第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や社会活動の正常化、インバウンド需要の回復等、景気は緩やかな回復基調となりました。一方で、円安に起因する物価上昇、長期化する原材料・エネルギー価格の高騰、地政学的リスクの高まり、金融資本市場の変動、中国経済の先行き懸念等、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社グループが属する情報サービス業界においては、引き続き人材不足に伴う業務効率化や生産性向上を目的としたシステム・ソフトウェアの刷新やクラウド化など、デジタル技術を活用したビジネスプロセスやビジネスモデルの変革を行うDX(デジタルトランスフォーメーション)を中心に企業の投資意欲は高い状態であります。さらに生成AI等の新たな技術の活用による業務効率化を推進する動きがみられております。また、「標的型攻撃」に代表されるサイバー攻撃による被害が増加し、情報セキュリティ対策の重要性も一層高まっており、今後も市場規模の拡大が見込まれております。

このような環境のもと当社グループでは、2024年3月期を期初とした「新中期経営計画(VISION2025)」を2023年9月に発表しております。積極的なM&Aの推進、業務提携先との連携強化、DXビジネス推進、人材育成への投資と得意分野の強化、既存SI分野の更なる売上拡大、資本政策・株主還元に取り組み、更なる企業価値の向上を目指してまいり、事業構造の選択と集中による高付加価値ビジネスへのシフトを積極的に推進しております。M&Aを活用し当社の成長戦略の柱であるパッケージベースSI・サービスの更なる拡大に向け、グループ連携の強化を図り、さらに既存顧客とのパートナーシップの強化による領域の拡大及び顧客満足度の向上に努め、DX推進本部を中心とする、生成AI、ローコード開発やアジャイル開発等の新デジタル分野に対応した人材育成の強化、クラウドシフトへの取り組みに注力してまいりました。また、2024年9月30日に開示しました株式会社東邦システムサイエンスと業務提携いたしました。互いに創業以来50年以上の歴史を重ねてきた両社が手を組み、互いに強みとする事業領域および付加価値サービスを補完し合うことで、お客様への質の高いサービスの提供とDX推進を加速させ、社会の発展に貢献してまいります。

 

以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は6,754,070千円(前年同期比4.5%増)と、売上高が前年売上を上回る結果となりました。一方利益面につきましては、前年度に引き続き処遇改定に伴う人件費の増加や新デジタル分野への人材育成費用等の人的資本投資を積極的に行い経費が増加しました。また前年度末から当中間期にかけて発生した大規模不採算プロジェクトの収束を目指し、大幅な人員補強を行い対応した結果、多額の人件費及び外注費が発生し、さらに現時点における当中間期以降に発生が見込まれる追加コストを原価として全額損失引当金として計上したことにより、営業利益は479,267千円(前年同期比37.1%減)、経常利益495,333千円(前年同期比36.2%減)、親会社株主に帰属する中間純利益365,668千円(前年同期比30.4%減)となりました。

なお、前年度末から当中間期にかけて発生した大規模不採算プロジェクトにつきましては、今後損失が拡大しないようその対応に要員を投入し解決策について顧客と継続的に協議を行い、収束に向けて対応しております。

 

事業のサービスライン別の業績を示すと次のとおりであります。

事業のサービスライン

売上高(千円)

前年同期比(%)

システムインテグレーション・サービス

3,704,764

101.3

パッケージベースSI・サービス

2,429,168

112.5

インフラソリューション・サービス

620,137

95.7

合計

6,754,070

104.5

 

 

(システムインテグレーション・サービス)

産業・流通分野については、前年度から引き続き通信回線事業者向け受託開発案件が堅調に推移し、また公共分野については第1四半期から引き続き行政機関向け大型プロジェクト案件の売上が増加いたしました。また、金融分野については、生命保険業向け受託開発案件が堅調に推移したことにより、前年を大きく上回りました。しかし、第1四半期から金融分野の銀行及びクレジットカードにおいて、大型プロジェクトの開発案件縮小にともない売上高が減少、医療分野については前年度伸長した医事会計システム案件の受注が減少したことにより売上高が減少しております。この結果、システムインテグレーション・サービス全体の売上高は3,704,764千円(前年同期比1.3%増)と増加いたしました。

 

内訳を業種別に示すと、次のとおりであります。

業種別

売上高(千円)

前年同期比(%)

金融

1,576,998

98.4

(うち銀行)

948,017

98.2

(うちクレジットカード)

478,584

92.1

(その他)

150,396

128.5

産業・流通

1,540,415

99.6

公共

324,411

136.9

医療

262,940

97.1

合計

3,704,764

101.3

 

(パッケージベースSI・サービス)

当社における成長戦略の柱であるパッケージベースSI・サービスについては、子会社インフリーでの中心ビジネスであるSAP関連の導入支援及びアドオン開発が、大規模プロジェクトの受注による当社事業部門と共同体制にて対応したことにより、前年度から引き続き売上高が大幅に増加しております。また当社におけるDXビジネスの中心であるクラウド分野のSalesforceビジネス関連において、新規受注が堅調に推移したことにより、売上高が増加しております。この結果、パッケージベースSI・サービス全体の売上高は2,429,168千円(前年同期比12.5%増)と大きく増加いたしました。

 

内訳をパッケージ別に示すと、次のとおりであります。

パッケージ別

売上高(千円)

前年同期比(%)

Salesforce

987,373

114.8

SAP

610,953

153.6

会計パッケージ(SuperStream等)

566,924

97.6

人事給与パッケージ(COMPANY等)

177,975

85.6

その他(MS365等)

85,941

76.0

合計

2,429,168

112.5

 

 

(インフラソリューション・サービス)

ネットワークサービスにつきましては、社会基盤系及び官公庁系のシステム更改に伴うネットワーク構築案件の受注が大幅に伸長したことにより売上高が増加しましたが、サーバ・クライアント及びクラウドにつきましては、新規案件のスケジュール開始遅延、検収時期の延伸等により売上が減少いたしました。この結果、インフラソリューション・サービス全体の売上高は620,137千円(前年同期比4.3%減)となりました。今後もDX推進の中心であるクラウドビジネスにおける人材育成の強化に引き続き注力し、さらなるインフラソリューション・サービスの拡大を目指してまいります。

 

内訳をサービス別に示すと、次のとおりであります。

サービス別

売上高(千円)

前年同期比(%)

サーバ・クライアント

335,351

80.9

ネットワーク

201,263

137.4

クラウド

83,521

96.0

合計

620,137

95.7

 

 

(2)財政状態に関する説明

(資産)

当中間連結会計期間末における総資産は8,167,458千円となり、前連結会計年度末と比較して545,408千円の減少となりました。これは主に、現金及び預金が16,787千円増加、システム開発の進捗により仕掛品が85,620千円増加、ソフトウェア及びソフトウェア仮勘定が27,352千円増加した一方、売掛金及び契約資産が530,099千円減少、投資有価証券が77,108千円減少、繰延税金資産が18,223千円減少、のれん及び顧客関連資産が52,857千円減少等によるものであります。

 

(負債)

当中間連結会計期間末における負債合計は2,510,344千円となり、前連結会計年度末と比較して428,665千円の減少となりました。これは主に、買掛金が41,354千円増加、受注損失引当金が80,000千円増加した一方、未払費用が45,903千円減少、未払金が24,086千円減少、預り金が25,083千円減少、未払法人税等及び未払消費税等が245,869千円減少、賞与引当金及び役員賞与引当金が201,167千円減少したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産合計は5,657,114千円となり、前連結会計年度末と比較して116,743千円の減少となりました。これは主に、利益剰余金が83,135千円減少、その他有価証券評価差額金が39,109千円減少したこと等によるものであります。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,582,072千円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は429,788千円となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益の計上額581,853千円、のれん償却額及び減価償却費の計上額91,693千円、売上債権の減少額530,099千円、仕入債務の増加額41,354千円、受注損失引当金の増加額80,000千円等の資金増加と、投資有価証券売却益の計上額86,520千円、その他流動資産の増加額10,894千円、その他流動負債の減少額85,222千円、棚卸資産の増加額85,620千円、賞与引当金及び役員賞与引当金の減少額201,167千円、未払消費税等の減少額133,734千円、法人税等の支払額291,583千円等の資金減少によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用得られた資金は33,102千円となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入109,080千円等の資金増加と、有形及び無形固定資産取得による支出75,309千円等の資金減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は448,804千円となりました。配当金の支払額448,804千円の資金減少によるものであります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。