第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「会いたいときに会いたい人に会える社会の実現」を企業理念として、不可逆に進む社会のオンライン化の先端で人と人とを結び付ける事業を展開しております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループでは、EBITDA及び営業利益の中長期的な成長を重視しております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 ソフトウェア産業からサービス産業へと構造変化したゲーム産業の中で、ゲーム運営に特化したゲームサービス業という新たな業態を確立するため「100タイトル100チーム10年空間」を目指して事業を行っております。また同時にスマートフォンゲーム領域のみにとどまらず、オンラインコミュニティの新たな領域を開拓し、「オンライン時代の100年企業」を目指しております。

 

(4) 対処すべき課題

① ゲームサービス事業における展開

 当社グループの事業領域である国内のスマートフォンゲーム市場は、2015年頃より成長期から成熟期へと移行しております。そのため、各ゲームメーカーはIPを活用したタイトルを創出するなどして成長を再加速させるための努力を続けておりますが、同時にスマートフォンゲームの高機能化が進行しており、開発費用の高騰や中国・韓国企業のパブリッシングタイトルの台頭もあり、競争は更に激化している状況となっております。

 このように成熟期に入ったスマートフォンゲーム市場では、資金調達力などの企業体力に限界のある小・中規模事業者の淘汰、規模や効率を追求する事業者間の合従連衡の動きなど業界構造の変化のスピードが更に速まることも考えられ、各ゲームメーカーが自ら運営するゲームタイトルを当社グループのようなゲームサービス事業者に移管するという流れは続くものと予想しております。

 当社グループとしましては、その環境を事業機会ととらえて社内体制の強化を図っております。具体的にはゲームの運営に特化した人員の採用・育成、及びゲームタイトルを再設計・バリューアップするための各種施策の積み上げなど、日々変化する環境下で課題解決を行っております。

 

② 新規事業・サービスへの積極的な取り組み

 当社グループは「コミュニティの永続発展」を会社のミッションとして掲げており、現在は最大のオンラインコミュニティ市場であるスマートフォンゲームを主軸の領域として事業を営んでおります。今後、第5世代通信規格(5G)の到来などにより社会のオンライン化がより一層進行することで、オンラインコミュニティの主流がスマートフォンゲーム領域から別の領域に変遷する可能性がありますが、当社グループはスマートフォンゲーム領域のみにとどまらず、オンラインコミュニティの新たな領域へも積極的に取り組み、「オンライン時代の100年企業」を目指します。

 

③ システム技術・インフラの強化

 当社グループでは、ゲームサービスをスマートフォン/タブレット端末を通じインターネット上で提供していることから、システムの安定的な稼働及び技術革新への対応が重要な課題と考えております。これに対し、当社グループではサーバー等のシステムインフラを安定的に稼働させるべく、継続的なインフラ基盤の強化及び専門的な人員の確保に努めるとともに、技術革新にも迅速に対応できる体制構築に努めてまいります。

 

 以上のようなシステム技術・インフラ強化を行ってまいりましたが、2018年3月1日から3月3日にかけて、当社グループが運営するゲームサービスの一部サーバーに対して断続的な不正アクセスが発生し、その結果、13タイトルに長時間メンテナンス等の影響が及んだインシデント(以下、「本インシデント」という)が発生いたしました。

 情報システムの停止による損失や顧客情報の漏洩・喪失による信頼の失墜などの情報セキュリティ上のリスクは、ゲームサービス事業を生業とする当社グループの存在そのものに多大な影響をもたらすものであると認識しており、そのため、情報セキュリティに対するリスクマネジメントは最重要な経営課題の一つと位置付けておりましたが、当社グループの急成長、急拡大に情報セキュリティに対するリスクマネジメント体制が追いついていなかったことが、今回のインシデントの根本的な原因であると考えております。詳細につきましては、2018年5月11日に公表いたしました「当社サーバーへの不正アクセスに関する最終報告についてのお知らせ」をご参照ください。

 当社グループは、ゲームサービス事業者としての責任を再認識した上で今回の事態を厳粛に受け止め、外部の専門家を含めた再発防止及び抜本的なセキュリティ対策を実行するプロジェクトを立ち上げ、実施しております。

 

④ 優秀な人材の確保と育成

 当社グループが継続的に企業価値を向上していくためには、高い専門性を有する優秀な人材の確保及び将来を担う人材の育成が経営上の重要な課題であると認識しております。そのため、職場環境の改善、福利厚生の充実及び採用活動の多様化に努めるとともに、企業認知度の向上に取り組み、人材の確保に力を入れております。

 一方で、採用においては優れた能力のみならず、当社グループの理念と企業文化を共有できる人材の選考を心がけており、社員同士が協力し合いながら生き生きと働ける組織作りを大切にしております。

 また、社内研修・教育制度を強化し、チーム・スタジオの枠を超えた積極的な交流を図り、知見とノウハウを可視化・伝播することで企業と共に成長していく人材育成システムの構築を目指しております。

 

⑤ 内部管理体制の強化

 当社グループが今後更なる業容拡大を図るためには、内部管理体制やコンプライアンスの実効性を高めながら各種業務の標準化と効率化の徹底を図ることにより事業基盤を確立させていかなければならないと認識しております。そのために当社グループでは、経営幹部の確認体制の下、全社に業務フローやコンプライアンス遵守を周知徹底させると同時に、日々改善を行うことで業務の効率化を図ってまいります。また、新規事業分野に潜在する各種リスクも勘案して内部管理体制及びコンプライアンス体制の充実と強化を図ってまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)事業環境について

 当社グループの事業領域である国内のスマートフォンゲーム市場では、2015年頃より成長期から成熟期へと移行しております。そのため、各ゲームメーカーはIPを活用したタイトルを創出するなどして成長を再加速させるための努力を続けておりますが、同時にスマートフォンゲームの高機能化が進行しており、開発費用の高騰や中国・韓国企業のパブリッシングタイトルの台頭もあり、競争は更に激化している状況となっております。

 このように成熟期に入ったスマートフォンゲーム市場では、資金調達力などの企業体力に限界のある小・中規模事業者の淘汰、規模や効率を追求する事業者間の合従連衡の動きなど業界構造の変化のスピードが更に速まることも考えられ、各ゲームメーカーが自ら運営するゲームタイトルを当社グループのようなゲームサービス事業者に移管するという流れは続くものと予想しておりますが、景気の大きな変動の影響を受けるなどして、スマートフォンゲーム市場の全体売上が大きく悪化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業に関するリスク

① 競合について

 当社グループは、ゲームサービス事業での競争力向上を目的としたゲームタイトル仕入れのため、事業買収や企業買収といったM&Aに注力しております。一方でゲームメーカーはスマートフォンゲーム市場が成熟化するにつれて新たなヒットタイトルを世に出す難度は高まりつつあり、今後は開発期間の長期化や開発金額が高騰している新規のゲームタイトル開発に比べると事業リスクの低いゲームサービス事業に他社が参入してくるリスクがあると考えております。

 当社グループでは実績を元に競争優位を築いてまいりますが、モバイル端末向けに類似サービスを提供する企業や新規参入者との競争が発生、または激化することにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 取引依存度の高い主要な取引先について

 当社グループのスマートフォンゲーム事業では、Google Inc.、Apple Inc.、グリー株式会社、株式会社ディー・エヌ・エー等のプラットフォームを介して利用者にサービス・コンテンツを提供しており、当該プラットフォームを運営する事業者への収益依存が大きくなっております。

 当社グループは、提携先との契約を遵守し、友好的な関係を維持するよう努めるとともに、特定の提携先に過度に依存しないよう、ポートフォリオのバランスを考慮した経営を心掛けております。しかしながら、提携先の方針又は事業戦略の変化によって、手数料料率の変更等何らかの要因により、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 技術革新への対応について

 当社グループが事業展開を行うスマートフォンゲーム業界においては、事業に関連する技術革新のスピードが速く、それに基づく新サービスの創出が相次いで行われております。当社グループは技術革新に伴う事業構造の変化に迅速に対応する強固な体制作りに努めておりますが、技術革新に関し予期せぬ事態が生じた場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

④ 新たなスマートフォンゲームの仕入による先行的投資について

 当社グループが事業を拡大していくにあたっては、新たなゲームタイトルを仕入れる際にゲームタイトルの運営を移管する作業を当社グループにて行う必要があることから、本格的に収益を計上するに至るまでに費用が先行して発生します。

 そのため、仕入れたスマートフォンゲームがもたらす収益が当初の想定を下回って推移する場合や、運営を当社グループに移管する作業への費用が想定以上に増加した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ スマートフォンゲームに係る資産の減損リスクについて

 当社グループは、積極的にゲームメーカーが企画・開発・リリースしたゲームタイトルを仕入れて、当社グループが運営することで業績を拡大しております。今後、仕入れたゲームタイトルの収益性が低下する等して、ゲームタイトルに係る当社保有資産の減損処理が必要となった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 新規事業について

 「コミュニティの永続発展」を会社のミッションとしている当社グループでは、新たなコミュニティ領域における新規事業の創出に持続的に取り組んでいきたいと考えております。新サービス・新規事業の創出を目的として、既存事業に加えて追加的な人件費、システム投資、広告宣伝費等の支出が発生し、利益率を低下させる可能性があります。また、新サービス・新規事業を開始した際には、そのサービスや事業固有のリスク要因が新たに加わると共に、予測とは異なる状況が発生して計画どおりに展開が進まない場合、その投資回収ができず、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)組織体制に関するリスク

① 特定経営者への依存について

 当社代表取締役社長上原 仁は当社の創業者であり、設立以来、当社グループの経営戦略、事業戦略において極めて重要な役割を果たしております。当社グループは、経営体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の構築に努めておりますが、何らかの理由により、同氏が業務執行できなくなった場合、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材の確保、育成について

 当社グループの事業モデルは、運営タイトル数が増えれば増えるほど、データ・ネットワークが蓄積し、運営タイトルが生んだ利益がまたゲームタイトルの仕入れ原資になるという成長ループを描いております。そのような中、今後事業拡大や企業運営を円滑に遂行していく上で、優秀な人材を確保することが極めて重要であり、エージェントを活用した採用活動と自社社員紹介によるダイレクトリクルーティングの仕組みにより優秀な人材確保のための採用活動を継続的に行うとともに、社内人材の育成のために社内外での研修や勉強会の開催等の施策を行っております。

 しかしながら、必要な人材を適切な時期に確保できない場合、または社内の有能な人材が流出した場合には、経常的な業務運営や事業展開に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 内部管理体制について

 当社は、2006年6月に設立され、社歴が浅く成長途上にあるため、今後更なる事業拡大に対応する上で必要な経験などが十分に蓄積されていないと考えております。当社は、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。

 しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ コンピューターシステムや通信ネットワークについて

 当社グループの事業は、スマートフォンを始めとしたモバイル端末のコンピューターシステムを結ぶ通信ネットワークにより、利用者にサービスを提供しております。システムの安定的な稼働を図るためにサーバーの分散化・定期的バックアップ・稼働状況の監視等により、システムトラブルの事前防止又は回避に努めております。しかしながら、不慮の事故により通信ネットワークが遮断された場合には、当社グループの事業及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの運営する各スマートフォンゲームへのアクセスの急激な増加によるサーバーへの過重な負荷や、電力供給の停止等予測不可能な様々な要因によって、システムが作動不能に陥った場合、やむなくサービスの提供を停止する可能性があります。この結果、当社グループの業績及びサービスのブランドイメージに影響を及ぼす可能性があります。

 

 以上のような事業等のリスクを認識した上でその対策を行ってまいりましたが、2018年3月1日から3月3日にかけて、当社グループが運営するゲームサービスの一部サーバーに対して断続的な不正アクセスが発生し、その結果、13タイトルに長時間メンテナンス等の影響が及んだインシデント(以下、「本インシデント」という)が発生いたしました。

 情報システムの停止による損失や顧客情報の漏洩・喪失による信頼の失墜などの情報セキュリティ上のリスクは、ゲームサービス事業を生業とする当社グループの存在そのものに多大な影響をもたらすものであると認識しております。そのため、情報セキュリティに対するリスクマネジメントは最重要な経営課題の一つと位置付けておりましたが、当社グループの急成長、急拡大に情報セキュリティに対するリスクマネジメント体制が追いついていなかったことが、今回のインシデントの根本的な原因であると考えております。詳細につきましては、2018年5月11日に公表いたしました「当社サーバーへの不正アクセスに関する最終報告についてのお知らせ」をご参照ください。

 当社グループは、ゲームサービス事業者としての責任を再認識した上で今回の事態を厳粛に受け止め、外部の専門家を含めた再発防止及び抜本的なセキュリティ対策を実行するプロジェクトを立ち上げ、実施しております。

 

(4)コンプライアンスに関するリスク

① 法的規制について

 当社グループが運営するゲームサービス事業において、ユーザーの個人情報に関し「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。加えて、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」では、他人のID、パスワードの無断使用の禁止等が定められております。さらに、「特定商取引に関する法律」及び「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」により、一定の広告・宣伝メールの送信にあたっては、法定事項の表示義務等を負う場合があります。また、スマートフォンゲーム等における一部の課金方法がユーザーの過度の射幸心を煽るとして特定の課金方法に対しては「不当景品類及び不当表示防止法」に違反するとの見解が2012年7月に消費者庁より示されております。なお、コンテンツ制作等を外注している場合があり、それらの取引の一部は「下請代金支払遅延等防止法」(下請法)の適用対象となります。

 当社グループはスマートフォンゲーム事業の領域に適用される法令を遵守し、インターネットやスマートフォンを介した情報漏洩・情報の不正取得・ウイルス感染防止に関する取組みを強化しております。しかしながら、法的規制や業界の自主規制の状況や内容によっては、今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 また、社会情勢等により、新たな法規制の制定、法解釈の変更がなされ、将来において当社グループが提供するコンテンツやサービスが法的規制に抵触することとなった場合、当社グループの業績及び企業イメージに影響を及ぼす可能性があります。

 

② リアル・マネー・トレード(RMT)に関するリスクについて

 現在、スマートフォンゲーム業界においてはリアル・マネー・トレードが一部のユーザーにより行われております。当社グループでは、利用規約でリアル・マネー・トレードの禁止を表記しており、またオークションサイト等の監視も実施しております。しかしながら、当社グループが提供するゲームに関し大規模なリアル・マネー・トレードが発生する等、不測の事態が生じた場合には当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

※リアル・マネー・トレードとは、ユーザー間でゲーム内のキャラクター、アイテム、ゲーム内通貨等を現実の通貨で売買することをいいます。

 

③ 知的財産権について

 当社グループは、サービス名称について積極的に商標登録の取得に努めるとともに、第三者の知的財産権を侵害しないよう十分な注意を払っております。また、当社グループが提供するサービスにおいて、当社グループが所有する知的財産権を第三者に使用許諾する場合や、第三者の所有する知的財産権の使用許諾を受ける場合があり、その場合は使用許諾契約の締結等による管理体制を強化しております。

 しかしながら、知的財産権の範囲が不明確であることや契約条件の解釈の齟齬等により、当社グループが認識の外で第三者の知的財産権を侵害した場合、第三者から知的財産権侵害の訴訟、使用差止請求等を受ける可能性があります。その結果、解決までに多額の費用と時間がかかり、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 個人情報の管理について

 当社グループは、当社グループが提供するサービスやコンテンツの利用者の個人情報を取得する場合があります。当社では、個人情報の外部漏洩・改ざん等の防止のため、個人情報の取扱いに際し、「個人情報の保護に関する法律」に従い厳正な管理を行っております。

 しかしながら、コンピューターウィルス、不正侵入や故意又は過失により、個人情報の漏洩や不正使用等のトラブルが発生した場合、当社への損害賠償請求や当社に対する信用の低下及び企業イメージの悪化等により、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ サービスの安全性及び健全性について

 当社グループのゲームサービス事業で提供するゲームタイトルでは、不特定多数の個人利用者が、利用者間において独自にコミュニケーションを取ることができます。当社グループは青少年保護、健全性維持・向上のため、利用規約において不適切な利用の禁止を明示すると共に、モニタリングを常時行い、規約違反者に対しては、改善の要請や退会の措置を講じる等の対応を行うことで、サービスの安全性及び健全性の確保に努めております。

 しかしながら、ゲームタイトルの利用者が急速に拡大し、利用者のゲームタイトル内における行為を完全に把握することが困難となり、利用者の不適切な行為に起因するトラブルが生じた場合には、利用規約の内容にかかわらず、当社グループが法的責任を問われる可能性があります。また、法的責任を問われない場合においても、ゲームタイトルのブランドイメージの悪化等により当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループが提供するゲームタイトルの一部には、性的表現が含まれるものがあります。当社グループでは、ゲームタイトルを配信する前に各プラットフォーム運営事業者の基準や当社の基準に照らし合わせ、表現の健全性を確保するように努めております。

 当社グループは事業の拡大に伴い、ゲームタイトルや各種サービスの安全性及び健全性の維持・向上のために必要な対策を講じていく方針でありますが、これに伴うシステム対応や体制強化の遅延等が生じた場合や、不適切行為への対応のために計画外、あるいは想定以上の費用が発生した場合には、当社グループの業績及び企業イメージに影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 訴訟等について

 当社グループは、法令遵守を基本としたコンプライアンスの推進により、法令違反等の根絶に努めております。しかしながら、当社グループの役員、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、各種サービス利用者、取引先、その他第三者との予期せぬトラブル、訴訟等の発生及び前述の知的財産権、個人情報、各種サービスの安全性及び健全性についても訴訟のリスクがあるものと考えております。

 かかる訴訟の内容や結果によっては、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、多大な訴訟対応費用の発生や企業イメージの悪化により、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)新株予約権の行使による株式の希薄化に関するリスク

 当社グループは長期的な企業価値向上のため、役員及び従業員に対しインセンティブとして新株予約権(以下、「ストック・オプション」といいます。)を付与しております。今後におきましても、優秀な役員及び従業員を確保するために、インセンティブとしてストック・オプションを付与する可能性があります。なお、これらストック・オプションが行使された場合、発行済株式総数が増加し、既存株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

 

(6)配当政策について

 当社グループは現在成長過程にあり、内部留保の充実が重要であると考え、会社設立以来配当は実施しておりません。当社は株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しておりますが、内部留保の充実を図り、収益力強化や事業基盤整備のための投資に充当することにより、なお一層の事業拡大を目指すことが、将来において安定的かつ継続的な利益還元に繋がるものと考えております。

 将来的には各期の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案したうえで株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその時期等については未定であります。

 

(7)自然災害等に関するリスク

 地震、台風、津波等の自然災害、感染症の拡大、国際紛争等が発生した場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループのサービス展開地域において大規模な自然災害等が発生した場合には、サービスの提供を一時的に停止する可能性があります。また設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生した場合、及び各種災害や国際紛争等による物的、人的損害が甚大である場合には、事業の継続自体が困難となる可能性があります。このような事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、底堅い内外需を背景に緩やかな景気の回復傾向が継続しており、雇用情勢の改善や設備投資の増加なども改善が見られております。一方で、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動等の影響により、先行きは不透明な状況が続いております。

 このような環境下、当社グループが事業を営む国内スマートフォンゲームの市場規模は、2019年度予想が11,397億円(前年比伸び率105.3%)、2018年度予想が10,815億円(前年比102.2%)、2017年度は10,580億円(同109.1%)、2016年度は9,690億円(同104.3%)というように、緩やかに成長しているものの成熟市場となっております(ファミ通ゲーム白書)。

 当社グループは、ゲームメーカーが制作したスマートフォンゲームを買取や協業により仕入れ、独自のノウハウでバリューアップした後に長期運営を行うゲームサービス事業を営んでおります。成熟期に入ったスマートフォンゲーム市場では、中国・韓国企業パブリッシングタイトルのシェアが年々増加、資金調達力などの企業体力に限界のある小・中規模事業者の淘汰、事業者間の合従連衡の動きなど業界構造の変化のスピードが更に速まることも考えられ、当社グループの市場機会は今後更に拡大していくものと思われます。

 当連結会計年度においては、プロフィットシェアスキームを積極的に活用し、9タイトルの仕入(第4四半期会計期間では1タイトル)を行いました。また、6タイトルのエンディング(同会計期間では2タイトル)と契約終了に伴う2タイトルの運営終了(同会計期間なし)、1タイトル(同会計期間なし)の協業からのスキーム変更を行いました結果、当連結会計年度末の全運営タイトル数は37タイトルとなっております。

 また、2018年3月1日に当社グループが運営するゲームサービスの一部サーバーに対する不正アクセスが発生し、13タイトルに長時間メンテナンス等の影響が及んだこと等により第2四半期連結累計期間において業績に大きな影響を与えましたが、2018年7月26日をもってサービス停止した13タイトル全てのゲームが再開し、インシデント発生以前の状態まで収益が回復しております。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は12,133,898千円(前期比1.5%増)、営業利益は17,108千円(前期比97.2%減)、経常損失は29,092千円(前期は経常利益550,214千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は3,257,497千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益12,585千円)となっております。

 なお、当連結会計年度末における当社グループはゲームサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。

 

 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べて1,610,885千円減少し、6,884,926千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加(前連結会計年度末比758,932千円の増加)などがあった一方で、のれんの減少(前連結会計年度末比1,028,573千円の減少)、長期繰延税金資産の減少(前連結会計年度末比712,682千円の減少)などがあったことによるものであります。

 当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べて1,581,965千円増加し、3,236,175千円となりました。これは主に、社債の増加(前連結会計年度末比1,383,250千円の増加)、1年内償還済予定の社債の増加(前連結会計年度末比744,500千円の増加)があった一方で、1年内返済予定の長期借入金の減少(前連結会計年度末比497,886千円の減少)、長期借入金の減少(前連結会計年度末比116,006千円の減少)などがあったことによるものであります。

 当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて3,192,851千円減少し、3,648,750千円となりました。これは主に、利益剰余金の減少(前連結会計年度末比3,257,497千円の減少)などがあったことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ758,932千円増加し、3,051,001千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、1,225,503千円となりました。これは主に、減損損失1,756,434千円、減価償却費562,600千円、のれん償却額374,063千円などの増加要因があった一方で、税金等調整前当期純損失1,999,060千円などの減少要因があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果使用した資金は、1,937,009千円となりました。主な支出要因は、子会社株式の取得による支出1,442,000千円、長期前払費用の取得による支出450,979千円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は、1,470,438千円となりました。これは主に、社債発行による収入2,415,134千円などの増加要因があった一方で、長期借入金の返済による支出613,892千円などの減少要因があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社グループは受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当社グループは、ゲームサービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

前年同期比(%)

ゲームサービス事業(千円)

12,133,898

101.5

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

当連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Apple Inc.

3,077,675

22.2

2,514,531

20.7

グリー株式会社

822,115

5.9

2,143,208

17.7

Google Inc.

2,519,016

18.2

2,093,431

17.3

株式会社ディー・エヌ・エー

2,800,515

20.2

1,502,594

12.4

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の売上高は12,133,898千円(前期比1.5%増)となりました。売上高の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 当連結会計年度の売上原価は7,429,232千円(前期比0.7%増)となりました。売上原価の主な内容は、外注費、プラットフォーム手数料、事業の業務に伴う人件費及びスマートフォンゲームの償却費などであり、売上高の増加に伴って増加しております。

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は4,687,557千円(前期比18.1%増)となりました。主な内容は、人件費、賃借料及びのれん償却額などであります。

 当連結会計年度の営業外収益は、4,715千円(前期比208.3%増)となりました。

 当連結会計年度の営業外費用は、50,916千円(前期比18.7%減)となりました。主な内容は、支払利息、社債利息及び社債発行費であります。

 当連結会計年度の特別利益は、1,650千円(前期は発生なし)となりました。

 当連結会計年度の特別損失は、1,971,618千円(前期比614.9%増)となりました。主な内容は、スマートフォンゲーム等に係る減損損失及びサーバー不正アクセス対策損失の発生であります。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループは、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、スマートフォンゲーム市場の変化、他社との競合、プラットフォーム運営事業者や業務提携先との関係、技術革新への対応度合い、特定経営者への依存、人材の確保育成、ネットワーク災害、コンプライアンスと内部管理体制、知的財産権、個人情報管理、サービスの安全性及び健全性等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社グループは、優秀な人材の採用、セキュリティ対策、新規事業の開拓、魅力ある新たなゲームタイトルの仕入や業務提携及びゲームメーカー又はその事業のM&A等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。

 

(3)経営者の問題意識と今後の方針について

 当社グループの経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。

 そのために、当社グループの知名度の向上と新規のユーザーの獲得、ゲームメーカーとの関係強化と新たなゲームタイトルの仕入、提供するサービスの安全性とサイト内の健全性の確保、システムの安定的な稼働、新技術への対応、組織体制の整備等を行ってまいります。

 

(4)経営戦略の現状と見通し

 当社グループは創業以来「会いたいときに会いたい人に会える社会の実現」を企業理念として、不可逆に進む社会のオンライン化の先端で人と人とを結び付ける事業を展開しております。

 社会のオンライン化に伴い、人々が所属するコミュニティも次第にオンライン空間に移行しております。オンライン上のコミュニティは、利益が出ない等の運営主体の都合により終了するため、個人の空間の突然の喪失が増加しております。そのため、当社グループは「コミュニティの永続発展」というミッションを掲げ、オンライン時代の居場所の喪失という課題解決を通じ、全ての人がいつでも大切な人と繋がれる社会を作っております。

 現在は、最大のオンラインコミュニティ市場であるスマートフォンゲームを主軸の領域として、運営に特化したゲームサービス事業を営んでおります。国内最大数のゲーム運営で蓄積したビッグデータに基づくノウハウやAI基盤を活用することで、ユーザーの皆さまが長く、ワクワク楽しめる「10年空間」の実現を目指しております。

 今後社会のオンライン化の進展に伴って訪れるビジネス機会においても、当社グループがゲームサービス事業で培ってきたコミュニティ運営のノウハウやデータベースを活用した新たなサービスの開発によって参入障壁を築き、独自の領域を切り拓くことで、「オンライン時代の100年企業」を目指してまいります

 

4【経営上の重要な契約等】

(1) スマートフォン又はタブレット端末向けプラットフォーム運営事業者との規約

相手方の名称

契約の名称

契約内容

契約期間

Google Inc.

Google Playマーケットデベロッパー販売/配布契約書

Android搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

契約期間は定められておりません。

Apple Inc.

Developer Program License Agreement

iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

1年間(1年毎の自動更新)

 

(2) 取得による企業結合

 当社は、2018年2月22日開催の取締役会において、株式会社GMGの全株式を取得し子会社化することを決議し、2018年4月2日付で同社の全株式を取得いたしました。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(3) 共通支配下の取引等

 当社は、2018年2月14日開催の取締役会において、当社100%出資の連結子会社である株式会社マイネットゲームスを吸収合併存続会社、株式会社マイネットエンターテイメント、株式会社マイティゲームス及び株式会社S&Mゲームスを吸収合併消滅会社とする吸収合併契約を決議し、2018年4月1日付で合併いたしました。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

 当社は、2019年2月26日開催の取締役会において、当社100%出資の連結子会社である株式会社マイネットゲームスを吸収合併存続会社、株式会社GMGを吸収合併消滅会社とする吸収合併契約を決議いたしました。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象等)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。