文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
伊藤ハム米久ホールディングスグループは「中期経営計画2020」において、グループ理念、ビジョンを次の通り定義しました。経営者及び従業員の全員がこれらの理念や行動指針に基づいた活動を推進することによって、企業の社会的責任を果たし、真に信頼されるグループとなるべく経営に取り組んでまいります。
<グループ理念>
私たちは事業を通じて、健やかで豊かな社会の実現に貢献します
<ビジョン>
フェアスピリットと変革への挑戦を大切にし、従業員とともに持続的に成長する食品リーディングカンパニー
<行動指針>
・安全安心と品質の追求による、価値ある商品とサービスの提供
・有言実行の徹底による信頼関係の構築、強化
・全員参加の闊達な意思疎通と相互理解による能力開発と育成
・コンプライアンスを最優先とした、公明正大で透明性のある行動
・地球環境に配慮した事業活動の推進
(2)目標とする経営指標
当社グループは「中期経営計画2020」において、2020年度の連結売上高1兆円、経常利益率3%以上をグループ目標としています。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
「中期経営計画2020」は「事業規模拡大」と「効率化・競争力強化」の2つの基本戦略から構成されています。これらの2つの基本戦略を両立し、持続的に成長する食品リーディングカンパニーを目指します。
具体的には以下の課題を設定し、経営を進めてまいります。
・調理加工食品を増強し、調理加工食品売上をハム・ソーセージと同水準まで伸長させる
・海外生産と海外市場での販売拡大によって、経常利益に占める海外事業の割合を拡大させる
・伊藤ハム、米久の両ブランドの価値を高め、ハム・ソーセージのシェアをアップする
・国内の生産事業を拡大し、ブランドミートの供給体制を拡充するとともに外部環境変化への対応力を強化する
・営業人材の強化や営業所の立地見直しなど直販力を強化し、食肉の実需への到達力を高める
・コスト競争力のある生産体制の構築など生産の最適化を図る
・すべての外部調達品の効率的かつ、低コストでの調達による原価低減と収益性の向上を図り、仕入業務の効率化・競争力強化を図る
・物流取扱量を活かして効率性を徹底し、物流業務の効率化・競争力強化を図る
・間接部門の効率的運営、統合など重複する機能の再編を進める
当社グループを取り巻く事業環境は、予断を許さない状況が続いておりますが、「自ら考え、行動する」をスローガンに、「中期経営計画2020」の目標達成に向かって各種施策を着実に実行し業績の向上に努めてまいります。
当社グループの業績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)市況変動
当社グループは食肉及び食肉加工食品を中心に扱っており、販売用食肉、ハム・ソーセージ、調理加工食品等の原材料となる畜産物の日本国内及び海外の相場変動により収益に影響を及ぼす可能性があります。特に、BSE、鳥インフルエンザ、口蹄疫、豚ウイルス性疾病等の獣疫の発生や輸入豚肉、輸入牛肉を対象としたセーフガード発動等により仕入数量の制限や仕入価格の上昇が考えられます。
また、原油、穀物、乳製品等の高騰や労働力不足に起因する労働力単価の上昇により、製品に使用する副原料、包装資材及び電力や物流費等のコストが上昇し、収益に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、食肉を供給する生産飼育事業においては、畜産物相場に加え飼料価格の変動により収益に影響を及ぼす可能性があります。従いまして、これらの事象は当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これらの価格変動要因に対して、継続した魅力ある商品やサービスの提供、商品の調達先の多様化によるリスクの分散、食肉の適正在庫水準の維持、物流の集約等を行っておりますが、当該事象による影響を完全に回避できる保証はありません。
(2)食品の安全性
製品の規格や輸入食品の安全対策等、食品の安全性がますます強く求められる中、当社グループでは、国際的に認められている管理基準をもとに、フードディフェンスの強化をはじめとして品質保証部門による厳しい品質管理体制を整備し、製品の安全性と品質の確保に万全を期しております。
しかしながら、異物混入等の被害によりブランドイメージを損ね、回収費用や訴訟・損害賠償等により収益に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。
また、商品の品質や安全性を確保するためのフードディフェンス、トレーサビリティの強化等は、そのシステム構築に多大な費用が掛かる可能性があり、これらも当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)為替変動
当社グループは、海外から外貨建ての輸入業務を行っており、これらの国の現地通貨に対する為替レートの変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、通貨ヘッジ取引を行い、主要通貨間の為替レートの短期的な変動による影響を最小限に止めるよう努めておりますが、中長期的な通貨変動により、計画された調達、製造、流通及び販売活動を確実に実行できない場合があります。
また、外貨建てで作成されている海外連結子会社の財務諸表を円貨に換算する際の換算差額によって、連結財務諸表の純資産が為替換算調整勘定を通じて変動する事象があり、これら為替レートの変動は当社グループの財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)金利変動
当社グループは必要資金の一部を有利子負債で調達しております。有利子負債の一部は金利スワップ取引を行い、金利変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、将来的な金利上昇局面においては資金調達における利息負担の増加により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)国際的活動及び海外進出
当社グループの生産・調達及び販売活動の一部は、欧州、アジア、オセアニア、米国等の日本国外で行われております。これらの海外市場での活動やさらなる事業進出には以下に掲げるようないくつかの事象が内在しております。
①予期しない法律または規制の変更
②不利な政治または経済要因
③人材の採用と確保の難しさ
④異常気象や地震等の自然災害の発生
⑤テロ、戦争、伝染病等の要因による社会的混乱
⑥予測の範囲を越えた市場・為替レートの変動
上記のような事象が当社グループの予測を超えて顕在化した場合、生産設備の管理やその他の事業の遂行に問題が生じることが考えられます。従いまして、これらの事象は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)公的規制
当社グループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税や獣疫等による輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。
また、通商、独占禁止、食品衛生、食品表示、下請、特許、消費者、租税、証券取引、為替管制、環境・リサイクル関連の各種法規制の適用も受けております。
当社グループとしては、関連法規の遵守に万全の体制で臨んでおりますが、将来において新たな法的規制等が設けられる可能性があり、これらの規制等の適用を受けることになった場合、新たな費用が発生する、あるいは事業活動が制限される等、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(7)知的財産保護の限界
当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的制限のため知的財産権による完全な保護が不可能、または限定的にしか保護されない状況にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造するのを効果的に防止できない可能性があります。
また、他社が類似する、もしくは当社グループより優れている技術を開発する可能性や、当社グループの特許や企業秘密の模倣を防止できない可能性があります。さらに、当社グループの将来の製品または技術は、将来的に他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性もあります。
(8)災害等による影響
当社グループでは、危機管理室等を中心として災害等の発生による潜在的なマイナス影響を最小化するために、例えば製造ラインにおける災害防止検査や各種設備点検等に努めておりますが、全ての事業拠点で発生する自然災害、停電または渇水その他の中断事象による影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。
大規模な地震災害等、あるいはそれに伴う二次災害により、事業活動の継続が困難と認められた場合、事業活動を停止する措置をとることがあります。また、事業拠点に大きな被害がなくても、従業員の安全確保を最優先として活動を停止させた場合には商品供給に支障をきたす等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)環境問題
当社グループは環境問題に関して、その関連法令を遵守するとともに、資源・エネルギーを有効に活用し環境に配慮した事業活動を行っております。
しかしながら事業活動に関し、過失の有無に拘わらず環境に関する法的、社会的責任を過去に遡及して負う可能性があります。また将来環境に関する規制や社会的な要求がさらに厳しくなり、その対応による費用負担が増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。実際の割引率や収益率の変動、年金制度の変更等、前提条件から差異や変化があった場合は、将来期間において認識される費用及び計上される債務が増減し、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11)内部統制
当社グループは、内部統制システム基本方針を定め、この基本方針に基づく内部統制システムの整備・運用状況を常に評価し、法令遵守及び業務の適正の確保に努めております。しかしながら、そのシステムが有効に機能しなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)情報セキュリティ
当社グループは、取引の遂行、顧客との連絡、経営陣への情報提供及び財務に関する報告書の作成等を正確かつ効率的におこなうため、情報システムを利用しており、セキュリティ、バックアップ及び災害復旧に係る対策を講じております。
また、情報の取り扱いについては、「情報セキュリティポリシー」のもと、個人情報や機密情報の安全管理と漏洩防止、情報セキュリティ遵守意識の維持・向上及び情報システムの安全かつ円滑な稼働の堅持、適切なセキュリティ対策を実施しております。
しかしながら、地震その他の自然災害、テロリストによる攻撃、ハードウェア・ソフトウェア・設備・遠隔通信の欠陥・障害、処理エラー、新種のコンピューター・ウイルス感染、ハッキング、悪意をもった不正アクセス、その他セキュリティ上の問題または外部業者の債務不履行に起因する障害または不具合等の予測の範囲を超える事態により、情報の漏洩、消失、情報システムの一定期間の停止等が生じる場合があります。
これらの事由が生じた場合、企業イメージの低下や社会的信用の失墜とともに、告知・補償等により費用の増加や収益の低下等が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)コンプライアンス
当社グループは、コンプライアンス推進規程を策定し、コンプライアンス統括部等を中心として役員・従業員一人ひとりが、法令や社内規程を遵守するようコンプライアンス管理体制を整備すると共に、役員・従業員に対するコンプライアンス意識の浸透と向上に継続的に取り組んでおります。
しかしながら、コンプライアンス違反が発生する可能性は皆無とは言えず、コンプライアンス上の問題が発生した場合、社会的信用の失墜や風評被害等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a.財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて17,187百万円増加し、393,392百万円となりました。これは主に、現金及び預金、受取手形及び売掛金、有形固定資産の増加等と投資有価証券の減少等によるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べて12,974百万円増加し、169,317百万円となりました。これは主に、短期借入金の増加等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて4,213百万円増加し、224,074百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加等によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな景気回復基調で推移しましたが、海外では米中貿易摩擦の長期化が世界経済に及ぼす影響が懸念されるなど、先行きについては不透明な状況が継続しております。
当業界におきましては、原材料を含めた生産コストの上昇及び物流コストの高止まりが続く中、食料品等の日常生活品に対する消費者の低価格志向は依然根強く、厳しい事業環境が続いております。
このような状況の中、当連結会計年度の当社グループの経営成績につきましては、売上高は、前期に比べて18,856百万円増加して850,721百万円(前期比2.3%増)となりました。営業利益は、前期に比べて7,067百万円減少し、14,494百万円(前期比32.8%減)となりました。また、経常利益は、前期に比べて8,744百万円減少し、15,679百万円(前期比35.8%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べて5,196百万円減少し、10,588百万円(前期比32.9%減)となりました。
報告セグメント別の業績の概況は、次のとおりであります。
<加工食品事業>
ハム・ソーセージについては、消費者キャンペーン等の実施により、「The GRAND アルトバイエルン」「朝のフレッシュシリーズ」「ポークビッツ」「原形ベーコンシリーズ」等の主力商品は総じて堅調に推移しましたが、業務用商品の伸び悩み等もあり、売上高は減少しました。
調理加工食品については、消費者の簡便志向・健康志向に対応した商品提案を強化し、テレビコマーシャルを投入した「ラ・ピッツァシリーズ」などのピザ・スナック類や「サラダチキン」などのチキン商品に加え、「レンジでごちそうシリーズ」などの簡便調理をアピールした商品が好調に推移しました。また、ハンバーグ・ミートボール類やトンカツなどのフライ商品等の拡販に努め、販売数量を伸ばした結果、売上高は増加しました。
ギフトについては、市場全体が縮小する中、「伝承」をはじめローストビーフや調理品ギフト等の拡販に努めた結果、歳暮商戦においては販売数量、売上高ともにほぼ前年並みとなりました。
以上の結果、当連結会計年度の加工食品事業の売上高は、前期に比べて4,436百万円増加し、291,939百万円(前期比1.5%増)、営業利益は、生産及び物流コストの上昇分を販売価格に転嫁しきれなかったことから、前期に比べて2,849百万円減少し、7,914百万円(前期比26.5%減)となりました。
<食肉事業>
国内事業については、新規取引先の獲得や国内生産者との連携強化とともに、オリジナルブランド等の付加価値の高い商品の拡販に努めて売上高は増加しました。牛肉は、国産牛肉の相場高に加え、輸入牛肉も含めた調達コストの上昇の影響を受けましたが、販売数量が伸びたことから売上高は増加しました。豚肉は、オリジナルブランドの「アルティシモ・リバサム」「麦の誉」「菜の花そだち三元豚」が伸長しましたが、国産豚肉の相場下落の影響を受けて、売上高は減少しました。鶏肉は、「大地のハーブ鶏」の積極展開等に努めましたが、国産・輸入ともに前年の相場高の反動を受けた販売単価下落等の影響により、売上高は減少しました。
海外事業については、アンズコフーズ社は、売上高は増加したものの、調達コストの上昇等の影響を受けて、収益面では苦しい状況となりました。
以上の結果、当連結会計年度の食肉事業の売上高は、前期に比べて14,469百万円増加し、554,576百万円(前期比2.7%増)、営業利益は、海外事業の収益環境の悪化等の影響により、前期に比べて4,068百万円減少し、7,364百万円(前期比35.6%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて5,358百万円増加(前期は23,501百万円減少)し、34,643百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により資金は15,114百万円増加(前期は5,521百万円増加)しました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益、減価償却費によるものであり、主な減少要因は、売上債権の増加、法人税等の支払によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により資金は19,879百万円減少(前期は8,183百万円減少)しました。主な減少要因は、設備更新等の有形固定資産の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により資金は10,084百万円増加(前期は20,004百万円減少)しました。主な増加要因は、短期借入金の増加、長期借入金の増加による収入であり、主な減少要因は、配当金の支払による支出であります。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当社グループ製品の製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは「私たちは事業を通じて、健やかで豊かな社会の実現に貢献します」をグループ理念に、「フェアスピリットと変革への挑戦を大切にし、従業員とともに持続的に成長する食品リーディングカンパニー」をビジョンとして掲げ、チャレンジ精神を持って「中期経営計画2020」に掲げた施策等に取り組んでおります。また、本計画の最終年度の2021年3月期には、売上高1兆円、経常利益率3%以上の業績目標を達成すべく、グループ一丸となって取り組んでおります。
a.経営成績
(売上高)
ハム・ソーセージについては、消費者キャンペーン等の実施により主力商品は総じて堅調に推移したものの、業務用商品の伸び悩み等もあり減収となりました。調理加工食品については、消費者の簡便志向・健康志向に対応した商品提案の強化や、チキン商品、ハンバーグ・ミートボール類、フライ商品等の拡販に努め、販売数量を伸ばした結果増収となりました。食肉については、国内では牛肉が相場高に加えて販売数量も伸ばしたことから増収となりましたが、豚肉・鶏肉は相場下落等の影響により減収となりました。海外ではアンズコフーズ社が増収となり、食肉全体では増収となりました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は、850,721百万円と前期に比べて18,856百万円(2.3%)の増収となりました。
(営業利益)
加工食品事業において生産及び物流コストの上昇分を販売価格に転嫁しきれなかったことや、食肉事業においてアンズコフーズ社が調達コスト上昇の影響を受けた結果、当連結会計年度の営業利益は、14,494百万円と前期に比べて7,067百万円(32.8%)の減益となりました。
(経常利益)
持分法による投資損益が減少したこと等により、当連結会計年度の経常利益は、15,679百万円と前期に比べて8,744百万円(35.8%)の減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、10,588百万円と前期に比べて5,196百万円(32.9%)の減益となりました。
(今後の見通し)
わが国経済は、堅調な企業収益や雇用・所得環境の緩やかな改善が続くことが見込まれる一方で、世界経済の不透明な状況に左右される懸念が広がっています。
当業界におきましても、人手不足による人件費・物流費の上昇や10月に予定されている消費増税の影響により、消費者の節約志向は一層強まることが想定される等、厳しい経営環境が続くと予想されます。
このような環境を踏まえ当社グループは、伊藤ハム、米久両ブランドの主力商品の拡販に努めるとともに、高品質・高付加価値商品の開発と値頃感のある商品の投入により消費の二極化への対応を図ってまいります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
海外子会社及び一部の国内子会社を除く当社グループではキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、グループ資金の有効活用を実現しております。
2019年度における運転資金及び設備投資資金の調達は自己資金及び借入金による調達を予定しております。
また、キャッシュ・フローの指標は、以下のとおりであります。
(注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
*各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
*株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
*キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
*有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
*利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社は2016年4月1日付で、共に連結子会社である伊藤ハム株式会社及び米久株式会社との間で同社に対する経営管理業務に関し、それぞれ「経営管理業務委託契約」を締結しております。
当連結会計年度期首より、保有する技術、商品開発ノウハウをグループ全体で活用していくため、当社にR&D領域を管掌する担当役員を設置し、さらにスピード感をもって課題解決に取り組むべく、その傘下にグループR&D責任者を配置しました。
また、従来伊藤ハム株式会社において基礎研究を行っていた中央研究所と米久株式会社の研究機能を、グループR&D責任者の直轄組織として当社に移管し統合しております。
以上の組織再編を実施した上で、当社グループの研究開発につきましては、基礎研究を当社の中央研究所が中心に行い、全社的な商品開発は伊藤ハム株式会社の商品開発部門及び米久株式会社の商品開発部が中心となり、マーケティング部門と連携をとりながら新商品の企画立案、商品化を推進しております。
研究活動の分野では、中央研究所において、「品質保持技術の高度化」「おいしさ・品質向上の追求」「新ニーズをとらえた基礎技術の開発」 の視点からの研究テーマへの取り組みを進めております。これらの研究成果や蓄積された分析技術、品質評価技術は、グループ全体の商品開発、品質管理活動に活かされております。また、新商品の開発や既存商品の改良に繋がる試験や分析・解析への対応を通して、グループ各事業部門の課題解決をサポートしております。
商品開発の分野では、グループR&D責任者のもと各社の商品開発部門において、「私たちは事業を通じて、健やかで豊かな社会の実現に貢献します」のグループ理念を実践すべく、お客様・お得意先様への価値ある商品提供を目指して新商品の開発やリニューアルに積極的に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、