(1)業績
当連結会計年度(平成28年2月1日~平成29年1月31日)におけるわが国経済は、アベノミクスの取り組みの下、雇用・所得環境が改善し、緩やかな回復基調が続いていましたが、年度前半には海外経済で弱さが見られたほか、国内経済についても、個人消費及び民間設備投資は、所得、収益の伸びと比べ力強さを欠いた状況となりました。
ゴルフ事業を取り巻く環境におきましては、平成28年に開催されたリオデジャネイロオリンピックよりゴルフが正式種目となったことや日本人プロゴルファーの世界的な活躍により注目が集まっており、団塊世代を中心にゴルフ場の利用者数は堅調な推移となりました。その一方で、業界を挙げて、ゴルフのイメージアップ、若年層の取り込みに向けての様々な施策を展開してはいるものの、ゴルフ人口は減少傾向にあることに加え、ゴルフプレー料金やゴルフ用品の販売単価の下落傾向に回復の兆しが見えず、ゴルフ関連企業を取り巻く環境は厳しい状況にあります。
広告メディア制作事業を取り巻く環境におきましては、広告業界全体の売上は景気の回復に合わせて上昇傾向にあるものの、その内容はネット化、デジタル化の波を受けて大きく変わりつつあります。
メディカル事業を取り巻く環境におきましては、「国民医療費」の総額が41兆円を超え、日本の財政を圧迫する大きな要因となっております。厚労省は「医療費適正化計画」の一環として、2025年までに重症患者を集中治療する高度急性期の病床を13万床、通常の救急医療を担う急性期の病床も40万床と、それぞれ3割ほど減らす目標を示しました。今後病院は生き残りをかけて、医療の質の向上や地域連携の強化を図ることになり、地域住民への広報はより必要性が高まると考えられます。
このような経営環境の下、当社グループは継続的な企業価値の向上を実現すべく、各事業において新規案件の獲得、サービス品質の向上に取り組んでまいりました。
この結果、売上高1,586,174千円(前年同期比59.0%増)、営業利益92,958千円(前年同期比28.5%減)、経常利益89,397千円(前年同期比31.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益58,296千円(前年同期比38.2%減)となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであります。
(ゴルフ事業)
ゴルフ事業におきましては、ASPサービス「1人予約ランド」の契約ゴルフ場数の増加に取り組んでまいりました。業界大手会社とのシステム連携サービスの締結に加え、ゴルフ場のシステム連携費用や利用者数を増加させるための販売促進費用等の負担を軽減すること等の先行投資により当期末での契約コース数は732コースとなりました。また、会員数は平成29年1月末時点で33万人を突破し、堅調な増加傾向が継続しております。
広告プロモーションサービス及びサポートサービスにおいては、「月刊バリューゴルフ」掲載コース数の増加及び「バリューゴルフレッスン」の開催会場・講師数増加により、売上を大きく伸ばすことができました。サポートサービスにおいては、リスク・負担の大きい派遣・訪問形態から、WEBを活用した効率の良いサポート形態への転換に取り組んでまいりました。
また、新たにゴルフ用品販売を主事業とする株式会社ジープを子会社化し、ゴルフ関連サービスの更なる充実と新サービスの展開に取り組んでまいりました。ゴルフ場とのリレーションを強化し、ゴルフ事業における優位性の確立と中長期的な成長スピードの加速のために、来期以降に予定していた営業部門の人員拡充をはじめとする先行投資を前倒しして開始いたしました。
以上の結果、売上高は1,385,268千円(前年同期比99.9%増)、営業利益317,084千円(前年同期比10.0%増)となりました。
(広告メディア制作事業)
広告メディア制作事業におきましては、前期末に獲得した制作案件が軌道に乗り堅調に推移した一方、期初に予定していた新ジャンル及び新媒体受託の遅れや制作委託元クライアント企業における制作環境のWEB化及び発注方針変更により、受託量及び受託単価の減少が発生いたしました。このように大きく変動するビジネス環境に対し、柔軟に対応できる制作体制への移行により業務の効率化を図り、利益の確保に努めてまいりました。
以上の結果、売上高は175,219千円(前年同期比18.8%減)、営業利益39,365千円(前年同期比23.2%減)となりました。
(メディカル事業)
メディカル事業におきましては、新サービスの医療機関向けES/CSサービスへの投資を行い、正式にリリースするとともに、出版サービスとのシナジー効果による新規契約増に取り組んでまいりました。両サービスともに受注件数は堅調に推移しているものの、ES/CSサービスの稼働へ人的資源を集中させたことにより出版サービスの納品スケジュールに遅延が発生し、売上及び利益の計上は次期へ持ち越す形となりました。
以上の結果、売上高は25,686千円(前年同期比71.0%減)、営業損失13,922千円(前年同期は営業利益13,370千円)となりました。
なお、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、当連結会計年度より「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ439,772千円増加し、715,681千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、22,667千円の資金増加(前連結会計年度は63,173千円の増加)となりました。
これは、減価償却費13,938千円、のれん償却額12,324千円、売上債権の減少23,481千円等による資金の増加が、法人税等の支払額30,278千円等による資金の減少を上回ったことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、235,578千円の資金増加(前連結会計年度末は8,721千円の増加)となりました。
これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得に関する収入229,867千円による資金の増加が主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、170,767千円の資金増加(前連結会計年度は102,939千円の減少)となりました。
これは、株式の発行による収入427,761千円、長期借入金の借入による収入400,000千円等による資金の増加が、短期借入金の純増減額409,516千円、長期借入金の返済による支出221,228千円等による資金の減少を上回ったことが主な要因であります。
(1)生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので該当事項はありません。
(2)受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
メディカル事業 |
49,738 |
224.2 |
41,103 |
248.4 |
(注)ゴルフ事業は受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。また、広告メディア制作事業は、受注から売上計上までの期間が極めて短いため、受注規模を金額で示すことはしておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年2月1日 至 平成29年1月31日) |
前年同期比(%) |
|
ゴルフ事業 (千円) |
1,385,268 |
199.9 |
|
広告メディア制作事業(千円) |
175,219 |
81.2 |
|
メディカル事業 (千円) |
25,686 |
29.0 |
|
合計(千円) |
1,586,174 |
159.0 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
①事業領域の拡大
当社グループは、ゴルフ事業、広告メディア制作事業、メディカル事業を3本の柱として運営しております。これらの既存事業をさらに大きく育てていくことは当然のことながら、4本目の柱、5本目の柱となり得る新たな事業領域に進出することがグループの価値向上には不可欠であると考えております。
事業領域を拡大するにあたっては、現在の経営資源を有効に活用できること、事業間のシナジー効果が期待できることなどを条件とし、より重層的な事業展開を図ってまいります。
②事業間シナジーの増強
昨年、ゴルフショップ「ジーパーズ」を運営する㈱ジープの株式を取得し、連結子会社化いたしました。当社の既存ゴルフ事業と同社のゴルフ用品販売事業との間におけるシナジー効果を活かし、ゴルフ事業の成長を加速させてまいります。また、前述の3事業間でのシナジー効果をより一層高めるための施策を講じてまいります。
③優秀な人材の確保、育成
当社グループの最も重要な経営資源は人材であります。事業を開発し、また発展させていくためにも、今まで以上に優秀な人材の獲得を目指しております。そのために採用スタッフを強化し、戦略的な採用活動を行ってまいります。
また、入社後の教育体系を再整備することで、より一層の社員の質的向上を図ってまいります。
④知名度の向上
昨年の東京証券取引所マザーズ上場により、マスコミ等にも取り上げられる機会が増え、社名及び主力商品「1人予約ランド」の知名度はかなり向上したと思われます。しかし、およそ8百万人といわれるゴルフ人口を考えると、「1人予約ランド」の33万人超(平成29年1月末現在)という会員数は、まだまだ伸びる余地のある数字だといえます。
そのため、当社グループは引き続き、積極的に広報活動及び広告宣伝活動を行ってまいります。
⑤内部管理体制の強化
当社グループはいまだ成長段階にあり、昨年の上場に際して整備した内部管理体制を今後安定的な運用に乗せていくことが非常に重要な課題であると捉えております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ゴルフ事業について
① ゴルフ市場の動向
当社グループのゴルフ事業(平成29年1月期における売上構成比87.3%)は、中長期的な成長性についてはゴルフ市場の動向、特にエンドユーザーであるゴルファーの人口及びプレー回数(ゴルフ場の延べ利用人員数)について分析することが有用と考えられます。
総務省のゴルフ場利用税調査によると、全国ゴルフ場の延べ利用人員数(70歳以上など非課税利用人員を含む)は平成4年度1億232万人のピークには及ばないものの、最近では東日本大震災による自粛や景気低迷の影響が一巡し、平成26年度8,651万人(前年度比0.3%増)、平成27年度8,775万人(前年度比1.4%増)と比較的底堅く推移しており、ゴルフが生涯スポーツあるいは国民的レジャーとして50~60歳代を中心に楽しまれている様子が伺われます。
ゴルフ業界では少子高齢化など人口構成の変化を見据えつつ、若年層や女性ゴルファーの開拓、ゴルフ場におけるサービス向上やプレー料金引き下げ、ゴルフの魅力や人気を高める情報発信などに取り組んでおります。しかしながら、ゴルファーの人口やゴルフ場の延べ利用人員数が期待どおりに増加する保証はなく、当社グループのゴルフ事業についても中長期的な成長性が制約される可能性があります。
② 天候、季節変動及び自然災害
ゴルフは屋外のスポーツ・レジャーであり、天候や季節変動による影響を受けます。台風、梅雨、猛暑、降雪などの時期には、ゴルフ場の利用人員数が減少する季節変動があります。また、プレー当日の悪天候によっては予約のキャンセルが発生する場合もあります。さらに台風災害や大雪等が発生した場合には、ゴルフ場が一時閉鎖され、復旧や再開まで相当の期間を要することも予想されます。
したがって、こうした要因が発生した場合にはゴルフ場の利用人員数が左右される結果、「1人予約ランド」の集客実績に応じた従量課金が増減し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 「1人予約ランド」の集客効果
ゴルフ事業の主軸である「1人予約ランド」は平成22年4月にサービスを開始後、平成29年1月期に登録会員数331千名、年間延べ予約件数は前期比130.7%と伸長しており、ゴルフ場にとってビジター集客の有力なツールとなっております。しかしながら、何らかの理由によって「1人予約ランド」の登録会員数や年間延べ予約件数が大きく減少した場合、あるいは個々の契約ゴルフ場(平成29年1月末現在732コース)にとって月額利用料(固定及び集客実績に応じた従量課金)に見合った集客効果が得られなくなった場合には、ゴルフ場との契約が解除され、あるいは契約の更新がされず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 「1人予約ランド」の従量課金導入
「1人予約ランド」の月額利用料についてはサービスを開始した当初は固定料金でしたが、登録会員数並びに延べ予約件数の拡大を背景として、平成26年1月期より集客実績に応じた従量課金の導入(既存の契約ゴルフ場を含む)を進めております。従量課金はゴルフ場にとって費用対効果がより明確化することから「1人予約ランド」の新規契約を促進する側面もあり、それが登録会員数並びに延べ予約件数の更なる拡大につながり、ひいてはASPサービスだけでなく広告・プロモーションサービスを含めたゴルフ事業全体の収益拡大に寄与するものと考えております。しかしながら、従量課金の導入によって新規契約が期待どおりに増加しなかった場合、もしくは、契約ゴルフ場1コース当たりの平均月額利用料が従前に比べて増加しなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ ゴルフ用品市場の市場動向
当社は当連結会計年度において、ゴルフ用品販売を行う株式会社ジープを連結子会社としています。
ゴルフ用品市場は、「2016年版ゴルフ産業白書」(株式会社矢野経済研究所)によれば対前年比103.3%の2,592億円と推計されております。メーカー各社がマークダウン(特価処分)品販売構成比の削減等に取り組んでおり、業界全体の改善努力が奏功しているものと考えられます。一方で少子高齢化に起因するゴルファー数の減少による絶対的需要量の減少や競技ルール規制による商品性能進化の限界を指摘する声もあり、業界各社の事業リスクは増加する傾向があります。
当社グループはこうした情勢を踏まえて適切な在庫管理と販売予測を行い過剰在庫の防止に努めておりますが、ゴルフ用品市場及び株式会社ジープの業績が今後予測通りに推移しない場合には、棚卸資産の評価損や固定資産の減損損失が発生して、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥為替変動による影響
当社グループは、海外からの直接買付等による輸入商品を取り扱っており為替相場の変動により仕入価格・仕入数量に影響を及ぼす可能性があります。そのため、為替相場の急激な変動等により想定通りの仕入価格・仕入数量を調達できなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 競合他社について
現在、ゴルフ事業においてインターネットメディア、システム提供を主たる事業領域としておりますが、当該分野においては大手企業を含む複数の企業が事業展開している状況にあります。当社グループでは、「1人予約ランド」等の独自のサービスの開発に努めておりますが、今後において十分な差別化や機能向上等が図られなかった場合や、高い資本力や知名度を有する企業が参入してくることで競合激化し、当該事業及び当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑧ インターネットの技術革新
「1人予約ランド」を始めとしてゴルフ事業のASPサービス及びECサービスはインターネットを利用して提供しております。インターネットは技術革新の速度が速く、新たなサービスやビジネスが次々に創出されております。当社グループは、常に最新技術の把握に努め、新機能の開発及びサービス向上に展開できるよう体制整備を図っております。しかしながら、インターネットの技術革新に迅速に対応できなかった場合、あるいは対応するために多額のシステム開発費を調達できなかった場合には、当社グループが提供するサービスの陳腐化や競争力の低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ システムトラブル
当社グループはゴルフ事業のASPサービスを中心に、携帯電話、スマートフォン、パソコン、コンピュータなど情報通信ネットワークに依存した事業展開を行っております。安定的なサービス提供のため、サーバー設備等の拡張や運用体制の整備を行っておりますが、システムの不具合、想定を上回るアクセスの集中、人為的ミス、自然災害等によって通信ネットワークが切断あるいは制御不能に陥った場合には、復旧に多大な時間や費用を要するなど当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 個人情報保護法
当社グループは、ゴルフ事業を中心に登録会員等の個人情報を取得しております。このため、当社グループでは「個人情報の保護に関する法律」に基づき、個人情報保護規程、重要情報管理規程などを整備運用しております。具体的には、個人情報や機密事項を格納するファイルサーバーへの適切なアクセス権限の付与、入室制限など物理的な安全対策、業務委託先企業等に対する管理監督を徹底しております。しかしながら、これらの対策を講じたにも関わらず、個人情報の漏洩等の事象が発生した場合には、損害賠償請求や信用の下落等によって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 法的規制
当社グループの事業に関係する法律として、「個人情報の保護に関する法律」の他に、一般消費者を対象とするWEBサイト「1人予約ランド」、「バリューゴルフショップ」及び「月刊バリューゴルフ」などに「特定商取引に関する法律」及び「不当景品類及び不当表示防止法」があります。当社グループはこれらの法的規制を遵守して事業に取り組んでおりますが、今後、不測の事態等により、万が一これらの法的規制に抵触しているとして当社グループが法的責任や損害賠償に問われた場合、当社グループの信頼性やブランドが毀損され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)広告メディア制作事業について
当社グループの広告メディア制作事業(平成29年1月期における売上構成比11.0%)は、情報誌発行会社など少数特定のクライアントに依存しております。当社グループでは、広告メディアの制作にかかる専門的なノウハウや業務品質を高め、納期を遵守するなどクライアントとの信頼に基づいた長期継続的な取引関係を構築する方針であります。しかしながら、当社グループが主力とする求人及びブライダルに関連した広告の出稿減少、情報誌の廃刊、雑誌からWEBへの急速な移行、クライアントの外注比率引下げや事業再編等の事象が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)メディカル事業について
当社グループのメディカル事業(平成29年1月期における売上構成比1.6%)は、医療機関によるシニア層向け医療関連書籍の出版を行っており、発行部数の大半は医療機関が自ら買い取って関係者に配布・分売しております。医療機関にとって最先端医療を情報発信して地域医療に貢献したいというニーズが背景にあり、書籍出版としてはニッチかつ地域的にも限定的な市場となっております。このため、比較的リスクの低い事業と認識しておりますが、当社グループの期待どおりに市場が拡大しなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)シニア層向け複合サービスの創出について
当社グループは、大手の情報誌発行会社をクライアントとする「広告メディア制作事業」から創業しましたが、ゴルファー向け情報誌「月刊バリューゴルフ」を発刊し、それを契機に「ゴルフ事業」として予約代行、顧客管理・集客支援ASP(「リピ増くん」「1人予約ランド」)、レッスン・イベント・トラベル(ゴルフ旅行)などの催行、さらにゴルフ場の運営受託・コンサルティングにまで事業領域を掘り下げてきました。次いで、ゴルフ事業のエンドユーザー(登録会員)にシニア層が多いことに着眼し、シナジーが発揮できる新規事業として「メディカル事業」に進出いたしました。将来的には「ゴルフ」(ゴルフ場)、「トラベル」(旅行代理店)、「メディカル」(医療機関)などをシニア層に向けて有機的に複合した新しいサービスを創出してまいります。しかしながら、そうした新しい複合サービスが当社グループの想定どおりにシニア層の需要を喚起するとは限らず、また、シナジーが発揮できる保証もありません。
(5)業歴及び組織体制について
① 浅い業歴
当社グループは、創業以来、「世の中の「したい」を具現化し、生活を豊かにする情報を発信し続けるリーディングカンパニーを目指す」という経営ビジョンの下、経営資源が限られるなかにあっても常に新たなアイディアやサービスを発案し、事業展開して現在に至っております。しかしながら、業歴が浅いうえ、当社グループの事業やサービスが市場に定着し、収益基盤が確立したものとはなっておりません。したがいまして、当社グループの過年度の経営成績及び財政状態については、当社グループの定性的な経営情報と併せて検討する必要があります。
② 特定人物への依存
当社代表取締役社長である水口通夫は、専門情報誌の制作・出版、ゴルフ場等向けインターネットビジネスに関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定、重要な取引先との交渉、利益計画の策定・推進等、会社運営の全てにおいて重要な役割を果たしております。今後、当社グループは優秀な人材の採用・育成及び管理組織の充実を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めてまいりますが、何らかの事情により同氏が当社グループの業務執行が困難となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 小規模組織と内部管理体制
当社グループは、事業規模に応じた比較的小規模な組織で運営されており、業務執行体制も規模に応じた人員になっております。そのため、優秀な人材が流出し、新たな人材の採用及び育成が図れない場合には、サービスの円滑な提供、魅力的な新サービスの企画、開発及び営業活動が阻害され、さらには内部管理体制やコーポレート・ガバナンス体制に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。今後、当社グループの成長や事業拡大に必要な人材を採用していく方針でありますが、優秀な人材の確保が計画どおりに進まなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
株式会社ジープの取得
当社は、平成28年8月22日開催の取締役会において、株式会社ジープの全株式を取得し、完全子会社とすることを決議し、平成28年9月1日に株式を取得の上、同社を連結子会社化しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
該当事項はありません。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りにあたり過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,114,280千円増加し、1,619,719千円となりました。これは主に、東京証券取引所マザーズ市場への上場時における公募増資等に伴う現金及び預金の増加439,778千円、株式会社ジープの子会社化による商品の増加341,936千円及びのれんの発生による増加147,896千円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて618,015千円増加し、906,214千円となりました。これは主に、長期借入金の増加471,716千円及び短期借入金の増加100,000千円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて496,264千円増加し、713,505千円となりました。これは主に、公募増資等に伴う資本金の増加218,553千円及び資本剰余金の増加218,553千円並びに親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加58,296千円によるものであります。
(3)経営成績の分析
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度における売上高は1,586,174千円(前年同期比59.0%増)、営業利益は92,958千円(前年同期比28.5%減)となりました。なお、セグメント別の要因は以下のとおりであります。
①ゴルフ事業
ゴルフ事業におきましては、ASPサービス「1人予約ランド」の契約ゴルフ場数の増加に取り組んでまいりました。業界大手会社とのシステム連携サービスの締結に加え、ゴルフ場のシステム連携費用や利用者数を増加させるための販売促進費用等の負担を軽減すること等の先行投資により当期末での契約コース数は732コースとなりました。また、会員数は平成29年1月末時点で33万人を突破し、堅調な増加傾向が継続しております。
広告プロモーションサービス及びサポートサービスにおいては、「月刊バリューゴルフ」掲載コース数の増加及び「バリューゴルフレッスン」の開催会場・講師数増加により、売上を大きく伸ばすことができました。サポートサービスにおいては、リスク・負担の大きい派遣・訪問形態から、WEBを活用した効率の良いサポート形態への転換に取り組んでまいりました。
また、新たにゴルフ用品販売を主事業とする株式会社ジープを子会社化し、ゴルフ関連サービスの更なる充実と新サービスの展開に取り組んでまいりました。ゴルフ場とのリレーションを強化し、ゴルフ事業における優位性の確立と中長期的な成長スピードの加速のために、来期以降に予定していた営業部門の人員拡充をはじめとする先行投資を前倒しして開始いたしました。
以上の結果、売上高は1,385,268千円(前年同期比99.9%増)、営業利益317,084千円(前年同期比10.0%増)となりました。
②広告メディア制作事業
広告メディア制作事業におきましては、前期末に獲得した制作案件が軌道に乗り堅調に推移した一方、期初に予定していた新ジャンル及び新媒体受託の遅れや制作委託元クライアント企業における制作環境のWEB化及び発注方針変更により、受託量及び受託単価の減少が発生いたしました。このように大きく変動するビジネス環境に対し、柔軟に対応できる制作体制への移行により業務の効率化を図り、利益の確保に努めてまいりました。
以上の結果、売上高は175,219千円(前年同期比18.8%減)、営業利益39,365千円(前年同期比23.2%減)となりました。
③メディカル事業
メディカル事業におきましては、新サービスの医療機関向けES/CSサービスへの投資を行い、正式にリリースするとともに、出版サービスとのシナジー効果による新規契約増に取り組んでまいりました。両サービスともに受注件数は堅調に推移しているものの、ES/CSサービスの稼働へ人的資源を集中させたことにより出版サービスの納品スケジュールに遅延が発生し、売上及び利益の計上は次期へ持ち越す形となりました。
以上の結果、売上高は25,686千円(前年同期比71.0%減)、営業損失13,922千円(前年同期は営業利益13,370千円)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度において、為替差益5,147千円、賃貸収入974千円の計上等により営業外収益を7,578千円計上いたしました。一方で、支払利息5,078千円、賃貸費用974千円の計上等により営業外費用を11,139千円計上いたしました。
この結果、当連結会計年度における経常利益は89,397千円(前年同期連比31.2%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、法人税等(法人税等調整額を含む)を31,101千円計上いたしました。
この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は58,296千円(前年同期比38.2%減)となりました。
なお、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、当連結会計年度より「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(4)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ439,772千円増加し715,681千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、22,667千円の資金増加(前連結会計年度は63,173千円の増加)となりました。
これは、減価償却費13,938千円、のれん償却額12,324千円、売上債権の減少23,481千円等による資金の増加が、法人税等の支払額30,278千円等による資金の減少を上回ったことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、235,578千円の資金増加(前連結会計年度末は8,721千円の増加)となりました。
これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得に関する収入229,867千円による資金の増加が主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、170,767千円の資金増加(前連結会計年度は102,939千円の減少)となりました。
これは、株式の発行による収入427,761千円、長期借入金の借入による収入400,000千円等による資金の増加が、短期借入金の純増減額409,516千円、長期借入金の返済による支出221,228千円等による資金の減少を上回ったことが主な要因であります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4.事業等のリスク」に記載しております。
(6)経営戦略の現状と見通し
今後の経営環境は、政策の下支えにより緩やかな回復基調が継続するものと期待されますが、新興国経済の低迷、米国の新政権が掲げる政策の動向などを背景に、先行きの不透明感は払拭できない状況にあります。
こうした情勢の下、当社グループにおいては、基幹サービスである「1人予約ランド」を徹底的に強化・改善し、業界内で圧倒的地位を確立することを最重要事項として掲げております。その実現のために、営業部門の増員、基幹システム及びサーバ等の事業基盤の強化を積極的に実行してまいります。また、その他既存事業においても着実な成長を実現させ、更なる売上・利益の拡大に繋げてまいります。
(7)経営者の問題意識と今後の方針について
「第2 事業の状況 3.対処すべき課題」に記載しております。