(1)経営方針
当社は以下の経営理念を制定し、お客様とともに成長・発展し続けることで社会に貢献することを目指しております。
経営理念
①顧客価値の創造と顧客満足度の追求を図り、企業価値を高める。
②次代を拓くプロフェッショナル集団として、情報技術のリーディングカンパニーとなる。
③常に革新的企業文化風土を維持、継続する。
この経営理念を具現化するために、次の5点を基本方針として事業を推進しております。
①法令の遵守及び社会規範に則った経営を実践し、ステークホルダーの信頼を得るとともに、事業の持続的発展を図る。
②高い品質のサービスを提供し、お客様にとって掛け替えのないパートナーとなる。
③社員一人ひとりのスキル向上を促進し、その技術力を結集して市場競争力を高める。
④ビジネスパートナー各社と相互理解に基づく協業体制を確立し、ともに健全な成長を継続する。
⑤社員一人ひとりが自ら考え、提案し、挑戦することにより、フィールドに変革をもたらす。
(2)中長期的な会社の経営戦略
「顧客価値の創造」を経営理念の柱として、お客様に真の価値あるサービスを提供できるようコアコンピテンシーの醸成と品質向上に取り組むとともに、ITサービスの構造的変化を先取りしたビジネス展開により新たな市場を開拓し、経営体質の強化と事業の継続的発展を図ってまいります。
①企業競争力の源泉である人材の育成を促進し、技術力向上とサービス体制の充実を図ることで、お客様満足度の更なる向上を目指します。
②的確な戦略ドメイン選択のもと新たなサービス事業分野に参入し、長期的成長のビジネス基盤を構築してまいります。また、既存ビジネス分野においては選択と集中により経営基盤の強化を図ってまいります。
③お客様からの要請に対して迅速な対応を実現するため経営資源の一部を外部に求める必要があります。当社では優良なビジネスパートナー会社の確保に注力しておりますが、今後は各社との協業の仕組みを抜本的に改善し、市場競争力の強化につなげてまいります。
このような戦略方針のもと、当社は引き続き「Attack100」を推進し、まずは売上高100億円を早期のターゲットとし、営業利益率10%を中長期のターゲットとして、パッケージベースSI・サービスを中心とする成長力の高い事業ドメインの開拓、事業構造の集中と選択、DXを中心とした新デジタル技術への取り組みを成長戦略として推進してまいります。
(3)目標とする経営指標
当社の主な成長性・収益性の財務的な指標として、売上高増加率、売上総利益率、営業利益率、営業利益増加率に加え、従業員一人当たり売上高、従業員一人当たり売上総利益率などを掲げております。
(4)対処すべき課題
当社は、「顧客価値の創造」に基づくさらなる事業収益の拡大を図ることにより、持続的かつ飛躍的な成長と、より強固な経営基盤を確立すべく、以下の事項を重要課題と捉え、その対応に引き続き取り組んでまいります。
①得意分野の更なる強化
ITサービス業界は、オフショア活用の拡大や景気低迷等により進んだサービスの低価格化やクラウドコンピューティングに代表される安価なサービス等への構造的変化により、ビジネスの維持・拡大は一段と厳しい状況となっております。
このような状況の中で継続的に安定した収益を確保していくためには、高い専門性を武器に顧客にとって高い付加価値を創造することで競合他社との差別化を図っていく必要があります。
当社では、これまでも得意とする金融分野等のコアコンピテンシーの確立に向けた取り組みを継続してきており、さらなる得意分野の強化を目指して、価格競争に左右されない経営基盤の強化に努めてまいります。
②新たな成長分野への展開
技術革新が著しいITサービス業界において、常に顧客に満足していただけるサービスを提供していくために、既存技術の強化と並行して、新技術にも積極的にチャレンジしていくことが求められます。
当社では、既存技術の強化とともに第3のプラットフォームであるクラウドコンピューティングやスマートデバイスを中心とする成長力の高い事業ドメインの開拓に積極的にチャレンジしております。また、新たな成長分野への参入に向けた研究開発体制を整備して、的確な戦略ドメイン選択のもと長期的な成長につながるビジネス基盤の構築に注力してまいります。
③優秀な人材の確保
当社の属するITサービス業界は技術が急速に進歩しているため、常に最新技術への対応が求められます。この要求に応えられる優秀な人材こそが最も大切な財産であると考えております。
当社では、優秀な人材を確保するために採用選考基準を明確化して、新卒採用、キャリア採用を問わず積極的な採用活動を行っております。
今後も優秀でポテンシャルの高い人材の確保に積極的に取り組んでまいります。
④スペシャリストの育成
当社の継続的事業展開と発展のためには、変化が著しいITサービス業界に対応できる市場価値の高い人材を継続的に育成していく必要があり、高度な専門技術を持った人材の育成が重要課題と認識しております。
コアコンピテンシーに沿った人材育成を計画的に推進するとともに、経済産業省が定めたITスキル標準であるITスキルスタンダード(ITSS)を適用した組織的な技術者育成制度を構築しており、これらの施策によりスペシャリストの育成と拡充を進めてまいります。
⑤プロジェクトマネジメント力の強化
顧客との取引を拡大し適正な利益を確保するためには、プロジェクトマネジャー(※)一人ひとりのマネジメント能力をさらに強化するとともに、プロジェクトマネジメントができる技術者を拡充していくことが重要な課題であります。
当社では、技術者に対してテクニカルスキルとマネジメントスキルの両面から体系的な教育システムを構築してバランスに配慮したスキル強化を図っております。
特に、プロジェクトマネジャー指向の技術者に対しては、プロジェクトマネジメントに関する国際資格であるプロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)資格(認定機関:米国 Project Management Institute,Inc.)を取得させることとして、プロジェクトマネジメント力の強化に努めております。
(※)プロジェクトマネジャーは、プロジェクトの計画、遂行に責任を負うプロジェクトの管理者
⑥品質の向上
ICTが普及し、ITの戦略的価値が増大する中、顧客のシステム開発に対する要求水準は年々高まっており、当社の差別化戦略はより一層重要なものとなってきております。顧客と安定した取引を継続し更に発展させていくためには、顧客に満足していただけるシステムの品質が重要であると認識しております。
当社では、技術者の技術力向上、プロジェクトマネジメント力の強化はもとより、全社横断的に品質を確保し、向上させるためのPMOを中心としたプロジェクト支援体制の強化に取り組むことで、更なる品質の向上に努めてまいります。
当社の事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる主なものとしては、以下の内容が挙げられます。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、以下に開示しております。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)景気変動によるリスク
当社が提供するシステムソリューションサービスは、景気の影響を受けやすい傾向にあります。顧客企業における、景気悪化にともなう設備投資の縮小や製品開発の遅れ、事業縮小、システム開発の内製化等により、当社が提供するサービス領域が縮小される可能性があります。
したがって、国内設備投資動向が悪化した場合及び当社の顧客が属する事業分野の市況が悪化した場合等には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)プロジェクト管理に関するリスク
システム開発においては、開発規模の大型化と顧客の要求の高度化、オープン化の進展によるシステムの複雑化が進み、開発の難易度がますます増大しております。さらには、顧客に提供するサービスや構築システムは、社会的にも重要性が高く、納期厳守と高い品質の確保が要求されることにより、テスト段階以降のシステムエンジニアの負担が増加するケースが多く、時間の超過や健康問題につながる可能性があります。
これらに対し、当社では品質改善推進部(※)が、顧客との契約のあり方を見直すとともに、商談発生時からプロジェクトの進行監視を通じてリスク管理を行っておりますが、不採算プロジェクトが発生した場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(※)品質改善推進部は、プロジェクトの品質管理とプロセスの標準化を推進しております。
(3)顧客情報等漏洩のリスク
当社は、顧客の情報システムの構築、保守並びに運用にあたり、個人や顧客情報を含んだ情報資産を取り扱っております。当社では、このような情報資産の漏洩、紛失、破壊のリスクを回避するために、様々な対策を講じております。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証取得やプライバシーマークの認定取得はもとより、各部門担当者と管理者で構成される情報セキュリティ推進委員会を設置し、従業員教育、各種ソフトウェアの監視、情報資産へのアクセス証跡の記録など各種の情報セキュリティ対策を講じ、情報セキュリティ運営委員会にて、個人情報を含む重要な情報資産の管理を実施し、情報漏洩のリスクの回避を図っております。
しかし、万が一にも、当社又はその協力会社(外注先)より情報の漏洩が発生した場合は、顧客からの損害賠償請求や当社の信用失墜等により、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)クラウドコンピューティングへの新たな取り組みに関するリスク
クラウドコンピューティング市場は今後も成長が見込まれますが、クラウドコンピューティングは、ITの効率化を促進し、顧客のIT支出削減を推し進めることから、既存ITサービス市場の縮小を引き起こす可能性があります。
当社では、既存ITサービス市場をマーケットとしたシステムインテグレーション・サービスの競争力強化に向けて技術者の育成と当社の得意分野における専門性の強化に取り組むと同時に、2011年3月期よりサービスを開始したクラウドコンピューティングサービスにおいても取引拡大を図り確実な競争力を持つべく注力しておりますが、これらへの対応が計画どおりに進まない場合は、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)特定顧客依存に関するリスク
当社の売上高は、大口顧客である富士通株式会社からの売上高が2020年3月期において25.9%(富士通株式会社グループ全体では43.1%)を占めております。当該顧客は、外部環境等を考慮して営業政策を決定しており、これらの環境が大きく変動した場合、その営業政策を変更する場合があります。当社としましては、富士通株式会社グループのコアパートナーとしての連携強化に加えて、取引顧客基盤の一層の拡大等に努めておりますが、営業政策の変更により、当社の受注が大幅に減少した場合や受注条件が大幅に悪化した場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)人材確保に関するリスク
当社の成長と利益は、人材に大きく依存します。従いまして、優秀な技術者やシステムエンジニア、管理者等、必要とする人材を採用、育成することは当社にとって重要であり、これに対して積極的な新卒採用やキャリア採用の促進及び研修制度の充実、さらにはコアコンピテンシーの強化等各施策を実施しておりますが、このような人材を採用又は育成することができない場合、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(7)ビジネスパートナー依存に関するリスク
生産性向上及び外部企業の持つ専門性の高いノウハウ活用等のため、システム開発を外部委託することがあります。当社におきましても、システム開発における一部のプログラム作成業務を協力会社(外注先)に委託し、協力会社に所属するビジネスパートナーと協業しております。
協力会社への委託は、顧客要請への迅速な対応を実現し、受注の機会損失を防ぐことを目的としており、当社の受注拡大にはビジネスパートナーの確保及び良好な取引関係の維持が必要不可欠であります。
協力会社との関係をより強固なものにするためにコアパートナー制度等の各施策を実施しておりますが、2020年3月期における当社の製造費用に占める外注費の割合は53.0%となっており、協力会社との取引関係は当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(8)低付加価値分野でのオフショア開発の浸透によるリスク
顧客のシステム投資においては、顧客が付加価値の低い従来型の開発分野及び開発工程においては、一層の価格の引き下げを求める動きが強まっており、今後、差別化のされない付加価値の低い従来型の開発分野及び開発工程においては、オフショア開発への移行が増大すると予想されます。
当社では、価格競争に左右されにくい安定した経営基盤を確立するため、当社が得意とする分野における専門性の強化と、最新技術への対応を継続して実施しており、顧客にとって付加価値の高いサービスを提供できる体制の強化に注力しておりますが、このような体制強化が計画どおりに進まない場合は、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(9)業績の季節変動について
当社が提供するシステムソリューションサービスは、顧客のシステム投資予算並びに新製品開発予算の対象となる他、顧客企業の予算執行のタイミングや開発システムの工期との兼ね合いから、第2四半期会計期間及び第4四半期会計期間に売上計上が集中し営業利益が偏重する傾向があります。
なお、当社は納期管理を徹底しておりますが、顧客の都合等により検収時期が遅延し、計画通りに売上計上ができない場合があります。特に期末月の3月に予定されていた検収が翌期以降に遅れる場合には、当該期間での業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
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第49期事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
通期 |
|||||
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上半期 |
|
|
下半期 |
|
|
|
第1四半期 |
第2四半期 |
|
第3四半期 |
第4四半期 |
|
|
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|
売上高 (千円) |
1,633,904 |
2,075,632 |
3,709,537 |
1,840,858 |
2,505,917 |
4,346,776 |
8,056,314 |
|
構成比(%) |
20.3 |
25.7 |
46.0 |
22.9 |
31.1 |
54.0 |
100.0 |
|
営業利益 |
26,514 |
168,079 |
194,594 |
113,259 |
277,340 |
390,599 |
585,194 |
|
構成比(%) |
4.6 |
28.7 |
33.3 |
19.3 |
47.4 |
66.7 |
100.0 |
|
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第50期事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
通期 |
|||||
|
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|
上半期 |
|
|
下半期 |
|
|
|
第1四半期 |
第2四半期 |
|
第3四半期 |
第4四半期 |
|
|
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|
売上高 (千円) |
1,748,653 |
2,449,171 |
4,197,824 |
2,123,653 |
2,773,368 |
4,897,021 |
9,094,846 |
|
構成比(%) |
19.2 |
26.9 |
46.2 |
23.4 |
30.5 |
53.8 |
100.0 |
|
営業利益 |
31,614 |
200,965 |
232,580 |
158,536 |
318,376 |
476,912 |
709,492 |
|
構成比(%) |
4.5 |
28.3 |
32.8 |
22.3 |
44.9 |
67.2 |
100.0 |
(10)法的規制について
当社では顧客先に社員を派遣してシステム開発等を行う場合があります。
当社は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」を遵守し、労働者派遣事業者として監督官庁への必要な届出を行っております。
当社は上記の他法令等を遵守しておりますが、法的規制の変更があった場合、法令に違反した場合等、当社が的確に対応できなかった場合には、当社の事業活動が制限されるとともに、社会的な信用の失墜により当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(11)知的財産権について
当社が行うシステム開発等において、他社の所有する著作権及び特許権を侵害しないように充分に啓蒙活動を行い、常に注意を払って事業展開しておりますが、当社の認識の範囲外で他社の所有する著作権及び特許権を侵害する可能性があります。このように、第三者の知的財産権を侵害してしまった場合、多額の費用負担が生じたり、損害賠償請求を受けるなど、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(12)自然災害等に関するリスク
地震や風水害等の自然災害、火災等の事故、大規模なシステム障害、紛争・暴動・テロなどの人為的災害、感染症の流行など、外的な脅威が顕在化した際には、事務所・オフィスの確保、要員の確保、安全の確保等の観点から事業の継続に支障をきたす可能性があります。当社は、災害備蓄、安否確認システムの導入など事業継続のための体制整備を行っていますが、想定外の事態が発生した場合、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。なお2021年3月期につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大、長期化が懸念されており、今後の動向によっては、顧客企業のIT投資の抑制(受注減少、プロジェクトの中断、中止、延期等)が予想され、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、輸出が引き続き弱含むなかで、製造業を中心に弱さが一段と増しているものの、設備投資、雇用・所得環境の改善が続き、景気は緩やかな回復基調で推移していました。一方で、大国間の貿易摩擦の懸念、海外経済の動向と政策に関する不確実性など、引き続き懸念されるなか、年度の後半に発生した新型コロナウイルスのパンデミックにより世界規模で景気が減速しており、今後、どこまで影響が広がるか見通せない状況です。
当社が属する情報サービス業界においては、引き続きクラウド、IoT(Internet of Things)、フィンテック(金融サービスのITイノベーション)、ビッグデータ、AI(人工知能)、RPA(ロボットによる業務自動化)などの技術革新の進展、金融や流通分野を中心とした制度対応に伴うシステム更新、「働き方改革」の実現を含む人手不足に対する自動化、省力化、生産性向上に向けたIT活用意識の高まりを背景としたDX(デジタルトランスフォーメーション)を中心に企業の投資需要が高く、市場は拡大傾向となりました。しかしながら、パートナー企業を含む開発要員の不足及び高コスト化等でさらに厳しい収益環境が続いております。
このような環境のもと当社では、引き続き既存顧客とのパートナーシップの強化による領域の拡大及び顧客満足度の向上に努め、継続的な受注確保・拡大を図るとともに、新デジタル分野への取り組みに注力し、開発要員の採用強化及びパートナー企業との更なる連携強化に努めてまいりました。
また、引き続き不採算プロジェクト再発防止に向けたプロジェクト管理の強化に真摯に努めるとともに、今後の成長に向けた強固な土台作りを推進してまいりました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高は9,094,846千円(前年同期比112.9%)と全サービスラインで前年同期比で増加し、過去最高売上となりました。損益面については、第2四半期末に大規模不採算プロジェクトが発生しましたが、それ以外のプロジェクトについては増収による利益の増加等堅調に推移したことにより、営業利益は709,492千円(前年同期比121.2%)、経常利益は724,492千円(前年同期比123.7%)、当期純利益は474,127千円(前年同期比125.2%)となり、売上同様に過去最高利益及び利益率となりました。
なお、当社はシステムソリューションサービス及びこれらの付随業務の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。
当社事業のサービスライン別の業績を示すと次のとおりであります。
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事業のサービスライン |
売上高(千円) |
前年同期比(%) |
|
システムインテグレーション・サービス |
5,940,668 |
105.8 |
|
インフラソリューション・サービス |
1,516,212 |
120.0 |
|
パッケージベースSI・サービス |
1,637,964 |
139.1 |
|
合計 |
9,094,846 |
112.9 |
(システムインテグレーション・サービス)
通信業向けシステム再構築案件の縮小等により産業・流通分野の売上高が減少しましたが、ネットバンクを中心とした金融機関向け開発案件の受注拡大、保険分野での新規案件参画による受注増加、公共分野の官公庁向けシステム開発案件の受注増加、医療分野における病院向け電子カルテシステム及び医事会計システムの導入案件の受注増加等により、売上高は5,940,668千円(前年同期比105.8%)となりました。
内訳を業種別に示すと、次のとおりであります。
|
業種別 |
前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
売上高(千円) |
売上高(千円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
|
|
金融 |
2,360,032 |
2,786,718 |
46.9 |
118.1 |
|
(うち銀行) |
1,481,163 |
1,741,733 |
29.3 |
117.6 |
|
(うち保険・証券) |
224,003 |
298,832 |
5.0 |
133.4 |
|
(うちクレジットカード) |
654,865 |
746,153 |
12.6 |
113.9 |
|
産業・流通 |
2,421,397 |
2,177,329 |
36.7 |
89.9 |
|
公共 |
210,256 |
300,902 |
5.1 |
143.1 |
|
医療 |
623,887 |
675,717 |
11.4 |
108.3 |
|
計 |
5,615,573 |
5,940,668 |
100.0 |
105.8 |
(インフラソリューション・サービス)
保険・証券分野及び公共・文教分野のネットワーク構築案件及び基盤構築案件の受注が堅調に推移したこと、中部・九州エリアの営業所新設による新規受注獲得、特別な需要であるWindows10更新関連ビジネスの受注が好調に推移したこと等により、売上高は1,516,212千円(前年同期比120.0%)となりました。
(パッケージベースSI・サービス)
当社におけるクラウドビジネスの中心であるSalesforceビジネス関連において、新規の大型開発案件の受注が増加したこと、会計パッケージ及び人事給与パッケージの導入支援・保守案件の受注が大幅に増加したこと等により、売上高は1,637,964千円(前年同期比139.1%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ106,469千円増加し、2,155,452千円となりました。
当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は266,198千円(前事業年度は580,564千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上額724,492千円、減価償却費の計上額46,876千円、仕入債務の増加額78,810千円、賞与引当金及び役員賞与引当金の増加額12,198千円、未払消費税等の増加額47,281千円等の資金増加と、売上債権の増加額309,104千円、たな卸資産の増加額31,113千円、その他流動資産の増加額13,883千円、その他流動負債の減少額47,525千円、法人税等の支払額251,347千円等の資金減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は36,416千円(前事業年度は42,422千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出29,143千円、定期預金の預入による支出5,413千円、投資有価証券の取得による支出2,934千円等の資金減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は123,311千円(前事業年度は121,411千円の支出)となりました。これは、新株の発行に伴う収入2,389千円の資金増加と、配当金の支払による支出125,701千円の資金減少によるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
当社は、システムソリューションサービス及びこれらの付随業務の単一セグメントのため、生産、受注及び販売の状況については、サービスライン別に示しております。
a.生産実績
当事業年度の生産実績を事業のサービスライン別に示すと、次のとおりであります。
|
事業のサービスライン |
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
システムインテグレーション・サービス |
(千円) |
4,971,887 |
107.3 |
|
インフラソリューション・サービス |
(千円) |
1,277,401 |
121.9 |
|
パッケージベースSI・サービス |
(千円) |
1,218,369 |
136.7 |
|
合計 |
(千円) |
7,467,657 |
113.6 |
(注)1.金額は製造費用によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績を事業のサービスライン別に示すと、次のとおりであります。
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事業のサービスライン |
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||||
|
受注高 |
前年同期比 (%) |
受注残高 |
前年同期比 (%) |
||
|
システムインテグレーション・サービス |
(千円) |
5,908,020 |
101.0 |
995,146 |
96.8 |
|
インフラソリューション・サービス |
(千円) |
1,511,231 |
115.4 |
219,029 |
97.8 |
|
パッケージベースSI・サービス |
(千円) |
1,755,684 |
141.8 |
346,549 |
151.4 |
|
合計 |
(千円) |
9,174,937 |
109.3 |
1,560,726 |
105.4 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績を事業のサービスライン別に示すと、次のとおりであります。
|
事業のサービスライン |
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
システムインテグレーション・サービス |
(千円) |
5,940,668 |
105.8 |
|
インフラソリューション・サービス |
(千円) |
1,516,212 |
120.0 |
|
パッケージベースSI・サービス |
(千円) |
1,637,964 |
139.1 |
|
合計 |
(千円) |
9,094,846 |
112.9 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
富士通株式会社 |
2,232,721 |
27.7 |
2,353,045 |
25.9 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当事業年度末における総資産は5,498,145千円となり、前事業年度末と比較して464,614千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が111,883千円増加、売上債権が309,104千円増加、システム開発の進捗により仕掛品が31,113千円増加、投資有価証券が23,396千円増加した一方、無形固定資産が10,721千円減少したことによるものであります。また、負債合計は1,871,644千円となり、前事業年度末と比較して99,598千円の増加となりました。これは主に、買掛金が78,810千円増加、未払消費税等が47,281千円増加、賞与引当金及び役員賞与引当金が12,198千円増加、受注損失引当金が6,100千円増加した一方、未払費用が26,553千円減少、預り金が22,568千円減少したことによるものであります。純資産合計は3,626,500千円となり、前事業年度末と比較して365,016千円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が348,426千円増加、その他有価証券評価差額金が14,200千円増加したことによるものであります。
以上により、自己資本比率は、前事業年度末の64.80%に対して当事業年度末の65.96%と1.16ポイント増加しております。
b.経営成績
(売上高、売上原価及び売上総利益)
当事業年度の売上高は9,094,846千円であり、前事業年度より1,038,532千円、12.9%増加いたしました。主な要因としては、当社事業の中核であるシステムインテグレーション・サービスにおいて、通信業向けシステム再構築案件の縮小等により、産業・流通分野の売上高が減少となりましたが、ネットバンクを中心とした金融機関向け開発案件の受注拡大、保険分野での新規案件参画による受注増加、公共分野での官公庁向けシステム開発案件の受注増加、医療分野での病院向け電子カルテシステム及び医事会計システム導入案件の受注増加等により売上高が前事業年度比5.8%増加し、2期連続の増収となりました。また、インフラソリューション・サービスにおいて、保険・証券分野及び公共・教育機関向けのネットワーク構築案件及び基盤構築案件の受注が引き続き堅調に推移したこと、中部・九州エリアの営業所新設による新規受注獲得、特別な需要であるWindows10更新関連ビジネスの受注が好調に推移したこと等により、売上高が前事業年度比20.0%増加し、5期連続の増収となりました。最後に当社の重点分野であるパッケージベースSI・サービスにおいて、当社におけるクラウドビジネスの中心であるSalesforceビジネス関連において、新規大型開発案件の受注が大きく増加したこと、会計パッケージ及び人事給与パッケージの導入支援、保守案件の受注が引き続き堅調に推移した結果、売上高が前事業年度比39.1%増加し、7期連続の増収となりました。以上の結果、当事業年度の売上高は2期連続で過去最高売上となりました。
当事業年度の売上原価は7,442,645千円であり、前事業年度より848,325千円増加となりました。これは売上増加に伴う売上原価の増加及び上期末に発生した不採算プロジェクトの人員補強に伴う外注費の増加によるものでありますが、その他のプロジェクトは概ね順調に推移した結果、原価率は81.8%となり、前事業年度より0.1ポイント減少し、当事業年度の売上総利益は1,652,200千円と前事業年度より190,206千円、13.0%増加いたしました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は942,708千円であり、前事業年度より65,907千円、7.5%増加いたしました。その主な要因は、新入社員人数増加に伴う人件費及び教育研修費の増加、及び人財管理本部補強に伴う人件費の増加等によるものであります。
その結果、営業利益は709,492千円となり、前事業年度より124,298千円、21.2%増加いたしました。
(営業外損益及び経常利益)
当事業年度の営業外収益は15,801千円であり、前事業年度より907千円増加いたしました。これは助成金収入の増加等によるものであります。
当事業年度の営業外費用は801千円であり、前事業年度より13,531千円減少いたしました。これは前年度は一部指定関連費用を計上しましたが、今期は発生しなかったことによるものであります。
その結果、経常利益は724,492千円となり、前事業年度より138,737千円、23.7%増加いたしました。
(当期純利益)
以上の結果より、当期純利益は474,127千円となり、前事業年度より95,516千円、25.2%増加いたしました。
c.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行など世界経済、日本経済の先行き不透明感が強まり、極めて厳しい状況が続くものと見込まれています。情報サービス業界におきましては、先端技術の普及やデジタルトランスフォーメーションの進展等により、需要は継続されるものの、事業環境の急激な悪化により、短期的にIT投資全般が抑制される傾向は避けられない状況ですが、「働き方改革(業務効率化、テレワークの導入)」、IoT(Internet of Things)、フィンテック(金融サービスのITイノベーション)、ビッグデータ、AI(人工知能)、RPA(ロボットによる業務自動化)等のITを利用した生産性向上や省人化・自動化による労働力不足への対応に向けたIT活用意識が高まっており、構造的には変化せず、中長期的にはDX(デジタルトランスフォーメーション)を中心としたIT投資は引き続き拡大すると想定しております。
その一方で、当業界では業者間の受注競争の激化に加え、パートナー企業を含む開発要員獲得の面で非常に厳しい経営環境が続いており、引き続き人材確保と育成が経営課題の最重要事項となっております。
このような状況の中で当社は、技術革新が急速に進む情報サービス業界において常にお客様に満足していただけるサービスを提供していくため、既存技術の強化とともにクラウドコンピューティングやパッケージベースSIサービスを中心とする成長力の高い事業ドメインの開拓、事業構造の集中と選択に積極的に取り組み、的確な戦略ドメイン選択のもと長期的な成長につながるビジネス基盤の構築に注力してまいります。また、これらの成長を実現するため、Salesforceビジネス推進室を中心したパッケージ導入支援、アドオン開発の推進を図り、また新たに立ち上げたDX推進本部を中心とした新デジタル技術への取り組み等、戦略投資を進めていく方針であります。一方、不採算プロジェクト発生を防ぐべく、開発プロジェクトのマネジメント意識を高め、PMO要員によるプロジェクト監視強化を引き続き行うとともに、生産性の向上、経営効率化による基盤強化に向けた取り組みを一層加速し、強固な土台を構築してまいります。
2021年3月期においては、新型コロナウイルス感染症の拡大、長期化が懸念されており、今後の動向によっては顧客企業のIT投資の抑制(受注減少、プロジェクトの中断、中止、延期等)が想定され、当社の業績に影響を与える可能性がありますが、DXを中心とした取り組みを強化し業績の向上を目指してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況・分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業活動に伴い売掛金回収までの運転資金を主たる資金の需要としておりますが、金融機関からの借入金により、必要とする十分な資金を調達しております。なお当事業年度においては、引き続き慎重かつ保守的な財務活動にあたる方針としたことから当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は2,155,452千円となり、比較的厚めの資金ポジションをとっております。当事業年度末における資金は資産合計の39.2%を占めており、また流動比率は353.73%であることから十分な流動性を確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1財務諸表等 注記事項 重要な会計方針」に記載されているとおりであります。この財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(工事進行基準)
成果の確実性が認められる受注制作のソフトウェアについては、工事進行基準を適用しております。適用にあたっては、工事収益総額、工事原価総額及び会計年度末における工事進捗度を合理的に見積る必要があります。
工事進行基準による収益の計上の基礎となる工事原価総額は、工事等の完成のために必要となる作業内容及び工数の見積りに不確実性を伴うため、当社の業績を変動させる可能性があります。
(受注損失引当金)
受注損失引当金については、受注損失の発生の可能性が高く、かつ、その金額が合理的に見積れる場合、工事収益総額から会計期間末に見積りを行った工事原価総額を控除した損失見込額を引当計上しております。
(繰延税金資産)
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。なお、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
該当事項はありません。
当社は、システムソリューションサービスの一環として、新技術の研究・開発に取り組んでおります。
研究開発体制については、ビジネスインキュベーション推進室において合計3名が新技術の研究や自社製品のソリューションの開発を行っております。
当事業年度における研究開発費は、
なお、当社は、システムソリューションサービス及びこれらの付随業務の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。
研究開発活動内容及び成果は、次のとおりであります。
(大学向けソリューションの研究開発)
18歳人口の減少に伴い大学進学者数は減少局面に入り、大学の経営は厳しさを増しています。このため欧米で実績が増えている大学経営改革手法「エンロールメント・マネジメント」(※)とITを組み合わせて日本国内の大学の経営改革を支援するために、海外でサービス提供実績のある企業との提携や、当社の文教市場向けSalesforce導入実績を基に日本国内でのサービス実現方法を研究しました。また教育ITソリューションEXPO(2019年06月19日 ~ 2019年06月21日開催)に出展し需要を調査すると共に、大学関係者との共同研究会に参加し日本に適したソリューション化を検討しました。
※)エンロールメント・マネジメント:マーケティングの視点で、入学前から在学中、卒業後までを一貫してサポートする一貫した学生支援の仕組み。
(自社オリジナル製品の開発)
中小企業におけるシステム導入費用負担軽減を目的に、政府が推進するIT導入補助金の対象商品にnecoteが認定されました。