当第1四半期累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の分析
我が国経済と当社を取り巻く事業環境の概況
当第1四半期累計期間における我が国経済は、内閣府の2019年10月の月例経済報告によると、景気について、「輸出を中心に弱さが長引いているものの、緩やかに回復している。」とされております。先行きについては、「当面、弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、通商問題を巡る緊張、中国経済の先行き、英国のEU離脱の行方等の海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響に加え、消費税率引上げ後の消費者マインドの動向に留意する必要がある。また、令和元年台風第19号など相次ぐ自然災害の経済に与える影響に十分留意する必要がある。」とされております。
UGCサービス事業(注1)を展開するインターネット関連業界におきましては、『消費動向調査』(内閣府経済社会総合研究所)によりますと、2019年のスマートフォン世帯普及率は78.4%(前年比3.2%増)と普及が進んでおり、今後もスマートフォン市場は緩やかに拡大していくものと予測されます。
また、2019年9月に総務省情報通信政策研究所が公表した『平成30年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』によりますと、「全世代の行為者率について見ると、テレビ(リアルタイム)視聴が平日79.3%、休日82.2%と微減したのに対して、インターネット利用は平日82.0%、休日84.5%と増加し、調査開始から初めて、平日休日ともにインターネット利用の行為者率がテレビ(リアルタイム)視聴を上回り、最も多くなった。」、「いち早く世の中の出来事や動きを知るために、一番利用するメディアとしては、インターネットが50.7%、テレビが45.3%となり、インターネットが5割を超えて初めてテレビを上回った。」とされており、インターネットの存在がテレビと肩を並びつつあり、今後もインターネットを取り巻くマーケットサイズは拡大していくものと予測しております。
このような事業環境のもと、当社におきましては、自社で開発したユーザー参加型サービス群を「コンテンツプラットフォームサービス」と位置付け、その運営を通して培われた技術力やユーザーコミュニティを活かし、法人顧客向けに「コンテンツマーケティングサービス」、「テクノロジーソリューションサービス」をサービス領域として提供しております。
業績の概況
(ⅰ)サービス別の販売動向
<コンテンツプラットフォームサービス>
コンテンツプラットフォームサービスでは、ユーザーがコンテンツを発信、拡散するUGCサービスとして、「はてなブックマーク」、「はてなブログ」等のサービスを展開しております。
主力サービスとなっている「はてなブログ」の登録ユーザー数や、月間ユニークブラウザ数(注2)が順調に推移し、「はてなブログ」の有料プラン「はてなブログPro」等の課金売上についても好調に推移しました。
アフィリエイト広告については、広告枠を提供したい数多くの広告媒体の運営事業者と、広告を出稿したい数多くの広告主を集めた広告配信ネットワークが形成される等、関係者は年々増加傾向にあり、各事業者の関与の仕方は、多様かつ複雑なものとなっております。このような事業環境の中で、当社が運営するメディアについて、一部の広告配信ネットワーク(アドネットワーク)への一時接続が停止される状況が発生いたしました。当該状況が、当第1四半期累計期間においても、依然として継続していることから、広告枠に対する入札参加広告主数の減少に繋がり、結果として、広告単価が下落基調となったため、広告売上は軟調に推移しました。
<コンテンツマーケティングサービス>
コンテンツマーケティングサービスでは、BtoB向けストック型ビジネスとして、オウンドメディア(企業が顧客等に向けて伝えたい情報を発信するための自社メディア)の構築・運用支援サービスである「はてなブログMedia」や、「はてなブログ」等のUGCサービスを活用したネイティブ広告、バナー広告、タイアップ広告等を展開しております。
当社が提供する「はてなブログMedia」サービスについて、使いやすい操作画面、高いシステム安定性、検索エンジンから評価されやすいサイト構造を実現するため、機能強化に努めました。Googleが業界各社と協力して開発を進める「モバイル環境でWebコンテンツの表示を高速化するプロジェクト」であるAMP(Accelerated Mobile Pages)に国産CMS(注3)としてはいち早く対応し、大手企業、ベンチャー企業を問わず、幅広い企業層に対してサービス提供実績を積み上げてまいりました。
また、提供サービスプランに「レギュラープラン」「ライトプラン」の2プラン制を導入し、販売機会の更なる獲得に努めた結果、「ライトプラン」の導入が堅調に増加いたしました。これは、デジタルマーケティングを目的としたオウンドメディアの開設が活発化している昨今の市場環境において、「ライトプラン」という戦略的な販売価格の提示により、顧客のオウンドメディアの新規開設を推進したことや、顧客企業における人材採用について、「採用オウンドメディアキャンペーン」として、期間限定の特別価格によるオウンドメディアの新規導入を提案訴求し、顧客サイドのオウンドメディアの導入障壁を押し下げた結果、新規導入のオウンドメディアの媒体メディア数が堅調に推移したものであります。また、2019年11月には、TRENDEMON JAPAN株式会社のアトリビューション解析ツール「TRENDEMON(トレンデーモン)」と連携し、当社の顧客への提供を開始し、オウンドメディアの効果の可視化や効果向上のための改善ポイントの把握が可能な「TRENDEMON」を利用することができるようになる等、「はてなブログMedia」を活用する企業のコンテンツマーケティング支援の更なるを強化してまいります。
さらに、媒体メディアに掲載されるネイティブ広告、バナー広告等の広告売上についても、「はてなブログMedia」の運用媒体数の増加に伴い、堅調に推移いたしました。
<テクノロジーソリューションサービス>
テクノロジーソリューションサービスでは、受託サービスとして、顧客独自のネットワークサービスに関する企画、開発、運用の受託と、ビッグデータサービスとして、BtoB向けストック型ビジネスであるサーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」を展開しております。
Webマンガサービスに特化したマンガビューワ「GigaViewer」について、当第1四半期累計期間においては、新たに「ゼノン編集部」(サービス提供者:株式会社コアコミックス)の1サービスに搭載されました。その結果、「少年ジャンプ+」「となりのヤングジャンプ」(サービス提供者:株式会社集英社)、「マガジンポケット」「コミックDAYS」(サービス提供者:株式会社講談社)等、搭載累計9サービスとなりました。今後も、WEBマンガにおけるディファクトスタンダードの位置を築き上げるべく、サービス展開してまいります。また、ユーザー向けの各種機能に加え、サービス提供者のサービス運用コストの削減に貢献する管理機能の継続的な機能開発や、マンガビューワに掲載する広告の販売と運用に注力し、売上は堅調に推移いたしました。
当社が2016年にサービス企画・システム開発協力した株式会社KADOKAWAが運営するWEB小説サイト「カクヨム」において提供される、クリエイターに収益を還元するための決済及び送金プラットフォームを開発し、納品及び検収が完了したため、収益認識にいたりました。UGCサービス提供事業者にとって、負担の大きかったサービスごとの決済や送金処理の課題を解決する本プラットフォームを提供することで、優れたクリエイターと良質な作品が集まる仕組みによるサービスとビジネスの成長に貢献してまいります。
また、保守運用サービスでは、運用案件数の積上により、売上成長に繋がりました。
「Mackerel(マカレル)」については、AWS(アマゾンウェブサービス)のパートナー制度「AWS パートナーコンピテンシープログラム」において、「AWS DevOps コンピテンシー」認定を、当社が国内企業で初めて取得しております。世界190か国以上、数百万のアカウントを持つクラウドサービスであるAWSの顧客企業に対し、「Mackerel(マカレル)」の拡販を目指してまいりました。新機能としてリリースした「Mackerelコンテナエージェント」、「ロール内異常検知」が好評を得ており、潜在顧客のサービス需要に対して、効果的にアプローチした結果、売上は堅調に推移いたしました。
また、2019年10月には、ソニービズネットワークス株式会社が提供しているAWS導入・運用支援サービス「マネージクラウド with AWS」のオプションサービスとして「Mackerel(マカレル)」が採用されました。これにより、販売ネットワークの更なる拡充が実現しております。2019年11月には、NHNテコラス株式会社が提供するAWSの活用支援サービス「C-Chorus(シー コーラス)における監視ツールに「Mackerel(マカレル)」が採用され、サービス提供を開始しております。同社との提携により、「Mackerel(マカレル)」の販売の更なる拡張を目指してまいります。
(ⅱ)利益の概況
また、中長期的な企業価値の向上への取り組みに対し、コスト面において、人材の採用に伴う労務費や、各種サービスに係る管理コストを中心とした販売費及び一般管理費が488,690千円となり、前年同四半期比10.5%増となりました。主な増加要因は、中長期的なサービス拡張と事業創出のため、サービス開発要員等の採用等を積極的に行ったことにより、給料及び手当が前年同四半期比19.1%増となったこと、インターネットサービスの品質向上・維持のため、戦略的にコスト投下したことや、サービスの伸張に伴い、データセンター利用料が前年同四半期比18.8%増となったことなどによります。
これらのコストは、短期的な収益獲得を目的とした資本投下というよりはむしろ、当社が将来にわたり、競争優位性を確保するために、収益基盤の確立に向けた戦略的先行投資として位置づけております。
以上の結果、当第1四半期累計期間の売上高は617,939千円(前年同四半期比6.7%減)、営業利益は72,856千円(同54.3%減)、経常利益は75,525千円(同53.4%減)、四半期純利益は51,530千円(同53.8%減)となりました。
なお、当社はUGCサービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(注)1.User Generated Contentの略。インターネット上で利用者自身がテキストや画像、映像などのコンテンツを発信することができる場を提供するサービス。
2.ある一定期間内にWEBサイトにアクセスした、重複のないブラウザ数。1人のユーザーが何度でも同じWEBサイトを訪れても1人と数えられる。「訪問数」ではなく、「訪問者数」を表し、WEBサイトの人気や興味の度合いを判断する指標。
3.Contents Management Systemの略。HTMLやCSSのようなWEBサイトの制作に必要な専門知識を必要とせず、テキストや画像等の情報を入力するだけで、サイト構築を自動的に行うことができるシステム。
② 財政状態の分析
(資産)
当第1四半期会計期間末における総資産の残高は、前事業年度末に比べて36,556千円減少し、2,273,689千円となりました。これは主に、増加要因として前払費用が292,582千円増加したこと、減少要因として現金及び預金が338,407千円減少したことなどによるものであります。
(負債)
当第1四半期会計期間末における負債の残高は、前事業年度末に比べて89,799千円減少し、339,176千円となりました。これは主に、増加要因として短期借入金が150,000千円増加したこと、減少要因として未払金が91,485千円減少したことなどによるものであります。
(純資産)
当第1四半期会計期間末における純資産の残高は、前事業年度末に比べて53,243千円増加し、1,934,512千円となりました。これは主に、増加要因として四半期純利益51,530千円の計上に伴い、利益剰余金が同額増加したことなどによるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期会計期間末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べて360,227千円減少し、899,139千円となりました。
当第1四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は471,683千円(前年同期は95,797千円の使用)となりました。これは主に、増加要因として税引前四半期純利益75,525千円の計上などがあったこと、減少要因として前払費用の増加額292,646千円などがあったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は39,555千円(前年同期は12,556千円の獲得)となりました。これは主に、増加要因として投資有価証券の償還による収入20,000千円があったこと、減少要因として無形固定資産の取得による支出26,022千円などがあったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は150,847千円(前年同期は716千円の獲得)となりました。これは、増加要因として短期借入れによる収入150,000千円があったこと、減少要因として自己株式の取得による支出270千円があったことによるものであります。
(3) 当社の資本の財源及び資金の流動性について
当社は、事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。そのため、より一層の事業拡大を継続することに備え、金融機関からの借入により調達することを目的として、取引銀行5行との間で、総額1,000,000千円の当座貸越契約を締結しております。借入に関しては、経常的な運転資金需要の場合には、短期借入を基本方針とし、多額の設備投資需要の場合には、長期借入を基本方針として、運転資金の必要動向を観察したうえで、適時借入を実行してまいります。
また、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討し、対応してまいります。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期累計期間において、当社の経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第1四半期累計期間において、研究開発活動は行われておりません。
(7) 従業員
当第1四半期累計期間において、従業員数の著しい増減はありません。
該当事項はありません。