第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における日本経済は、個人消費の回復に一部遅れが見られるものの、全体では雇用環境の改善等を背景に緩やかな回復傾向が続いております。一方、世界経済は中国で景気の持ち直しの動きがみられるものの、英国のEU離脱に向けた動きや米国新大統領が掲げる米国第一主義等の政策が及ぼす世界経済の先行きの不透明感等、今後の国内景気を下押しするリスクが懸念されます。

当社グループが属する情報サービス業界は、大企業を中心に間接業務のアウトソーシングの高まりを受け、市場規模は堅調に拡大している一方、失業率の低下、有効求人倍率の上昇に伴い、当社グループの主力事業であるCRM(Customer Relationship Management)事業の人員採用においても、直接雇用、派遣社員ともに賃金の上昇傾向が続いております。

このような状況下、当社グループは主力事業であるCRM事業において、サービスの品質改善、業務効率化の積み重ねによる既存顧客からの受託業務の増加等を通じ、売上収益の拡大に注力いたしました。

当社グループが、注力している人材施策面に関しては、景気回復や労働人口減少を背景に、人材確保が困難になる中で、社会保障制度の変更等も影響し、人件費の上昇傾向が続いております。こうした環境変化に対し、当社グループでは、「拠点×人材」戦略による採用・リテンションの強化を、事業基盤拡大のための重要な課題の一つであると考えております。サービス提供価格への適切な転嫁に取り組む一方で、優秀な人材を長期的に確保する施策として、新たな人事制度を導入し、CRM事業の現場責任者を有期雇用から無期雇用に転換したことに加え、全国転勤を伴わない地域限定型社員制度も導入いたしました。また、より多様な人材を活かす基盤構築として、50-100名の小規模なコールセンターを国内にネットワーク展開する「スモールオフィス」や「在宅コールセンター」を実現するべく、クラウド型コールセンタープラットフォームや運営システムの強化に注力いたしました。在宅コールセンター業務の支援ソリューション「BellCloud Performance Manager」や「BellCloud for Telework」を開始することに加え、スモールオフィスの具体的成果として、コーナン商事株式会社が全国に展開するホームセンターの「コーナン港北センター南店」においてスモールオフィス第一号センターを開設いたしました。

当社の筆頭株主である伊藤忠商事㈱グループの多様な企業ネットワークや取引パートナーを活用した事業機会創出にも引き続き注力し、日本国内での業容拡大に加え、同社の海外ネットワーク、情報収集力を活用した海外展開の動きを加速させました。具体的には、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、「CTC」と言う。)とともに当社の「BellCloud®」をベースとしたコールセンター構築・運用サービス「eBellCloud」のサービスの販売を、主に金融や小売、流通業界向けに開始いたしました。また、ベトナムのコンタクトセンター大手のHoa Sao Group Joint Stock Companyの株式49%を取得することで、同社の既存株主と基本合意いたしました。今回の出資を足掛かりに、多国籍企業のベトナムマーケット進出支援やオフショアニーズへの対応を進めております。

更に、AI(人工知能)技術等を活用して、当社グループのオペレーションと顧客のデータを融合し、マーケティング施策の展開や自動対応への活用も視野に入れたソリューションを提供する「Advanced CRM (a-CRM)構想」の実現に向けた取り組みを強化いたしました。BPO(Business Process Outsourcing)分野関連において、伊藤忠商事㈱、CTC等と協同で「音声認識」、「テキストマイニング」の技術を活用し、会話の相手の感情を画面上でモニタリングすることができる感情解析技術や、AI技術の導入といった、新たな「コンタクトセンター向けテクノロジーソリューションサービス」の検証に着手いたしました。また、伊藤忠商事㈱及び株式会社エヌ・ティ・ティ・データと、AI技術を活用したウェブ接客サービスを提供する株式会社空色の株式を第三者割当により取得し、AI技術を活用したBPO事業の拡大に向けた資本業務提携を行うことに合意いたしました。

 

その他事業においては、伊藤忠商事㈱、及び同社傘下の事業会社とともに、製薬会社向けアウトソーシング事業の更なる強化を目指し、㈱ベル・メディカルソリューションズ(現 ㈱ビーアイメディカル)の事業を再編いたしました。具体的には、2017年1月1日付で㈱ベル・メディカルソリューションズ(現 ㈱ビーアイメディカル)の事業を医薬品開発支援業務に係る事業と製薬会社向けBPO業務を中心とした事業に会社分割した上で、前者を伊藤忠商事㈱の100%子会社であった同様の業務を営むエイツーヘルスケア株式会社に統合し(吸収分割承継会社はエイツーヘルスケア株式会社)、後者を伊藤忠商事㈱の100%子会社であった製薬企業向けMR(Medical Representative 医薬情報担当者)派遣業務等を行うIML株式会社と統合いたしました(吸収合併存続会社は㈱ベル・メディカルソリューションズ(現 ㈱ビーアイメディカル))。 

 

各セグメントの業績は以下の通りであります。

(CRM事業)

前連結会計年度より継続的に取り組んでいる品質改善活動の浸透や、伊藤忠商事㈱との協業強化によるシナジー等による既存継続案件の売上拡大、及び旧BBコール業務が堅調に推移したこと等により、売上収益は前連結会計年度比で増収となりました。一方利益面では、厳しい採用環境、人件費や社会保険料の増加を反映した適正な価格設定が遅れたこと、新規大型案件の立ち上げに伴う先行経費や、拠点拡大に伴う先行経費の支出等によりコストが増加し、税引前利益は前連結会計年度比で減益となりました。この結果、CRM事業の売上収益は1,015億26百万円(前連結会計年度比6.8%増)、税引前利益は69億3百万円(同6.7%減)となりました。

(その他)

CRO事業及びSMO事業、及びその他事業において、営業体制の見直しや社内プロセス改善活動の全社展開継続等を通じ業務の生産性向上に注力してまいりましたが、医薬品業界の厳しい経営環境の影響もあり、売上収益は前連結会計年度比で減収となりました。また、税引前利益は、CRO事業において、㈱ベル・メディカルソリューションズ(現 ㈱ビーアイメディカル)の再編に伴い発生する一過性の損失の影響により、前連結会計年度比で減益となりました。この結果、その他のセグメントの売上収益は73億90百万円(前連結会計年度比1.6%減)、税引前利益は2億93百万円(同38.4%減)となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益は1,089億16百万円(前連結会計年度比6.2%増)、税引前利益は71億96百万円(同8.6%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は43億4百万円(同14.5%減)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ17億16百万円減少し、56億18百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、67億91百万円となりました(前連結会計年度は42億60百万円の支出)。これは主に、税引前利益71億96百万円、減価償却費及び償却費21億26百万円、法人所得税の還付額28億63百万円を計上したことに対して、営業債権の増加15億33百万円及び法人所得税の支払額が46億89百万円、それぞれ生じたことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は31億14百万円となりました(前連結会計年度は26億33百万円の支出)。これは主に、有形固定資産の取得による支出16億13百万円、無形資産の取得による支出8億77百万円、敷金及び保証金の差入による支出7億円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は53億96百万円となりました(前連結会計年度は39億36百万円の収入)。これは、長期借入金の返済による支出27億50百万円、配当金の支払による支出26億13百万円がそれぞれ生じたこと等によるものであります。

 

 

(3) IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項

(のれん)

日本基準の下で、のれんの償却については、実質的に償却年数を見積り、その年数で償却することとしておりましたが、IFRSではIFRS移行日(2012年3月1日)以降の償却を停止しております。
 これにより、IFRSで作成した連結財務諸表では、日本基準と比較し、販売費及び一般管理費が前連結会計年度において56億46百万円減少し、当連結会計年度において56億43百万円減少しております。

(収益の繰延)

日本基準の下では、顧客から受取る研修費及び募集費等の売上である導入準備売上を発生時点で認識しておりますが、当該売上は主たるサービス提供に付随して発生し、その効果は当該サービス提供期間に対応することから、IFRSでは導入準備売上を当該期間にわたって認識しております。これにより、IFRSで作成した連結財務諸表では、日本基準と比較し、売上収益が前連結会計年度において1億57百万円増加し、当連結会計年度において7百万円増加しております。

(繰延税金資産の回収可能性の検討)

日本基準では、収益力に基づく課税所得の十分性、タックスプランニングの存在及び将来加算一時差異の十分性により繰延税金資産の回収可能性を判断しており、繰延税金資産の計上額は、将来の納付税額を軽減する効果が確実に実現する範囲内に限られ、一般的に、日本公認会計士協会監査委員会報告書第66号「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」の分類に基づき、スケジューリング可能期間や計上額について検討しているのに対し、IFRSでは、一部又は全部の繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲内で、繰延税金資産の計上額を減額しなければならず、繰延税金資産は、将来減算一時差異が利用される時点において課税所得が見込まれる可能性が高い場合に限り、認識されることとなります。繰延税金資産の回収可能性の検討を行った結果、日本基準とIFRSとの間で認識すべき繰延税金資産の金額に差異が発生しております。これにより、IFRSで作成した連結財務諸表では、日本基準と比較し、当期利益が前連結会計年度において3億67百万円減少し、当連結会計年度において93百万円減少しております。

(借入金のアメンドメントフィー)

日本基準では、発生時に一括して費用処理している借入金のアメンドメントフィーについて、IFRSでは発生した手数料を、対応する負債の帳簿価額の修正として処理し、残存期間にわたって償却を行っております。これにより、IFRSで作成した連結財務諸表では、日本基準と比較し、その他の費用が前連結会計年度において5億44百万円減少し、金融費用が前連結会計年度において64百万円増加し、当連結会計年度において1億6百万円増加しております。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産の実績

当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

(2) 受注の実績

当社グループが顧客企業と締結している契約は、料金算定の基礎となる単価等であり、受注金額の算定に必要な座席数、時間等についてはコール予想等に応じて頻繁に変動いたします。従って、受注金額の特定が極めて困難な状況であるため、同数値の記載を省略しております。

 

(3) 販売の実績

当連結会計年度における販売の実績をセグメント毎に示すと以下の通りであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

CRM事業

101,526

6.8

その他

7,390

△1.6

合計

108,916

6.2

 

 

 

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下の通りであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高
(百万円)

割合
(%)

販売高
(百万円)

割合
(%)

ソフトバンク㈱

15,390

15.0

14,347

13.2

 

 

 

 

 

 

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、「BELL Value」という理念を掲げ「対話の力で世界を変える」というBELL Missionの下、社員一丸となってお客様から信頼いただけるサービスを創造し、市場を創出してまいりました。これからもなお一層、お客様から必要とされる企業グループを目指すために、以下の施策を重点的に取り組んでいく所存であります。

 

(1)CRM市場における安定成長

① 既存受託案件の継続的品質向上

CRM事業において当社グループが考える品質とは、コンタクトセンターにおける応対品質を指すだけではなく、カスタマーの満足度向上等、クライアント企業にとっての品質管理指標(顧客満足度等のサービス提供指標)の達成、及び当社グループにとっての生産性指標(時間あたりの受注金額とコストのバランス等)の達成を高いレベルで両立することができた状態であると認識しております。そのために当社グループは、センター単位ではなく受託業務単位での品質をきめ細かく徹底的に向上させる体制を構築しており、今後も引き続き品質改善体制の強化を進めてまいります。クライアント企業に対し、高品質なサービスを継続的に提供することを通じ、そこから派生する新たな案件を獲得することができ、それが安定成長のための基盤になるものと考えております。

② 新規クライアント企業の積極的獲得

新規のクライアント企業を獲得し、当社グループの営業基盤を増強していくことは、当社グループの成長のために必要不可欠な、最重要課題の一つであります。当社グループは、これまでの新規クライアント企業獲得営業体制に加え、伊藤忠商事グループの国内外の広範な企業ネットワークを活用することにより、従来、アプローチをすることができなかった企業層へのアプローチが可能となることで、新たな売上機会を創出してまいります。また、カスタマーに最高の顧客体験を提供することを意図した高付加価値型CRMオペレーション手法の導入や、カスタマー接点を起点に、クライアント企業のバリューチェーンを活性化するBPOサービスの展開等、CRM事業を革新、発展させて提供することを通じ、新規クライアント企業の開拓に拍車をかける戦略も推進してまいります。

③ スポット需要への対応

コンタクトセンターに対する需要の一つとして、大規模なカスタマー対応窓口を緊急且つ時限的に設置するといったクライアント企業からの要望があります。これに対して当社グループは、日本国内におけるセンター数30箇所、席数15,500席という規模と、30余年にわたるコンタクトセンター運営の経験を活かし、緊急対応窓口等のコンタクトセンターを、スピーディーに構築することが可能です。こうしたスポット需要に対し継続的且つ安定的に対応できるよう、更なる体制強化を進めてまいりますが、同時にスポット需要については、時限的な業務であるため、売上全体に占める継続業務とのバランス等を考慮しながら、事業計画に基づいた質的・量的に最適な運用を進めてまいります。

④ 安定的な人材の確保

当社グループでは、人材不足や、人件費等の上昇によるオペレーションコストの増加をもたらす雇用環境の変化に対応していくことが、事業基盤を拡大し、成長を続けるために必要不可欠な重要課題の一つと考えております。これに対応すべく、当社グループでは、人件費等の上昇を反映したサービス提供価格の適正化に取り組むとともに、業務の効率化やコストコントロールの徹底により収益基盤の拡充を進めてまいります。
 また、働きやすい環境整備のため、各センター拠点内の休憩室をリニューアルする等職場環境の改善や労務相談窓口の充実に努めてまいりました。今後は多様な働き方を受容する基盤として、各種の人事制度改革を実施するとともに、採用活動の強化や科学的な分析に基づく人材管理等を通じ、優秀な人材の長期的な確保を目指してまいります。

 

 

(2)CRM市場におけるさらなる成長

① 伊藤忠商事グループとの連携

伊藤忠商事㈱のグループ企業及びその取引先企業等に対し、同社のネットワークを活用してアプローチを行い、事業の拡張を図ってまいります。加えて、単に面的に事業領域の拡張を図るだけでなく、当社グループと伊藤忠商事グループとの協業によって、クライアント企業とカスタマーの接点であるコンタクトセンター事業の新たな価値を創出してまいります。例えば、伊藤忠商事㈱、CTC及び当社の3社間において締結したコンタクトセンタービジネスにおける新規サービスの企画・開発に関する包括的業務提携契約に基づき、3社の協業で最新のITテクノロジーを駆使した最先端のコンタクトセンターサービス提供を目指しております。こうした取り組みをはじめ、伊藤忠商事グループとの広範な連携により、コンタクトセンターを中心としたBPOビジネス等、新たなCRM事業モデルを開発し、提供してまいります。

  ② CRMインフラの提供

当社グループは、従来より積極的なIT投資を行ってまいりました。国内のソリューションセンターをクラウドで連携した音声系プラットフォームであるBellCloud®や、同プラットフォームを応用し在宅コンタクトセンターサービスを可能にするBell@Home、また、人員配置とコストの最適化を実現するWFM(ワークフォースマネジメント)等の先進的且つ科学的なCRMサービスを提供しております。このような実績豊富なCRMインフラを、今後は、当社グループが受託した案件に活用する以外に、クライアント企業にCRMインフラとして提供する取組を強化してまいります。CRMインフラとオペレーションのノウハウを、当社グループから一括で提供することにより、クライアント企業は、初期コストを抑えた上で高品質なコンタクトセンターを開設することが可能となります。

  ③ 新技術・新ビジネスモデルの取組

当社グループでは、将来の事業成長のために、課金型やレベニューシェア等の新しいビジネスモデルを導入していくことを検討しております。また、将来の高効率なオペレーションを実現するためのAIやオートメーションを中心とした先端テクノロジー領域での取り組みにも注力してまいります。

 

(3)新たなCRMマーケットの開拓

① 高品質なグローバル基準のオペレーションを提供

グローバルに事業を展開する企業においては、世界各国において高いレベルでの均質的なサービスを展開するため、コンタクトセンター運営においても世界共通の様々な厳格な指標が設定されており、高水準のオペレーションが要求されております。

当社グループでは、こうしたグローバル企業の要求する高水準のオペレーションを実行するため、多国籍企業顧客(MNC:Multi National Client)を専門とする部署を設置しており、欧米の最先端コンタクトセンター事業会社が提供する世界基準のカスタマーサポート業務を、日本でも同様に提供できる体制を構築し、既に国内のグローバル企業において多数の実績を上げております。今後も、日本で事業展開をする外資系企業のみならず、日本企業に対してもこの高品質なコンタクトセンターサービスの提供を加速してまいります。

② ASEAN諸国をはじめとする海外での事業展開

伊藤忠商事グループの海外ネットワークを活用し、ASEAN諸国をターゲットに見据えコンタクトセンターの海外事業展開を目指します。当社グループが30余年で培ったコンタクトセンターの運営ノウハウを、各国の事情に合わせてカスタマイズし、高品質の現地サービスを提供してまいります。加えて、更なる事業拡張やカントリーリスクの分散、BCP(Business Continuity Plan)対策等の観点から、複数拠点でのオフショア化を実現しているMNCとの新たな事業機会創出を目指してまいります。

 

 

(4)人材マネジメント強化

前記の施策をより迅速かつ確実に実現していくためには、優れた人材の採用と全社的な人材育成の強化が喫緊の課題であると認識しております。

事業戦略を実現するための人材ポリシーと制度設計も含め、中長期的な事業展開を見据えた人材マネジメントを強化してまいります。

 

(5)コンプライアンス管理体制の強化

株主をはじめ、クライアント企業、取引先、社員等、当社グループを取り巻く各ステークホルダーや、社会から信頼される企業であり続けるため、コーポレート・ガバナンスの充実とコンプライアンス体制の整備及び向上は重要事項であると認識しております。特に、コンプライアンスは当社グループの事業活動のすべてにおいて最優先の事項であると認識しております。

当社グループでは、「コンプライアンス規程」に基づき、CCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー:コンプライアンス担当役員)を委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス体制面での運用状況管理、整備を行っております。また、情報セキュリティについてもCPO(チーフ・プライバシー・オフィサー:最高個人情報保護責任者)及びCISO(チーフ・インフォメーション・セキュリティー・オフィサー:最高情報セキュリティ責任者)を置き、プライバシーマークの認証基準に基づいた個人情報保護体制、ならびに、ISMS認証基準に基づいた情報セキュリティ保護体制を構築しております。その他、全社員を対象としてコンプライアンス研修を実施し、また「ベルシステム24グループ行動規範」を制定し、これらに従い全役職員が法令等を遵守し、高い倫理観をもった行動をとるよう啓蒙に努めております。

以上のようにコンプライアンス管理体制の強化に向けて継続的に制度・体制及び企業風土の改善を行ってまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。また、必ずしも、そのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業環境等について

当社グループが属する情報サービス業界のうち、コンタクトセンターサービスの国内市場規模は2009年の5,783億円から2016年の7,800億円台へと堅調に拡大しておりますが(出典:コールセンタージャパン編集部・編「コールセンター白書2016」)、この背景としては昨今の経済状況によるクライアント企業のコスト削減を目的としたアウトソーシング化の流れがあります。一方で、景気の後退期等においては、クライアント企業での費用削減の傾向が強まり、これまで以上にクライアント企業からのコスト圧縮の要求が高まった場合や、クライアント社内の余剰人材の活用による内製化への転換等が行われた場合には、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)取引先の業況

当社グループのCRM事業においては、多様な業界・クライアントと取引することで、特定の業界や特定のクライアントの業況に大きく影響受けない、リスクを分散した安定的な運営を行っております。また、当社グループのクライアントは上場企業等大企業が多く、かつ1年毎の更新となる長期契約が多いことから、短期的に売上高の大きな変動はないものと考えております。しかしながら、取引先企業の業績が悪化した場合には、アウトソーシング費用低減を目的として、急激な業務量の変更が行われる懸念があります。当社グループは、派遣者及び有期雇用者の業務シフトの見直しや契約解除等で対応いたしますが、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)競合について

当社グループの中核をなすCRM事業が属する「コンタクトセンターアウトソース分野」の市場環境は、当社グループを含む売上高上位6社の大手による寡占化が続いております(出典:コールセンタージャパン編集部・編「コールセンター白書2016」)。当社グループは、寡占化が進む同事業領域において、以下のようなさらなる差別化戦略の遂行を通じ、価格競争とは一線を画す形で他社との競争優位性を確立の上、業界トップクラスのポジションを確固たるものとしてまいります。

① 業界での高い経験値と実績に裏付けられた、クライアント企業の要望に応じて迅速かつ的確な対処を可能とする「現場対応力」及びその能力を向上させ続けるための現場実務を担うオペレーター向け育成研修プログラム

② クライアント企業との間で取り決められた「成果」をコミットし、高い生産性によってクライアント企業の満足度向上を実現する先進的なグローバルオペレーションプロセスの実行力と、その実行を担保する人材・ITインフラ等の経営資源

③ 伊藤忠商事㈱の資本参加に伴う、同社グループ企業や同社取引先のコンタクトセンター需要の獲得、及び同社グループにある先進のテクノロジーを持つIT系企業とのコラボレーションによる、コンタクトセンター向けインフラ提供+コンタクトセンター運営の総合型CRMビジネスの積極展開

しかしながら、今後景気の悪化や、業界のコスト構造の変化、業界内の合従連衡等により、当社グループが属する市場の規模が想定したほど拡大しない場合、あるいは、当社グループの差別化戦略が奏功せず、競合優位性の確立につながらなかった場合には、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)顧客との契約について

多くのクライアント企業との契約は1年毎の更新となっておりますが、クライアント企業の事情による内製化あるいは他企業への委託等により途中解約となる、又は契約が更新されない可能性があり、その場合には当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
 加えて、業務受注量や、受注単価等の取引条件の再変更等によって、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

 

(5)法規制について

現在のところ当社グループの事業に直接的に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、コンタクトセンター業務においては、一部の業務について労働者を派遣することにより実施しております。当社グループでは、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下 「労働者派遣法」と言う。)その他の関係法令を遵守しつつ労働者派遣を行っておりますが、労働者派遣法に定める派遣元事業主としての欠格事由(労働者派遣法第6条)に該当し、又は労働者派遣法その他の関係法令に違反した場合には、派遣事業の許可の取消(労働者派遣法第14条)もしくは事業の全部又は一部の停止等を命ぜられ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社の連結子会社である㈱ビーアイメディカルや㈱BELL24・Cell Productにて取り組むCSO/MIS/SMO等の医薬品開発支援業務においては、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則及びそれに関連する厚生労働省令を遵守の上実施しておりますが、これらの法律や省令が改正された場合、事業活動への制限や事業運営に係るコスト増加につながる可能性があります。加えて、今後社会情勢の変化等に応じて当社グループの事業において新たな法令等の制定や既存法令等の改正、解釈の変更等がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)知的財産権の侵害について

当社グループは、新たなサービスの開発や事業の開始にあたっては、可能な範囲で調査を行い、第三者の知的財産権を侵害することのないよう努めております。しかしながら、予期せず第三者の知的財産権を侵害する等の事態が発生した場合には、当該第三者から損害賠償又は使用差止等の請求を受けることにより、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの受託業務の成果物に関する著作権は当社グループ単独又は当社グループとクライアントの共同保有となっているものがほとんどであり、知的財産権として保護されております。

当社グループのオペレーション上の運用手順・ノウハウ、あるいは当社グループのIT基盤上における当社が開発したソフトウェアは、その多くが特許等知的財産権としての性質を有するものではございません。オペレーション上の運用手順・ノウハウについては、当社グループ社員との間の雇用契約における守秘義務及び当社グループとクライアントとの間の業務委託契約等にて機密保持義務が課される対象となっており、当社グループ社員との雇用契約においては、退職後においても守秘義務及び機密保持義務は継続されることとなっていますが、何らかの理由により他社に漏えい又は模倣される等して、当社グループが損失を受ける可能性は否定できず、結果として当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)情報システムに障害が発生した場合の影響について

昨今の高度に発達した情報化社会においては、情報システムに障害等が生じた場合には、多大な損害が発生することとなります。当社グループの事業においても、営業/オペレーションの運用管理から人事労務管理及び経理全般に至る業務遂行において情報システムに大きく依存しております。万一の場合に備えて可能な限りの事前防止策に努めておりますが、自然災害や想定を超えた技術による不正アクセスや予測不能なコンピュータウィルスの感染等により情報システムに障害等が生じた場合には、クライアントの事業に影響を与え、それにより損害の賠償を求められる可能性がある他、当社グループの事業への信頼喪失を招き、結果として、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)業務量に対するコスト適正化の遅行性及びスポット案件受注による収益の変動について

当社グループが属する情報サービス業界のうち、コンタクトセンターサービスにおける主なコストは人件費により占められており、有期契約の契約社員を積極的に活用することで、効率的なコンタクトセンター運営を実現しております。コンタクトセンター運営においては業務量の増減に合わせて人員の調整を行っておりますが、その調整において業務量の減少に対して人員の調整が追いつかず、コストの適正化が遅行するといった事象が発生した場合、収益低下につながる可能性があります。

また、当社グループがリコール対応や選挙対応のように、一定の期間に限定された大型の業務(スポット業務)を受託した場合、コンタクトセンターの稼働率上昇により収益性が一時的に向上することがありますが、その反動により、翌連結会計年度に売上収益の減少や収益性の低下が起こる可能性があります。

 

 

(9)人材の確保及び人件費の高騰について

当社グループは、高度な専門的知識及び経験を有する優秀な基幹人材の確保、ならびにコンタクトセンターにおいてはサービスを直接提供するコミュニケーターの確保が大きな課題であります。今後の外部環境等の変化により人員計画等に基づいた採用が行えなかった場合や離職率が上昇した場合には、顧客の要望に対応できない可能性がある他、代替人員の確保のための採用・研修等に関するコストが増加することによって、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、厚生労働省発表の有効求人倍率は2009年以降上昇を続け、2012年以降は1倍を超えており、株式会社リクルートジョブズの調査研究機関ジョブズリサーチセンターが月例で発表する「アルバイト・パート募集時平均時給調査」によれば、求人情報をもとにした「コールセンタースタッフ」採用の平均時給は、首都圏を中心とする大都市圏で上昇傾向にあり、人材争奪戦が激化しつつあります。当社グループでのコンタクトセンターのオペレーター1時間当たりの人件費は、過去3年で上昇傾向を示しており、その傾向が緩和することは想定しづらい環境にあります。これに対応するべく、当社グループはサービス提供価格への適切な価格転嫁に取り組むとともに、業務の効率化やコストコントロールの徹底を進めてまいりますが、今後景気の拡大、労働力人口の減少による労働者獲得競争が一段と激しくなり、採用コストや人件費上昇の影響を完全に排除できない場合には、当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)労務関連について

当社グループでは、多くのパートタイム・アルバイト等の有期契約社員が、コンタクトセンター業務に従事しております。2013年の改正労働契約法の施行により、施行日以降において有期雇用契約が反復更新され通算契約期間が5年を超えた場合に労働者が申込みをしたときは、期間の定めのない雇用契約に転換されることが法定された他、2016年10月からは短期労働者に対する厚生年金及び健康保険の適用が拡大されました。今後もこうした労働関連法規制への対応や労働環境の変化により、当社グループが優秀な人材を雇用できなくなる可能性や当社グループの人件費が高騰する可能性があります。

 

(11)不動産の賃借について

当社グループの本社及びコンタクトセンターは、建物を第三者から賃借しており、敷金や保証金を賃貸人に対して差し入れている物件が大半を占めております。予期せぬ賃貸人の破産等が発生した場合は、当該敷金や保証金が回収不能となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループが新規コンタクトセンターを新設したり、賃借する建物の老朽化等に伴いコンタクトセンターを移転せざるを得なくなった場合、既存コンタクトセンターの賃貸借の更新を行う場合において、景気の変動等により賃料相場が上昇する可能性があります。この他、当社グループが当初策定した通りのコンタクトセンターの新設や増床そのものが困難となる可能性があるとともに、賃貸借契約の内容によっては費用が増加する可能性があります。これらの場合においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)多額の借入金、金利の変動及び財務制限条項への抵触について

当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入れを行っており、2017年2月期の有利子負債依存度は56.6%(注1)となっております。当社グループは、かかる借入契約の約定に基づき、新たな借入れが制約される可能性があります。また、借入金にかかる金利のうち、変動金利部分については、市場金利が上昇した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの借入金には財務制限条項が付されている契約があり、(財務制限条項の主な内容は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表注記 15.借入金」に記載しております。)これに抵触した場合、貸付人の請求があれば契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となり、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループの存続に悪影響を及ぼす可能性があります。

(注1)有利子負債依存度は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債の総資産に占める割合となります。

 

(13)自然災害等について

当社グループは、全国にコンタクトセンターを分散配置することで、大規模な地震・風水害・津波・大雪・新型インフルエンザ等の感染症の大流行等が発生した場合においても、被災していないコンタクトセンターが被災したコンタクトセンターを補うことが可能となっております。しかしながら当社グループの本社機能が被災した場合や、被災していないコンタクトセンターにおいて被災したコンタクトセンターを補うだけの人員を遅滞なく確保することができない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)情報漏洩リスクについて

コンタクトセンターは、クライアント企業から預託を受けた各種情報が集積する場所であるため、当社グループにおいては、従来より、個人情報保護及び機密保持に最大の関心を払った施策を行っており、「テレマーケティング・サービス倫理綱領」(1988年制定)、「情報倫理綱領」(1998年制定)を制定し、企業倫理の指針を明文化するとともに、「個人情報保護方針」、「情報セキュリティ方針」(いずれも2005年制定)をはじめ情報保護に関する規程類を整備し、従業員への周知徹底を図ってまいりました。これらの経緯をふまえ、当社グループが社会やクライアント企業からさらなる信頼を獲得するとともに、企業の社会的責任を果たすべく、2006年8月に「テレマーケティング・サービス倫理綱領」を発展的に吸収した「ベルシステム24グループ企業行動憲章」を制定し、さらに2012年8月には当社グループが取り組むべきコンプライアンスに対する基本姿勢をより具体的に示すために「ベルシステム24グループ企業行動憲章」を発展的に改定した「ベルシステム24グループ行動規範」を制定いたしました。また、当社の連結子会社である㈱ベルシステム24においては、2003年5月に情報セキュリティに関する英国規格「BS7799-2:2002」及び国内規格「ISMS認証基準(Ver.2.0)」に基づく認証を現在の松江ソリューションセンター(当社グループにおけるコンタクトセンターの呼称)で同時取得し、2006年7月以降、これらの規格の国際化に対応した「ISO/IEC27001:2005/JISQ27001:2006」認証の登録範囲を、当社のCRMソリューションサービスの提供全体に関連するシステム全般に広げております。本規格は、2014年に「ISO/IEC27001:2013/JISQ27001:2014」に改訂され、新たな規格での認証を付与されております。
 さらに、2007年2月には、個人情報を適切に取り扱う体制を整えた事業者に付与される「プライバシーマーク(JISQ15001:2006)」の認定を取得しております。しかしながら、情報漏洩リスクを完全に排除することは困難であることから、万が一、クライアント企業から預託を受けた情報について漏洩事故が発生した場合、当該クライアント企業からの業務委託の打ち切りや損害賠償請求、その他クライアント企業の離反や社会的信用の失墜等、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)べインキャピタルグループとの関係

当社は、グローバルなプライベート・エクイティファームである、ベインキャピタルグループが投資助言を行うファンドからの出資を受け入れており、当連結会計年度末日現在において、同ファンドは当社発行済株式総数の14.43%を保有しております。また、当社の取締役である杉本勇次は、ベインキャピタルグループに属しております。
 ベインキャピタルグループは、当社の上場時において、所有する当社株式の一部を売却致しましたが、当社株式上場後においても、同社の株式の保有・処分方針によっては、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、ベインキャピタルグループが相当数の当社株式を保有することにより、当社の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、ベインキャピタル・パートナーズ・LLCとの間で締結していたマネジメント契約に従い、当社が上場時点で有効な契約期間満了までのマネジメントフィーの残額を現在価値に引き直した額(ただし、2015年11月4日付の変更契約(AMENDMENT TO MANAGEMENT AGREEMENT)により、当社が2015年12月31日以前に東京証券取引所に上場した場合には、その金額を3億60百万円とすることを合意しておりました。)をベインキャピタル・パートナーズ・LLCに対して支払い、上場とともに確定した当該金額を2016年2月期に税務上損金として処理しておりますが、当該処理について、税務当局が当社と異なる見解を採用する場合、当社の申告する損金の全部又は一部が、税務当局から損金として認定されず課税所得が増加する結果、法人所得税費用が増加し、さらに加算税・延滞税の支払を命じられる可能性があり、その場合当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

このように、ベインキャピタルグループは、当社について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主が期待する議決権の行使その他の行為を行わない可能性があります。

 

 

(16)伊藤忠商事㈱との関係

当社は、伊藤忠商事㈱から出資を受け入れており、当連結会計年度末日現在において、伊藤忠商事㈱は当社発行済株式総数の41.01%を保有しております。当社は伊藤忠商事㈱の持分法適用関連会社となっており、出向者を8名受け入れております。当社の取締役である新宮達史及び社外監査役である木島賢一の2名は、伊藤忠商事㈱に属しております。2014年10月の伊藤忠商事㈱の当社への出資後に新たに開拓された伊藤忠商事グループと当社グループの取引は、徐々に増加しております。当社グループとしては今後も伊藤忠商事グループとの取引拡大に向けて伊藤忠商事㈱と協業を継続していく方針であります(なお、伊藤忠商事グループとの取引は、他のクライアント企業と同様の取引条件で行っており、今後も同様の方針であります。)。

なお、伊藤忠商事㈱は、上場後も当社株式を安定保有する意向を有しており、当社と伊藤忠商事㈱の関係について重大な変化は生じないものと認識しております。しかしながら、将来において、何らかの要因により伊藤忠商事㈱が経営方針や営業戦略(当社株式の保有方針も含む)を変更した場合、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、伊藤忠商事㈱が相当数の当社株式を保有することにより、当社の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。
 このように、伊藤忠商事㈱は、当社について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主が期待する議決権の行使その他の行為を行わない可能性があります。

 

(17) 減損会計の適用

当社グループは、2017年2月末現在、連結財政状態計算書にのれんを969億47百万円計上しており、総資産の69.5%を占めています。内訳は、㈱ベルシステム24(907億57百万円)、㈱ビーアイメディカル(32億20百万円)、㈱ポッケ(28億1百万円)、㈱BELL24・Cell Product(1億69百万円)であり、事業収益性が低下した場合等にはのれんの減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、これらののれんは非償却性資産であります。

 

(18)中期経営計画について

当社グループは2018年2月期を初年度とする中期経営計画を策定しています。本中期経営計画では既存案件の成長、既存クライアントからの新規案件の獲得、伊藤忠商事グループとの協業の更なる強化、及びAI(人工知能)等の活用による付加価値サービスの創出等により、安定的かつ継続的な売上成長の実現を目指すとともに、的確な設備増設を継続すること及び、新領域への積極的な追加投資を将来にわたって行うことにより事業運営を最適化し、利益の拡大を目指すこととしています。
 本中期経営計画は過去、策定時の現状に基づいて作成されていますが、今後の経済・市場環境の変化、クライアント企業の方針変更、テクノロジーの革新等により、かかる想定通りとならない、あるいは想定していない事象の発生等により、本中期経営計画における目標を達成できない可能性があります。

 

 

(19)係争・訴訟に関するリスク

当社グループは、企業価値向上のためにはコンプライアンスの徹底が必要不可欠であるとの認識の下、「ベルシステム24グループ行動規範」を制定し、これに従い全役職員が法令等を遵守した行動、高い倫理観をもった行動をとることを周知しております。また、コンプライアンス規程を制定の上、原則3ヶ月に1回、チーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO(コンプライアンス担当役員))を委員長とするコンプライアンス委員会を開催し、当社グループの法令遵守状況の把握にはじまり、法令遵守の体制、方針、施策の決定や、コンプライアンス課題の共有と対策の検討を行っております。なお、本書提出日現在、当社グループの財政状態、事業運営に大きな影響が及ぶ当社グループに対する訴訟はございません。一方で、当社グループの事業活動に際し、当社グループ各社の従業員の法令等に対する違反の有無に関わらず、何らかの理由により労務問題・知的財産権・税務等の問題で訴訟を提起される、又は罰金等を科される可能性があります。また、CRMやCSO/MIS/SMO各事業の受託において、業務に必要な社内外の経営資源を確保できないこと等により、これらの受託契約に基づく当社グループとしての責務を果せず、クライアントに生じる損害の一部又は全部につき請求を受ける可能性があります。これらの訴訟の結果、当社グループの責に帰すものと認められた場合、あるいは訴訟を起こされることにより当社グループの事業に対する信頼感が損なわれた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(20)風評等について

当社グループは全社員との間で締結する雇用契約において、業務に関する事項のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等への書き込みを全面的に禁止する内容を定めております。また、社内規程上もソーシャルメディア利用基準を定め、業務としてのSNS利用における手順を明らかにしております。さらに規定化するだけではなく、SNSやインターネット上の掲示板への悪質な書き込みに対しては当社監査部が定期的に監視を行っており、監視活動を通じてSNSや掲示板の運営者に対し削除依頼等の対応を行っております。中でも特に悪質と認められるものについては、書き込み者のIPアドレスを運営者に対して開示請求し、書き込み者への法的措置も辞さない方針です。このような書き込み事例やそれに対する当社グループの対応については、全社員に定期的に通知することで、業務に関する事項をSNS等に書き込んではならないことの周知を改めて図っております。しかしながら、こうした措置をとったとしても、悪質な書き込みを完全に予防することは困難であり、そのような悪質な書き込みにより、当社グループの採用活動や、取引先との関係に影響が生じる等、ひいては損害賠償問題等、当社グループの事業活動に影響を与える経済的被害が生じる可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)業務委託基本契約

契約会社名

相手方の名称

契約品目

契約締結日

契約期間

契約内容

㈱ベルシステム24

ソフトバンク㈱

コールセンター業務受託

2015年
12月21日

2015年12月21日から2016年12月20日まで(1年毎の自動更新)

業務委託契約

 

2015年1月20日付でBBコール㈱(現 ㈱ベルシステム24)がソフトバンクモバイル㈱(ソフトバンクBB㈱、ソフトバンクテレコム㈱及びソフトバンクモバイル㈱が2015年4月にソフトバンクモバイル㈱に経営統合)との間で締結した契約について、同社がソフトバンク㈱に社名を変更したこと等に伴い再度締結しております。

 

(2)株式会社みずほ銀行等との借入契約

当社は、2014年9月30日付(2015年7月28日及び2016年6月29日付で一部変更)で株式会社みずほ銀行をエージェントとするシニアファシリティ契約を締結しております。

① 契約の相手先
株式会社みずほ銀行、株式会社三菱東京UFJ銀行、株式会社三井住友銀行、三菱UFJ信託銀行株式会社、
みずほ信託銀行株式会社、株式会社東京スター銀行

② 借入枠及び借入金額
ファシリティA借入枠 20,000百万円(2017年2月28日現在の借入金額 11,688百万円)
ファシリティB借入枠 60,000百万円(2017年2月28日現在の借入金額 60,000百万円)
リボルビング・ファシリティ借入枠 3,000百万円(2017年2月28日現在の借入金額 2,000百万円)
 なお、2017年3月31日付でファシリティBの一部(21,000百万円)を借換により期限前弁済しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表注記 33.後発事象」をご参照ください。

返済期限、金利、主な借入金の義務等については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表注記 15.借入金」に記載しております。

 

(3)コミットメントライン契約及び当座貸越契約

当社は、複数の金融機関と合計借入枠7,000百万円のコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております。主な契約内容は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表注記 15.借入金」をご参照ください。

 

(4)伊藤忠商事㈱との製薬企業向けアウトソーシング事業再編にかかる基本合意

当社は、2016年8月31日開催の取締役会において、伊藤忠商事㈱との間で、2017年1月1日を効力発生日として、両社の製薬企業向けアウトソーシング事業の更なる強化を目的に、両社の持つグループ会社間での事業再編を行うことを決議し、2016年9月1日にこの事業再編に関する基本合意書を締結いたしました。
 その主な内容は、次の通りであります。

 

① 事業再編の概要
 当社の100%子会社であった㈱ベル・メディカルソリューションズ(現 ㈱ビーアイメディカル)を医薬品開発支援事業と製薬会社向けBPO業務を中心とした事業に会社分割し、医薬品開発支援事業は伊藤忠商事㈱の100%子会社であった同様の事業を営むエイツーヘルスケア株式会社に吸収分割すると同時に、製薬会社向けBPO業務を中心とした事業は伊藤忠商事㈱の100%子会社であった製薬企業向けMR(Medical Representative:医薬情報担当者) 派遣業務を行うIML株式会社を吸収合併いたしました。

 

 

② エイツーヘルスケア株式会社との吸収分割

1)本吸収分割の方法
㈱ベル・メディカルソリューションズ(現 ㈱ビーアイメディカル)を吸収分割会社とし、エイツーヘルスケア株式会社を吸収分割承継会社とする吸収分割です。

2)本吸収分割の日程
本吸収分割契約書締結       2016年11月7日
本吸収分割の効力発生日      2017年1月1日

3)本吸収分割する資産、負債の状況
㈱ベル・メディカルソリューションズ(現 ㈱ビーアイメディカル)は、医薬品開発支援業務に係る権利義務のうち、本吸収分割契約において定めるものをエイツーヘルスケア株式会社に承継いたしました。なお、債務の承継は、免責的債務引受の方法によっております。

4)交付される対価の種類・総額等
㈱ベル・メディカルソリューションズ(現 ㈱ビーアイメディカル)は、本吸収分割に係る対価としてエイツーヘルスケア株式会社の普通株式139株を取得し、2017年1月1日において、その普通株式の全部を剰余金の配当として当社に交付いたしました。

5)エイツーヘルスケア株式会社の概要

商号

エイツーヘルスケア株式会社

所在地

東京都文京区小石川一丁目4番1号

代表者の役職・氏名

代表取締役 香取 忠

主な事業内容

医薬品・医療機器・再生医療等製品・ワクチンの開発、市販後調査、臨床研究受託事業

資本金

1億円

 

 

③ IML株式会社との吸収合併

1)本吸収合併の方法
㈱ベル・メディカルソリューションズを吸収合併存続会社とし、IML株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併です。なお、2017年1月1日付で㈱ベル・メディカルソリューションズは、㈱ビーアイメディカルに商号変更しております。

2)本吸収合併の日程
本吸収合併契約書締結       2016年11月7日
本吸収合併の効力発生日      2017年1月1日

3)合併する資産、負債の状況
㈱ベル・メディカルソリューションズ(現 ㈱ビーアイメディカル)は、IML株式会社の資産負債ならびにこれらに付随する一切の権利義務を承継いたしました。

4)交付される対価の種類・総額等
㈱ベル・メディカルソリューションズ(現 ㈱ビーアイメディカル)は、普通株式5,926株を発行し、伊藤忠商事㈱に本吸収合併に係る対価としてその普通株式の全部を交付いたしました。

5)IML株式会社の概要

商号

IML株式会社

所在地

東京都文京区小石川一丁目4番1号

代表者の役職・氏名

代表取締役 白石 裕介

主な事業内容

医薬情報担当者派遣事業

資本金

1億5千万円

 

 

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。

 

(2)経営成績の分析

①売上収益

当連結会計年度の売上収益は、主力事業であるCRM事業において、前連結会計年度より継続的に取り組んでいる品質改善活動の浸透や、伊藤忠商事㈱との協業強化によるシナジー等による既存継続案件の売上拡大、及び旧BBコール業務が堅調に推移したこと等により、前連結会計年度と比べて63億76百万円増加(前連結会計年度比6.2%増)し1,089億16百万円となりました。

②売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、厳しい採用環境、人件費や社会保険料の増加を反映した適正な価格設定が遅れたこと、新規大型案件の立ち上げに伴う先行経費や、拠点拡大に伴う先行経費の支出等により、前連結会計年度に比べて、4億73百万円減少(前連結会計年度比2.3%減)し197億23百万円となりました。

③販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、平成27年度税制改正による外形標準課税の増加、上場維持コストの発生等により、前連結会計年度に比べて、8億7百万円増加(前連結会計年度比7.7%増)し113億46百万円となりました。

④その他の収益及び費用

当連結会計年度のその他収益及び費用は、㈱ベル・メディカルソリューションズ(現 ㈱ビーアイメディカル)の再編に伴い発生する一過性の損失の影響があったものの、前連結会計年度に発生した株主へのマネジメントフィー支払や上場関連費用等一過性の費用の減少の影響が大きく、前連結会計年度に比べて、5億68百万円減少(前連結会計年度比73.5%減)し2億5百万円(費用)となりました。

⑤営業利益

当連結会計年度の営業利益は、売上収益の増加はあったものの、売上総利益の減少や販売費及び一般管理費の増加の影響により、前連結会計年度に比べて、7億12百万円減少(前連結会計年度比8.0%減)し81億72百万円となりました。

⑥金融収益及び費用

当連結会計年度の金融収支は、前連結会計年度に実施した借入金の借換に伴う支払利息削減等により、前連結会計年度に比べて、33百万円減少(前連結会計年度比3.2%減)し9億76百万円(費用)となりました。

⑦税引前利益

当連結会計年度の税引前利益は、営業利益減少等の影響により、前連結会計年度に比べて、6億79百万円減少(前連結会計年度比8.6%減)し71億96百万円となりました。

⑧親会社の所有者に帰属する当期利益

当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益減少等の影響に加え、また㈱ベル・メディカルソリューションズ(現 ㈱ビーアイメディカル)の再編に伴う一過性の税務処理等の影響により法人所得税費用が増加し、前連結会計年度に比べて、7億27百万円減少(前連結会計年度比14.5%減)し43億4百万円となりました。

 

 

 

(3)財政状態の分析

① 資産の分析

流動資産は、主に現金及び現金同等物が17億16百万円、未収還付法人所得税が13億79百万円それぞれ減少し、営業債権が11億96百万円増加したこと等により、前連結会計年度末より15億43百万円減少し、258億9百万円となりました。

非流動資産は、有形固定資産が7億83百万円、無形資産が10億30百万円及びその他の長期金融資産が22億1百万円それぞれ増加し、繰延税金資産が7億38百万円減少したこと等により、前連結会計年度末より31億67百万円増加し、1,136億62百万円となりました。

これらにより、総資産は前連結会計年度末より16億24百万円増加し、1,394億71百万円となりました。

② 負債の分析

流動負債は、営業債務が5億39百万円、借入金が4億6百万円、未払法人所得税が2億15百万円それぞれ増加し、その他の流動負債が7億30百万円減少したこと等により、前連結会計年度末より4億53百万円増加し、270億76百万円となりました。
 非流動負債は、引当金が2億59百万円増加し、長期借入金が26億50百万円減少したこと等により、前連結会計年度末より24億85百万円減少し、710億62百万円となりました。

これらにより、負債合計は前連結会計年度末より20億32百万円減少し、981億38百万円となりました。

③ 資本の分析

資本は、前連結会計年度末より36億56百万円増加し、413億33百万円となりました。これは主に連結子会社である㈱ベル・メディカルソリューションズ(現 ㈱ビーアイメディカル)の事業再編による子会社に対する所有者持分の変動により、資本剰余金が7億94百万円、非支配持分が10億86百万円それぞれ増加したこと、及び親会社の所有者に帰属する当期利益により利益剰余金が43億4百万円増加し、剰余金の配当により26億32百万円減少したことによるものであります。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの主力事業であるCRM事業におきましては、サービス提供価格の変動と、オペレーター人材の確保及び人件費の変動が、経営成績に重要な影響を与える主要因と認識しております。当社グループを取り巻く事業環境は非常に競争が激しく、昨今の経済状況により、企業の費用削減傾向が強まる場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当事業における原価の大部分は、主にオペレーターの人件費であるため、人材不足による採用難や賃金上昇によるオペレーションコストの増加は、当社グループの経営成績に影響を与えます。

対応策といたしましては、当社グループが30余年にわたって築き上げてきた実績と経験を活かして他社との差別化を図り、品質向上及び新しいソリューション提供に努める事で業務の効率化及び売上規模の拡大を実現し、合わせて、当社グループのブランド価値向上によりオペレーターの確保及び人件費増に対応する適切な価格設定に努めていく次第であります。また、今後も戦略型のCRM事業の開発や新しいソリューションを提供し続け、顧客企業とともに成長できるパートナーへ進化を目指します。

 

 

(6)経営戦略の現状と見通し

当社グループが属する「コンタクトセンターアウトソース分野」の市場環境は、当社グループを含む売上高上位6社の大手による寡占化が続いております(出典:コールセンタージャパン編集部・編「コールセンター白書2016」)。そうした中にあり、上位の競合企業は、当該「コンタクトセンターアウトソーシング市場」に一定のシェアを確保しつつも、その周辺市場に軸足を移し成長の活路を見出しているものと考えられますが、当社グループにおきましては、引き続き当該「コンタクトセンターアウトソース分野」の市場に軸足を置き、成長路線を描いていく方針であります。

当該市場は上述の通り上位数社で過半のシェアを占める一方、数多くの中小規模以下の事業者が存在しております。また、アウトソーシングされていないインハウスの市場が、同等ないしそれ以上の規模で存在すると言われております。将来的には、大手へのさらなる収斂、専門領域特化、インハウスセンターのアウトソーシング化等を包含した市場再編成が起きる可能性があります。

当社グループの強みは、「お客様の要望・課題等を瞬時に汲み取り、解決の道筋を提示するオペレーターの高い対話力」「WFM(ワークフォースマネジメント)に代表される生産性と品質を高次元で両立させ、顧客企業に最適なリターンを提供できる高度な業務マネジメント力」「現状のオペレーションとあるべき姿のギャップを認識し、改善計画を立案・実行する一連のオペレーションパフォーマンス改善PDCAフレームワークや社内ナレッジの共有システムを駆使した品質改善力」であります。これらは顧客企業から高い評価を得ているものと自負いたしますが、これまでに培ってきたこうした強みに、高生産性を達成するための標準化や可視化のノウハウ、テクノロジーを駆使したインフラ基盤の整備、伊藤忠商事㈱及びそのグループ企業との営業、事業開発、及びテクノロジー分野におけるシナジーを創出していくことにより、上記のような市場再編成あるいは価値基準の変化の中において中核を成し、今後さらなる成長を果たしてまいりたいと考えております。

 

(7)経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努めております。当社グループは、強みである「対話力」「業務マネジメント力」「品質改善力」を元に、主力事業であるCRM事業の安定化や収益拡大の取り組みとして、継続的なサービス品質の改善や業務効率化、及び、顧客の課題発見、解決策提案型の営業力強化に加え、伊藤忠商事グループとのシナジー拡大、大手企業保有のコンタクトセンターの当社へのアウトソース化推進、世界基準のサービスレベルによるMNC(Multi National Client)向けサービスの拡大に注力してまいります。

また、新規事業開発の観点では、国内市場で培ったオペレーション品質を活用した海外展開の推進や、システムインテグレーターやコンサルティング企業との協業を通じ、IT技術を活用したサービス付加価値の向上や多様化への取り組み強化等も積極的に推進してまいります。