第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 ① 経営成績の分析

  我が国経済と当社を取り巻く事業環境の概況

 当第3四半期累計期間における我が国経済は、内閣府の2020年4月の月例経済報告によると、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある。」とされております。先行きについては、「感染症の影響による極めて厳しい状況が続くと見込まれる。また、感染症が内外経済をさらに下振れさせるリスクに十分注意する必要がある。金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある。」とされております。新型コロナウィルス感染症が、当社の経営環境に及ぼす現下の状況については、②(ⅲ)新型コロナウィルス感染症による当社を取り巻く経営環境等、へ詳述しております。

 UGCサービス事業(注1)を展開するインターネット関連業界におきましては、『消費動向調査』(内閣府経済社会総合研究所)によりますと、2019年のスマートフォン世帯普及率は78.4%(前年比3.2%増)と普及が進んでおり、今後もスマートフォン市場は緩やかに拡大していくものと予測されます。

 また、2019年9月に総務省情報通信政策研究所が公表した『平成30年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』によりますと、「全世代の行為者率について見ると、テレビ(リアルタイム)視聴が平日79.3%、休日82.2%と微減したのに対して、インターネット利用は平日82.0%、休日84.5%と増加し、調査開始から初めて、平日休日ともにインターネット利用の行為者率がテレビ(リアルタイム)視聴を上回り、最も多くなった。」、「いち早く世の中の出来事や動きを知るために、一番利用するメディアとしては、インターネットが50.7%、テレビが45.3%となり、インターネットが5割を超えて初めてテレビを上回った。」とされており、インターネットの存在がテレビと肩を並びつつあり、今後もインターネットを取り巻くマーケットサイズは拡大していくものと予測しております。

 このような事業環境のもと、当社におきましては、自社で開発したユーザー参加型サービス群を「コンテンツプラットフォームサービス」と位置付け、その運営を通して培われた技術力やユーザーコミュニティを活かし、法人顧客向けに「コンテンツマーケティングサービス」、「テクノロジーソリューションサービス」をサービス領域として提供しております。

 

 ② 業績の概況

(ⅰ)サービス別の販売動向

<コンテンツプラットフォームサービス>

 コンテンツプラットフォームサービスでは、ユーザーがコンテンツを発信、拡散するUGCサービスとして、「はてなブックマーク」、「はてなブログ」等のサービスを展開しております。

 主力サービスとなっている「はてなブログ」の登録ユーザー数や、月間ユニークブラウザ数(注2)が順調に推移し、「はてなブログ」の有料プラン「はてなブログPro」等の課金売上についても好調に推移しました。

 アフィリエイト広告については、広告枠を提供したい数多くの広告媒体の運営事業者と、広告を出稿したい数多くの広告主を集めた広告配信ネットワーク(アドネットワーク(注3))が形成される等、関係者は年々増加傾向にあり、各事業者の関与の仕方は、多様かつ複雑なものとなっております。このような事業環境の中で、当社が運営するメディアについて、一部の広告配信ネットワーク(アドネットワーク)への接続が停止される状況が発生いたしました。当該状況は、第2四半期会計期間中に解消され、広告配信取引の再開が順調になされておりますが、広告配信取引の再開までのビハインド(広告枠に対する入札参加広告主数の減少等)により、結果として、平均広告単価が回復の途上であるため、広告売上は軟調に推移しました。

<コンテンツマーケティングサービス>

 コンテンツマーケティングサービスでは、BtoB向けストック型ビジネスとして、CMS(注4)である「はてなブログMedia」を活用したオウンドメディア(企業が顧客等に向けて伝えたい情報を発信するための自社メディア)の構築・運用支援サービスや、「はてなブログ」等のUGCサービスを活用したネイティブ広告、バナー広告、タイアップ広告等を展開しております。

 当社が提供する「はてなブログMedia」について、使いやすい操作画面、高いシステム安定性、検索エンジンから評価されやすいサイト構造を実現するため、機能強化に努めました。Googleが業界各社と協力して開発を進める「モバイル環境でWebコンテンツの表示を高速化するプロジェクト」であるAMP(Accelerated Mobile Pages)に国産CMSとしてはいち早く対応し、大手企業、ベンチャー企業を問わず、幅広い企業層に対してサービス提供実績を積み上げてまいりました。

 また、提供サービスプランに「レギュラープラン」「ライトプラン」の2プラン制を導入し、販売機会の更なる獲得に努めた結果、前事業年度末に74件であったメディア運用数が、当第3四半期会計期間末において102件に到達いたしました。これは、デジタルマーケティングを目的としたオウンドメディアの開設が活発化している昨今の市場環境において、「ライトプラン」という戦略的な販売価格の提示により、顧客のオウンドメディアの新規開設を推進したことや、顧客企業における人材採用について、「採用オウンドメディアキャンペーン」として、期間限定の特別価格によるオウンドメディアの新規導入を提案訴求し、顧客サイドのオウンドメディアの導入障壁を押し下げた結果、新規導入のメディア数が増加したものであります。

 また、2019年11月には、TRENDEMON JAPAN株式会社のアトリビューション解析ツール「TRENDEMON(トレンデーモン)」と連携し、当社の顧客への提供を開始し、オウンドメディアの効果の可視化や効果向上のための改善ポイントの把握が可能な「TRENDEMON(トレンデーモン)」を利用することができるようになる等、「はてなブログMedia」を活用する企業のコンテンツマーケティング支援の更なる強化をしてまいります。

 さらに、当社UGCサービスに掲載されるネイティブ広告、バナー広告等の広告売上についても、「はてなブログMedia」の運用媒体数の増加に伴い、堅調に推移いたしました。

テクノロジーソリューションサービス>

 テクノロジーソリューションサービスでは、受託サービスとして、顧客独自のネットワークサービスに関する企画、開発、運用の受託と、ビッグデータサービスとして、BtoB向けストック型ビジネスであるサーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」を展開しております。

 Webマンガサービスに特化したマンガビューワ「GigaViewer」について、当第3四半期累計期間においては、「MAGCOMI」(サービス提供者:株式会社マッグガーデン)、「webアクション」(サービス提供者:株式会社双葉社)の2サービスに搭載されました。その結果、「少年ジャンプ+」「となりのヤングジャンプ」(サービス提供者:株式会社集英社)、「マガジンポケット」「コミックDAYS」(サービス提供者:株式会社講談社)等、合計9社、搭載累計11サービスとなりました。今後も、WEBマンガにおけるディファクトスタンダードの位置を築き上げるべく、サービス展開してまいります。また、ユーザー向けの各種機能に加え、サービス提供者のサービス運用コストの削減に貢献する管理機能の継続的な機能開発や、マンガビューワに掲載する広告の販売と運用に注力し、売上は堅調に推移いたしました。

 受託サービスにおけるシステム開発については、当社が2016年にサービス企画・システム開発協力した株式会社KADOKAWAが運営するWEB小説サイト「カクヨム」において提供される、クリエイターに収益を還元するための決済及び送金プラットフォーム(以下、「収益還元プラットフォーム」)の開発や、同社が運営する日本最大級のガールズエンターテインメントサイト「魔法のiらんど」のリニューアル開発の納品及び検収が完了、その他複数の納品及び検収が完了したため、収益認識にいたりました。「収益還元プラットフォーム」については、UGCサービス提供事業者にとって負担の大きかったサービスごとの決済や送金処理の課題を解決する本プラットフォームを提供することで、優れたクリエイターと良質な作品が集まる仕組みによるサービスとビジネスの成長に貢献してまいります。また、「魔法のiらんど」については、今後は追加機能の継続的開発や広告運用等の支援に取り組んでまいります。

 保守運用サービスでは、運用案件数の積上により、売上成長に繋がりました。

 「Mackerel(マカレル)」については、AWS(アマゾンウェブサービス)のパートナー制度「AWS パートナーコンピテンシープログラム」において、「AWS DevOps コンピテンシー」認定を、当社が国内企業で初めて取得しております。さらに、「AWS Partner Network(APN)Award2019」において、「Mackerel(マカレル)」を通じたAWSへのビジネス貢献が評価され、「APN Technology Partner of the Year 2019 - Japan」を受賞いたしました。これはAWSの最新サービスへのいち早い対応により、AWSユーザーの運用負荷を軽減させるサービス連携を行ったことで、新規顧客の獲得に繋がったこと等が評価されたことによります。また、各新機能としてリリースした「Mackerelコンテナエージェント」「ロール内異常検知」が好評を得ており、潜在顧客のサービス需要に対して、効果的にアプローチした結果、売上は堅調に推移いたしました。

 2019年10月には、ソニービズネットワークス株式会社が提供しているAWS導入・運用支援サービス「マネージドクラウド with AWS」のオプションサービスとして「Mackerel(マカレル)」が採用されました。これにより、販売ネットワークの更なる拡充が実現しております。また、2019年11月には、NHNテコラス株式会社が提供するAWSの活用支援サービス「C-Chorus(シー コーラス)」における監視ツールに「Mackerel(マカレル)」が採用され、サービス提供を開始しております。同社との提携により、「Mackerel(マカレル)」の販売の更なる拡張を目指してまいります。

 

 

(ⅱ)利益の概況

 中長期的な企業価値の向上への取り組みの結果、コスト面において、人材の採用に伴う労務費や、各種サービスに係る管理コストを中心とした販売費及び一般管理費が1,505,836千円となり、前年同四半期比10.5%増となりました。主な増加要因は、中長期的なサービス拡張と事業創出のため、サービス開発要員等の採用等を積極的に行ったことにより、給料及び手当が前年同四半期比19.6%増となったこと、インターネットサービスの品質向上・維持のため、戦略的にコスト投下したことや、サービスの伸張に伴い、データセンター利用料が前年同四半期比11.8%増となったことなどによります。

 これらのコストは、短期的な収益獲得を目的とした資本投下というよりはむしろ、当社が将来にわたり、競争優位性を確保するために、収益基盤の確立に向けた戦略的先行投資として位置づけております。

 以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は1,958,004千円(前年同四半期比0.6%増)、営業利益は239,628千円(同39.2%減)、経常利益は242,279千円(同38.8%減)、四半期純利益は165,330千円(同38.9%減)となりました。

 なお、当社はUGCサービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

(注)1.User Generated Contentの略。インターネット上で利用者自身がテキストや画像、映像などのコンテンツを発信することができる場を提供するサービス。

2.ある一定期間内にWEBサイトにアクセスした、重複のないブラウザ数。1人のユーザーが何度でも同じWEBサイトを訪れても1人と数えられる。「訪問数」ではなく、「訪問者数」を表し、WEBサイトの人気や興味の度合いを判断する指標。

3.アドネットワークとは、多数の広告媒体のWebサイトを束ねた広告配信ネットワークを形成し、それらのWEBサイト上で一括して広告を配信する手法であり、メディア運営者は、サイトページ上に広告枠のみをアドネットワーク事業者に提供し、掲載される広告が、システムにより自動配信される仕組み。

4.Contents Management Systemの略。HTMLやCSSのようなWEBサイトの制作に必要な専門知識を必要とせず、テキストや画像等の情報を入力するだけで、サイト構築を自動的に行うことができるシステム。

 

(ⅲ)新型コロナウィルス感染症による当社を取り巻く経営環境等

 2019年末、中国で初めて確認され、提出日現在、世界の国や地域へ拡大した新型コロナウィルス感染症に対して、当社では顧客、取引先及び従業員の安全第一を考え、感染拡大を防ぐために、感染防止策の徹底をはじめとして、販売促進企画等のイベントの休止や制限等、対応を実施しております。

 事業活動に関するリスクとしては、各種イベントの中止や延期等に伴う商談減少による新規取引量や、取引件数の減少等を認識しております。また、当社を含めた広告媒体社の業績は、景気によって広告支出を増減させる広告主の動向により、景気変動の影響を受けやすい傾向にあります。これに伴い、広告支出額の比較的大きい産業部門の事業環境の変化が、今後の当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該影響額につきましては、新型コロナウィルス感染症の収束時期や収束後の経済状態や市場、消費動向が見通せない中で、一定の仮定を置いて、合理的に見積もることは困難であります。

 経済的不透明感や危機感が継続することの予想される経営環境の中で、当社の資金の財源及び流動性については次のとおりであります。また、事業継続に対して万全の備えをする方針であります。

 当社における事業活動のための資金の財源として、主に手元の資金と営業活動によるキャッシュ・フローによっておりますが、資金の手元流動性については、現金及び預金1,198,574千円と月平均売上高に対し5.5ヶ月分であり、現下、当社における資金流動性は十分確保されていると考えております。

 また、当社は事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本的な財務方針としており、金融機関からの借入により調達することを目的として、取引銀行5行との間で、総額1,000,000千円の当座貸越契約を締結しております。当第3四半期累計期間においては、新型コロナウィルス感染症に対するリスクファイナンスの一環として、100,000千円の借入契約を実行し、手元流動性を補完いたしました。その結果、当座貸越契約の未実行残高は900,000千円となっております。

 

 ③ 財政状態の分析

(資産)

 当第3四半期会計期間末における総資産の残高は、前事業年度末に比べて72,878千円増加し、2,383,125千円となりました。これは主に、増加要因として前払費用が118,874千円増加したこと、減少要因として現金及び預金が82,520千円減少したことなどによるものであります。

 

(負債)

 当第3四半期会計期間末における負債の残高は、前事業年度末に比べて112,521千円減少し、316,454千円となりました。これは主に、増加要因として短期借入金が100,000千円増加したこと、減少要因として未払金が102,001千円減少したことなどによるものであります。

 

(純資産)

 当第3四半期会計期間末における純資産の残高は、前事業年度末に比べて185,400千円増加し、2,066,670千円となりました。これは主に、増加要因として四半期純利益165,330千円の計上に伴い、利益剰余金が同額増加したこと、減少要因として自己株式の取得333千円があったことなどによるものであります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期会計期間末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べて103,544千円減少し、1,155,822千円となりました。

 当第3四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、使用した資金は69,550千円(前年同期は372,309千円の獲得)となりました。これは主に、増加要因として税引前四半期純利益242,346千円の計上などがあったこと、減少要因として法人税等の支払額124,978千円などがあったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は154,973千円(前年同期は122,920千円の使用)となりました。これは主に、増加要因として定期預金の払戻による収入21,722千円があったこと、減少要因として無形固定資産の取得による支出97,088千円などがあったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、獲得した資金は120,994千円(前年同期は17,830千円の獲得)となりました。これは主に、増加要因として短期借入れによる収入100,000千円があったこと、減少要因として自己株式の取得による支出333千円があったことによるものであります。

 

(3) 当社の資本の財源及び資金の流動性について

 当社は、事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。そのため、より一層の事業拡大を継続することに備え、金融機関からの借入により調達することを目的として、取引銀行5行との間で、総額1,000,000千円の当座貸越契約を締結しております。借入に関しては、経常的な運転資金需要の場合には、短期借入を基本方針とし、多額の設備投資需要の場合には、長期借入を基本方針として、適時借入を実行してまいります。また、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討し、対応してまいります。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

 当第3四半期累計期間において、当社の経営方針・経営戦略等について、重要な変更はありません。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について、重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 当第3四半期累計期間において、研究開発活動は行われておりません。

 

(7) 従業員

 当第3四半期累計期間において、従業員数の著しい増減はありません。

3【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。