて顧客と共に成婚という成果を目指して活動を支援することに特色がありますが、競合者が短期間のうちに当社グループと同程度のノウハウ、またそれを実現するための社員研修や教育ノウハウの蓄積を行うことは困難であろうと考えております。さらに、当社グループと同等のサービスの提供を可能にし、個人情報保護を実現するシステムの構築や、マッチングを実現するための一定の顧客規模の確保を短期間のうちに行うことも、また同様に困難であると考えております。
当社グループとしては、単純な価格競争に巻き込まれないよう、成婚という顧客にとっての成果にフォーカスすることを通して他社との差別化を図り、サービス品質ならびに顧客満足の向上による顧客支持の獲得に努めてまいりたいと考えております。
しかしながら、既存の競合者との競争の激化や、同業他社の不祥事等による業界イメージの悪化、大規模な資本や強力なマーケティング力、高い知名度・ブランド力を有する企業等の当社グループ事業領域への新規参入などにより、顧客流出やそれに対処するための様々なコストの増加等が、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(3)個人情報流出のリスクについて
当社グループは、結婚情報サービス事業を通じて各種の個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」に定められる個人情報取扱事業者として、同法及び関連諸法令ならびに経済産業省が定める「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」の適用を受けております。
当社グループでは、これら諸法令やガイドラインの遵守に努めるとともに、個人情報の外部漏えいはもちろん、不適切な個人情報へのアクセスや改ざん等を防止するため、個人情報の厳正な管理を経営課題として認識し、個人情報保護に関する諸規程を定めて運用しております。加えて、プライバシーマークやISO27001の認証を取得・維持し、その過程において定期的な内部監査、認証機関による監査を受け、定期的な社員教育を行うなどの体制を整えております。
しかしながら、不測の事態によって当社が管理・保有する個人情報について、不正アクセス、改ざん、漏えい等が発生した場合には、当社グループに対する信用の低下を招き、適切な対応を行うためのコストの負担が生じる他、個人情報の漏えい等によって会員様その他の個人に損害が生じた場合には、当社グループに対する損害賠償請求等による負担が生じることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)その他法令遵守に関するリスクについて
当社グループの事業活動における特筆すべき関連法規としては、入会契約に関わる特定商取引法、広告宣伝活動に関わる不当景品類及び不当表示防止法が挙げられます。
当社グループとしては、法令遵守を企業の重要な責任と認識しており、コンプライアンス体制を継続的に維持・強化し、法令遵守の徹底を図っています。
しかしながら、諸対策を講じておりましても、従業員の不正行為によるコンプライアンスに関するリスク、またこれに付随する社会的信用の失墜のリスクを完全には排除できない可能性があり、これが当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(5)広告宣伝費の負担について
当社グループの事業において、広告宣伝活動は会員勧誘プロセスに大きな役割を果たしており、今後の景気動向その他の要因により各種媒体への出稿費用その他広告関連費用の単価等が大幅に上昇した場合には、当社グループ業績に影響を与える可能性があります。
(6)システム障害の影響について
当社グループでは、事業活動の大部分が自社サーバーやネットワークによって構成されるコンピューターシステムに依存しています。自然災害の他、ネットワーク障害、データセンター障害、使用機器の故障に対しては、二重化や交換用の機器の準備等によって障害による悪影響を抑制する体制は整えておりますが、これを完全に回避することはできず、システム障害が発生した場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(7)特定人物への依存について
代表取締役社長である佐藤茂は、結婚情報サービス事業に関する豊富な経験と知識を有しており、当社グループの経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において、極めて重要な役割を果たしております。これに対し、当社グループは、取締役会や経営会議等における役員間及び幹部社員間の情報共有等により、組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めており、一定の成果を得ておりますが、何らかの理由により同氏の業務遂行が困難となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(8)人材の採用・育成について
当社グループのサービスにおいては、従来のデータマッチング型の結婚相手紹介を主とするのではなく、顧客を担当する社員が、顧客の価値観や志向に基づいて、様々な経験やノウハウを用いながら顧客と共に成婚という成果を目指して活動を支援することに特色があります。
そのため、入会勧奨を担当する社員や本社職の社員はもとより、高品質のサービス提供を行うためにはこれらサービス提供を担当する社員の採用や教育が重要であり、また事業規模、組織規模の拡大に伴い、適切な時期に優秀な人材を採用し、教育し、各店舗に配属していく必要があります。
当社グループは計画的に優秀な人材を採用し、その育成に積極的に努めており、これまで計画に則った採用及び育成が順調にできておりますが、人材の確保が計画どおりに進まなかった場合や、想定外の人材の社外流出が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(9)出店計画について
当社グループの今後の出店計画においては、立地条件、賃貸条件、新規入会数予測等の定量的な条件以外に、既に出店している店舗に在籍する顧客との紹介実現の可否等の定性的な条件も併せて総合的に勘案し、出店候補地を決定しているため、条件に合致する物件が確保できない場合があります。
その場合、他の出店候補地と出店の順序を入れ替えるなどの対策を講じ、出店計画に基づく出店数を実現してまいりますが、出店数が計画を下回った場合は、新規入会数の減少等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)差入保証金及び賃貸借契約について
当社グループは、出店にあたり、賃貸借契約の締結に際して家主に保証金を差入れております。今後の賃貸人の経営状況等によっては、退店時に差入保証金の全部又は一部が返還されない可能性や、当社グループ側の都合により賃貸借契約を中途解約する場合等において、契約の内容により差入保証金の全部又は一部が返還されない可能性があります。
また、賃貸借期間は賃貸人との合意により更新可能ですが、賃貸人側の都合により、賃貸借契約を更新できない事態が生じる可能性があります。
また、賃貸人側の事情による賃貸借契約の期間前解約により、業績が順調な店舗であっても計画外の退店を行わざるを得ない事態が生じる可能性があります。これらが生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(11)固定資産の減損等について
当社グループは、今後減損の兆候が認められ、減損損失の認識をすべきであると判定された固定資産については減損損失を計上することになり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積りを必要とする箇所があります。これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内でかつ合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があることにご留意ください。
当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり採用した重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ308,395千円増加し、2,263,304千円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ32,403千円増加し、1,339,053千円となりました。主な要因は、その他に含まれる未収還付法人税等41,330千円の増加によるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ276,233千円増加し、924,050千円となりました。主な要因は、新システム構築や新店舗出店に伴う設備投資等によるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ436,542千円増加し、1,602,339千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ4,168千円増加し、858,949千円となりました。主な要因は、未払法人税等134,323千円の減少、未払消費税等62,288千円の減少、短期借入金100,000千円の増加及び1年内返済予定の長期借入金83,186千円の増加によるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ432,373千円増加し、743,389千円となりました。主な要因は、長期借入金412,013千円の増加によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ128,146千円減少し、660,965千円となりました。主な要因は、利益剰余金107,321千円の増加及び自己株式237,060千円の取得によるものです。
(3) 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ168,184千円(4.6%)増加し、3,812,210千円となりました。主な要因は、既存店舗の生産性の向上と新規出店による営業・サービス提供エリアの拡大によるものであります。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は前連結会計年度に比べ143,452千円(10.6%)増加し、1,500,454千円となりました。主な要因は、売上高の増加に伴うものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ265,637千円(14.4%)増加し、2,107,108千円となりました。主な要因は、新規出店及び、内部管理体制の強化による、人件費、地代家賃及び減価償却費等の増加であります。
(営業外収益)
当連結会計年度の営業外収益は前連結会計年度に比べ12,867千円(690.2%)増加し、14,732千円となりました。主な要因は受取保証料13,025千円の増加によるものです。
(営業外費用)
当連結会計年度の営業外費用は前連結会計年度に比べ5,569千円(44.3%)減少し、6,993千円となりました。主な要因は、支払利息4,223千円の減少によるものであります。
(特別利益)
当連結会計年度の特別利益は、補助金収入18,998千円によるものであります。
(特別損失)
当連結会計年度の特別損失は、売上補填金53,990千円及び固定資産除売却損3,226千円によるものであります。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照下さい。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、組織体制、法令遵守等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開することにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応してまいります。
(6) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」及び「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、堅調に推移する市場成長を背景に、業界内での認知度・知名度の向上と成婚という顧客成果の向上を両輪で実現し、未婚・晩婚化という社会課題への解決の一助となるべく、更なる成長と企業規模の拡大を図り、より一層社会に貢献してまいります。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループが今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくためには、経営者は、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は、常に外部環境の構造や変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。