(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、消費者マインドの改善が見込まれるなか、個人消費は一進一退の動きを続けておりますが、国内景気は緩やかに持ち直しております。
一方、1月に発足したトランプ政権の政策運営能力は不透明ながら、米国経済の成長が期待されます。
このような状況の下、当社グループは、「改質エコ技術でパッケージングの世界を変える 高い志で仕事をする」をスローガンに、グループ全社が結束して開発製品の新たな市場開拓と適正価格での販売に注力する一方、生産性向上や品質管理の改善を図るなど、業績の向上に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高31,482百万円(前年同期比3.5%増加)、売上総利益4,671百万円(同7.9%増加)、営業利益1,311百万円(同19.1%増加)、経常利益1,368百万円(同17.2%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益821百万円(同18.8%増加)となりました。
製品用途別の業績は次のとおりであります。
(食品関連)
コンビニエンスストア関連の新規アイテム(レンジ用容器等)の受注が好調であったこと、当社開発品でありますNAK-A-PETの新規受注ができたこと及び中国連結子会社の販売も順調に推移したことにより、売上高は21,262百万円(前年同期比3.9%増加)となりました。
また、生産におきまして、改善推進室の指導により、オーバーロスや作業効率の改善が各工場に浸透してきたこと、電力、燃料費の値下げ等が製造原価を押し下げたことにより、売上総利益は2,214百万円(同3.8%増加)となりました。
(IT・工業材関連)
スマートフォン、タブレット等(情報機器関係)の有機EL化が進んだことで遮光フィルムは減少しましたが、北米向け自動車内装材関連(中国連結子会社製造)及び二次電池関連(委託加工)の受注が順調に推移したことにより、売上高は4,262百万円(前年同期比1.3%増加)となりました。
また、生産におきまして、品質管理の徹底と作業環境の見直しを行い、ロス削減の成果がでたことにより、売上総利益は987百万円(同9.2%増加)となりました。
(医療・医薬関連)
平成28年度の薬価改定におけるメーカー在庫の影響も緩和され、一般市販薬関係のフィルム印刷が順調に推移したこと、湿布用NSセパが新規受注もあり好調に推移したことにより、売上高は1,386百万円(前年同期比21.3%増加)となりました。
また、売上高が好調に推移したこと、電力、燃料費の値下げ等が製造原価を押し下げたことにより、売上総利益は355百万円(同58.8%増加)となりました。
(建材関連)
集合住宅向け壁紙・室内家具等の内装関係は順調に推移しましたが、安価な海外家具向け製品が円高により大きく減収となったことにより、売上高は632百万円(前年同期比4.0%減少)となりました。
しかしながら、高利益率の自社ブランド品「Nコート」を使用した室内ドア、キッチン家具等の売上が好調に推移したことにより、売上総利益は117百万円(同12.2%増加)となりました。
(生活資材関連)
福島復興が進んできたこともあり、汚染枯葉圧縮袋「エコプレスパック」の需要が激減したこと、急激な円高で円換算額が減少したことにより、売上高は3,481百万円(前年同期比1.4%減少)となりました。
しかしながら、圧縮袋以外の高利益率商品(DIY商品、毛染め商品等)が好調に推移したことにより、売上総利益は856百万円(同8.8%増加)となりました。
(その他)
食品メーカーに自動包装機を販売したこと、洋紙の特殊加工が順調に推移したことにより、売上高は456百万円(前年同期比10.8%増加)となりました。
しかしながら、原油価格の下落により、リサイクルペレットの販売価格が下落したことにより、売上総利益は139百万円(同19.8%減少)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ1,181百万円増加し、3,769百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、1,665百万円(前連結会計年度は、1,267百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益1,327百万円、減価償却費884百万円及び仕入債務の増加額378百万円等による増加要因が、売上債権の増加額346百万円、たな卸資産の増加額333百万円及び法人税等の支払額427百万円等による減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、924百万円(前連結会計年度は、1,454百万円の減少)となりました。これは、投資有価証券の売却による収入57百万円等による増加要因が、生産加工設備等の有形固定資産の取得による支出957百万円等による減少要因を下回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、506百万円(前連結会計年度は、74百万円の増加)となりました。これは、新規上場に伴う株式の発行による収入976百万円等による増加要因が、配当金の支払額394百万円等による減少要因を上回ったことによるものであります。
(1)生産実績
当社グループは、印刷関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年3月1日 至 平成29年2月28日) |
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金額 (千円) |
前年同期比 (%) |
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印刷関連事業 |
22,727,381 |
101.9 |
|
合計 |
22,727,381 |
101.9 |
(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当社グループは、印刷関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
なお、連結子会社においては、受注から販売までの期間が短く、受注管理を行う必要性が乏しいため、提出会社個別の受注高及び受注残高を記載しております。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年3月1日 至 平成29年2月28日) |
|||
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受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
|
印刷関連事業 |
26,522,566 |
108.2 |
1,329,566 |
119.2 |
|
合計 |
26,522,566 |
108.2 |
1,329,566 |
119.2 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当社グループは、印刷関連事業の単一セグメントであるため、当連結会計年度の販売実績を用途ごとに示すと、次のとおりであります。
|
用途 |
当連結会計年度 (自 平成28年3月1日 至 平成29年2月28日) |
|
|
金額 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
|
食品関連 |
21,262,393 |
103.9 |
|
IT・工業材関連 |
4,262,970 |
101.3 |
|
医療・医薬関連 |
1,386,493 |
121.3 |
|
建材関連 |
632,430 |
96.0 |
|
生活資材関連 |
3,481,008 |
98.6 |
|
その他 |
456,810 |
110.8 |
|
合計 |
31,482,105 |
103.5 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
当連結会計年度 (自 平成28年3月1日 至 平成29年2月28日) |
||
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金額 (千円) |
割合 (%) |
金額 (千円) |
割合 (%) |
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|
㈱エフピコ |
3,502,624 |
11.5 |
2,888,661 |
9.2 |
(※)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの属する業界は、既存の顧客、扱い製品だけでは大きな業績の伸長を望みにくい成熟産業とされています。そのため、当社グループは、従来からの主力製品に加え、新製品の開発で、食品用パッケージ等の販売先市場の開拓を推進してまいりました。営業面におきましては、全社一丸となって得意先の潜在的なニーズを先取りした提案を積極的に行っていくことで、販売シェアの拡大を目指してまいります。生産面におきましては、合理的かつ効率的な生産体制の確立を目標に、生産設備の更新・新設を進める一方で、生産技術の向上、製造方法の改良、ロスの抑制等により一層のコスト削減に努めてまいります。
当社グループが今後も成長、発展を遂げるため具体的には以下の取り組みを進めてまいります。
(1)食品関連
国内におきましては、少子化による市場の縮小が予想されることから、今以上に競争が激しくなると考えられます。
このような課題に対処するために、潜在する市場ニーズ(環境・安全・個食化等)を的確につかみ、これまでに培ってきた技術を新製品及び新素材の開発につなげ新たな価値を提供してまいります。
また、当社独自の開発品であります、NAK-A-PET、NC-PET、HS-PET及びNTSⅡの販売強化にも取り組んでまいります。
(2)IT・工業材関連
スマートフォンやタブレット端末などの市場は、先進国はもとより新興国におきまして今後も成長が予想されるため、当社グループにおきましても新興国に対する販売強化が必要であると考えております。
このような課題に対処するために、当社が得意とするNSセパや遮光印刷技術の強化に取り組んでまいります。
また、自動車業界はガソリン車から電気、水素等を燃料とするエコカーの時代へと日々進化しております。
このような課題に対処するために、それらの急速に変化する市場に対応する製品の開発・改良を加速させ、独自の加工技術で差別化を図り販売強化に取り組んでまいります。
(3)医療・医薬関連
先進国では、医学・医療の進歩による高齢化社会において、安定成長が見込まれる市場でありますので、当社グループだけではなく、競合他社の新規参入等による競争激化が予想されます。
このような課題に対処するために、当社グループの自社ブランドであるNSセパ及びグラビア印刷の受注拡大に向け、顧客の細かなニーズに応えることで、製品のラインナップの拡充による差別化に取り組んでまいります。
(4)自社開発品
自社開発品(NAK-A-PET、NC-PET、HS-PET及びNTSⅡ)は、安全性と環境負荷低減(CO2排出量の低減)を実現した素材であるため、潜在的な需要は大きく、更なる販売強化を行う必要があると考えております。
このような課題に対処するために、新規導入いたしました押出ラミネーター機の早期立上げ、品質の安定、生産能力の拡大により、販売強化に取り組んでまいります。
(5)グローバル戦略
海外連結子会社(中国4社)における事業は、人件費の高騰、販売価格競争の激化や為替変動により不透明な環境にあります。
このような課題に対処するために、当社グループは引き続き圧縮袋製造の合理化を図るとともに当社グループが得意とするシートグラビア印刷、クリーンコーティング、熱ラミネート等の付加価値の高い製品の販売増加を目指し、新規顧客の開拓を推進いたします。また、顧客の現地調達化(特に自動車関連)が進む場合には、米国等で生産拠点を展開することも視野に入れ取り組んでまいります。
(6)内部管理体制の強化
当社グループは、金融商品取引法における内部統制に係る報告を実施するため内部管理体制の強化に努め、コンプライアンス機能の強化、業務マニュアルの整備等を行ってまいりました。
今後もこの内部管理体制を有効に機能させることが、企業価値を高め、効率的かつ健全な企業経営を実現するものと認識し、より一層透明性の高い経営を目指し、相互牽制の効いた内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、主として次のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のある全てのリスクを網羅したものではありません。
(1)国内景気と消費動向に関するリスク
当社グループは、幅広い業種の顧客企業と取引を行っており、主として日本国内市場向けに、特定業種に偏らない活動を展開しております。
しかしながら、国内需要の減退に伴う国内個人消費の低迷が顕在化した場合や主要顧客における市場シェアの縮小等が生じた場合には、当社グループの受注量の減少や受注単価の下落により、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(2)原材料の市況に関するリスク
当社グループは、包装材や各種加工フィルムの主要原材料として、樹脂、フィルムといった各種のプラスチック素材を使用しております。これらの原材料の価格は原油、ナフサなどの国際商品市況及び為替変動の影響を受けます。例えば、原油価格が下落した場合は、フィルム、シート等の原材料価格が下落し、当社製品の販売価格も下がり売上高が減少する一方、インキ、溶剤、電力・燃料費等の原価も下落するため、売上総利益は増加する傾向にあり、原油価格が上昇した場合はフィルム、シート等の原材料価格が上昇し、売上高が増加する一方、インキ、溶剤、電力・燃料費等の原価も上昇するため、売上総利益は減少する傾向にあります。原油価格が大きく変動した場合には、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(3)為替の変動に関するリスク
当社グループは、生活資材、IT・工業材を中心に海外販売の拡大を計画しており、今後、為替変動の影響は次第に比重が増してくると予想されます。急激な為替変動が生じた場合には、原材料輸入価格の高騰または製品輸出価格の低下、並びに債権債務の決済時に多額の為替差損が生じることにより、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(4)研究開発活動に関するリスク
当社グループは、将来の成長性を確保するという観点から、研究開発投資を積極的に行っております。
しかしながら、計画どおりに研究開発が進捗しない場合、新製品や新技術に関して多額の研究開発投資を行ったとしても必ずしも十分な成果を上げることができない場合、また、想定し得ないような急激な技術革新が起きた場合には、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(5)製品の品質に関するリスク
当社グループは、ISO9001及び14001を取得する等により、常に品質の高い製品を顧客に提供できるような品質管理体制の構築を図っております。
しかしながら、予想し得ない品質上の欠陥に基づく製造物責任の追及がなされた場合には、補償費用の負担や、再生産に係る費用の追加負担により、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(6)環境規制等の影響に関するリスク
当社グループは、環境保全を経営の重要課題であると認識し、厳格な管理を徹底しつつ事業活動を行っております。
しかしながら、今後、環境等に関する様々な法的規制の強化または社会的責任の要請等に起因して事業活動に制約を受けるような事象が顕在化した場合には、計画外の設備投資や環境対策費用等の追加負担が生じることとなり、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(7)海外進出に関するリスク
当社グループは、中国に連結子会社4社を有しており、わが国と相手国の間の政治問題、経済情勢の変化、また、雇用環境、税制、法的規制の違い等に起因する様々な問題が生じるリスクを回避または低減させるために、中国ビジネスに精通した国内取引先(インキメーカー、商社等)、監査法人、顧問税理士または顧問弁護士等より、随時アドバイスを得て、海外展開を慎重に進めております。
しかしながら、現時点における想定を遥かに上回る政治的(内紛やテロ等)、経済的(為替変動等)、社会的(労務問題等)な問題、または商慣習の違いに起因する取引先との関係構築に係る問題が顕在化した場合には、生産活動の縮小や停滞、販売活動の停滞等により、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(8)自然災害・事故災害に関するリスク
当社グループは、国内外に製造拠点を複数設けることにより自然災害に伴う操業停止または操業度低下リスクを分散させるとともに、事業所における耐震対策や点検、防火訓練等に取り組むことにより事故災害リスクを低下させるよう努めております。
しかしながら、想定を超えるような地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生することに起因して、十分な原材料調達ができない場合や、設備や従業員が大きな被害を受け、工場の操業停止または操業度が低下した場合には、生産及び出荷の停止または遅延に伴う販売数量の減少や多額の修繕費用の発生により、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(9)販売価格やシェアに関するリスク
当社グループは、主力製品である厚物シート等に関する独自のノウハウを有しており、今後も販売価格や一定のシェアを維持することができるものと考えております。
しかしながら、そのような当社グループの独自性、優位性が発揮できない分野において、競合他社の低価格戦略や模倣等が顕在化した場合には、販売価格やシェアが低下することにより、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(10)業務提携・企業買収に関するリスク
当社グループは、他社との業務提携や企業買収が、将来の成長性、収益性等を確保するために必要不可欠な要素であると認識しており、過去においても積極的に業務提携や企業買収を行っております。
しかしながら、当初想定した業務提携または買収によるシナジー効果を得ることができなかった場合には、利益率を圧迫する等により、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
(11)人材の採用・育成に関するリスク
当社グループは、高度な技術力や企画力等を有する優秀な人材の採用・育成が、将来の成長性、収益性等を確保するために必要不可欠な要素であると認識しており、新卒採用のほかにも多様な専門性を有する人材を確保すべく中途採用の実施等、幅広く優秀な人材を求めております。
しかしながら、そのような人材の採用や育成ができなかった場合には、競争力が低下し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、地球環境保全を経営の重要課題と位置付けており、資源の再利用化(リサイクル)及び廃棄物の減容化を目指しております。プラスチックの中でも特にポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂で資源を循環させることを目指し、食品関連製品の基材開発だけでなく、工業・医療の分野も視野に入れ、広範囲にわたる顧客ニーズに応えたPET製品を提供するための研究開発を進めております。
当連結会計年度の研究開発は当社のプロダクト事業本部営業事業部関西営業部技術グループにおいてリサイクル技術や製品に付加価値をもたせることができる基材の開発を行っており、研究開発スタッフは8名です。
当連結会計年度における研究開発費は、72,672千円であり、研究開発活動については次のとおりであります。
なお、当社グループは、印刷関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。
(1)薄肉剛性容器の開発
パッケージング業界はコストダウンという大きなニーズとともに廃棄物の減容も重要な課題であります。廃棄物を減らすために、PETの分子配向による結晶化技術を応用し、剛性を強化することで材料のシートを薄くし、軽量化した容器の開発を行っております。
PETの成型容器は材料のシートを熱板成型や真空成型することで容器になります。従来の技術ではPETの薄いシートがなく、食品包材分野でも薄い容器はポリスチレン(PS)の市場になっておりました。従来のPETの軽量化とともにPS容器の代替としての拡販も進めております。
(2)透明耐熱PET容器の開発
PETの分子配向による結晶化技術、ブレンド技術と成型などの加工技術を応用し、透明耐熱PET容器の連続成型用シートの開発及び加工技術の開発を行っております。
透明容器の分野ではポリプロピレン(PP)、PS、PETが主流でありますが、従来のPETは耐熱性に乏しく、用途が限定されておりました。透明PETで耐熱性が必要である電子レンジ対応容器などの食品分野やメディカル分野への採用を進めております。
(3)NC-PET(超高耐熱PET容器)の開発
PETの改質技術、ブレンド技術と成型などの加工技術を応用し、超高耐熱(190℃以上)のPET容器の開発を行っております。食品包材分野ではコストダウンが重要であるためブレンドする原料を見直し、コストダウンに繋がる技術開発も行っております。
PPやPSのプラスチック容器では、グラタンなどオーブンで調理すると融点を超えるため、ほとんどは紙容器が採用されております。しかしながら、紙容器では形状に制限があることから、オーブンにも対応ができる安価な高耐熱プラスチック容器を開発することでその市場での競争力強化を進めております。
(4)HS-PET(ヒートシールPET)の改良・開発
プラスチックの袋のほとんどはヒートシールで加工されております。ヒートシールが可能なプラスチックとしてポリエチレン(PE)やPPが採用されておりますが、PETの改質技術や加工技術を応用し、ヒートシールが可能なPETの開発を行っております。
PE、PPの袋に油物(たとえば唐揚げなど)を入れて電子レンジで加熱することは、融点を超えるために不可能です。PETの融点を生かした用途の袋やヒートシールが必要な分野への採用を進めております。
(5)貼合用(NTSⅢ)PETフィルム開発
HS-PETからの応用品であり、両面ヒートシール性・成型性が良好なフィルムであります。汎用品に多いPETフィルムは2軸方向に延伸して製造されているため、延伸余力が少なく成型ができませんが、NTSⅢフィルムは無延伸であるため伸びやすく、成型性が良好であります。このフィルムを使用すれば、ALL-PETの印刷容器ができます。今後は生産方法の確立と、さらなる市場開拓を行ってまいります。
(6)インクジェット
食品パッケージ分野におけるデジタル化及びオンデマンド化を実現させるために、当社グループ独自のグラビア印刷技術からなる特殊乾燥システムとインクジェットテストラインを組み合わせ、次世代の印刷設備になるように開発を進めております。現在はインキメーカーやインクジェットヘッドメーカーと協力しテストを進めております。また海外メーカーとも共同で、当社グループ仕様のインクジェットシステムの実現を目指して努力しております。
(7)三元系相溶化剤の開発
現在、食品容器に使用されている樹脂は、PP、PS、PETが大半であり、フィルムが積層されている容器もあります。今までPP、PSを相溶化する技術はありましたが、PETとの相溶化剤は存在しなかった為、三元系になるとリサイクルができませんでした。そこで今期はPETを含めた三元系の相溶化剤開発を行い、試作レベルでは成功いたしましたが、市場化までは至っておりません。今後は他の開発品を提案する際、リサイクル方法も含めて提案できるような体制を整えてまいります。
(8)ナノセルロースの開発
セルロースナノファイバーは鉄の5分の1の重量で5倍の強度を発揮する、木材由来の透明材料です。この軽くて強く、そして透明であることからプラスチックの補強材として期待されています。従来の耐熱性プラスチックでは耐熱性を発揮するために有色のタルクを添加しており、透明性が必要な用途では使用できませんでした。当社のPET改質技術を用いて耐熱性の高いPETにセルロースナノファイバーを複合化することによって、透明性と耐熱を両立した容器を目指して研究・開発を進めております。
(9)発泡PET
食品包装容器としての発泡樹脂はPS、PPがほとんどであります。一部、発泡PETもありますが、価格、成型性の難しさ等の問題があります。この開発品は耐熱性,断熱性があり、ローコスト、易成型の発泡PETを目指しております。PS、PPに比べてPETは剛性があり、薄肉化できるメリットを持ち合わせているため、発泡業界へ新たな市場を確立してまいります。
(10)その他
PETの改質技術を応用した材料、延伸や成型などの加工技術を応用した包材等、食品包材分野のニーズに対応する研究開発を進めております。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2)経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、食品関連、IT・工業材関連、医療・医薬関連が増加しました。主な要因は、食品関連におけるコンビニエンスストア向けの食品容器及び医療・医薬関連における湿布用NSセパが好調に推移したことであり、前連結会計年度に比べて1,068百万円(3.5%)増加し、31,482百万円となりました。
② 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、売上高が前年同期比3.5%増と微増に終わりましたが、昨年に引き続き、改善活動による無駄・ロスの削減を徹底し、生産の効率化等による製造原価の低減、販売費及び一般管理費の削減を推進したこと等により、前連結会計年度に比べて210百万円(19.1%)増加し、1,311百万円となりました。
③ 経常利益
当連結会計年度の経常利益は、営業利益の増加により、前連結会計年度に比べて200百万円(17.2%)増加し、1,368百万円となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益25百万円、三国紙工株式会社に対する持分比率が減少したことによる持分変動損失19百万円、柏原工場グラビア印刷機の除却等による固定資産除却損44百万円、法人税等478百万円(前年同期比39百万円減)及び非支配株主に帰属する当期純利益27百万円(同37百万円増)を計上したことと、前連結会計年度は配送センターの一部売却等による固定資産売却益61百万円があったこと等により、前連結会計年度に比べて130百万円(18.8%)増加し、821百万円となりました。
(3)財政状態の分析
① 資産
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,901百万円増加し、25,398百万円となりました。
流動資産につきましては、現金及び預金が1,181百万円、受取手形及び売掛金が305百万円、たな卸資産が297百万円それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,898百万円増加し、13,984百万円となりました。
固定資産につきましては、投資有価証券の増加等により投資その他の資産が34百万円増加したものの、減価償却費の計上等により無形固定資産が28百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ3百万円増加し、11,414百万円となりました。
② 負債
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ556百万円増加し、14,555百万円となりました。
流動負債につきましては、支払手形及び買掛金が129百万円減少したものの、電子記録債務が538百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ631百万円増加し、11,597百万円となりました。
固定負債につきましては、退職給付に係る負債が58百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ74百万円減少し、2,958百万円となりました。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,344百万円増加し、10,843百万円となりました。これは、為替換算調整勘定が156百万円減少したものの、新規上場に伴う新株発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ488百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が427百万円増加したこと等によるものであります。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ1,181百万円増加し、3,769百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、1,665百万円(前連結会計年度は、1,267百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益1,327百万円、減価償却費884百万円及び仕入債務の増加額378百万円等による増加要因が、売上債権の増加額346百万円、たな卸資産の増加額333百万円及び法人税等の支払額427百万円等による減少要因を上回ったことによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、924百万円(前連結会計年度は、1,454百万円の減少)となりました。これは、投資有価証券の売却による収入57百万円等による増加要因が、生産加工設備等の有形固定資産の取得による支出957百万円等による減少要因を下回ったことによるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、506百万円(前連結会計年度は、74百万円の増加)となりました。これは、新規上場に伴う株式の発行による収入976百万円等による増加要因が、配当金の支払額394百万円等による減少要因を上回ったことによるものであります。
(5)経営戦略の現状と見通し
当連結会計年度におけるわが国経済は、消費者マインドの改善が見込まれるなか、個人消費は一進一退の動きを続けておりますが、国内景気は緩やかに持ち直しております。
一方、1月に発足したトランプ政権の政策運営能力は不透明ながら、米国経済の成長が期待されます。
今後の見通しといたしましては、海外経済及び海外政権等の不確実性による影響が懸念される一方、2020年東京五輪をひかえ、公共投資の増加及び雇用・所得環境が緩やかに回復していくことが期待されます。
労働環境におきましては、法改正等により一層の時間外労働削減に向けた取り組みが求められることにより、労務費が高騰し製造費用の増加が懸念されます。
当社グループの属する業界におきましては、個人消費の影響が大きい食品業界はコンビニエンスストアを中心として安定していくと思われますが、IT業界や住宅業界は競争激化により採算悪化等、不透明な要因も増えております。
当社グループは、平成30年2月期の経営課題を「夢をかたちに!」として、当社グループの設備と能力を強化・活用し、国内外における一層の市場開拓、事業の拡大を行い、自社開発品の更なる拡販と品質管理に注力して顧客満足度の向上に努めるとともに、企業としての社会的責任を果たし、ステークホルダーとの信頼関係を築き、持続的な企業価値の向上に努める所存であります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは「クリーン&セイフティ」を合言葉に、自然環境や労働環境に配慮した製品、技術の開発、素材の改良など、社会が必要とするものづくりに努め、常に顧客に満足いただけるものを供給し続けてまいります。
そして、当社グループが引き続き成長していくためには、①主力部門である食品関連における自社開発品の販売強化と顧客ニーズへの迅速な対応、②IT・工業材関連、医療・医薬関連におけるNSセパ(自社ブランド)の販売強化と徹底したクリーン環境での品質安定の推進、③建材関連、生活資材関連における連結子会社との連携による同業他社に負けない競争力の強化が重要であります。また、当社グループ事業の基盤となる従業員の成長を促す教育制度の継続とコンプライアンス遵守の体制を築き、社会に信用される企業にしてまいります。
当社グループでは目指す企業像として、「全天候型グローバル企業」を掲げ、その実現に向け対応しております。これは単に経済的な企業価値を追求するだけでなく、「人にやさしい、地球にやさしい」という社会的な企業価値を高めて、あらゆるステークホルダーから信頼される企業像を実現していこうというものです。
当社グループとしては継続的に事業構造を見直すことで、収益構造を改善するとともに、従来とは異なる成長領域を生み出し、多彩な領域と新陳代謝のあるバランスのとれた事業構造を目指しております。
そのために、常に新しい技術に取り組み、顧客に密着したマーケティング活動を行い、グローバル規模で顧客や社会のニーズを先取りしていくことを強力に推進してまいります。