当連結会計年度における日本経済は、個人消費や設備投資の持ち直しが見られ、雇用・所得環境の改善等を背景に全体として緩やかな回復傾向が続いております。また、中東や朝鮮半島の地政学的リスク等は意識されるものの、世界経済も総じて堅調な回復傾向にあります。一方で、今年に入り、米国の長期金利上昇を発端に国内外の金融市場が不安定化している他、米国の通商政策を巡る不透明感等、今後の国内景気を下押しするリスクも懸念されます。
当社グループが属する情報サービス業界は、アウトソーシング需要の高まりを受け、市場規模は堅調に拡大しております。また、コミュニケーション手段の急速な技術革新に伴い、消費者との対話においてもAI(人工知能)等の導入による自動化が始まる等、カスタマーサービス分野において、なお一層のサービスの高度化が求められております。一方、有効求人倍率の上昇等に伴い、当社グループの主力事業であるCRM(Customer Relationship Management)事業の人員採用において、直接雇用社員、派遣社員ともに賃金の上昇傾向が続いております。
このような状況下、当社グループは、長期的な成長を見据えて次世代コンタクトセンターの構築を目指し、2017年5月に2020年2月期までの指針として中期経営計画を策定、公表いたしました。本中期経営計画では、「従来ビジネスの拡大」、「新領域での拡大」および「人材マネジメントの高度化」の3つの成長戦略を柱としております。
これらの成長戦略に基づき、既存顧客との関係性の強化とサービス品質の優位性の追求、伊藤忠商事株式会社(以下、「伊藤忠商事㈱」と言う。)のグループ企業(以下、「伊藤忠商事グループ」と言う。)との協業の更なる拡大、AI等の新技術を活用したサービスの提供により売上と利益を着実に拡大させるとともに、退職抑止や採用力強化を視野に入れた新たな制度の開始や就労環境の整備、設備投資、業務管理の精緻化等を通じて、生産性向上と持続的な成長の実現を目指してまいります。
当連結会計年度においては、当社と凸版印刷株式会社(以下、「凸版印刷㈱」と言う。)との間で資本業務提携契約を締結し、凸版印刷㈱は2017年12月に当社の株式10,570,000株および新株予約権5,385,700個(全て行使した場合の株数は769,385株)を取得いたしました。当社と凸版印刷㈱は本資本業務提携により、それぞれの顧客基盤やこれまでに培った技術力や事業ノウハウ等を融合させることで、今後より一層の拡大が見込まれるBPO(Business Process Outsourcing)市場において、既存事業の拡大、AIやRPA(ロボットによる業務自動化)といった新技術を用いた新たなサービスの研究・開発等、多方面での連携を通じ、両社の企業価値向上に取り組んでまいります。また、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、「CTC㈱」と言う。)の子会社で、サービスデスクやコンタクトセンター等のアウトソーシングサービスを担うCTCファーストコンタクト株式会社(以下、「CTCFC㈱」と言う。)の株式51.0%を取得し、両社の合弁会社といたしました。今後BPO事業においてCTC㈱との連携を深めるとともに、アウトソーサーとして国内唯一のHDIサポートセンター国際認定を保有するCTCFC㈱が持つ高品質なサービスデスク・ナレッジの運用メソッドを、「Advanced CRM」「Advanced BPO」に取り込むことで、ビジネスの拡大と新領域の拡大を目指してまいります。
また、優秀な人材を確保し、従業員が長く安心して働ける環境整備のための取り組みとして、継続雇用期間6か月を経過した有期雇用社員の無期雇用化に加え、従来正社員のみに提供されていた総合福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」を、2017年10月から、利用対象を継続雇用期間3か月超の契約社員にまで拡大いたしました。また、育児と仕事との両立支援を目的として、2017年4月に沖縄県豊崎ソリューションセンター内に企業内保育所「ベルキッズとよさき保育園」を開設しております。当社グループは、仕事と介護や育児等との両立やワークライフバランスといった、働きたい人と働く機会のアンマッチが人材不足の一因であると考えており、働き手が時間や場所の制約を乗り越えることができる「新たな働き方」を提案することが企業の社会的責任であるとともに、退職抑止や採用力強化による生産性の向上につながると考えております。当社グループは、今後もすべての従業員が安心して長期にわたり働ける環境を創出するために、多様な働き方と安定した雇用を実現するための人事制度改革を推進してまいります。
各セグメントの業績は以下の通りであります。
(CRM事業)
伊藤忠商事㈱との協業強化によるシナジー等、既存継続案件の売上拡大、および旧BBコール業務が堅調に推移したこと等により、売上収益は前連結会計年度比で増収となりました。利益面では増収による利益の伸長に加え、サービス価格の適正化や業務生産性向上等により、税引前利益は前連結会計年度比で増益となりました。
この結果、CRM事業の売上収益は1,088億68百万円(前年同期比7.2%増)、税引前利益は81億46百万円(同18.0%増)となりました。
(その他)
前連結会計年度の事業再編により、製薬会社向けMR(医薬情報担当者)派遣業務に係る売上貢献があったものの、医薬品開発支援業務に係る事業の売上減少が大きく、売上収益は前連結会計年度比で減収となりました。利益面では前連結会計年度における事業再編に係る一過性損失の反動等により、税引前利益は前連結会計年度比で増益となりました。
この結果、その他のセグメントの売上収益は67億50百万円(前年同期比8.7%減)、税引前利益は3億56百万円(同21.7%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益は1,156億18百万円(前年同期比6.2%増)、税引前利益は85億2百万円(同18.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は56億4百万円(同30.2%増)となりました。
当連結会計年度末現在における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2億94百万円減少し、53億24百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、89億48百万円となりました(前年同期は67億91百万円の収入)。これは主に、税引前利益が85億2百万円、減価償却費及び償却費が23億67百万円の計上、法人所得税の支払額が40億62百万円、法人所得税の還付額が17億34百万円それぞれ生じたこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、45億8百万円となりました(前年同期は31億14百万円の支出)。これは主に、有形固定資産の取得による支出が15億31百万円、無形資産の取得による支出が16億88百万円、子会社株式の取得による支出が7億52百万円、持分法投資の取得による支出が6億12百万円それぞれ生じたこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、47億34百万円となりました(前年同期は53億96百万円の支出)。これは、長期借入による収入が741億80百万円、長期借入金の返済による支出が764億68百万円および配当金の支払による支出が26億44百万円それぞれ生じたこと等によるものであります。
(のれん)
日本基準の下で、のれんの償却については、実質的に償却年数を見積り、その年数で償却することとしておりましたが、IFRSではIFRS移行日(2012年3月1日)以降の償却を停止しております。
これにより、IFRSで作成した連結財務諸表では、日本基準と比較し、販売費及び一般管理費が前連結会計年度において56億43百万円減少し、当連結会計年度において56億17百万円減少しております。
(収益の繰延)
日本基準の下では、顧客から受け取る研修費および募集費等の売上である導入準備売上を発生時点で認識しておりますが、当該売上は主たるサービス提供に付随して発生し、その効果は当該サービス提供期間に対応することから、IFRSでは導入準備売上を当該期間にわたって認識しております。これにより、IFRSで作成した連結財務諸表では、日本基準と比較し、売上収益が前連結会計年度において7百万円増加し、当連結会計年度において81百万円減少しております。
(借入金のアップフロントフィー)
日本基準では、発生時に一括費用処理している借入金のアップフロントフィーについて、IFRSでは一部のアップフロントフィーを、対応する負債の帳簿価額の修正として処理しております。また、一部の借換取引について、IFRSでは金利削減効果等により借換時に利得が認識されます。これにより、IFRSで作成した連結財務諸表では、日本基準と比較し、金融費用が前連結会計年度において1億6百万円増加し、当連結会計年度において1億38百万円増加し、金融収益が当連結会計年度において3億27百万円増加しております。
当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
当社グループが顧客企業と締結している契約は、料金算定の基礎となる単価等であり、受注金額の算定に必要な座席数、時間等についてはコール予想等に応じて頻繁に変動いたします。従って、受注金額の特定が極めて困難な状況であるため、同数値の記載を省略しております。
当連結会計年度における販売の実績をセグメント毎に示すと以下の通りであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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CRM事業 |
108,868 |
7.2 |
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その他 |
6,750 |
△8.7 |
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合計 |
115,618 |
6.2 |
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(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下の通りであります。
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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販売高 |
割合 |
販売高 |
割合 |
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ソフトバンク㈱ |
14,347 |
13.2 |
15,086 |
13.0 |
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(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
当社グループは、「イノベーションとコミュニケーションで社会の豊かさを支える」という使命の下、お客様に最適なソリューションを提供し、新たなビジネス価値を創造するとともに、多様化への取り組みも推進してまいりました。これからも持続的で健全な成長の実現を目指すために、以下の施策を重点的に取り組んでいく所存であります。
(1)CRM市場における安定成長
① 既存受託案件の継続的品質向上
CRM事業において当社グループが考える品質とは、コンタクトセンターにおける応対品質を指すだけではなく、カスタマーの満足度向上等、クライアント企業にとっての品質管理指標(顧客満足度等のサービス提供指標)の達成、および当社グループにとっての生産性指標(時間あたりの受注金額とコストのバランス等)の達成を高いレベルで両立することができた状態であると認識しております。そのために当社グループは、センター単位ではなく受託業務単位での品質をきめ細かく徹底的に向上させる体制を構築しており、今後も引き続き品質改善体制の強化を進めてまいります。クライアント企業に対し、高品質なサービスを継続的に提供することを通じ、そこから派生する新たな案件を獲得することができ、それが安定成長のための基盤になるものと考えております。
② 新規クライアント企業の積極的獲得
新規のクライアント企業を獲得し、当社グループの営業基盤を増強していくことは、当社グループの成長のために必要不可欠な、最重要課題の一つであります。当社グループは、これまでの新規クライアント企業獲得営業体制に加え、伊藤忠商事グループの国内外の広範な企業ネットワークを活用することにより、従来、アプローチをすることができなかった企業層へのアプローチが可能となることで、新たな売上機会を創出してまいります。また、カスタマーに最高の顧客体験を提供することを意図した高付加価値型CRMオペレーション手法の導入や、カスタマー接点を起点に、クライアント企業のバリューチェーンを活性化するBPOサービスの展開等、CRM事業を革新、発展させて提供することを通じ、新規クライアント企業の開拓に拍車をかける戦略も推進してまいります。
(2)CRM市場におけるさらなる成長
① 伊藤忠商事グループおよび凸版印刷㈱との連携
伊藤忠商事グループおよびその取引先企業等に対し、同社のネットワークを活用してアプローチを行い、事業の拡張を図ってまいります。加えて、単に面的に事業領域の拡張を図るだけでなく、当社グループと伊藤忠商事グループとの協業によって、クライアント企業とカスタマーの接点であるコンタクトセンター事業の新たな価値を創出してまいります。
また、媒体製作やバックオフィス業務に強みを持つ凸版印刷㈱とコンタクトセンター業務に強みを持つ当社グループの各々のソリューションや顧客基盤を活用することにより、幅広い業種の企業向けに新たなサービスを提供するとともに、AIやRPA等を用いた高度なBPOビジネスを推進してまいります。
② CRMインフラの提供
当社グループは、従来より積極的なIT投資を行ってまいりました。国内のソリューションセンターをクラウドで連携した音声系プラットフォームであるBellCloud®や、同プラットフォームを応用し在宅コンタクトセンターサービスを可能にするBell@Home、また、人員配置とコストの最適化を実現するWFM(ワークフォースマネジメント)等の先進的かつ科学的なCRMサービスを提供しております。このような実績豊富なCRMインフラを、今後は、当社グループが受託した案件に活用する以外に、クライアント企業にCRMインフラとして提供する取り組みを強化してまいります。CRMインフラとオペレーションのノウハウを、当社グループから一括で提供することにより、クライアント企業は、初期コストを抑えた上で高品質なコンタクトセンターを開設することが可能となります。
③ 新技術・新ビジネスモデルの取組
当社グループでは、将来の事業成長のために、課金型やレベニューシェア等の新しいビジネスモデルを導入していくことを検討しております。また、将来の高効率なオペレーションを実現するためのAIやRPAを中心とした先端テクノロジー領域での取り組みにも注力してまいります。
(3)新たなCRMマーケットの開拓
① 高品質なグローバル基準のオペレーションの提供
グローバルに事業を展開する企業においては、世界各国において高いレベルでの均質的なサービスを展開するため、コンタクトセンター運営においても世界共通の多岐にわたる厳格な指標が設定されており、高水準のオペレーションが要求されております。
当社グループでは、こうしたグローバル企業の要求する高水準のオペレーションを実行するため、多国籍企業顧客(MNC:Multi National Client)を専門とする部署を設置しており、欧米の最先端コンタクトセンター事業会社が提供する世界基準のカスタマーサポート業務を、日本でも同様に提供できる体制を構築し、既に国内のグローバル企業において多数の実績を上げております。今後も、日本で事業展開をする外資系企業のみならず、日本企業に対してもこの高品質なコンタクトセンターサービスの提供を加速してまいります。
② ASEAN諸国をはじめとする海外での事業展開
伊藤忠商事グループや凸版印刷㈱の海外ネットワークを活用し、ASEAN諸国をターゲットに見据えたコンタクトセンターの海外事業展開を目指します。当社グループが30余年で培ったコンタクトセンターの運営ノウハウを、各国の事情に合わせてカスタマイズし、高品質の現地サービスを提供してまいります。加えて、更なる事業拡張やカントリーリスクの分散、BCP(Business Continuity Plan)対策等の観点から、複数拠点でのオフショア化を実現しているMNCとの新たな事業機会創出を目指してまいります。
(4)安定的な人材確保および人材マネジメント強化
当社グループでは、人材不足や、人件費等の上昇によるオペレーションコストの増加をもたらす雇用環境の変化に対応していくことが、事業基盤を拡大し、成長を続けるために必要不可欠な重要課題の一つと考えております。これに対応すべく、当社グループでは、人件費等の上昇を反映したサービス提供価格の適正化に取り組むとともに、業務の効率化やコストコントロールの徹底により収益基盤の拡充を進めてまいります。
また、働きやすい環境整備のため、企業内保育所の設置等職場環境の改善や労務相談窓口の充実に努めてまいりました。今後も多様な働き方を実現する環境を創出すべく、各種の人事制度改革を実施するとともに、採用活動の強化や科学的な分析等を通じ、優秀な人材の長期的な確保および人材マネジメントを強化してまいります。
(5)コンプライアンス管理体制の強化
株主をはじめ、クライアント企業、取引先、社員等、当社グループを取り巻く各ステークホルダーや、社会から信頼される企業であり続けるため、コーポレート・ガバナンスの充実とコンプライアンス体制の整備および向上は重要事項であると認識しております。特に、コンプライアンスは当社グループの事業活動のすべてにおいて最優先の事項であると認識しております。
当社グループでは、「コンプライアンス規程」に基づき、CCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー:コンプライアンス担当役員)を委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス体制面での運用状況管理、整備を行っております。また、情報セキュリティについてもCPO(チーフ・プライバシー・オフィサー:最高個人情報保護責任者)およびCISO(チーフ・インフォメーション・セキュリティー・オフィサー:最高情報セキュリティ責任者)を置き、プライバシーマークの認証基準に基づいた個人情報保護体制、ならびに、ISMS認証基準に基づいた情報セキュリティ保護体制を構築しております。その他、全社員を対象としてコンプライアンス研修を実施し、また「ベルシステム24グループ行動規範」を制定し、これらに従い全役職員が法令等を遵守し、高い倫理観をもった行動をとるよう啓蒙に努めております。
以上のようにコンプライアンス管理体制の強化に向けて継続的に制度・体制および企業風土の改善を行ってまいります。
当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。また、必ずしも、そのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
当社グループが属する情報サービス業界のうち、コンタクトセンターアウトソーシング市場は市場規模7,500億円強であり、2016年度から2020年度までの間に年平均成長率8%程度で拡大すると予測されております。(出典:株式会社ミック経済研究所「CRM/フルフィルメントアウトソーシング市場の現状と展望2017年版」)、この背景としては昨今の経済状況によるクライアント企業のコスト削減を目的としたアウトソーシング化の流れがあります。一方で、景気の後退期等においては、クライアント企業での費用削減の傾向が強まり、これまで以上にクライアント企業からのコスト圧縮の要求が高まった場合や、クライアント社内の余剰人材の活用による内製化への転換等が行われた場合には、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのCRM事業においては、多様な業界・クライアントと取引することで、特定の業界や特定のクライアントの業況に大きく影響受けない、リスクを分散した安定的な運営を行っております。また、当社グループのクライアントは上場企業等の大企業が多く、かつ1年毎の更新となる長期契約が多いことから、短期的に売上高の大きな変動はないものと考えております。しかしながら、取引先企業の業績が悪化した場合には、アウトソーシング費用低減を目的として、急激な業務量の変更が行われる懸念があります。当社グループは、派遣者および有期雇用者の業務シフトの見直しや契約解除等で対応いたしますが、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの中核をなすCRM事業が属する「コンタクトセンターアウトソース分野」の市場環境は、当社グループを含む売上高上位3~5社の大手による寡占化が続いております(出典:株式会社ミック経済研究所「CRM/フルフィルメントアウトソーシング市場の現状と展望2017年版」)。当社グループは、寡占化が進む同事業領域において、以下のようなさらなる差別化戦略の遂行を通じ、価格競争とは一線を画す形で他社との競争優位性を確立の上、業界トップクラスのポジションを確固たるものとしてまいります。
① 業界での高い経験値と実績に裏付けられた、クライアント企業の要望に応じて迅速かつ的確な対処を可能とする「現場対応力」およびその能力を向上させ続けるための現場実務を担うオペレーター向け育成研修プログラム
② クライアント企業との間で取り決められた「成果」をコミットし、高い生産性によってクライアント企業の満足度向上を実現する先進的なグローバルオペレーションプロセスの実行力と、その実行を担保する人材・ITインフラ等の経営資源
③ 伊藤忠商事㈱の資本参加に伴う、同社グループ企業や同社取引先のコンタクトセンター需要の獲得、および同社グループにある先進のテクノロジーを持つIT系企業とのコラボレーションによる、コンタクトセンター向けインフラ提供+コンタクトセンター運営の総合型CRMビジネスの積極展開
しかしながら、今後景気の悪化や、業界のコスト構造の変化、業界内の合従連衡等により、当社グループが属する市場の規模が想定したほど拡大しない場合、あるいは、当社グループの差別化戦略が奏功せず、競合優位性の確立につながらなかった場合には、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
多くのクライアント企業との契約は1年毎の更新となっておりますが、クライアント企業の事情による内製化あるいは他企業への委託等により途中解約となる、または契約が更新されない可能性があり、その場合には当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
加えて、業務受注量や、受注単価等の取引条件の再変更等によって、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
現在のところ当社グループの事業に直接的に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、コンタクトセンター業務においては、一部の業務について労働者を派遣することにより実施しております。当社グループでは、「労働者派遣事業の適正な運営の確保および派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」と言う。)その他の関係法令を遵守しつつ労働者派遣を行っておりますが、労働者派遣法に定める派遣元事業主としての欠格事由(労働者派遣法第6条)に該当し、または労働者派遣法その他の関係法令に違反した場合には、派遣事業の許可の取消(労働者派遣法第14条)もしくは事業の全部または一部の停止等を命ぜられ、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の連結子会社である株式会社ビーアイメディカルや株式会社BELL24・Cell Productにて取り組むCSO/MIS/SMO等の医薬品開発支援業務においては、医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律、医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律施行規則およびそれに関連する厚生労働省令を遵守の上実施しておりますが、これらの法律や省令が改正された場合、事業活動への制限や事業運営に係るコスト増加につながる可能性があります。加えて、今後社会情勢の変化等に応じて当社グループの事業において新たな法令等の制定や既存法令等の改正、解釈の変更等がなされた場合には、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、新たなサービスの開発や事業の開始にあたっては、可能な範囲で調査を行い、第三者の知的財産権を侵害することのないよう努めております。しかしながら、予期せず第三者の知的財産権を侵害する等の事態が発生した場合には、当該第三者から損害賠償または使用差止等の請求を受けることにより、当社グループの事業活動、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの受託業務の成果物に関する著作権は当社グループ単独または当社グループとクライアントの共同保有となっているものがほとんどであり、知的財産権として保護されております。
当社グループのオペレーション上の運用手順・ノウハウ、あるいは当社グループのIT基盤上における当社が開発したソフトウェアは、その多くが特許等知的財産権としての性質を有するものではございません。オペレーション上の運用手順・ノウハウについては、当社グループ社員との間の雇用契約における守秘義務および当社グループとクライアントとの間の業務委託契約等にて機密保持義務が課される対象となっており、当社グループ社員との雇用契約においては、退職後においても守秘義務および機密保持義務は継続されることとなっていますが、何らかの理由により他社に漏えいまたは模倣される等して、当社グループが損失を受ける可能性は否定できず、結果として当社グループの事業活動、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
昨今の高度に発達した情報化社会においては、情報システムに障害等が生じた場合には、多大な損害が発生することとなります。当社グループの事業においても、営業/オペレーションの運用管理から人事労務管理および経理全般に至る業務遂行において情報システムに大きく依存しております。万一の場合に備えて可能な限りの事前防止策に努めておりますが、自然災害や想定を超えた技術による不正アクセスや予測不能なコンピュータウィルスの感染等により情報システムに障害等が生じた場合には、クライアントの事業に影響を与え、それにより損害の賠償を求められる可能性がある他、当社グループの事業への信頼喪失を招き、結果として、当社グループの事業活動、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが属する情報サービス業界のうち、コンタクトセンターサービスにおける主なコストは人件費により占められており、有期契約の契約社員を積極的に活用することで、効率的なコンタクトセンター運営を実現しております。コンタクトセンター運営においては業務量の増減に合わせて人員の調整を行っておりますが、その調整において業務量の減少に対して人員の調整が追いつかず、コストの適正化が遅行するといった事象が発生した場合、収益低下につながる可能性があります。
また、当社グループがリコール対応や選挙対応のように、一定の期間に限定された大型の業務(スポット業務)を受託した場合、コンタクトセンターの稼働率上昇により収益性が一時的に向上することがありますが、その反動により、翌連結会計年度に売上収益の減少や収益性の低下が起こる可能性があります。
当社グループは、高度な専門的知識および経験を有する優秀な基幹人材の確保、ならびにコンタクトセンターにおいてはサービスを直接提供するコミュニケーターの確保が大きな課題であります。今後の外部環境等の変化により人員計画等に基づいた採用が行えなかった場合や離職率が上昇した場合には、顧客の要望に対応できない可能性がある他、代替人員の確保のための採用・研修等に関するコストが増加することによって、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、コンタクトセンターのオペレーター1時間当たりの人件費は、過去3年で上昇傾向を示しており、その傾向が緩和することは想定しづらい環境にあります。これに対応するべく、当社グループはサービス提供価格への適切な価格転嫁に取り組むとともに、業務の効率化やコストコントロールの徹底を進めてまいりますが、今後景気の拡大、労働力人口の減少による労働者獲得競争が一段と激しくなり、採用コストや人件費上昇の影響を完全に排除できない場合には、当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、多くのパートタイム・アルバイト等の有期契約社員が、コンタクトセンター業務に従事しております。2013年の改正労働契約法の施行により、施行日以降において有期雇用契約が反復更新され通算契約期間が5年を超えた場合に労働者が申込みをしたときは、期間の定めのない雇用契約に転換されることが法定された他、2016年10月からは短期労働者に対する厚生年金および健康保険の適用が拡大されました。今後もこうした労働関連法規制への対応や労働環境の変化により、当社グループが優秀な人材を雇用できなくなる可能性や当社グループの人件費が高騰する可能性があります。
当社グループの本社およびコンタクトセンターは、建物を第三者から賃借しており、敷金や保証金を賃貸人に対して差し入れている物件が大半を占めております。予期せぬ賃貸人の破産等が発生した場合は、当該敷金や保証金が回収不能となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが新規コンタクトセンターを新設したり、賃借する建物の老朽化等に伴いコンタクトセンターを移転せざるを得なくなった場合、既存コンタクトセンターの賃貸借の更新を行う場合において、景気の変動等により賃料相場が上昇する可能性があります。この他、当社グループが当初策定した通りのコンタクトセンターの新設や増床そのものが困難となる可能性があるとともに、賃貸借契約の内容によっては費用が増加する可能性があります。これらの場合においては、当社グループの事業、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入れを行っており、2018年2月期の有利子負債依存度は54.3%(注1)となっております。借入金にかかる金利のうち、変動金利部分については、市場金利が上昇した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの借入金には財務制限条項が付されている契約があり、これに抵触した場合、貸付人の請求があれば契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となり、当社グループの財政状態および資金繰りに影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループの存続に悪影響を及ぼす可能性があります。
(注1)有利子負債依存度は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債の総資産に占める割合となります。
当社グループは、全国にコンタクトセンターを分散配置することで、大規模な地震・風水害・津波・大雪・新型インフルエンザ等の感染症の大流行等が発生した場合においても、被災していないコンタクトセンターが被災したコンタクトセンターを補うことが可能となっております。しかしながら、当社グループの本社機能が被災した場合や、被災していないコンタクトセンターにおいて被災したコンタクトセンターを補うだけの人員を遅滞なく確保することができない場合には、当社グループの事業、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
コンタクトセンターは、クライアント企業から預託を受けた各種情報が集積する場所であるため、当社グループにおいては、従来より、個人情報保護および機密保持に最大の関心を払った施策を行っており、「テレマーケティング・サービス倫理綱領」(1988年制定)、「情報倫理綱領」(1998年制定)を制定し、企業倫理の指針を明文化するとともに、「個人情報保護方針」、「情報セキュリティ方針」(いずれも2005年制定)をはじめ情報保護に関する規程類を整備し、従業員への周知徹底を図ってまいりました。これらの経緯をふまえ、当社グループが社会やクライアント企業からさらなる信頼を獲得するとともに、企業の社会的責任を果たすべく、2006年8月に「テレマーケティング・サービス倫理綱領」を発展的に吸収した「ベルシステム24グループ企業行動憲章」を制定し、さらに2012年7月には当社グループが取り組むべきコンプライアンスに対する基本姿勢をより具体的に示すために「ベルシステム24グループ企業行動憲章」を発展的に改定した「ベルシステム24グループ行動規範」を制定いたしました。また、当社の連結子会社である株式会社ベルシステム24においては、2003年5月に情報セキュリティに関する英国規格「BS7799-2:2002」および国内規格「ISMS認証基準(Ver.2.0)」に基づく認証を現在の松江ソリューションセンター(当社グループにおけるコンタクトセンターの呼称)で同時取得し、2006年7月以降、これらの規格の国際化に対応した「ISO/IEC27001:2005/JISQ27001:2006」認証の登録範囲を、当社のCRMソリューションサービスの提供全体に関連するシステム全般に広げております。本規格は、2014年に「ISO/IEC27001:2013/JISQ27001:2014」に改訂され、新たな規格での認証を付与されております。
さらに、2007年2月には、個人情報を適切に取り扱う体制を整えた事業者に付与される「プライバシーマーク(JISQ15001:2006)」の認定を取得しております。しかしながら、情報漏洩リスクを完全に排除することは困難であることから、万が一、クライアント企業から預託を受けた情報について漏洩事故が発生した場合、当該クライアント企業からの業務委託の打ち切りや損害賠償請求、その他クライアント企業の離反や社会的信用の失墜等、当社グループの事業、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、伊藤忠商事㈱から出資を受け入れており、当連結会計年度末日現在において、伊藤忠商事㈱は当社発行済株式総数の40.79%を保有しております。当社は伊藤忠商事㈱の持分法適用関連会社となっており、出向者を8名受け入れております。当社の社外取締役である今川聖および社外監査役である木島賢一の2名は、伊藤忠商事㈱に属しております。2014年10月の伊藤忠商事㈱の当社への出資後に新たに開拓された伊藤忠商事グループと当社グループの取引は、徐々に増加しております。当社グループとしては今後も伊藤忠商事グループとの取引拡大に向けて伊藤忠商事㈱と協業を継続していく方針であります(なお、伊藤忠商事グループとの取引は、他のクライアント企業と同様の取引条件で行っており、今後も同様の方針であります。)。
なお、伊藤忠商事㈱は、今後も当社株式を安定保有する意向を有しており、当社と伊藤忠商事㈱の関係について重大な変化は生じないものと認識しております。しかしながら、将来において、何らかの要因により伊藤忠商事㈱が経営方針や営業戦略(当社株式の保有方針も含む)を変更した場合、当社株式の流動性および株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、伊藤忠商事㈱が相当数の当社株式を保有することにより、当社の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。
このように、伊藤忠商事㈱は、当社について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主が期待する議決権の行使その他の行為を行わない可能性があります。
当社グループは、2018年2月末現在、連結財政状態計算書にのれんを976億42百万円計上しており、総資産の68.6%を占めています。内訳は、株式会社ベルシステム24(907億57百万円)、株式会社ビーアイメディカル(32億20百万円)、株式会社ポッケ(28億1百万円)、株式会社BELL24・Cell Product(1億69百万円)、CTCファーストコンタクト株式会社(6億95百万円)であり、事業収益性が低下した場合等にはのれんの減損損失が発生し、当社グループの業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、これらののれんは非償却性資産であります。
当社グループは2020年2月期までの指針とした中期経営計画を策定しています。本中期経営計画では既存案件の成長、既存クライアントからの新規案件の獲得、伊藤忠商事グループとの協業の更なる強化、およびAI(人工知能)等の活用による付加価値サービスの創出等により、安定的かつ継続的な売上成長の実現を目指すとともに、的確な設備増設を継続することおよび、新領域への積極的な追加投資を将来にわたって行うことにより事業運営を最適化し、利益の拡大を目指すこととしています。
本中期経営計画は過去、策定時の現状に基づいて作成されていますが、今後の経済・市場環境の変化、クライアント企業の方針変更、テクノロジーの革新等により、かかる想定通りとならない、あるいは想定していない事象の発生等により、本中期経営計画における目標を達成できない可能性があります。
当社グループは、企業価値向上のためにはコンプライアンスの徹底が必要不可欠であるとの認識の下、「ベルシステム24グループ行動規範」を制定し、これに従い全役職員が法令等を遵守した行動、高い倫理観をもった行動をとることを周知しております。また、コンプライアンス規程を制定の上、原則3か月に1回、チーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO(コンプライアンス担当役員))を委員長とするコンプライアンス委員会を開催し、当社グループの法令遵守状況の把握にはじまり、法令遵守の体制、方針、施策の決定や、コンプライアンス課題の共有と対策の検討を行っております。なお、本書提出日現在、当社グループの財政状態、事業運営に大きな影響が及ぶ当社グループに対する訴訟はございません。一方で、当社グループの事業活動に際し、当社グループ各社の従業員の法令等に対する違反の有無に関わらず、何らかの理由により労務問題・知的財産権・税務等の問題で訴訟を提起される、または罰金等を科される可能性があります。また、CRMやCSO/MIS/SMO各事業の受託において、業務に必要な社内外の経営資源を確保できないこと等により、これらの受託契約に基づく当社グループとしての責務を果せず、クライアントに生じる損害の一部または全部につき請求を受ける可能性があります。これらの訴訟の結果、当社グループの責に帰すものと認められた場合、あるいは訴訟を起こされることにより当社グループの事業に対する信頼感が損なわれた場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは全社員との間で締結する雇用契約において、業務に関する事項のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等への書き込みを全面的に禁止する内容を定めております。また、社内規程上もソーシャルメディア利用基準を定め、業務としてのSNS利用における手順を明らかにしております。さらに規定化するだけではなく、SNSやインターネット上の掲示板への悪質な書き込みに対しては当社監査部が定期的に監視を行っており、監視活動を通じてSNSや掲示板の運営者に対し削除依頼等の対応を行っております。中でも特に悪質と認められるものについては、書き込み者のIPアドレスを運営者に対して開示請求し、書き込み者への法的措置も辞さない方針であります。このような書き込み事例やそれに対する当社グループの対応については、全社員に定期的に通知することで、業務に関する事項をSNS等に書き込んではならないことの周知を改めて図っております。しかしながら、こうした措置をとったとしても、悪質な書き込みを完全に予防することは困難であり、そのような悪質な書き込みにより、当社グループの採用活動や、取引先との関係に影響が生じる等、ひいては損害賠償問題等、当社グループの事業活動に影響を与える経済的被害が生じる可能性があります。
(1)伊藤忠テクノソリューションズ株式会社との株式譲渡契約
当社は、2017年5月26日開催の取締役会において、BPO(Business Process Outsourcing)分野でのビジネス拡大を推進させることを目的に、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社が保有するCTCファーストコンタクト株式会社の発行済株式のうち51.0%を取得することに関して決議し、2017年5月30日付で伊藤忠テクノソリューションズ株式会社と株式譲渡契約を締結し、取得いたしました。
① 株式譲渡契約の内容
取得した株式数:普通株式510株
取得した議決権比率:51.0%
株式を取得した日:2017年7月3日
② 株式取得の方法
現金のみを取得の対価とする株式取得
③ CTCファーストコンタクト株式会社の概要
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商号 |
CTCファーストコンタクト㈱ |
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所在地 |
東京都世田谷区駒沢一丁目16番7号 |
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代表者の役職・氏名 |
代表取締役 千代 和幸 |
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主な事業内容 |
サービスデスク・コンタクトセンター運用サービス |
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資本金 |
50百万円 |
(2)凸版印刷株式会社との資本業務提携契約
当社は、2017年11月30日の取締役会決議により、凸版印刷株式会社(以下、「凸版印刷㈱」と言う。)との間で資本業務提携契約を締結いたしました。
① 資本業務提携の目的
両社の顧客基盤やこれまでに培った技術力や事業ノウハウ等を融合させることで、今後より一層の拡大が見込まれるBPO市場において、既存事業の拡大、AIやRPAといった新技術を用いた新たなサービスの研究・開発等を通じ、両社の企業価値向上に取り組むことを目的としています。
② 業務提携の内容
両社は、以下の業務提携を実施致しました。
イ 当社グループのコンタクトセンター業務と凸版印刷㈱の印刷およびバックオフィス業務といった両社の強みを活かした新ソリューションの提供
ロ AI、RPA等の新技術を活用したBPOソリューションの開発・展開
ハ 両社の事業拠点および顧客基盤を活用したサービスの拡販
ニ 両社の持つアジア地域拠点を活用した事業連携
ホ BPO業務における重複業務の集約による業務およびコストの効率化
ヘ 人材交流の実施
③ 資本提携の内容
凸版印刷㈱は、当社主要株主であったBAIN CAPITAL BELLSYSTEM HONG KONG LIMITEDが保有する当社の発行済普通株式10,570,000株を、2017年12月に市場外の相対取引により取得しました。
(3)借入契約等
当社は、複数の金融機関と金銭消費貸借契約、コミットメントライン契約、当座貸越契約等の借入契約を締結しており、その概要は、以下の通りであります。
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契約区分 |
借入先 |
契約日等 |
契約金額 |
2018年2月28日現在の |
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金銭消費貸借契約 |
三井住友信託銀行㈱ |
借入日 2017年3月31日 |
21,000 |
21,000 |
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金銭消費貸借契約 |
㈱みずほ銀行 |
借入日 2017年11月30日 |
13,750 |
13,063 |
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金銭消費貸借契約 |
信金中央金庫 |
借入日 2017年11月30日 |
14,000 |
14,000 |
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金銭消費貸借契約 |
信金中央金庫 |
借入日 2018年2月28日 |
4,000 |
4,000 |
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コミットメントライン契約 |
三菱UFJ信託銀行㈱ |
コミットメント期間 |
3,500 |
2,600 |
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コミットメントライン契約 |
㈱みずほ銀行 |
コミットメント期間 |
6,500 |
2,000 |
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当座貸越契約 |
三井住友信託銀行㈱ ㈱北海道銀行 ㈱横浜銀行 |
契約期間(いずれも1年ごとの自動更新) 自 2016年6月10日 自 2016年6月1日 自 2016年6月7日 |
3,500 |
2,600 |
(注) 1.各金融機関それぞれとの契約であります。
2.2018年4月16日付で㈱三菱UFJ銀行に契約が移管されております。
3.コミットメント期間、契約期間は、当初の開始日と更新後の契約満了日を記載しております。
4.主な契約内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 15.借入金」をご参照ください。
該当事項はありません。
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積りおよび予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積りおよび予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
① 売上収益
当連結会計年度の売上収益は、主力事業であるCRM事業において、伊藤忠商事㈱との協業強化によるシナジー等、既存継続案件の売上拡大、および旧BBコール業務が堅調に推移したこと等により、前連結会計年度と比べて67億2百万円増加(前連結会計年度比6.2%増)し1,156億18百万円となりました。
② 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、増収による利益の伸長に加え、サービス価格の適正化や業務生産性向上等により、前連結会計年度に比べて、22億91百万円増加(前連結会計年度比11.6%増)し220億14百万円となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人件費の増加に加え、人材や新領域への先行経費の支出等により、前連結会計年度に比べて、13億20百万円増加(前連結会計年度比11.6%増)し126億66百万円となりました。
④ その他の収益および費用
当連結会計年度のその他の収益および費用は、固定資産除却損の増加があったものの、前連結会計年度の事業再編に伴い発生した一過性の費用の減少の影響が大きく、前連結会計年度に比べて、1億76百万円減少(前連結会計年度比85.9%減)し29百万円(費用)となりました。
⑤ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、売上収益の増加および収益性改善により、前連結会計年度に比べて、11億47百万円増加(前連結会計年度比14.0%増)し93億19百万円となりました。
⑥ 金融収益および費用、持分法による投資損益
当連結会計年度の金融収支は、当連結会計年度に実施した借入金の借換えに伴う金利コスト削減、および受取配当金の増加等により、前連結会計年度に比べて、1億59百万円減少(前連結会計年度比16.4%減)し8億17百万円(費用)となりました。
⑦ 税引前利益
当連結会計年度の税引前利益は、営業利益増加等の影響により、前連結会計年度に比べて、13億6百万円増加(前連結会計年度比18.2%増)し85億2百万円となりました。
⑧ 親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益増加等の影響に加え、前連結会計年度に発生した事業再編に伴う一過性の税務処理による法人所得税費用が減少したこと等により、前連結会計年度に比べて、13億円増加(前連結会計年度比30.2%増)し56億4百万円となりました。
流動資産は、主に営業債権が9億76百万円増加し、現金及び現金同等物が2億94百万円、未収還付法人所得税が2億45百万円、その他の流動資産が1億24百万円それぞれ減少したため前連結会計年度末より2億86百万円増加し、260億95百万円となりました。
非流動資産は、のれんが6億95百万円、無形資産が13億17百万円、持分法で会計処理されている投資が6億39百万円それぞれ増加したため前連結会計年度末より26億80百万円増加し、1,163億42百万円となりました。
これらにより、総資産は前連結会計年度末より29億66百万円増加し、1,424億37百万円となりました。
流動負債は、営業債務が4億50百万円、借入金が5億86百万円、未払法人所得税が3億50百万円それぞれ増加したため前連結会計年度末より14億11百万円増加し、284億87百万円となりました。
非流動負債は、長期借入金が23億88百万円減少し、繰延税金負債が1億51百万円、その他の長期金融負債が2億73百万円それぞれ増加したため前連結会計年度末より19億63百万円減少し、690億99百万円となりました。
これらにより、負債合計は前連結会計年度末より5億52百万円減少し、975億86百万円となりました。
資本は、前連結会計年度末より35億18百万円増加し、448億51百万円となりました。これは主に親会社の所有者に帰属する当期利益の計上および配当金の支払により利益剰余金が29億68百万円、CTCFC㈱の株式取得等により非支配持分が2億77百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの主力事業であるCRM事業におきましては、サービス提供価格の変動と、オペレーター人材の確保および人件費の変動が、経営成績に重要な影響を与える主要因と認識しております。当社グループを取り巻く事業環境は非常に競争が激しく、昨今の経済状況により、企業の費用削減傾向が強まる場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当事業における原価の大部分は、主にオペレーターの人件費であるため、人材不足による採用難や賃金上昇によるオペレーションコストの増加は、当社グループの経営成績に影響を与えます。
対応策といたしましては、当社グループが30余年にわたって築き上げてきた実績と経験を活かして他社との差別化を図り、品質向上および新しいソリューション提供に努める事で業務の効率化および売上規模の拡大を実現し、合わせて、当社グループのブランド価値向上によりオペレーターの確保および人件費増に対応する適切な価格設定に努めていく次第であります。また、今後も戦略型のCRM事業の開発や新しいソリューションを提供し続け、顧客企業とともに成長できるパートナーへ進化を目指します。
当社グループが属するコンタクトセンターアウトソーシング市場は、市場規模7,500億円強、2016年度から2020年度までの間に年平均成長率8%程度で拡大すると予測されており、また、当社グループを含む売上高上位3~5社の大手による寡占化が続いております(出典:株式会社ミック経済研究所「CRM/フルフィルメントアウトソーシング市場の現状と展望2017年版」)。そうした中にあり、上位の競合企業は、当該コンタクトセンターアウトソーシング市場に一定のシェアを確保しつつも、その周辺市場に軸足を移し成長の活路を見出しているものと考えられますが、当社グループにおきましては、引き続き当該コンタクトセンターアウトソーシング市場に軸足を置き、成長路線を描いていく方針であります。
当該市場は上述の通り上位数社で過半のシェアを占める一方、数多くの中小規模以下の事業者が存在しております。また、アウトソーシングされていないインハウスの市場が、同等ないしそれ以上の規模で存在すると言われております。将来的には、大手へのさらなる収斂、専門領域特化、インハウスセンターのアウトソーシング化等を包含した市場再編成が起きる可能性があります。
当社グループの強みは、国内随一の広範な自社コンタクトセンター拠点をベースにした「規模」、様々な業界のコンタクトセンター運営受託の実績の「経験」と「ノウハウ」、最新のテクノロジーを積極的に活用する「融合」にあります。これまでに培ってきたこうした強みに加え、伊藤忠商事グループおよび凸版印刷㈱との営業、事業開発、およびテクノロジー分野におけるシナジーを創出していくことにより、顧客企業と同じ目線で経営課題に取り組み、改善提案を実践するパートナーとして、今後さらなる成長を果たしてまいりたいと考えております。
当社グループの経営陣は、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努めております。当社グループは、強みである「規模」「経験」「ノウハウ」「融合」を元に、主力事業であるCRM事業の安定化や収益拡大の取り組みとして、継続的なサービス品質の改善や業務効率化、および、顧客の課題発見、解決策提案型の営業力強化に加え、伊藤忠商事グループおよび凸版印刷㈱とのシナジー拡大、大手企業保有のコンタクトセンターの当社へのアウトソース化推進、世界基準のサービスレベルによるMNC(Multi National Client)向けサービスの拡大に注力してまいります。
また、新規事業開発の観点では、国内市場で培ったオペレーション品質を活用した海外展開の推進や、システムインテグレーターやコンサルティング企業との協業を通じ、IT技術を活用したサービス付加価値の向上や多様化への取り組み強化等も積極的に推進してまいります。