当連結会計年度における国内景気は、良好な企業収益や雇用環境の改善等を背景に緩やかな回復傾向が続いております。また、内閣府が2月末に発表した月例経済報告にありますように、個人消費も総じて底堅い動きとなっており、所得環境の持ち直しへの期待感も見られます。一方で、中国や資源国をはじめとする海外経済の先行きの不透明感等、今後の国内景気を下押しするリスクも懸念されます。
当社グループが属する情報サービス業界は、景気回復を背景とした企業のIT投資意欲の回復や、大企業を中心に間接業務の最適化の動きが活性化する等堅調に推移している一方、失業率の低下、有効求人倍率の上昇に伴い、当社グループの主力事業であるCRM事業の人員採用においても賃金の緩やかな上昇傾向が続いております。
このような状況下、当社グループは、主力事業であるCRM事業において、サービス品質の改善、業務効率化等による収益性向上と、既存顧客からの受託業務の増加等による売上規模の拡大の相乗効果により、売上総利益の拡大に注力いたしました。また、成果報酬型提案による多国籍企業顧客(MNC:Multi National Client)向け案件の拡大や、当連結会計年度から本格的に導入されたマイナンバー制度に関する問い合わせ業務の受託拡大等にも重点的に取り組みました。
加えて、2014年10月の伊藤忠商事株式会社(以下、「伊藤忠商事㈱」と言う。)による資本参加を契機に、伊藤忠商事グループの多様な企業ネットワークを活用して新たな事業機会を獲得し、また最新のIT技術を活用したオペレーションの効率向上により、消費者とのコミュニケーションにおける付加価値向上を追求する体制を強化いたしました。具体的には、CRM・コンタクトセンタービジネスを中心としたBPO(Business Process Outsourcing)分野において、新規サービスの企画・開発、共同営業による既存顧客の深耕と新規顧客の開拓を目指し、伊藤忠商事㈱・伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、「伊藤忠テクノソリューションズ㈱」と言う。)、及び当社の3社で業務提携契約を締結し、協業体制の強化を図りました。また、当社開発のクラウド型コンタクトセンタープラットフォームである「BellCloudⓇ」に、音声認識・テキストマイニング機能を搭載した「Bell Cloud VOC」の提供を2016年1月より開始し、クライアントが大規模投資する事無く、低コスト且つ簡便に「消費者ニーズ」をマーケティングデータとして活用することを可能にしました。
各セグメントの業績は以下の通りであります。
(CRM事業)
CRM事業においては、受託業務を主に「継続業務」「スポット業務」に区分けしており、「継続業務」とは、当社グループが継続的にクライアント企業に対しサービスを提供する業務であり、「スポット業務」とは、時限的に発生するイベントへの対応業務であります。「継続業務」は、さらに《既存業務》、《既存(旧BBコール)業務》、《新規業務等》に区分けしております。
《既存業務》と《新規業務等》においては、前連結会計年度より継続的に取り組んでいる品質改善活動の浸透等による既存顧客の継続案件の拡大や、MNC向け案件の拡大等により増収増益となりました。しかしながら、《既存(旧BBコール)業務》において、当社子会社であったBBコール株式会社(以下、「旧BBコール」と言う。なお、旧BBコールは、2015年9月1日付で当社連結子会社である株式会社ベルシステム24により吸収合併されました。)がクライアント企業との間で締結していた大口契約における受注単価や受注時間の減少等の影響が大きく、CRM事業の売上収益は950億28百万円(前連結会計年度比8.8%減)、税引前利益は74億円(前連結会計年度比53.2%減)となりました。
(その他)
CRO事業及びSMO事業においては、社内体制の見直しや業務プロセス改善活動の全社展開継続等を通じ、業務の生産性向上に努めてまいりましたが、医薬品業界の厳しい経営環境による売上減の影響が大きく、その他のセグメントの売上収益は75億12百万円(前連結会計年度比5.3%減)、税引前利益は4億75百万円(前連結会計年度比18.6%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益は1,025億40百万円(前連結会計年度比8.5%減)、税引前利益は78億75百万円(前連結会計年度比51.9%減)、当期利益は50億31百万円(前連結会計年度比49.0%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ29億57百万円減少し、73億34百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、42億60百万円となりました(前連結会計年度は197億30百万円の収入)。これは主に、税引前利益78億75百万円、減価償却費及び償却費19億6百万円を計上したことに対して、営業債権の増加による支出33億12百万円、未払消費税の減少による支出38億95百万円及び法人所得税の支払額が67億61百万円それぞれ生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は26億33百万円となりました(前連結会計年度比7億75百万円増加)。これは主に、有形固定資産の取得による支出16億57百万円、無形資産の取得による支出5億39百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は39億36百万円となりました(前連結会計年度は152億65百万円の支出)。これは、短期借入金の増加による収入が40億円、新株発行による収入45億61百万円がそれぞれ生じたこと及び長期借入金の返済による支出が38億13百万円生じたこと等によるものであります。
(のれん)
日本基準の下で、のれんの償却については、実質的に償却年数を見積り、その年数で償却することとしておりましたが、IFRSではIFRS移行日(2012年3月1日)以降の償却を停止しております。
これにより、IFRSで作成した連結財務諸表では、日本基準と比較し、販売費及び一般管理費が前連結会計年度及び当連結会計年度においてともに56億46百万円減少しております。
(収益の繰延)
日本基準の下では、顧客から受取る研修費及び募集費等の売上である導入準備売上を発生時点で認識しておりますが、当該売上は主たるサービス提供に付随して発生し、その効果は当該サービス提供期間に対応することから、IFRSでは導入準備売上を当該期間にわたって認識しております。これにより、IFRSで作成した連結財務諸表では、日本基準と比較し、前連結会計年度において売上収益が1億14百万円減少し、また当連結会計年度において1億57百万円増加しております。
(その他の長期従業員給付)
日本基準においては、支払時に一括して費用処理している役員への報酬について、IFRSでは役務の提供の対価として、役務の提供期間にわたって費用を認識しており、2014年2月末以前にかかる役務提供に対応する費用を利益剰余金に振り替えております。これにより、IFRSで作成した連結財務諸表では、日本基準と比較し、販売費及び一般管理費が前連結会計年度に4億96百万円減少しております。
(繰延税金資産の回収可能性の検討)
日本基準では、収益力に基づく課税所得の十分性、タックスプランニングの存在及び将来加算一時差異の十分性により繰延税金資産の回収可能性を判断しており、繰延税金資産の貸借対照表計上額は、将来の納付税額を軽減する効果が確実に実現する範囲内に限られ、一般的に、日本公認会計士協会監査委員会報告書第66号「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」の分類に基づき、スケジューリング可能期間や計上額について検討しているのに対し、IFRSでは、一部又は全部の繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲内で、繰延税金資産の計上額を減額しなければならず、繰延税金資産は、将来減算一時差異が利用される時点において課税所得が見込まれる可能性が高い場合に限り、認識されることとなります。繰延税金資産の回収可能性の検討を行った結果、日本基準とIFRSとの間で認識すべき繰延税金資産の金額に差異が発生しております。これにより、IFRSで作成した連結財務諸表では、日本基準と比較し、当期利益が前連結会計年度に5億81百万円増加し、当連結会計年度に3億67百万円減少しております。
(借入金のアメンドメンドフィー)
日本基準では、発生時に一括して費用処理している借入金のアメンドメンドフィーについて、IFRSでは発生した手数料を、対応する負債の帳簿価額の修正として処理し、残存期間にわたって償却を行っております。これにより、IFRSで作成した連結財務諸表では、日本基準と比較し、その他の費用が当連結会計年度に5億44百万円減少し、金融費用が当連結会計年度に64百万円増加しております。
当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
当社グループが顧客企業と締結している契約は、料金算定の基礎となる単価等であり、受注金額の算定に必要な座席数、時間等についてはコール予想等に応じて頻繁に変動いたします。従って、受注金額の特定が極めて困難な状況であるため、同数値の記載を省略しております。
当連結会計年度における販売の実績をセグメント毎に示すと以下の通りであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
CRM事業 | 95,028 | △8.8 |
その他 | 7,512 | △5.3 |
合計 | 102,540 | △8.5 |
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(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下の通りであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高 | 割合 | 販売高 | 割合 | |
ソフトバンク㈱ | ― | ― | 15,390 | 15.0 |
ソフトバンクBB㈱ | 20,201 | 18.0 | ― | ― |
ソフトバンクテレコム㈱ | 10,408 | 9.3 | ― | ― |
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(注) 1.上記金額には消費税等は含まれておりません。
2.ソフトバンクBB株式会社及びソフトバンクテレコム株式会社は、2015年4月1日付でソフトバンクモバイル株式会社に経営統合の上、2015年7月1日付でソフトバンク株式会社に社名を変更しております。前連結会計年度においては当該経営統合前、当連結会計年度においては当該経営統合後の数値に基づき記載しております。
当社グループは、「BELL Value」という理念を掲げ「対話の力で世界を変える」というBELL Missionの下、社員一丸となってお客様から信頼いただけるサービスを創造し、市場を創出してまいりました。これからもなお一層、お客様から必要とされる企業グループを目指すために、以下の施策を重点的に取り組んでいく所存です。
(1)CRM市場における安定成長
① 既存受託案件の継続的品質向上
CRM事業において当社グループが考える品質とは、単にコンタクトセンターにおける応対品質を指すだけではなく、クライアント企業がカスタマーとの関係を強化できることを前提に、カスタマーの満足度向上など、クライアント企業にとっての品質管理指標(顧客満足度などのサービス提供指標)の達成、及び、当社グループにとっての生産性指標(時間あたりの受注金額とコストのバランス等)の達成を高いレベルで両立することができた状態であると認識しております。そのために当社グループは、センター単位ではなく受託業務単位での品質をきめ細かく徹底的に向上させる体制を構築しており、今後も引き続き品質改善体制の強化を進めてまいります。クライアント企業に対し、高品質なサービスを継続的に提供することを通じ、そこから派生する新たな案件を獲得することができ、それが安定成長のための基盤になるものと考えております。
② 新規クライアント企業の積極的獲得
新規のクライアント企業を獲得し、当社グループの営業基盤を増強していくことは、当社グループの成長のために必要不可欠な、最重要課題の一つであります。当社グループは、これまでの新規クライアント企業獲得営業体制に加え、2014年10月に資本参加を受けた伊藤忠商事グループの国内外の広範な企業ネットワークを活用することにより、従来アプローチすることができなかった企業層へのアプローチが可能となることで、新たな売上機会を創出してまいります。また、カスタマーに最高の顧客体験を提供する事を意図した高付加価値型オペレーション手法の導入や、カスタマー接点を起点に、クライアント企業のバリューチェーンを活性化するBPOサービスの展開等、CRM事業を革新、発展させて提供することを通じ、新規クライアント企業の開拓に拍車をかける戦略も推進してまいります。
③ スポット需要への対応
コンタクトセンターに対する需要の一つとして、大規模なカスタマー対応窓口を緊急且つ時限的に設置するといったクライアント企業からのご要望があります。これに対して当社グループは、日本国内におけるセンター数26箇所、席数13,500席という規模と、30余年にわたるコンタクトセンター運営の経験を活かし、緊急対応窓口等のコンタクトセンターを、スピーディーに構築することが可能です。こうしたスポット需要に対し常時、安定的に対応できるよう、更なる体制強化を進めてまいりますが、同時にスポット需要については、時限的な業務であるため、売上全体に占める継続業務とのバランス等を考慮しながら、事業計画に基づいた質的・量的に最適な運用を進めてまいります。
(2)CRM市場におけるさらなる成長
① 伊藤忠商事グループとの連携
伊藤忠商事㈱のグループ企業及びその取引先企業等に対し、同社のネットワークを活用してアプローチを行い、事業の拡張を図ってまいります。加えて、単に面的に事業領域の拡張を図るだけでなく、当社グループと伊藤忠商事グループとの協業によって、クライアント企業とカスタマーの接点であるコンタクトセンター事業の新たな価値を創出してまいります。例えば、2015年7月には伊藤忠商事㈱、伊藤忠テクノソリューションズ㈱及び当社の3社間において、コンタクトセンタービジネスにおける新規サービスの企画・開発に関する包括的業務提携契約を締結しており、3社の協業で最新のITテクノロジーを駆使した最先端のコンタクトセンターサービスの提供を目指してまいります。こうした取り組みをはじめ、伊藤忠商事グループとの広範な連携により、コンタクトセンターを中心としたBPOビジネス等、新たなCRM事業モデルを開発し、提供してまいります。
② CRMインフラの提供
当社グループは、従来より積極的なIT投資を行ってまいりました。国内のソリューションセンターをクラウドで連携した音声系プラットフォームであるBellCloudⓇや、同プラットフォームを応用し在宅コンタクトセンターサービスを可能にするBell@Home、また、人員配置とコストの最適化を実現するWFM(ワークフォースマネジメント)等の先進的且つ科学的なCRMサービスを提供しております。このような実績豊富なCRMインフラを、当社グループが受託した案件に活用する以外に、今後はクライアント企業にCRMインフラとして提供する取組を強化してまいります。CRMインフラとオペレーションのノウハウを、当社グループから一括で提供することにより、クライアント企業は、初期コストを抑えた上で高品質なコンタクトセンターを開設することが可能となります。
(3)新たなCRMマーケットの開拓
① 高品質なグローバル基準のオペレーションを提供
グローバルに事業を展開する企業においては、世界各国において高いレベルでの均質的なサービスを展開するため、コンタクトセンター運営においても世界共通の様々な厳格な指標が設定されており、高水準のオペレーションが要求されております。
当社グループでは、こうしたグローバル企業の要求する高水準のオペレーションを実行するため、MNCを専門とする部署を設置しており、欧米の最先端コンタクトセンター事業会社が提供する世界基準のカスタマーサポート業務を、日本でも同様に提供できる体制を構築し、既に国内のグローバル企業において多数の実績を上げております。今後も、日本で事業展開をする外資系企業のみならず、日本企業に対してもこの高品質なコンタクトセンターサービスの提供を加速してまいります。
② ASEAN諸国をはじめとする海外での事業展開
伊藤忠商事グループの海外ネットワークを活用し、ASEAN諸国をターゲットに見据えコンタクトセンターの海外事業展開を目指します。当社グループが30余年で培ったコンタクトセンターの運営ノウハウを、各国の事情に合わせてカスタマイズし、高品質の現地サービスを提供してまいります。加えて、更なる事業拡張やカントリーリスクの分散、BCP対策等の観点から、複数拠点でのオフショア化を実現しているMNCとの新たな事業機会創出を目指してまいります。
(4)人材マネジメント強化
前記の施策をより迅速かつ確実に実現していくためには、優れた人材の採用と全社的な人材育成の強化が喫緊の課題であると認識しております。
事業戦略を実現するための人材ポリシーと制度設計も含め、中長期的な事業展開を見据えた人材マネジメントを強化してまいります。
(5)コンプライアンス管理体制の強化
株主をはじめ、クライアント企業、取引先、社員等、当社グループを取り巻く各ステークホルダーや、社会から信頼される企業であり続けるため、コーポレート・ガバナンスの充実とコンプライアンス体制の整備及び強化は重要事項であると認識しております。特に、コンプライアンスは当社グループの事業活動のすべてにおいて最優先の事項であると認識しております。
当社グループでは、「コンプライアンス規程」に基づき、CCO(Chief Compliance Officer:最高コンプライアンス責任者)を委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス管理体制の整備、運用状況管理を行っております。また、情報セキュリティについてもCPO(Chief Privacy Officer:最高個人情報保護責任者)及びCISO(Chief Information Security Officer:最高情報セキュリティ責任者)を置き、プライバシーマークの認証基準に基づいた個人情報保護体制、ならびに、ISMS認証基準に基づいた情報セキュリティ保護体制を構築しております。その他、全社員を対象としてコンプライアンス研修を実施し、また「ベルシステム24グループ行動規範」を制定し、これらに従い全役職員が法令等を遵守し、高い倫理観をもった行動をとるよう啓蒙に努めております。
以上のようにコンプライアンス管理体制の強化に向けて継続的に制度・体制及び企業風土の改善を行ってまいります。
当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。また、必ずしも、そのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
当社子会社であったBBコール株式会社(2015年9月1日付で当社連結子会社である株式会社ベルシステム24が吸収合併)が、ソフトバンクBB株式会社・ソフトバンクテレコム株式会社・ソフトバンクモバイル株式会社・ワイモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)と、2015年に新たに締結した業務委託基本契約及び個別契約において、受注単価等の取引条件が変更となったことに伴い、2016年2月期の当社グループの業績に影響が生じました。加えて、今期以降も、受注単価等の取引条件の再変更等によって、当社グループの業績が影響を受ける可能性がある他、契約締結先企業の業績・状況によっては、当社グループの業務受注量が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが属する情報サービス業界のうち、コンタクトセンターサービスの国内市場規模は2009年の5,783億円から2015年の7,300億円台へと堅調に拡大しておりますが(出所:株式会社 ミック経済研究所「CRM/フルフィル/ビジネスプロセスアウトソーシング市場の状況と展望2015年版」)、この背景としては昨今の経済状況によるクライアント企業のコスト削減を目的としたアウトソーシング化の流れがあります。一方で、景気の後退期等においては、クライアント企業での費用削減の傾向が強まり、これまで以上にクライアント企業からのコスト圧縮の要求が高まった場合や、クライアント社内の余剰人材の活用による内製化への転換等が行われた場合には、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのCRM事業においては、多様な業界・クライアントと取引することで、特定の業界や特定のクライアントの業況に大きく影響受けない、リスクを分散した安定的な運営を行っております。また、当社グループのクライアントは上場企業等大企業が多く、かつ1年毎の更新となる長期契約が多いことから、短期的に売上高の大きな変動はないものと考えております。しかしながら、取引先企業の業績が悪化した場合には、アウトソーシング費用低減を目的として、急激な業務量の変更が行われる懸念があります。当社グループは、派遣者及び有期雇用者の業務シフトの見直しや契約解除等で対応いたしますが、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの中核をなすCRM事業が属する「コンタクトセンターアウトソース分野」の市場環境は、当社グループを含む売上高上位3~5社の大手による寡占化が進んでおります(出典:株式会社ミック経済研究所「CRM/フルフィル/ビジネスプロセスアウトソーシング市場の現状と展望2015年度版」)。当社グループは、寡占化が進む同事業領域において、以下のようなさらなる差別化戦略の遂行を通じ、価格競争とは一線を画す形で他社との競争優位性を確立の上、業界トップクラスのポジションを確固たるものとしてまいります。
① 業界での高い経験値と実績に裏付けられた、クライアント企業の要望に応じて迅速かつ的確な対処を可能とする「現場対応力」及びその能力を向上させ続けるための現場実務を担うオペレーター向け育成研修プログラム
② クライアント企業との間で取り決められた「成果」をコミットし、高い生産性によってクライアント企業の満足度向上を実現する先進的なグローバルオペレーションプロセスの実行力と、その実行を担保する人材・ITインフラ等の経営資源
③ 伊藤忠商事㈱の資本参加に伴う、同社グループ企業や同社取引先のコンタクトセンター需要の獲得、及び同社グループにある先進のテクノロジーを持つIT系企業とのコラボレーションによる、コンタクトセンター向けインフラ提供+コンタクトセンター運営の総合型CRMビジネスの積極展開
しかしながら、今後景気の悪化や、業界のコスト構造の変化、業界内の合従連衡等により、当社グループが属する市場の規模が想定したほど拡大しない場合、あるいは、当社グループの差別化戦略が奏功せず、競合優位性の確立につながらなかった場合には、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
多くのクライアント企業との契約は1年毎の更新となっておりますが、クライアント企業の事情による内製化あるいは他企業への委託等により途中解約となる、又は契約が更新されない可能性があり、その場合には当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
現在のところ当社グループの事業に直接的に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、コンタクトセンター業務においては、一部の業務について労働者を派遣することにより実施しております。当社グループでは、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下「労働者派遣法」と言う。)その他の関係法令を遵守しつつ労働者派遣を行っておりますが、労働者派遣法に定める派遣元事業主としての欠格事由(労働者派遣法第6条)に該当し、又は労働者派遣法その他の関係法令に違反した場合には、派遣事業の許可の取消(労働者派遣法第14条)もしくは事業の全部又は一部の停止等を命ぜられ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の連結子会社である株式会社ベル・メディカルソリューションズや株式会社BELL24・Cell Productにて取り組むCRO/SMO等の医薬品開発支援業務においては、薬事法、薬事法施行規則及びそれに関連する厚生労働省令を遵守の上実施しておりますが、これらの法律や省令が改正された場合、事業活動への制限や事業運営に係るコスト増加につながる可能性があります。加えて、今後社会情勢の変化等に応じて当社グループの事業において新たな法令等の制定や既存法令等の改正、解釈の変更等がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、新たなサービスの開発や事業の開始にあたっては、可能な範囲で調査を行い、第三者の知的財産権を侵害することのないよう努めております。しかしながら、予期せず第三者の知的財産権を侵害する等の事態が発生した場合には、当該第三者から損害賠償又は使用差止等の請求を受けることにより、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの受託業務の成果物に関する著作権は当社グループ単独又は当社グループとクライアントの共同保有となっているものがほとんどであり、知的財産権として保護されております。
当社グループのオペレーション上の運用手順・ノウハウ、あるいは当社グループのIT基盤上における当社が開発したソフトウェアは、その多くが特許等知的財産権としての性質を有するものではございません。オペレーション上の運用手順・ノウハウについては、当社グループ社員との間の雇用契約における守秘義務及び当社グループとクライアントとの間の業務委託契約等にて機密保持義務が課される対象となっており、当社グループ社員との雇用契約においては、退職後においても守秘義務及び機密保持義務は継続されることとなっていますが、何らかの理由により他社に漏えい又は模倣される等して、当社グループが損失を受ける可能性は否定できず、結果として当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
昨今の高度に発達した情報化社会においては、情報システムに障害等が生じた場合には、多大な損害が発生することとなります。当社グループの事業においても、営業/オペレーションの運用管理から人事労務管理及び経理全般に至る業務遂行において情報システムに大きく依存しております。万一の場合に備えて可能な限りの事前防止策に努めておりますが、自然災害や想定を超えた技術による不正アクセスや予測不能なコンピュータウィルスの感染等により情報システムに障害等が生じた場合には、クライアントの事業に影響を与え、それにより損害の賠償を求められる可能性がある他、当社グループの事業への信頼喪失を招き、結果として、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが属する情報サービス業界のうち、コンタクトセンターサービスにおける主なコストは人件費により占められており、有期契約の契約社員を積極的に活用することで、効率的なコンタクトセンター運営を実現しております。コンタクトセンター運営においては業務量の増減に合わせて人員の調整を行っておりますが、その調整において業務量の減少に対して人員の調整が追いつかず、コストの適正化が遅行するといった事象が発生した場合、収益悪化につながる可能性があります。
当社グループは、高度な専門的知識及び経験を有する優秀な基幹人材の確保、ならびにコンタクトセンターにおいてはサービスを直接提供するコミュニケーターの確保が大きな課題であります。今後の外部環境等の変化により人員計画等に基づいた採用が行えなかった場合や離職率が上昇した場合には、顧客の要望に対応できない可能性がある他、代替人員の確保のための採用・研修等に関するコストが増加することによって、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、多くのパートタイム・アルバイト等の有期契約社員が、コンタクトセンター業務に従事しております。2013年の改正労働契約法の施行により、施行日以降において有期雇用契約が反復更新され通算契約期間が5年を超えた場合に労働者が申込みをしたときは、期間の定めのない雇用契約に転換されることが法定された他、2016年10月からは短期労働者に対する厚生年金及び健康保険の適用が拡大される等、有期契約社員を取り巻く法規制や労働環境には重大な変化が起こりつつあります。こうした労働関連法規制への対応や労働環境の変化により、当社グループが優秀な人材を雇用できなくなる可能性や当社グループの人件費が高騰する可能性があります。
当社グループの本社及びコンタクトセンターは、建物を第三者から賃借しており、敷金や保証金を賃貸人に対して差し入れている物件が大半を占めております。予期せぬ賃貸人の破産等が発生した場合は、当該敷金や保証金が回収不能となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが新規コンタクトセンターを新設したり、賃借する建物の老朽化等に伴いコンタクトセンターを移転せざるを得なくなった場合、既存コンタクトセンターの賃貸借の更新を行う場合において、景気の変動等により賃料相場が上昇する可能性があります。この他、当社グループが当初策定した通りのコンタクトセンターの新設や増床そのものが困難となる可能性があるとともに、賃貸借契約の内容によっては費用が増加する可能性があります。これらの場合においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入れを行っており、2016年2月期の有利子負債依存度は59.1%(注1)となっております。当社グループは、かかる借入契約の約定に基づき、新たな借入れが制約される可能性があります。また、借入金にかかる金利のうち、変動金利部分については、市場金利が上昇した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの借入金のうち、株式会社みずほ銀行、株式会社三菱東京UFJ銀行、及び三井住友銀行を幹事とするシニアファシリティ契約に基づく借入金については、財務制限条項が付されております。これに抵触した場合、貸付人の請求があれば本契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となり、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があるとともに、かかる資金の確保ができない場合は、当社グループの他の借入についても期限の利益を喪失することが予測され、当社グループの存続に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、財務制限条項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 15.借入金」に記載しております。
(注1)有利子負債依存度は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債の総資産に占める割合となります。
当社グループは、全国にコンタクトセンターを分散配置することで、大規模な地震・風水害・津波・大雪・新型インフルエンザ等の感染症の大流行等が発生した場合においても、被災していないコンタクトセンターが被災したコンタクトセンターを補うことが可能となっております。しかしながら当社グループの本社機能が被災した場合や、被災していないコンタクトセンターにおいて被災したコンタクトセンターを補うだけの人員を遅滞なく確保することができない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
コンタクトセンターは、クライアント企業から預託を受けた各種情報が集積する場所であるため、当社グループにおいては、従来より、個人情報保護及び機密保持に最大の関心を払った施策を行っており、「テレマーケティング・サービス倫理綱領」(1988年制定)、「情報倫理綱領」(1998年制定)を制定し、企業倫理の指針を明文化するとともに、「個人情報保護方針」、「情報セキュリティ方針」(いずれも2005年制定)をはじめ情報保護に関する規程類を整備し、従業員への周知徹底を図ってまいりました。 これらの経緯をふまえ、当社グループが社会やクライアント企業からさらなる信頼を獲得するとともに、企業の社会的責任を果たすべく、2006年8月に「テレマーケティング・サービス倫理綱領」を発展的に吸収した「ベルシステム24グループ企業行動憲章」を制定し、さらに2012年8月には当社グループが取り組むべきコンプライアンスに対する基本姿勢をより具体的に示すために「ベルシステム24グループ企業行動憲章」を発展的に改定した「ベルシステム24グループ行動規範」を制定いたしました。 また、当社の連結子会社である株式会社ベルシステム24においては、2003年5月に情報セキュリティに関する英国規格「BS7799-2:2002」及び国内規格「ISMS認証基準(Ver.2.0)」に基づく認証を現在の松江ソリューションセンター(当社グループにおけるコンタクトセンターの呼称)で同時取得し、2006年7月以降、これらの規格の国際化に対応した「ISO/IEC27001:2005/JISQ27001:2006」認証の登録範囲を、当社のCRMソリューションサービスの提供全体に関連するシステム全般に広げております。本規格は、2014年に「ISO/IEC27001:2013/JISQ27001:2014」に改訂され、新たな規格での認証を付与されております。
さらに、2007年2月には、個人情報を適切に取り扱う体制を整えた事業者に付与される「プライバシーマーク(JISQ15001:2006)」の認定を取得しております。しかしながら、情報漏洩リスクを完全に排除することは困難であることから、万が一、クライアント企業から預託を受けた情報について漏洩事故が発生した場合、当該クライアント企業からの業務委託の打ち切りや損害賠償請求、その他クライアント企業の離反や社会的信用の失墜等、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、グローバルなプライベート・エクイティファームである、ベインキャピタルグループが投資助言を行うファンドからの出資を受け入れており、当連結会計年度末日現在において、同ファンドは当社発行済株式総数の14.45%を保有しております。また、当社の取締役である杉本勇次は、ベインキャピタルグループに属しております。
ベインキャピタルグループは、当社の上場時において、所有する当社株式の一部を売却致しましたが、当社株式上場後においても、同社の株式の保有・処分方針によっては、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、ベインキャピタルグループが相当数の当社株式を保有することにより、当社の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、ベインキャピタル・パートナーズ・LLCとの間で締結していたマネジメント契約に従い、当社が上場又は支配権が変更された場合、その時点で有効な契約期間満了までのマネジメントフィーの残額を現在価値に引き直した額(ただし、2015年11月4日付の変更契約(AMENDMENT TO MANAGEMENT AGREEMENT)により、当社が2015年12月31日以前に東京証券取引所に上場した場合には、その金額を3億60百万円とすることを合意しておりました。)をベインキャピタル・パートナーズ・LLCに対して支払っております。当社では、上場とともに確定した当該金額を2016年2月期に税務上損金として処理しておりますが、当該処理について、税務当局が当社と異なる見解を採用する場合、当社の申告する損金の全部又は一部が、税務当局から損金として認定されず課税所得が増加する結果、法人所得税費用が増加し、さらに加算税・延滞税の支払を命じられる可能性があり、その場合当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
このように、ベインキャピタルグループは、当社について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主が期待する議決権の行使その他の行為を行わない可能性があります。さらに、当社の上場時にベインキャピタル・パートナーズ・LLCとの間のマネジメント契約が終了したため、当社はベインキャピタルグループから経営や事業に関する助言が受けられなくなりました。当社は、当社の上場後はかかる助言がなくても当社の事業運営に支障のない経営体制を整備していると認識しておりますが、かかる経営体制が当社の期待通りに機能しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、伊藤忠商事㈱から出資を受け入れており、当連結会計年度末日現在において、伊藤忠商事㈱は当社発行済株式総数の41.07%を保有しております。当社は伊藤忠商事㈱の持分法適用関連会社となっており、出向者を8名受け入れております。また、当社の取締役である野田俊介及び社外監査役である土橋晃の2名は、伊藤忠商事㈱に属しております。2014年10月の伊藤忠商事㈱の当社への出資後に新たに開拓された伊藤忠商事グループと当社グループの取引は、徐々に増加しております。当社グループとしては今後も伊藤忠商事グループとの取引拡大に向けて伊藤忠商事㈱と協業を継続していく方針であります(なお、伊藤忠商事グループとの取引は、他のクライアント企業と同様の取引条件で行っており、今後も同様の方針であります。)。
なお、伊藤忠商事㈱は、上場後も当社株式を安定保有する意向を有しており、当社と伊藤忠商事㈱の関係について重大な変化は生じないものと認識しております。しかしながら、将来において、何らかの要因により伊藤忠商事㈱が経営方針や営業戦略(当社株式の保有方針も含む)を変更した場合、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、伊藤忠商事㈱が相当数の当社株式を保有することにより、当社の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。このように、伊藤忠商事㈱は、当社について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主が期待する議決権の行使その他の行為を行わない可能性があります。さらに、当社の上場時に伊藤忠商事㈱との間のマネジメント契約が終了したため、当社が伊藤忠商事㈱から経営や事業に関する助言が受けられなくなりました。当社は、当社の上場後はかかる助言がなくても当社の事業運営に支障のない経営体制を整備していると認識しておりますが、かかる経営体制が当社の期待通りに機能しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、2016年2月末現在、連結財政状態計算書にのれんを970億83百万円計上しており、総資産の70.4%を占めています。内訳は、株式会社ベルシステム24(907億57百万円)、株式会社ベル・メディカルソリューションズ(32億56百万円)、株式会社ポッケ(28億1百万円)、株式会社BELL24・Cell Product(2億69百万円)であり、事業収益性が低下した場合等にはのれんの減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、これらののれんは非償却性資産であります。
当社グループが受託している多くのサービスは、クライアント側でも継続性のある業務であります。しかしながら、リコール対応や選挙対応のように、一定の期間に限定された業務(スポット業務)も受託しております。当社グループが大型スポット業務を受託した場合、売上収益のみならず、コンタクトセンターの稼働率上昇により、収益性が向上することがあります。その結果、翌連結会計年度に、売上収益の減少や収益性の低下が起こる可能性があります。
当社グループのサービスを提供するには、コンタクトセンターにおいて多数のコミュニケーターの確保が必要になります。厚生労働省発表の有効求人倍率を見ると、2009年以降上昇を続け、2012年以降は1倍を超えており、また、株式会社リクルートジョブズの調査研究機関ジョブズリサーチセンターが月例で発表する「アルバイト・パート募集時平均時給調査」によれば、求人情報をもとにした「コールセンタースタッフ」採用の平均時給が、首都圏を中心とする大都市圏で上昇傾向にあり、人材争奪戦が激化しつつあります。当社グループでのコンタクトセンターのオペレーター1時間当たりの人件費は、過去3年で若干上昇しているものの、おおむね安定して推移しております。しかしながら、今後景気の回復、労働力人口の減少による労働者獲得競争が一段と激しくなり、採用コストや人件費が上昇した場合には、当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは2017年2月期を初年度とする中期経営計画を策定しています。本中期経営計画では既存案件の成長、既存クライアントからの新規案件の獲得、伊藤忠商事グループとの協業の更なる強化、及びAI(人工知能)等の活用による付加価値サービスの創出等により、安定的かつ継続的な売上成長の実現を目指すとともに、的確な設備増設を継続することにより事業運営を最適化し、利益の拡大を目指すこととしています
本中期経営計画は過去、策定時の現状に基づいて作成されていますが、今後の経済・市場環境の変化、クライアント企業の方針変更、テクノロジーの革新等により、かかる想定通りとならない、あるいは想定していない事象の発生等により、本中期経営計画における目標を達成できない可能性があります。
当社グループは、企業価値向上のためにはコンプライアンスの徹底が必要不可欠であるとの認識の下、「ベルシステム24グループ行動規範」を制定し、これに従い全役職員が法令等を遵守した行動、高い倫理観をもった行動をとることを周知しております。また、コンプライアンス規程を制定の上、原則3ヶ月に1回、チーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO(最高コンプライアンス責任者))を委員長とするコンプライアンス委員会を開催し、当社グループの法令遵守状況の把握にはじまり、法令遵守の体制、方針、施策の決定や、コンプライアンス課題の共有と対策の検討を行っております。なお、本書提出日現在、当社グループの財政状態、事業運営に大きな影響が及ぶ当社グループに対する訴訟はございません。一方で、当社グループの事業活動に際し、当社グループ各社の従業員の法令等に対する違反の有無に関わらず、何らかの理由により労務問題・知的財産権・税務等の問題で訴訟を提起される、又は罰金等を科される可能性があります。また、CRMやCRO/SMO各事業の受託において、業務に必要な社内外の経営資源を確保できないこと等により、これらの受託契約に基づく当社グループとしての責務を果せず、クライアントに生じる損害の一部又は全部につき請求を受ける可能性があります。これらの訴訟の結果、当社グループの責に帰すものと認められた場合、あるいは訴訟を起こされることにより当社グループの事業に対する信頼感が損なわれた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは全社員との間で締結する雇用契約において、業務に関する事項のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等への書き込みを全面的に禁止する内容を定めております。また、社内規程上もソーシャルメディア利用基準を定め、業務としてのSNS利用における手順を明らかにしております。さらに規定化するだけではなく、SNSやインターネット上の掲示板への悪質な書き込みに対しては当社監査部が定期的に監視を行っており、監視活動を通じてSNSや掲示板の運営者に対し削除依頼等の対応を行っております。中でも特に悪質と認められるものについては、書き込み者のIPアドレスを運営者に対して開示請求し、書き込み者への法的措置も辞さない方針です。このような書き込み事例やそれに対する当社グループの対応については、全社員に定期的に通知することで、業務に関する事項をSNS等に書き込んではならないことの周知を改めて図っております。しかしながら、こうした措置をとったとしても、悪質な書き込みを完全に予防することは困難であり、そのような悪質な書き込みにより、当社グループの採用活動や、取引先との関係に影響が生じる等、ひいては損害賠償問題等、当社グループの事業活動に影響を与える経済的被害が生じる可能性があります。
(1)業務委託基本契約
契約会社名 | 相手方の名称 | 契約品目 | 契約締結日 | 契約期間 | 契約内容 |
㈱ベルシステム24 | ソフトバンク㈱ | コールセンター業務受託 | 2015年 | 2015年12月21日から2016年12月20日まで | 業務委託契約 |
2015年1月20日付でBBコール㈱(現 ㈱ベルシステム24)がソフトバンクモバイル㈱(ソフトバンクBB㈱、ソフトバンクテレコム㈱及びソフトバンクモバイル㈱が2015年4月にソフトバンクモバイル㈱に経営統合)との間で締結した契約について、同社がソフトバンク㈱に社名を変更したこと等に伴い再度締結しております。
(2)株式会社みずほ銀行等との借入契約
当社は、2014年9月30日付で株式会社みずほ銀行をエージェントとするシニアファシリティ契約を締結しておりましたが、上場基準を満たし、上場企業としての経営の自由度を確保するとともに、金利条件を変更して支払金利を低減するため、2015年7月28日に当該シニアファシリティ契約の変更を行っております。
2015年7月28日付の変更を含む、当該シニアファシリティ契約の主な契約内容は、以下のとおりであります。
① 契約の相手先
株式会社みずほ銀行、株式会社三菱東京UFJ銀行、株式会社三井住友銀行、三菱UFJ信託銀行株式会社、
みずほ信託銀行株式会社、株式会社東京スター銀行
② 借入枠
ファシリティA借入枠 200億円
ファシリティB借入枠 600億円
リボルビング・ファシリティ借入枠 130億円
なお、リボルビング・ファシリティ借入枠以外については、いずれも全額の借入を実行済みです。
③ 借入金額
ファシリティA、B 当初借入金額 800億円(2016年2月29日現在の借入金額 744億円)
④ 返済期限
ファシリティA:2014年12月30日より3ヶ月毎に返済(最終返済日2021年4月7日)
ファシリティB:最終返済日(2021年4月7日)に返済
リボルビング・ファシリティ:2018年7月28日に返済
⑤ 金利
TIBOR(東京銀行間取引金利)プラススプレッド
なお、スプレッドの計算方法の概要については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表注記 15.借入金」に記載しております。
⑥ 主な借入人の義務
イ、本契約において許容されるものを除き、書面による事前承諾なく第三者に担保提供を行わないこと
ロ、財務制限条項を遵守すること
なお、財務制限条項の主な内容は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表注記 15.借入金」に記載しております。
(3)株式会社みずほ銀行との配当ブリッジローン
子会社から当社への配当を実行する際に発生する源泉税の納付のため、当社は、2016年1月25日付で株式会社みずほ銀行と配当ブリッジローン契約を締結しております。主な契約内容は、以下のとおりであります。
① 契約の相手先
株式会社みずほ銀行
② 借入枠
27億円
③ 借入金額
当初借入金額 27億円
④ 返済期限
2016年8月10日に返済
⑤ 金利
TIBOR(東京銀行間取引金利)プラススプレッド(スプレッドは年率1.00%)
(4)株式会社三井住友銀行他2社との金利キャップ契約
当社は、2014年1月30日付で株式会社三井住友銀行他2社と金利キャップ契約を締結しております。主な契約内容は、以下の通りであります。
① 契約の相手先
株式会社三井住友銀行、株式会社三菱東京UFJ銀行、株式会社みずほ銀行
② 取引期間
自 2014年12月30日 至 2016年12月30日
③ 想定元本
各社合計 241億円
④ 対象金利
全銀協1ヶ月日本円TIBOR
⑤ ストライク
2.00%
(5)当社の子会社であった旧ベルシステム24H②との吸収合併契約
当社と当社の子会社であった旧ベルシステム24H②は、旧ベルシステム24H②が運営する事業のすべてを当社が承継することを目的として、2015年7月15日の取締役決定、2015年8月27日の臨時株主総会決議及び2015年7月15日の取締役会決議により、当社を存続会社、旧ベルシステム24H②を消滅会社として、合併契約を締結いたしました。この契約に基づき、当社は、2015年9月1日付で旧ベルシステム24H②を吸収合併いたしました。
なお、本合併の概要等は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載しております。
① 合併の方法
当社を存続会社とし、旧ベルシステム24H②を消滅会社とする吸収合併であります。
② 合併の期日
2015年9月1日
③ 合併に際して発行する株式及び割当ならびにその算定根拠
完全子会社の吸収合併であるため、本合併による株式その他の金銭等の交付はありません。
従って、第三者機関による算定等は実施しておりません。
④ 引継資産・負債の状況
当社は、旧ベルシステム24H②の一切の資産、負債及び権利義務の全部を吸収合併の効力発生日において承継
いたしました。
資産の額 | 負債の額 |
流動資産 金 6,598百万円 | 流動負債 金 45,912百万円 |
固定資産 金158,211百万円 | 固定負債 金 74,652百万円 |
資産合計 金164,809百万円 | 負債合計 金120,564百万円 |
⑤ 合併により増加すべき当社の資本金・準備金の額
本合併により資本金及び準備金の額は増加しておりません。
⑥ 吸収合併存続会社となる会社の概要(本合併の効力発生日時点)
代 表 者 代表取締役 杉本 勇次
代表取締役 野田 俊介
住 所 東京都千代田区丸の内一丁目1番1号
資 本 金 24,500百万円
事業内容 有価証券の取得・保有及び事業活動の管理
(6)株式会社ベルシステム24のBBコール株式会社との吸収合併契約
当社の子会社である株式会社ベルシステム24と当社の子会社であったBBコール株式会社は、両社のノウハウとサービス体系や事業機会とを相乗的に融合することで、これまで以上にグループとしてのCRM事業を強化するため、2015年7月15日の取締役決定及び臨時株主総会決議により、株式会社ベルシステム24を存続会社、BBコール株式会社を消滅会社として、合併契約を締結いたしました。この契約に基づき、株式会社ベルシステム24は、2015年9月1日付でBBコール株式会社を吸収合併いたしました。
① 合併の方法
株式会社ベルシステム24を存続会社とし、BBコール株式会社を消滅会社とする吸収合併であります。
② 合併の期日
2015年9月1日
③ 合併に際して発行する株式及び割当ならびにその算定根拠
当社の完全子会社同士の吸収合併であるため、本合併による株式その他の金銭等の交付はありません。
従って、第三者機関による算定等は実施しておりません。
④ 引継資産・負債の状況
株式会社ベルシステム24は、BBコール株式会社の一切の資産、負債及び権利義務の全部を吸収合併の
効力発生日において承継いたしました。
資産の額 | 負債の額 |
流動資産 金31,388百万円 | 流動負債 金 2,420百万円 |
固定資産 金 251百万円 | 固定負債 金 36百万円 |
資産合計 金31,639百万円 | 負債合計 金 2,456百万円 |
⑤ 合併により増加すべき当社の資本金・準備金の額
本合併により資本金及び準備金の額は増加しておりません。
⑥ 吸収合併存続会社となる会社の概要(本合併の効力発生日時点)
代 表 者 代表取締役 小松 健次
住 所 東京都中央区晴海一丁目8番11号
資 本 金 100百万円
事業内容 情報サービス業(CRM事業)
(7)Bain Capital Partners, LLCマネジメント契約
当社は、2014年10月7日付でベインキャピタル・パートナーズ・LLCとAMENDED AND RESTATED MANAGEMENT AGREEMENTを締結し、2015年11月4日付でこれに関する変更契約(AMENDMENT TO MANAGEMENT AGREEMENT)を締結しておりました。
主な契約内容は、以下の通りであります。
① 契約の相手先
Bain Capital Partners, LLC
② 契約期間
自 2014年10月7日 至 2019年12月31日(以後は1年間の自動更新)
なお、新規株式公開又は支配権変更の場合には即時終了することとなっており、2015年11月20日の東京証券取引所への上場をもって契約終了しました。
③ 契約内容
資金調達、オペレーション、組織再編等に関するアドバイスの提供
④ 報酬
・年間1.5億円のPeriodic Feeを、4分割で毎四半期初めに支払うこと
・3ヶ月未満の期間に対するPeriodic Feeの金額は日割計算によるが、新規株式公開又は支配権変更による即時終了の場合、その時点で有効な契約期間満了までの残額を現在価値に引き直した額(2015年11月4日付の変更契約により、その金額を360百万円とすることを合意。)を一括で支払うこと
・当社が上場するまでの期間において、Bain Capital Partners, LLCがアドバイスした資金調達、組織再編等の取引が完了した場合には、別途当事者が合意し且つ一般的な水準のSubsequent Feeを別途支払うこと
(8)伊藤忠商事㈱マネジメント契約
当社は、2014年10月7日付で伊藤忠商事㈱とManagement Agreementを締結し、2015年7月29日付でこれに関する覚書を締結しておりました。
主な契約内容は、以下の通りであります。
① 契約の相手先
伊藤忠商事㈱
② 契約期間
自 2014年10月7日 至 2019年12月31日(以後は1年間の自動更新)
なお、新規株式公開又は支配権変更の場合には即時終了となっており、2015年11月20日の東京証券取引所への上場をもって契約終了しました。
③ 契約内容
資金調達、オペレーション、組織再編等に関するアドバイスの提供
④ 報酬
・年間1.5億円のPeriodic Feeを、4分割で毎四半期初めに支払うこと
・3ヶ月未満の期間に対するPeriodic Feeの金額は日割計算によるが、新規株式公開又は支配権変更による即時終了の場合、その時点で有効な契約期間満了までの残額を現在価値に引き直した額を一括で支払うこと(ただし、2015年7月29日付の覚書により、その支払いを不要とすることを合意。)
・当社が上場するまでの期間において、伊藤忠商事㈱がアドバイスした資金調達、組織再編等の取引が完了した場合には、別途当事者が合意し且つ一般的な水準のSubsequent Feeを別途支払うこと
該当事項はありません。
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
①売上収益
当連結会計年度の売上収益は、主力事業であるCRM事業において、既存顧客からの受託業務を着実に積み増している事や、多国籍企業顧客向け業容拡大に加え、伊藤忠商事㈱との事業シナジーによる新規顧客売上寄与等があったものの、当社子会社であった旧BBコールがクライアント企業との間で締結していた大口契約における受注単価や受注時間の減少等の影響が大きく、前連結会計年度と比べて95億31百万円減少(前連結会計年度比8.5%減)し1,025億40百万円となりました。
②売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、 売上収益減少の影響が大きく、前連結会計年度に比べて、102億72百万円減少(前連結会計年度比33.7%減)し201億96百万円となりました。
③販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人件費の減少や、前連結会計年度発生の会社設立に係る租税公課や登録免許税の反動等により、 前連結会計年度に比べて、7億75百万円減少(前連結会計年度比6.9%減)し105億39百万円となりました。
④その他の収益及び費用
当連結会計年度のその他収益及び費用は、株主へのマネジメントフィー支払や上場関連費用などの、上場に係わる一過性の費用の増加の影響が大きく、前連結会計年度に比べて、4億52百万円増加(前連結会計年度比141.5%増)し7億73百万円(費用)となりました。
⑤営業利益
当連結会計年度の営業利益は、販売費及び一般管理費の減少はあったものの、売上総利益やその他費用増加の影響により、前連結会計年度に比べて、99億49百万円減少(前連結会計年度比52.8%減)し88億84百万円となりました。
⑥金融収支(「金融収益」・「金融費用」の合計額)
当連結会計年度の金融収支は、借入金の借換に伴う支払利息削減や、前連結会計年度発生の借入金に係る資金調達費用の反動により、前連結会計年度に比べて、14億37百万円減少(前連結会計年度比58.7%減)し10億9百万円(費用)となりました。
⑦税引前利益
当連結会計年度の税引前利益は、金融収支の改善はあったものの、営業利益減少の影響が大きく、前連結会計年度に比べて、85億12百万円減少(前連結会計年度比51.9%減)し78億75百万円となりました。
⑧親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、法人所得税費用が減少したものの、営業利益減少の影響が大きく、前連結会計年度に比べて、48億44百万円減少(前連結会計年度比49.0%減)し50億31百万円となりました。
流動資産は、主に現金及び現金同等物が29億57百万円減少し、営業債権が33億12百万円、未収還付法人所得税が28億45百万円それぞれ増加したため前連結会計年度末より31億77百万円増加し、273億52百万円となりました。
非流動資産は、有形固定資産が2億58百万円及びその他の長期金融資産が4億9百万円それぞれ増加し、無形資産が2億31百万円及び繰延税金資産が6億46百万円それぞれ減少したため前連結会計年度末より2億32百万円減少し、1,104億95百万円となりました。
これらにより、総資産は前連結会計年度末より29億45百万円増加し、1,378億47百万円となりました。
流動負債は、借入金が28億31百万円増加し、未払法人所得税が44億18百万円、その他の流動負債が17億21百万円、それぞれ減少したため前連結会計年度末より40億95百万円減少し、266億23百万円となりました。
非流動負債は、長期借入金が31億24百万円、長期未払従業員給付が8億55百万円それぞれ減少したため前連結会計年度末より37億13百万円減少し、735億47百万円となりました。
これらにより、負債合計は前連結会計年度末より78億8百万円減少し、1,001億70百万円となりました。
資本は、前連結会計年度末より107億53百万円増加し、376億77百万円となりました。これは主に公募増資を行ったことにより資本金が22億94百万円、資本剰余金が22億73百万円増加したこと、所有者による拠出により資本剰余金が8億29百万円増加したこと、及び当期利益により利益剰余金が50億31百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの主力事業であるCRM事業におきましては、市場価格の下落と、オペレーター人材の確保及び人件費の変動が、経営成績に重要な影響を与える主要因と認識しております。当社グループを取り巻く事業環境は非常に競争が激しく、2008年の金融危機以降、企業が外部へのキャッシュアウト削減に努めるようになったことから、業界全体として市場価格の下落が起こっているものと思われます。また、当事業における原価の大部分は、主にオペレーターの人件費となります。
対応策といたしましては、当社グループが30余年にわたって築き上げてきた実績と経験を活かして他社との差別化を図り、品質向上及び新しいソリューション提供に努める事で市場価格の底上げを実現し、合わせて、当社グループのブランド価値向上によりオペレーターの確保及び単価の抑制に努めていく次第であります。また、今後も戦略型のCRM事業の開発や新しいソリューションを提供し続け、顧客企業とともに成長できるパートナーへ進化を目指します。
当社グループが属する「コンタクトセンターアウトソーシング市場」は、市場規模7,300億円強、市場成長率が年間5~6%、当社グループを含む売上高上位3~5社の大手による寡占化が進んでいる市場であります(出典:株式会社ミック経済研究所「CRM/フルフィル/ビジネスプロセスアウトソーシング市場の現状と展望2015年度版」)。そうした中にあり、上位の競合企業は、当該「コンタクトセンターアウトソーシング市場」に一定のシェアを確保しつつも、その周辺市場に軸足を移し成長の活路を見出しているものと考えられますが、当社グループにおきましては、引き続き当該「コンタクトセンターアウトソーシング市場」に軸足を置き、成長路線を描いていく方針であります。
当該市場は上述の通り上位数社で過半のシェアを占める一方、数多くの中小規模以下の事業者が存在しております。また、アウトソーシングされていないインハウスの市場が、同等ないしそれ以上の規模で存在すると言われております。将来的には、大手へのさらなる収斂、専門領域特化、インハウスセンターのアウトソーシング化等を包含した市場再編成が起きる可能性があります。
当社グループの強みは、「お客様の要望・課題等を瞬時に汲み取り、解決の道筋を提示するオペレーターの高い対話力」「WFM(ワークフォースマネジメント)に代表される生産性と品質を高次元で両立させ、顧客企業に最適なリターンを提供できる高度な労働集約型業務マネジメント力」「現状のオペレーションとあるべき姿のギャップを認識し、改善計画を立案・実行する一連のオペレーションパフォーマンス改善PDCAフレームワークや社内ナレッジの共有システム(Knowledge Ring)を駆使した品質改善力」であります。これらは顧客企業から高い評価を得ているものと自負いたしますが、これまでに培ってきたこうした強みに、高生産性を達成するための標準化や可視化のノウハウ、テクノロジーを駆使したインフラ基盤の整備、伊藤忠商事㈱及びそのグループ企業との営業、事業開発、及びテクノロジー分野におけるシナジーを創出していくことにより、上記のような市場再編成あるいは価値基準の変化の中において中核を成し、今後さらなる成長を果たしてまいりたいと考えております。
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努めております。業界全体として市場価格の下落はありつつも、顧客企業も価値・品質の良いものを選ぶという傾向は強くなってきており、当社グループの強みである「対話力」「労働集約型業務マネジメント力」「品質改善力」に加え、高生産性を達成するための標準化や可視化のノウハウ、テクノロジーを駆使したインフラ基盤の整備を可能にする経験値等を身につけることが最大の課題であると認識しております。
今後の方針といたしましては、顧客企業のニーズに的確に応えつつ、当社グループの強みである「対話力」「労働集約型業務マネジメント力」「品質改善力」を活かした高付加価値のサービス提供に取り組んでまいりたいと考えております。
当社グループは、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算出された調整後営業利益等を重要な財務指標として位置づけております。ベインキャピタルグループによる子会社化(2010年2月期)以降の調整後営業利益及び調整後当期利益の推移、ならびに2013年2月期以降のフリーキャッシュ・フローの推移は以下の通りであります。
(単位:百万円)
| 日本基準 | 国際会計基準 | |||||
旧ベルシステム24① | 旧ベルシステム24② | 当社(注1) | |||||
決算年月 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 |
売上収益 | 113,165 | 111,622 | 107,329 | 105,206 | 107,561 | 112,071 | 102,540 |
営業利益 | 13,940 | 14,863 | 16,098 | 17,984 | 16,599 | 18,833 | 8,884 |
(調整額) |
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+ のれん償却額 | 1,739 | 4,266 | 4,266 | - | - | - | - |
+ マネジメントフィー(注2) | - | 300 | 300 | 300 | 300 | 300 | 576 |
+ 上場関連費用 | - | - | - | - | - | 209 | 299 |
+ 設立費用 | - | - | - | - | - | 426 | - |
+ 上場を前提とした株式報酬 | - | - | - | - | - | - | 325 |
+ 固定資産除売却損 | - | - | - | 303 | 336 | 25 | 69 |
+ その他の費用 | - | - | - | 16 | 200 | 77 | 129 |
- その他の収益 | - | - | - | △5 | - | △27 | - |
調整額小計 | 1,739 | 4,566 | 4,566 | 613 | 835 | 1,010 | 1,398 |
調整後営業利益 | 15,679 | 19,429 | 20,664 | 18,597 | 17,434 | 19,843 | 10,282 |
調整後売上収益 | 13.9% | 17.4% | 19.3% | 17.7% | 16.2% | 17.7% | 10.0% |
(単位:百万円)
| 日本基準 | 国際会計基準 | |||||
旧ベルシステム24① | 旧ベルシステム24② | 当社(注1) | |||||
決算年月 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 |
当期利益 | 7,877 | 5,912 | 5,602 | 8,193 | 8,024 | 9,875 | 5,031 |
(調整額) |
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+ のれん償却額 | 1,739 | 4,266 | 4,266 | - | - | - | - |
+ マネジメントフィー(注2) | - | 300 | 300 | 300 | 300 | 300 | 576 |
+ 上場関連費用 | - | - | - | - | - | 209 | 299 |
+ 設立費用 | - | - | - | - | - | 426 | - |
+ 上場を前提とした株式報酬 | - | - | - | - | - | - | 325 |
+ 固定資産除売却損 | - | - | - | 303 | 336 | 25 | 69 |
+ その他の費用 | - | - | - | 16 | 200 | 77 | 129 |
- その他の収益 | - | - | - | △5 | - | △27 | - |
調整額小計 | 1,739 | 4,566 | 4,566 | 613 | 835 | 1,010 | 1,398 |
調整項目の税金調整額 | - (40.70%) | 122 (40.70%) | 122 (40.70%) | 249 (40.70%) | 317 (38.01%) | 384 (38.01%) | 498 (35.64%) |
調整額小計 | 1,739 | 4,444 | 4,444 | 364 | 518 | 626 | 900 |
調整後当期利益 | 9,616 | 10,356 | 10,047 | 8,557 | 8,542 | 10,501 | 5,931 |
(単位:百万円)
| 国際会計基準 | |||
当社(注1) | ||||
決算年月 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 12,130 | 12,512 | 19,730 | △4,260 |
- 設備投資額(注9) | △1,555 | △2,019 | △1,765 | △2,196 |
有形固定資産の取得による支出 | △436 | △1,223 | △1,166 | △1,657 |
無形資産の取得による支出 | △1,119 | △796 | △599 | △539 |
フリーキャッシュ・フロー(注10)(注11) | 10,575 | 10,493 | 17,965 | △6,456 |
(注) 1.IFRS移行日である2012年3月1日から㈱BCJ-15(2014年6月20日設立)が企業集団の頂点にあるとみなし作成した連結財務諸表にかかる数値を記載しています。
2.BCP及び伊藤忠商事㈱とのマネジメント契約に基づく報酬
3.国際会計基準におけるその他の費用のうち、日本基準において特別損失に該当するもの(固定資産除売却損を除く)
4.国際会計基準におけるその他の収益のうち、日本基準において特別利益に該当するもの
5.調整後営業利益(日本基準)=営業利益 + のれん償却額 + マネジメントフィー
6.調整後営業利益(国際会計基準)=営業利益 + マネジメントフィー + 上場関連費用 + 上場を前提とした株式報酬 + 設立費用 + 固定資産除売却損 + その他の費用 - その他の収益
7.調整後当期利益(日本基準)=当期利益 + のれん償却額 + マネジメントフィー - 調整項目の税金調整額
8.調整後当期利益(国際会計基準)=当期利益 + マネジメントフィー + 上場関連費用 + 上場を前提とした株式報酬 + 設立費用 + 固定資産除売却損 + その他の費用 - その他の収益 - 調整項目の税金調整額
9.設備投資額=有形固定資産の取得による支出 + 無形資産の取得による支出
10.フリーキャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー - 設備投資額
11.調整後営業利益、調整後当期利益、及びフリーキャッシュ・フローは国際会計基準により規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社が有用と考える財務指標であります。調整後営業利益及び調整後当期利益は、上場後には発生しないと見込まれるマネジメントフィー、上場関連費用及び設立費用や、非経常的損益項目(通常の営業活動の結果を示していると考えられない項目、あるいは競合他社に対する当社グループの業績を適切に示さない項目)の影響を除外しております。
なお、調整後営業利益及び調整後当期利益は、営業利益及び当期利益に影響を及ぼす項目の一部を除外しており、分析手段としては重要な制限があることから、国際会計基準に準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおける調整後営業利益、調整後当期利益及びフリーキャッシュ・フローは、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。