第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

企業ミッションである「人類を場所・時間・言語・物理的な制約からの解放」の実現が経営の目的です。より、具体的にはAI、AR(Augmented Reality:拡張現実)、VR(Virtual Reality:仮想現実)、5G/6G/7G(高速大容量・多数同時接続通信)、4K/8K/12K(超解像映像)、映像配信ソリューション、ウェアラブルデバイス、ロボット、HA(Human Augmentation:人間拡張)等の最新テクノロジーを統合して、世界中の人々が「いつでもどこでも誰とでも言語フリーで」交流し、生活し、仕事し、人生を楽しめる世界を実現します。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

MT・HT事業をキャッシュカウ、生成AIの「Metareal AI」プロジェクトを短中期の成長戦略、メタバース事業を5年~10年後を見据えた長期成長戦略と位置付けています。

 

(3)経営環境

MT事業は、成長率に見合った費用のスリム化等によりキャッシュカウ事業として安定しております。昨年末より生成AIが爆発的な進化を遂げ、今後急速にパラダイムシフトが起こると予想されることより、当社には大きなチャンスが到来したと考えております。メタバースについては、主にハードウエアと通信インフラの問題から、スマートフォン並みに普及するのは当分先(早くて5年、遅くて10年後)であると判断しています。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① メタバース事業における「Metaverser」構想及びその手段としての「Metaverse×AI」

メタバース事業は、5年後以降での開花を想定する長期成長戦略として、「Metaverser」構想及びその手段としての「Metaverse×AI」を課題として取り組みます。

② MT事業及び「Metareal AI」プロジェクト

ドキュメントAI翻訳の『T-4OO』『T-3MT』、音声AI翻訳の『オンヤク』等のサービスを展開するMT事業については継続して安定成長を目指します。4月3日にβ版をリリース(正式版は5月末日リリース予定)したAI関連サービス統一プラットフォーム「Metareal AI」はChatGPT等の生成AIのみならず数多のAIサービス群を企業のビジネス活用の観点で統合したものです。独自アプリケーションにとどまらず世界中の最先端のAIサービスを高速で提供し、日本の企業との橋渡しをも担うために開発、提供を開始したものであり、世界規模の急激なAIシフトに日本企業が対応できるビジネス環境のワンストップなAI化を推進してまいります。MT事業及び「Metareal AI」プロジェクトより、5%~20%の成長を目指します。

 

(5)コロナ禍の業績に対する影響は以下のとおりです。

MT事業の第4四半期においては、第3四半期から企業動向に大きな変化はなく、2021年2月期より試みていた「コロナ禍での新しい営業活動(※)」でもあるWebを中心とした営業活動を行い、主軸製品であるドキュメントAI自動翻訳部門においては概ね想定通りの着地となりました。

※従前の展示会によるリードの創出に高く依存していた受動的なスタイルから、既存のお客様への業務改善・プロダクトミックス提案、ウェビナー開催等による積極的かつ能動的なコンタクト機会の創出等を中心に行っております。

『T-4OO』・『T-3MT』を取扱うドキュメントAI自動翻訳部門においては業績予想上の根拠となった受注計画に対して下回る結果となりました。

現在、総導入企業数は6,000社を突破し、第2四半期決算短信において記載しました「成熟フェーズへの切り替え」を実行し、大手のお客様中心の営業活動を行った結果、大規模のお客様は活性化により、利用拡大、受注単価増へと繋がっております。

低コストを求める小規模のお客様に関しては、積極的営業を行っていないこともあり、受注は減少いたしました。

今後も大手中心の営業活動を継続し、小規模顧客の減少を上回る受注と営業利益の拡大に努めてまいります。

新プロダクトである会議音声翻訳ツール『オンヤク』においては受注額、受注件数ともに業績予想上の根拠となった受注計画に対して上回る結果となりました。音声翻訳市場は開拓、拡大フェーズにありますので、今後も受注拡大に向け活動いたします。

HT事業においてはコロナ禍のピーク時から比較して、足元の事業環境は回復基調にありますが、新型コロナウイルスの影響については依然不透明な状況が継続しており、今後の感染状況によっては業績へ影響を与える可能性があります。

 

2【事業等のリスク】

投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.事業環境に関するリスク

(1)法的規制・制度の新設・改定等による影響について

現在、当社が営むインターネットを利用して提供するサービスに関連した規制法令等はありませんが、今後、インターネットの利用者や関連するサービス及び事業者を規制対象とする法令等の制定や、既存の法令等の適用、あるいは何らかの自主的なルールの制定等が行われた場合、当社グループの事業が制約され、MT事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが提供しているHT事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」の規制の対象外でありますが、今後、同法律の改定等により、当社の事業も適用対象とされた場合には、事業運営に厚生労働大臣の許可が必要となり、許可の取得に時間を要する場合、認可の取得ができない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)技術革新について

AIの分野は、技術革新のスピードの変化が激しく、新しいサービスが逐次産み出されている分野です。当社においても、こうした技術革新への変化に対応するべく、積極的に最新情報の蓄積、分析及び当社のサービスへの導入に取組んでおります。しかしながら、技術革新において当社が予期しない急激な変化があり、対応が遅れた場合には、当社のサービスの陳腐化や競争力の低下を引き起こし、MT事業、HT事業及びメタバース事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)需要の変動について

当社グループのMT事業、HT事業の顧客は、製薬、化学、製造、IT業界などの事業会社が中心です。これらの顧客が属する業界において、何らかの法制度等の変更、景気変動、業界再編による企業数の増減等があった場合、あるいは顧客の方針変更(例:内製化、外注先の絞り込み等)があった場合には、当社グループが提供するサービスへの需要が大きく変動する場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、HT事業においては、米国・欧州・中国等の世界各国の政治・経済情勢等の変化、法律の改正、外交問題等の要因により顧客企業のグローバル展開に影響を与え、企業研修サービスへの需要が大きく変動する場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)競合と参入障壁について

民間企業ではありませんが、総務省所管の国立研究開発法人情報通信研究機構が開発している専門分野別産業向け文書機械翻訳エンジンが当社のMT事業サービスに対して競合関係となっており、ユーザーの争奪等で激しい圧迫を受ける場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。官庁による後ろ盾の影響力や国庫からの資金力を利用した追随は脅威になり得ます。

 

2.事業内容に関するリスク

新規事業(メタバース事業及びAI等のMT事業における新規事業)に関する会計上の数値が費用先行型になるリスク

メタバース事業及びAI等のMT事業における新規事業について、開発・アジャイルブラッシュアップに伴い発生する開発コスト分により連結決算上の損失計上額が多額になるリスクがあります。

 

3.事業運営体制に関するリスク

(1)人材の確保について

当社グループは、開発部門、営業部門、制作部門、管理部門等における優秀な人材の確保を重要な経営課題の一つと認識しており、積極的に採用活動を行い、全役職員が最大限の能力を発揮できる組織体制づくりなどに取組んでおります。しかしながら、これらの施策により優秀な人材を確保・維持できなかった場合等には、当社グループにおいて自動翻訳の開発の遅れ、販売戦略の見直し、提供しているサービスの質の低下、業務執行体制や内部管理体制の不備等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)内部統制について

内部統制の一部又は全部が適切に整備・運用されない場合、当社グループの経営成績及び財政状態、レピュテーション並びに金融機関との関係等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、その他内部統制の整備上の欠陥や運用上の認識不足等の不備により財務報告等に重大な誤りが生じた場合にも、当社の信用が失墜するとともに、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

4.システムに関するリスク

当社が行っているMT事業は、インターネット環境で「SaaS」で提供するサービスであり、サービスの安定供給のために適切なセキュリティ対策を施しておりますが、ハードウエア・ソフトウエアの不具合、人為的なミス、コンピューターウイルス、第三者によるサイバー攻撃、自然災害等の予期せぬ事象が発生し、想定していないシステム障害等が発生した場合には、当社の事業活動に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5.コンプライアンスに関するリスク

(1)顧客の機密情報の保護について

当社グループでは、顧客の翻訳原稿に基づき翻訳成果物を納品するサービスを提供しており、その内容には顧客の機密情報も含まれます。これらの機密情報の流出や外部からの不正アクセスによる被害防止は、当社グループの事業にとって極めて重要であります。当社グループではこれら機密情報等の第三者への漏洩を防止するために、社員及び業務委託先に対し、雇用契約又は業務委託契約による相当の機密保持義務を課しており、また、各社ごとに執務室内への入室にセキュリティロックを施し、MT事業においては外部データセンターの選定はISMS認証取得を条件とし、通信にはSSL(暗号回線)を使用しております。

しかし、これらの対策にも関わらず、機密情報の流出等を完全に排除できるとまでは言えず、何らかの原因により流出等が発生した場合、当社グループの信用低下や法的責任を問われる可能性もあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)個人情報の保護について

当社グループでは、自動翻訳の登録ユーザー、翻訳通訳の発注者、教育研修の受講者、翻訳通訳の業務委託先である登録翻訳者・通訳者等の個人情報を保有しております。当社グループでは、個人情報を各社別にシステムで管理しており、これらの情報へのアクセスは職位及び業務内容により制約されております。

また、当社グループではプライバシーマーク(プライバシーマークとは、日本工業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム―要求事項」に適合して、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者等を認定する制度)を取得しており、情報管理規程の策定・運用、全役職員を対象に定期的な研修等による教育を実施するなど、個人情報の保護に努めております。

しかし、不測の事態の発生により、当社グループの保有する個人情報が外部に漏洩した場合には、損害賠償等の補償や信用低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)コンプライアンスについて

当社グループでは、コンプライアンス体制が有効に機能していることが極めて重要であると認識しております。そのため「コンプライアンス規程」を策定し、全役職員を対象に「行動規範」の周知徹底に努めております。また、代表取締役CEOを委員長とする「メタリアルグループ・コンプライアンス委員会」を設置し、コンプライアンス体制の強化に取組んでおります。

しかし、これらの取組みにも関わらず、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することは困難であり、今後の当社グループの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの企業価値が毀損し、事業継続及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4)第三者との係争について

当社グループは、法令遵守を基本としたコンプライアンス活動の推進により、法令違反、情報漏洩、知的財産侵害等を防止し、法改正等への適切な対応、契約行為が及ぼす法的効果の充分な検討を行うことで、訴訟に発展するリスクを排除するよう努めております。

しかしながら、何らかの予期せぬ事象により、法令違反等の有無に関わらず、顧客や取引先、第三者との予期せぬトラブルが訴訟等に発展する可能性があります。MT事業の自動翻訳の開発においては、第三者が保有する知的財産権を侵害する可能性が、HT事業の翻訳においては、顧客から預かった翻訳原文が第三者の著作権等を侵害していることに伴い、依頼主である顧客だけでなく当社グループにも損害賠償等を求められる可能性があり、かかる訴訟の内容及び結果によっては、多大な訴訟対応費用の発生や信用低下等により、当社グループの事業継続及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

6.その他のリスク

(1)配当政策について

当社グループでは、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先しつつ、株主への配当を実施しております。株主への利益配分につきましては、今後も経営の最重要課題の一つと位置付け、企業体質の強化と将来の事業展開に備える内部留保とのバランスを図りながら、利益成長に応じた配当政策を実施する予定であります。

しかしながら、想定どおりの利益成長が達成できないなどの理由により、配当を実施できなくなる可能性があります。

 

(2)新株予約権について

当社グループでは、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役職員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めること及び資金調達を目的として、当社役員及び従業員並びに社外協力者及び機関投資家に対して新株予約権を付与しております。

2023年4月末現在、新株予約権による潜在株式数は1,420,800株であり、発行済株式総数10,688,460株の13.3%に相当しております。

これらの新株予約権が権利行使された場合は、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があり、将来における株価形成へ影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)自然災害について

地震や津波、台風等の自然災害、感染症の蔓延、事故、火災、テロ、戦争等により人的・物的な被害が生じた場合、あるいはそれらの自然災害及び事故等に起因する電力・ガス・水道・交通網の遮断等により、正常な事業活動が阻害された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)企業買収等

当社グループは、MT事業、HT事業、メタバース事業の強化補強を目的に、企業買収及び資本参加を含む投資を行うことがあります。実施に当たっては、事前に収益性や投資回収可能性に関する十分な調査及び検討を行いますが、買収及び投資後における事業環境の急変や想定外の事態の発生等により、期待した利益やシナジー効果を確保できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)感染症の流行に関する事項

新型コロナウイルスの流行により、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。リモートワーク、外出自粛といった外部環境の変化の中で求められるサービスの提供を進めており、販売体制においても従前と同様の対応をリモートにて行えるよう措置を講じております。しかしながら、新型コロナウイルスによる呼吸器疾患を始めとした感染症の流行による影響は、広範かつ予測が困難であり、問題が長期化した場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ687,312千円減少して4,220,709千円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ24,582千円増加して2,973,276千円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が173,829千円減少、現金及び預金が126,835千円増加、貸倒引当金が43,137千円減少したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ711,894千円減少して1,247,433千円となりました。これは、有形固定資産が90,804千円減少、無形固定資産が322,270千円減少、投資その他の資産が298,820千円減少したことによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ721,964千円減少して3,087,391千円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ445,178千円減少して1,989,491千円となりました。これは主に、課徴金引当金が283,090千円減少、前受金が146,820千円減少、未払法人税等が63,027千円減少したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ276,786千円減少して1,097,899千円となりました。これは、長期借入金が385,980千円減少、社債が136,000千円増加、リース債務が26,806千円減少したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ34,652千円増加して1,133,318千円となりました。

これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が29,631千円増加したことによるものであります。

 

b.経営成績

当連結会計年度につきましては、MT事業における費用削減等の結果としてMT事業利益は堅調に推移したものの、メタバース事業における研究開発費等の先行投資による費用発生がございました。

 

(1)売上高及び営業利益

当連結会計年度の経営成績は、売上高は4,292,042千円(前連結会計年度比3.2%増)、営業利益は515,424千円(前連結会計年度比460.6%増:メタバース事業を除くと941,048千円で前連結会計年度比65.1%増)となりました。

(2)営業外損益及び経常利益

当連結会計年度の営業外収益は50,913千円(前連結会計年度比10.1%減)、営業外費用は49,534千円(前連結会計年度比74.5%減)となりました。

この結果、経常利益は516,803千円(前連結会計年度は45,752千円の経常損失)となりました。

(3)特別損失及び税金等調整前当期純利益

特別損失は308,099千円となりました。これは主に、投資有価証券評価損233,763千円、減損損失68,455千円によるものであります。

この結果、税金等調整前当期純利益は208,703千円(前連結会計年度は1,270,424千円の税金等調整前当期純損失)となりました。

 

セグメント別の業績は、以下のとおりであります。

 

MT事業

MT事業におきましては、売上高は2,911,781千円(前連結会計年度比0.8%減)となり、セグメント利益は630,939千円(前連結会計年度比65.8%増)となりました。

 

HT事業

HT事業におきましては、売上高は1,370,005千円(前連結会計年度比12.3%増)となり、セグメント利益は267,226千円(前連結会計年度比46.7%増)となりました。

 

メタバース事業

メタバース事業におきましては、売上高は10,256千円(前連結会計年度比126.8%増)となり、セグメント損失は425,624千円(前連結会計年度は477,987千円のセグメント損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは507,333千円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは155,735千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは217,877千円の支出となったため、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ131,883千円増加して、2,542,027千円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の収入は507,333千円となりました。これは主に、資金の増加要因として税金等調整前当期純利益の計上208,703千円、減価償却費の計上475,735千円、投資有価証券評価損の計上233,763千円、売上債権の減少174,698千円、資金の減少要因として、課徴金引当金の減少額283,090千円、法人税等の支払額215,866千円などによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の支出は155,735千円となりました。これは主に、資金の増加要因として貸付金の回収による収入1,659千円、資金の減少要因として無形固定資産の取得による支出139,623千円、貸付けによる支出12,450千円、有形固定資産の取得による支出6,078千円などによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の支出は217,877千円となりました。これは主に、資金の増加要因として社債の発行による収入293,375千円、資金の減少要因として長期借入金の返済による支出385,980千円、社債の償還による支出104,000千円、リース債務の返済による支出26,293千円などによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

該当事項はありません。

 

b.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

MT事業

2,824,170

91.9

1,300,568

88.9

HT事業

107,798

80.3

40,383

91.9

合計

2,931,969

91.4

1,340,951

88.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.HT事業における翻訳・通訳及びクラウドソーシング事業について、受注時に翻訳内容(言語、納品日、納品形態)は決定されますが、受注金額の算定基礎となるページ数、ワード数、文字数等が確定しないため、受注金額の記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年3月1日

至 2023年2月28日)

前年同期比(%)

MT事業          (千円)

2,911,781

99.2

HT事業          (千円)

1,370,005

112.3

メタバース事業      (千円)

10,256

226.8

合計           (千円)

4,292,042

103.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度における主な相手先に対する販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれの相手先も当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等

1)財政状態

2022年2月期において、投資有価証券及び固定資産の減損、特別調査委員会関連費用並びに課徴金引当金繰入計上等の発生を主要因とし、「自己資本比率」は2021年2月期末の「40.6%」から「21.5%」へと変動いたしました。2022年2月期における悪化要因としては投資有価証券や固定資産の減損等のキャッシュアウトを伴わない損失計上並びに特別調査委員会費用等一時的なものが占めておりました。

その後、2023年2月期においては上記のようなイレギュラー事象影響は限定的であり、自己資本比率は「25.9%」へと変動いたしました。最終損益についても黒字化したこと並びに現金及び現金同等物期末残高の増加も相まって、今後の機動的な投資意思決定について特段問題視はしておりません。

資産負債の増減実績詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」をご参照ください。

 

2)経営成績

当連結会計年度につきましては、コロナ禍による行動制限・国際交流断絶の長期化によりHT事業において、売上・利益ともに微減したものの、引続きMT事業が堅調でした。

MT事業においては、ドキュメントAI翻訳の『T-4OO』『T-3MT』、音声AI翻訳の『オンヤク』等の機械翻訳サービスについては、今後もキャッシュカウとして堅調な利益構造に基づいた収益構造が引き続き担保されることを見込んでおります。

また、新たな成長戦略として開始した「Metareal AI(※)」プロジェクトにより、短中期の売上増を見込んでおります。

※セグメント開示上は、「Metareal AI」プロジェクトは現在「MT事業」セグメントの中に含まれており、売上規模の重要性が高まり次第、セグメント項目の統廃合を行う予定です。

セグメントごとの損益数値詳細については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」をご参照ください。

MT事業としては受注額を経営分析において重視しており、同指標の推移等詳細については2023年4月14日開示の「2023年2月期(第19期)決算説明資料」に記載のとおりであり、今後も四半期ごとの決算説明資料における開示を想定しております。

メタバース事業については、短期的な業績指標を設定することを止め、5年後~10年後に市場環境が整った際の準備として、メタバースとAIとの統合を主たるテーマとして開発を進めるものとします。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、販売活動を中心とした営業キャッシュ・フロー及び借入によるキャッシュ・フローをもって、新規開発や新規投資などのキャッシュ・フローを賄っている構造です。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、設備投資、成長分野への投資並びに株主還元等について、原則として自己資本での対応を行う方針ですが、中長期的な成長に向けた投資継続のため、必要に応じて借入等資金調達を行う予定です。

また、当社グループは正確な資金繰りの把握及び資金繰りの安定に努めるとともに、適切なリスク管理体制の構築を図っております。各種投資のために必要な資金は営業活動による取得資金及び借入による調達であり、資金需要としては中長期的な成長のための人的、設備的投資によるものです。

中長期的な継続成長に伴う投資を行うため、現在他人資本による調達が増加傾向にあり、今後も資金需要と流動性について注視したうえで、適切に意思決定を実施いたします。

 

③重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結会計年度末における資産・負債及び連結会計年度の収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当連結会計年度においては、文書翻訳の精度向上のための研究開発を中心に行ってまいりましたが、既に十分な精度に達したと判断し、「オンヤク」の精度向上のための音声認識における分野対応・カスタマイズ開発に注力し、また、外部システム・アプリケーションとの連携を強化すべく、API・プラグイン等の開発、個別企業独自の環境や専門用語等に対応するための受託開発を中心に行ってまいりました。翌連結会計年度においては、生成AIを活用した文書翻訳、音声翻訳の精度向上、新たなサービスの創出を中心に研究開発を行ってまいります。

メタバース事業においては、AI技術との統合を主たる課題として開発を進めます。

具体的には、音声指示によってメタバースワールドが自動生成される「Speech to World」型AIモデル「Genesis」、2次元ワールドの3次元化と6Dof化モデル「Dimensions」を進化させ、「Genesis」で生成された2次元のワールド空間を「Dimensions」で3次元化し、ワールド内を移動可能とし、ワールドとワールドをシームレスに繋げる技術を開発することで、無限に移動可能な広大な「リアリティ・メタバース」を創出します。2D映像をメタバースに転生する『DiveVerse』の高精度化を進めます。またAI先生、AIママ、AIホスト、AI仏陀、AI高齢者など、AIキャラクターの開発を促進し、メタバースワールドに統合いたします。

なお、当連結会計年度における研究開発活動の総額は、264,696千円であります。