第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

わが国経済は政府の景気対策効果もあって、今後も緩やかな景気回復基調で推移すると期待されます。一方、個人消費については雇用・所得環境の改善傾向から底堅い動きが見られる反面、節約意識の高まりから力強さには欠ける状況が続くことが予想されます。

当業界におきましても、原材料価格・物流費の上昇などコストアップ要因の影響が懸念される中、消費者の選別の目は厳しくなってきており、依然難しい経営環境が継続します。

このような環境を踏まえ、当社グループは「中期経営計画2020」に基づいて伊藤ハム、米久両ブランドの主力製品の拡販につとめるとともに、高品質・高付加価値製品を開発する一方で値頃感のある製品を投入して消費の二極化への対応をはかってまいります。また引き続き、経営統合によるシナジー効果の発揮を追求してまいります。

 

(1)会社の経営の基本方針

伊藤ハム米久ホールディングスグループは「中期経営計画2020」において、グループ理念、ビジョンを次の通り定義しました。経営者及び従業員の全員がこれらの理念や行動指針に基づいた活動を推進することによって、企業の社会的責任を果たし、真に信頼されるグループとなるべく経営に取り組んでまいります。

<グループ理念>

私たちは事業を通じて、健やかで豊かな社会の実現に貢献します

<ビジョン>

フェアスピリットと変革への挑戦を大切にし、従業員とともに持続的に成長する食品リーディングカンパニー

<行動指針>

・安全安心と品質の追求による、価値ある商品とサービスの提供

・有言実行の徹底による信頼関係の構築、強化

・全員参加の闊達な意思疎通と相互理解による能力開発と育成

・コンプライアンスを最優先とした、公明正大で透明性のある行動

・地球環境に配慮した事業活動の推進

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは「中期経営計画2020」において、2020年度の連結売上高1兆円、経常利益300億円以上をグループ目標としています。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

「中期経営計画2020」は「事業規模拡大」と「効率化・競争力強化」の2つの基本戦略から構成されています。これらの2つの基本戦略を両立し、持続的に成長する食品リーディングカンパニーを目指します。

具体的には以下の課題を設定し、経営を進めてまいります。

・調理加工食品を増強し、調理加工食品売上をハム・ソーセージと同水準まで伸長させる

・海外生産と海外市場での販売拡大によって、経常利益に占める海外事業の割合を拡大させる

・伊藤ハム、米久の両ブランドの価値を高め、ハム・ソーセージのシェアをアップする

・国内の生産事業を拡大し、ブランドミートの供給体制を拡充するとともに外部環境変化への対応力を強化する

・営業人材の強化や営業所の立地見直しなど直販力を強化し、食肉の実需への到達力を高める

・コスト競争力のある生産体制の構築など生産の最適化を図る

・すべての外部調達品の効率的かつ、低コストでの調達による原価低減と収益性の向上を図り、仕入業務の効率化・競争力強化を図る

・物流取扱量を活かして効率性を徹底し、物流業務の効率化・競争力強化を図る

・間接部門の効率的運営、統合など重複する機能の再編を進める

当社グループを取り巻く事業環境は、楽観できない状況が続いておりますが、経営統合3期目を迎えるにあたりグループ全体最適の視点を更に徹底し、また、消費者ニーズの変化を確実に捉え、時代に求められている商品やサービスを安全安心に提供し、「中期経営計画2020」の目標達成に向かって各種施策を着実に実行し業績の向上に努めてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)市況変動

当社グループは食肉及び食肉加工食品を中心に扱っており、販売用食肉、ハム・ソーセージ、調理加工食品等の原材料となる畜産物の日本国内及び海外の相場変動により収益に影響を及ぼす可能性があります。特に、BSE、鳥インフルエンザ、口蹄疫及び豚流行性下痢等の獣疫の発生や輸入豚肉、輸入牛肉を対象としたセーフガード発動等により仕入数量の制限や仕入価格の上昇が考えられます。

また、原油、穀物、乳製品等の高騰や労働力不足に起因する労働力単価の上昇により、製品に使用する副原料、包装資材及び電力や物流費等のコストが上昇し、収益に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、食肉を供給する生産飼育事業においては、畜産物相場に加え飼料価格の変動により収益に影響を及ぼす可能性があります。従いまして、これらの事象は当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

これらの価格変動要因に対して、継続した魅力ある商品やサービスの提供、商品の調達先の多様化によるリスクの分散、食肉の適正在庫水準の維持、物流の集約などを行っておりますが、当該事象による影響を完全に回避できる保証はありません。

 

(2)食品の安全性

製品の規格や輸入食品の安全対策等、食品の安全性がますます強く求められる中、当社グループでは、国際的に認められている管理基準をもとに、フードディフェンスの強化をはじめとして品質保証部門による厳しい品質管理体制を整備し、製品の安全性と品質の確保に万全を期しております。

しかしながら、異物混入等の被害によりブランドイメージを損ね、回収費用や訴訟・損害賠償等により収益に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。

また、商品の品質や安全性を確保するためのフードディフェンス、トレーサビリティーの強化等は、そのシステム構築に多大な費用が掛かる可能性があり、これらも当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)為替変動

当社グループは、海外から外貨建ての輸入業務を行っており、これらの国の現地通貨に対する為替レートの変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、通貨ヘッジ取引を行い、主要通貨間の為替レートの短期的な変動による影響を最小限に止める努力をしておりますが、中長期的な通貨変動により、計画された調達、製造、流通及び販売活動を確実に実行できない場合があります。

また、外貨建てで作成されている海外連結子会社の財務諸表を円貨に換算する際の換算差額によって、連結財務諸表の株主資本が為替換算調整勘定を通じて変動する事象があり、これら為替レートの変動は当社グループの財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)金利変動

当社グループは必要資金の一部を有利子負債で調達しております。有利子負債の一部は金利スワップ取引を行い、金利変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、将来的な金利上昇局面においては資金調達における利息負担の増加により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5)国際的活動及び海外進出

当社グループの生産・調達及び販売活動の一部は、欧州、アジア、オセアニア、米国等の日本国外で行われております。これらの海外市場での活動やさらなる事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しております。

①予期しない法律または規制の変更

②不利な政治または経済要因

③人材の採用と確保の難しさ

④異常気象や地震等の自然災害の発生

⑤テロ、戦争、伝染病等の要因による社会的混乱

⑥予測の範囲を越えた市場・為替レートの変動

上記のような事象が当社グループの予測を超えて顕在化した場合、生産設備の管理やその他の事業の遂行に問題が生じることが考えられます。従いまして、これらの事象は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)公的規制

当社グループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税や獣疫等による輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。

また、通商、独占禁止、食品衛生、食品表示、下請、特許、消費者、租税、証券取引、為替管制、環境・リサイクル関連の各種法規制の適用も受けております。

当社グループとしては、関連法規の遵守に万全の体制で臨んでおりますが、将来において新たな法的規制等が設けられる可能性があり、これらの規制等の適用を受けることになった場合、新たな費用が発生する、あるいは事業活動が制限されるなど当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)知的財産保護の限界

当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的制限のため知的財産権による完全な保護が不可能、または限定的にしか保護されない状況にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造するのを効果的に防止できない可能性があります。

また、他社が類似する、もしくは当社グループより優れている技術を開発する可能性や、当社グループの特許や企業秘密の模倣を防止できない可能性があります。さらに、当社グループの将来の製品または技術は、将来的に他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性もあります。

 

(8)災害等による影響

当社グループでは、災害等の発生による潜在的なマイナス影響を最小化するために、例えば製造ラインにおける災害防止検査や各種設備点検等に努めておりますが、全ての事業拠点で発生する自然災害、停電または渇水その他の中断事象による影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。

大規模な地震災害等、あるいはそれに伴う二次災害により、事業活動の継続が困難と認められた場合、事業活動を停止する措置をとることがあります。また、事業拠点に大きな被害がなくても社員の人命確保を最優先として活動を停止させる可能性もあり、商品供給に支障をきたす等当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)環境

 当社グループは環境問題に関して、その関連法令を遵守するとともに、資源・エネルギーを有効に活用し環境に配慮した事業活動を行っております。

しかしながら事業活動に関し、過失の有無に拘わらず環境に関する法的、社会的責任を過去に遡及して負う可能性があります。また将来環境に関する規制や社会的な要求がさらに厳しくなり、その対応による費用負担が増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10)退職給付債務

当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。実際の割引率や収益率の変動、年金制度の変更等、前提条件から差異や変化があった場合は、将来期間において認識される費用及び計上される債務が増減し、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)内部統制

当社グループは、内部統制システム基本方針を定め、この基本方針に基づく内部統制システムの整備・運用状況を常に評価し、法令遵守及び業務の適正の確保に努めております。しかしながら、そのシステムが有効に機能しなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)情報セキュリティー

当社グループは、取引の遂行、顧客との連絡、経営陣への情報提供及び財務に関する報告書の作成などを正確かつ効率的におこなうため、情報システムを利用しており、セキュリティー、バックアップ及び災害復旧に係る対策を講じております。

また、情報の取り扱いについては、「情報セキュリティポリシー」のもと、個人情報や機密情報の安全管理と漏洩防止、情報セキュリティー遵守意識の維持・向上及び情報システムの安全かつ円滑な稼働の堅持、適切なセキュリティー対策を実施しております。

しかしながら、地震その他の自然災害、テロリストによる攻撃、ハードウェア・ソフトウェア・設備・遠隔通信の欠陥・障害、処理エラー、新種のコンピューター・ウイルス感染、ハッキング、悪意をもった不正アクセス、その他セキュリティー上の問題または外部業者の債務不履行に起因する障害または不具合など予測の範囲を超える事態により、情報の漏洩、消失、情報システムの一定期間の停止等が生じる場合があります。

これらの事由が生じた場合、企業イメージの低下や社会的信用の失墜とともに、告知・補償等により費用の増加や収益の低下などが発生し、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)コンプライアンス

当社グループは、コンプライアンス推進規程を策定し、コンプライアンス統括部等を中心として従業員一人ひとりが、法令や社内規程を遵守するようコンプライアンス管理体制を整備すると共に、役職員に対するコンプライアンス意識の浸透と向上に継続的に取り組んでおります。

しかしながら、コンプライアンス違反が発生する可能性は皆無とは言えず、役職員個人による法令違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合、社会的信用の失墜や風評被害等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。

 

a.財政状態

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて50億55百万円増加し、3,786億87百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が154億96百万円、たな卸資産が103億18百万円、有形固定資産が36億56百万円増加したことと、現金及び預金が235億1百万円減少したことによるものであります。

負債は、前連結会計年度末に比べて52億27百万円増加し、1,588億26百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が29億27百万円、短期借入金が84億43百万円、未払金が44億21百万円増加したことと、1年内償還予定の社債が償還により100億円減少したことによるものであります。

純資産は、前連結会計年度末に比べて1億72百万円減少し、2,198億61百万円となりました。これは主に、利益剰余金が107億30百万円増加したことと、子会社株式の追加取得等により資本剰余金が17億16百万円、非支配株主持分が63億2百万円減少したことによるものであります。

 

b.経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな景気回復基調で推移しましたが、海外における不安定な政治動向や地政学的リスク等の影響が懸念されるなど、先行きについては不透明な状況が継続しております。

当業界におきましては、原材料価格や物流コストが上昇する中、食料品等の日常生活品に対する消費者の低価格志向は依然根強く、厳しい事業環境が続いております。

このような状況の中、当連結会計年度の当社グループの経営成績につきましては、売上高は、8,318億65百万円と前期に比べて393億円(5.0%)の増収となりました。営業利益は、215億62百万円と前期に比べて1億6百万円(0.5%)の増益となりました。また、経常利益は、244億23百万円と前期に比べて4億60百万円(1.9%)の減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、157億84百万円と前期に比べて22億53百万円(12.5%)の減益となりました。

 

報告セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。

 

<加工食品事業>

ハム・ソーセージについては、「The GRAND アルトバイエルン」「朝のフレッシュシリーズ」「ポークビッツ」「御殿場高原あらびきポーク」等の主力商品を対象としたテレビコマーシャルの投入や消費者キャンペーンの実施により、ブランド力の強化に取り組んだ結果、販売数量、売上高ともに増加しました。

調理加工品については、消費者の簡便志向・健康志向に対応した商品提案を強化し、ピザ・スナック類や「サラダチキン」などのチキン商品が好調に推移したことに加え、ハンバーグ類や中華総菜等についても拡販に努めた結果、販売数量、売上高ともに増加しました。

ギフトについては、フラッグシップギフトの「伝承」に加え、調理品ギフトの「賛否両論」を中心に拡販し、歳暮商戦においては販売数量、売上高ともに堅調に推移しました。

以上の結果、当連結会計年度における加工食品事業の売上高は、2,875億2百万円と前期に比べて102億7百万円(3.7%)の増収となりました。営業利益は、107億64百万円と前期に比べて3億74百万円(3.4%)の減益となりました。

 

 

<食肉事業>

国内事業については、輸入食肉は、輸入牛肉の米国産チルドビーフの販売数量の伸長や輸入豚肉のオリジナルブランド「アルティシモ・リバサム」「麦の誉」「菜の花ポーク」の拡販等により、牛肉、豚肉、鶏肉ともに販売数量、売上高が増加しました。国内食肉は、国産牛肉の相場下落傾向が続く状況の中、国内生産者との連携強化を深めて拡販に努めたことに加え、国産鶏肉の「大地のハーブ鶏」等のオリジナルブランドの積極展開に取り組んだ結果、販売数量、売上高ともに増加しました。

海外事業については、アンズコフーズ社は、ニュージーランド全体の牛処理頭数減少の影響を受けて牛肉の売上高が減少しましたが、羊肉の売上高の増加及び円安の影響等により、売上高は微増となりました。

以上の結果、当連結会計年度における食肉事業の売上高は、5,401億7百万円と前期に比べて290億39百万円(5.7%)の増収となりました。営業利益は、114億32百万円と前期に比べて6億11百万円(5.7%)の増益となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて235億1百万円(44.5%)減少し、292億84百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は55億21百万円(前連結会計年度比156億65百万円収入減)となりました。これは主に、税引前当期純利益248億67百万円(前連結会計年度比11億59百万円収入減)、仕入債務及び未払金の増加額77億60百万円(前連結会計年度比77億29百万円収入増)などで資金が増加したことと、売掛債権の増加額155億89百万円(前連結会計年度比155億8百万円支出増)、たな卸資産の増加額105億6百万円(前連結会計年度比55億23百万円支出増)などで資金が減少したことによるものであります。  

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は81億83百万円(前連結会計年度比5億73百万円支出減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出109億5百万円(前連結会計年度比77百万円支出減)などで資金が減少したことと、関連会社の有償減資による収入27億67百万円(前連結会計年度比27億67百万円収入増)などで資金が増加したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は200億4百万円(前連結会計年度比110億7百万円支出増)となりました。これは主に、社債の償還による支出100億円(前連結会計年度比100億円支出増)、配当金の支払額50億51百万円(前連結会計年度比25億53百万円支出増)、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得(ANZCO FOODS LTD.追加取得)による支出76億68百万円(前連結会計年度比76億68百万円支出増)などで資金が減少したことと、借入金の増減による収入55億64百万円(前連結会計年度比113億76百万円収入増)などで資金が増加したことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2017年4月1日

至  2018年3月31日)

前年同期比(%)

加工食品事業(百万円)

159,711

101.1

食肉事業(百万円)

156,180

99.7

    報告セグメント計(百万円)

315,891

100.4

その他(百万円)

-

-

合計(百万円)

315,891

100.4

 

(注) 1.当社グループ製品の製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 b.受注状況

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2017年4月1日

至  2018年3月31日)

前年同期比(%)

加工食品事業(百万円)

287,502

103.7

食肉事業(百万円)

540,107

105.7

    報告セグメント計(百万円)

827,609

105.0

その他(百万円)

4,255

101.3

合計(百万円)

831,865

105.0

 

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

      2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループは、「中期経営計画2020」に基づき、「私たちは事業を通じて、健やかで豊かな社会の実現に貢献します」の理念の下、経営基盤の強化をさらに進めております。また、名実ともに業界のリーディングカンパニーになるというビジョンのもと、「事業規模拡大」「効率化・競争力強化」を基本戦略として経営統合によるシナジー効果を最大限に発揮し、本計画の最終年度の2021年3月期には、売上高1兆円、経常利益300億円の業績目標を達成すべく、グループ一丸となって取り組んでおります。

 

a.経営成績

ハム・ソーセージについては、原材料価格の上昇や、消費者の低価格志向から販売競争が激化する中、当社グループはメーカーとして自社商品の強み・特徴・美味しさを追求し、価格競争に巻き込まれることのない、魅力的かつ競争力のある商品を作り収益性を高めることに注力してまいりました。また、主力商品を対象としたテレビコマーシャルの投入や消費者キャンペーンの実施により、ブランド力の強化に取り組んでまいりました。

調理加工品については、消費者の簡便志向・健康志向に対応した商品提案を強化し、ピザ・スナック類や「サラダチキン」などのチキン商品が好調に推移したことに加え、ハンバーグ類や中華総菜等についても拡販に努めてまいりました。

食肉については、生産・加工・流通・販売を強力に結びつけたバリューチェーンの構築・強化や有力な海外サプライヤーとの提携によって、安全・安心な商品を安定的に供給しニーズの多様化に迅速に対応できるよう努めてまいりました。また、全ての畜種においてブランドミート化を進め、付加価値を高めた商品の積極展開に取り組んでまいりました。

以上の結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は、8,318億65百万円と前期に比べて393億円(5.0%)の増収となり、売上総利益は、1,306億49百万円と前期に比べて24億37百万円(1.9%)の増益となりました。

営業利益については、主に物流コストの上昇等により販売及び一般管理費が1,090億87百万円と前期に比べて23億30百万円(2.2%)増加し、当連結会計年度の当社グループの営業利益は、215億62百万円と前期に比べて1億6百万円(0.5%)の増益となりました。

一方、経常利益については、持分法による投資利益が前期に比べて減少したこと等により、当連結会計年度の当社グループの経常利益は、244億23百万円と前期に比べて4億60百万円(1.9%)の減益となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益については、投資有価証券の売却による特別利益が前期に比べて減少したことに加えて、海外子会社の完全子会社化により繰越欠損金の一部が消滅したことに伴う法人税等調整額の増加等により、当連結会計年度の当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益は、157億84百万円と前期に比べて22億53百万円(12.5%)の減益となりました。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

c.資本の財源及び資金の流動性についての分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

経営統合によるシナジー効果として、海外子会社及び一部の国内子会社を除く当社グループでは当連結会計年度よりキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、グループ資金の有効活用を実現しております。

2018年度における運転資金及び新工場建設等の設備投資資金の調達は自己資金及び借入金による調達を予定しております。

 また、キャッシュ・フローの指標は、以下のとおりであります。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

自己資本比率(%)
(注)1

56.9

57.7

時価ベースの自己資本比率(%)
(注)2

82.6

72.2

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)
(注)3

2.5

8.7

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
(注)4

22.5

6.2

 

(注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産

2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

  *各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

  *株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

  *キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

  *有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 *利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

当社は2016年4月1日付で、共に連結子会社である伊藤ハム株式会社及び米久株式会社との間で同社に対する経営管理業務に関し、それぞれ「経営管理業務委託契約」を締結しております。

 

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発につきましては、基礎研究を伊藤ハム株式会社の中央研究所を中心に行い、全社的な商品開発は伊藤ハム株式会社の商品開発部門及び米久株式会社のR&Dユニットが中心となり、マーケティング部門と連携を取りながら新商品の企画立案、商品化を推進しております。

中央研究所では、基礎研究、技術開発を通して商品の改良や商品化に繋げるテーマに取り組む一方で、蓄積した研究成果・分析技術・品質評価技術を活用して社内各部署の課題解決をサポートしております。

研究活動では、①品質保持技術の高度化、②おいしさ・品質向上の追求、③新ニーズをとらえた基礎技術の開発、の3つの視点から、これらに寄与するテーマへの取り組みを進めました。

①品質保持技術の高度化

「菌株タイピング法」の有用性を確認。菌種の制約はありますが、微生物同定のメッシュを高めた対応が可能となりました。また、新規の製剤を含めた殺菌剤の効果等について、試験方法の組み立てから比較試験を実施、今後更に製品に近い条件を設定しての評価を行うべく計画しております。これらを通じて、微生物検査のレベルの向上を図りました。

(期待される効果)   ・品質管理業務での利用

           ・汚染菌発見時の原因特定の精度向上

②おいしさ・品質向上の追求

食感や風味など食のおいしさを客観的に評価するための指標とその分析手法を得るテーマを中心に取り組んでおります。今期は、ソーセージで製造工程と香気の関係の網羅的調査から、幾つかの重要な香気成分が特定できつつある事、ハムの食感表現の数値化検討等についても、指標を抽出する為の様々な切り口からのデータ収集を行いました。今後、おいしさとこれらの要素がいかに結び付けられるかの解析を進めて行く予定です。

(期待される効果)   ・商品の品質のバラツキ度の明確化

            ・商品のおいしさの客観的な数値化

            ・商品開発への活用および改善方向の明確化

③新ニーズをとらえた基礎技術の開発

食肉加工品を主な対象とした健康軸の視点からのアプローチをメインに据えて、味・食感の改良を考えての「減塩技術の改良」、「やわらかさ・飲み込み易さの付与」、「機能性成分の付与」等のテーマに対して、試作・分析・評価を繰り返し実施し、新規技術及び技術の改良に結びつくであろう幾つかの知見を得るに至りました。得られた知見について商品開発や生産の関連部署との共有も行い、今後評価を受けていく事になります。

(期待される効果)   ・幅広い需要に対応した、食肉加工品の開発

            ・高齢者に向けた食肉加工品の開発

            ・原料調達の選択拡大

             

商品開発の分野では、「お客様・お得意先様との共創による価値ある商品提供」を実践し、グループシナジーによる収益性の向上に向けて積極的に取り組んでおります。

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、17億91百万円であります。