第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第28期

第29期

第30期

第31期

第32期

決算年月

2019年10月

2020年10月

2021年10月

2022年10月

2023年10月

売上高

(千円)

2,023,374

1,853,127

2,073,210

2,295,786

2,484,559

経常利益

(千円)

41,346

31,044

33,350

68,132

13,565

親会社株主に帰属する
当期純利益

(千円)

16,756

1,648

15,009

40,436

57

包括利益

(千円)

17,452

1,523

15,450

40,202

249

純資産額

(千円)

444,460

446,896

462,642

501,796

507,279

総資産額

(千円)

889,476

1,148,564

1,146,749

1,297,705

1,250,223

1株当たり純資産額

(円)

393.97

394.17

407.34

441.51

433.07

1株当たり当期純利益

(円)

14.86

1.46

13.22

35.60

0.05

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

14.27

1.40

12.78

34.39

自己資本比率

(%)

49.97

38.91

40.34

38.67

40.58

自己資本利益率

(%)

3.8

0.4

3.3

8.4

0.0

株価収益率

(倍)

92.9

821.9

113.5

46.5

38,760.0

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

22,886

27,431

27,674

59,757

6,111

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

41,054

207,614

38,734

27,942

18,786

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

3,474

303,744

79,574

99,318

50,616

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

213,032

281,731

191,095

322,231

258,940

従業員数

(名)

66

62

64

71

87

〔外、平均臨時
雇用者数〕

34

35

42

44

57

 

(注)1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第31期の期首から適用しており、第31期以降に係る主要な経営指標に等については、当該会計基準等を適用した後の指標となっております。

   2.第32期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第28期

第29期

第30期

第31期

第32期

決算年月

2019年10月

2020年10月

2021年10月

2022年10月

2023年10月

売上高

(千円)

2,008,725

1,841,115

2,065,905

2,289,933

2,480,153

経常利益

(千円)

40,092

28,212

29,325

64,743

15,857

当期純利益

(千円)

16,556

885

12,448

42,122

2,398

資本金

(千円)

139,732

140,188

140,336

140,395

143,012

発行済株式総数

(株)

1,128,400

1,134,000

1,136,000

1,136,800

1,171,600

純資産額

(千円)

443,253

444,925

458,109

500,451

508,275

総資産額

(千円)

880,621

1,141,170

1,137,809

1,282,279

1,239,860

1株当たり純資産額

(円)

392.90

392.43

403.35

440.32

433.91

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

( -)

( -)

( -)

( -)

( ―)

1株当たり当期純利益

(円)

14.68

0.78

10.96

37.08

2.07

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

14.10

0.76

10.60

35.83

自己資本比率

(%)

50.3

39.0

40.3

39.0

41.0

自己資本利益率

(%)

3.8

0.2

2.8

8.8

0.5

株価収益率

(倍)

94.0

1,538.5

136.9

44.6

936.2

配当性向

(%)

従業員数
〔外、平均臨時
雇用者数〕

(名)

66

62

64

71

87

29

33

40

43

56

株主総利回り

(%)

71.50

62.18

77.72

85.70

100.41

(比較指標:TOPIX)

(103.88)

(100.82)

(130.45)

(129.14)

(154.72)

最高株価

(円)

1,630

1,600

1,900

2,000

2,050

最低株価

(円)

850

870

1,105

1,401

1,653

 

(注) 1.1株当たり配当額及び配当性向については配当を実施しておりませんので、記載しておりません。

2.最高株価及び最低株価は、名古屋証券取引所ネクスト市場(2022年4月3日までは名古屋証券取引所セントレックス市場)におけるものであります。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第31期の期首から適用しており、第31期以降に係る主要な経営指標に等については、当該会計基準等を適用した後の指標となっております。

4.第32期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

 

2 【沿革】

年月

概要

1991年12月

東京都港区芝浦一丁目14番1号において、現代表取締役社長田中豊が、生花種苗生産卸販売(現フラワービジネス支援事業)を目的に、アートグリーン有限会社を設立。資本金3,500千円。

1992年3月

沖縄県宜野湾市において生産した胡蝶蘭苗の販売を開始。

1993年10月

園芸コンサルタント事業(現ナーセリー支援事業)を開始。

1996年8月

アートグリーン株式会社に組織変更。

1998年6月

沖縄県での胡蝶蘭苗の生産を休止し、台湾産胡蝶蘭苗の輸入販売(現ナーセリー支援事業)を開始。

2000年5月

大阪府大阪市福島区に関西支社(現大阪支店)を開設。

2007年8月

フューネラル事業を開始。

2007年9月

東京本社を東京都港区海岸一丁目14番24号に移転。

2009年2月

オリジナルブランド「化粧蘭」を開発、販売を開始。

2010年6月

愛知県名古屋市中川区に名古屋支社(現名古屋営業所)を開設。

2014年2月

福岡県福岡市博多区に福岡支社(現福岡営業所)を開設。

2015年12月

名古屋証券取引所セントレックス市場に株式を上場。

2017年11月

胡蝶蘭の栽培で障がい者雇用を促進する目的として、合弁会社A&A株式会社(当社出資比率49%)を新規設立。

2018年2月

大阪府大阪市鶴見区に大阪鶴見仲卸事業所を開設。

2018年7月

本社事務所を東京都江東区に移転。

2018年11月

合同会社日本プリザーブドフラワー協会の持分の80.0%を取得し、子会社化。

2019年10月

合同会社日本プリザーブドフラワー協会の持分の20.0%を追加取得し、完全子会社化。

2021年7月

当社100%出資により、Plant Hunt合同会社を設立。

2022年1月

当社100%出資により、パーフェクトフラワーボンド合同会社を設立。

2022年4月

名古屋証券取引所の市場区分見直しにより、名古屋証券取引所セントレックス市場からネクスト市場へ移行

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、連結子会社(合同会社日本プリザーブドフラワー協会及びパーフェクトフラワーボンド合同会社)及び非連結子会社(Plant Hunt合同会社)の計4社で構成されており、胡蝶蘭を中心とした生花の卸売業を主な業務としております。そのため主要な生花市場において直接セリに参加できる買参権を所有するとともに、生花流通の様々な領域に進出し、利便性の高いサービスを提供しております。生花流通に関して一括対応でき、生産者・流通業者・小売業者の各方面にメリットをもたらす仕組みを構築しております。


 

当社グループは、生花の卸売事業のみの単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しませんが、以下に事業毎の内容を記載しております。

(1) フラワービジネス支援事業

フラワービジネス支援事業では、以下の4つの事業を行っております。

① 上場企業や大手企業の関連会社において企業グループ内の慶弔関連の生花発注を取り扱う事業部門を設け、当社 がその受注品の仕入から配送までのすべての業務を代行する事業を行っております。

② 一般生花小売店や百貨店に対して、主に贈答用の胡蝶蘭、観葉鉢物、花束、アレンジメントフラワーなどの生花全般の仕入から配送までの業務の受託を行っております。

③ 近年はブライダルサービス会社への生花装飾を引き受けております。結婚適齢人口の減少、未婚率の増加など、マクロ環境としてはマイナス要因はあるものの、比較的景気に左右されにくい市場です。

④ 公園などの樹木に装着する樹名板の製作等をはじめとする環境関連事業や、日本プリザーブドフラワー協会やオンラインスクールサイトの運営事業など、植物に関連する新たな周辺事業の開拓を行っております。

 

 


 

①は上場企業や大手企業において、取引先企業の役員就任祝いや新社屋竣工、新店舗開店祝いの法人向け贈答など、年間を通じての慶弔関連の生花の使用頻度は少なくありません。通常であれば企業の総務部や秘書課等の担当者が、一般生花店へお花を発注して完了となりますが、当事業モデルは、上場企業、大手企業の関連会社内に生花を取り扱う事業部門を立ち上げていただき、グループ内の慶弔関係の生花注文をとりまとめる受注体制を整えていただきます。

企業側としては、花き事業に関する知識・経験がなくても、贈答用胡蝶蘭をはじめとした生花全般をグループ企業へ販売するという事業へ参入することができます。また、企業側は受注のみに特化し、仕入から配送までを当社へ委託することで初期投資がなく、大きなリスクなしにフラワービジネスへ参入できます。従来社外に流出していた慶弔関連需要をグループ内に取り込むことにより、関連会社としての売上も計上できます。また企業グループ全体からみれば発注価格の引き下げ等により経費節減のメリットを享受することができます。


 

 ②は、国内の一般生花小売店のほとんどが小規模事業者であり、店舗での商品販売は行えても配送を伴う生花の受注にはなかなか手が回りません。当社はその生花小売店に代わって、仕入からラッピング、配送までを一貫して受託することで、生花小売店にとっては注文をとるだけで売上があがる仕組みを作り出しております。生花小売店にとって、いつ注文がくるかわからない胡蝶蘭のような高価商品を店頭に在庫することは商品在庫のリスクが高いため、受注確定後に発注することができ、また配送まで行うことができる当社への業務委託のインセンティブは高まっております。

東京23区、大阪市内、名古屋市内、福岡市内は当日配送を行っており、また東京本社には常時、胡蝶蘭を250鉢から300鉢程度保管しております。一般小売店にとっては高価な胡蝶蘭の在庫リスクを負うことなく受注ができ、受注の機会損失もなくなります。

 

③は、ブライダルサービス会社が提供するウェディングはホテルウェディングからカジュアルなレストランウェディングまで幅広くあります。昨今ゲストハウスウェディング(洋館風の邸宅や戸建レストランなど一軒家の会場を借り切って行う結婚式)で挙式を行うスタイルがブームになるなど、挙式スタイルが多様化しております。

 

④は、植物に関連する新たな周辺事業の開拓を行っております。環境関連では、樹木に装着する樹名板や公園の案内地図、サインなどの作製受託等を行っております。環境関連事業は今後益々注目が集まる事業として認識しております。また、2018年11月より、合同会社日本プリザーブドフラワー協会をグループ会社化し、プリザーブドフラワーの製作に関する講義等の会員向けサービスの提供や、プリザーブドフラワーの普及活動を行っております。また、2022年1月にはパーフェクトフラワーボンド合同会社を設立し、フラワーアレンジメントや活け花など、会員制オンラインスクールサイトの運営を開始しております。同協会及びオンラインスクールサイトの運営を充実させることにより、会員からの会費収入を安定的に得ることが可能となります。

 

当社は法人贈答用生花を多数取り扱っており、品種や物量はスケールメリットを活かし仕入れを行っております。そのため装花の品種や装花デザイン、価格などお客様からの細かな要望に柔軟に対応しております。

 

(2)ナーセリー支援事業

ナーセリー支援事業は、胡蝶蘭生産農家へ胡蝶蘭の種苗を販売する事業であります。台湾農場より輸入した胡蝶蘭の種苗を、国内生産農家へ販売しております。

 


また、当社は、種苗販売の一環としてアグリカルチャービジネスの支援を行っております。余剰土地の活用や、事業の多様化を目的として、農業関連ビジネスに参入した大手企業には農作物の生産や育成、販売のノウハウがないため、当社として、このような企業に対し、生産品目の選定から生産指導、販売戦略等のアグリカルチャービジネス支援を行っております。特に、胡蝶蘭については、台湾、日本の農家とのリレーションを持っていることで効率的な生産プロセスを提案しております。

さらに、ナーセリー支援事業では、胡蝶蘭生産農家と提携し、胡蝶蘭の自社生産を行い、市場へ出荷する農園事業を行っております。そのため台湾の農場から仕入れた胡蝶蘭種苗を生産農家へ販売する事業だけではなく、自社として胡蝶蘭を育成、生産しております。

生産農家は胡蝶蘭の育成、生産に専念し、当社はナーセリー支援事業で培ったアグリカルチャー支援のノウハウを活用することにより、胡蝶蘭の生産育成指導を行い、資金調達や、出荷支援など営業戦略を担っております。現在の提携農場は、千葉県、神奈川県、山梨県、愛知県の4ヵ所で展開しており、全国販売網の拡大と、自社製品の安定供給源としての拠点確保を同時展開することが、市場での仕入価格変動等のリスク逓減にも貢献できるものと考えております。

 

 


 

(3) フューネラル事業

フューネラル事業は、主に会館葬を取り扱う葬祭事業者の下請生花業者、または葬祭業者直営の生花店へ菊などの切花を販売する事業であります。

葬送時には一般的に葬祭業者を利用するため、葬祭業界は安定した収益をあげてきておりますが、近年は異業種からの参入も多く見られ、インターネットによる見積りなど、葬儀費用の透明性が上ったことで、以前よりも高い利益を上げにくい状況になりつつあり、葬祭業者は切花の在庫を持たない傾向にあります。

そうした中、当社は全国の切花生産者や全国複数の市場から得た切花の生産状況や卸売市況の情報を基に、その時々の品質と価格をマッチングさせ、直接市場で仕入れられない葬祭業者に対して、小ロットでの切花を販売しております。また、市場でのセリが終わった後などの突発的な需要に対応するため東京本社に切花を保管し、葬祭業者の時間指定の配達にも対応して、葬祭業者の仕入担当者の利便性を図っております。

 

 


 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金又は出資金

 (千円)

主要な事業
の内容

議決権の所有(又は被所有)
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

合同会社日本プリザーブドフラワー協会

東京都江東区

3,000

プリザーブドフラワーの広報活動、教育活動、支援活動

100.0

役員の兼任

(連結子会社)

 

 

 

 

 

パーフェクトフラワーボンド合同会社

東京都江東区

2,000

女性向けオンラインスクール

100.0

 

 (注)1.当社グループは単一セグメントであるため、「主要な事業の内容」欄には、具体的な事業内容を記載

      しております。
    2.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2023年10月31日現在

事業部門の名称

従業員数(名)

フラワービジネス支援事業

68

〔44〕

 ナーセリー支援事業

10

〔12〕

フューネラル事業

2

全社(共通)

7

1

合計

87

57

 

(注)1.従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員であります。臨時雇用者数(パートタイマー、派遣社員を含む)は当連結会計年度の平均雇用人数(1日8時間)を〔〕の外数で記載しております。

      2.当社グループは、単一のセグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。

      3.全社(共通)は、総務及び経理等の管理部の従業員であります。

      4.前連結会計年度と比べ従業員数は16名、臨時雇用者数(平均雇用人数)は13名増加しておりますが、これは主に業務拡大に伴う採用によるものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2023年10月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

87

56

36.7

4.9

3,784

 

 

事業部門の名称

従業員数(名)

フラワービジネス支援事業

68

〔43〕

ナーセリー支援事業

10

〔12〕

フューネラル事業

2

全社(共通)

7

1

合計

87

56

 

(注)1.従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であります。   臨時雇用者数(パートタイマー、派遣社員を含む)は当事業年度の平均雇用人数(1日8時間)を〔〕の外数 で記載しております。

   2.当社は、単一のセグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4.全社(共通)は、総務及び経理等の管理部の従業員であります。

5.前会計年度と比べ従業員数は16名、臨時雇用者数(平均雇用人数)は13名増加しておりますが、これは主に業務拡大に伴う採用によるものであります。

 

(3) 労働組合の状況

 当社の労働組合は結成されておりませんが、労使関係は安定しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 当社及び連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表を行っていないため、記載を省略しております。