文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米中通商問題の動向、中国経済の先行き、英国のEU離脱の行方等の海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があり、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
体外診断用医薬品業界におきましては、インフルエンザウイルスやノロウイルスなどによる感染症の集団発生への対応を背景に、感染症の早期診断に対する国民の意識が高まり、医療への期待は「治療」から「予防」や「ケア」へとシフトしてきております。診療の現場におきましても、患者それぞれの状態に合わせた適切な医療を効果的かつ効率的に提供する体制を構築する必要があることから、早期診断及び早期治療の重要性の認識は、さらに高まっております。特に感染症分野では、小児・老人医療における感染拡大の防止や院内感染の予防対策など早期治療に有用となる診断技術への期待も大きく、国内外を問わず新たな技術による微生物検査や遺伝子検査が臨床現場へ普及していく段階にあります。また、有効な抗菌薬が効かなくなる薬剤耐性菌への対策が国際的な課題となっており、国内においても2016年に抗菌薬の使用削減に向けた薬剤耐性対策アクションプランが提言され、医療の効率化とともに投薬の選択の指標となる薬剤耐性菌の検出など、検査の役割はさらに高まっております。このように、体外診断用医薬品関連企業にとっては、医療現場のニーズに応える製品の開発、さらには海外市場を視野に入れた製品開発が求められる状況となっております。
このような環境のなか、当社は、医療現場からの様々なニーズに応えるために、POCTメーカーとして新しい検査技術や新製品の開発を推進するとともに、既存製品の改善や改良にも尽力してまいりました。また、積極的な営業活動により主力製品や新製品の売上拡大に努めるとともに、競争力強化のために生産性の向上にも注力するなど、様々な経営施策を継続的に推進し、企業価値の向上に取り組んでまいりました。
当社の課題となっておりました生産能力の増強につきましては、前事業年度より建設を進めておりました「久留米工場・遺伝子研究所(福岡県久留米市)」が2019年5月に竣工し、同年9月より事業を開始しました。当工場では遺伝子POCT検査システムの検査キット(スマートジーン Myco)及び感染症迅速診断システムの検査キット(クイックチェイサーAutoシリーズ等)の製造を行い、研究施設では遺伝子POCT検査における各種感染症項目の研究開発を行います。
これらの結果といたしまして、当第3四半期累計期間の売上高は41億29百万円(前年同期比3.3%減)となりました。
当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントでありますが、市場分野別の売上高は以下のとおりであります。
病院・開業医分野におきましては、2018/2019シーズンのインフルエンザの流行は、ピーク時においては、患者数が過去最多数となった前シーズン(2017/2018)を超える強い流行となったものの、前シーズンとは異なり、その後急速に終息に向かったことから、インフルエンザ検査薬の需要が大幅に減少しました。この第1四半期の影響が残り、インフルエンザ検査薬全体の売上高は、17億52百万円(前年同期比14.8%減)となりました。
その他感染症項目の検査薬につきましては、RSV/ヒトメタニューモウイルス検査薬や肺炎球菌/レジオネラ検査薬は、シェアの拡大に伴い売上高が大きく伸長しました。また、アデノウイルス検査薬やStrep A(A群β溶血連鎖球菌)検査薬は、流行の弱さの影響を受けたものの堅調に推移するなど、その他感染症項目の検査薬全体では増収基調が継続しました。これに加え、2018年10月に発売開始した遺伝子POCT検査の機器・試薬も売上高の増加に貢献しました。
これらの結果、その他感染症項目の検査薬や遺伝子POCT検査の機器・試薬による増収が、第1四半期におけるインフルエンザ検査薬の減収分を補い、病院・開業医分野全体の売上高は37億96百万円(前年同期比2.6%減)となりました。
OTC・その他分野におきましては、妊娠検査薬及び排卵日検査薬は、価格競争が続くなか、販促企画等により売上高の維持に努めましたが、売上高は伸び悩み、OTC・その他分野全体の売上高は3億33百万円(前年同期比10.3%減)となりました。
利益面につきましては、主にインフルエンザ検査薬の減収に伴う売上総利益の減少、久留米工場・遺伝子研究所の稼働開始に伴う一時費用の発生や固定費の増加などの影響により、営業利益は5億30百万円(前年同期比21.6%減)、経常利益は5億31百万円(前年同期比21.6%減)、四半期純利益は4億16百万円(前年同期比19.8%減)となりました。
インフルエンザ検査薬は、当社の売上高(通期)の約50%を占める主力製品であり、インフルエンザの流行時期は冬季であることから、売上高及び営業利益が、第1四半期会計期間(1~3月)及び第4四半期会計期間(10~12月)に集中する傾向にあります。このような傾向に対応するため、当社は、非季節性及び夏季流行性の感染症などその他感染症項目の検査薬の拡充に努め、インフルエンザ検査薬への依存度の軽減とともに季節変動の平準化を図っております。
機器試薬システムの試薬の売上高が伸長していることを主因としてインフルエンザ検査薬の売上高が増加しているため、売上高及び営業利益が第1四半期会計期間及び第4四半期会計期間に集中する傾向は依然として変わりはないものの、その他感染症項目の検査薬の拡充に伴い、第2四半期会計期間及び第3四半期会計期間の売上高の底上げは着実に進んでおります。
しかし、現時点においては、インフルエンザ検査薬が当社の売上高の約50%を占めていること、また、インフルエンザの流行は、例年12月頃に始まり1月下旬から2月上旬にピークを迎え、3月頃に終息に向かうことから、特に当社の第1四半期会計期間(1~3月)の業績は、その流行の規模(ピークの高さや終息までの期間)による影響を受けやすい状況となっております。今後につきましては、インフルエンザ検査薬への依存度を軽減するため、さらにその他感染症項目の検査薬の拡充や遺伝子POCT事業の拡大を推し進めてまいります。
当事業年度(第43期)の四半期会計期間ごとの売上高及び営業利益は、以下のとおりであります。
(注)インフルエンザ検査薬には、「クイックチェイサー Flu A,B」、「クイックチェイサー Auto Flu A,B」及び富士フイルム株式会社向け機器試薬システムの試薬が含まれております。
当第3四半期会計期間末における資産の残高は、前事業年度末に比べ52百万円増加し、56億35百万円となりました。これは主に、売掛金の減少6億97百万円、電子記録債権の減少3億30百万円及び有形固定資産のその他に含まれている建設仮勘定の減少2億97百万円があったものの、建物の増加7億76百万円、現金及び預金の増加2億42百万円、たな卸資産の増加2億9百万円及び有形固定資産のその他に含まれている機械及び装置の増加90百万円があったことによるものであります。
当第3四半期会計期間末における負債の残高は、前事業年度末に比べ87百万円減少し、23億40百万円となりました。これは主に、長期借入金の増加5億23百万円及び流動負債のその他に含まれている未払金の増加1億30百万円があったものの、短期借入金の減少1億96百万円、未払法人税等の減少1億91百万円、電子記録債務の減少1億44百万円、買掛金の減少1億6百万円並びに流動負債のその他に含まれている未払費用の減少76百万円及び未払消費税等の減少73百万円があったことによるものであります。
当第3四半期会計期間末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ1億40百万円増加し、32億95百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加1億40百万円によるものであります。
当第3四半期累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当第3四半期累計期間における研究開発活動の総額は3億44百万円であります。
なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第3四半期累計期間に著しい変動があった設備は、次のとおりであります。
(新設)
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.設備の内容及び投資総額には、前事業年度中に取得した建設用地(取得価額282,815千円)が含まれております。
3.完成後の増加能力につきましては、その測定が困難であるため記載を省略しております。
4.当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。