(1)業績
当連結会計年度の当社グループを取りまく環境としましては、輸出や生産が回復基調にあるものの、個人消費の動きは弱く、景気は横ばいで推移いたしました。また、平成28年1月末に日銀がマイナス金利政策を打ち出したことを受けて、足元の株式市場及び為替相場が不安定化しており、今後、実体経済に影響が及ぶ可能性があります。また、欧米の先進国経済は緩やかな回復が継続しましたが、新興国や資源国の景気減速が世界経済に波及するリスクが存在しております。
このような環境の下、当社は「我が国を言語的ハンディキャップの呪縛から解放する」という創業目的に基づき、「2025年に人間に匹敵する翻訳能力を持つ翻訳機を完成させる」という企業ビジョンを遂行するための研究開発を推し進める一方で、グローバル化がますます進展する企業向けに翻訳業務の効率化支援サービスに努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,668,032千円(前連結会計年度比18.9%増)、営業利益は216,211千円(同66.6%増)、経常利益は201,120千円(同53.5%増)、当期純利益は141,861千円(同49.9%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
①MT事業
MT事業におきましては、「熟考Z4.0」、「熟考2015」をリリース、「熟考」、「熟考Z」の自動翻訳精度の向上、機能の改良を継続的に実施してまいりました。イベントの出展を増やし新規顧客の開拓強化を積極的に行いました。また、関東、関西を中心に行っていた営業についても積極的に地方への営業も行ってまいりました。また、既存顧客の定期フォローを実施し、継続率のアップに努めてまいりました。この結果、MT事業の売上高は256,930千円(前連結会計年度比36.5%増)、営業利益は70,472千円(前連結会計年度比81.8%増)となりました。
②GLOZE事業
GLOZE事業におきましては、自社開発の翻訳支援ツール「究極Z」を活用し、短納期、低価額、高品質の翻訳サービスの提供に努めてまいりました。また、営業強化により新規、既存とも引き合い数が増加し、顧客フォロー体制の強化に努めてまいりました。この結果、GLOZE事業の売上高は362,367千円(前連結会計年度比51.7%増)、営業利益は14,164千円(前連結会計年度は営業損失12,344千円)となりました。
③翻訳・通訳事業
翻訳・通訳事業におきましては、工業、ローカライゼーション分野での取引拡大や自動車セクターでの新規開拓に成功しました。また法務分野が堅調に推移したことに加え、金融・IR分野の継続依頼先の新規開拓に成功しました。通訳事業においては、既存顧客のリピートが堅調に推移しました。この結果、翻訳・通訳事業の売上高は860,393千円(前連結会計年度比10.6%増)、営業利益は115,131千円(前連結会計年度比47.7%増)となりました。
④企業研修事業
企業研修事業におきましては、日中関係悪化により中国語の企業研修事業は依然として影響を受けておりますが、英語の企業研修事業では、新規事業の営業を強化してまいりました。この結果、企業研修事業の売上高は255,848千円(前連結会計年度比0.4%増)、営業利益は48,858千円(前連結会計年度比10.6%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは173,502千円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは32,544千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは271,897千円の収入となったため、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ412,855千円増加して、1,091,042千円(前連結会計年度比60.9%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の収入は173,502千円(前連結会計年度比40.9%の収入減)となりました。これは主に、資金の増加要因として税金等調整前当期純利益の計上214,152千円、減価償却費の計上64,391千円、たな卸資産の減少額3,486千円、資金の減少要因として固定資産売却益13,031千円、売上債権の増加額19,020千円、仕入債務の減少額28,629千円、法人税の支払額44,835千円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は32,544千円(前連結会計年度比52.5%の支出減)となりました。これは主に、資金の増加要因として投資不動産の売却による収入額62,140千円、資金の減少要因として有形固定資産の取得による支出額29,641千円、無形固定資産の取得による支出額47,523千円、投資有価証券の取得による支出額25,767千円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の収入額は271,897千円(前連結会計年度は4,036千円の支出)となりました。これは、
上場に伴う株式の発行による収入額181,397千円、自己株式の処分による収入74,362千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入71,700千円、長期借入金の返済による支出額36,666千円、配当金の支払額18,214千円などによるものです。
(1)生産実績
該当事項はありません。
(2)受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
MT事業 |
240,486 |
155.4 |
101,788 |
137.3 |
|
企業研修事業 |
249,135 |
94.3 |
27,275 |
80.2 |
|
合計 |
489,621 |
116.9 |
129,063 |
119.4 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.GLOZE事業、翻訳・通訳事業について、受注時に翻訳内容(言語、納品日、納品形態)は、決定されますが、受注金額の算定基礎となるページ数、ワード数、文字数が確定しないため、受注金額の記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
前年同期比(%) |
|
MT事業 (千円) |
214,597 |
148.8 |
|
GLOZE事業 (千円) |
362,367 |
151.8 |
|
翻訳・通訳事業 (千円) |
835,218 |
109.2 |
|
企業研修事業 (千円) |
255,848 |
100.4 |
|
合計 (千円) |
1,668,032 |
118.9 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.最近2連結会計年度における主な相手先に対する販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれの相手先も当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(1) MT事業における機械翻訳の精度向上
これまで通り、2025年までに人間の翻訳者とほぼ同等の翻訳精度を持つ機械翻訳を完成することを目標に研究開発を促進することが第1の課題です。翌期は特に弊社独自の技法にDeep Neural Networkを組み合わせる試みを行います。また、当期で翻訳機を2,000以上の専門分野に細分化した流れをさらに進めて顧客企業別対応の自動翻訳サービスのリリースを予定しています。
(2) GLOZE事業における翻訳支援ツール「究極Z」を活用した業務形態の推進・確立
機械翻訳が完成するまでの過渡期として、MT事業の技術を援用した翻訳支援ツールを活用した翻訳業務受託サービスを行うGLOZE事業を収益のメインとするのが第2の課題です。そのために、翌期は引き続き翻訳支援ツール「究極Z」を活用した翻訳業務形態の確立をさらに推進してまいります。
(3) 営業力の強化
伝統的な自動翻訳サービスとの翻訳クオリティの違いをより多くの方に知っていただくために、マーケティング戦略を強化し営業機会を拡大していくことが課題となります。
イベント・展示会等への出展、WEBへの露出増、販売代理店の拡充などの施策と共に、グループ事業との連動による新規顧客開拓を進めてまいります。さらに、翻訳ニーズのある顧客に対し、自動翻訳と翻訳者による翻訳を組み合わせコンサルティング型営業により翻訳業務の効率化を提案していく営業スタイルを開始してまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
1.事業環境に関するリスク
(1)インターネットの普及について
当社が行っているMT事業は、SaaS形態で提供するサービスであり、インターネットを利用する顧客を対象としております。インターネット上の情報通信が、快適な利用環境の下、広く普及し、今後もインターネットを利用する顧客が増加していくことが、成長のための条件であると考えております。
しかし、通信インフラ環境の向上が一般的な予測を大きく下回る場合や、利用料金の改定を含む通信事業者の動向、新たな法的規制の導入など、当社グループの予期せぬ要因によりインターネット利用環境の発展が阻害される場合、サービスの質や利便性の低下に繋がる可能性があり、既存顧客の減少や新規顧客の獲得が困難になるなどの理由で、MT事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制・制度の新設・改定等による影響について
現在、当社が営むインターネットを利用して提供するサービスに関連した規制法令等はありませんが、今後、インターネットの利用者や関連するサービス及び事業者を規制対象とする法令等の制定や、既存の法令等の適用、あるいは何らかの自主的なルールの制定等が行われた場合、当社グループの事業が制約され、MT事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが提供している通訳事業及び企業研修事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」の規制の対象外でありますが、今後、同法律の改定等により、当社の事業も適用対象とされた場合には、事業運営に厚生労働大臣の許可が必要となり、許可の取得に時間を要する場合、認可の取得が出来ない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)技術革新について
ソフトウェアやインターネットの分野は、技術革新のスピードの変化が激しく、新しいサービスが逐次産み出されている分野です。当社においても、こうした技術革新への変化に対応するべく、積極的に最新情報の蓄積、分析及び当社のサービスへの導入に取り組んでおります。しかしながら、技術革新において当社が予期しない急激な変化があり、対応が遅れた場合には、当社のサービスの陳腐化や競争力の低下を引き起こし、MT事業、GLOZE事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)翻訳関連システムの研究開発
当社は、長期に亘り機械翻訳関連システムの研究開発を行っております。研究開発が予定どおりに進行せず遅延したり、事業環境の急変や想定外の事態の発生等により、開発の中断・中止又は想定以上の開発費の発生があれば、MT事業、GLOZE事業の業績にその影響を及ぼす可能性があります。
(5)需要の変動について
当社グループのMT事業、GLOZE事業、翻訳・通訳事業の顧客は、製薬、化学、製造、IT業界などの事業会社が中心です。これらの顧客が属する業界において、何らかの法制度等の変更、景気変動、業界再編による企業数の増減等があった場合、あるいは顧客の方針変更(例:内製化、外注先の絞り込み等)があった場合には、当社グループが提供するサービスへの需要が大きく変動する場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、企業研修事業においては、米国・欧州・中国等の世界各国の政治・経済情勢等の変化、法律の改正、外交問題等の要因により顧客企業のグローバル展開に影響を与え、企業研修サービスへの需要が大きく変動する場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)競合と参入障壁について
自動翻訳業界は、昭和59年に初の商用翻訳システムが開発されて以来、約30年の歴史を持つ業界であり、これまでさまざまなソフトウェアが開発され誕生しております。近年では、CD-ROMなどの媒体をパッケージ化して有料で販売されている翻訳ソフトに加え、インターネット上でGoogleやYahoo、Exciteなどの主要ポータルサイトがコンテンツとして翻訳ソフトを取り込み無償で自動翻訳が提供されております。
膨大な量の辞書データベースの獲得には多額のコストがかかること、言語解析技術に基づく翻訳プログラミングは、一般的には容易でないと考えられることから、業界への参入障壁は決して低いとは考えておりませんが、既存の競合サービスとの間でユーザーの争奪が行われた場合には、MT事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが行っているGLOZE事業、翻訳・通訳事業及び企業研修事業は、多額の設備投資や許認可が必要ではなく、現在も多数の翻訳通訳会社・企業研修会社が存在することから、新規参入は比較的容易な業界であると考えられます。新規参入又は既存の翻訳通訳会社・企業研修会社との間で、受注競争が激化し、受注価格の低下や登録翻訳者・登録通訳者・研修講師の争奪が行われた場合には、売上の減少・原価の上昇につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
2.事業内容に関するリスク
(1)翻訳・通訳内容の瑕疵・過失、納期の遅延について
当社グループが行っているMT事業、GLOZE事業、翻訳・通訳事業は、品質・納期に満足いただけるようなサービスの提供を経営上の重要な課題と位置づけ取り組んでおりますが、その翻訳・通訳成果物の内容や納期の遅延等により、顧客に対し重大な損害を発生させてしまう可能性があります。
当社グループでは、翻訳作業完了後に内容確認を行うことや、顧客との間で事前に打ち合わせを行うことなどにより、成果物の内容に瑕疵・過失が生じないように取り組んでおり、本書提出日現在に至るまで、翻訳・通訳内容を原因とする損害賠償を請求されたことはありませんが、今後、翻訳・通訳内容が原因で顧客に何らかの重大な損害が発生した場合には、賠償金の支払いや信用低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)企業研修事業の瑕疵・過失について
当社グループが行っている企業向け研修事業は、研修日程の調整、研修講師の手配を行っておりますが、講師の勤務状態(遅刻・欠勤・態度等)などが原因で、顧客に重大な損害を発生させてしまう可能性があります。本書提出日現在に至るまで、講師の勤務状態などが原因で返金や損害賠償を請求されたことはありませんが、今後、当社グループの提供する研修内容が原因で顧客に何らかの重大な損害が発生した場合には、返金や賠償金の支払い、信用低下により、企業研修事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
3.事業運営体制に関するリスク
(1)代表取締役CEOへの依存について
当社の代表取締役CEOである五石順一は、創業時から当社及び当社グループ2社の代表取締役を務めております。
当社グループ各社の業務執行は、各社にそれぞれCOO(最高執行責任者)を選任しており、日常的な業務執行については同氏はほとんど携わっておりませんが、MT事業の自動翻訳の開発については、設計部分の責任者という役割を担っており、極めて重要な役割を果たしております。何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難となった場合、開発業務に支障が生じる可能性があります。このリスクに備えるため、設計が行える技術者の採用・育成を進めてまいります。
(2)小規模組織であることについて
当社グループは、本書提出日現在において、従業員95人(臨時従業員25人を含む)と小規模組織となっており、内部管理体制もこの規模に応じたものとなっております。当社グループは今後の業容拡大に対応するため、人員の増強及び内部管理体制の一層の充実を経営上の重要な課題と位置づけて取り組んでおりますが、人材の拡充が予定どおり進まなかった場合、又は人材の社外流出があった場合は、業務執行体制や内部管理体制が有効に機能しなくなり、当社グループの事業展開に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)人材の確保等について
当社グループは、開発部門、営業部門、制作部門、管理部門等における優秀な人材の確保を重要な経営課題の一つと認識しており、積極的に採用活動を行い、全役職員が最大限の能力を発揮できる組織体制づくり等に取り組んでおります。しかしながら、これらの施策により優秀な人材を確保・維持できなかった場合等には、当社グループにおいて自動翻訳の開発の遅れ、販売戦略の見直し、提供しているサービスの質の低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、翻訳・通訳事業、GLOZE事業及び企業研修事業においては、基本的に社外の専門スタッフに業務委託をしていることから、それぞれの事業における優秀な社外専門スタッフの確保が重要となります。当社グループではこれまで、社外専門スタッフの不足等による業績への重大な影響を受けたことはありませんが、万が一、優秀な社外専門スタッフの確保・維持ができなかった場合等には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
4.システムに関するリスク
当社が行っているMT事業は、インターネット環境で「ASP・SaaS」で提供するサービスであり、サービスの安定供給のために適切なセキュリティ対策を施しておりますが、ハードウェア・ソフトウェアの不具合、人為的なミス、コンピューターウィルス、第三者によるサイバー攻撃、自然災害等の予期せぬ事象が発生し、想定していないシステム障害等が発生した場合には、当社の事業活動に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
5.コンプライアンスに関するリスク
(1)顧客の機密情報の保護について
当社グループでは、顧客の翻訳原稿に基づき翻訳成果物を納品するサービスを提供しており、その内容には顧客の機密情報も含まれます。これらの機密情報の流出や外部からの不正アクセスによる被害防止は、当社グループの事業にとって極めて重要であります。当社グループではこれら機密情報等の第三者への漏洩を防止するために、社員及び業務委託先に対し、雇用契約又は業務委託契約による相当の機密保持義務を課しており、また、各社ごとに執務室内への入室にセキュリティロックを施し、MT事業においては外部データセンターの選定はISMS認証取得を条件とし、通信にはSSL(暗号回線)を使用しております。
しかし、これらの対策にもかかわらず、機密情報の流出等を完全に排除できるとまでは言えず、何らかの原因により流出等が発生した場合、当社グループの信用低下や法的責任を問われる可能性もあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)個人情報の保護について
当社グループでは、自動翻訳の登録ユーザー、翻訳通訳の発注者、教育研修の受講者、翻訳通訳の業務委託先である登録翻訳者・通訳者等の個人情報を保有しております。当社グループでは、個人情報を各社別にシステムで管理しており、これらの情報へのアクセスは職位及び業務内容により制約されております。
また、当社グループではプライバシーマーク(プライバシーマークとは、日本工業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム―要求事項」に適合して、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者等を認定する制度)を取得しており、情報管理規程の策定・運用、全役職員を対象に定期的な研修等による教育を実施するなど、個人情報の保護に努めております。
しかし、不測の事態の発生により、当社グループの保有する個人情報が外部に漏洩した場合には、損害賠償等の補償や信用低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)コンプライアンスについて
当社グループでは、コンプライアンス体制が有効に機能していることが極めて重要であると認識しております。そのため「コンプライアンス管理規程」を策定し、全役職員を対象に「行動規範」の周知徹底に努めております。また、代表取締役CEOを委員長とする「ロゼッタグループ・コンプライアンス委員会」を設置し、コンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。
しかし、これらの取り組みにもかかわらず、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することは困難であり、今後の当社グループの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの企業価値が毀損し、事業継続及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)第三者との係争について
当社グループは、法令遵守を基本としたコンプライアンス活動の推進により、法令違反、情報漏洩、知的財産侵害等を防止し、法改正等への適切な対応、契約行為が及ぼす法的効果の充分な検討を行うことで、訴訟に発展するリスクを排除するよう努めております。
しかしながら、何らかの予期せぬ事象により、法令違反等の有無に関わらず、顧客や取引先、第三者との予期せぬトラブルが訴訟等に発展する可能性があります。MT事業の自動翻訳の開発においては、第三者が保有する知的財産権を侵害する可能性が、GLOZE事業、翻訳・通訳事業の翻訳においては、顧客から預かった翻訳原文が第三者の著作権等を侵害していることに伴い、依頼主である顧客だけでなく当社グループにも損害賠償等を求められる可能性があり、かかる訴訟の内容及び結果によっては、多大な訴訟対応費用の発生や信用低下等により、当社グループの事業継続及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
6.その他のリスク
(1)資金使途について
当社グループの公募増資による調達資金の使途については、主に自動翻訳サービスの研究開発投資と適切な人材採用等に充当する予定であります。しかしながら、当社グループを取り巻く外部環境や経営環境の変化に対応するため、調達資金を予定以外の使途に充当する可能性があります。また、予定どおりの使途に充当された場合でも、想定どおりの効果を上げることができず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)配当政策について
当社グループでは、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先しつつ、株主への配当を実施しております。株主への利益配分につきましては、今後も経営の最重要課題の一つと位置付け、企業体質の強化と将来の事業展開に備える内部留保とのバランスを図りながら、利益成長に応じた配当政策を実施する予定であります。
しかしながら、想定どおりの利益成長が達成できないなどの理由により、配当を実施できなくなる可能性があります。
(3)新株予約権について
当社グループでは、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役職員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、当社役員及び従業員に対して新株予約権を付与しております。
本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は501,600株であり、発行済株式総数4,586,200株の10.9%に相当しております。
これらの新株予約権が権利行使された場合は、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があり、将来における株価形成へ影響を及ぼす可能性があります。
(4)自然災害について
地震や津波、台風等の自然災害、感染症の蔓延、事故、火災、テロ、戦争等により人的・物的な被害が生じた場合、あるいはそれらの自然災害及び事故等に起因する電力・ガス・水道・交通網の遮断等により、正常な事業活動が阻害された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)企業買収等
当社グループは、MT事業、GLOZE事業、翻訳・通訳事業、企業研修事業の強化補強を目的に、企業買収及び資本参加を含む投資を行うことがあります。実施に当たっては、事前に収益性や投資回収可能性に関する十分な調査及び検討を行いますが、買収及び投資後における事業環境の急変や想定外の事態の発生等により、期待した利益やシナジー効果を確保できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)役員所有株式に係る質権設定について
当社役員である五石順一及び秀島博規(以下「対象者」という。)と株式会社みずほ銀行(以下、本(6)において「銀行」という。)との間には金銭消費貸借契約が締結されており、当該契約に基づき対象者が保有する株式の一部には、本書提出日現在、下記表の通り、対象者が銀行に対して負担する債務の担保として質権が設定されています。
|
|
保有顕在株式数 |
質権対象株式数 |
|
五石 順一 |
1,284,000株 |
124,000株 |
|
秀島 博規 |
104,000株 |
32,000株 |
|
合計 |
1,388,000株 |
156,000株 |
下記に定めるいずれかの事由が生じた場合には、法定の順序にかかわらず、また被担保債務の期限が到来したかどうかにかかわらず、その債務の弁済に充当するために、銀行により質権対象株式の売却が行われる可能性があります。
・対象者が当社グループの役員でなくなったとき
・上記に定める対象者に係る当社普通株式の売却等を行わない期間(本募集に係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の平成28年5月16日までの期間をいう。)が経過したとき
・対象者について次の事由が一つでも生じた場合
-支払の停止または破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始もしくは特別清算開始の申立があったとき
-手形交換所または電子債権記録機関の取引停止処分を受けたとき
-対象者の預金その他の銀行に対する債権について仮差押、保全差押または差押の命令、通知が発送されたとき
-対象者の責めに帰すべき事由によって、銀行に対象者の所在が不明となったとき
-銀行に対する債務の一部でも履行を遅滞したとき
-担保の目的物について差押または競売手続の開始があったとき
-銀行との約定に違反したとき
-上記のほか対象者の債務の弁済に支障をきたす相当の事由が生じたとき
本書提出日現在、銀行による質権対象株式の総数は156,000株であり、発行済株式総数4,586,200株の3.4%に相当しております。東京証券取引所における売却又はその他の方法により質権対象株式の売却が実際になされた場合、又はその可能性が顕在化した場合には、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
1.重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結会計年度末における資産・負債及び連結会計年度の収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
2.経営成績の分析
(1)売上高及び営業利益
当連結会計年度の売上高は1,668,032千円(前連結会計年度比18.9%増)、営業利益は216,211千円(同66.6%増)となりました。MT事業、GLOZE事業、翻訳・通訳事業が堅調に推移したことが営業利益の増加に寄与しました。
(2)営業外損益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は2,489千円(前期比55.8%減)、営業外費用は17,579千円(前期比299.2%増)となりました。
営業外費用の増加は、主に上場に伴う一時費用の計上などによるものであります。
この結果、経常利益は201,120千円(前期比53.5%増)となりました。
(3)特別損益及び税金等調整前当期純利益
特別利益は13,031千円となりました。
これは、投資不動産売却によるものであります。
この結果、税金等調整前当期純利益は214,152千円(前期比56.9%増)となりました。
3.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ419,338千円(33.4%)増加して1,673,127千円となり
ました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ436,371千円(46.9%)増加して1,366,473千円となりました。これは主に、現金及び預金が402,820千円、受取手形及び売掛金が19,020千円増加、たな卸資産が3,486千円減少したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ17,032千円(5.3%)減少して306,654千円となりました。有形固定資産は12,398千円増加して43,504千円となりました。これは主に、MT事業のサーバ等設備の投資によるものです。また、不動産の売却により投資不動産が49,317千円減少、投資有価証券が26,987千円増加により、投資その他の資産は24,496千円減少して45,962千円となりました。
(負債)
連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ32,614千円(8.2%)減少して364,328千円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が28,629千円、借入金が36,666千円減少したものと、未払法人税等が29,635千円、前受金が10,579千円増加したことなどによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ451,952千円(52.7%)増加して1,308,798千円となり
ました。これは主に、資本金が100,603千円、資本剰余金が180,201千円、利益剰余金が123,647千円それぞれ増加したほか、自己株式が47,264千円減少したことなどによるものです。
4.経営戦略の現状と見通し
(1)会社の経営の基本方針
「我が国を言語的ハンディキャップの呪縛から解放する」のが当社グループの創業目的であり、そのために「2025年に人間に匹敵する翻訳能力を持つ翻訳機を完成させる」ことが企業ビジョンであり、また会社経営の根幹をなす基本方針でもあります。
(2)中長期的な会社の経営戦略
2015年からの10年計画で2025年に人間に匹敵する翻訳機を実現することを経営の大目標としております。その到達点に至るまでの経過ステップとして、まずはMT事業で開発を進めている最新技術を翻訳支援システムとして適用する翻訳受託事業『GLOZE事業』をメインに成長し、そこで培った知見・技術を再帰的にMT事業の機械翻訳に移転しながら『MT事業』を拡大し、2025年には大目標である人間に匹敵する翻訳能力を持つ翻訳機を完成させるというのが、当社グループの中長期的な経営戦略であります。
5.資本の財源及び資金の流動性についての分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。