第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度における我が国経済は、個人消費に緩やかな持ち直し傾向がみられる一方、輸出や生産が年初にかけて増加した反動もあり、一部弱含んでいることから、設備投資への様子見姿勢が強まっているように感じております。しかしながら、引き続き景気回復に対する各企業の期待は維持されており、雇用情勢等の改善傾向もみられるなど、景気は総じて再び緩やかに回復へ向かう見込みであると考えております。

花き業界におきましては、この夏、7月の平均気温が世界で観測史上最高を記録するなどの猛暑や、8月と9月に同時に2つの台風が上陸するなど異常気象に見舞われ、通常では熱帯地域以外の環境では開花しないとされるサトイモの花が、関東地域でいくつも開花したなどの異常な現象も確認されました。

このような事業環境の中、特に胡蝶蘭生産提携農園では、温度管理と湿度管理を例年以上に慎重且つ細部に亘り調整を行い対応いたしました。異常気象の影響により全国的に胡蝶蘭の開花が早まり、8月は卸売市場に胡蝶蘭等の商品が溢れ、一方9月はその反動で商品不足となるなど、需給のバランスが崩れる等の減収要因はあったものの、通期において効率的な経営を進めてまいりました。

この結果、当事業年度の売上高は、1,686,667千円(前年同期比19.8%増)、営業利益は59,293千円(同25.2%増)、経常利益は57,714千円(同22.8%増)、当期純利益は45,316千円(同49.2%増)となりました。

 

 なお、当社は生花の卸売事業のみの単一セグメントであるため、セグメント情報は記載せず、主要な事業について記載しております。

 

(フラワービジネス支援事業)

フラワービジネス支援事業につきましては、異業種支援業務における既存取引先への販売強化として、引き続き各社オリジナルのフラワーギフトカタログを作製し、提案営業の強化に注力いたしました。

また、9月並びに10月の秋のブライダルシーズンにおいて、昨年度を上まわる婚礼装花の受注増がありました。

以上の結果、フラワービジネス支援事業の売上高は、1,052,889千円(前年同期比12.9%増)となりました。

 

(ナーセリー支援事業)

ナーセリー支援事業につきましては、台湾の提携農場と国内の取引先農園とのコミュニケーションの強化に注力いたしました。また、国内の提携3農園の生産育成指導の強化を行い、製品の品質及び生産効率の向上や経営支援の強化に注力いたしました。

以上の結果、ナーセリー支援事業の売上高は、453,083千円(前年同期比39.4%増)となりました。

 

(フューネラル事業)

フューネラル事業につきましては、既存取引先へのアフターフォロー営業の強化に注力いたしました。また、新規顧客開拓として、既存取引先からの様々な相談に対応することで、紹介営業につなげられるよう努めました。

以上の結果、フューネラル事業の売上高は、180,694千円(前年同期比19.6%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前事業年度末に比べ17,241千円減少し、52,059千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、以下のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは6,431千円の支出(前期は5,221千円の支出)となりました。この主な要 因は、税引前当期純利益が58,022千円、仕入債務の増加額が12,457千円、未払金の増加額が4,570千円となったものの、売上債権の増加額が46,578千円、たな卸資産の増加額が25,039千円、貸倒引当金の減少額が10,566千円となったことによるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは8,470千円の支出(前期は8,372千円の支出)となりました。この主な要因は、定期預金の払戻による収入が101,630千円となったものの、定期預金の預入による支出が107,022千円、無形固定資産の取得による支出が3,300千円となったことによるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは2,340千円の支出(前期は17,813千円の収入)となりました。この主な要因は長期借入れによる収入が90,000千円となったものの、長期借入金の返済による支出が91,290千円となったことによるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当事業年度における生産実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業部門の名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

ナーセリー支援事業

190,330

181.0

合計

190,330

181.0

 

(注) 1.事業部門間取引については、相殺消去しております。

2.金額は、製造原価によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

当事業年度における仕入実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業部門の名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

フラワービジネス支援事業

514,781

103.6

ナーセリー支援事業

237,135

133.4

フューネラル事業

140,240

123.8

合計

892,157

113.2

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注実績

当社は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(4) 販売実績

当事業年度における販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

 

事業部門の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

フラワービジネス支援事業

1,052,889

112.9

ナーセリー支援事業

453,083

139.4

フューネラル事業

180,694

119.6

合計

1,686,667

119.8

 

(注) 1.事業部門間取引については、相殺消去しております。

2.前事業年度及び当事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社が対処すべき主な課題は、以下の項目と認識しております。当社が所属する花き業界はここ数年続いた景気の低迷を受けて、市場規模が微減傾向にあります。小売市場の頭打ち、婚姻件数の減少傾向や一件当たり単価の下落によるブライダル需要の低迷など、当社の経営環境は引き続き厳しいものと認識しております。一方で、第三次安倍内閣の経済対策等により、国内の経済は徐々に回復基調にあり、贈答用の花き類の需要は堅調に推移しております。このような状況下、当社は中期事業計画の達成に向けて次のような課題に取り組んでまいります。

 

(1) 収益基盤の強化

 当社は胡蝶蘭の苗を輸入し、生産者へ提供するとともに、ナーセリー支援事業において生産分野にも進出しております。一方で、当社は仲卸業者として、市場からのセリにより胡蝶蘭をはじめとした生花を仕入れることができるうえ、小売店と同じ付加価値をもってエンドユーザーに配達する仕組みも有しております。このように当社は花き業界においてワンストップサービスが行える強みを生かし、業容の拡大を図るとともに、花き市場におけるプライスリーダーの地位を確保すべく、攻めの経営を行ってまいります。

 

(2) 優秀な人材の確保と育成、社内管理体制の強化

 当社の事業は、労働集約型事業であり、花き分野における高い技量や経験を有し、高度な商品知識をもった人材が不可欠であります。したがって、優秀な人材の確保に努めるとともに、人材育成の強化、人材の適正配置を行うなど、教育環境や労働環境を整備し社員の定着を図るとともに事業に対する取り組み意欲の向上を促進すべく、体制を強化してまいります。

 また、事業の拡大とともに、管理部門の強化やダブルチェック体制を基本とした社内体制の強化が急務であると認識しております。費用対効果を十分に検証したうえで、必要な要員の確保や組織の構築を図ってまいります。

 

(3) 営業体制の強化(顧客基盤の拡大)

 営業部門の体制を再構築し、売上増を目指すとともに、新規顧客の獲得を積極的に行ってまいります。そのために、営業部門の要員を増加するとともに、人材教育を強化し、その体制を強化してまいります。

 

(4) ナーセリー支援事業の強化

 当社は胡蝶蘭農園との業務提携を通じて、農園事業に進出しておりますが、本事業は、台湾から仕入れた胡蝶蘭苗を生産農家へ販売するだけではなく、自社として胡蝶蘭を育成、生産しております。当社にとって自社製品として常に商材が確保できるため、市場での仕入価格の変動リスクを低減するとともに、売上機会の拡大につながる事業であります。また、さらなる生産効率を上げるため、本事業専任の人員を増やし、農園に派遣しております。今後も事業提携等を通じて同事業の拡大を図るとともに、農場主の経営支援という形で花き業界に貢献してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

以下において、当社の事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
 なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1) 経済状況のリスクについて

当社の事業は、法人の贈答需要に依存しておりますので、経済状況、景気動向の影響を少なからず受けます。何らかの理由で景気が悪化した場合には、当社の提供する商品及びサービスの需要が伸び悩み、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(2) 天候に伴うリスクについて

生花は、生産および収穫が気候や天候に左右されます。そのため、異常気象や台風などの自然災害による影響で生産が著しく減少し、市場価格が高騰すると、生花事業での利益が減少し、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 委託生産に伴うリスクについて

当社は自社製品として、現在3農場と提携し、胡蝶蘭を委託生産しております。胡蝶蘭はビニールハウス内で生産しており、気温及び日照等、天候の影響を受けることがあります。当社では、品質の安定化を目指し、冷暖房施設設備の導入支援を行い、また当社の生産技術担当者が定期的に訪問し品質を管理する体制を構築してまいりました。しかしながら、日照不足や台風等の天候不順及び異常気象の影響は完全に回避できるものではなく、十分な品質や生産量が確保できない場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 代表取締役及び取締役の債務保証について

現状におきまして、当社代表取締役及び取締役の個人債務保証が残っており、その内容は卸売市場に対する仕入債務保証及び銀行借入に対する債務保証であります。このうち卸売市場に対する仕入債務保証は、条例での定め、卸売市場の商慣行において発生しているものであり、今後は解消していく方針ではありますが、現状では、解消困難な状況であります。その理由としましては、中央卸売市場は地方自治体の条例で例外なく代表者の連帯保証が必要とされており、また、地方卸売市場については、中小零細の仲卸業者の支払いが滞ることが多いために制定されたという経緯があり、当該卸売市場の仲卸組合員が例外を認めないため、代表者の連帯保証が必要となっているものであります。なお、いずれの保証契約についても保証料の支払いはなく、これら取引契約が代表取締役への依存によるものでもありませんので、当該債務保証が取引継続の阻害要因になることはありません。銀行借入に対する債務保証については、当社は銀行借入れ等に対して、代表取締役社長田中豊より債務保証を受けております。なお、債務保証に伴う保証料は支払っておりません。今後は銀行との交渉により、当該債務保証を解消していく方針であります。

 

(5) 情報の流出に伴うリスクについて

当社はプライバシーマークを取得しており、個人情報の外部漏洩に関しては細心の注意を払っております。また、従業員に対しては情報管理に関しての意識づけを行っておりますが、万一個人情報が漏洩した場合には、信用失墜により、当社の業績、経営に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 法的規制に伴うリスクについて

当社の事業に関する法令は、道路運送車両法、道路交通法、自動車NOx・PM法、種苗法などがあります。当社は法令遵守の精神に基づき、倫理規程や行動規範などを整備し、モラルある行動を行うよう努めておりますが、法令違反行為が行われた場合には、当社の社会的信用の失墜を招き、事業の継続及び業務の遂行に支障をきたし、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(7) 原燃料価格の変動のリスクについて

当社は提携農園における温室の冷暖房費などの原燃料について、市況の影響を受けるものが一部あります。原価逓減活動等により影響額を吸収するなど適宜対応を行っておりますが、場合によっては当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 災害等のリスクについて

火災爆発等の事故や風水害、地震等の自然災害による損害を食い止めるため、設備の点検、安全・消火設備の充実、各種保安活動、訓練等を行っております。しかしながら、自然災害に被災した場合、当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 売上債権のリスクについて

当社は、売上債権の保全と与信体制の強化を推進しておりますが、販売先の経営悪化や破綻等により、債権回収に支障をきたし、当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 (10) 人材の確保と育成について

当社の事業は、労働集約型であり、花き分野における高い技量や経験を有し、高度な商品知識をもった人材が不可欠であります。したがって、優秀な人材の確保に努めるとともに、人材育成の強化、人材の適正配置を行うなど、教育環境や労働環境を整備し社員の定着を図るとともに事業に対する取り組み意欲の向上を促進すべく、体制を強化してまいります。しかしながら、当社の求める人材の確保や育成が計画通りに進まなかった場合には、当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(11) システム等に関するリスクについて

当社は運営サイトにおけるシステムトラブルの発生可能性を低減するために、安定的運用のためのシステム強化やセキュリティ強化を徹底しており、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できるような体制を整えております。しかしながら、大規模なプログラム不良や当該地域での大規模な自然災害の発生、想定を大幅に上回るアクセスの集中等により、開発業務やシステム設備等に重大な被害が発生した場合、及びその他何らかの理由によりシステム障害等が発生した場合には、当社の事業活動に支障が生じることにより、顧客や消費者との信頼関係に悪影響を及ぼし、損害賠償責任の発生等によって、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 慣習の変化に関するリスクについて

当社は、法人贈答の胡蝶蘭を中心に事業を展開しておりますので、お花を贈る習慣の変化や贈答としての胡蝶蘭に代替する商品が現れた場合には、当社の業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

 

(13) 道路交通法の規制に関するリスクについて

当社は、車両による配送活動を行っております。車両運行の際、社員による重大事故や違反により事業が中断するような事態となった場合には、当社の業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

  該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、採用した会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
 なお、貸倒引当金や繰延税金資産の計上等につきましては、見積りに依拠しており、実際の結果は、見積りによる不確実性のため異なる結果となる可能性があります。

 

(2) 財政状態の分析

(流動資産)

当事業年度末における流動資産合計は492,102千円となり、前事業年度末に比べ76,996千円増加しました。この主な要因は、現金及び預金が12,749千円減少した一方で、売掛金が53,990千円、仕掛品が20,277千円それぞれ増加したことによるものであります。

(固定資産)

当事業年度末における固定資産合計は64,802千円となり、前事業年度末に比べ5,074千円減少しました。この主な要因は、固定資産のマイナス項目である貸倒引当金が6,079千円減少した一方で、破産更生債権等が7,427千円、繰延税金資産が2,158千円それぞれ減少したことによるものであります。

(流動負債)

当事業年度末における流動負債合計は237,328千円となり、前事業年度末に比べ38,239千円増加しました。この主な要因は、買掛金が12,457千円、1年内返済予定の長期借入金が10,273千円、未払法人税等が6,716千円それぞれ増加したことによるものであります。

(固定負債)

当事業年度末における固定負債合計は72,057千円となり、前事業年度末に比べ11,671千円減少しました。この主な要因は、長期借入金が11,563千円減少したことによるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は247,518千円となり、前事業年度末に比べ45,354千円増加しました。この主な要因は、利益剰余金が45,316千円増加したことによるものであります。

 

 

(3) 経営成績の分析

  ① 売上高

当事業年度の売上高は1,686,667千円(前年同期比19.8%増)となりました。売上高の分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。

  ② 売上総利益

当事業年度の売上総利益は628,975千円(前年同期比15.3%増)となりました。これは主として売上高が増加したことによります。

  ③ 販売費及び一般管理費

当事業年度の販売費及び一般管理費は569,682千円(前年同期比14.4%増)となりました。これは主として人件費及び荷造運賃等の増加によります。

  ④ 営業利益

上記の結果、当事業年度の営業利益は59,293千円(前年同期比25.2%増)となりました。

  ⑤ 経常利益

当事業年度の経常利益は57,714千円(前年同期比22.8%増)となりました。これは主として株式公開費用の計上によります。

  ⑥ 当期純利益

当事業年度において、投資有価証券売却益が308千円発生しております。この結果、税引前当期純利益は58,022千円(前年同期比23.4%増)となり、法人税等の計上により、当期純利益は45,316千円(前年同期比49.2%増)となりました。

 

 (4) キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。