財務省が発表している企業法人統計によれば、当事業年度における我が国の企業全体の業績は改善傾向にあります。当事業年度前半では、企業全体で大幅な減益となりましたが、夏場以降は改善傾向に転じ、経常利益は第3四半期より前期比で増加しております。しかし、依然として日本経済の先行きの不透明さがあるため、企業の収益増額による設備投資や賃金への波及には、まだ時間を要する状況であります。
日本国内の情報セキュリティ業界において、JNSA(NPO日本ネットワークセキュリティ協会)が発表しました「2016年度国内情報セキュリティ市場調査(速報版)」によれば、国内情報セキュリティ市場の規模は1兆円に迫るものの、成長は鈍化しております。昨年の調査では2015年度は前年比9.2%増の9,202億円と予想されていましたが、今調査では2015年度は前年比6.4%伸び8,965億円となっております。同2016年度は前年比4.0%増の9,327億円となる見込みであり、2017年度は前年比5.0%増の9,795億円になると予測されています。
また、IPAが昨年に発表しました「2015年度中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査報告書」によれば、自社の情報セキュリティ対策を向上させるために必要な取組みとして、5割以上の企業は「経営者及び従業員への情報セキュリティ意識の向上」を挙げています。また、3割以上の企業は「従業員への情報セキュリティ対策実践教育」が必要だと考えています。一方で、「情報セキュリティ対策ツールの利用」が必要だと考えている企業は、2割に満たない状況であります。つまり、中小企業において、情報セキュリティ対策の向上に取り組む上で、情報セキュリティ製品導入へのニーズは低く、役職員教育へのニーズが高いということが伺えます。
このような環境のもと、当社における当事業年度の売上高は609,669千円となり、前年同期と比べ370,761千円の減少となりました。営業損失は110,712千円(前年同期は営業利益129,642千円)、経常損失は112,417千円(前年同期は経常利益127,265千円)、当期純損失は357,685千円(前年同期は当期純利益71,195千円)となりました。
当事業年度において、上記の環境的な要因以外で、このような業績となりました主な要因は次の4つであります。
第一に、OEM関連事業の進捗による影響がございます。
当社の売上高及び各段階損益は、当社が通信機器メーカーに対して、先方の自社製UTM製品の組込み用ソフトウェアを提供するOEM関連事業に依存している割合が非常に大きいものとなっております。
当事業年度において、当該通信機器メーカーが新製品の発売を控え、当該UTM製品の出荷及び生産を抑制しておりました。そのため、当社が提供するソフトウェアの売上が減少し、売上高及び各段階損益を減少させる要因となりました。さらに、昨年8月より、当該新製品が発売されましたが、発売後の売行きは予想を下回って推移致しました。その結果、当事業年度を通して、当該OEM関連事業の進捗は、当社の売上高及び各段階損益に大きなマイナス影響を及ぼしております。
第二に、Webデータベースセキュリティ商品関連事業の進捗による影響がございます。
当社は海外よりWebデータベースセキュリティ商品を輸入し、システムインテグレータ経由で販売しております。そのため、当社が提携しておりますシステムインテグレータが情報システム開発関連の案件を受注することが、当該商品の売上増加の必須条件となります。
しかしながら、当事業年度において、当社が見込んでおりました数件の大型の情報システム開発案件が失注する結果となったため、Webデータベースセキュリティ商品関連事業の売上が減少し、当事業年度の売上高及び各段階損益を減少させる要因となりました。
第三に、大手OA販売会社関連事業の進捗による影響がございます。
当事業年度において、当社は各種営業施策の実行により、大手OA販売会社関連の売上の増加を計画しておりました。
しかしながら、各種営業施策の効果が得られず、大手OA販売会社は競合他社の製品の採用を決定したため、当事業年度に計画しておりました当該売上は増加しておりません。
第四に、特別損失による影響がございます。
当社は平成28年12月28日に、パワードプロセスコンサルティング株式会社との間で、社債の引受を伴う資本・業務提携(注1)を締結しました。しかしながら、平成29年1月~3月における事業進捗状況を踏まえ、同社が立案した事業計画は大きく遅延する可能性が高いとの判断に至りました。これにより、当社が引き受けた同社の社債の実質価額が著しく低下したため、当事業年度において、非上場株式についての3,063千円の減損処理と合わせて投資有価証券評価損204,163千円(注2)を計上しました。また、固定資産についても、減損損失33,853千円(注3)を計上いたしました。
その結果、当事業年度において、合計238,017千円の特別損失を計上しました。
(注)1.当社は平成28年12月28日開催の取締役会の決議により、パワードプロセスコンサルティング社発行の無担保転換社債型新株予約権付社債の引受を行い、同社と資本・業務提携を締結しております。詳細は、同日に適時開示いたしました「パワードプロセスコンサルティング株式会社との資本・業務提携及び無担保転換社債型新株予約権付社債の引受けに関するお知らせ」をご参照ください。
なお、パワードプロセスコンサルティング株式会社は、BPM(ビジネスプロセス管理)のコンサルティング、BPMツール(全体的な業務プロセスの流れを把握・分析し、管理・改善を行うツール)の導入及び保守を事業としており、ドイツのアルガイヤー社(ドイツ・フランクフルト証券取引所に上場中)が開発・販売しておりますBPMツールであるMetasonic Suiteの日本総代理店であります。
2.当社が平成28年12月28日に引受を行いましたパワードプロセスコンサルティング社発行の無担保転換社債型新株予約権付社債の実質価額が著しく低下したため、投資有価証券評価損201,099千円を計上しました。詳細は平成29年5月12日に適時開示いたしました「平成29年3月期通期業績予想値と実績との差異及び特別損失の計上に関するお知らせ」をご参照ください。
3.当社は「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、第16期におきまして、建物、工具、器具及び備品、ソフトウエアについて、特別損失として減損損失33,853千円を計上しました。詳細は、平成29年5月12日に適時開示いたしました「平成29年3月期通期業績予想値と実績との差異及び特別損失の計上に関するお知らせ」をご参照ください。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ336,930千円減少
し、760,950千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、110,369千円の支出(前年同期は118,988千円の獲得)となりました。主な要因としては、税引前当期純損失350,435千円に対し、資金の支出を伴わない減損損失33,853千円及び投資有価証券評価損204,163千円を加算調整したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、221,257千円の支出(前年度同期は174千円の獲得)となりました。主な要因としては、投資有価証券の取得による支出201,100千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、3,872千円の支出(前年同期は411,487千円の獲得)となりました。要因としては、割賦債務の返済による支出3,872千円によるものであります。
当社は生産実績が販売実績とほぼ同額となるため、記載は省略しております。
当社は受注実績が販売実績とほぼ同額となるため、記載は省略しております。
当事業年度の販売実績について、当社は単一セグメントとしておりますが、製商品及びサービス別分類ごとに示すと、下表のとおりであります。
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製商品及びサービス別分類の名称 |
販売額(千円) |
占有率 |
増減額(千円) |
増減率 |
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製品売上高 |
452,058 |
74.1% |
△361,904 |
△44.5% |
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アンチマルウェア及び業務管理関連 |
354,457 |
58.1% |
△347,145 |
△49.5% |
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業務管理サーバー |
97,600 |
16.0% |
△14,758 |
△13.1% |
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商品売上高 |
‐ |
‐ |
△13,262 |
△100.0% |
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Webデータベース関連 |
‐ |
‐ |
△13,262 |
△100.0% |
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保守売上高 |
141,412 |
23.2% |
10,837 |
8.3% |
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アンチマルウェア及び業務管理関連 |
86,347 |
14.2% |
19,017 |
28.2% |
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業務管理サーバー(注2) |
3,308 |
0.5% |
1,242 |
60.1% |
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Webデータベース関連(注3) |
51,756 |
8.5% |
△9,421 |
△15.4% |
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その他売上高 |
16,198 |
2.7% |
△6,432 |
△28.4% |
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Webデータベース関連(注4) |
771 |
0.1% |
△5,953 |
△88.5 |
|
|
その他 |
15,426 |
2.5% |
△478 |
△3.0% |
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売上高合計 |
609,669 |
100.0% |
△370,761 |
△37.8% |
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(注)1.Webデータベース関連商品に係る付随サービス(商品設置支援等)の売上であります。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
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相手先 |
前事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
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販売額(千円) |
割合(%) |
販売額(千円) |
割合(%) |
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株式会社No.1 |
200,900 |
20.5 |
- |
- |
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サクサ株式会社 |
129,866 |
13.2 |
- |
- |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当事業年度における株式会社No.1及びサクサ株式会社の販売実績の総販売実績に対する割合は10%未満であるため、記載を省略
しております。
企業は、業務の高度化・効率化を図るために企業内外システムをコンピューティングしており、また、様々なスマートデバイスの活用や仮想ネットワーク(クラウドなど)サービスの本格的な利用が拡大しております。このような情報通信技術の高度化及び普及に伴い、情報セキュリティリスクは、サイバー攻撃のように外部からの不正侵入、情報の窃取、改ざん、破棄、サービスの途絶のみではなく、内部ネットワークの関連者による機密情報や個人情報の漏洩など、多様・複雑かつ巧妙化しております。
このような中、当社は総合的なマルウェア対策及び業務管理を実現する多機能で導入コストが比較的低価格のソリューションを提供しており、中小規模事業者をメインターゲットとして展開しております。当社は、以下の課題に対処することにより、今後も持続的な成長を目指してまいります。
(1)市場ニーズ変化への対応
IT市場をめぐる環境は、技術面での日々の進歩が著しく、ソフトウェアおよびハードウェアでの商品の陳腐化のスピードが速まっております。また、コンピューターウィルスへの対策とともに、サイバー攻撃対策、企業内部情報のセキュリティ対策ニーズも多様化しております。当社は、優秀な技術者を採用・育成することにより、プログラムの開発及び既存製品へのサポート体制を強化し、顧客満足度の向上に取り組んでまいります。
(2)OA機器販売店の新規開拓
OA機器販売店の新規開拓は、当社にとって重要な経営課題であります。当事業年度においては、西日本地区のお客様への営業及び技術サポートを強化することを目的として、昨年4月に当社は大阪オフィスを新設しました。また、新たな販売チャネルとして、シュレッダー販社等を販売店として開拓しております。
翌事業年度においても、引続きOA機器販売店の新規開拓を図って参ります。その中でも、特に当社にとって手薄の地域である九州・四国地域のOA機器販売店を開拓していく予定であります。
(3)OEM関連事業における拡販
現状の当社の事業は、当社のOEM提供先である通信機器メーカー関連の売上に大きく依存しております。翌事業年度においても、通信機器メーカーへの拡販支援は引続き取り組むべき重要な課題だと考えております。
一方で、特定のOEM提供先に依存することによって生じるリスクを回避する観点で、新規のOEM提供先を開拓することも重要な課題であります。
当社の新規OEM供給先の開拓は佳境に入っており、翌事業年度中において、ある程度の成果が見込めます。
(4)新製品の開発
当社は、新製品の開発戦略として、「①マルウェア対策(注1)」「②業務ログ管理(注2)」「③早期データ回復(注3)」という「情報セキュリティ対策の3本柱」でお客様の業務を支えたいと考えております。
「①マルウェア対策」と「②業務ログ管理」に対応する製品をすでに開発・販売しておりますが、「③早期データ回復」に対応する製品は平成30年3月期中に発売できるように、現在当社内において鋭意開発中であります。
(注)1.マルウェアとは、コンピュータウィルスやワームなど、コンピュータやその利用者に被害を与えることを目的とする悪意あるソフトウェアの総称であります。情報セキュリティ対策としてはまず、マルウェアの対策を行う必要があります。マルウェア対策の主要製品として、当社は「Ahkun EX AntiMalwareシリーズ」を開発・販売しております。
2.情報漏洩の多くは内部犯人によるものであります。そのため、企業内のPCの使用状況を可視化し、PC業務を管理する必要があります。PC業務管理の主要製品として、平成28年5月に当社は従来の「Ahkun AutoDaily Server」の上位機種である「Ahkun PasoLog Server」を販売しております。
3.業務中の人的ミスを100%防ぐことはできません。そのため、万が一情報が漏洩した際に、情報の中身を盗み取られないようにデータを暗号化する必要があります。また、業務を早期に再開するためには、データを早期に復旧する必要があります。当社は、翌事業年度中にデータの暗号化及び早期復旧を可能とする製品を発売する予定であります。
(5)人材の育成
当社は、持続的な成長を実現するためには、顧客に対しより先進的なコンピュータセキュリティを提供し、より高い顧客満足度を追求する必要があります。そのため、新製品の開発を行う人材、また営業面での新規開拓に注力する人材等、各々の分野で活躍できる人材の育成に努めて更なる成長を図ってまいります。
今事業年度において、当社は社員のキャリアパス構築を踏まえ、研修制度及び給与制度等について、全面的な見直しを行い、新たな人事制度を導入しました。
翌事業年度において、新たな人事評価制度の導入・運営も行う予定であります。一連の人事制度の改革により、社員の労働意欲及び生産性の向上を図ってまいります。
(6)新規事業の開発
当社は、経営資源を中小規模事業者向けのセキュリティソフトウェア事業に集中させております。事業環境の変化等により、中小規模事業者向けの市場が縮小するような場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。この課題に対処するためには、新規事業の開発を行い、事業の多様化を図る必要があると当社は考えております。
その一環として、当社は、パワードプロセスコンサルティング株式会社発行の無担保転換社債型新株予約権付社債の引受を行い、同社との資本・業務提携を締結して、同社の持つ販路を活用しながら拡販活動を行うことと、同社と共同で新製品や新事業の開発を行うことを戦略方針として定めました。しかしながら、当事業年度において、当社が引受けた同社の社債に対して投資有価証券評価損を計上しました。当社は、今後も当該社債を継続保有し、同社の事業進捗と財政状態を把握することにより投資回収の最大化に努めてまいりますが、新製品や新事業の開発等の事業提携の内容につきましては、当社の既存事業への回帰集中の方針に基づき、同社と協議の上見直してまいります。
なお、今後も、長期的には、事業の多様化を図るため、新規事業の開発は必要であると考えておりますが、短期的には、当社の既存事業である情報セキュリティソリューションの開発販売事業に集中し、業績の回復に専念してまいります。
(7)情報管理や内部管理体制の強化
平成28年1月に発生しました情報漏洩事件について、当社は本年3月14日に総括報告書(注)を開示し、事件の進捗に関する最終報告を行いました。
本事件に係る一連の対応を貴重な教訓として、当社は個人情報を含む顧客情報の管理体制の強化を行うために、プライバシーマークの翌事業年度内の取得を目指して、現在準備を進めております。
当社は、今後も情報管理や内部管理体制の強化を努めて参ります。
(注)情報漏洩事件に係る総括報告書の詳細は、平成29年3月14日に適時開示いたしました「顧客情報(個人情報を含む)に関する恐喝未遂事件について(総括報告書)」をご参照ください。
以下において、当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、取りまとめております。また、必ずしもリスクと考えられない事項についても、当社の事業活動を説明する上で、投資者の判断基準になりうる事項については、積極的な情報開示を行っていく観点から記載しております。
当社は、リスク発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。そのため、将来発生しうる可能性があるすべてのリスク及び当社株式への投資に関するすべてのリスクを網羅したものではありません。
(1)特定販路への依存について
当社の販路は、主として「OA機器販売店」及び「OEM提供先である通信機器メーカー」の2つであります。
主要なOA機器販売代理店や通信機器メーカーの事業戦略、もしくは製品開発戦略の変更などにより、当社の製品の取扱方針が変更となった場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(2)技術革新について
当社の属する情報セキュリティ機器の業界においては、次々と新しいマルウェアの脅威が発生しているほか、技術革新のスピードが速く、スマートデバイスやクラウドへの対応を含めた利用者のニーズも常に変化しております。当社はこれらの変化に対応すべく、新技術の開発や新機能の追加等を実施するよう努めておりますが、新たなセキュリティの脅威やスマートデバイスやクラウドに対する対応が遅れた場合、または当社製品の代替製品が登場した場合等には、当社製品の競争力が弱くなり、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(3)人材の確保について
当社が事業を拡大及び継続するために、開発力の強化・技術ノウハウの蓄積は最重要課題となります。当社は、現在、人員増員の計画を進めておりますが、人員が確保できない場合は、当社の成長が鈍化する可能性があります。また、技術人員が競合他社に流出し、当社の技術ノウハウが漏洩した場合、当社の事業活動に支障が生じ、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)特定事業への依存について
当社は、経営資源を中小規模事業者向けのセキュリティソフトウェア事業に集中させております。事業環境の変化等により、中小規模事業者向けの市場が縮小するような場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。そのため、当社は収益の多様化を図る必要があります。
具体的には、マルウェア対策製品だけではなく、業務管理サーバーも積極的に展開を行う共に、新規事業の開発も行って参ります。
しかし、事業環境の変化等により、中小規模事業者向けの市場が縮小するような場合、もしくは新規事業の開発の進捗が遅れた場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(5)当社製品の導入ユーザーにおけるセキュリティ事故について
当社のアンチマルウェア製品においては900万種類以上のウイルスデータベースを活用するとともに、アドウェア、スパイウェア、ハイジャッカー、ハッキングツール、トラッキングツール、Hostsファイル、グレーツール等への対策を組込み、幅広いマルウェア対策を可能なものとしています。しかしながら、当社製品の導入ユーザーがサイバー攻撃等でセキュリティ事故を発生させた場合には、当社製品に対しての信用が低下する場合があります。そのような場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(6)システムリスクについて
当社の事業はインターネット環境において行われているため、IDC(インターネットデータセンター)を活用し、セキュリティレベルの高いネットワーク環境の構築に努めております。しかし、自然災害等の予期せぬ事象の発生により、IDCのサービスの停止やネットワークインフラが使用できないようになった場合は、当社の事業活動に支障が生じ、事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)訴訟リスクについて
本書提出日現在において、当社が当事者として関与している訴訟手続きはありません。しかし、今後当社の事業展開の中で、当社製品の導入企業がセキュリティ事故に遭遇し、製品の開発者である当社が起訴され敗訴した場合、または第三者の権利・利益を侵害したとして損害賠償等の訴訟その他の法的手続が行われ、その訴訟その他の法的手続の内容および結果、損害賠償の金額によっては、当社の事業展開に支障が生じ、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(8)情報漏洩リスクについて
当社事業において、ネットワークやセキュリティシステムに関するクライアントの機密情報や、当社内で使用する技術情報を中心とした機密情報を取扱う場合がございます。当社では従業員との間で機密保持の契約を締結しているとともに、運用体制の整備や従業員への教育を通じて機密情報の外部漏洩を厳しく管理しております。また、セキュリティ強化のための製品の導入や、外部の専門機関の支援を要請する等、各種対策を進めております。
しかしながら、これらの措置をとっていても、機密情報などを当社関係者が持ち出し流失した場合等において、当社の信用が失墜し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
平成28年1月12日に公表いたしました通り、当社の顧客情報(個人情報を含む)に関する恐喝未遂事件が発覚しましたが、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (7)情報管理や内部管理体制の強化」に記載の通り、当社は本年3月14日に総括報告書を開示し、事件の進捗に関する最終報告を行いました。
(9)知的財産権について
当社は運営事業に関わる知的財産権の適正な獲得に努めるとともに、第三者の知的財産権を侵害することがないよう顧問弁護士に相談する等の対策を施しております。しかし、当社が認識していない知的財産権が既に第三者に成立しており、これを侵害したことを理由として損害賠償請求や差止請求を受けた場合、または当社の事業領域において、第三者の特許が成立した場合等に、当社の事業展開に支障が生じ、事業および業績に影響を与える可能性があります。
(10)法規制について
当社が行う事業において、現在、法令等の規制はございませんが、法令等の改正や新たな規制が加わった場合などには、当社の製品またはサービスに関して制限等が強くなり、その対応に費用がかかる可能性があり、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。
(11)小規模組織であることについて
当社は、現在従業員数が33名(平成29年3月末現在)と小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものになっております。当社は今後の急速な事業拡大に応じて従業員の育成、人員の採用を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針であります。しかし、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)内部管理体制の強化について
当社は、企業価値の継続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、投資や事業提携・新製品の開発等の意思決定プロセスに関する基準の明確化など内部管理体制の整備に注力しております。しかし、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合等には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)特定の取引先への依存について
当社の製品に使用されるサーバー等の材料の供給元や、ウイルスデータの供給元については、安定した品質の確保や調達コストの観点より、少数の取引先に限った運営を行っております。使用されるサーバー等については、一般的な商品であり、またウイルスデータについても同水準のデータベースを提供可能な企業は複数存在するため、供給元の事情などにより供給元の変更が必要となった場合でも当社の事業継続に対するリスクは低いものと認識しておりますが、新規供給元との取引条件が、大幅に悪化する場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)競合について
インターネットセキュリティおよびデータセキュリティの製品販売を主力とする米国および欧州の企業は多くございますが、当社は1台でウイルスのみではなく、他の多数のマルウェアに対応したインターネットセキュリティにデータセキュリティ機能も付加させたアンチマルウェア製品を中心とした製品ラインアップにより、主に国内市場の中小企業向けに特化する形で業績を伸ばしてきました。しかし、情報セキュリティ業界での技術の日々の進歩は著しく、競合他社が当社に先駆けて新しい技術や手法により価格も含めより優位性の高い製品の開発・提供を行った場合や、当社の主要市場である中小企業向けマルウェア対策分野への参入企業が増えて価格競争が激化した場合等には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(15)配当政策について
当社は株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営上の重要な課題として位置付けております。当社は、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先し、創業以来配当を行っておりません。今後においても内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、一層の事業拡大を目指す方針であります。将来的には、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況を勘案しながら株主への利益の配当を検討する方針でありますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。
(16)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、会社法第236条、第238条および第239条の規定に従って、平成26年12月22日開催の臨時株主総会決議に基づき、当社役員、従業員に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しております。
これらの新株予約権が権利行使された場合は、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。また、当社では今後も新株予約権の付与を行う可能性があり、この場合さらに1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
平成29年5月31日現在、新株予約権による潜在株式数は261,200株であり、発行済株式総数4,400,000株の5.9%に相当しております。新株予約権の詳細については「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載の通りであります。
当社において、経営上の重要な契約と位置づけられるものは以下のとおりでございます。
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取引先名 |
契約の概要 |
契約の種類 |
契約期間 |
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㈱No.1 |
当社の各種製品並びに製品に関連するサービスを、㈱No.1が日本国内において販売することについて、基本的事項を取り決めた契約。 |
基本取引契約 |
平成24年5月1日 |
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サクサテクノ㈱ |
当社とサクサテクノ㈱間での資材の売買、製作加工、請負及びその他の取引に関する基本的事項を取り決めた契約。 |
取引基本契約 |
平成28年7月6日 |
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パワードプロセスコンサルティング㈱ |
当社によるパワードプロセスコンサルティング株式会社が発行する無担保転換社債型新株予約権付社債の引受及び業務の提携について取り決めた契約。 |
資本・業務提携契約 |
平成28年12月28日より3年間 |
当社が主たる業務としておりますインターネットセキュリティの分野は、IT技術が日々進展する中で、企業が採用しているコンピュータシステムに対する新たな脅威が発生しております。そのような状況下、顧客要望に応える形でのセキュリティシステムの整備はもちろんのこと、当社で蓄積された多くのデータに基づくセキュリティ対策製品の開発を心がけております。
その結果、当事業年度の研究開発費は、2,793千円となりました。
なお、今後の研究開発活動の方針については、以下のとおりであります。
1.これまで取り組んで参りましたPC対応型のセキュリティ製品の更なる進化に加え、近時急速に普及しておりま
すスマートデバイス対応やクラウドサービスの展開を行っていきたいと考えております。
2.Ahkun EX AntiMalwareシリーズの新製品として、「PCI DSSバージョン3.2 要件5(注)」に準拠し、特許取
得予定の未知ランサムウェア検知技術搭載の製品を開発して参ります。
(注)「PCI DSS」は加盟店やサービスプロバイダにおいて、クレジットカード会員データを安全に取り扱う事を目的として策定された、クレジットカード業界のセキュリティ基準です。バージョン3.2は最新バージョンになります。また、バージョン3.2は12個の要件によって構成され、要件5は「すべてのシステムをマルウェアから保護し、ウィルス対策ソフトウェアまたはプログラムを定期的に更新する」と定められています。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の業績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りのもつ不確実性により、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、IFRS(国際財務報告基準)の適用につきましては、国内外の情勢を考慮の上、適切に対応していく方針であります。
(2)財政状態の分析
(資産)
流動資産につきましては、前事業年度末に比べ319,226千円減少し、889,464千円となりました。これは主に、社債の引受及び売上高の減少により現金及び預金が336,930千円、売掛金が16,412千円減少した一方で、原材料及び貯蔵品が8,770千円増加したことによるものであります。
固定資産につきましては、前事業年度末に比べ35,995千円減少し、47,076千円となりました。これは主に、減損損失等により、建物、工具、器具及び備品、ソフトウエアが合わせて35,767千円減少したことによるものであります。
以上の結果、資産合計は、936,540千円となり、前事業年度末に比べ355,221千円減少いたしました。
(負債)
流動負債につきましては、前事業年度末に比べ10,164千円減少し、231,935千円となりました。これは主に、未払金が5,823千円、預り金が9,838千円減少した一方で、保守サービスの受注により前受金が11,864千円増加したことによるものであります。
固定負債につきましては、前事業年度末に比べ12,479千円増加し、333,014千円となりました。これは主に、一年を超える保守サービスの受注により長期前受金が17,924千円、退職給付引当金が3,700千円増加した一方で、長期未払金が7,292千円減少したことによるものであります。
以上の結果、負債合計は、564,950千円となり、前事業年度末に比べ2,315千円増加いたしました。
(純資産)
純資産につきましては、前事業年度末に比べ357,536千円減少し、371,590千円となりました。これは主に、売上高の減少及び投資有価証券評価損の計上により、当期純損失となったことによるものであります。
(3)経営成績の分析
(売上高)
売上高につきましては、前事業年度に比べ370,761千円減少し、609,669千円となりました。これは、アンチマルウェア製品及びWebデータベース関連商品を中心とする製品売上高及び商品売上高が合わせて375,166千円減少した一方で、アンチマルウェア及び業務管理関連製品を中心とする保守売上高が10,837千円増加したことが主な要因であります。
(売上原価)
売上原価につきましては、前事業年度に比べ152,169千円減少し、305,419千円となりました。これは、アンチマルウェア製品及びWebデータベース関連商品を中心とする製品売上高及び商品売上高が減少したことが主な要因であります。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費につきましては、前事業年度に比べ21,763千円増加し、414,962千円となりました。これは、役員増員の一方で役員報酬の減額(注)を実施したことにより役員報酬が3,567千円増加、内部管理体制を強化するための人員拡大により給与手当が16,199千円増加したことが主な要因であります。
(注)役員報酬の減額の詳細については、平成29年2月14日に当社が適時開示いたしました「通期業績予想の修正及び役員報酬の減額に関するお知らせ」をご参照ください。
(当期純利益)
当期純利益につきましては、357,685千円の当期純損失(前年同期は当期純利益71,195千円)となりました。これは、売上高が370,761千円減少したことに加え、特別損失(注)を238,017千円計上したことが主な原因であります。
(注)当社は、今事業年度において、特別損失238,017千円を計上しました。特別損失の詳細については、平成29年5月12日に適時開示いたしました「平成29年3月期通期業績予想値と実績との差異及び特別損失の計上に関するお知らせ」をご参照ください。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり、当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前事業年度末に比べ336,930千円減少し、760,950千円となりました。
これは、営業活動によるキャッシュ・フローが110,369千円の支出となったこと、投資活動によるキャッシュ・フローが221,257千円の支出となったことが主な要因であります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、組織体制、法的規制など様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があります。当社は、それらのリスクを低減及び回避するために常に市場ニーズにフォーカスするのみではなく、当業界に大きな影響を与える通信ネットワークやネットワーク関連製品など幅広い市場にフォーカスすることにより、中長期的な視野で競争力の高い事業・組織体制の強化を図り、リスク要因の低減に努めてまいります。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
当社が今後の事業を拡大し、より良い情報セキュリティソリューションを提供し続けるために、経営者は「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために経営者は、常に業界及び市場ニーズの変化に対する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。
(7)経営戦略の現状と見通し
当社はOA機器販売店を販売代理店として利用し、通信機器メーカーに対して当社製品のOEM提供を行っているため、当社の売上高及び各段階損益は、OA機器販売店及び通信機器メーカーの動向に大きく依存しております。
OA機器販売業界につきましては、長引く不況により、法人の設備投資の金額が大幅に減少していることに影響を受け、業界規模は縮小傾向になります。一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)が毎年発表している「事務機械出荷実績推移」によれば、2016年のOA機器の国内出荷額は3,619億円と、ピークであった2005年の6割程度までに減少しております。中長期的にも、クラウドの浸透やタブレット端末などのモバイル機器の普及、環境に配慮した紙資源節約傾向などにより、大幅な市場の活性化は見込めない状況であります。
通信機器(有線)業界につきましては、経済産業省が毎年発表している「工業統計(産業編)」によれば、1998年には2兆5,000億円を超えていた有線通信機械出荷額は、2012年以降では、7,000億円から8,000億円前後で推移しております。携帯電話を中心とした無線通信の普及により、各種有線機器のシェアが奪われたこと、交換機のデジタル回線への需要が一巡したことなどが、通信機器(有線)業界が低迷している要因だと考えられます。今後、中長期的に見ても、大幅な市場の活性化を期待するのは難しい状況であります。
OA機器販売業界及び通信機器(有線)業界の動向を踏まえますと、不透明な経営環境が続くと予想されます。
このような環境の中、翌事業年度(平成30年3月期)の業績見通しにつきましては、売上高586,012千円(前年同期比3.9%減)、営業利益△139,432千円(前年同期は△110,712千円)、経常利益△139,912千円(前年同期は△112,417千円)、当期純利益△139,012千円(前年同期は△357,685千円)を予想しております。
なお、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。実際の業績等に影響を与える可能性は限定できるものではありませんが、重要な要因として以下の事項が想定されます。
①OA機器販売店の新規開拓
OA機器販売店の新規開拓は、当社にとって重要な経営課題であります。当事業年度においては、全社一丸の努力により、シュレッダー販社等を販売代理店として開拓しております。翌事業年度においても、引続きOA機器販売店の新規開拓を図って参ります。その中でも、特に当社にとって手薄の地域である九州・四国地域のOA機器販売店を開拓していく予定であります。
OA機器販売店の新規開拓による明確な効果が得られる場合、翌事業年度における当社の業績の向上に寄与する可能性があると考えております。
②OEM関連事業における拡販
現状における当社の売上高及び各段階損益は、当社のOEM提供先である通信機器メーカー関連の売上に大きく依存しております。翌事業年度においても、通信機器メーカーへの拡販支援は引続き取り組むべき重要な課題だと考えております。一方で、特定のOEM提供先に依存することによって生じるリスクを回避する観点で、新規のOEM提供先を開拓することも重要な課題であります。当社の新規OEM供給先の開拓は佳境に入っており、翌事業年度中において、ある程度の成果が見込めます。
通信機器メーカーへの拡販支援及び新規OEM提供先の開拓による明確な効果が得られる場合、翌事業年度における当社の業績の向上に寄与する可能性があると考えております。
③新製品の開発・発売
当社は、新製品の開発戦略として、「①マルウェア対策(注1)」「②業務ログ管理(注2)」「③早期データ回復(注3)」という「情報セキュリティ対策の3本柱」でお客様の業務を支えたいと考えております。「①マルウェア対策」と「②業務ログ管理」に対応する製品をすでに開発・販売しておりますが、「③早期データ回復」に対応する製品は翌事業年度中に発売できるように、現在当社内において鋭意開発中であります。
翌事業年度中に当該製品を発売し、それによる明確な効果が得られる場合、翌事業年度における当社の業績の向上に寄与する可能性があると考えております。
④パワードプロセスコンサルティング株式会社との資本・業務提携
当社は、パワードプロセスコンサルティング株式会社と資本・業務提携を締結しておりますが、パワードプロセスコンサルティング株式会社発行の無担保転換社債型新株予約権付社債については、事業進捗の遅れ等から、投資有価証券評価損を計上いたしました。しかしながら、当社は今後も当該の社債を継続保有し、パワードプロセスコンサルティング株式会社の事業進捗と業績状況の把握に努めながら、新規販路の開拓、新製品及び新事業の開発等の業務提携を推進して参ります。
(注)1.マルウェアとは、コンピュータウィルスやワームなど、コンピュータやその利用者に被害を与えることを目的とする悪意あるソフトウェアの総称であります。情報セキュリティ対策としてはまず、マルウェアの対策を行う必要があります。マルウェア対策の主要製品として、当社は「Ahkun EX AntiMalwareシリーズ」を開発・販売しております。
2.情報漏洩の多くは内部犯によるものであります。そのため、企業内のPCの使用状況を可視化し、PC業務を管理する必要があります。PC業務管理の主要製品として、平成28年5月に当社は従来の「Ahkun AutoDaily Server」の上位機種である「Ahkun PasoLog Server」を発売しております
3.業務中の人的ミスを100%防ぐことはできません。そのため、万が一情報が漏洩した際に、情報の中身を盗み取られないようにデータを暗号化する必要があります。また、業務を早期に再開するためには、データを早期に復旧する必要があります。当社は、翌事業年度中にデータの暗号化及び早期復旧を可能とする製品を発売する予定であります。