第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1)経営成績の状況

 当中間連結会計期間における我が国の経済は、企業収益及び雇用・所得環境が改善する下で、景気は緩やかに回復基調で推移いたしました。景気の先行きについては、緩やかな回復が継続していくことが期待されますが、米国の通商政策、物価上昇の継続や金融資本市場の変動等の影響には引き続き注意が必要な状況となっております。

 当社グループが属するIT業界におきましては、ソフトウエア投資は増加傾向が続き、企業収益の改善や人手不足等を背景に、今後もITへの投資は堅調に推移することが期待されます。

 このような状況の中、desknet's NEOにつきましては、クラウド版の新オプションサービスとして会議室予約表示「RoomMgr(ルーム マネージャー)」を2025年2月に、「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」に基づいた専用クラウド基盤にて提供する「政府セキュリティ評価対応オプション」を2025年6月に提供開始いたしました。また、契約ユーザー数に応じた容量を標準提供するクラウドストレージ「desknet's ドライブ」を介して大容量ファイルを送信できるクラウド版の新機能「ファイル転送」を搭載したdesknet's NEOバージョン9.0を2025年3月にリリースいたしました。さらに、パッケージ版につきましても「desknet's ドライブ」のオプションライセンスを2025年6月より提供開始いたしました。「ファイル転送」を利用することで、メールでは送りづらい大容量のファイルも、簡単・安全・確実に送信することが可能となります。

 2025年5月にIT製品比較・レビューサイト「ITreview」が主催する「ITreview Best Software in Japan 2025」において、当社主力製品であるdesknet's NEO及びAppSuiteがそれぞれTOP100に選出されました。また、2025年6月にスマートキャンプ株式会社が実施する「BOXIL SaaS AWARD Summer 2025」において当社主力3製品(desknet's NEO、AppSuite、ChatLuck)が3部門で計11個の賞を受賞したほか、2025年7月には「ITreview」が主催する「ITreview Grid Award 2025 Summer」においても当社主力3製品がそれぞれ4部門で最高位である「Leader」を受賞いたしました。desknet's NEOは2019年の受賞以来、今回の受賞で25回連続での受賞となりました。

 2025年3月に経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人 2025(大規模法人部門(ホワイト500))」に認定されました。「健康経営優良法人」は6年連続、「ホワイト500」は初めての認定となります。

 この他、2025年6月に当社はマレーシア・ジョホール州政府の投資促進機関「Invest Johor(インベスト ジョホール)」と、同州イスカンダル地域への東南アジア・エクセレンスセンター(Southeast Asian Centre of Excellence)の設立に向けた戦略的協力に関する基本合意を締結いたしました。

 以上の結果、当中間連結会計期間における売上高3,973,783千円(前年同期比18.0%増)、営業利益は1,250,207千円(前年同期比47.4%増)、経常利益は1,294,914千円(前年同期比44.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は889,213千円(前年同期比47.6%増と堅調に推移いたしました。

 当中間連結会計期間におけるセグメント別の経営成績は以下のとおりであります。

 なお、当中間連結会計期間より業績管理区分を見直したことにより、従来「海外事業」セグメントに含まれていた連結子会社DELCUI Inc.の業績を「ソフトウエア事業」セグメントに含める方法に変更しており、前中間連結会計期間との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。

 

(ソフトウエア事業)

 ソフトウエア事業は、当社と子会社であるDELCUI Inc.が展開する事業で構成されております。

 売上区分別の状況は以下のとおりであります。

 

 

売上区分

前中間連結会計期間

(自 2024年2月1日

  至 2024年7月31日

当中間連結会計期間

(自 2025年2月1日

  至 2025年7月31日

売上高
(千円)

構成比
(%)

売上高
(千円)

構成比
(%)

増減率
(%)

 

クラウドサービス

1,541,880

65.4

2,090,569

70.1

35.6

 

プロダクト

777,638

33.0

814,719

27.3

4.8

 

技術開発

39,000

1.6

75,600

2.6

93.8

 

合計

2,358,518

100.0

2,980,889

100.0

26.4

 

 

① クラウドサービス

 クラウドサービスの主要サービス別の売上は以下のとおりであります。

 

 

前中間連結会計期間

(自 2024年2月1日

  至 2024年7月31日

当中間連結会計期間

(自 2025年2月1日

  至 2025年7月31日

増減額(千円)

増減率(%)

売上高(千円)

売上高(千円)

 

desknet's NEOクラウド(*1)

1,289,084

1,743,495

454,410

35.3

 

AppSuiteクラウド(*1)

107,531

182,174

74,642

69.4

 

ChatLuckクラウド(*1)

39,868

46,453

6,585

16.5

 

その他月額売上

91,154

90,348

△806

△0.9

 

月額売上合計

1,527,639

2,062,471

534,832

35.0

 

その他役務作業等

14,240

28,097

13,857

97.3

 

クラウドサービス合計

1,541,880

2,090,569

548,689

35.6

 

(*1)2024年9月1日より導入いたしましたセットプランにつきましては、価格改定後の既存プラン価格に基づき各サービスに按分した金額を集計しております。

 

 desknet's NEOクラウド版の売上高は、前年度(2024年9月)の価格改定効果等により前年同期比454,410千円増加し、1,743,495千円(前年同期比35.3%増)と大幅な増加となりました。当中間連結会計期間の1社当たりの平均利用ユーザー数は前年同期と同水準の84ユーザーとなっております。また、月平均の解約率(*2)は0.34%となっており、価格改定前である前年同期の月平均解約率0.35%とほぼ同水準となっております。今後も引き続き解約率を低い水準に維持できるよう取り組んでまいります。

 AppSuiteクラウド版の売上高は、利用ユーザー数の増加及び前年度の価格改定効果により前年同期と比較して74,642千円増加し、182,174千円(前年同期比69.4%増)と大幅な増加となりました。また、前年度(2024年9月)に導入した、desknet's NEOクラウド版とAppSuiteクラウド版をリーズナブルに同時利用できるセットプランの売上が堅調に推移したこともあり、当中間連結会計期間末時点においてAppSuiteクラウド版の利用ユーザー数は、desknet's NEOクラウド版のユーザー数の約17%と前年同期から約5%増加しております。今後も引き続きセットプランの訴求を高め、利用ユーザー数の拡大に努めてまいります。

 ChatLuckクラウド版の売上高は、前年同期と比較して6,585千円増加し、46,453千円(前年同期比16.5%増)となりました。売上高全体に占める割合は小さいものの、成長が見込める分野であることから継続的に機能強化に取り組み、desknet's NEOとの同時利用ユーザー数の拡大に努めてまいります。その他月額売上につきましては、主に主要サービス以外の個別案件の減少により前年同期と比較して806千円減少し、90,348千円(前年同期比0.9%減)となりました。その他役務作業等の売上高につきましては、データ移行サービス等が増加したことにより13,857千円増加し、28,097千円(前年同期比97.3%増)となりました。

 以上の結果、クラウドサービス全体での売上高は前年同期比548,689千円増加し、2,090,569千円(前年同期比35.6%増)となりました。

 

(*2)desknet's NEOクラウドのユーザーにおける「当月の解約により減少したMRR(*3)÷前月末のMRR」の当中間連結会計期間の平均で算出しております。

(*3)MRR(Monthly Recurring Revenue)は対象月の月末時点における継続課金ユーザーにかかる月額料金、もしくは年額料金の1/12の合計額で算出しております。

 

② プロダクト

 プロダクト(オンプレミス型ライセンス及び関連役務等)の主要製品別の売上は以下のとおりであります。

 

 

前中間連結会計期間

(自 2024年2月1日

  至 2024年7月31日

当中間連結会計期間

(自 2025年2月1日

  至 2025年7月31日

増減額(千円)

増減率(%)

売上高(千円)

売上高(千円)

 

desknet's NEO

84,822

101,363

16,541

19.5

 

AppSuite

38,450

46,480

8,029

20.9

 

ChatLuck

18,348

7,025

△11,322

△61.7

 

その他ライセンス売上

5,533

4,169

△1,364

△24.7

 

ライセンス売上合計

147,154

159,038

11,884

8.1

 

サポートサービス

452,860

533,914

81,053

17.9

 

カスタマイズ

47,045

32,168

△14,876

△31.6

 

その他役務作業等

130,578

89,597

△40,980

△31.4

 

プロダクト合計

777,638

814,719

37,081

4.8

 

 

 desknet's NEOライセンスの売上高は、前年同期と比較して1,000ユーザー未満の新規・追加ライセンスが増加したことを主な要因として16,541千円増加し、101,363千円(前年同期比19.5%増)となり、堅調に推移しております。

 AppSuiteライセンス及びChatLuckライセンスにつきましては、desknet's NEOライセンスとの同時購入されることが多い傾向にあります。AppSuiteライセンスの売上高は、前年同期と比較して1,000ユーザー未満の新規ライセンスが大幅に増加したことを主な要因として8,029千円増加し、46,480千円(前年同期比20.9%増)となり、堅調に推移しております。また、ChatLuckライセンスの売上高は、前年同期と比較して1,000ユーザー以上の新規ライセンスが減少したことを主な要因として11,322千円減少し、7,025千円(前年同期比61.7%減)となりましたが、おおむね当初の計画通りに推移しております。

 サポートサービスの売上高は、前年同期比81,053千円増加し、533,914千円(前年同期比17.9%増)となりました。これは主に、desknet's NEOのサポートサービスの売上高が前年同期比67,388千円増加し、439,010千円(前年同期比18.1%増)となったことによるものであります。また、カスタマイズの売上高は、前年同期と比較して中規模な案件が減少したことを主な要因として14,876千円減少し、32,168千円(前年同期比31.6%減)となりました。その他役務作業等の売上高は、他社製品であるID統合管理システムの販売及び役務作業の減少を主な要因として、40,980千円減少89,597千円(前年同期比31.4%減)となりました。

 以上の結果、プロダクト全体での売上高は前年同期比37,081千円増加し、814,719千円(前年同期比4.8%増)となりました。

 

③ 技術開発

 技術開発につきましては、積極的に受託開発を行う方針ではありませんが、主に従来からの継続案件の売上増加により、売上高は前年同期比36,600千円増加し、75,600千円(前年同期比93.8%増)となりました。

 

 以上の結果、ソフトウエア事業の売上高は2,980,889千円(前年同期比26.4%増)、セグメント利益は1,262,457千円(前年同期比47.2%増)となりました。

 

 

(システム開発サービス事業)

 システム開発サービス事業は、子会社である株式会社Pro-SPIREが展開する事業で構成されており、同社が長年培ってきたクラウドインテグレーション、システムインテグレーションのノウハウを基礎に技術者の育成を図り、先端技術を活用し新たな顧客ニーズを満たすシステムエンジニアリングサービスを主に提供しております。

 当中間連結会計期間の売上高は、既存取引先のプロジェクト規模縮小などにより前年同期と比較して39,987千円減少963,052千円となりました。売上原価は人員増に伴い人件費が増加した一方、外注費を削減したことなどにより全体で47,466千円減少いたしました。また、販売費及び一般管理費は、人件費等の増加により前年同期比9,275千円増加いたしました。

 以上の結果、システム開発サービス事業の売上高は963,052千円(前年同期比4.0%減)、セグメント利益は29,120千円(前年同期比5.8%減)となりました。

 

(海外事業)

 海外事業は、ASEAN地域の海外子会社3社の事業で構成されており、現地企業向けにdesknet's NEO及びAppSuiteのクラウドサービスの提供を中心に行っております。

 当中間連結会計期間の売上高は、営業人員の育成による営業力強化、展示会への出展による認知度向上、販売代理店の開拓等に努めてきた結果、前年同期と比較して22,786千円増加36,428千円となりました。前期設立したフィリピン子会社については、当初計画を下回っておりますが、マネジメント体制の見直しを含め現地企業への浸透に注力してまいります。

 以上の結果、海外事業の売上高は36,428千円(前年同期比167.0%増)、セグメント損失は41,420千円(前年同期はセグメント損失41,715千円)となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当中間連結会計期間末における資産合計は前連結会計年度末より608,715千円増加し、9,849,077千円となりました。これは主に、現金及び預金601,641千円増加した他、提携サービスに係る前払利用料の増加を主な要因として流動資産その他が61,413千円増加した一方で、売掛金及び契約資産46,125千円減少したことによるものであります。

 

(負債)

 当中間連結会計期間末における負債合計は前連結会計年度末より86,911千円増加し、3,013,386千円となりました。これは主に、クラウドサービス等の契約負債200,492千円増加した一方で、未払消費税等が45,448千円減少したことを主な要因として流動負債その他が55,040千円減少したことに加え、未払法人税等33,599千円減少したこと、及び賞与引当金27,825千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産合計は前連結会計年度末より521,804千円増加し、6,835,691千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益889,213千円計上された一方で、363,843千円の剰余金の配当を実施したことにより利益剰余金525,369千円増加したことによるものであります。

 

 (3)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して606,272千円増加し、5,985,933千円となりました。

 

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により獲得した資金は1,173,393千円となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益の計上1,294,914千円、契約負債の増加200,419千円及び減価償却費の計上164,294千円により資金が増加した一方で、法人税等の支払439,295千円により資金が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は188,713千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出136,771千円及び有形固定資産の取得による支出66,281千円により資金が減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は362,994千円となりました。これは主に、配当金の支払363,693千円によるものであります。

 

 (4)研究開発活動

 当中間連結会計期間における研究開発費の総額は、2,470千円となっております。なお、当中間連結会計期間における当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。