本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載が無い限り、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、以下の経営理念体系をグループ経営の基本とし、企業活動をしていくうえでの拠りどころと位置づけています。
<経営理念>
お客さまに信頼され、地域にとってなくてはならない金融グループとして、
① お客さまの豊かな人生、事業の発展に貢献します。
② 地域社会の持続的な発展に貢献します。
③ 従業員が誇りを持って働ける魅力ある会社であり続けます。
④ 持続的に成長し、企業価値を向上させます。
<長期的にめざす姿>
地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー
<すべての役職員が共有すべき価値観・行動指針>
「信頼と信用」 地域・お客さま・株主・従業員との信頼関係の維持・強化を大切にする。
「お客さま本位」 常にお客さまファーストに基づき行動する。
「変革と挑戦」 経済・社会の変化に対して常に変革マインドを持ち、失敗を恐れず挑戦する。
「誇り」 確固たる矜持を持って常にベストを尽くす。
(2) 経営環境
2024年度のわが国経済を振り返りますと、景気は緩やかに回復しました。中国経済の減速等の下押し要因があったものの、世界的な半導体市場の回復等が支えとなり、輸出は横ばい圏内で推移しました。また、インバウンド消費は増加基調が続きました。一方、個人消費は高い賃金上昇率が支えとなり、物価高が長期化する中でも緩やかに回復しました。企業の設備投資も企業収益が高水準で推移するもとで、回復基調を維持しました。
金融面では、短期金利が日本銀行の2度の利上げを受けて上昇基調で推移しました。年度初めに0~0.1%で推移していた無担保コールレート(オーバーナイト物)は、年度末には0.5%程度まで上昇しました。また、長期金利についても上昇基調で推移しました。10年物国債金利は2024年半ばに1%を上回った後、米国の長期金利の低下を受けて一時1%を下回りましたが、秋口以降は再び上昇基調を強め、2025年3月下旬には1.6%に迫る場面もありました。
(3) 中期経営計画の概要と目標指標の進捗
当社グループは、持続的な成長を通じた中長期的な企業価値の向上と、長期的にめざす姿である「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」の実現に向け、2022年度からの3年間を計画期間とする中期経営計画に取り組んできました。中期経営計画の最終年度である2024年度は、「収益力の強化」「人的資本投資の強化」「地域社会の持続的な発展への貢献」を優先的に対処すべき課題に掲げ、3つの基本テーマにもとづく重点戦略を推し進めてきました。その結果、業績は着実に向上し、中期経営計画の目標指標を達成しました。
① 中期経営計画の概要


② 目標指標の進捗

(注)1 ROE(連結)=親会社株主に帰属する当期純利益÷株主資本(期首・期末平均残高)
ROE(連結)東証基準=親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本(期首・期末平均残高)
自己資本は純資産の部合計から株式引受権、新株予約権および非支配株主持分を除く。
2 OHR(連結)=経費÷業務粗利益
3 普通株式等Tier1比率=普通株式等Tier1(その他有価証券評価差額金を除く)÷リスクアセット
4 2021年度については、バーゼルⅢ最終化前。2022年度、2023年度、2024年度、中計目標については、バーゼルⅢ最終
化・完全実施ベース。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループを取り巻く環境は、国内における人口減少や高齢化の進行といった中長期的な社会課題に加え、グローバルな政治経済動向の急激な変化や国内外の金融政策の動向など不確実性が高まっています。また、昨今の社会情勢から金融機関に対する「信用と信頼」がこれまで以上に求められています。
このような環境のもと、長期的にめざす姿である「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」に向けて、10年後のあるべき姿を定め、前中期経営計画での成果と課題認識を踏まえつつ、バックキャスティングによって新中期経営計画を策定しました。
新中期経営計画で掲げる基本テーマに則った重点戦略を遂行し、ソリューションビジネスの拡大と、リレーションシップ・バンキングの一層の強化を通じて、ホームマーケットでの確固たる成長を実現します。

① 新中期経営計画の概要
A.位置づけ
新中期経営計画では、計画期間を「未来への飛躍につなげる3年間」と位置づけ、これまでの取り組みをさらに深化させるとともに、将来を見据えた成長投資の拡大と経営体制のさらなる強化により、持続的な成長を支える基盤を構築していきます。
B.目標指標
「ROE(東証基準)」「親会社株主に帰属する当期純利益」「普通株式等Tier1比率」を目標指標として設定しました。着実な利益成長と、健全性を維持した効率的な資本運営により、収益性を最大化し、新中期経営計画の最終年度に資本コスト(当社が認識する資本コストは6~9%)を上回るROEの実現をめざします。

C.基本テーマと重点戦略
新中期経営計画では、基本テーマ「Growth -成長-」「Empowerment -強化-」「Sustainability -持続性-」にもとづき、6つの重点戦略を定めています。前中期経営計画の戦略を継承しつつ、 持続的な成長に向けて新たに強化していく方向性を明確にし、具体的な取り組みを進めていきます。

D.資本政策
持続的成長と企業価値向上を実現するため、資本政策のさらなる強化に向けた3つの方針に取り組みます。
a.政策保有株式の縮減
資本の最適な配分に向けて、政策保有株式の縮減目標をあらため、2030年3月末までに保有残高(時価)を連結純資産比10%未満とします。
b.資本水準の見直し
収益力向上による資本の復元力を踏まえ、普通株式等Tier1比率の目標水準を11%台半ばから11%程度に引き下げることで資本活用余地を拡大します。
c.株主還元
累進的な配当を基本とし、配当性向は40%程度を目安とします。また、市場動向や業績見通しなどを勘案のうえ、柔軟かつ機動的な自己株式の取得を実施します。
② すべてのステークホルダーに支持される企業価値向上の実現へ
中期経営計画の初年度である2025年度は、グループ全社でお客さまとの強固なリレーションの構築にあらためて注力し、多様かつ質の高いソリューションを提供することで、銀行業の根幹である粘着性の高い預金や貸出等の取引拡大をはかります。そのために、人財投資による人的資本の強化や業務改革とIT活用による生産性の向上を推し進めていきます。さらに、すべての役職員が倫理観を持って業務に従事することで、健全な組織風土のさらなる強化に取り組んでいきます。
また、総合金融グループへの進化に向けて、2025年4月に三井住友信託銀行よりL&Fアセットファイナンスの株式持分85.0%を取得し、連結子会社としました。6月の株主総会における株主の皆さまからの承認を前提に、監査等委員会設置会社に機関設計を変更し、10月には「横浜フィナンシャルグループ」に商号変更をおこなう予定です。機関設計の見直しを通じたガバナンスの高度化に加えて、L&Fアセットファイナンスを含むグループ各社間の連携をさらに強化することで、シナジーの最大化を追求していきます。
そして、中期経営計画にもとづく成長戦略の着実な実行により、目標指標として掲げるROE9%超の達成をめざすとともに、さらなる高い水準への挑戦を通じて、すべてのステークホルダーに支持される企業価値向上の実現をめざします。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
当社グループのサステナビリティ経営の考え方は、財務資本と非財務資本を生かしながら、マテリアリティ(優先的に解決すべき重要課題)に基づくビジネスの展開を通じて、ステークホルダーの皆さまとともに価値を協創し、当社グループの持続的な企業価値の向上と地域社会の持続的な発展に取り組むことであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティに関する取り組み
① ガバナンス
A. グループサステナビリティ方針
環境・社会問題が深刻化し、サステナビリティをめぐるさまざまな課題が顕在化しつつあるなかで、当社グループは、地域社会のサステナビリティに関する全社的な基本方針として、「経営理念に基づき、持続的な企業価値の向上を実現し、本業を通じて社会的課題を解決するとともに、地域の一員として地域貢献活動に取り組むことにより、社会の持続的な発展に貢献していく」とのグループサステナビリティ方針を掲げております。
この方針のもと、地域社会の環境の保全・保護をはかっていくうえでの行動指針としての「グループ環境方針」、地域社会のあらゆるステークホルダーの人権を尊重するための行動指針としての「グループ人権方針」、そして、当社グループおよびその従業員が自発的・主体的に社会貢献活動に参画するための「グループ社会貢献活動方針」などを定めております。

B. ガバナンス態勢
当社グループでは、代表取締役社長を委員長とするグループサステナビリティ委員会において、サステナビリティに関する各取組方針や取組状況などを定期的に審議しており、審議内容は3か月に1回程度取締役会に報告され、取締役会がサステナビリティに関する取り組みを監督する態勢としております。
また、2022年度よりサステナビリティ分野の外部有識者をグループサステナビリティ委員会の外部委員として招聘し、審議事項に対する助言・提言などを受けることで、社外の専門的な知見をサステナビリティの取り組みに反映しております。
そのほか、役員報酬については、サステナビリティ経営の確立やガバナンスの高度化の観点から、代表取締役社長を含む取締役(非業務執行取締役・社外取締役を除く)および執行役員を対象として、中期経営計画の業績目標の達成度合いに加え、ESG評価機関の評価や中期経営計画等の非財務項目への取組状況を反映させた株式報酬制度を採用しております。

② 戦略
当社グループは、「① ガバナンス」のサステナビリティ関連の方針に基づく具体的な取り組みを推し進めるために、地域社会のサステナビリティをめぐる諸課題について、ステークホルダーにおける重要度と当社グループにおける優先度の観点から検証・議論し、取締役会における審議を経て、マテリアリティ(優先的に解決すべき重要課題)を特定しております。なお、2024年度には、経営環境や外部環境の変化に鑑み、マテリアリティを「地域企業の持続的成長」「少子高齢化の課題解決」「人的資本経営と人権の尊重」「デジタル社会の形成」「環境の保全・保護」「地域経済成長への貢献」に見直しました。これらのマテリアリティに基づいたリスクや機会を事業戦略に反映して事業を推進するとともに、ステークホルダーの皆さまとの価値協創を通して、地域社会の持続的な発展と当社グループの持続的な成長を実現していくことで、「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」をめざしております。
〇 マテリアリティ(優先的に解決すべき重要課題)
③ リスク管理
〇 リスクおよび機会を識別・評価・管理するプロセス
当社グループは、子会社がリスクの統括部署およびリスク種類ごとにリスク管理部署を設置し、リスクを識別・評価・管理するとともに、持株会社のリスク管理部がグループ全体のリスクを統合的に管理し、監査部長とは異なるリスク担当役員がリスクの状況について代表取締役社長、取締役会へ定期的に報告をしております。また、サステナビリティにかかる事項に関しては、別途サステナビリティ委員会にて審議し、審議内容は取締役会へ報告されております。
当社グループの経営に重要な影響を及ぼす可能性があるリスクイベント(リスク事象)について、その影響度と蓋然性に基づきリスクイベントの重要度を判定し、最も注意すべきと認識したリスクイベントを「トップリスク」として取締役会で選定しております。「トップリスク」については、KRI(Key Risk Indicator)を設定し、モニタリングを継続的におこなうことにより予兆の把握に努め、リスクが顕在化した場合には、機動的に対応できるよう態勢を整備しており、気候変動等のサステナビリティに関するリスクも「トップリスク」に位置付けております。
また、当社グループは、サステナビリティ関連の機会についてマテリアリティごとに識別・評価し、KPIを策定したうえで、具体的な取り組みをおこなっております。たとえば、マテリアリティ「環境の保全・保護」に関しては、脱炭素社会への移行が新たなファイナンスやソリューションニーズの増加・拡大につながる重要な機会であるとの認識のもと、サステナブルファイナンス、環境分野ファイナンスの実行額(累計)をKPIとして策定し、お客さまに向けて脱炭素社会への移行を支援するソリューションを提供しております。KPIの進捗状況は定期的に取締役会に報告されており、必要に応じて取締役会がフォローアップをおこなっております。
気候変動に関するリスク管理については「(2)気候変動 ③リスク管理」、人的資本に関するリスク管理については「(3)人的資本 ③リスク管理」をご参照ください。
④ 指標及び目標
当社グループでは、全社的なサステナビリティの取り組みを強化するために、各マテリアリティに対応した中期経営計画(2025年度~2027年度)におけるKPIに加え、2030年度までを目標期間とした「サステナビリティ長期KPI」を設定しております。また、投融資ポートフォリオのGHG排出量の2050年ネットゼロ目標および2030年度の中間目標を設定しております。
気候変動に関する指標及び目標については「(2)気候変動 ④指標及び目標」、人的資本に関する指標及び目標については「(3)人的資本 ④指標及び目標」をご参照ください。
(2) 気候変動
① ガバナンス
当社グループは、「環境の保全・保護」をマテリアリティ(優先的に解決すべき重要課題)の1つと認識しており、グループサステナビリティ委員会において気候変動に関する取組方針や取り組みの進捗状況を定期的に審議し、取締役会へ報告しております。詳細については、「(1)サステナビリティに関する取り組み ①ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
気候変動は人々の生活や事業活動の基盤である地球環境自体の変化であり、自然災害の激甚化や異常気象など、地域や企業の持続的な発展を脅かすようなさまざまな影響が顕在化しつつあるなかで、脱炭素社会への移行に向けた動きが急速に進んでおります。
脱炭素社会へ移行する過程において、カーボンニュートラルの実現に向けた各国の政策・規制の強化や気候変動を緩和するための技術革新、気候変動問題への関心度の高まりによる消費者・投資家の価値観の変化など、経済・社会環境には大きな変化が見込まれております。こうした変化は当社グループにリスクと機会をもたらすものと認識しており、その両面から気候変動に伴う脱炭素社会への移行が事業に及ぼす影響を検証するとともに、それらのリスクと機会に対処すべく、気候変動への対応にかかる戦略を策定し実行しております。
A. リスク
a. 気候変動に関するリスクの把握・評価
当社グループには、気候変動に関するリスクとして、脱炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)と自然災害の激甚化や異常気象などに伴う物理的な被害が生じるリスク(物理的リスク)の2つのリスクがあり、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿ったリスクの把握・評価に取り組んでおります。当社グループが分類・管理している「信用リスク」「市場リスク」「流動性リスク」「オペレーショナルリスク」「レピュテーショナルリスク」の区分で移行リスクおよび物理的リスクを整理すると以下のとおりであります。
(短期:1~3年程度、中期:3年~10年程度、長期:10年超)
b. 気候変動に関するリスクのシナリオ分析
TCFDの提言に基づく一定のシナリオのもとで、移行リスクおよび物理的リスクについてシナリオ分析を実施しており、2025年3月末基準の分析結果は、以下のとおりであります。
B. 機会
a. お客さまのニーズ拡大に伴う事業機会に合わせた最適なソリューション提供
気候変動に伴い脱炭素社会へ移行する過程において、脱炭素に向けた設備投資の増加等に伴う資金需要の高まりに加え、新たな金融商品・サービス等のニーズが生じており、これが当社グループにとって新たな事業機会につながると認識しております。こうした認識から、当社グループは、お客さまとのエンゲージメントを通じてニーズに合わせた最適なソリューションを提供し、お客さまの気候変動への対応を積極的に支援することで、お客さまの事業基盤が強化され、当社グループ自身の成長機会の拡大や経営の安定等につながるものと考えております。
こうした考え方に基づく事業機会とおもなソシューションは以下のとおりであります。
(※) おもなサステナブルファイナンスのラインアップ
b. 投融資ポートフォリオ・ネットゼロに向けたエンゲージメント戦略
日本では、2050年のカーボンニュートラルの実現を目標として掲げ、企業や産業の脱炭素化の推進がはかられております。こうした目標の実現に向けて、当社グループは金融機関として、投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量ネットゼロの実現を通じて貢献していくことができると認識しております。
このような認識のもと、投融資ポートフォリオのGHG排出量の計測・開示にかかる取り組みを推進する国際イニシアティブPCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)に加盟するとともに、PCAFの定める基準に基づき、事業貸出を中心に投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量(※)を算定しております。
こうした算定結果を踏まえ、お客さまのGHG排出量削減を支援するためのアクションプランを策定しております。具体的には、炭素強度が高い「電力」「石炭」および「石油・ガス」セクターを「GHG排出量削減の目標設定セクター」として選定し、個社ごとのきめ細かいエンゲージメントを通じてGHG排出量削減に向けた取り組みを支援しております。また、中小企業をはじめとしたサプライチェーンの裾野の広い「自動車・部品」セクターのほか、脱炭素に向けた取り組みに長期間を要することが見込まれる「金属・鉱業」セクターを「エンゲージメント重点セクター」として選定し、サプライチェーンへの影響度が高いお客さまからエンゲージメントを推進し、GHG排出量の可視化、削減に向けた目標設定および削減のための取り組みを支援しております。
※投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量に関する詳細な情報については、2025年7月に当社ウェブサイト(URL https://www.concordia-fg.jp/shareholder/ir/disclosure/index.html)において公表予定の
③ リスク管理
当社グループは、気候変動に伴うリスクとして、「気候変動・環境問題への不十分な対応」(移行リスク)、「大規模な自然災害の発生」(物理的リスク)を認識しております。特に「大規模な自然災害の発生」(物理的リスク)については、2025年3月開催の取締役会にて経営に重要な影響を及ぼす可能性の高い「トップリスク」の1つに選定しており、KRI(Key Risk Indicator)のモニタリングを継続的におこない、取締役会にその内容を報告することとしております。
なお、リスクを識別・評価・管理するプロセスについては、「(1)サステナビリティに関する取り組み ③リスク管理」をご参照ください。
また、当社グループは、環境・社会に配慮した投融資の取組方針として「セクターポリシー」を制定しております。本セクターポリシーでは、環境・社会に対し正の影響を与える資金使途の投融資に関しては積極的に取り組むと定めております。一方で、負の影響を助長する可能性が高い資金使途の投融資に関しては、セクター横断的に投融資を禁止する事業、セクター横断的に投融資に留意が必要な事業、特定セクターへの取組方針などを定め、環境・社会への負の影響を低減・回避するよう努めております。本セクターポリシーはグループサステナビリティ委員会にて定期的に見直し要否を協議するほか、自社の事業活動や外部環境の変化などに応じて、随時見直しております。
④ 指標及び目標
A. サステナブルファイナンス・環境分野ファイナンス
気候変動への対応をはじめとした、お客さまが抱える環境・社会課題に向けたソリューションを強化し、地域のお客さまの持続的な成長に貢献していくために、サステナビリティ長期KPI(~2030年度)として、サステナブルファイナンス、環境分野ファイナンスの実行額(累計)目標を設定しております。
※横浜銀行、東日本銀行、神奈川銀行(2023年度実績より加算)の合算。
B. 自らの事業活動におけるGHG排出量
地域社会の一員として、地域の脱炭素社会の実現に貢献するために、「2030年度までのカーボンニュートラル(Scope1,2)」を実現することをサステナビリティ長期KPIとして設定しております。

※ 当社および当社連結子会社の国内拠点の合算。
※ 2024年度の実績については、2025年7月に当社ウェブサイト
(URL https://www.concordia-fg.jp/shareholder/ir/disclosure/index.html)において公表予定の
C.投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量
地域社会の一員として、地域のお客さまの脱炭素を積極的に推し進めるために、投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量を2050年までに実質ゼロにする目標とともに、「電力」「石油・ガス」「石炭」の3セクターにおける2030年度の中間目標を設定しております。
※1 対象セクターのうち発電事業を有する企業のScope1の排出量
※2 対象セクターのうち採掘事業を有する企業のScope1~3の排出量
※3 発電量あたりのGHG排出量
※4 2024年3月末基準の貸出(法人貸出およびプロジェクトファイナンス)残高での算定結果
※5 算定対象残高のうち実際に算定をおこなった残高の比率
※6 PCAFが定めるデータ品質スコア
(3) 人的資本
当社グループは、従業員を価値創造の源泉である「人的資本」と位置づけており、「多様な人財」を有するという強みを磨くことで経済価値および社会価値の創造をめざしております。また、当社グループにとって、従業員は重要な「ステークホルダー」であり、経営理念では「従業員が誇りを持って働ける魅力ある会社」であり続けることを掲げております。
こうした考えのもと、当社グループにおける人的資本の価値向上を目的とした基本方針である「グループ人財ポリシー」を制定するとともに、経営戦略と連動し、中長期的にめざす人財ポートフォリオの構築に向けた「グループ人財戦略」を策定しております。
① ガバナンス
経営戦略と連動した人財戦略を実行していくために、人財育成方針や社内環境整備方針など、人的資本経営に関する方針や重要な施策の取組状況は、経営会議にて協議・決議をおこない、取締役会へ報告をしております。
また、横浜銀行では人財部担当役員を委員長とし、本部各部門の役員や本部各部部長等を構成メンバーとした会議体を組織しており、当該会議体において、めざす人財ポートフォリオの実現に向けた取組方針や具体的な施策などについて組織横断的な議論を定期的におこなっております。

② 戦略
<グループ人財ポリシー>
基本的な考え方
当社グループは、従業員は経営理念の実現に不可欠で大切な「人財」であり、価値創造の源泉となる「資本」であるとの認識のもと、「人財」へ積極的に投資し、その価値を持続的に高めていくことで、地域社会の持続的な発展とともに当社自身の持続的な成長につなげていきます。
経済・社会環境の激しい変化に柔軟に対応しつつ、多様化・高度化する地域社会・お客さまのニーズに対するソリューション提供能力を高めていくために、従業員一人ひとりの成長意欲に応えるフィールド・機会を積極的に提供することで、常に変革に向けて挑戦し続ける人財を育むとともに、さまざまなバックグラウンドや専門性を有する多様性に富んだ人財ポートフォリオを構築します。
多様な価値観やライフスタイルを持つ従業員一人ひとりのWell-beingを高め、その持てる能力を最大限に発揮することができるよう、安心して働ける職場環境の整備と、活力ある組織風土の醸成をはかることで、組織全体の生産性向上につなげるとともに、当社内外の人財にとって魅力あふれる組織であり続けます。
求める人財
地域社会・お客さまへの価値提供に強い誇りと自覚を持つとともに、常に変革マインドを持ち挑戦し続ける人財。
<グループ人財戦略>
当社グループは、長期的にめざす姿である「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」の実現に向けて、2027年度までを計画期間とした経営戦略と連動する「グループ人財戦略」を策定しております。
また、効率的かつ高度なソリューション提供力を有する組織の構築に向けた「人財ポートフォリオ」を策定し、「営業人員数」(Quantity)の増強と「一人あたりソリューション収益」(Quality)の強化をはかるとともに、その前提となる「会社の総合的魅力(従業員意識調査)」(Engagement)を向上させるべく、人的資本への投資強化をベースとした『成長意欲・挑戦意欲を大切にする「人づくり」』、『多様な人財がいきいきと活躍できる「組織づくり」』、『個々のWell-beingを起点にした「環境づくり」』に取り組んでおります。
<グループ人財戦略 概要図>

A. 人財育成方針
○ 成長意欲・挑戦意欲を大切にする「人づくり」
「ソリューション・カンパニー」の実現に向けて、営業人員数を増強するだけでなく、ソリューション提供活動を担う営業人員のスキルや専門性の向上が大切だと考えております。若手行員の早期戦力化に注力するとともに、ソリューションスキルの高度化に向けて、ОJTとОff-JTが連動した人財育成を実践しております。
営業人員についてはスキルレベルの認定制度を導入しております。スキルレベル上級者への育成人数を重要な指標として設定し、より高度なソリューションを提供できる人財の育成に注力していきます。
ソリューション提供スキルの高度化・担い手の拡大に向けて教育態勢や資格取得支援を強化するほか、市場・国際部門やIT・デジタル部門といった専門性の高い人財を育成するため、計画的な人事ローテーションなどに取り組んでおります。
従業員一人ひとりがめざすキャリアの実現に向けて、新たな職務に挑戦できる機会としてリスキリングも含めた行内公募、外部出向、自己啓発支援といった挑戦機会を拡充し、成長意欲に積極的に応え、自ら挑戦する組織風土の醸成をはかります。
また、サクセッションプランに基づいた次世代経営人財の育成にも取り組んでおります。
B. 社内環境整備方針
○ 多様な人財がいきいきと活躍できる「組織づくり」
多様化・高度化する地域社会・お客さまのニーズに対して最適なソリューションを提供し続けるために、DEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の推進を通じて、さまざまなバックグラウンドや専門性を持った人財が個々の能力を最大限発揮できる組織の実現をめざしております。
組織基盤を構築するための多様な人財の確保に向けた取り組みとして、新卒採用においては積極的な情報発信や、入社予定者の希望と実際の配属部署とのミスマッチを抑制するためのコミュニケーションを強化しております。キャリア採用においては、アルムナイネットワークの活用、リファラル採用の強化など採用ルートの多様化を推進しております。また、採用後においてはタレントマネジメントの高度化により、担当者のスキルを可視化したうえで適材適所の人財配置をおこなっております。
さらに、働くうえでの諸制度の拡充においては、ワーク・ライフ・バランスを実現させるための産育休復職支援プログラム、セカンドキャリアの構築支援などに取り組んでおります。また、女性活躍推進の深化においては、女性管理役職者比率をKPIに設定し、さまざまな職務における積極的な登用や、早期復職などの支援などの取り組みを通じて、より幅広いポストでの女性管理役職者の育成をおこなっております。
○ 個々のWell-beingを起点にした「環境づくり」
従業員一人ひとりがその持てる能力を最大限発揮するには、活力ある組織風土であること、心身ともに健康かつ安心して働ける職場環境であることが前提であるとの認識のもと、多様な価値観やライフスタイルを持った従業員一人ひとりのWell-beingを起点にした、組織風土の醸成や職場環境の整備を進めております。
公平公正な評価・処遇を徹底するよう、マネジメント層に対する部下の評価実施に関する教育を強化するほか、1on1ミーティングを通じたコミュニケーションを密におこなうことにより、仕事のやりがいと成長を感じながら、モチベーションを高く持ち働くことができる職場環境を整備しております。また、従業員が心身ともに健康で安心して働けるよう、健康経営の実践の強化にとどまらず、人権への意識向上など心理的安全性の高い健全な職場を作っていくことに加え、従業員の金融リテラシー向上や従業員持株会制度を通じた資産形成支援などファイナンシャルウェルネスの向上にも取り組んでおります。
③ リスク管理
当社グループは、人的リスクをオペレーショナルリスクの1つとして、「役職員等の活動に起因し、雇用、健康もしくは安全に関する法令もしくは協定に違反した行為、労働災害など就業中に役職員等が被った傷害、ならびに差別行為によって当社グループに損失が生じるリスク」と定義しております。人的リスクを含む各種オペレーショナルリスクについては、それぞれリスク評価をおこない、リスクの重要度に応じてオペレーショナルリスク会議(経営会議)および取締役会へ報告しております。
④ 指標及び目標
上記「② 戦略」の諸施策の実施により、2027年度には「営業人員数:2,510名」「一人あたりソリューション収益:153百万円」「会社の総合的魅力(従業員意識調査):3.40以上」 を達成させ、その結果として、当社グループの長期的にめざす姿である「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」の実現をめざしております。
※1 特段の表示がないものは、横浜銀行、東日本銀行の2行合算。
※2 円貨貸出収益+役務収益+外貨建貸出収益・法人デリバティブ収益等の合計をソリューション営業人員
(本部直接営業+法人渉外担当者+個人渉外担当者等)一人あたりに換算したもの。
※3 組織の現状、強み・課題を的確に診断・把握するための従業員意識調査を無記名で毎年実施し5段階で
評価(5が最高値)。2022年度、2023年度は横浜銀行、東日本銀行の2行加重平均、2024年度は横浜銀
行、東日本銀行、神奈川銀行の3行加重平均。
※4 法人渉外担当者、個人渉外担当者における社内のスキル認定制度で新たに上級判定されたものの数。
なお、東日本銀行は、2022年度の金融ビジネススクールの新設にあわせて営業人員のスキル評価制度を
導入しております。2027年度の目標は2025年度~2027年度の累計値。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の適切な対応に努めてまいります。
なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載が無い限り、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
<リスク管理態勢の概要>
当社はグループ全体のリスクを統合的に管理し、グループ各社はリスクの統括部署およびリスクカテゴリーごとにリスク管理部署を設置し、リスクを管理しています。
具体的には、グループ各社は、そのリスクプロファイルに応じた適切なリスク管理をおこなったうえで、リスクの状況について当社に報告し、当社は、その報告を受けてグループ各社に対し必要な指導をおこなうとともに、「ALM(Asset Liability Management)・リスク管理会議(役員などで構成する経営会議)」を設置して各種リスクおよび当社グループ全体のリスクについてモニタリングし、対応を協議・決定しています。
当社グループのリスク管理体制

(有価証券報告書提出日現在)
また当社グループでは、以下の基本方針のもとでリスク管理をおこなっています。
・当社グループは、景気変動などの悪影響を最小限にとどめ、地域から信頼される金融グループとして安定・継続して金融サービスを提供していくため、適切なリスク管理をおこないます。
・グループ全体のリスクを可能な限り統合的に識別、評価、モニタリング、コントロールすることにより経営の健全性を確保し、経営資源の適切な配分を通じてリスクに見合った安定収益の確保をはかります。
・客観性を確保し、リスク間の相互作用を考慮するため、各種リスクを計量化し、統合的な管理に努めます。
(1) 中長期的な視点から事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク(経営方針・経営戦略等との関連性のあるリスク)
① 他の金融機関・他の業態との競合について
当社グループは、神奈川県および東京都という成長性の高いマーケットのなかで確固たる営業基盤を築いておりますが、他の金融機関が当社グループの営業地盤において今後さらに積極的な営業展開を進めることや、デジタル技術の進展によって利便性の高いシステム基盤を持つFinTech企業等が新たに参入することにより競合が生じた場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
② 業務範囲の拡大に伴うリスク
当社グループは、既存の事業およびサービスを拡大させる過程で、それらの事業およびサービスに影響を及ぼす、規制の不利な変更、競争激化または営業環境の悪化等、新たな、またはさらなるリスクにさらされる可能性があります。それらのリスクの一部は、当社グループが全く経験したことのない、または限られた経験しかない種類のリスクである可能性があります。当該リスクが当社グループの予想しない方法または程度で具体化した場合、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
③ ビジネス戦略が奏功しないリスク
当社グループの戦略的な取り組み・施策の実施は成功しない可能性があり、または成功したとしても、当該取り組み・施策の実施は、市場機会の発展が予想より遅い、当初想定されていたほど当該取り組みに将来性がない、または当該商品およびサービスの収益性が競争圧力によって損なわれる等の場合、期待された効果を発揮できず、当社グループの業務運営や業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
④ 金利の変動に関するリスク
当社グループは、預貸金業務や市場業務をおこなっております。これらにかかる円金利については、景気、競合、様々な政府機関や規制当局の方針、特に日本銀行の政策といった、当社グループの支配の及ばない多くの要因により左右されます。金利が低下した場合、預貸金資金収益が減少する可能性があります。一方、金利が上昇した場合、当社グループの保有する国債等に売却損や評価損が生じる可能性があります。このような金利の変動により、当社グループの業務運営や業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
⑤ 気候変動等に関するリスク
脱炭素社会への移行、自然の損失にともなう事業の座礁資産化や、異常気象によって深刻化する自然災害による建物の毀損や業務中断が、当社グループの取引先の事業や財務状況、担保物件に影響を及ぼし、与信関係費用の増加を通じて当社グループの業績、財政状態に影響を与える可能性があります。また、自然災害の発生により当社グループの本支店が被災し損害が発生する可能性があります。
当社グループが、気候変動や自然等に関するリスクへの取り組みや情報開示が不十分であった場合またはそのように見做された場合などには、当社グループのレピュテーションの悪化により、業務運営や業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
⑥ 企業買収・出資等に関するリスク
当社グループでは、中長期的な企業価値向上や経営課題の克服に向けて、企業買収や出資等をおこなっており、今後も同様の企業買収等をおこなう可能性があります。しかし、事業環境の変化や予期しない問題の発生等によって、当該子会社等の業績やグループ内の連携等による効果が想定を下回る可能性があります。また、当該子会社等の業績および見通しによっては、保有株式およびのれん(発生した場合のみ)について相当の減額をおこなう必要が生じる可能性があります。これらにより、当社グループの業務運営や業績、財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 短期的な視点から事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク
① 信用リスク
A. 不良債権の状況
国内外の景気動向、不動産・株式市場を含む金融経済環境の変化および貸出先の経営状況等が変動した場合には、当社グループの業績、財政状態に影響を与える可能性があります。また、予想損失率を上回る貸倒れが発生した場合、または、当社グループの自己査定結果と関係当局の検査・考査における査定結果が異なり、追加的な引当てを実施する必要が生じる場合には、当社グループの業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
こういった事態を未然に防止するため、当社グループでは、厳格な自己査定の実施にもとづく不良債権処理の徹底や、与信集中リスクの管理に努めています。
B. 中小企業等に対する貸出金について
当社グループは地域の中小企業・個人向け貸出金の増強に継続して取り組んでいることから、中小企業・個人向け貸出の比率は高い水準となっております。中小企業・個人向け貸出については、中小企業の業績や担保不動産の価格、個人の家計の動向等が大きく変動した場合には、当社グループの業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
C. 特定の業種・取引先等への依存
当社グループの貸出ポートフォリオのなかで不動産業に対する貸出金残高が占める割合は、他の業種に比べて高くなっております。今後、不動産業の経営環境が悪化した場合は、当社グループの業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
こういった事態を未然に防止するため、業種別で与信残高に一定の協議ポイントを設定することに加え、不動産向け融資については、定期的なモニタリングをおこなっております。
D. 地域経済の動向
当社グループは首都圏を主要な営業地盤としていることから、地域経済が悪化した場合は、業容の拡大がはかれないほか、信用リスクが増加するなど、当社グループの業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
② 市場リスク
当社グループは、預貸金業務に加え、市場業務として債券、投資信託、デリバティブ商品等の相場変動を伴う金融商品に対して投資活動をおこなっている他、政策保有株式を保有しております。金利、外国為替、債券および株式市場において想定を超える変動が生じた場合は、当社グループの業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
こういった事態を未然に防止するため、商品・リスク種類ごとのVaR(想定最大損失額)に基づく市場リスク量に対し、限度額や協議ポイントを設定し、適切な管理に努めています。
なお、当社グループが保有する株式の状況については、本有価証券報告書の「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5)株式の保有状況」をご参照ください。
③ 流動性リスク
流動性リスクとは、運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金流出により、必要な資金確保が困難になる、または通常よりも高い金利での調達を余儀なくされるリスクです。当社グループの資金調達は、主に預金、債券発行および市場からの調達によりおこなっております。そのため、当社グループや金融業界一般に対して否定的な内容の報道がなされた場合や、外部環境の変化が起きた場合等、資金確保に困難が生じる、また資金調達コストが増加することで、当社グループの資金・資本調達や財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、資金繰りの適切な管理のため、運用・調達のギャップなどにリスクリミットを設定し、定期的にモニタリングをおこなっています。
④ 退職給付債務に関するリスク
年金資産の運用利回りが低下した場合や、割引率等予定給付債務計算の前提となる年金数理上の前提・仮定に変更があった場合などには、退職給付債務が増加することにより、将来期間において認識される費用および計上される債務が変動し、当社グループの財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤ 自己資本比率規制に関するリスク
当社グループは、海外営業拠点を有しているため、連結自己資本比率を「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第20号)」に定められた国際統一基準における所要水準以上に維持する必要があります。
今後、金融庁告示の改正等により、算出基準が変更され、これにより、資本金、利益剰余金、保有有価証券の評価差損等の増減、劣後債務の増減といった自己資本の額、およびリスク・アセットの額等が変動した場合には、当社グループの自己資本比率に影響を与える可能性があります。
また、当社グループの自己資本比率が、資本バッファーを含め要求される水準を下回った場合、金融庁から配当等社外流出の制限や業務の全部または一部の停止を含む様々な命令を受ける可能性があります。その場合、業務が制限されること等により、取引先に対して十分なサービスを提供することが困難となり、その結果、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループの経営の健全性を確保し、経営方針や経営計画を着実に実行していくことができるよう、当社グループ全体の自己資本水準の適切な管理に努めています。
⑥ 流動性規制に関するリスク
当社グループの流動性カバレッジ比率や安定調達比率は最低水準を上回っておりますが、今後、算出基準等に何らかの変更があった場合、適格流動資産の額や資金流出額等の変動によって当社グループの流動性カバレッジ比率が低下したり、利用可能な安定調達額や所要安定調達額の変動によって安定調達比率が低下したりするなど、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、規制遵守を確実にするため、流動性カバレッジ比率、および安定調達比率のガイドラインを設定し、常時ガイドラインを維持するように努めています。
⑦ 繰延税金資産に関するリスク
当社グループは、繰延税金資産を現時点の会計基準にもとづき計上しております。今後、会計基準に何らかの変更があり、繰延税金資産の計上に何らかの制限が課された場合、あるいは繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断され、当社グループの繰延税金資産が減額された場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
⑧ 格付低下のリスク
外部格付機関による当社の格付が引き下げとなり、当社グループの資本・資金調達の取引条件の悪化、もしくは取引そのものが制限される場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
⑨ 固定資産の減損に関するリスク
当社グループが保有する固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」にもとづき会計処理をおこなっております。当社グループが保有する固定資産の使用目的の変更、収益性の低下および時価の下落などにより評価減が発生した場合には、当社グループの業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
(3) 業務およびその他に関するリスク
① 情報漏洩リスク
当社グループは、お客さまに関するデータの漏洩、不正、悪用等がないよう最大限の努力を払っておりますが、万一そのようなことが起こった場合には、当社グループのレピュテーショナルリスクが顕在化する可能性があります。またお客さまの経済的・精神的損害に対する賠償など直接的な損害が発生した場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、情報管理に関する規程・体制等の整備、役職員に対する教育をおこなうことで、情報管理の厳正化に努めています。
② コンプライアンスに係るリスク
役職員が法令諸規則等を遵守しなかった場合や、不正行為等をおこなった場合には、行政処分や賠償など直接的な損害の発生に加え、お客さまからの信頼が失墜すること等により、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
こういった事態を未然に防止するため、当社グループでは、「倫理綱領」の改定、および「役職員の行動基準」を制定しました。「役職員の行動基準」では、全役職員が社会的規範をふまえた良識と責任を持って誠実に行動するために、業務中・プライベートを含めた禁止事項を定めました。これらの内容を役職員全員が遵守する企業文化の醸成に努めています。
③ 金融犯罪に係るリスク
キャッシュカードの偽造・盗難や特殊詐欺・フィッシングなど、高度化する金融犯罪の発生により、被害に遭われたお客さまに対し多額の補償をおこなう場合や、未然防止の対策に多額の費用が必要となる場合に加え、お客さまからの信頼が失墜すること等により、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、こうした状況を踏まえ、金融犯罪による被害発生を未然に防止するため、セキュリティ強化やモニタリングの高度化等の対策に取り組んでおります。
④ 各種の規制および法制度等
A. マネー・ローンダリング等対策不備および外為法令等違反による制裁のリスク
当社グループが、マネー・ローンダリング等に関する法令および規則や外為法令等を遵守できない場合、課徴金命令や業務改善命令等の行政処分を受けることが考えられます。また、これらにより当社グループのレピュテーショナルリスクが顕在化し、顧客やマーケット等の信頼を失った場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループでは、公共性の高い金融機関として公平・公正な社会の維持に寄与するため、国内外の法令諸規則を遵守する態勢整備と、継続的な顧客管理や取引モニタリングを通じて、マネー・ローンダリング防止・テロ資金供与対策および拡散金融防止、ならびに外為法令等遵守に取り組んでおります。
B. テロ支援国家との取引に係るリスク
本邦を含む各国当局は、経済制裁対象国や特定の団体・個人等との取引を制限しております。また、米国政府は、イラン制裁関連法制等により、米国以外の法人、個人に対しても、イラン等の指定団体や指定金融機関との取引等を規制しております。そのため、当社グループがおこなった事業が法規制に抵触し、関連当局より行政処分等を受けた場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループでは、これらの規制を遵守するための態勢を整備しております。
C. 新たな法令の実施、既存法令の変更のリスク
当社グループ、その事業および役職員には、その事業活動に適用される一般的な法律、規制および会計規則が適用されます。また、一般的にバーゼルⅢとして知られる国際的な規制の枠組みのみならず、自己資本比率規制を含む日本の銀行法等、金融機関に適用される様々な法律、規制、慣例および政策も適用されます。当社グループ、その事業および従業員に適用される法令が、当社グループが意図する事業活動を制限されるような方法等によって、新たに実施されもしくは変更された場合、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤ 重要な訴訟事件等の発生に伴うリスク
当社グループが、業務遂行の過程で損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償が必要となった場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
⑥ 人財確保に係るリスク
当社グループは、日頃より有能な人財の確保や育成等に努めておりますが、十分な人財を確保・育成ができず競争力や効率性が低下した場合には、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
⑦ システムに係るリスク
当社グループは、預金、為替、融資などの業務をおこなう勘定系システムをはじめ、様々なコンピュータシステムを使用しております。これらのシステムにおいて過失、事故、サイバー攻撃、システムの新規開発・更新等により重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営や業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループは、保有する情報とコンピュータシステムを適切に保護するため、「セキュリティポリシー」「セキュリティスタンダード」「システムリスク管理規程」を定め、システムリスクに対する体制を整備しています。オンラインシステムに関しては、万一、システム障害が発生した場合に備えて、コンピュータ機器・回線の二重化や危機管理に対する訓練を実施し、早期回復をおこなえるよう努めるとともに、大規模地震などの災害に備え、オンラインシステムのバックアップセンターを設置しています。また、当社グループは「サイバーセキュリティ経営宣言」を策定し、日々高度化するサイバー攻撃の脅威に経営主導で対応しています。具体的には、最新のサイバー攻撃対策サービス・製品の導入・運用や、当社グループ内に設置した「サイバーディフェンスセンター」にて日々のサイバー脅威情報の収集・発信、サイバー攻撃検知時の調査・対応をおこなっています。サプライチェーンについても、契約先・委託先に対してセキュリティ態勢評価を実施し、基準に満たない場合は改善の要請や委託先の変更等を実施することで、当社グループ全体のセキュリティレベル向上に努めています。
⑧ 外部委託等に関するリスク
当社グループでは、外部の企業等に事務のほかシステムの開発・運用等の一部を委託しており、委託先の内部不正、委託先へのサイバー攻撃などによって委託業務が中断またはお客さまに関するデータが漏洩した場合、お客さまへの損害賠償などに加え、お客さまからの信用が失墜すること等により、当社グループの業務運営や業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
こういった事態を未然に防止するため、当社グループでは、外部委託に関する規程等に則り、十分なレベルのサービス提供能力を有しているか、情報管理態勢の適切性等の確認をおこなったうえで、委託先を選定しております。
⑨ レピュテーショナルリスク
当社グループや金融業界一般に対して否定的な内容の報道がなされた場合、それが事実であるか否かにかかわらず、当社グループの業務運営や業績、財政状態ならびに、当社の株価に影響を与える可能性があります。
⑩ 外部的事象に起因するリスク
当社グループの本店、支店、コンピュータネットワーク接続基地およびその他の施設は、当社グループの支配の及ばない、テロ行為、その他の政治的・社会的紛争、感染症および外部的事象に起因するその他の障害のみならず、地震や気候変動にともなう台風、洪水等の自然災害により損害を被るリスクがあります。金融市場をはじめとした日本経済の重要な機能が集中する首都圏において上記の事態が発生した場合には、株価・国債価格が下落し、取引先の倒産や延滞が増加する等、首都圏(日本)経済に大打撃を及ぼす可能性があり、またバックアップセンターの設置等、当社グループが策定する危機管理計画の実施を含む当社グループの営業再開努力が、これらの事象に起因する業務上の重大な障害を予防するのに有効でない場合、当社グループの業務運営や業績、財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
(4) トップリスク
当社グループの経営に重要な影響を及ぼす可能性があるリスクイベント(リスク事象)について、その影響度と蓋然性にもとづきリスクイベントの重要度を判定し、最も注意すべきと認識したリスクイベントを「トップリスク」として取締役会で選定しております。「トップリスク」については、KRI(Key Risk Indicator)を設定し、モニタリングを継続的におこなうことにより予兆の把握に努め、リスクが顕在化した場合には、機動的に対応できるよう態勢を整備しております。
2025年3月開催の取締役会にて選定した「トップリスク」は次の通りであります。
・外部環境要因による企業の業況悪化
・預金獲得競争等による資金繰りの悪化
・サイバー攻撃による大規模な損害
・システム障害による大規模な損害
・大規模な自然災害の発生
(注)上記は認識しているリスクの一部であり、上記以外のリスクによっても経営上、特に重大な悪影響が生ずる可能性があります。
なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載が無い限り、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
資金利益は、ソリューション営業の強化による貸出金残高の増加および政策金利の引き上げによる国内預貸金利息の増加等により、前連結会計年度に比べ 213億17百万円増加しました。
役務取引等利益は、ストラクチャードファイナンス関連手数料収入の増加等により、前連結会計年度に比べ 14億76百万円増加しました。
その他業務利益は、前連結会計年度に実施した外債等の損切りがなくなった反動等により、前連結会計年度に比べ 139億97百万円増加しました。
以上により、連結粗利益は、前連結会計年度に比べ 367億81百万円増加し 2,603億11百万円となりました。
営業経費は、ベースアップによる人件費の増加等により、前連結会計年度に比べ 5億75百万円増加し 1,341億27百万円となりました。
与信関係費用は、個別貸倒引当金繰入額の減少等により前連結会計年度に比べ 3億15百万円減少し 108億35百万円となりました。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ 457億60百万円増加し、1,227億64百万円となりました。前連結会計年度と比べ、神奈川銀行との経営統合に伴う負ののれん発生益が剥落し、特別損益が減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は 158億74百万円増加し、828億5百万円となりました。
また、中期経営計画(2022年度~2024年度)における目標指標については達成しました。
(単位:百万円)
(注)連結粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+信託報酬+(役務取引等収益-役務取引等費用)+(特定取引収益-特定取引費用)+(その他業務収益-その他業務費用)
(参考)中期経営計画[2022年度~2024年度] 目標指標
(注)1 ROE(連結)=親会社株主に帰属する当期純利益÷株主資本(期首・期末平均残高)
2 OHR(連結)=営業経費÷連結粗利益
3 普通株式等Tier1比率(連結)=普通株式等Tier1(その他有価証券評価差額金を除く)÷リスクアセット
(バーゼルⅢ最終化・完全実施ベース)
(3行合算)
※横浜銀行、東日本銀行および神奈川銀行の単純合算。以下同じ。
国内業務部門の業務粗利益は、ソリューション営業の強化による貸出金残高の増加および政策金利の引き上げによる預貸金利息の増加や有価証券利息配当金の増加等により、資金利益が前事業年度に比べ 221億95百万円増加したことを主因に前事業年度に比べ 220億39百万円増加し 2,329億95百万円となりました。
国際業務部門の業務粗利益は、前事業年度に実施した外債等の損切りがなくなった反動等によりその他の業務利益が 151億96百万円改善したことを主因に前事業年度に比べ 170億92百万円増加となりました。
以上の結果、業務粗利益は前事業年度に比べ 391億円33百万円増加し 2,444億20百万円となりました。
経費(除く臨時処理分)は、ベースアップ等による人件費の増加等により、前事業年度に比べ 17億44百万円増加の 1,272億14百万円となりました。
以上の結果、実質業務純益は前事業年度に比べ 373億88百万円増加し 1,172億5百万円、コア業務純益(除く投資信託解約損益)についても前事業年度に比べ 241億51百万円増加し 1,337億43百万円となりました。
(単位:百万円)
(注)コア業務純益(除く投資信託解約損益)=実質業務純益-国債等債券損益-投資信託解約損益
(3行合算)
与信関係費用については、今後の経済環境の変化が信用リスクに与える影響に対応するため、会計上の見積りの変更を行ったこと等により一般貸倒引当金繰入額が前事業年度と比べ増加した一方で、個別貸倒引当金繰入額の減少等の結果、前事業年度と比べ 10億79百万円減少し、94億20百万円となりました。
(単位:百万円)
(2) 財政状態の分析
総資産は前連結会計年度末に比べ 4,114億円増加し、24兆7,931億円となりました。純資産は前連結会計年度末に比べ 78億円増加し、1兆2,925億円となりました。
有価証券は前連結会計年度末に比べ 253億円減少し、2兆9,220億円、貸出金は前連結会計年度末に比べ 1,429億円増加し、16兆7,456億円、預金は前連結会計年度末に比べ 4,388億円増加し、20兆4,129億円となりました。
(単位:億円)
①有価証券残高(末残)
3行合算では、国内債券が前事業年度末と比べ476億円増加した一方で、政策保有株式の売却や外国債券の償還等により前事業年度末に比べ255億円減少となりました。
(単位:億円)
(3行合算)
(単位:億円)
②貸出金残高(末残)
3行合算では、中小企業向け貸出、個人向け貸出ともに前事業年度末と比べ増加した結果、全体で 1,263億円増加しました。一方で、不良債権比率(連結)は0.1%ポイント低下しました。
(単位:億円)
(3行合算)
(単位:億円)
(注)特別国際金融取引勘定を除く国内店分
銀行法および再生法に基づく債権の状況
(単位:億円)
③預金残高(末残)
3行合算では、前事業年度末と比べ個人が3,511億円、法人が1,025億円、公金が904億円増加した結果、預金残高は4,778億円増加しました。
(単位:億円)
(3行合算)
(単位:億円)
(注)特別国際金融取引勘定を除く国内店分
(収支等の状況)
① 国内・海外別収支
当連結会計年度の資金運用収支は、前連結会計年度比 213億19百万円増加の 2,080億29百万円、信託報酬は、前連結会計年度比 36百万円減少の 2億42百万円、役務取引等収支は、前連結会計年度比 14億76百万円増加の 596億77百万円、特定取引収支は、前連結会計年度比 27百万円増加の 7億5百万円、その他業務収支は、前連結会計年度比 139億97百万円増加の △83億41百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、連結子会社の海外店であります。
3 「相殺消去額」には内部取引金額等を表示しております。
4 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用を控除して表示しております。
当連結会計年度の資金運用勘定の平均残高は、前連結会計年度比 2兆3,197億97百万円増加の 24兆6,235億76百万円となりました。受取利息は、前連結会計年度比 333億57百万円増加の 2,741億97百万円となり、この結果、利回りは前連結会計年度比 0.04%上昇の 1.11%となりました。
一方、資金調達勘定の平均残高は、前連結会計年度比 2,984億34百万円減少の 24兆2,253億40百万円となりました。支払利息は、前連結会計年度比 120億38百万円増加の 661億67百万円となり、この結果、利回りは前連結会計年度比 0.05%上昇の 0.27%となりました。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内」とは、当社及び連結子会社(海外店を除く)であります。
3 資金運用勘定は、日銀預け金の平均残高のうち、有利息部分を含め、無利息部分を控除して表示しております。
4 資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息をそれぞれ控除して表示しております。
(注) 「海外」とは、連結子会社の海外店であります。
(注) 1 資金運用勘定は、日銀預け金の平均残高のうち、有利息部分を含め、無利息部分を控除して表示しております。
2 資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息をそれぞれ控除して表示しております。
3 「相殺消去額」には内部取引金額等を表示しております。
当連結会計年度の役務取引等収益は、前連結会計年度比 28億34百万円増加の 769億68百万円となりました。
また、役務取引等費用は、前連結会計年度比 13億58百万円増加の 172億91百万円となりました。
この結果、役務取引等収支は、前連結会計年度比 14億76百万円増加の 596億77百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、連結子会社の海外店であります。
3 「相殺消去額」には内部取引金額等を表示しております。
当連結会計年度の特定取引収益は、前連結会計年度比 8百万円増加の 7億5百万円となりました。
一方、特定取引費用はありませんでした(前連結会計年度比 19百万円減少)。
この結果、特定取引収支は、前連結会計年度比 27百万円増加の 7億5百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、連結子会社の海外店であります。
3 「相殺消去額」には内部取引金額等を表示しております。
当連結会計年度末の特定取引資産は、前連結会計年度末比 2億13百万円減少の 15億17百万円となりました。
一方、特定取引負債は、前連結会計年度末比 6百万円減少の 6百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、連結子会社の海外店であります。
3 「相殺消去額」には内部取引金額等を表示しております。
(注) 1 「国内」とは、当社及び連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、連結子会社の海外店であります。
3 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
4 定期性預金=定期預金+定期積金
5 「相殺消去額」には内部取引金額等を表示しております。
(注) 1 「国内」とは、当社及び連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、連結子会社の海外店であります。
「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の外国政府等の債権残高を掲げることとしておりますが、前連結会計年度末及び当連結会計年度末のいずれも該当ありません。
(注) 1 「国内」とは、当社及び連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、連結子会社の海外店であります。
3 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
4 「相殺消去額」には、当社及び子会社間の資本連結等に伴い相殺消去した金額を記載しております。
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、株式会社横浜銀行1社であります。
A. 信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表)
(注)共同信託他社管理財産については、取扱残高はありません。
B. 元本補填契約のある信託の運用/受入状況(末残)
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加や資金運用による収入などにより、3,762億57百万円の収入(前連結会計年度は 2兆2,174億87百万円の支出)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却や償還などにより、215億89百万円の収入(前連結会計年度は 374億79百万円の収入)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い、自己株式の取得、社債の償還などにより、706億11百万円の支出(前連結会計年度は 510億25百万円の支出)となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、期中 3,272億34百万円増加して 4兆3,531億43百万円となりました。
なお、ビジネス領域の強化・拡大のための戦略的投資やお客さまの利便性向上に向けたIT・デジタル投資、株主還元等は自己資金で対応する予定であります。
(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
貸倒引当金の計上
当社の連結子会社における貸出金、支払承諾見返等の債権の残高は多額であり、経営成績等に対する影響が大きいため、貸倒引当金の計上は会計上の見積りにおいて重要なものと判断しております。
貸倒引当金の金額の算出方法等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項 (6)貸倒引当金の計上基準」に記載のとおりであり、計上にあたって、以下のような主要な仮定を用いております。
・債務者の実態評価、経営改善計画等に基づく債務者区分の判定における貸出先の将来見込み
・過去の処分実績等に基づく不動産等担保の今後の処分可能見込額の見通し
・キャッシュ・フロー見積法における足元の実績等に基づく債権の今後の元本回収及び利息受取りの見通し
・予想損失額の算定に際して、過去平均値に基づく損失率に加える必要な修正において考慮する、過去実績の趨勢等に基づく将来見込み等
当社の経営者は、債権の評価にあたり行っている見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分に計上されていると判断しております。ただし、これらの評価には経営者としても管理不能な不確実性が含まれております。このため、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価に関する見積りが変化する場合があり、この場合には、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する貸倒引当金及び貸倒引当金繰入額等の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、2021年3月期以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともない財政状態に重要な影響が生じており、今後の事業活動にも重要な影響が残っている一部の業種(以下「特定業種」という。)に属する貸出先については、将来見込みの不確実性が高いことから、当該信用リスクの状況に鑑み、今後の資金繰り悪化の可能性を織り込んだ場合に予想される損失額について追加的に必要な修正を加えて貸倒引当金を算定してきました。当連結会計年度では、新型コロナウイルス感染症の5類移行後一定期間が経過し、その後の貸出先の業績が債務者区分判定に反映されてきたことから、債務者区分判定における、特定業種の将来見込みの不確実性は低減していると判断しております。以上を踏まえ、当連結会計年度より、特定業種に属する貸出先に対する、予想される損失額の追加的な修正は行っておりません。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、2023年3月末からバーゼルⅢの最終化を適用する国際統一基準金融機関として、信用リスク・アセットは基礎的内部格付手法を、オぺレーショナル・リスク相当額は標準的計測手法を、マーケット・リスク相当額は簡易的方式を採用しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(平成31年金融庁告示第12号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
持株レバレッジ比率(国際統一基準)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、株式会社横浜銀行、株式会社東日本銀行及び株式会社神奈川銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
株式会社横浜銀行(単体)の資産の査定の額
(注)部分直接償却後の金額を記載しております。
株式会社東日本銀行(単体)の資産の査定の額
(注)部分直接償却を実施しておりません。
株式会社神奈川銀行(単体)の資産の査定の額
(注)部分直接償却後の金額を記載しております。
(生産、受注及び販売の状況)
銀行持株会社としての業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。