第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(2019年1月31日内閣府令第3号)による改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(30)の規定を当事業年度に係る有価証券報告書から適用しております。

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは、自らが担う社会的責任について常に念頭に置き、中長期的な企業価値向上に努めております。

 「ビジネスプラットフォームの創造へ ~BUILDING A BETTER ADVANCE~」をビジョンとし、あらゆる事業活動がリアルとネットの境界、国と国との境界を超えるクロスボーダーマーケットが標準化となり、消費者が多国籍の商材・サービスを容易に取得できる社会環境が実現していくと考えております。このようなクロスボーダー環境に資する活動を追求してまいります。

 また「デジタルPRと新しいワークスタイル提案」を経営方針とし、中長期的に事業者の「デジタルPR支援」と「革新するワークスタイル」にドメインを注力するとともに、その提供体制としては、複数サービスブランドの集合体として組織構成してまいります。あらゆる事業者があらゆる事業活動をする過程で当社の関与するサービスを常にどこかで目にして接点をもてるようなスケーラブルなサービス提供体制を構築してまいります。あわせて、これに臨む当社スタッフには、機敏かつ自律的判断をするための権限委譲とあわせ「量の追求」「長所進展」の行動指針を定めております。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

① stock model(顧客のストック化)

 複数サービスブランドを提供し、顧客の一元管理とクロスセルを推進することで顧客のストック化にこだわります。将来の事業規模コントロールをすることで『長期的な事業基盤』を構築してまいります。

② growth market(成長市場に注力)

 『成長力の高いマーケット』へ経営資源を配分します。リリース配信、インフルエンサー広告を中核とした『デジタルPR市場』とレンタルオフィスを中核とした『オフィスシェア市場』に注力し『持続的』な『成長』を実現します。

③ active invest(積極的なグロース投資)

 GET100(売上高100億円)を見据えた投資をしてまいります。一見背伸びした投資規模かもしれませんが、然るべき推進実績と確度の高いシミュレーションの上で『積極的グロース投資(M&A含む)』によりGET100の実現性を高めてまいります。

 

(3) 目標とする経営指標

 成長途上の当社グループでは、より高い成長性を確保する観点から「売上高」の増収を最重視しております。また、成長性向上を継続していくために「営業利益(営業利益率)」「経常利益」を重要な指標として位置づけ、営業基盤の拡大による企業価値の継続的拡大を目指しております。

 

(4) 当社グループを取り巻く経営環境

① ニュースワイヤー事業

(1) 広報・PR市場

 当社が運営するプレスリリース配信代行サービスにおける市場規模は発表資料はなく、2017年7月公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会発表「PR業に関する実態調査」を参考に当社の推計によるものです。現状における市場規模は1,100億円の規模であり、前年比4~5%の割合で長期的に安定成長しております。景況感に影響されず、今後も長期的に成長する市場と分析しております。

(2) インフルエンサーマーケティング市場

 2019年3月、株式会社デジタルインファクトはインフルエンサーマーケティング市場の調査を実施し、発表しております。同調査による2018年のインフルエンサーマーケティングにおける市場規模は219億円となっております。今後もインフルエンサーマーケティングの需要はさらに拡大し、5年後の2023年に509億円、10年後の2028年には933億円に達すると分析されています。

 

② インキュベーション事業

 オフィスシェアリング市場は、国内主要シェアオフィス運営企業(レンタルオフィス、サービスオフィス、コワーキングスペース含む)のオフィス面積から当社の推計によるものです。現状における市場規模は346億円の規模であり、日本国内においては、働き方改革、モビリティワーク、遊休不動産活用、オープンイノベーション、スタートアップ支援など多様な切り口で新規が続々と参入しており、市場は急拡大しております。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。

① マネジメント層の強化

 当社グループは、既存事業の拡大により従業員の増加が見込まれるため、更なる事業拡大には組織力・現場力の強化が必要と考えております。そのような背景から「ポジション(ポスト)が人を育てる」という育成方針のもと、組織の細分化を図り、既存従業員へ新組織の管理職として積極的なポジション(ポスト)提供と権限委譲を推進し、社長直轄による管理者・指導者育成に取り組んでおります。引き続き、中間マネジメント層の指導力・管理能力を向上させ、徹底した組織戦を展開していく方針であります。

② 内部管理体制の強化

 当社グループの継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識をしております。業務拡大に合わせ、内部管理体制の充実を図ることが重要課題であり、今後、人材の育成、人員の増強及び内部管理体制の一層の充実を図ってまいります。

③ 商品開発力の強化

 当社グループの事業は、特定のオペレーター(人員)依存のものではなく、一定の教育を受けたスタッフが均一で高品質なサービスが提供できる徹底した仕組み化による組織運営が基盤となっております。そのため、日々の運用の中で、顧客とのコミュニケーションによるニーズ取得や業界潮流といった商品開発における材料の取得、それを事業化するという機能を強化することが重要であると考えております。合わせて、アジア主要都市における事業拠点並びに運営ノウハウをアセットとした、アジア展開する事業商品開発が重要であると考えております。

④ M&Aの活用

 当社グループでは、創業より7件のM&Aを行っており、今後も積極的にM&Aを実施する方針であります。M&Aを行うにあたり、投資効果はもちろん、対象企業の提供サービスにおける事業規模や成長性、当社グループとの相乗効果を十分に検討したうえで、事業領域の拡大と業績の向上につながるM&Aを進めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(2019年1月31日内閣府令第3号)による改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(31)の規定を当事業年度に係る有価証券報告書から適用しております。

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

<ニュースワイヤー事業に係るリスク>

(1) システム障害等について

 当社グループが提供するプレスリリース配信代行サービス「アットプレス」及びクリッピングサービス「アットクリッピング」は、システムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、サーバー管理等の重要な業務の一部を外部委託しております。自然災害や事故等の発生によって当社グループ並びにサーバー管理等の委託先の通信ネットワークが切断された場合、継続したサービス提供その他に支障が生じる可能性があります。当社グループのシステムは、通信ネットワーク・システム構築の二重化及び適切なセキュリティ手段の構築等により、これら障害回避のための取り組みを講じておりますが、前述した要因等により、継続したサービス提供に支障が生じた場合には、収益機会の逸失、システム及び事業運営に対する信頼性低下、クレーム発生その他要因により、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) クリッピングサービスにおける著作権等について

 当社グループが運営するクリッピングサービス「アットクリッピング」のうち、紙メディアクリッピングサービスは、新聞社、出版社等から発行される新聞、雑誌等を購入し、原本郵送することで行っております。調査対象メディアが一般に販売された時点で著作権者の有する著作物の譲渡権は消尽していると考えられるため、原本郵送サービスが当該メディアに含まれる著作物に係る譲渡権を侵害すると評価される可能性は低いと考えられます。しかしながら、調査対象メディアとの間でトラブルが発生し、訴訟等に至った場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 参入障壁について

 当社グループが提供するプレスリリース配信代行サービス「アットプレス」は、法的規制がないサービス分野であり、新規参入が比較的容易であります。当社グループにおいては、メディアリレーションの強化、各プレスリリースの内容に応じて適切に絞りこまれたメディアを対象として配信、ノウハウをもつ専属スタッフによるきめ細かな顧客対応、顧客の配信履歴分析によるリコメンデーション機能等により、競争力の維持・向上、流出防止策の強化をしていく方針であります。今後、多くの新規参入を招き、競合他社との差別化が困難となった場合には、受注や採算性の確保が困難となり、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) メディア各社及びインフルエンサー等との関係について

 当社グループとメディア各社及びインフルエンサー等との広域かつ親密なネットワークは経営資源であり、効果的なPRやマーケティングサービスを提供するための関係について重要な事業インフラです。有用な情報を長期的かつ継続的に提供することによりメディア各社及びインフルエンサー等との信頼関係を構築してまいりましたが、当社グループが誤った情報の提供を行うことや他社との競争激化により相対的に信頼関係が低下した場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 災害・事故等について

 当社グループが提供する「アットプレス」及び「アットクリッピング」の顧客である企業等は、自然災害、社会的インフラの障害、通信・放送の障害、大規模な事故、伝染病、戦争、テロ、政情不安、社会不安等が発生した場合、広報・PR・宣伝活動等による企業活動を自重する等、災害・事故等の影響を受けやすい傾向にあります。したがって、これらの災害・事故等が発生した場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

<インキュベーション事業に係るリスク>

(6) 地代家賃の変動等について

 当社グループが運営するレンタルオフィス「クロスコープ」は、国内においては都内・仙台の主要都市部、海外においてはビジネス主要都市にて、ビルオーナー等に地代家賃を支払い、スペースを確保することにより運営しております。当社グループが支払う地代家賃については、ビルオーナー等との契約により定められておりますが、今後の不動産市況等の動向によっては、当該契約の見直し等により地代家賃が変動する可能性があります。

 また、今後「クロスコープ」の新規拠点の開設や既存拠点の増床等によりインキュベーション事業が拡大した場合には、当社グループが支払う地代家賃は増加することが見込まれます。当社グループとしては、このような地代家賃の変動や増加については、事業計画上考慮しておくとともに、地代家賃が上昇した場合にはサービス提供価格に反映させる方針としております。しかしながら、地代家賃については同事業のサービス運営に伴って継続的に発生するものであることから、地代家賃が上昇したにも関わらずサービス提供価格への反映が遅れた場合や、新規拠点の開設や既存拠点の増床等による拡大に対して顧客に対するレンタルオフィスのサービス提供が当社グループの想定どおりに進捗しなかった場合には、地代家賃によるコスト負担が先行的に発生し、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 差入保証金について

 当社グループは、賃借によるレンタルオフィス開設をしており、物件の賃借においては賃貸人に対し差入保証金等を預け入れる場合があります。物件の賃借にかかる差入保証金等の残高は、当連結会計年度末日現在670,004千円となっており、総資産に占める割合は20.2%となっております。

 契約に際しては、物件所有者の信用状況の確認等を行い十分検討しておりますが、今後の賃貸人の経営状況によっては、当該レンタルオフィスの営業継続に支障が生じ、契約満了による退去をした際に差入保証金等の全部又は一部が返還されない可能性があります。また、当社グループ側の都合によって、不採算オフィスの契約を中途解約する場合等に、締結している賃貸借契約の内容によっては、差入保証金等の全部又は一部が返還されない場合があり、当社グループの財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) フランチャイズ企業に関する貸付金について

 当社グループは、事業展開にあたりフランチャイズ企業に対して長期貸付を実施しております。定期的な返済を管理するだけでなく、フランチャイズ企業に対して貸付開始時にフランチャイズ企業の財政状況の調査を行うことでリスクの軽減を行っておりますが、貸付先であるフランチャイズ企業の財務状況が悪化した場合には、これらの貸付金の回収が困難となり、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 競合について

 当社グループが提供するレンタルオフィス「クロスコープ」は、事業者間の受注競争が激しい状況にあり、今後も一層の激化が想定されます。当社グループにおいては、ネット広告、セミナー開催、海外展開におけるパートナーとの関係強化、きめ細かな顧客対応等により競争力を維持・向上させていく方針でありますが、競合他社との差別化が困難となった場合には、受注や採算性の確保が困難となり、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

<新規事業に係るリスク>

(10) 新規事業について

 当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため、積極的に新規事業開発を検討し、実施してまいります。新規事業においては、蓋然性を十分検討した上で、開発を行ってまいりますが、当該開発が何らかの影響で想定以上の工数を要した場合や、想定していた収益計画が大幅に遅延した場合においては、投資回収見込みがなくなることによる減損損失等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、新規事業を推進する中で、必要に応じて他社との業務提携等を検討し、実行してまいりますが、想定していた相乗効果が業務提携等から得られなかった場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) M&Aについて

 当社グループは、既存事業の規模拡大や新規事業進出に際し、事業戦略の一環としてM&Aや資本参加、資本提携等を行っております。買収や提携後の事業計画の進捗が当初見通しに比べ大幅に遅れる場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

<グループ全体及びその他に係るリスク>

(12) 金利変動リスク及び資金調達について

 当社グループの資金調達については、主として金融機関からの長期借入金によるものであり、資金調達に際しては複数の金融機関と契約を締結し、機動的・効率的な資金調達を行うとともに資金調達リスクの軽減に努めております。しかしながら、何らかの理由で必要額の資金調達が行われなかった場合には、設備投資等の計画の進捗に遅れが生じ、収益機会の逸失に繋がる可能性があります。また、不測の事態による急激な金利変動によっては、金利負担が当社の経営成績に影響を与える可能性があります。さらに、全般的な市況及び景気の後退、金融収縮、当社グループの信用力の低下、事業見通しの悪化等の要因により、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 国際的事業拡大について

 当社グループは、積極的なアジア展開をしており、また今後も国際的な事業拡大を進めてまいりますが、当社グループが海外事業を展開している国における市場動向、政治、経済、法律、文化、宗教、習慣その他の要因によって、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 為替変動リスクについて

 当社は、アジアに連結子会社を有しております。当該子会社において獲得した現地通貨は、主として現地での決済に使用しており、実質的な為替リスクは軽減されております。しかしながら、外貨建ての連結子会社の売上高、費用、資産等は、連結財務諸表の作成時に円換算するため、換算時の為替レートが予想を超えて大幅に変動した場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 内部管理体制について

 当社グループは、継続的な成長のために、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識をしております。業務拡大に合わせ、内部管理体制の充実を図ることを重要課題にあげておりますが、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 特定人物への依存について

 当社の代表取締役社長である矢田峰之は、当社グループの創業者であり、設立以来最高経営責任者として経営方針や事業戦略の立案・決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社グループでは、経営管理体制の強化、経営幹部の育成等を図ることにより、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難となった場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益・雇用環境の改善などにより緩やかな景気回復の動きが見られたものの、相次ぐ自然災害による国内経済への影響や米中貿易摩擦の激化による海外経済及び金融市場への影響が懸念され、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 このような市場環境のもと、当社グループは「ビジネスプラットフォームの創造へ ~BUILDING A BETTER ADVANCE~」をビジョンとし、全事業の拡大・売上高の最大化に注力し、足元の業績を成長させてまいりました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ530,109千円増加し、3,310,059千円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ357,547千円増加し、1,998,354千円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ172,562千円増加し、1,311,704千円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高3,264,572千円(前年同期比16.2%増)と、増収となりました。また、利益につきましては、営業利益405,666千円(前年同期比14.8%増)、経常利益396,341千円(前年同期比14.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益240,738千円(前年同期比5.2%減)となりました。なお、当連結会計年度にフランチャイズ企業との協業体制の一環として行った設備投資等の資金貸付について回収可能性を検討した結果、貸倒引当金繰入額22,959千円を特別損失として計上しております。

 当連結会計年度における各セグメントの概況は、次のとおりです。

(a) ニュースワイヤー事業

 ニュースワイヤー事業は、企業や官公庁・団体等に対して、製品やサービス、事業等に関するプレスリリース文書の校正や配信メディアの選定から、リリース配信、掲載結果の調査・報告を実施しております。また、株式会社Find Modelを子会社化し、新たにインフルエンサーマーケティングサービスを開始いたしました。

 プレスリリース配信代行サービス「アットプレス」については従量配信数が増加(前連結会計年度比2.4%増)、単価についてはほぼ横ばいで推移し、メディアクリッピングサービス「アットクリッピング」については案件数が増加(前連結会計年度比6.3%増)、単価についても増加いたしました。

 この結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ289,519千円増加し、1,644,824千円(前連結会計年度比21.3%増)となり、セグメント利益は前連結会計年度に比べ19,423千円増加し、506,177千円(前連結会計年度比3.9%増)となりました。

(b) インキュベーション事業

 インキュベーション事業は、アジア主要8都市(東京(新宿2拠点、六本木、青山、渋谷)、仙台、シンガポール、インドネシア(※)、インド、ベトナム、フィリピン、タイ)でレンタルオフィス「クロスコープ」を運営しております。

 国内拠点については、6月に新宿拠点を増床いたしました。これにより累積稼働席数が増加(前連結会計年度比15.3%増)、単価についても増加いたしました。海外拠点については5月にタイ拠点を増床しました。これにより累積稼働席稼働席が横ばい(前連結会計年度比1.2%減)、単価についてもほぼ横ばいとなりました。

 この結果、当事業の売上高は前連結会計年度に比べ159,414千円増加し、1,391,314千円(前連結会計年度比12.9増)となり、セグメント利益は前連結会計年度に比べ99,035千円増加し、205,066千円(前連結会計年度比93.4増)となりました。

(※)インドネシア拠点はフランチャイズによる運営です。

(c) その他

 各報告セグメントに属さないトランスマート株式会社の翻訳事業・マッチング事業については新規事業として取り組んでおり、現状は「その他」の区分としております。

 その他の売上高は前連結会計年度に比べ7,299千円増加し、228,434千円(前連結会計年度比3.3%増)となり、セグメント損失は961千円(前連結会計年度は9,301千円の利益)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は877,426千円と、前連結会計年度末に比較して15,492千円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は487,781千円(前連結会計年度は572,671千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益373,421千円及び減価償却費206,507千円等があった一方、法人税等の支払額144,354千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は678,223千円(前連結会計年度は206,579千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出153,059千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出223,042千円、差入保証金の差入による支出245,468千円及び無形固定資産の取得による支出51,985千円等があった一方、差入保証金の回収による収入11,889千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は213,284千円(前連結会計年度は5,637千円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入516,874千円及び新株予約権の行使による株式の発行による収入12,000千円があった一方、長期借入金の返済による支出254,178千円及び配当金の支払額61,412千円によるものであります。

 

生産、受注及び販売の実績

(a) 生産実績及び受注実績

 当社グループの事業内容は、提供するサービスの性格上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(b) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

ニュースワイヤー事業(千円)

1,644,824

121.3

インキュベーション事業(千円)

1,391,314

112.9

その他(千円)

228,434

103.3

合計(千円)

3,264,572

116.2

(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 財政状態の分析

(資産の部)

 当連結会計年度末における資産の額は3,310,059千円と、前連結会計年度末に比べ530,109千円の増加となりました。資産の増加の主な原因は、受取手形及び売掛金が62,942千円増加、建物が115,293千円増加、のれんが180,358千円増加、差入保証金が230,402千円増加したことによるものであります。

(負債の部)

 当連結会計年度末における負債の額は1,998,354千円と、前連結会計年度末に比べ357,547千円の増加となりました。負債の増加の主な原因は、未払金が63,335千円増加、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含
む。)が262,696千円増加したことによるものであります。

(純資産の部)

 当連結会計年度末における純資産の額は1,311,704千円と、前連結会計年度末に比べ172,562千円の増加となりました。純資産の増加の主な原因は、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ6,000千円、親会社株主に帰属する当期純利益が240,738千円計上による増加があった一方で、配当金の支払により61,412千円減少したことによるものです。

 

(b) 経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は3,264,572千円(前年同期比16.2%増)となり、前連結会計年度に比べて456,233千円増加いたしました。セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

(売上総利益)

 当連結会計年度における売上総利益は1,650,248千円(前年同期比17.9%増)となりました。売上総利益率は前連結会計年度比0.7ポイント増加し、50.5%となりました。これは主にインキュベーション事業の国内拠点の高稼働により、売上対原価比率が下がったことによるものです。

(営業利益)

 当連結会計年度における営業利益は405,666千円(前年同期比14.8%増)となりました。営業利益率は前連結会計年度比0.1ポイント減少し、12.4%となりました。これはインキュベーション事業の国内拠点の高稼働による営業利益率が上昇した一方、ニュースワイヤー事業にて子会社化した株式会社Find Modelののれん償却増による営業利益率が減少したことによるものです。

 

(c) キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(資本の財源及び資金の流動性についての分析)

 当社グループは、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。

 運転資金及び設備投資については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は878,055千円となりました。資金調達コストの低減に努める一方、設備投資に対応する借入の大部分については、長期調達するとともに過度に金利変動リスクに晒されないよう金利スワップなどの手段を活用しております。

経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2019年3月期における具体的な経営上の目標を公開しておりませんでしたが、2019年4月26日付で、2020年3月期から2022年3月期の3か年における「中期経営計画」を発表いたしました。

 「中期経営計画」は、2019年3月期の業績状況及び今後の経営環境の変化等を踏まえ、事業のさらなる発展を果たすための経営目標です。具体的な数値は、以下のとおりです。

 

2019年3月期

(実績)

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

売上高(百万円)

3,264

3,800

4,720

5,570

営業利益(百万円)

(営業利益率)

405

12.4%

270

7.1%

600

12.7%

840

15.1%

経常利益(百万円)

396

240

590

830

 

 

4【経営上の重要な契約等】

(賃貸借契約)

 当社は、下記のとおりインキュベーション事業におけるレンタルオフィスの新設に関して賃貸借契約を締結しております。

 

(1) 建物賃貸借の目的

 当社は、東京エリアにおけるインキュベーション事業拡大のため、2019年8月に東京都港区新橋に新たなレンタルオフィスを開設するにあたり、当該施設の不動産に関する賃貸借契約を締結しております。

 

(2) 賃借の内容

① 対象施設の名称

アーバンネット内幸町ビル

 所在地

東京都港区新橋一丁目101番2号(地番)

③ 不動産の概要

a.3階 面積 1,089.37平方メートル

b.4階 面積 1,089.37平方メートル

c.5階 面積 1,089.37平方メートル

合計    3,268.11平方メートル

④ 期間

a.3階2019年7月1日~2024年6月30日(60ヶ月)

b.4階2019年7月1日~2024年6月30日(60ヶ月)

c.5階2019年10月1日~2024年6月30日(57ヶ月)

⑤ 賃借料の総額

賃貸人との契約により記載しておりません。

 

(3) 賃借先の概要

① 契約締結先

エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社

② 所在地

東京都千代田区外神田四丁目14番1号

③ 上場会社と当該法人の関係

資本関係、人的関係及び取引関係はありません。

また、当社の関連当事者には該当しません。

 

(4) 賃借の日程

取締役会決議        2018年10月9日

契約締結日(予約契約)   2018年12月21日

契約締結日(本契約)    2019年5月30日

 

(5) 今後の見通し

 賃借開始日は2019年7月となるため、本件が当連結会計年度の連結業績に与える影響はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。