第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、インターネットを活用して『「知る」「つながる」「表現する」で新しい体験を提供し、人の生活を豊かにする』ことをミッションに掲げ、一般の利用者がコンテンツを発信するコンテンツプラットフォームサービス「はてな」を、技術の力を梃子に一貫して提供し続けてまいりました。

 現在、上記サービスの他にコンテンツマーケティングサービスやテクノロジーソリューションサービスを新たな事業領域として、事業拡大に努めております。

 コンテンツマーケティングサービスは、顧客が自らウェブサイトを所有し(オウンドメディアと呼ばれます)、コンテンツを発信、ソーシャルメディアにおいて拡散する際に、オウンドメディアを構築・運用支援するサービス「はてなブログMedia」、アフィリエイト広告等を提供しております。

 テクノロジーソリューションサービスは、創業以来培ってきたサービス開発力やITインフラ構築力、保有する大規模データとその分析力を活かし、顧客にソリューションサービス(受託開発・運用サービス、アドテクノロジーサービス「BrandSafeはてな」、サーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」)を提供しております。

 上記の3サービスを基軸として、更なる良質なサービスや価値を創造し、発信・提供していくことで企業価値・株主価値の向上を目指しております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社が重視している経営指標は、売上高、営業利益及び経常利益であります。売上高、営業利益及び経常利益を継続的に成長させることにより、事業の安定的な成長による企業価値の向上、株主価値の向上を目指して参ります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社は自社コンテンツプラットフォームの開発・運営を通して新規顧客を開拓しつつ、そこで獲得した資産、知見を最大限に活用して「はてなブログMedia」「Mackerel(マカレル)」などの法人顧客向けサービスを提供するハイブリッド戦略を採用しております。当該戦略を通して、読者・利用者誘導や開発ノウハウなど強みを更に強化し、自社コンテンツプラットフォームへの還元によるシナジー効果を図ってまいります。

 

(4)会社の経営環境並びに対処すべき課題

① UGCサービス「はてな」の魅力の拡充

 当社の事業はスマートフォンやタブレットに代表されるスマートデバイスの普及・拡大によるインターネットアクセス手段の多様化や、他のソーシャルメディアサービスの台頭など、技術や競合サービスの進化に大きく影響を受ける環境にあります。

 当社は、UGCサービスの新規機能やコンテンツの提供を行うことで、サービスの魅力を増大させて登録ユーザー数並びにユニークブラウザ数を増加させていきたいと考えております。

 

② 新規取引先の拡大と事業基盤の強化

 当社は、対前年比で売上が拡大いたしましたが、依然として既存顧客基盤への依存度が高く、当社の業績が売上高上位企業の投資動向に左右される経営環境が続いております。UGCサービス自体のアクセス増大に取り組むほか、積極的な他社への営業活動を継続的に行い、新規顧客の拡大に努めます。また、個人向け・法人向けを問わず、UGCサービスに集積した情報資産や利用者基盤を活用してテクノロジーソリューションサービスの拡大に取り組みます。

 

③ 組織体制及び内部管理体制の強化

 当社は、積極的に企業価値を拡大していくためには、優れたサービスを構築することができる専門的技術、知識を有した優秀な人材の採用を行うとともに、最大限に能力を発揮すことができる組織体制の強化が重要な課題であると認識しております。従業員が新規サービスのアイデアを自発的に具現化する施策を行うなど、従業員のモチベーションを喚起し、イノベーションを創り出す組織文化を追及してまいります。

 また、より一層の事業拡大に応じた内部管理体制の構築を図るとともに、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。さらに、当社の成長速度に見合った人材の確保及び育成が重要な課題と認識しており、継続的な採用活動を行ってまいります。

 

④ 知名度の向上

 当社は、UGCサービスにおいて15年以上の提供実績を持ち、個人に対しては一定の認知度を有している経営環境下にあると考えております。一方で、法人顧客に対してはその認知度が十分ではないと考えております。セミナー開催や技術カンファレンスにおける登壇などを通じて、積極的な広報活動や宣伝活動を実施し、更なる認知度の向上に取り組みます。

2【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)当社の事業環境及び固有の法的規制に係わるリスクについて

① UGCサービス事業に関する一般的なリスク

当社は、『「知る」「つながる」「表現する」で新しい体験を提供し、人の生活を豊かにする』をミッションとしており、UGCサービスの提供を強みとしております。サービスのユニークブラウザ数は増加トレンドであり、今後も成長は継続していくと考える一方、スマートデバイスの技術革新によるユーザーニーズの変化等、今後の市場動向に不透明な面があります。そのような中、十分な機能の拡充ができず、ユニークブラウザ数を成長させられない可能性があります。また、ユーザーの嗜好は常に変化するため、他社サービスに急激に流れる可能性もあります。この場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 自然災害、不測の事故等について

当社が提供する各種サービスは、インターネットを始めとした通信ネットワーク及びコンピュータシステムにより提供されております。サービスの継続稼働のため、セキュリティ対策、設備投資、自然災害等を想定したデータセンターでのシステム運用を行っておりますが、不正手段による当社システムへの侵入、想定を上回るサービスへのアクセスに伴うシステム障害、地震・津波等の自然災害及び火災・事故・停電等の予期せぬ事象の発生によりサーバーがダウンした場合等には、当社の社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害の賠償金の支払等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 個人情報保護について

当社は、UGCサービスにて登録ユーザーとなる際にユーザーのメールアドレス、生年月日の記入を、また有料プランを利用いただく際に氏名、性別、郵便番号の記入を義務づけております。よって、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。また、平成29年5月に改正同法が施行され、今後益々個人情報管理の徹底が必要となっております。当社は、ユーザーから取得した個人情報の保護に最大限の注意を払い、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、保護管理体制の確立に努めております。なお、当社は一般社団法人日本プライバシー認証機構のTRUSTeマーク(注)を取得しております。

しかしながら、当社が保有する個人情報等につき、漏洩、改ざん、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとは言えません。従いまして、これらの事態が起こった場合、当社の社会的信用やブランドイメージの低下、適切な対応を行うための相当なコストの負担、発生した損害の賠償金の支払等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(注)TRUSTeマーク:日本プライバシー認証機構によって、個人情報をTRUSTeが策定した基準に適合して取扱っていると認証された際に発行される認証マークのこと。

 

④ その他の法的規制等について

当社事業を規制する主な法規制として、(ア)「電気通信事業法」、(イ)「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(以下、「プロバイダ責任制限法」という。)、(ウ)「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(以下、「不正アクセス禁止法」という。)、(エ)「資金決済に関する法律」があります。

 

(ア)電気通信事業法により、通信の秘密の保護等の義務が課されております。当社がこの関連法令に抵触した場合、業務停止命令や登録取消し等の行政処分を受けることも想定され、このような場合には当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(イ)プロバイダ責任制限法により、当社は「特定電気通信役務提供者」に該当し、不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信による情報の流通において他人の権利の侵害があった場合に、権利を侵害された者に対して、権利を侵害した情報を発信した者に関する情報の開示義務を課されております。また、権利を侵害した情報を当社が媒介したことを理由として、民法の不法行為に基づく損害賠償請求を受ける可能性もあり、これらの点に関し訴訟等の紛争が発生した場合には当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(ウ)不正アクセス禁止法により、当社は不正アクセス禁止法における「アクセス管理者」として、努力義務ながら不正アクセス行為からの一定の防御措置を講ずる義務が課されております。罰則はありませんが、この義務を遵守できない場合には当社の社会的信用やブランドイメージの低下等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(エ)当社は「はてなポイント」を利用して有料プランの購入を可能としているため、資金決済に関する法律の「自家型発行者」として登録を受けており、同法、関連政令、府令等の関連法令を遵守し業務を行っております。しかしながら、当社がこれらの関連法令に抵触した場合、業務停止命令や登録取消し等の行政処分を受けることも想定され、このような場合には当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 知的財産権について

当社は、第三者の特許権、商標権等の知的財産権に関して、外部の弁理士などを通じて調査する等、その権利を侵害しないよう留意するとともに、必要に応じて当社の知的財産権の登録等について申請することで、当該リスクの回避を検討しております。しかしながら、当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性や当社の事業分野で第三者による知的財産権が成立する可能性があること等から、当社による第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性は否定できず、仮に当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より、損害賠償請求、使用差し止め請求、ロイヤルティの支払い要求などが発生する可能性があり、その場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社はインターネットサービスを提供するにあたって独自にプログラムを開発しております。このプログラム(ソースコード)が不正アクセスやコピーによって外部に流出し、競合となるサービスに利用される場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 訴訟を受けるリスクについて

当社は、ブログなど、一般のユーザーが情報をウェブ上に公開することができるプラットフォームを提供しております。ユーザーによる情報発信は即時に公開できるため、ユーザーによる情報発信によって名誉毀損を受けたとして、第三者から当社が訴訟などを受ける可能性があります。当社は、名誉毀損などの指摘については、プロバイダ責任制限法等を参照しつつ利用規約やガイドラインに基づき対応することとしています。しかしながら、第三者から当社が訴訟などを受ける場合には、当社の社会的信用やブランドイメージの低下など、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)経営成績及び財政状態に影響を及ぼすリスク要因について

① 特定の得意先への依存について

当社は、特定既存顧客への依存度が高く、当社の業績が売上高上位企業の投資動向に左右される状態が続いております。また、当社が運営するコンテンツプラットフォームサービスでは、サイト内検索エンジンや広告枠運用、解析ツールなど多くのツールにおいて、特定既存顧客の製品を利用しております。UGCサービスの集客の過半数についても特定既存顧客の検索エンジンに頼っております。

今後、検索エンジンからの集客を強化すべく検索エンジン対策を行う他に、コンテンツマーケティングサービス及びテクノロジーソリューションサービスにおいて新規得意先の開拓を行うなど、特定顧客基盤に依存しない収益体制を構築すべく努めてまいります。

しかしながら、何らかの理由により特定既存顧客との関係に変化が生じた場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② インターネット広告市場について

近年、インターネット広告市場は拡大傾向にありますが、企業の広告宣伝活動が景気動向の影響を受けやすいこと、ユーザーの利用するデバイス環境に変化が生じる可能性があること、季節要因による変動があること、広告販売に活用している広告代理店やメディアレップの営業戦略や営業力などの影響を受けること、今後も他の広告媒体との競合が継続していくと考えられることから、今後においてこれらの状況に変化が生じた場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合について

当社UGCサービスは興味・関心を共にするユーザーが集まるコミュニティの繋がりにより他のSNSとの差別化が図られております。またテクノロジーソリューションサービスにおいては、そのUGCサービスを自社で企画構想から開発すること及びサービスを大規模に運用することを一貫して実行できることが、当社の強みであると認識しております。

しかしながら、今後資本力、マーケティング力、より高い知名度や専門性を有する企業等の参入及びその拡大が生じる可能性があり、競争の激化やその対策のためのコスト負担などにより、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 事業拡大に伴う継続的な設備投資について

当社のUGCサービス事業は、サーバーなどインフラ機器を介してサービスを提供するため、これらの機器を置くデータセンターへの継続的な投資が欠かせません。当社は昨今で拡大しているクラウドサービスには国内で提供された初期段階から利用するなど、少ない投資で効率的にインフラを運営するノウハウを獲得しております。しかしながら、今後データセンター事業者やクラウドサービス事業者同士の競争状況の鈍化や新技術の浸透低下などにより、投資額が膨らみ、効率的なインフラ運営ができなくなった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ ソフトウエア資産の減損について

当社はアプリケーション、データベースを開発し、それらを活用して他社向けに主にテクノロジーソリューションサービスとして提供しております。それらの開発に係わるコストについて、資産性のあるものについては自社サービス用のソフトウエアとして無形固定資産に計上し、費用化すべきものについては各事業年度において販売費及び一般管理費として費用化しております。自社サービス用ソフトウエアの開発においては、プロジェクト推進体制を整備し、慎重な計画の立案・遂行に努めております。しかしながら、当該開発が市場のニーズに合わないことにより利用価値が低下する場合や、重大なバグ(不良箇所)等の発生によりソフトウエアとして機能しなくなる場合には、これらを減損処理する可能性があります。その場合、一時に多額の費用が発生するため、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)当社の事業運営体制に係わるリスクについて

① 人材の確保及び育成について

当社は、事業の拡大と合わせ、今後、積極的に優秀な人材、特にスキルの高いエンジニア及びマネジメント能力の高い人材を確保及び育成していき、組織体制をより安定させることに努めてまいりますが、計画通りに人材の確保及び育成が出来ない場合や、事業の中核をなす社員に不測の事態が生じた場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 株式価値の希薄化について

当社は役員及び従業員に対し、当社の業績向上への意欲や士気を一層高めることを目的として、新株予約権付与によるストック・オプション制度を採用した実績があります。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討することがあります。

また今後、新株予約権発行のほか、新株、新株予約権付社債等を発行する可能性があり、これらの発行及び行使により当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じる可能性があります。また、これらの行使による需給の変化が当社株式の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 配当政策について

当社は設立以来、配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題であると認識しており、事業基盤の整備状況、業績や財政状態などを総合的に勘案のうえ、配当をしていきたいと考えております。

ただし、当面は、事業基盤の整備を優先することが株主価値の最大化に資するとの考えから、その原資となる内部留保の充実を基本方針とさせていただく所存であります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要、及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況及び分析

 当事業年度における我が国経済は、内閣府の平成30年8月の月例経済報告によると、景気について、「緩やかに回復している。」とされております。先行きについては、「雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響等に留意する必要がある。」とされております。

 当社がUGCサービス事業(注1)を展開するインターネット関連業界におきましては、「消費動向調査」(内閣府経済社会総合研究所)によりますと、平成29年のスマートフォン世帯普及率は69.7%(前年比2.3%増)と普及が進んでおり、今後もスマートフォン市場は更に拡大していくものと予測されます。

 このような事業環境のもと、当社におきましては、自社で開発したユーザー参加型サービス群を「コンテンツプラットフォームサービス」と位置付け、その運営を通して培われた技術力やユーザーコミュニティを活かし、法人顧客向けに「コンテンツマーケティングサービス」、「テクノロジーソリューションサービス」をサービス領域として提供しております。

 コンテンツプラットフォームサービスにおいては、会員数の順調な増加に伴い、はてなブログの有料プラン「はてなブログPro」等の課金売上が好調であったものの、「人力検索はてな」等に対するGoogleに代表される検索エンジンからの来訪者の伸び悩みにより、主にアフィリエイト広告に影響を及ぼしました。

 その結果、コンテンツプラットフォームサービスの売上高は、574,159千円(前年比0.8%減)となりました。

 コンテンツマーケティングサービスにおいては、主に当社が提供する「はてなブログMedia」サービスにおいて、使いやすい操作画面、高いシステム安定性、検索エンジンから評価されやすいサイト構造を実現するため、機能強化に努めてまいりました。Googleが業界各社と協力して開発を進める「モバイル環境でWebコンテンツの表示を高速化するプロジェクト」であるAMP(Accelerated Mobile Pages)に国産CMS(注2)としてはいち早く対応し、大手企業、ベンチャー企業を問わず、幅広い企業層に対してサービス提供実績を積み上げてまいりました。また、当事業年度は、提供サービスプランに「レギュラー」「ライト」の2プラン制を導入する等、販売機会の更なる獲得に努め、新規にオウンドメディアを開設する顧客数が増加し、サービス成長を牽引いたしました。

 その結果、コンテンツマーケティングサービスの売上高は733,046千円(前年比16.3%増)となりました。

 テクノロジーソリューションサービスにおいては、主に受託サービスとサーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」から構成されております。受託サービスについては、複数の大型の受託開発案件の納品及び検収が完了したものの、受託開発売上は減少しました。システム保守運用売上は、納品済受託開発案件の積上による保守運用数の増加により、売上成長を達成しました。「Mackerel(マカレル)」については、アマゾンウェブサービス(以下「AWS」)のパートナー制度「AWS パートナーコンピテンシープログラム」において、「AWS DevOps コンピテンシー」認定を、当社が国内企業で初めて取得しました。世界190か国以上、数百万のアカウントを持つクラウドサービスであるAWSの顧客企業に対し、「Mackerel(マカレル)」の拡販を目指してまいりました。また、「500 Startups Japan」を通じたスタートアップ支援等の施策を開始し、新規顧客の更なる開拓に努めました。

 その結果、テクノロジーソリューションサービスの売上高は、785,203千円(前年比15.3%増)となりました。

 また、当事業年度は、企業価値の向上への取り組みに対し、次の営業費用を重点的に投下資本いたしました。まず、コンテンツプラットフォームサービスにおいて、ITインフラの刷新プロジェクトを展開いたしました。プロジェクト初年である当事業年度においては、システムリプレースに伴い、新旧の技術基盤の並行稼働の必要性から、戦略的IT投資額が増加しました。その結果、データセンター利用料が増加(前年比40.39%増)しました。次に、中長期的な事業成長に備えるため、人材の採用を推進いたしました。その結果、給料及び手当が増加(前年比15.48%増)しました。

 以上の結果、当事業年度の売上高は2,092,409千円(前年比10.7%増)、営業利益は319,651千円(同9.2%減)、経常利益は335,092千円(同4.7%減)、当期純利益は234,707千円(同0.6%増)となりました。

 なお、当社はUGCサービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

 (注)1.User Generated Contentの略。インターネット上で利用者自身がテキストや画像、映像などのコンテンツを発信することができる場を提供するサービス。

2.Contents Management Systemの略。HTMLやCSSのようなWEBサイトの制作に必要な専門知識を必要とせず、テキストや画像等の情報を入力するだけで、サイト構築を自動的に行うことができるシステム。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当事業年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前事業年度に比べ、72,267千円減少し、887,440千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は176,134千円(前年は263,806千円の収入)となりました。

これは主に、増加要因として、税引前当期純利益334,413千円の計上があったこと、減少要因として、法人税等の支払額166,278千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は258,092千円(前年は115,113千円の支出)となりました。

これは主に、無形固定資産の取得による支出82,137千円、投資有価証券の取得による支出199,003千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、獲得した資金は6,855千円(前年は24,614千円の収入)となりました。

これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入6,945千円があったことによるものであります。

 

   (3)生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

 当社は生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(b)受注実績

 当事業年度の受注実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。

サービスの名称

当事業年度

(自 平成29年8月1日

 至 平成30年7月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

テクノロジーソリューションサービス

300,950

131.9

225,250

190.1

合計

300,950

131.9

225,250

190.1

 (注)1. 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

2. 金額は、販売価格によっております。

3. コンテンツプラットフォームサービス、コンテンツマーケティングサービスは受注によらないため、記載はしておりません。

4.当社は単一セグメントであるため、サービスごとに記載しております。

 

(4)販売実績

 当事業年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。

サービスの名称

当事業年度

(自 平成29年8月1日

至 平成30年7月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

コンテンツマーケティングサービス

733,046

116.3

コンテンツプラットフォームサービス

574,159

99.2

テクノロジーソリューションサービス

785,203

115.3

合計

2,092,409

110.7

 

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.当社は単一セグメントであるため、サービスごとに記載しております。

3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成28年8月1日

至 平成29年7月31日)

当事業年度

(自 平成29年8月1日

至 平成30年7月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

任天堂株式会社

176,216

9.3

84,259

4.0

グーグル合同会社

326,261

17.3

274,737

13.1

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

(1)重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わねばなりません。経営者は、債権、たな卸資産、投資、繰延税金資産等に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2)当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、当社が重視している経営指標は、売上高、営業利益、経常利益であります。

 主要3サービスのシナジー効果を最大限に活用しつつ、売上高、営業利益及び経常利益を継続的に成長させることにより、企業価値の向上、株主価値の向上を目指してまいりました。当社は、経営方針に則った業績目標について、期初に業績予想値を公表し、平成30年5月31日に改めて業績予想値を修正のうえで、公表いたしました。当社が定める経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況については次のとおりです。

 なお、経営成績の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

(単位:千円)

 

 

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

業績予想(A)

2,077,085

265,609

278,949

187,394

実績(B)

2,092,409

319,651

335,092

234,707

増減(B-A)

15,323

54,042

56,142

47,312

増減率(%)

0.7

20.3

20.1

25.2

 

 当社の資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。当社における事業活動のための資金の財源として、主に手元の資金と営業活動によるキャッシュ・フローによっております。資金の手元流動性については現金及び預金887,440千円と月平均売上高に対し5.1ヶ月分であり、当社における資金の流動性は十分確保されていると考えております。なお、当事業年度末時点において、有利子負債残高はありません。

 運転資金需要のうち主なものは、人件費やデータセンター利用料等の営業費用、法人税等の税金費用であります。また、投資を目的とした資金需要の主なものは、ITインフラ設備や事務所設備等の設備投資であります。

 当社は、事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。そのため、より一層の事業拡大を継続することに備え、金融機関からの借入により調達することを目的として、取引銀行4行との間で、総額800,000千円の当座貸越契約を締結しております。借入に関しては、経常的な運転資金需要の場合には、短期借入を基本方針とし、多額の設備投資需要の場合には、長期借入を基本方針としております。また、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討し、対応してまいります。

 なお、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

(3) 財政状態の分析

(資産)

 流動資産は1,252,615千円となり、前事業年度末に比べ、6,405千円減少いたしました。

 これは主に、売掛金が30,079千円、仕掛品が19,957千円、前払費用が8,396千円増加したものの、現金及び預金が72,267千円減少したことによるものであります。

 

 固定資産は573,082千円となり、前事業年度末に比べ、239,009千円増加いたしました。

 これは主に、ソフトウエアが52,082千円、投資有価証券が172,376千円増加したことによるものであります。

 

 繰延資産は735千円となり、前事業年度に比べ、1,569千円減少いたしました。

 これは、株式交付費償却によるものであります。

 

(負債)

 流動負債は263,128千円となり、前事業年度末に比べ、17,190千円減少いたしました。

 これは主に、未払消費税等が14,965千円減少したことによるものであります。

 

 固定負債は29,668千円となり、前事業年度末と比べ、6,692千円増加いたしました。

 これは、資産除去債務が6,692千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

 純資産は1,533,636千円となり、前事業年度末に比べ、241,532千円増加いたしました。

 これは主に、資本金及び資本準備金がそれぞれ3,472千円増加したこと、当期純利益を234,707千円計上したことによるものであります。

 

(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(売上高)

 当事業年度の売上高は2,092,409千円となり、前事業年度に比べ、202,163千円増加いたしました。これは主に、コンテンツプラットフォームサービスにおける課金売上やアフィリエイト売上、コンテンツマーケティングサービスにおける「はてなブログMedia」サービス売上、テクノロジーソリューションサービスにおける受託開発売上や保守運用売上、「Mackerel」サービス売上が堅調に推移したことによります。

 

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度の売上原価は173,072千円となり、前事業年度に比べ、12,476千円増加いたしました。これは主に、コンテンツマーケティングサービスに関する営業費用の増加やソフトウエアの減価償却費によるものであります。

 この結果、当事業年度の売上総利益は1,919,337千円となり、前事業年度に比べ189,687千円増加いたしました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は1,599,685千円となり、前事業年度に比べ、222,233千円増加いたしました。これは主に、給料及び手当77,487千円の増加、法定福利費7,223千円の増加、データセンター利用料114,789千円の増加によるものであります。

 この結果、当事業年度の営業利益は319,651千円となり、前事業年度に比べ、32,546千円減少いたしました。

 

(営業外損益、経常利益)

 当事業年度の営業外収益は17,010千円となり、前事業年度に比べ、14,839千円増加いたしました。これは主に、為替差益4,794千円の増加、保険解約返戻金9,135千円の計上があったことによるものであります。

 当事業年度の営業外費用は1,569千円となり、前事業年度に比べ、1,000千円減少いたしました。これは、前事業年度に支払手数料1,000千円の計上があったことによるものであります。

 この結果、当事業年度の経常利益は335,092千円となり、前事業年度に比べ、16,706千円減少いたしました。

 

 

(特別損益、当期純利益)

 当事業年度の特別利益は11,522千円となり、前事業年度に比べ、11,132千円増加いたしました。これは主に、事業譲渡益10,956千円の計上があったことによるものであります。

 当事業年度の特別損失は12,201千円となり、前事業年度に比べ、11,902千円増加いたしました。これは主に、従業員の退職一時金5,837千円の計上、関係会社整理損4,050千円の計上があったことによるものであります。

 この結果、当事業年度の当期純利益は234,707千円となり、前事業年度に比べ、1,433千円増加いたしました。

 

(5) キャッシュ・フローの状況の分析

当事業年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前事業年度に比べ、72,267千円減少し、887,440千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は176,134千円(前年は263,806千円の収入)となりました。

これは主に、増加要因として、税引前当期純利益334,413千円の計上があったこと、減少要因として、法人税等の支払額166,278千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は258,092千円(前年は115,113千円の支出)となりました。

これは主に、無形固定資産の取得による支出82,137千円、投資有価証券の取得による支出199,003千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、獲得した資金は6,855千円(前年は24,614千円の収入)となりました。

これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入6,945千円があったことによるものであります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成29年7月期

平成30年7月期

自己資本比率(%)

81.0

84.0

時価ベースの自己資本比率(%)

434.7

263.4

キャッシュ・フロー対有利子負債比(%)

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

2.有利子負債及び利払いがないため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率、インタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(7) 戦略の現状と見通し

 当社は『「知る」「つながる」「表現する」で新しい体験を提供し、人の生活を豊かにする』をミッションに掲げ、「技術で支えられているサービスを提供する会社」として技術を磨き、インターネット領域において様々なサービス提供を行っております。

 当社は今後も拡大されることが予想されるIT市場において、競争優位性を確保するために、顧客企業に対して高付加価値を提供するサービスの創造に鋭意努めてまいります。また、より強固なポジションを獲得するために、開発体制及び営業体制の強化を重要な戦略と認識し、事業の拡大に取り組んでまいります。

 

(8) 経営者の問題意識と今後の方針について

 当社が今後業容を拡大し、より高品質なサービスを継続提供していくためには、経営者は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。

4【経営上の重要な契約等】

(1)事業譲渡

 当社は、平成29年9月26日開催の取締役会において、株式会社ONDに対し、当社の物件ファン事業を譲渡する事業譲渡契約について決議を行い、同日付けで事業譲渡契約を締結いたしました。

 なお、平成29年10月31日付で事業譲渡を完了いたしました。

 

(2)当座貸越契約の締結

 当社は、平成29年12月14日及び平成30年3月14日開催の取締役会決議に基づき、運転資金のより効率的な調達を行うことを目的として、取引銀行4行との間で、当座貸越契約を締結いたしました。

 契約の内容は以下のとおりであります。

(①)契約日   平成29年12月18日

(②)締結先   株式会社三井住友銀行

(③)貸越極度額 2億円

(④)契約期間  平成30年11月30日まで(1年ごとの自動更新)

(⑤)利率    TIBOR(東京銀行間取引金利)プラススプレッド

(⑥)担保状況  無担保・無保証

 

(①)契約日   平成29年12月20日

(②)締結先   株式会社みずほ銀行

(③)貸越極度額 2億円

(④)契約期間  平成30年3月31日まで(1年ごとの自動更新)

(⑤)利率    TIBOR(東京銀行間取引金利)プラススプレッド

(⑥)担保状況  無担保・無保証

 

(①)契約日   平成30年3月23日

(②)締結先   株式会社りそな銀行

(③)貸越極度額 2億円

(④)契約期間  平成31年1月31日まで(1年ごとの自動更新)

(⑤)利率    TIBOR(東京銀行間取引金利)プラススプレッド

(⑥)担保状況  無担保・無保証

 

(①)契約日   平成30年3月30日

(②)締結先   株式会社東日本銀行

(③)貸越極度額 2億円

(④)契約期間  平成31年3月29日まで(1年ごとの自動更新)

(⑤)利率    短期プライムレートマイナススプレッド

(⑥)担保状況  無担保・無保証

 

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。