本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載が無い限り、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、以下の経営理念体系をグループ経営の基本とし、企業活動をしていくうえでの拠りどころと位置づけています。
<経営理念>
お客さまに信頼され、地域にとってなくてはならない金融グループとして、
① お客さまの豊かな人生、事業の発展に貢献します。
② 地域社会の持続的な発展に貢献します。
③ 従業員が誇りを持って働ける魅力ある会社であり続けます。
④ 持続的に成長し、企業価値を向上させます。
<長期的にめざす姿>
地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー
<すべての役職員が共有すべき価値観・行動指針>
「信頼と信用」 地域・お客さま・株主・従業員との信頼関係の維持・強化を大切にする。
「お客さま本位」 常にお客さまファーストに基づき行動する。
「変革と挑戦」 経済・社会の変化に対して常に変革マインドを持ち、失敗を恐れず挑戦する。
「誇り」 確固たる矜持を持って常にベストを尽くす。
(2) 経営環境
2022年度のわが国経済を振り返りますと、資源価格の高騰や円安による原材料価格の上昇などの影響を受けながらも、総じてみれば景気は緩やかに回復しました。輸出については、部品の供給制約の影響が和らぐもとで、増加基調をたどったものの、年度後半には、海外経済の減速などを受けて、増勢が鈍りました。国内では、資源高や円安の影響などによる物価の大幅な上昇が、家計の購買力を下押ししましたが、新型コロナウイルス感染症の影響が弱まる中で、経済活動の正常化が進み、個人消費が持ち直し基調で推移しました。特に秋口以降は、「全国旅行支援」の効果などで、旅行や外食などのサービス消費が堅調に推移しました。
金融面では、日本銀行が「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みを維持したため、短期金利は概ねマイナス圏内で推移しました。一方、長期金利は、米欧の長期金利が上昇する中で、12月中旬まで日本銀行の許容変動幅「±0.25%程度」の上限付近で推移しました。その後、12月下旬に日本銀行が許容変動幅を「±0.5%程度」に拡大したため、長期金利は0.5%程度まで上昇しました。しかし、3月になると、米欧の金融システム不安が高まり、主要国で安全資産である国債に資金が向かったため、日本の長期金利は年度末にかけて0.25%程度まで低下する局面もありました。
(3) 中期経営計画の概要と目標指標の進捗
当社グループは、長期的にめざす姿である「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」の実現に向け、2022年度からの3年間を計画期間とする中期経営計画に取り組んでいます。2022年度は、中期経営計画の初年度として、中期経営計画で掲げた3つの基本テーマにもとづく重点戦略の実行に迅速かつ着実に取り組みました。その結果、中期経営計画で掲げる目標指標の達成に向け業績は着実に進捗しました。
●中期経営計画の概要

●目標指標の進捗

(注)1 ROE(連結)=親会社株主に帰属する当期純利益÷株主資本(期首・期末平均残高)
2 OHR(連結)=経費÷業務粗利益
3 普通株式等Tier1比率=普通株式等Tier1÷リスクアセット
4 2019~2021年度については、バーゼルⅢ最終化前における実績値。2022年度実績、中計目標および長期的にめざすレベルについては、バーゼルⅢ最終化・完全実施ベース(その他有価証券評価益を除く)。2022年度実績は試算値。
(4) 会社の対処すべき課題
欧米各国の金融引締めの長期化等による世界的な景気後退の懸念が増す中で、国内経済においても、円安や資源高の影響などにより物価上昇が進み、金融政策の軌道修正を契機とした金利先高観が台頭しているほか、新型コロナウイルス感染症対応のゼロゼロ融資の返済が本格化するなど、当社グループを取り巻く経済環境の不確実性は高まっています。
こうした不確実性の高まる経営環境のもとで、中期経営計画の達成に向けて優先的に対処すべき重要課題は「収益力の向上」「人的資本投資の強化」「地域社会の持続的な発展への取り組み」の3点と考えており、各課題に対しては以下のとおり取り組みます。
<収益力の向上>
有価証券ポートフォリオの再構築による健全化に取り組み、持続的で安定的な有価証券運用収益の確保に向けた基盤強化を進めるとともに、不確実性の高まる経済・社会環境のもとで地域のお客さまが直面するリスクと機会に真摯に向き合い、最適なソリューションを提供することで、ソリューションビジネスを主体に前年度を上回る力強い本業の収益力を実現していきます。
<人的資本投資の強化>
「グループ人財ポリシー」および「グループ人財戦略」にもとづき、成長意欲・挑戦意欲を大切にする「人づくり」、多様な人財がいきいきと活躍できる「組織づくり」、個々のWell-beingを起点にした「環境づくり」の三位一体による人的資本投資の強化に取り組むなど、ソリューションビジネスの基盤強化につながる成長投資をおこないます。
<地域社会の持続的な発展への取り組み>
地域のあらゆるお客さまに対する金融仲介機能をさらに発揮し、活力ある地域社会の持続的発展への貢献という地域金融機関としての使命と役割を従来以上に果たすとともに、グループの中長期的な企業価値向上をめざすことを目的として、同じ神奈川県を主たる営業地盤とする神奈川銀行との経営統合に向けた株式公開買付を実施し、2023年4月27日に当社の子会社である横浜銀行の連結子会社としました。
神奈川銀行との経営統合を円滑に進め、神奈川県内における取引基盤の深化をはかるなど、主たる営業地盤とする神奈川県・東京都を中心に金融仲介機能をさらに発揮していくとともに、気候変動対策など、環境・社会問題に対するサステナビリティ戦略の具現化を進め、地域社会の持続的な発展に取り組んでいきます。
中期経営計画の2年度目となる2023年度は、こうした優先的に対処すべき重要課題への対応をはかりつつ、3つの基本テーマにもとづく重点戦略をさらに推し進めることにより、「ソリューション・カンパニー」の実現に向け、着実にステップアップしてまいります。
そして、中期経営計画にもとづく成長戦略の実行と変革の加速・成果の具現化を相乗的に推し進め、着実に利益成長をはかることで、本中期経営計画の目標指標であるROE6%程度を実現するとともに、長期的にめざす水準である7%程度を早期に達成し、さらなる向上に取り組むことで当社グループの企業価値を高めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティに関する取り組み
② 戦略
環境・社会問題が深刻化し、サステナビリティをめぐるさまざまな課題が顕在化しつつあるなかで、当社グループは、地域社会のサステナビリティに関する全社的な基本方針として、「経営理念にもとづき、持続的な企業価値の向上を実現し、本業を通じて社会的課題を解決するとともに、地域の一員として地域貢献活動に取り組むことにより、社会の持続的な発展に貢献していく」とのグループサステナビリティ方針を掲げております。
当社グループは、こうしたサステナビリティ関連の方針にもとづく具体的な取り組みを推し進めるために、地域社会のサステナビリティをめぐる諸課題について、ステークホルダーにおける重要度と当社グループにおける優先度の観点から検証・議論し、取締役会における審議を経て、マテリアリティ(優先的に解決すべき重要課題)として特定しております。具体的には、「地球温暖化・気候変動対策」、「地域企業の持続的成長のサポート」、「地域経済の活性化」、「人生100年時代の暮らしのサポート」、「DX(金融デジタライゼーション)の推進」および「働き方改革・ダイバーシティの推進」の6つのマテリアリティを特定しており、これらのマテリアリティにもとづいたリスクや機会を事業戦略に反映して事業を推進するとともに、ステークホルダーの皆さまとの価値協創を通して、地域社会の持続的な発展と当社グループの持続的な成長を実現していくことで、「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」をめざしております。
③ リスク管理
リスク管理の内容については
④ 指標及び目標
全社的なサステナビリティの取り組みを強化するために、6つのマテリアリティに対応した中期経営計画におけるKPIに加え、2030年度までを目標期間とした「サステナビリティ長期KPI」を設定しております。
気候変動に関する指標及び目標については
(2) 気候変動
① ガバナンス
当社グループは「地球温暖化・気候変動対策」をマテリアリティ(優先的に解決すべき重要課題)の1つと認識しており、グループサステナビリティ委員会において気候変動に関する取組方針や取組の進捗状況を定期的に審議し、取締役会へ報告しております。詳細については、
② 戦略
気候変動は人々の生活や事業活動の基盤である地球環境自体の変化であり、自然災害の激甚化や異常気象など、地域や企業の持続的な発展を脅かすようなさまざまな影響が顕在化しつつあるなかで、脱炭素社会への移行に向けた動きが急速に進んでおります。
脱炭素社会へ移行する過程において、カーボンニュートラルの実現に向けた各国の政策・規制の強化や気候変動を緩和するための技術革新、気候変動問題への関心度の高まりによる消費者・投資家の価値観の変化など、経済・社会環境には大きな変化が見込まれておりますが、こうした変化は当社グループにリスクと機会をもたらすものと認識しており、その両面から気候変動に伴う脱炭素社会への移行が事業に及ぼす影響を検証するとともに、それらのリスクと機会に対処すべく、気候変動への対応に係る戦略の策定および実行をはかっております。
リスク
当社グループは、気候変動に関するリスクとして、脱炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)と自然災害の激甚化や異常気象などに伴う物理的な被害が生じるリスク(物理的リスク)の2つのリスクがあり、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿ったリスクの把握・評価に取り組んでおります。移行リスクおよび物理的リスクの具体的な内容は以下のとおりであります。
■シナリオ分析の実施と結果
TCFDの提言にもとづく一定のシナリオのもとで、移行リスクおよび物理的リスクについてシナリオ分析を実施しており、2022年度に実施した分析結果は、以下のとおりであります。引き続き、対象セクターの拡大やシナリオ分析の高度化等に取り組んでいきます。
※最新の分析結果については、2023年7月に当社ウェブサイト
(URL https://www.concordia-fg.jp/shareholder/ir/disclosure/index.html)において公表予定の
機会
気候変動に伴い脱炭素社会へ移行する過程において、経済・社会環境の変化が及ぼす事業への影響(移行リスク)や、自然災害の激甚化や異常気象が及ぼす事業への影響(物理的リスク)により、お客さまの事業価値等に毀損等が生じる場合には、お客さまとの取引関係を通じて当社グループの事業にも影響を及ぼすと認識しております。こうした認識から、当社グループは、お客さまの本業支援の取り組みの一環として、エンゲージメントを通じてお客さまの気候変動への対応を積極的に支援することで、お客さまの事業基盤が強化されることにより、当社グループ自身の成長機会や経営の安定等につながるものと考えております。
こうした考え方にもとづく主な取組状況は以下のとおりであります。
■お客さまとのエンゲージメントの強化とお客さまの取り組みフェーズに応じた最適なソリューションの提供
当社グループは、中小企業のお客さまをはじめ、サプライチェーンの上流に位置する上場会社や地域の中核となる企業のお客さまなど、さまざまなお客さまとの取引関係を有しており、こうしたお客さまとのエンゲージメントを通じて移行リスクや物理的リスクの低減や成長機会拡大のための課題を共有したうえで、お客さまの課題解決に資するソリューションラインアップの充実をはかるとともに、お客さまごとの取り組みフェーズに応じた最適なソリューションを提供していくことが重要と認識しております。お客さまの取り組みフェーズに応じた支援体制と主なソリューションラインアップは以下のとおりであります。

■投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロに向けた取り組み
日本では2050年のカーボンニュートラルの実現を目標として掲げ、企業や産業の脱炭素化の推進がはかられていますが、こうした目標の実現に向けて、当社グループは金融機関として、投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量ネットゼロの実現を通じて貢献していくことができると認識しております。
このような認識のもとで、2022年度には、投融資ポートフォリオのGHG排出量の計測・開示に係る取り組みを進める国際イニシアティブPCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)に加盟するとともに、当社としては初めて、PCAFの定める基準にもとづき、事業貸出を中心に投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量(※)を算定しました。
こうした算定結果を踏まえ、お客さまのGHG排出量削減を支援するためのアクションプランを策定しました。炭素強度が高い「電力」、「石炭」および「石油・ガス」セクターを「GHG排出量削減の目標設定セクター」として選定し、これらのセクターのGHG排出量削減の中間目標設定を検討するとともに、個社ごとのきめ細かいエンゲージメントを通じてGHG排出量削減に向けた取り組みを支援していきます。また、中小企業をはじめとしたサプライチェーンの裾野の広い「自動車・部品」セクターを「エンゲージメント重点セクター」として選定し、サプライチェーンへの影響度が高いお客さまからエンゲージメントを進め、GHG排出量の可視化、削減に向けた目標設定および削減のための取り組みを支援していきます。
※投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量に関する詳細な情報については、2023年7月に当社ウェブサイト(URL https://www.concordia-fg.jp/shareholder/ir/disclosure/index.html)において公表予定の
③ リスク管理
当社グループの経営に重要な影響を及ぼす可能性があるリスクイベント(リスク事象)について、その影響度と蓋然性にもとづきリスクイベントの重要度を判定し、最も注意すべきと認識したリスクイベントを「トップリスク」として取締役会で選定しております。「トップリスク」については、KRI(Key Risk Indicator)を設定し、モニタリングを継続的におこなうことにより予兆の把握に努め、リスクが顕在化した場合には、機動的に対応できるよう態勢を整備しております。気候変動に関するリスクについては、「脱炭素社会への移行」(移行リスク)、「大規模な自然災害の発生」(物理的リスク)をトップリスクとして認識しております。
また、当社グループは、環境・社会に対する負の影響を助長する可能性が高い資金使途の投融資への取り組みについて、「セクターポリシー」を制定し、セクター横断的に投融資を禁止する事業、セクター横断的に投融資に留意が必要な事業を定めるとともに、石炭火力発電や炭鉱採掘などの特定セクターについて取組方針を定めることで、環境・社会への負の影響を低減・回避するよう努めております。本セクターポリシーはグループサステナビリティ委員会にて定期的に見直し要否を協議するほか、自社の事業活動や外部環境の変化等に応じて、随時見直しております。
④ 指標及び目標
■サステナブルファイナンス・環境分野ファイナンス
気候変動への対応をはじめとした、お客さまが抱える環境・社会課題に向けたソリューションを強化し、地域のお客さまの持続的な成長に貢献していくために、サステナビリティ長期KPIとして、サステナブルファイナンス、環境分野ファイナンスの実行額(累計)目標を設定しております。
当社グループはサステナブルファイナンス実行額(累計)目標(2030年度までに2兆円)を2022年度中に達成したため、「2030年度までにサステナブルファイナンス実行額4兆円(+2兆円)、うち環境分野ファイナンス2兆円(+1兆円)」と目標を引き上げました。
※横浜銀行、東日本銀行の合算
■自らの事業活動におけるGHG排出量ネットゼロに向けた取り組み
※算定対象は、横浜銀行、東日本銀行(いずれも国内有人店舗および無人出張所、ATMを含む)であります。
※2022年度の実績については、2023年7月に当社ウェブサイト
(URL https://www.concordia-fg.jp/shareholder/ir/disclosure/index.html)において公表予定の
(3) 人的資本
① 戦略
当社グループは、従業員を価値創造の源泉である「人的資本」と位置づけており、「多様な人財」を有するという強みを磨くことで経済価値および社会価値の創造をめざしております。また、当社グループにとって、従業員は重要な「ステークホルダー」であり、経営理念では「従業員が誇りを持って働ける魅力ある会社」であり続けることを掲げております。
こうした考えのもと、当社グループにおける人的資本の価値向上を目的とした基本方針である「グループ人財ポリシー」を制定するとともに、経営戦略と連動し、中長期的にめざす人財ポートフォリオの構築に向けた「グループ人財戦略」を策定しました。なお、策定にあたっては、経営会議にて協議・決議をおこない、取締役会へ報告をしております。
<グループ人財ポリシー>
基本的な考え方
当社グループでは、従業員は経営理念の実現に不可欠で大切な「人財」であり、価値創造の源泉となる「資本」であるとの認識のもと、「人財」へ積極的に投資し、その価値を持続的に高めていくことで、地域社会の持続的な発展とともに当社自身の持続的な成長につなげていきます。
経済・社会環境の激しい変化に柔軟に対応しつつ、多様化・高度化する地域社会・お客さまのニーズに対するソリューション提供能力を高めていくために、従業員一人ひとりの成長意欲に応えるフィールド・機会を積極的に提供することで、常に変革に向けて挑戦し続ける人財を育むとともに、さまざまなバックグラウンドや専門性を有する多様性に富んだ人財ポートフォリオを構築します。
多様な価値観やライフスタイルを持つ従業員一人ひとりのWell-beingを高め、その持てる能力を最大限に発揮することができるよう、安心して働ける職場環境の整備と、活力ある組織風土の醸成をはかることで、組織全体の生産性向上につなげるとともに、当社内外の人財にとって魅力あふれる組織であり続けます。
求める人財
地域社会・お客さまへの価値提供に強い誇りと自覚を持つとともに、常に変革マインドを持ち挑戦し続ける人財。
上記「グループ人財ポリシー」にもとづき2023年4月に策定した「グループ人財戦略」では、2027年度までを計画期間とし、『成長意欲・挑戦意欲を大切にする「人づくり」』、『多様な人財がいきいきと活躍できる「組織づくり」』、『個々のWell-beingを起点にした「環境づくり」』の3つの基本テーマのもと、それぞれのテーマに紐づく主要施策を策定し、取り組んでおります。
基本テーマの1つ目である『成長意欲・挑戦意欲を大切にする「人づくり」』では、ソリューション提供スキルの高度化・担い手の拡大に向け、教育態勢や資格取得支援を強化するほか、市場・国際部門やIT・デジタル部門といった専門性の高い人財を育成するため、計画的な人事ローテーションなどに取り組んでおります。また、担当者それぞれがめざすキャリアの実現に向けて新たな職務に挑戦できる機会としてリスキリングも含めた公募制度を拡大するほか、サクセッションプランにもとづいた次世代経営人財の育成にも取り組んでおります。
基本テーマの2つ目である『多様な人財がいきいきと活躍できる「組織づくり」』では、多様な人財の確保に向け、新卒採用において、学生に対する情報発信や接点の拡大といった採用活動の強化のほか、入社予定者の希望と実際の配属部署とのミスマッチを抑制するためのコミュニケーションを強化しております。キャリア採用についても、アルムナイネットワークの活用、リファラル採用の強化など採用ルートの多様化などを進めております。また、めざす人財ポートフォリオの構築に向けて、タレントマネジメントの高度化を進め、担当者のスキルの可視化による適材適所の人財配置をおこなっております。さらに、ワーク・ライフ・バランスを実現させるための産育休復職支援プログラムなどの各種制度を拡充するなどのDEIのさらなる推進、セカンドキャリアの構築の支援にも取り組み、当社グループで働く誰もが活躍できるよう取り組んでおります。
基本テーマの3つ目である『個々のWell-beingを起点にした「環境づくり」』では、公平公正な評価・処遇を徹底するよう、マネジメント層に対する部下の評価実施に関する教育を強化するほか、1on1ミーティングを通じたコミュニケーションを密におこなうことにより、仕事のやりがいと成長を感じながら、モチベーションを高く持ち働くことができる職場環境を整備しております。さらに、従業員が心身ともに健康で安心して働けるよう、健康経営の実践の強化にとどまらず、人権への意識向上など心理的安全性の高い健全な職場を作っていくことに加え、従業員の金融リテラシー向上をはじめとしたファイナンシャルウェルネスの向上にも取り組んでおります。
こうした諸施策の実施により、「営業人員割合:60%程度への引き上げ」、「一人あたりソリューション収益:2021年度比10%増加」、「会社の総合的魅力(従業員意識調査):2021年度比向上」を実現させ、その結果として、当社グループの長期的にめざす姿である「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」の実現をめざしております。
<グループ人財戦略 概要>

② 指標及び目標
上記「①戦略」に関する主な指標及び目標は以下のとおりであります。
※横浜銀行、東日本銀行の合算
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の適切な対応に努めてまいります。
なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載が無い限り、当連結会計年度の末日現在において当社が判断したものであります。
■ リスク管理態勢の概要
当社はグループ全体のリスクを統合的に管理し、グループ各社はリスクの統括部署およびリスクカテゴリーごとにリスク管理部署を設置し、リスクを管理しています。
具体的には、グループ各社は、そのリスクプロファイルに応じた適切なリスク管理をおこなったうえで、リスクの状況について当社に報告し、当社は、その報告を受けてグループ各社に対し必要な指導をおこなうとともに、「ALM(Asset Liability Management)・リスク管理会議(役員などで構成する経営会議)」を設置して各種リスクおよび当社グループ全体のリスクについてモニタリングし、対応を協議・決定しています。

(2023年6月22日現在)
また当社グループでは、以下の基本方針のもとでリスク管理をおこなっています。
・当社グループは、景気変動などの悪影響を最小限にとどめ、地域から信頼される金融グループとして安定・継続して金融サービスを提供していくため、適切なリスク管理をおこないます。
・グループ全体のリスクを可能な限り統合的に識別、評価、モニタリング、コントロールすることにより経営の健全性を確保し、経営資源の適切な配分を通じてリスクに見合った安定収益の確保をはかります。
・客観性を確保し、リスク間の相互作用を考慮するため、各種リスクを計量化し、統合的な管理に努めます。
(1)中長期的な視点から事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク(経営方針・経営戦略等との関連性のあるリスク)
① 他の金融機関・他の業態との競合について
当社グループは、神奈川県および東京都という成長性の高いマーケットのなかで確固たる営業基盤を築いておりますが、他の金融機関が当社グループの営業地盤において今後さらに積極的な営業展開を進めることや、デジタル技術の進展によって利便性の高いシステム基盤を持つFinTech企業等が新たに参入することにより競合が生じた場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
② 業務範囲の拡大に伴うリスク
当社グループは、既存の事業およびサービスを拡大させる過程で、それらの事業およびサービスに影響を及ぼす、規制の不利な変更、競争激化または営業環境の悪化等、新たな、またはさらなるリスクにさらされる可能性があります。それらのリスクの一部は、当社グループが全く経験したことのない、または限られた経験しかない種類のリスクである可能性があります。当該リスクが当社グループの予想しない方法または程度で具体化した場合、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
③ ビジネス戦略が奏功しないリスク
当社グループの戦略的な取り組み・施策の実施は成功しない可能性があり、または成功したとしても、当該取り組み・施策の実施は、市場機会の発展が予想より遅い、当初想定されていたほど当該取り組みに将来性がない、または当該商品およびサービスの収益性が競争圧力によって損なわれる等の場合、期待された効果を発揮できず、当社グループの業務運営や業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
④ 金利の低下が進むリスク
当社グループの収益は、預貸金資金収益に大きく依存します。預貸金業務にかかる円金利については、景気、競合、様々な政府機関や規制当局の方針、特に日本銀行の政策といった、当社グループの支配の及ばない多くの要因により左右されます。景気の悪化等により、追加的な金融緩和が実施された場合、預金金利以上に貸出金利が低下することにより、預貸金資金収益が低下し、当社グループの業務運営や業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
⑤ 気候変動に関するリスク
脱炭素社会への移行にともなう事業の座礁資産化や、異常気象によって深刻化する自然災害による建物の毀損や業務中断が、当社グループの取引先の事業や財務状況、担保物件に影響を及ぼし、与信関係費用の増加を通じて当社グループの業績、財政状態に影響を与える可能性があります。また、自然災害の発生により当社グループの本支店が被災し損害が発生する可能性があります。
当社グループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、TCFDに沿ったリスクの把握・評価や情報開示の拡充に取り組んでおりますが、気候変動に関するリスクへの取り組みや情報開示が不十分であった場合又はそのように見做された場合などには、当社グループの業務運営や業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
⑥ 当社グループの経営統合に関するリスク
当社の子会社である横浜銀行は、2023年4月に株式公開買付けを通じて神奈川銀行と経営統合しました。本経営統合を通じて、同じ神奈川県を主たる営業地盤とする両行が一体となり、地域のあらゆるお客さまに対する金融仲介機能をさらに発揮することで、活力ある地域社会の持続的発展への貢献という地域金融機関としての使命と役割を従来以上に果たすとともに、グループの中長期的な企業価値向上をめざしております。
しかしながら、当社および当社グループにおける業務面での協調体制の強化や経営資源の相互活用が奏功せず、シナジー効果が十分に発揮できない場合や、経営統合に伴う経営インフラの整備等により、想定外の追加費用が発生する場合などにより、当初期待した経営統合効果を十分に発揮できない可能性があります。その結果、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)短期的な視点から事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク
① 信用リスク
イ 不良債権の状況
国内外の景気動向、不動産・株式市場を含む金融経済環境の変化および貸出先の経営状況等が変動した場合には、当社グループの業績、財政状態に影響を与える可能性があります。また、予想損失率を上回る貸倒れが発生した場合、または、当社グループの自己査定結果と関係当局の検査・考査における査定結果が異なり、追加的な引当てを実施する必要が生じる場合には、当社グループの業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
こういった事態を未然に防止するため、当社グループでは、厳格な自己査定の実施にもとづく不良債権処理の徹底や、与信集中リスクの管理に努めています。
ロ 中小企業等に対する貸出金について
当社グループは地域の中小企業・個人向け貸出金の増強に継続して取り組んでいることから、中小企業・個人向け貸出の比率は高い水準となっております。中小企業・個人向け貸出については、中小企業の業績や担保不動産の価格、個人の家計の動向等が大きく変動した場合には、当社グループの業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
ハ 特定の取引先等への高い依存度
当社グループの貸出ポートフォリオのなかで不動産業に対する貸出金残高が占める割合は、他の業種に比べて高くなっております。今後、不動産業の経営環境が悪化した場合は、当社グループの業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
こういった事態を未然に防止するため、業種別で与信残高に一定の協議ポイントを設定することに加え、不動産向け融資については、定期的なモニタリングをおこなっております。
ニ 地域経済の動向
当社グループは首都圏を主要な営業地盤としていることから、地域経済が悪化した場合は、業容の拡大がはかれないほか、信用リスクが増加するなど、当社グループの業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
② 市場リスク
当社グループは、預貸金業務のほか、市場業務として債券、投資信託、デリバティブ商品等の相場変動を伴う金融商品に対して投資活動をおこなっております。金利、外国為替、債券および株式市場において想定を超える変動が生じた場合は、当社グループの業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
こういった事態を未然に防止するため、商品・リスク種類ごとのVaR(想定最大損失額)に基づく市場リスク量に対し、限度額や協議ポイントを設定し、適切な管理に努めています。
③ 流動性リスク
当社グループや金融業界一般に対して否定的な内容の報道がなされた場合や、国内の他の金融機関の信用が著しく悪化しリスクプレミアムが生じた場合、外部環境の変化により外貨調達コストが上昇した場合等、当社グループの資金・資本調達や財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、資金繰りの適切な管理のため、運用・調達のギャップなどにリスクリミットを設定し、定期的にモニタリングをおこなっています。
④ 退職給付債務に関するリスク
年金資産の運用利回りが低下した場合や、割引率等予定給付債務計算の前提となる年金数理上の前提・仮定に変更があった場合などには、退職給付債務が増加することにより、将来期間において認識される費用および計上される債務が変動し、当社グループの財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤ 自己資本比率規制に関するリスク
当社グループは、海外営業拠点を有しているため、連結自己資本比率を「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第20号)」に定められた国際統一基準における所要水準以上に維持する必要があります。
今後、金融庁告示の改正等により、算出基準が変更され、これにより、資本金、利益剰余金、保有有価証券の評価差損等の増減、劣後債務の増減およびリスク・アセットの額等が変動した場合には、当社グループの自己資本比率に影響を与える可能性があります。
また、当社グループの自己資本比率が、資本バッファーを含め要求される水準を下回った場合、金融庁から配当等社外流出の制限や業務の全部又は一部の停止を含む様々な命令を受ける可能性があります。その場合、業務が制限されること等により、取引先に対して十分なサービスを提供することが困難となり、その結果、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループの経営の健全性を確保し、経営方針や経営計画を着実に実行していくことができるよう、当社グループ全体の自己資本水準の適切な管理に努めています。
⑥ 流動性規制に関するリスク
当社グループの流動性カバレッジ比率や安定調達比率は最低水準を上回っておりますが、今後、算出基準等に何らかの変更があった場合、適格流動資産の額や資金流出額等の変動によって当社グループの流動性カバレッジ比率が低下したり、利用可能な安定調達額や所要安定調達額の変動によって安定調達比率が低下したりするなど、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、規制遵守を確実にするため、流動性カバレッジ比率、および安定調達比率のガイドラインを設定し、常時ガイドラインを維持するように努めています。
⑦ 繰延税金資産に関するリスク
当社グループは、繰延税金資産を現時点の会計基準にもとづき計上しております。今後、会計基準に何らかの変更があり、繰延税金資産の計上に何らかの制限が課された場合、あるいは繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断され、当社グループの繰延税金資産が減額された場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
⑧ 格付低下のリスク
外部格付機関による当社の格付が引き下げとなり、当社グループの資本・資金調達の取引条件の悪化、もしくは取引そのものが制限される場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
⑨ 固定資産の減損に関するリスク
当社グループが保有する固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」にもとづき会計処理をおこなっております。当社グループが保有する固定資産の使用目的の変更、収益性の低下および時価の下落などにより評価減が発生した場合には、当社グループの業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)業務およびその他に関するリスク
① 情報漏洩リスク
当社グループは、お客さまに関するデータの漏洩、不正、悪用等がないよう最大限の努力を払っておりますが、万一そのようなことがおこった場合には、当社グループのレピュテーショナルリスクが顕在化する可能性があります。またお客さまの経済的・精神的損害に対する賠償など直接的な損害が発生した場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、情報管理に関する規程・体制等の整備、役職員に対する教育を行うことで、情報管理の厳正化に努めています。
② コンプライアンスに係るリスク
役職員が法令諸規則等を遵守しなかった場合には、行政処分や賠償など直接的な損害の発生等により、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、各種法令諸規則が遵守されるよう、役職員に対するコンプライアンスの徹底をおこなっております。
③ 金融犯罪に係るリスク
キャッシュカードの偽造・盗難や特殊詐欺などの高度化する金融犯罪の発生により、被害に遭われたお客さまに対し多額の補償をおこなう場合、ならびに未然防止の対策に多額の費用が必要となる場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、こうした状況を踏まえ、金融犯罪による被害発生を未然に防止するため、セキュリティ強化に取り組んでおります。
④ 各種の規制および法制度等
イ マネー・ローンダリング対策不備による制裁のリスク
当社グループが、マネー・ローンダリングに関する法令および規則を遵守できない場合、課徴金命令や業務改善命令等の行政処分を受けることが考えられます。また、これらにより当社グループのレピュテーショナルリスクが顕在化し、顧客やマーケット等の信頼を失った場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループでは、公共性の高い金融機関として公平・公正な社会の維持に寄与するため、国内外の法令諸規則を遵守する態勢整備と、継続的な顧客管理や取引モニタリングを通じて、マネー・ローンダリング・テロ資金供与防止対策に取り組んでおります。
ロ テロ支援国家との取引に係るリスク
本邦を含む各国当局は、経済制裁対象国や特定の団体・個人等との取引を制限しております。また、米国政府は、イラン制裁関連法制等により、米国以外の法人、個人に対しても、イラン等の指定団体や指定金融機関との取引等を規制しております。そのため、当社グループがおこなった事業が法規制に抵触し、関連当局より行政処分等を受けた場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループでは、これらの規制を遵守するための態勢を整備しております。
ハ 新たな法令の実施、既存法令の変更のリスク
当社グループ、その事業および役職員には、その事業活動に適用される一般的な法律、規制および会計規則が適用されます。また、一般的にバーゼルⅢとして知られる国際的な規制の枠組みのみならず、自己資本比率規制を含む日本の銀行法等、金融機関に適用される様々な法律、規制、慣例および政策も適用されます。当社グループ、その事業および従業員に適用される法令が、当社グループが意図する事業活動を制限されるような方法等によって、新たに実施されもしくは変更された場合、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤ 重要な訴訟事件等の発生に伴うリスク
当社グループが、業務遂行の過程で損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償が必要となった場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
⑥ 人財確保に係るリスク
当社グループは、日頃より有能な人財の確保や育成等に努めておりますが、十分な人財を確保・育成ができず競争力や効率性が低下した場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
⑦ システムに係るリスク
当社グループは、預金、為替、融資などの業務を行う勘定系システムをはじめ、様々なコンピュータシステムを使用しております。これらのシステムにおいて過失、事故、ハッキング、コンピュータウィルスの発生、システムの新規開発・更新等により重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営や業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループは、保有する情報とコンピュータシステムを適切に保護するため、「セキュリティポリシー」「セキュリティスタンダード」「システムリスク管理規程」を定め、システムリスクに対する体制を整備しています。オンラインシステムに関しては、万一、システム障害が発生した場合に備えて、コンピュータ機器・回線の二重化や危機管理に対する訓練を実施し、早期回復をおこなえるよう努めるとともに、大規模地震などの災害に備え、オンラインシステムのバックアップセンターを設置しています。またサイバー攻撃などへの対応を目的として当社にサイバーディフェンスセンターを設置しております。
⑧ 外部的事象に起因するリスク
当社グループの本店、支店、コンピュータネットワーク接続基地およびその他の施設は、当社グループの支配の及ばない、テロ行為、その他の政治的・社会的紛争、感染症および外部的事象に起因するその他の障害のみならず、地震や気候変動にともなう台風、洪水等の自然災害による損害のリスクがあります。金融市場をはじめとした日本経済の重要な機能が集中する首都圏において上記の事態が発生した場合には、株価・国債価格が下落し、取引先の倒産や延滞が増加する等、首都圏(日本)経済に大打撃を及ぼす可能性があり、またバックアップセンターの設置等、当社グループが策定する危機管理計画の実施を含む当社グループの営業再開努力が、これらの事象に起因する業務上の重大な障害を予防するのに有効でない場合、当社グループの業務運営や業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
(4)トップリスク
当社グループの経営に重要な影響を及ぼす可能性があるリスクイベント(リスク事象)について、その影響度と蓋然性にもとづきリスクイベントの重要度を判定し、最も注意すべきと認識したリスクイベントを「トップリスク」として取締役会で選定しております。「トップリスク」については、KRI(Key Risk Indicator)を設定し、モニタリングを継続的におこなうことにより予兆の把握に努め、リスクが顕在化した場合には、機動的に対応できるよう態勢を整備しております。
2023年3月開催の取締役会にて選定した「トップリスク」は次の通りであります。
・国内外における外部環境要因による企業の業況悪化
・金融政策の変更
・不動産業種の業況大幅悪化、倒産
・特定大口取引先の業況大幅悪化、倒産
・中国リスクの顕在化
・デジタル化の進展と他業態との競争激化
・サイバー攻撃による大規模な損害
・システム障害による大規模な損害
・大規模な自然災害の発生
・脱炭素社会への移行
・マネロン対策不備による制裁
(注)上記は認識しているリスクの一部であり、上記以外のリスクによっても経営上、特に重大な悪影響が生ずる可能性があります。
(1)当社グループの状況
連結粗利益は、ソリューション営業の強化により役務取引等利益が増加したものの、外債損切を実施したことによりその他業務利益が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ 48億92百万円減少し、2,164億36百万円となりました。営業経費は、預金保険料率の引き下げなどにより、前連結会計年度に比べ 55億91百万円減少し、1,255億40百万円となりました。与信関係費用は、前連結会計年度の貸倒引当金取崩しの反動などにより、前連結会計年度に比べ 44億11百万円増加し、135億89百万円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ 23億87百万円減少し、798億70百万円となりましたが、特別損益の増加などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ 22億78百万円増加し、561億59百万円となりました。
総資産は、前連結会計年度末に比べ 1兆6,687億60百万円増加し、25兆7,295億52百万円となり、純資産は、前連結会計年度末に比べ 33億70百万円減少し、1兆1,612億55百万円となりました。預金は前連結会計年度末に比べ 3,957億29百万円増加し、19兆4,417億21百万円、貸出金は前連結会計年度末に比べ 7,531億28百万円増加し、15兆7,502億99百万円、有価証券は前連結会計年度末に比べ 1,500億25百万円増加し、2兆8,683億36百万円となりました。
(注)連結粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+信託報酬+(役務取引等収益-役務取引等費用)+(特定取引収益-特定取引費用)+(その他業務収益-その他業務費用)
(参考)
(中期経営計画 目標指標)
(注)1 ROE(連結)=親会社株主に帰属する当期純利益÷株主資本(期首・期末平均残高)
2 OHR(連結)=営業経費÷連結粗利益
3 普通株式等Tier1比率(連結)=普通株式等Tier1÷リスクアセット
4 普通株式等Tier1比率(連結)の2022年度実績および中期経営計画目標については、バーゼルⅢ最終化・完全実施ベース(その他有価証券評価益を除く)。2022年度実績は試算値。
(2)横浜銀行(単体)の状況
銀行の本業の実力を示す指標である「コア業務純益(除く投資信託解約損益)」(※)は、前事業年度比 78億円増加の 908億円となりました。
(主な増減要因)
・国内預貸金利息:貸出金平残の増加により前事業年度比 33億円増加
・国内役務取引等利益:ソリューション営業の強化により前事業年度比 8億円増加
・経費(△):預金保険料率の引き下げなどにより前事業年度比 38億円減少
主要勘定の当事業年度末残高は、預金が前事業年度末に比べ 5,158億31百万円増加し、17兆8,342億62百万円、貸出金が前事業年度末に比べ 7,115億81百万円増加し、14兆1,659億74百万円となりました。
(※)コア業務純益(除く投資信託解約損益)= 実質業務純益 - 国債等債券関係損益 - 投資信託解約損益
(3)東日本銀行(単体)の状況
コア業務純益(除く投資信託解約損益)は、前事業年度比 23億円増加の 85億円となりました。
(主な増減要因)
・国内役務取引等利益:ソリューション営業の強化により前事業年度比 11億円増加
・経費(△):業務効率化・合理化により前事業年度比 13億円減少
主要勘定の当事業年度末残高は、預金が前事業年度末に比べ 1,273億42百万円減少し、1兆6,731億77百万円、貸出金が前事業年度末に比べ 418億12百万円増加し、1兆6,643億59百万円となりました。


(4)新型コロナウイルス感染症による影響
新型コロナウイルス感染症により、個人消費の低迷や生産活動の停滞等の影響を受け貸出先の業績悪化が入手可能な直近の情報による想定を超えた場合には、予想損失額を上回る貸倒等の損失が発生する可能性があります。
(収支等の状況)
① 国内・海外別収支
当連結会計年度の資金運用収支は、前連結会計年度比 11億1百万円増加の 1,678億14百万円、信託報酬は、前連結会計年度比 14百万円増加の 2億66百万円、役務取引等収支は、前連結会計年度比 24億82百万円増加の 561億54百万円、特定取引収支は、前連結会計年度比 19億11百万円減少の 13億2百万円、その他業務収支は、前連結会計年度比 65億77百万円減少の △91億1百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、連結子会社の海外店であります。
3 「相殺消去額」には内部取引金額等を表示しております。
当連結会計年度の資金運用勘定の平均残高は、前連結会計年度比 8,888億37百万円増加の 18兆4,180億33百万円となりました。受取利息は、前連結会計年度比 249億38百万円増加の 1,970億61百万円となり、この結果、利回りは前連結会計年度比 0.08%上昇の 1.06%となりました。
一方、資金調達勘定の平均残高は、前連結会計年度比 1兆8,284億7百万円増加の 22兆8,860億16百万円となりました。支払利息は、前連結会計年度比 238億38百万円増加の 292億47百万円となり、この結果、利回りは前連結会計年度比 0.10%上昇の 0.12%となりました。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内」とは、当社及び連結子会社(海外店を除く)であります。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を控除して表示しております。
(注) 1 「海外」とは、連結子会社の海外店であります。
2 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を控除して表示しております。
(注) 1 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を控除して表示しております。
2 「相殺消去額」には内部取引金額等を表示しております。
当連結会計年度の役務取引等収益は、前連結会計年度比 19億99百万円増加の 706億70百万円となりました。
また、役務取引等費用は、前連結会計年度比 4億83百万円減少の 145億15百万円となりました。
この結果、役務取引等収支は、前連結会計年度比 24億82百万円増加の 561億54百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、連結子会社の海外店であります。
3 「相殺消去額」には内部取引金額等を表示しております。
当連結会計年度の特定取引収益は、前連結会計年度比 19億1百万円減少の 13億17百万円となりました。
一方、特定取引費用は、前連結会計年度比 11百万円増加の 15百万円となりました。
この結果、特定取引収支は、前連結会計年度比 19億11百万円減少の 13億2百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、連結子会社の海外店であります。
3 「相殺消去額」には内部取引金額等を表示しております。
当連結会計年度末の特定取引資産は、前連結会計年度末比 16億42百万円減少の 32億66百万円となりました。
一方、特定取引負債は、前連結会計年度末比 19百万円増加の 52百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、連結子会社の海外店であります。
3 「相殺消去額」には内部取引金額等を表示しております。
(注) 1 「国内」とは、当社及び連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、連結子会社の海外店であります。
3 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
4 定期性預金=定期預金+定期積金
5 「相殺消去額」には内部取引金額等を表示しております。
(注) 1 「国内」とは、当社及び連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、連結子会社の海外店であります。
「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の外国政府等の債権残高を掲げることとしておりますが、前連結会計年度末及び当連結会計年度末のいずれも該当ありません。
(注) 1 「国内」とは、当社及び連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、連結子会社の海外店であります。
3 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
4 「相殺消去額」には、当社及び子会社間の資本連結等に伴い相殺消去した金額を記載しております。
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、株式会社横浜銀行1社であります。
イ 信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表)
(注)共同信託他社管理財産については、取扱残高はありません。
ロ 元本補填契約のある信託の運用/受入状況(末残)
営業活動によるキャッシュ・フローは、コールマネー等や預金の増加などにより、9,655億40百万円の収入(前連結会計年度は 1兆2,472億89百万円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得などにより、1,480億46百万円の支出(前連結会計年度は 2,187億50百万円の収入)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや劣後特約付社債の償還などにより、569億34百万円の支出(前連結会計年度は 439億12百万円の支出)となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、期中 7,605億66百万円増加して 6兆2,569億41百万円となりました。
なお、ビジネス領域の強化・拡大のための戦略的投資やお客さまの利便性向上に向けたIT・デジタル投資、株主還元等は自己資金で対応する予定であります。
(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
貸倒引当金の計上
当社の連結子会社における貸出金、支払承諾見返等の債権の残高は多額であり、経営成績等に対する影響が大きいため、貸倒引当金の計上は会計上の見積りにおいて重要なものと判断しております。
貸倒引当金の金額の算出方法等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項 (6)貸倒引当金の計上基準」に記載のとおりであり、計上にあたって、以下のような主要な仮定を用いております。
・債務者の実態評価、経営改善計画等に基づく債務者区分の判定における貸出先の将来見込み
・過去の処分実績等に基づく不動産等担保の今後の処分可能見込額の見通し
・キャッシュ・フロー見積法における足元の実績等に基づく債権の今後の元本回収及び利息受取りの見通し
・予想損失額の算定に際して、過去平均値に基づく損失率に加える必要な修正において考慮する長期過去実績、過去実績の趨勢等に基づく将来見込み等
当社の経営者は、債権の評価にあたり行っている見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分に計上されていると判断しております。ただし、これらの評価には経営者としても管理不能な不確実性が含まれております。このため、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価に関する見積りが変化する場合があり、この場合には、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する貸倒引当金及び貸倒引当金繰入額等の金額に重要な影響を与える可能性があります。
また、国内の新型コロナウイルス感染症の経済活動に与える影響は弱まっているものの、債務者の信用リスクに与える影響については引続き不透明であり、この影響を受けて貸倒引当金については次の通り見積りを行っております。一部の貸出先については業績や資金繰りの悪化等に伴い貸倒等の損失が発生するものと見込まれますが、可能な限り詳細に最新の情報を収集することにより、将来見込みを織り込んで債務者区分の判定を行い、貸倒引当金を算定しております。また、事業活動に重要な影響を受けている一部の業種に属する貸出先については、将来見込みの不確実性がより高いことから、当該信用リスクの状況を鑑み、今後の業績悪化の可能性を織り込んだ場合に予想される損失額について追加的に必要な修正を加えて算定しております。なお、この新型コロナウイルス感染症による影響についての仮定は不確実性を有しており、個人消費の低迷や生産活動の停滞等の影響を受け貸出先の業績悪化とその回復に要する期間が入手可能な直近の情報による想定を超えた場合には、予想損失額を上回る貸倒等の損失が発生する可能性があります。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、2023年3月末からバーゼルⅢの最終化を適用する国際統一基準金融機関として、信用リスク・アセットは基礎的内部格付手法を、オぺレーショナル・リスク相当額は標準的計測手法をそれぞれ採用し、マーケット・リスク規制を導入しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(平成31年金融庁告示第12号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
持株レバレッジ比率(国際統一基準)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、株式会社横浜銀行及び株式会社東日本銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
株式会社横浜銀行(単体)の資産の査定の額
(注)部分直接償却後の金額を記載しております。
株式会社東日本銀行(単体)の資産の査定の額
(注)部分直接償却を実施しておりません。
(生産、受注及び販売の状況)
銀行持株会社としての業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
当社は、当社の完全子会社である株式会社横浜銀行と株式会社東日本銀行との間で、当社が両行に対しておこなう経営管理について、「グループの経営管理に関する基本契約書」および「経営管理に関する覚書」を締結しております。
該当事項はありません。