文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「インターネットテクノロジーカンパニー」として高い技術力をもった人材を豊富に抱え、数多くのサービスを世に送り出してきました。これからも技術力の向上や活用に一層注力し、便利で質の高いインターネットサービスを提供してまいります。また、当社が提供するサービスを通じて、質の高いインターネットコンテンツの発信や伝播を支援しています。楽しく役に立つコンテンツが増え、手に届きやすくすることで「より豊かなインターネット社会」を実現してまいります。
当社は、インターネットを活用して『「知る」「つながる」「表現する」で新しい体験を提供し、人の生活を豊かにする』ことをミッションに掲げ、一般の利用者がコンテンツを発信するコンテンツプラットフォームサービス「はてな」を、技術の力を梃子に一貫して提供し続けてまいりました。
現在、上記サービスの他にコンテンツマーケティングサービスやテクノロジーソリューションサービスを新たな事業領域として、事業拡大に努めております。
コンテンツマーケティングサービスは、顧客が自らウェブサイトを所有し(オウンドメディアと呼ばれます)、コンテンツを発信、ソーシャルメディアにおいて拡散する際に、オウンドメディアを構築・運用支援するサービス「はてなブログMedia」、アフィリエイト広告等を提供しております。
テクノロジーソリューションサービスは、創業以来培ってきたサービス開発力やITインフラ構築力、保有する大規模データとその分析力を活かし、顧客にソリューションサービス(受託開発・運用サービス、サーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」)を提供しております。
上記の3サービスを基軸として、更なる良質なサービスや価値を創造し、発信・提供していくことで企業価値・株主価値の向上を目指しております。
また、当社は、持続的成長を見据えた戦略的投資を強化してまいります。「はてなブログMedia」「はてなブックマークネイティブ広告」等のコンテンツマーケティングサービスの営業人員強化や、コンテンツプラットフォームサービスにおけるテクノロジー基盤への投資、サービス開発の制作人員強化など、各有力分野で未来成長を意識した攻めの重点投資を実施します。
(2)目標とする経営指標
当社が重視している経営指標は、売上高、営業利益及び経常利益であります。売上高、営業利益及び経常利益を継続的に成長させることにより、事業の安定的な成長による企業価値の向上、株主価値の向上を目指してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
インターネットを取り巻く市場は、通信速度の向上、テクノロジーの進化等を背景に、引き続き高い成長が見込まれております。目まぐるしく変化する市場の中で、新技術、新サービスの実現により、顧客に対してより付加価値の高いサービスを提供できるよう、努めてまいります。
当社は自社コンテンツプラットフォームの開発・運営を通して新規顧客を開拓しつつ、そこで獲得した資産、知見を最大限に活用して「はてなブログMedia」「Mackerel(マカレル)」などの法人顧客向けサービスを提供するハイブリッド戦略を採用しております。当該戦略を通して、読者・利用者誘導や開発ノウハウなど強みをさらに強化し、自社コンテンツプラットフォームへの還元によるシナジー効果を図ってまいります。当社の主要な3サービスに関する経営戦略は以下のとおりであります。
① コンテンツプラットフォームサービス
当社は、個人向けにユーザーが文章や画像などのコンテンツを発信・閲覧・拡散するプラットフォームを提供するコンテンツプラットフォームサービスからスタートしました。ユーザーがコンテンツを発信・拡散するUGCサービスとして「はてなブログ」「はてなブックマーク」等のサービスを展開しています。任意のWebページにユーザーがコメントを簡潔に付けることができる「はてなブックマーク」があることで、「はてなブログ」の記事に他のユーザーの意見や批評が集まりやすいことや、長い文章や論考、コラムのようなものを発信するITリテラシーの高いブロガーが比較的多いことが「はてなブログ」の特長であり、競合優位性となっております。コンテンツプラットフォームサービスにおいては、「はてなブログ」「はてなブックマーク」を始めとしたUGCサービスの利用は、スマートフォンの普及とともに、ユーザーがコンテンツを発信、拡散するサービスとして伸張しており、登録ユーザー数やユニークブラウザ数は、今後も拡大する見通しであります。より競合優位性を確保するため、機能開発を継続してまいります。
② コンテンツマーケティングサービス
オウンドメディア(企業が顧客等に向けて伝えたい情報を発信するための自社メディア)の構築・運用支援サービス「はてなブログMedia」を2014年より開始しています。「はてなブログMedia」はSaaSで提供されており、当社がUGCサービスで培ったシステム・ノウハウを生かし、顧客が費用対効果の高いオウンドメディアを構築できることが競合優位性となっています。コンテンツマーケティングサービスにおいては、BtoB向けストック型ビジネスである「はてなブログMedia」を成長事業として位置づけております。企業がインターネットを活用して動画、画像、テキストを提供し、潜在顧客の認知や興味関心を獲得する重要性がますます増加する見通しであります。デジタルマーケティング戦略や人材採用戦略において、ひとつの企業で複数のはてなブログMedia媒体を運用しているケースもあり、ここ最近では働き方改革に関する情報発信や社員インタビューといった人材採用分野での活用を目的としたオウンドメディアのニーズが増大しているのが特徴となっております。オウンドメディアの活用がなされるマーケット傾向にあることから、潜在顧客に対しても、鋭意アプローチしてまいります。コンテンツ制作支援とともに、ネイティブ広告等の広告展開を実施することで、より収益獲得機会の拡大に努めてまいります。
③ テクノロジーソリューションサービス
コンテンツプラットフォームサービスで蓄積したサービス開発力やITインフラ構築力等を生かして、企業のオウンドメディアをスクラッチで開発・構築する受託サービスや、顧客企業の情報システム担当向けに、情報システムにおけるサーバーを監視・管理するツールをSaaSで提供するサーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」を展開しています。受託サービスは、ユーザーによる投稿や閲覧行動を顧客企業のビジネスに生かすサービスを構想し、実装に落とし込む企画力や拡張性のある設計を迅速に実装できる開発力を有していること、また、サービスの規模が拡大しても表示速度等のパフォーマンスを落とすことなく、ローコスト運営を維持することが可能なITインフラの設計・構築・運営力が競合優位性となっております。「Mackerel(マカレル)」は、サーバーやアプリケーションサービスの稼働状況を、異なるクラウドサービスやデータセンターサービスであっても一元的に監視できるほか、使いやすいUIと効率的なAPIにより簡単に導入・運用できることが競合優位性となっております。また、Web企業、ゲーム制作企業やアドテク企業での導入が顕著であり、エンタープライズ領域における利用も試行されるなど、市場は拡大しております。テクノロジーソリューションサービスにおいては、受託サービスとして受託開発・運営サービスの継続的な事業展開のみならず、BtoB向けストック型ビジネス「Mackerel(マカレル)」を成長事業と位置づけております。サーバーの監視ツールは、顧客が企業内で内製化していることが多いため、より品質の高い追加機能を継続開発のうえで、潜在顧客に対しても、鋭意アプローチしてまいります。
(4)会社の経営環境並びに優先的に対処すべき課題
① 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う短期的な業績への影響
2021年7月期は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための緊急事態宣言が首都圏を中心に複数回にわたり発令されたことを受け、休業や営業時間の短縮を行う企業も多く、未曽有の経済的停滞となり、その影響を見通すことが困難な状況が継続しております。当社では、足許での新型コロナウイルスの拡大に伴う景気の冷え込みを、業績に影響する課題として認識しております。この課題において、業績については新型コロナウイルス感染症の収束時期との関わりが強く、一定期間は負の影響を受けるものの、鎮まった後の回復は十分に見込めるものと捉えております。かかる状況下、ニューノーマルを意識した即応力のある経営が必要であると認識のもとに、感染防止策を徹底し、従業員の健康と安全の確保を図るとともに、コロナ禍における事業資金の確保及び事業継続に注力します。
② コスト管理の徹底と財務基盤の強化
コロナ禍が長期化した場合に備え、販売費及び一般管理費などのコスト管理を徹底してまいります。財務面では、リスク・ファイナンスの一環として、複数の金融機関との間で、手元流動性の更なる補完に向けた交渉を必要に応じ継続してまいります。
③ 中長期的な成長を意識したサービスの展開
「はてなブログ」「はてなブックマーク」を始めとしたコンテンツプラットフォームサービスは、他のSNSなどインターネットで投稿・閲覧するサービスが普及し一般化していく風潮とともに、ユーザーがコンテンツを発信、拡散するサービスとして投稿数が今後も拡大する見通しであります。より競争優位性を確保するため、機能開発とマーケティング活動を継続してまいります。
コンテンツマーケティングサービスにおいては、BtoB向けストック型ビジネスである「はてなブログMedia」を成長事業として位置づけております。企業がインターネットを活用して動画、画像、テキストを提供し、潜在顧客の認知や興味関心を獲得する重要性がますます増加する見通しであります。デジタルマーケティング戦略や人材採用戦略において、オウンドメディアの活用がなされるマーケット傾向にあることから、潜在顧客に対しても、鋭意アプローチしてまいります。コンテンツ制作支援とともに、ネイティブ広告等の広告展開を実施することで、より収益獲得機会の拡大に努めてまいります。
テクノロジーソリューションサービスにおいては、マンガビューワ「GigaViewer」の導入推進や、マンガ・小説投稿サービスを受託サービスとして受託開発・運営する事業の展開のみならず、BtoB向けストック型ビジネスである「Mackerel(マカレル)」を成長事業と位置づけております。サーバーの監視ツールは、クラウドサービスの市場拡大に伴い、顧客のニーズが高まり、潜在顧客も大きく広がってきています。高い品質と安定した運用を武器に、既存顧客・潜在顧客に対して鋭意アプローチしてまいります。
④ UGCサービス「はてな」の魅力の拡充
当社のUGCサービスは、スマートフォンの端末の普及・拡大によるインターネットアクセス手段の多様化や音声などの入力手段の多様化、アプリストアと呼ばれるソフトウェア流通の手法の革新、他のSNSの台頭など、技術環境やサービス環境の進化に大きく影響を受けます。当社は、UGCサービスの新規機能開発やマーケティング活動の推進、
新しいサービスの導入を適宜行っていくことでサービスの魅力を増大させて、投稿数や閲覧数を増加させていきたいと考えております。
⑤ 新規取引先の拡大と事業基盤の強化
当社は、コンテンツプラットフォームサービスにおいては検索エンジンや他のSNSにアクセスを依存しており、広告売上がそのアクセスに左右されます。BtoB向けストック型ビジネスである「はてなブログMedia」、「Mackerel(マカレル)」、マンガビューワ「GigaViewer」においては、サービスの利用継続について顧客の投資動向の影響を受けるため、特に売上高上位顧客の解約率を低く保つことが事業上重要となります。コンテンツプラットフォームサービス自体のアクセス増大に取り組む他、他社への営業活動を積極的に、継続的に行い、新規取引先の拡大に努めることで、事業基盤の強化を図ってまいります。
⑥ 組織体制の強化
当社は、積極的に企業価値を拡大していくためには、優れたサービスを構築することができる専門的技術、知識を有した優秀な人材の採用を行うとともに、最大限に能力を発揮することができる組織体制の強化が重要な課題であると認識しております。このため、各事業フェーズに合わせ、即戦力となる人材確保を目的とした中途採用と、将来を担う社員の育成と組織の活性化を目的とした新卒採用を積極的に行ってまいります。
また、業界を牽引する人材の育成を重点課題と位置づけ、職種別研修の実施や、専門資格の取得支援、広い成長機会の創出・支援を行ってまいります。
さらに、年齢や国籍等に制限なく、高いスキルや潜在的な能力、情熱を持つ人材を積極的に登用し、適材適所を見極めながら事業状況に合わせた臨機応変な組織改編をスピーディーに行うことで、強固な組織体制を構築してまいります。
また、従業員が新規サービスのアイデアを自発的に具現化する施策を行うなど、従業員のモチベーションを喚起し、イノベーションを創り出す組織文化を追求してまいります。
⑦ コーポレート・ガバナンス体制の強化
当社は、株主、顧客、従業員、取引先、社会等のステークホルダーに対する社会的責任を果たすとともに、企業価値の最大化を図るためには、各ステークホルダーの立場を踏まえた上で、透明性が高く、公正かつ迅速で、果断な意思決定を行うための仕組みとしてのコーポレート・ガバナンス体制の構築と改善、強化が重要であると認識しております。業容拡大に伴う業務の増大に対応して、内部統制の仕組みを改善し、全社への教育や啓蒙を行うことで、より強固なコーポレート・ガバナンス体制を構築してまいります。
⑧ 知名度の向上
当社は、UGCサービスにおいて20年以上の提供実績を持ち、個人に対しては一定の認知度を有していると考えております。一方で、法人顧客に対しては認知度が十分ではないと考えております。セミナー開催や技術カンファレンスにおける登壇などを通じて、積極的な広報活動や宣伝活動を実施し、認知度の向上に取り組みます。
⑨ 技術革新や市場変化への対応
UGCサービスは、インターネット関連市場として、今後も技術革新や新たなサービスモデルにより、既存サービスの陳腐化、代替サービス、類似サービスの登場により競争の激化が起こると考えております。これらの変化に対応するために、市場動向を把握し、顧客企業にとって最適なサービス、ソリューションを提供し続けられるよう努めております。今後も市場のニーズを先取りした商品・サービスを開発し、市場の変化に対応してまいります。
⑩ ブランドセーフティへの対応
インターネット広告では、数多くの広告主により多くの広告配信ネットワークから広告が配信されることから、広告配信業者による審査をかいくぐった不正な広告表示や錯誤を誘発する広告表示が可能な状態となっています。当社は、当社UGCサービスにおける閲覧者にそのような錯誤を発生させないよう、広告取り扱いに関する社内方針を定めて社内レビュー体制を強化し、信頼性の低い広告配信ネットワークについては利用を止めるなど、該当する広告取引の減少に取り組んでまいります。
また、UGCサービスにおいては投稿者がコンテンツを投稿することから、コンテンツの種類によっては内容として適合しない広告を掲載するページが生成される可能性があります。そのような場合、広告を実施した事によって広告主のブランド毀損が発生する可能性があるため、このようなブランド価値毀損が発生しうる広告掲載を防止するブランドセーフティが意識されるようになってきております。当社では、広告主がブランド価値毀損を起こしにくいよう、UGCサービスにおけるページ内容と広告枠の適合性を高める技術を開発し推進すると同時に、投稿者が利用規約を遵守した投稿を行うような監視・サポート体制の構築・強化を行うことで、該当する広告取引の減少に取り組んでまいります。
当社の事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、経営者がリスクとなる可能性があると認識している主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を与えると認識している事項を記載しております。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本報告書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
マテリアリティ項目別の影響の大きさ、発現の蓋然性・時期、評価、前年比較は、項目の末尾にまとめて記載しております。
・リスク管理体制について
当社は、取締役会が決定した「内部統制体制の整備に関する基本方針」に基づき、コンプライアンス・リスク委員会を設置しています。同委員会は、リスクを認識・評価した上で、リスクの回避・軽減・移転・保有を判断し、認識・評価された結果については、取締役会で報告を行い、リスクに対する回避・軽減・移転・保有などの対策状況を確認した上で、更なる対策の策定、見直しなどを実施するとともに、万一発生した場合には影響の極小化に努めております。
当社では、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
・事業環境に由来するリスクについて
(1)感染症に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
新型コロナウイルス感染症のような、世界的な感染症発生に備え、当社では、在宅勤務実施体制の構築、社内システムの一部クラウド化によるコミュニケーションラインの確保など、通常業務が著しく停滞しないよう体制を整えております。しかしながら、多数の従業員が同時期に感染する等、事業継続が困難な状況が発生し、当社の予想を超えて感染拡大の影響が長期化した場合、継続的な資金流出が予想されることから、当社の財政状態が悪化する可能性があります。また、今後、国内の景況感が極端に低迷したまま推移した場合においては、当社の財政状態及びキャッシュ・フローが大きく悪化する可能性があります。また、顧客の財政状態が悪化し、事業の縮小や事業の継続が困難となる状況が予想され、取引停止や著しい取引額の低下など、当社の業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
特に新型コロナウイルス等の感染症につきましては、全社に向けた注意喚起を行うとともに対策会議を設置し、対応を進めております。在宅勤務の実施や不要不急の出張の禁止など、従業員の安全確保と、感染拡大防止への対応の徹底、感染者が発生した場合の事業継続計画対策など、感染症による影響の低減に努めております。また、緊急事態時において、継続して事業推進ができるよう、政府の「新しい生活様式」及び、日本経済団体連合会が策定した「オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」に準拠した予防対策を実施しております。
また、当該リスクに備えるため、当社では、以下のように、主なリスク対応方針を定めております。
(ⅰ)需要減少による当社の財政状態の悪化リスク
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化した場合には、収益が減少する可能性がありますが、顧客ニーズを的確に捉え新サービスの提供、生産性の向上、コストダウン等の対策を継続することで、収益減少を最小限に抑えるよう努めています。
(ⅱ)顧客の財政状態悪化に起因する需要消失や債権の回収不能リスク
新型コロナウイルス感染症の影響により、顧客の財政状態が悪化し、事業継続が困難となった場合、安定的に推移していた売上が消失するとともに、当社が有する売上債権の回収が困難となる可能性があります。上記リスクに関しては、当社を取り巻く市場環境の見極めをタイムリーに行い、顧客への与信調査を徹底するとともに、売掛債権の定時回収・早期回収に努めています。
(ⅲ)資金の流動性リスク
当社は事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本的な財務方針としており、金融機関からの借入により調達することを目的として、取引銀行5行との間で、総額1,600,000千円の当座貸越契約を締結しております。なお、当座貸越契約の未実行残高は1,600,000千円となっております。今後は、新型コロナウイルス感染症に対するリスクファイナンスの一環として、適切なタイミングで借入を実行してまいります。また、資金需要に応じて信用供与枠の拡大の交渉を行い、新たなバックアップラインを確保することで、資金の手元流動性の更なる補完を目指してまいります。
(ⅳ)従業員の新型コロナウイルス感染リスクと事業継続リスク
従業員が新型コロナウイルスに感染し、従業員同士の接触等により、社内での感染が拡大した場合には、営業活動・開発業務・制作業務・管理業務に支障をきたし、ある一定期間事業活動を停止する可能性があります。当社は、社内外への感染被害を抑止し、従業員の健康と安全を確保するため、勤務制度の見直し等を積極的に推進し、事業継続に向けた体制づくりに一層注力しています。
(2)自然災害等に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
近年、東日本大震災などの大規模な地震や、台風をはじめとする自然災害が日本各地で大きな被害をもたらしています。また、今般、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスは、命の不安、経済の低迷といった社会不安を引き起こしています。当社は、事業継続のため必要とされる安全対策マニュアルを作成しています。また、昨今の気候変動などに伴う災害の大規模化により想定外の被害がもたらされることも考えられます。
提供する各種サービスは、通信ネットワーク及びコンピュータシステムにより提供されております。サービスの継続稼働のため、セキュリティ対策、設備投資、自然災害等を想定したデータセンターでのシステム運用を行っておりますが、地震・津波等の自然災害及び火災・事故・停電等の予期せぬ事象の発生によりサーバーがダウンした場合等には、当社の社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害の賠償金の支払等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
これら災害等に備え、災害発生時の初期対応や迅速な業務の復旧を可能にするための対応体制や、環境等の整備を継続するとともに、従業員の安全についても災害発生時マニュアルの整備・運用と、迅速な安否状況の把握ができる安否確認システムの構築等の対策を講じております。また当社が利用するデータセンターについては、免震または耐震構造、自家発電による無停電電源装置を装備するとともに、強固なセキュリティを確保しております。
(3)個人情報保護に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
UGCサービスにて、登録ユーザーとなる際に、ユーザーのメールアドレスを、一部の有料オプション等を利用いただく際に氏名、性別、郵便番号を取得しております。また、受託サービス等においても、ユーザーのメールアドレス等を取得するなど、ユーザーの個人情報を取り扱っております。よって、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。また、2020年6月に改正同法が公布され、国際的にもGDPRやCCPAが施行されるなど、今後、ますます個人情報管理の徹底が必要となっております。しかしながら、当社が保有する個人情報等につき、漏洩、改ざん、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとはいえません。従いまして、これらの事態が起こった場合、当社の社会的信用やブランドイメージの低下、適切な対応を行うための相当なコストの負担、発生した損害の賠償金の支払等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
取得した個人情報の保護に最大限の注意を払い、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、保護管理体制の確立に努めております。また、個人情報保護法の改正動向や国際的な潮流を見極め、適切な運用ができるよう社内体制の整備と教育を行ってまいります。なお、当社は一般社団法人日本プライバシー認証機構のTRUSTeマーク(注)を取得しております。
(注)TRUSTeマーク:日本プライバシー認証機構によって、個人情報をTRUSTeが策定した基準に適合して取扱っていると認証された際に発行される認証マークのこと。
(4)その他の法的規制等に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社事業を規制する主な法規制として、(ア)「電気通信事業法」、(イ)「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(以下、「プロバイダ責任制限法」という)、(ウ)「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(以下、「不正アクセス禁止法」という)、(エ)「資金決済に関する法律」があります。当社は、事業運営上関係する各法令へ対応するための体制を整備し、法令遵守に努めており、現状において法令に違反する事象は認識されておりません。
しかしながら、法令違反等の事象の発生、あるいは当社の事業を規制する現行法令の改正および新法令が制定される可能性があります。そのような場合には、当社の社会的信用の失墜や、当該規制への対応に際して、サービス内容の変更や新たなコストが発生すること等により、当社の業績に影響を与える可能性があります
(ア)電気通信事業法により、通信の秘密の保護等の義務が課されております。当社がこの関連法令に抵触した場合、業務停止命令や登録取消し等の行政処分を受けることも想定され、このような場合には当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(イ)プロバイダ責任制限法により、当社は「特定電気通信役務提供者」に該当し、不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信による情報の流通において、他人の権利の侵害があった場合に、権利を侵害された者に対して、権利を侵害した情報を発信した者に関する情報の開示義務を課されております。また、権利を侵害した情報を、当社が媒介したことを理由として、民法の不法行為に基づく損害賠償請求を受ける可能性もあり、これらの点に関し訴訟等の紛争が発生した場合には当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(ウ)不正アクセス禁止法により、当社は不正アクセス禁止法における「アクセス管理者」として、努力義務ながら不正アクセス行為からの一定の防御措置を講ずる義務が課されております。罰則はありませんが、この義務を遵守できない場合には当社の社会的信用やブランドイメージの低下等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(エ)当社は「はてなポイント」を利用して有料プランの購入を可能としているため、資金決済に関する法律の「自家型発行者」として登録を受けており、同法、関連政令、府令等の関連法令を遵守し業務を行っております。しかしながら、当社がこれらの関連法令に抵触した場合、業務停止命令や登録取消し等の行政処分を受けることも想定され、このような場合には当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
コンプライアンス経営の確立に努め、総務部担当者による法令適合性の審査や、契約書のリーガルチェック、社内への啓発活動等を行っており、法令違反の発生を防止する社内管理体制を構築し、法律、条例、関連諸規則等の遵守体制を強化しております。
(5)知的財産権に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、知的財産権を重視し、必要な商標権等の知的財産権を取得することにより、競争力を維持していくとともに、事業活動に際して、第三者の知的財産権を侵害しないよう最大限の注意を払っております。しかしながら、当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性や、当社の事業分野で第三者による知的財産権が成立する可能性があること等から、当社による第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性は否定できず、仮に当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より、損害賠償請求、使用差止め請求、ロイヤルティの支払い要求などが発生する可能性があり、その場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
第三者の特許権、商標権等の知的財産権に関して、顧問弁理士を通じて調査する等、その権利を侵害しないよう留意するとともに、当社が保有する技術について特許として知的財産権を獲得するよりも、ノウハウとして蓄積した方が事業戦略上優位であると判断されるものを除き、その費用対効果も考慮に入れた上で特許権等の知的財産権を取得し、権利保護に努めております。また、当社の事業活動において第三者の著作物を利用する場合には、OSSライセンスの遵守、著作物利用に関する契約の締結、著作権者の利用許諾の取得等、第三者の著作権を侵害しないよう、サービス開発及びコンテンツ制作を行っております。
(6)訴訟に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、はてなブログなど、ユーザーが情報をウェブ上に公開することができるプラットフォームを提供しております。ユーザーは情報を即時にウェブ上に公開できるため、当社が当該情報を利用規約違反として削除等の措置を講じる対応に先んじて、ユーザーにより違法なコンテンツが公開される可能性や、ユーザーの情報発信によって名誉毀損を受けたとして、第三者から当社が訴訟などを受ける可能性があります。そのような場合には、当社の社会的信用やブランドイメージの低下など、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
ユーザーによる第三者の名誉毀損の点については、プロバイダ責任制限法等を参照しつつ利用規約やガイドラインに基づき対応することとしています。当社は、利用規約を設け、ユーザーに対して、サービス利用上の禁止事項を定めるとともに、発信に関する全責任はユーザー自身にあること及び、法令を含む利用規約に違反する内容については当社が情報を削除する権利を持つことを明示するとともに、違反する情報を発見した場合には削除等の措置を講じ、適法かつ健全なプラットフォームの維持に努めております。
・事業内容に由来するリスクについて
(7)インターネットマーケティング関連市場に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
近年、インターネットマーケティング関連市場は拡大傾向にありますが、企業の広告宣伝活動が景気動向の影響を受けやすいこと、ユーザーの利用するデバイス環境に変化が生じる可能性があること、季節要因による変動があること、広告販売に活用している広告代理店やメディアレップの営業戦略や営業力などの影響を受けること、今後も他の媒体や制作会社との競合が継続していくと考えられることから、今後、これらの状況に変化が生じた場合、インターネットマーケティング関連事業の収益低下のリスクが顕在化する可能性があります。
[リスクへの対応策]
景気変動の影響を受けながらも安定的な収益をあげるべく、費用構造の改善に取り組んでおります。インターネットマーケティング関連市場においては、技術、顧客ニーズ及び競争が急速に変化することから、頻繁に新しい商品及びサービスの導入、新たな競争相手等が出現しており、当社においてもこれらの変化等に迅速に対応すべく、適切なコストを投じた上で、市場調査によるマーケット動向の把握等に努め、更なるサービス開発等の強化をしてまいります。
(8)インターネットマーケティングにおける価値基準に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社が行っているインターネットマーケティング関連事業は、新たな広告手法の登場等、変化し続けている状況にあり、その出稿においても、業種等の偏り及び変遷があります。このような状況の中、インターネットマーケティングの目的及び求める効果等の価値基準についても、変化し続けているといえます。今後、マーケティング手法の変化並びにマーケティング投資を行う広告主等の変遷等により、その価値基準が当社の想定と異なるものとなった場合、インターネットマーケティング関連事業の収益低下のリスクが顕在化する可能性があります。
[リスクへの対応策]
マーケティング投資を行う広告主等のニーズに対して新たな価値を創造・提供し、総合的に応えるために、これまでもはてなブログ等の当社UGCサービスを活用した他社のオウンドメディア構築のサービスの開発や、ネイティブ広告、タイアップ広告など広告手法を開発してまいりましたが、当社のUGCサービスそのものが持つ価値を活用したインターネットマーケティング手法を引き続き開発し、広告商品を取り揃え、販売するよう、新たな収益機会の獲得に取り組んでおります。
(9)コンテンツの信頼性に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社が受注したクライアントのオウンドメディアに掲載するコンテンツは、各編集者において所定のルールに従い、掲載前のコンテンツのチェックを入念に実施するなどして編集業務を行うよう努めることで、クライアントが運営するメディアとして信頼性を担保するよう取り組んでおります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や、時期を正確に予測することはできませんが、何らかの理由によりクライアントのオウンドメディアに正確性、公平性に欠けたコンテンツが掲載され、クライアントの信用を毀損することが発生した場合、当社の業績及び社会的信用に影響を与える可能性があります。
[リスクへの対応策]
各編集者において、所定のルールに従い、掲載前のコンテンツのチェックを入念に実施するなどして編集業務を行うよう努めております。外部ライターとの間の契約においては、法令遵守のみならず、インターネット広告ビジネスに関わる企業で構成される業界団体である日本インタラクティブ広告協会の定めるガイドラインの遵守を義務づけ、ステルス・マーケティングなどクライアントの信用を落とすような行為を禁じております。また、コンテンツ領域独自の審査基準を設け、場合によっては、二次的に外部専門家への確認を実施する等の方策をとることにより、コンテンツマーケティングサービス事業者として更なる信頼性強化に取り組んでおります。
(10)受託開発に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
一括請負契約による受託サービスにおいては、受注時には利益が計画されるプロジェクトであっても、予期し得ない理由により、当初見積以上に作業工数が発生することによる、コストオーバーランの発生や、納品後瑕疵担保期間中の無償での作業、納期遅延や品質不良等に起因する損害賠償請求を受ける可能性があります。また、これにより訴訟を含めた係争に発展する可能性もあります。赤字プロジェクトが発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社が提供しているサービスが、顧客の業務遂行上重要な役割を担っていることから、契約面からのリスク回避に努めるとともに、企画段階でのリスク洗い出しと対策の徹底、提供中サービスのリスクモニタリング、並びに定期メンテナンスや改善対策等の予防保全対策を強化しております。また、サービス品質を更に向上させ、赤字プロジェクトの発生を未然に防止するため、見積段階からのリスク要因のレビュー等による見積精度の向上とリスク管理の徹底を図るとともに、プロジェクトマネジメントスキルの向上と品質管理体制の拡充、強化に努めております。
(11)競合や陳腐化に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
競合他社においては、当社に比べ大きな資本力、技術力、販売力等の経営資源、幅広い顧客基盤、高い知名度等を有している企業が存在いたします。競合他社の営業方針や価格設定によっては、競合他社との競争がさらに激化する可能性があります。また、技術革新において、予期しない急激な変化があり、その対応が遅れた場合には、当社のサービスの陳腐化や競争力の低下を引き起こし、サービス全般の収益低下のリスクが顕在化する可能性があります。
[リスクへの対応策]
インターネット業界は、技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が激しく、新しいサービスが逐次産み出されている中、当社も技術革新および顧客ニーズの変化に対応するべく、積極的に最新の情報の蓄積、分析および当社への導入に取り組んでおります。
当社のUGCサービスは、興味・関心を共にするユーザーが集まるコミュニティの繋がりにより、他のSNSとの差別化が図られております。そのUGCサービスを自社で企画構想から開発すること及びサービスを大規模に運用することを一貫して実行できることが、当社の強みであると認識し対応しております。また、当社は、技術革新に適時・的確に対応できるよう、従業員の能力開発及び新技術習得を推進し、新しい技術の組織的発掘並びに競合他社と差別化できるサービスの構築等に努めております。
(12)インターネット広告の審査に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社が運営するコンテンツに掲載された広告等に関し、ユーザーもしくはその他の関係者、行政機関等から、クレームや勧告を受けたり、損害賠償を請求され、これらの対応に不備が生じた場合、インターネット広告事業の収益低下のリスクが顕在化する可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社が運営する「はてなブログ」や「はてなブックマーク」等においては、インターネット広告内容に関して、独自の掲載基準を設定し、自主的な規制を行い、事前に不適切な広告を排除するよう努めております。また、広告主との間で規約により、広告内容に関する責任の所在が広告主にあることを確認するとともに、削除の権利を当社で有し、規約に違反した情報を発見した場合には当社の判断により広告配信を停止することとしております。
(13)サービス開発・運営におけるシステムダウンに係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社が提供するサービスの多くは、通信ネットワーク、サーバーインフラ及びアプリケーションシステムにより提供されております。サービスの運営及び改善のための開発を行う中で、予期せぬバグの発生やオペレーションのミスによりシステムが動作せずダウンした場合等には、当社の社会的信用やブランドイメージの低下、UGCサービスを利用するユーザーの離反、広告売上の消滅、発生した損害に対する補填の支払等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
これらシステムダウンに備え、システム運用及び開発の手順書の明示化及び継続的なメンテナンスを行うと同時に、効率的に運用をするためのツール類を自社開発するほか、有用なサービスの導入を行うなどの対応を講じております。また、システムダウン時の迅速な業務の復旧を可能にするための対応体制や、環境等の整備に継続して取り組んでおります。
(14)UGCサービス運営に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社が提供する一部のサービスでは、ユーザーがブログ記事やコメント等を投稿することが可能となっており、健全性を欠くコメントが投稿される可能性や、他のユーザーを誹謗中傷するコメントが投稿される可能性があります。不適切な投稿に対して当社が十分な対応ができない場合には、当社がサービス運営者としての信頼を失い、当社サービス全般の収益低下のリスクが顕在化する可能性があります。
[リスクへの対応策]
サイト運営に関して利用規約をサイト上に明示し、サービスの適切な利用を促すように努めるとともに人的・機械的の両面で恒常的に監視し、利用規約に違反する不適切な投稿を非公開にしたり、ユーザー登録を停止することなどによって健全なサイト運営を維持しております。
(15)情報管理に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社では、当社が提供するサービスの利用者を識別できる情報や顧客が保有する個人情報を知り得る場合があります。システム上のトラブル防止策を最大限実施しておりますが、災害等によってソフトウエア機器が被災しシステムの作動不能や内部データの消失、想定外のサイバー攻撃や不正アクセス、コンピュータウイルスの感染等により、社内情報の漏洩、改ざん等が発生した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
個人情報を取り扱う際の個人情報保護規程を制定するとともに、社内教育を徹底する等、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。また、情報の適切な保存・管理に向けた「文書管理規程」など各種規程を整備しております。また、情報管理に関する啓発活動を実施する等、不適切な情報管理および機密情報流出の未然防止に向けた取り組みを行っております。
(16)風評に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
マスコミ報道やインターネット上の書き込み等において、当社に対する否定的な風評が発生し流布した場合、それが事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社の社会的信用に影響を与える場合があり、悪質な風評が流布した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社のサービスに対し、否定的な風評が拡大し、ブランドイメージの毀損が発生した場合には、各事業本部が連携し適切に対応できる体制となっております。当社では日頃から、これら風評の早期発見及び影響の極小化に努めております。
(17)特定の取引先への依存に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、売上高上位企業の投資動向に左右される場合があります。また、当社が運営するコンテンツプラットフォームサービスでは、サイト内検索エンジンや広告枠運用、解析ツールなど多くのツールにおいて、特定取引先の製品を利用しております。UGCサービスの集客の過半数についても特定の検索エンジンに頼っております。何らかの理由により特定既存顧客との関係に変化が生じた場合、売上の減少が顕在化かつ長期化する可能性があります。
[リスクへの対応策]
検索エンジンからの集客を強化すべく検索エンジン対策を行う他に、コンテンツマーケティングサービス及びテクノロジーソリューションサービスにおいて、取引先数の拡大により、特定の取引先への依存度を低下させていく方針であり、特定顧客基盤に依存しない収益体制を構築すべく努めてまいります。
(18)自社利用目的のソフトウエアの減損に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、自社で開発したシステムを活用して他社向けに主にテクノロジーソリューションサービスとして提供しております。それらの開発に係わるコストについて、資産性のあるものについては自社利用目的のソフトウエアとして無形固定資産に計上し、費用化すべきものについては各事業年度において費用化しております。自社利用目的のソフトウエアの開発においては、プロジェクト推進体制を整備し、慎重な計画の立案・遂行に努めております。しかしながら、当該開発が市場のニーズに合わないことにより利用価値が低下する場合や、重大なバグ(不良箇所)等の発生によりソフトウエアとして機能しなくなる場合には、これらを減損処理する可能性があります。その場合、一時に多額の費用が発生するため、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、他社との競争を勝ち抜くために、当社が持てるサービス開発技術を駆使し、市場競争力を強化・維持するためソフトウエアへの投資を進めており、将来の収益獲得又は費用削減が確実であると認められた開発費用をソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む)として資産計上しております。これらの資産については、減損会計を適用し、減損の兆候がある場合には当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるかを検証しており、減損処理が必要な資産については適切に処理を行います。
(19)受託制作のソフトウエア開発の収益認識とコストの見積り
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、受注制作のソフトウエア開発プロジェクトに関する売上の計上基準について、2022年7月期より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を適用しております。収益については、当社のソフトウエア開発は、案件ごとに管理されており、主に、ソフトウエア開発原価総額の見積りに対する実際の原価発生額の割合で測定される進捗率(原価発生額÷ソフトウエア開発原価総額)に基づいて認識しております。
また、当該ソフトウエア開発原価総額が、信頼性をもって見積ることができない場合には、原価発生額のうち、回収される可能性が高い範囲でのみ収益を認識し、原価は発生した期間に費用として認識します。ソフトウエア開発については、基本的な仕様や作業内容が顧客の指図に基づいて行われることがあるため、開発内容の個別性が強く、ソフトウエア開発原価総額の見積り、収益総額の見積り、契約に係るリスクやその他の要因について重要な仮定を設定する必要がありますが、係る見積りは変動する可能性があります。
[リスクへの対応策]
受託制作のソフトウエア開発というその開発工程が可視化されにくいという特性を理解し、契約上の仕様や作業内容について、過去の同種のソフトウエア開発の経験やリスク要因等を加味のうえで、開発人員の人件費や外注費等を積算し、ソフトウエア開発原価総額の見積りに努めて参ります。
内部統制制度の整備・運用におきましても、開発着手段階で、収益総額及びソフトウエア開発原価総額を見積った実行予算を策定、承認する体制を構築しております。また、開発着手後の各決算期末において、開発の現況を踏まえて、それらの見直しを実施のうえで、承認する統制フローを整備し、運用しております。開発担当部門から独立した部門である経理部がソフトウエア開発案件の進捗度の検証を実施のうえ、受託制作のソフトウエア開発に係る適切な会計処理に努めております。さらに、経理部による「収益認識に関する会計基準」等の社内周知や、専門的知識の拡充を目的とした教育を行い、適切に対応できる体制を整えております。
(20)保有有価証券における価格下落のリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、資産運用上の効率性に着目し、余剰資金の一部を市場で流通している債券(社債)や投資信託への投資で運用しております。余剰資金の運用にあたっては、安全性の高いものを選択しておりますが、急激な市場金利や為替の変動、発行主体の急激な業績悪化等により、保有する有価証券の市場価額が著しく下落した場合、損失が発生し、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
余剰資金の運用にあたっては、リスクとリターンを充分に考慮し、経済環境、市場動向や発行体の業績動向等を注視し、安全性の高いものを選択して投資しております。
(21)人材の確保及び育成に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
事業の拡大と合わせ、計画通りに人材の確保及び育成が出来ない場合や、事業の中核をなす社員に不測の事態が生じた場合、業務が滞り、経営活動の円滑な遂行が困難となり、将来事業計画の未達成となる可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社のサービスを安定的に継続し、かつ、進化させていくにあたり、今後も継続的に有能な人材の確保および育成が不可欠であり、新卒および中途採用を計画的に行うとともに、社内人材に対する教育研修制度を充実させ、また働きがいのある企業風土や職場環境を整備することにより、全体のレベルアップを図っております。
(22)小規模組織に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、取締役(社外取締役を含む)6名、監査役(社外監査役を含む)3名、従業員約200名と小規模な組織であり、業務プロセスを特定の個人に依存している場合があり、内部管理体制もこの規模に応じたものとなっております。特定の役員、従業員の社外流出等が発生する可能性があり、その結果、コーポレート・ガバナンスが有効に機能せず、諸施策が適時適切に進行しない可能性があります。
[リスクへの対応策]
企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、内部統制の整備・構築により業務プロセスの見直しを推進するとともに、業務の定型化、形式化、代替人員の確保などの業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、更に健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しており、今後の事業規模の拡大に応じて内部管理体制の一層の充実を図っていく方針であります。
(23)新株予約権の行使による株式価値の希薄化に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
役員及び従業員に対し、当社の業績向上への意欲や士気を一層高めることを目的として、新株予約権付与によるストック・オプション制度を採用した実績があります。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討することがあります。また今後、新株予約権発行のほか、新株、新株予約権付社債等を発行する可能性があり、これらの発行及び行使により当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じる可能性があります。また、これらの行使による需給の変化が当社株式の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
今後においても、ストック・オプション制度を活用していくことを検討することがあります。その場合には、当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じますが、役員及び従業員が、業績向上意欲や士気を高め、株価変動に関する利害を株主の皆様と共有し、結果として、企業価値向上へ貢献するものと考えております。
(24)配当政策に係るリスク
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は設立以来、配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題であると認識しており、事業基盤の整備状況、業績や財政状態などを総合的に勘案のうえ、配当をしていきたいと考えております。
[リスクへの対応策]
当社はこれまで成長につながる内部留保を優先し、配当を行わずに、当面内部留保の充実を進める方針であります。将来的には、各期の業績、財務体質を勘案しつつ、利益還元を検討していく方針でありますが、現時点においては、配当の可能性及びその時期については未定であります。
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マテリアリティ項目 |
影響の大きさ |
発現の蓋然性・時期 |
評価 |
前年比較 |
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■事業環境に由来するリスクについて |
||||
|
1.感染症に係るリスク |
大 |
高 |
極めて重要 |
→ |
|
2.自然災害等に係るリスク |
大 |
高 |
極めて重要 |
→ |
|
3.個人情報保護に係るリスク |
大 |
高 |
極めて重要 |
→ |
|
4.その他の法的規制等に係るリスク |
大 |
高 |
極めて重要 |
→ |
|
5.知的財産権に係るリスク |
中 |
中 |
重要 |
→ |
|
6.訴訟に係るリスク |
中 |
中 |
注視 |
→ |
|
■事業内容に由来するリスクについて |
||||
|
7.インターネットマーケティング関連市場に係るリスク |
大 |
高 |
極めて重要 |
→ |
|
8.インターネットマーケティングにおける価値基準に係るリスク |
中 |
中 |
重要 |
→ |
|
9.コンテンツの信頼性に係るリスク |
中 |
中 |
重要 |
→ |
|
10.受託開発に係るリスク |
大 |
高 |
極めて重要 |
→ |
|
11.競合や陳腐化に係るリスク |
中 |
中 |
重要 |
→ |
|
12.インターネット広告の審査に係るリスク |
中 |
中 |
重要 |
→ |
|
13.サービス開発・運営におけるシステムダウンに係るリスク |
大 |
中 |
極めて重要 |
→ |
|
14.UGCサービス運営に係るリスク |
中 |
中 |
重要 |
→ |
|
15.情報管理に係るリスク |
中 |
中 |
重要 |
→ |
|
16.風評に係るリスク |
中 |
中 |
重要 |
→ |
|
17.特定の取引先への依存に係るリスク |
大 |
高 |
極めて重要 |
→ |
|
18.自社利用目的のソフトウエアの減損に係るリスク |
中 |
中 |
重要 |
→ |
|
19.受託制作のソフトウエア開発の収益認識とコストの見積り |
中 |
中 |
重要 |
新設 |
|
20.保有有価証券における価格下落のリスク |
中 |
中 |
重要 |
→ |
|
21.人材の確保及び育成に係るリスク |
大 |
高 |
極めて重要 |
↑ |
|
22.小規模組織に係るリスク |
中 |
中 |
重要 |
→ |
|
23.新株予約権の行使による株式価値の希薄化に係るリスク |
中 |
中 |
重要 |
→ |
|
24.配当政策に係るリスク |
中 |
中 |
重要 |
→ |
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要、及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の分析
当事業年度における我が国経済は、内閣府の2021年8月の月例経済報告によると、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」とされております。先行きについては、「感染拡大の防止策を講じ、ワクチン接種を促進するなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されるが、感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要がある。また、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある」とされております。
UGCサービス事業(注1)を展開するインターネット関連業界におきましては、『消費動向調査(令和3(2021)年3月実施分』(内閣府経済社会総合研究所)によりますと、スマートフォン世帯普及率は88.9%(前年比4.5ポイント増)と普及が進んでおり、今後もスマートフォン市場は緩やかに拡大していくものと予測されます。
また、2021年8月に総務省情報通信政策研究所が公表した『令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』によりますと、「インターネットの平均利用時間が、平日、休日ともに各年代で増加している。特に、10代及び20代の平均利用時間が長い傾向にある。全世代では、平日、休日ともに「テレビ(リアルタイム)視聴及びインターネット利用が長い傾向が継続している。平日のインターネット利用の平均利用時間が、テレビ(リアルタイム)視聴の平均利用時間を2012年の調査開始以来、初めて超過した」、「スマートフォンの利用率は全年代で92.7%となり、2012年の調査開始以降、一貫して増加している。年代別には、10代から40代で90%を超過し、50代及び60代についても一貫して増加、60代で80%を超過している」とされており、インターネットの情報通信メディアとしての存在がテレビと肩を並べ、今後もスマートフォンなどの機器の保有・利用により、インターネットを取り巻くマーケットサイズは拡大していくものと予測しております。
さらに、『2020年 日本の広告費』(株式会社電通)によりますと、「世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、日本の総広告費は6兆1,594億円となり、前年比88.8%となった。これは、東日本大震災が発生した2011年以来、実に9年ぶりのマイナス成長であり、リーマン・ショックの影響を受けた2009年に次ぐマイナス幅となった。一方で、インターネット広告費は、社会のデジタル化の加速が追い風となり、前年に引き続きプラス成長となった」とされており、インターネット広告は伸長傾向にあるものの、各種イベントや広告販促キャンペーンの延期・中止により、広告費全体としては縮減傾向となっており、急激な市場環境の回復は望めないものと予測しております。
このような事業環境のもと、当社におきましては、自社で開発したユーザー参加型サービス群を「コンテンツプラットフォームサービス」と位置付け、その運営を通して培われた技術力やユーザーコミュニティを活かし、法人顧客向けに「コンテンツマーケティングサービス」、「テクノロジーソリューションサービス」をサービス領域として提供しております。市場環境の変化や、それに伴う経済的予測等を鑑み、人的資源や知的財産、資金等の経営資源を各サービスへ効率的に配分することで、経営の機動力の向上を図ってまいります。
② 業績の概況
(ⅰ)サービス別の販売動向
<コンテンツプラットフォームサービス>
コンテンツプラットフォームサービスでは、ユーザーがコンテンツを発信、拡散するUGCサービスとして、「はてなブログ」、「はてなブックマーク」などのサービスを展開しております。
当事業年度においては、主力サービスとなっている「はてなブログ」の登録ユーザー数は順調に増加したものの、月間ユニークブラウザ数(注2)や、「はてなブログ」の個人向け有料プラン「はてなブログPro」などの課金売上については、軟調に推移しました。「はてなブログ」においては、2020年9月よりスモールビジネス向けプラン「はてなブログBusiness」の提供を開始いたしました。これは、「はてなブログMedia」を活用した本格的なオウンドメディア構築よりも手軽な情報発信を要望するスタートアップ企業や、スモールビジネスを展開する企業のニーズの高まりに対応するため、使いやすい機能に絞ったうえで、戦略的な価格で「はてなブログ」を法人向けに提供するものであります。有料課金サービスについては、今後も、個人・法人向け問わずに機能拡充を図りながら、契約件数を着実に積み上げ、広告収入以外の収益基盤を育成してまいります。
コンテンツプラットフォームサービス上に掲載するアフィリエイト広告については、広告枠を提供したい数多くの広告媒体の運営事業者との間で、広告を出稿したい数多くの広告主を集めた広告配信ネットワーク(アドネットワーク(注3))が形成されるなど、関係者は年々増加傾向にあり、各事業者の関与の仕方は、多様かつ複雑なものとなっております。このような事業環境の中で、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う景気悪化懸念から、前事業年度において、旅行業界など一部の業界における国内の広告出稿量が大幅に減少したものの、当事業年度においては、緩やかな回復傾向にあるため、広告売上は底堅く推移いたしました。
その結果、コンテンツプラットフォームサービスの売上高は、524,775千円(前年比0.7%増)となりました。
<コンテンツマーケティングサービス>
コンテンツマーケティングサービスでは、BtoB向けストック型ビジネスとして、CMS(注4)である「はてなブログMedia」を活用したオウンドメディア(企業が顧客などに向けて伝えたい情報を発信するための自社メディア)の構築・運用支援サービスや、「はてなブログ」などのUGCサービスを活用したネイティブ広告、バナー広告、タイアップ広告などを展開しております。
当社が提供する「はてなブログMedia」について、使いやすい操作画面、高いシステム安定性、検索エンジンから評価されやすいサイト構造を実現するため、機能強化に努めました。Googleが業界各社と協力して開発を進める「モバイル環境でWebコンテンツの表示を高速化するプロジェクト」であるAMP(Accelerated Mobile Pages)に国産CMSとしてはいち早く対応し、大手企業、ベンチャー企業を問わず、幅広い企業層に対してサービス提供実績を積み上げてまいりました。
また、提供サービスプランに「レギュラープラン」「ライトプラン」「採用オウンドメディアプラン」の各プランを導入し、販売機会の更なる獲得に努めました。デジタルマーケティングを目的としたオウンドメディアの開設が活発化している昨今の市場環境において、フルサービスを提供する「レギュラープラン」はもとより、「ライトプラン」という販売価格面での戦略的提示により、顧客のオウンドメディアの新規開設を推進したことや、「採用オウンドメディアプラン」として、自社で求める人材の獲得や、働き方改革に関する情報発信や社員インタビューなど、採用マーケティングの一環として、採用を成功に導くための機能と、素早く安価にオウンドメディアを立ち上げられるプランを訴求し、顧客サイドのオウンドメディアの導入障壁をさらに押し下げた結果、新規導入のメディア数が増加したものであります。
一方で、新型コロナウイルス感染症拡大による景気悪化懸念から、「はてなブログMadia」の運用媒体数の増加ペースは鈍化し、当社UGCサービスに掲載されるネイティブ広告、バナー広告などの広告売上、コンテンツ作成支援料についても厳しい販売環境となりました。政府や自治体主導の経済対策や感染対策が取られていく中で、外出や移動の自粛によるデリバリーやネット通販、オンライン会議やオンラインイベント・セミナー、リモートワークなど社会におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速により、インターネット広告費の回復も見られ始めていることから、デジタル起点の広告需要を確実に取り込むべく邁進してまいります。
その結果、コンテンツマーケティングサービスの売上高は、662,161千円(前年比18.2%減)となりました。
<テクノロジーソリューションサービス>
テクノロジーソリューションサービスでは、受託サービスとして、顧客独自のネットワークサービスに関する企画、開発、運用の受託と、ビッグデータサービスとして、BtoB向けストック型ビジネスであるサーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」を展開しております。
Webマンガサービスに特化したマンガビューワ「GigaViewer」について、当事業年度においては、「コミックトレイル」(サービス提供者:株式会社芳文社)、「コミックブシロードWEB」(サービス提供者:株式会社ブシロードメディア)、「FEEL web」(サービス提供者:株式会社祥伝社)の3サービスに搭載されました。「少年ジャンプ+」「となりのヤングジャンプ」(サービス提供者:株式会社集英社)、「マガジンポケット」「コミックDAYS」(サービス提供者:株式会社講談社)など、合計12社、搭載累計14サービスとなりました。また、ユーザー向けの各種機能に加え、サービス提供者のサービス運用コストの削減に貢献する管理機能の継続的な機能開発の提供により、売上は堅調に推移いたしました。また、2020年11月には、「少年ジャンプ+」に提供する「GigaViewer」のストア機能を拡張し、電子版「週刊少年ジャンプ」のレンタル対応のみならず、定期購読対応が可能となりました。12月には「コミプレ」(サービス提供者:株式会社ヒーローズ)に対し、「GigaViewer」を搭載したマネタイズ支援機能「ストア機能」の提供を開始しました。2021年4月には、株式会社集英社の少年ジャンプ+編集部と協業のうえ、マンガ投稿サービス「マンガノ」の提供を開始しました。「マンガノ」は、ユーザー投稿型サービスや「GigaViewer」を提供する当社と、株式会社集英社が共同開発した、マンガ作品に特化した投稿サービスになります。マンガ家にとっての使いやすさを追求した作品投稿機能に加えて、作品の販売機能も備えており、継続的な機能開発に共同で取り組むことで、マンガ作品の公開、販売などを支援してまいります。7月には、「くらげバンチ」(サービス提供者:株式会社新潮社)に対し、「GigaViewer」を搭載したマネタイズ支援機能「ストア機能」の提供を開始しました。このように、「GigaViewer」の利便性や広告運用を含めたソリューションは、顧客から評価されており、WEBマンガにおけるデファクトスタンダードの位置を築き上げるべく、「GigaViewer」の導入拡大を推進し、開発・運用料のみならず、レベニューシェア(広告・課金収益など)の収益拡大にも注力してまいります。
受託サービスにおけるシステム開発については、複数の受託開発案件の納品及び検収が完了したため、収益認識にいたりました。保守運用サービスでは、運用案件数の積上げにより、売上成長に繋がりました。
「Mackerel(マカレル)」については、AWS(アマゾンウェブサービス)のパートナー制度「AWS パートナーコンピテンシープログラム」において、「AWS DevOps コンピテンシー」認定を、当社が国内企業で初めて取得しております。さらに、「AWS Partner Network(APN)Award2019」において、「Mackerel(マカレル)」を通じたAWSへのビジネス貢献が評価され、「APN Technology Partner of the Year 2019 - Japan」を受賞いたしました。これはAWSの最新サービスへのいち早い対応により、AWSユーザーの運用負荷を軽減させるサービス連携を行ったことで、新規顧客の獲得に繋がったことなどが評価されたことによります。これにより、AWS(アマゾンウェブサービス)の中で、サーバー監視サービスとしての認知度が向上し、更なる導入実績の積上げを図ることができました。また、「Mackerelコンテナエージェント」、「ロール内異常検知」がリリース後好評を得ており、潜在顧客のサービス需要に対して、効果的にアプローチした結果、売上は順調に成長いたしました。
2020年9月には、新機能として「Google Cloud インテグレーション」の提供を開始いたしました。本機能により、「Mackerel(マカレル)」を使うことで簡単にGoogle Cloudの連携対象サービスの監視ができるようになりました。また、2021年2月には、エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社が提供する「スマートコネクト クラウド監視保守サービス」に、4月には、株式会社コマースニジュウイチが提供するECプラットフォームサービス「ECo2(エコツー)」の監視サービスに当社の「Mackerel(マカレル)」が標準機能として採用されました。今後も、「Mackerel(マカレル)」の更なる拡販と、より快適な監視環境の提供に取り組んでまいります。
その結果、テクノロジーソリューションサービスの売上高は、1,434,283千円(前年比18.3%増)となりました。
(ⅱ)利益の概況
中長期的な企業価値の向上への取り組みの結果、営業費用(売上原価と販売費及び一般管理費の合計)については2,372,509千円となり、前年比4.7%増となりました。主な増加要因は、自社利用目的のソフトウエアの計上に伴い、売上原価の減価償却費が増加したことや、広告レベニューシェアに伴う収益配分原価が増加したこと、主要3サービス拡張と事業創出のため、人材採用投資を積極的に行ったことにより、給料及び手当が前年比14.3%増となったことなどによります。主な減少要因は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐために国内外を問わず、不要不急の出張は原則禁止としたことや、販促イベントの休止・制限など、関連する営業活動費が減少したことによります。人材への経営資源の配分は、当社が将来にわたり、競争優位性を確保するために、収益基盤の確立に向けた成長戦略投資として位置づけております。サービスの高成長を中長期的に実現していくために、エンジニアを中心とした更なる人材投資について、市場環境を注視しつつ、フレキシブルな対応をしてまいります。
営業外損益や特別損益については、受取利息及び配当金1,376千円の計上、為替差益2,993千円の計上、サーバー機器等の廃棄に伴う固定資産除却損2,062千円の計上などがありました。
以上の結果、当事業年度の売上高は2,621,220千円(前年比3.1%増)、営業利益は248,711千円(同10.2%減)、経常利益は253,401千円(同9.2%減)、当期純利益は172,640千円(同9.5%減)となりました。
なお、当社はUGCサービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(注)1.User Generated Contentの略。インターネット上で利用者自身がテキストや画像、映像などのコンテンツを発信することができる場を提供するサービス。
2.ある一定期間内にWEBサイトにアクセスした、重複のないブラウザ数。1人のユーザーが何度でも同じWEBサイトを訪れても1人と数えられる。「訪問数」ではなく、「訪問者数」を表し、WEBサイトの人気や興味の度合いを判断する指標。
3.アドネットワークとは、多数の広告媒体のWebサイトを束ねた広告配信ネットワークを形成し、それらのWEBサイト上で一括して広告を配信する手法であり、メディア運営者は、サイトページ上に広告枠のみをアドネットワーク事業者に提供し、掲載される広告が、システムにより自動配信される仕組み。
4.Contents Management Systemの略。HTMLやCSSのようなWEBサイトの制作に必要な専門知識を必要とせず、テキストや画像などの情報を入力するだけで、サイト構築を自動的に行うことができるシステム。
(ⅲ)新型コロナウイルス感染症による当社を取り巻く経営環境や想定されるリスクなど
新型コロナウイルス感染症について、感染力の強い変異株の出現により、これまでに経験のないスピードで感染が拡大しており、国内外の景気への影響が避けられない現況下、今後の経済活動、事業環境、雇用情勢など先行きは不透明な状況が継続しております。
『2020年 日本の広告費』(株式会社電通)によりますと、広告市場において、インターネット広告費はマスコミ四媒体広告費に匹敵する2.2兆円規模、総広告費全体の36.2%の市場規模となりました。その中でも動画広告やソーシャルメディア広告が牽引する形で市場が拡大し、特にモバイル向け広告の成長が顕著となり、明るい兆しも見え始めております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による景況感の著しい悪化から、広告出稿の取止や予算縮小の影響も依然として出ております。当社を含め、広告媒体社の業績は、景気によって広告支出を増減させる広告主の動向により、景気変動の影響を受けやすい傾向にあります。これに伴い、広告支出額の比較的大きい産業部門の事業環境の変化が、今後の当社の業績及び財政状態に負の影響を及ぼす可能性があります。
また、「はてなブログMedia」や「Mackerel(マカレル)」といったBtoB向けストック型サービスについては、オンラインセミナーなどの開催、SNS広告の活用などによるマーケティング戦略の実施により、リード顧客の獲得や、既存顧客に対する丁寧なフォローアップに努めてまいります。しかしながら、リアル展示場への出店機会の減少や、来客人数制限による集客効果の不調、顧客への外訪を含む対面販売機会の減少により、新規契約獲得の鈍化を一定程度見込んでおります。
一方で、当社が保有するサービス開発力を、「はてなブログ」や「はてなブックマーク」などにおける機能開発や機能改善へ投下することにより、訪問者数の拡大を狙い、その結果として、有料オプション「はてなブログPro」の課金収入の伸長の実現や、ユーザー企業独自のネットサービスに関する企画、開発、運用を受託するサービス領域などで効果的に展開し、新たな収益機会の獲得を実現する好機とも見込んでおります。
当社は、収益機会を積極的に獲得するために、売上の立ち上がりを見通しつつ、新たな収益基盤の確立に向けた戦略的投資を継続してまいります。
経済的不透明感や危機感が継続することが予想される経営環境の中で、当社の資金の財源及び流動性については次のとおりであります。また、事業継続に対して万全の備えをする方針であります。
当社における事業活動のための資金の財源として、主に手元の資金と営業活動により獲得したキャッシュ・フローでありますが、資金の手元流動性については、現金及び預金1,435,415千円と月平均売上高に対し6.6ヶ月分であり、現下、当社における資金流動性は十分確保されていると考えております。
また、当社は事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本的な財務方針としており、金融機関からの借入により調達することを目的として、前事業年度までに取引銀行5行との間で、総額1,000,000千円の当座貸越契約を締結しておりました。当事業年度において、新型コロナウイルス感染症に対するリスクファイナンスの一環として、与信枠の拡大の交渉を行った結果、既存取引銀行4行との間で、総額600,000千円の与信枠を純増いたしました。更なるバックアップラインを確保したことで、資金の手元流動性の補完が実現いたしました。今後は、運転資金や設備投資の需要動向や、それに伴うキャッシュ・ポジションを精査しつつ、適切なタイミングで資金調達を実行してまいります。
なお、当座貸越契約の未実行残高は、1,600,000千円となっております。
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(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前事業年度に比べ、197,965千円増加し、
1,402,559千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は296,437円(前年は115,912千円の収入)となりました。
これは主に、増加要因として、税引前当期純利益251,496千円の計上があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は105,849千円(前年は203,497千円の支出)となりました。
これは主に、減少要因として、無形固定資産の取得による支出109,857千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は6,923千円(前年は32,991千円の収入)となりました。
これは、増加要因として、新株予約権の行使による株式の発行による収入6,923千円があったことによるものであります。
(3)生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社は生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
(b)受注実績
当事業年度の受注実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
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サービスの名称 |
当事業年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) |
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受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
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テクノロジーソリューションサービス |
405,180 |
143.8 |
275,505 |
184.9 |
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合計 |
405,180 |
143.8 |
275,505 |
184.9 |
(注)1. 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2. 金額は、販売価格によっております。
3. コンテンツプラットフォームサービス、コンテンツマーケティングサービスは受注によらないため、記載はしておりません。
4.当社は単一セグメントであるため、サービスごとに記載しております。
(4)販売実績
当事業年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
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サービスの名称 |
当事業年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) |
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販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
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コンテンツプラットフォームサービス |
524,775 |
100.7 |
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コンテンツマーケティングサービス |
662,161 |
81.8 |
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テクノロジーソリューションサービス |
1,434,283 |
118.3 |
|
合計 |
2,621,220 |
103.1 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社は単一セグメントであるため、サービスごとに記載しております。
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前事業年度 (自 2019年8月1日 至 2020年7月31日) |
当事業年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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ストライプジャパン株式会社 |
242,031 |
9.5 |
278,282 |
10.6 |
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株式会社エフレジ |
268,926 |
10.6 |
232,734 |
8.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わねばなりません。経営者は、債権、たな卸資産、投資、繰延税金資産等に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、
「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであり
ます。
(2)当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、当社が重視している経営指標は、売上高、営業利益及び経常利益であります。
主要3サービスのシナジー効果を最大限に活用しつつ、売上高、営業利益及び経常利益を継続的に成長させることにより、企業価値の向上、株主価値の向上を目指してまいりました。当社は、経営方針に則った業績目標について、2020年9月11日に業績予想値を公表、2021年5月31日に業績予想値を修正いたしました。当社が定める経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況については次のとおりです。
なお、経営成績の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(単位:千円)
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区分 |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
当期純利益 |
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業績予想値(A) |
2,607,675 |
212,178 |
216,215 |
147,514 |
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実績(B) |
2,621,220 |
248,711 |
253,401 |
172,640 |
|
増減(B-A) |
13,545 |
36,532 |
37,186 |
25,126 |
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増減率(%) |
0.5 |
17.2 |
17.2 |
17.0 |
当社の資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。当社における事業活動のための資金の財源として、主に手元の資金と営業活動によるキャッシュ・フローによっております。資金の手元流動性については現金及び預金1,435,415千円と月平均売上高に対し6.6ヶ月分であり、当社における資金の流動性は十分確保されていると考えております。なお、当事業年度末時点において、有利子負債残高はありません。
運転資金需要のうち主なものは、人件費やデータセンター利用料等の営業費用、法人税等の税金費用であります。また、投資を目的とした資金需要の主なものは、ITインフラ設備や事務所設備等の設備投資であります。
当社は、事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。そのため、より一層の事業拡大を継続することに備え、金融機関からの借入により調達することを目的として、取引銀行5行との間で、総額1,600,000千円の当座貸越契約を締結しております。借入に関しては、経常的な運転資金需要の場合には、短期借入を基本方針とし、多額の設備投資需要の場合には、長期借入を基本方針としております。また、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討し、対応してまいります。
また、当社は、フリーキャッシュ・フローを営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動により支出されたキャッシュ・フローの合計と定義しております。当社の経営者は、この指標を戦略的投資または負債返済に充当可能な資金の純額、あるいは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、投資家に有用な指標であると考えており、以下の表のとおり、フリーキャッシュ・フローを算出しています。
(単位:千円)
|
区分 |
前事業年度 (自 2019年8月1日 至 2020年7月31日) |
当事業年度 (自 2020年8月1日 至 2021年7月31日) |
増減 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
115,912 |
296,437 |
180,525 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△203,497 |
△105,849 |
97,647 |
|
フリーキャッシュ・フロー |
△87,584 |
190,587 |
278,172 |
なお、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(3) 財政状態の分析
(資産)
流動資産は1,986,490千円となり、前事業年度末に比べ、308,561千円増加いたしました。
これは主に、増加要因として、現金及び預金が188,977千円増加したことによるものであります。
固定資産は623,127千円となり、前事業年度末に比べ、38,062千円減少いたしました。
これは主に、減少要因として、投資有価証券が48,636千円減少したことによるものであります。
(負債)
流動負債は285,377千円となり、前事業年度末に比べ、82,202千円増加いたしました。
これは主に、増加要因として、未払法人税等が20,344千円増加したことによるものであります。
固定負債は32,832千円となり、前事業年度末と比べ、595千円減少いたしました。
これは、減少要因として、その他に含まれる固定負債が786千円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は2,291,407千円となり、前事業年度末に比べ、188,891千円増加いたしました。
これは主に、増加要因として資本金及び資本準備金がそれぞれ3,461千円増加したこと、当期純利益を172,640千円計上したことによるものであります。
(4) 経営成績等の状況に関する分析
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(売上高)
当事業年度の売上高は2,621,220千円となり、前事業年度に比べ、78,482千円増加いたしました。
これは主に、テクノロジーソリューションサービスにおける受託開発売上や保守運用売上、「Mackerel(マカレ
ル)」サービス売上が堅調に推移したことによります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は278,206千円となり、前事業年度に比べ、15,418千円増加いたしました。これは主に、自社利用目的のソフトウエアの計上に伴い、ソフトウエアの減価償却費が増加したこと、広告レベニューシェアに伴う収益配分原価が増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度の売上総利益は2,343,013千円となり、前事業年度に比べ63,063千円増加いたしました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は2,094,302千円となり、前事業年度に比べ、91,164千円増加いたしました。
これは主に、役員報酬11,250千円の増加、給料及び手当115,398千円の増加、法定福利費16,233千円の増加によるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は248,711千円となり、前事業年度に比べ、28,100千円減少いたしました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度の営業外収益は5,097千円となり、前事業年度に比べ、298千円減少いたしました。
これは主に、補助金収入1,518千円の減少、助成金収入883千円の減少があったことによるものであります。
当事業年度の営業外費用は406千円となり、前事業年度に比べ、2,695千円減少いたしました。
これは主に、前事業年度において為替差損2,625千円の計上があったことによるものであります。
この結果、当事業年度の経常利益は253,401千円となり、前事業年度に比べ、25,704千円減少いたしました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度の特別利益は157千円となり、前事業年度に比べ、33千円減少いたしました。
これは主に、固定資産売却益33千円の減少があったことによるものであります。
当事業年度の特別損失は2,062千円となり、前事業年度に比べ、2,062千円増加いたしました。
これは主に、固定資産除却損2,062千円の増加があったことによるものであります。
この結果、当事業年度の当期純利益は172,640千円となり、前事業年度に比べ、18,047千円減少いたしました。
(投下資本利益率、株主資本利益率)
税引前営業利益(NOPAT:営業利益×(1-実効税率))は、172,555千円となり、投下資本(自己資本+有利子負債:期中平均)2,264,670千円に対する利益率(ROIC)は、7.6%となりました。また、株主資本利益率(ROE)は、7.9%となりました。株主資本コストと負債コストの加重平均(WACC)は、4.3%と認識しており、ROE、ROICの維持・向上によって株主資本に対する利益率(ROE)の維持・向上に努めてまいります。
(5) キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前事業年度に比べ、197,965千円増加し、
1,402,559千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は296,437千円(前年は115,912千円の収入)となりました。
これは主に、増加要因として、税引前当期純利益251,496千円の計上があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は105,849千円(前年は203,497千円の支出)となりました。
これは主に、減少要因として、無形固定資産の取得による支出109,857千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は6,923千円(前年は32,991千円の収入)となりました。
これは、増加要因として、新株予約権の行使による株式の発行による収入6,923千円があったことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
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2020年7月期 |
2021年7月期 |
|
自己資本比率(%) |
89.9 |
87.8 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
248.2 |
159.3 |
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キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
- |
- |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
243.2 |
728.9 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債がないため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は記載しておりません。
(企業価値・キャッシュ創出力)
キャッシュ創出力を示す減価償却前の営業利益(EBITDA:償却前営業利益=営業利益+減価償却費)は、361,282千円となっており、キャッシュを生み出す力は着実に成長しております。
今後についても、運転資金の確保のための有利子負債の水準を一定程度に維持しつつ、人材投資やインフラ投資を行う方針を継続するとともに、主要3サービスにおける収益の柱を成長させることで、キャッシュ創出力を高め、企業価値を向上させてまいります。
2021年7月末の企業価値(EV:時価総額+ネット有利子負債)は、4,156,800千円となっております。企業価値とキャッシュ創出力の倍率を示すEV/EBITDA倍率は、11.5倍となっております。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(7) 戦略の現状と見通し
当社は『「知る」「つながる」「表現する」で新しい体験を提供し、人の生活を豊かにする』をミッションに掲げ、「技術で支えられているサービスを提供する会社」として技術を磨き、インターネット領域において様々なサービス提供を行っております。
当社は今後も拡大されることが予想されるIT市場において、競争優位性を確保するために、顧客企業に対して高付加価値を提供するサービスの創造に鋭意努めてまいります。また、より強固なポジションを獲得するために、開発体制及び営業体制の強化を重要な戦略と認識し、事業の拡大に取り組んでまいります。
(8) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社が今後業容を拡大し、より高品質なサービスを継続提供していくためには、経営者は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。
(9) その他会社の現況に関する重要な事項
当社は、企業の社会性を認識し、社会貢献活動を重要な責務として捉え、以下のCSR活動を実施しております。
2004年に発生した「新潟県中越地震」の大被害を受け、多くのはてなユーザー様から「はてなポイントを使って義援金を現地に届けたい」とご要望いただき、本窓口を開設し、ユーザー様からお寄せいただいたポイントを義援金として日本赤十字に寄付する取り組みを開始しました。以来、大規模な災害が国内外で発生した折には、義援金(国内)及び救援金(海外)の募集と寄付を行いました。
「預金を通じて、困っている人や団体を支援する」という活動のもと、SDGsに貢献できる預金として「応援定期預金」を作成することで、定期預金の預入残高に一定割合を乗じた金額を、取引先金融機関が、応援先(こどもの医療支援、こどもの自立支援、障がい者スポーツ支援、環境保護の4つのテーマから選定)に寄付しております。寄付を通じて、重い病気や障がい等で長期入院するこどもたちを支援するなど、「支え合う気持ち」を繋いでまいります。
発行額の0.15%を、新型コロナウイルス感染症による影響を受けたこどもたちへの支援を行う団体への緊急支援及び経済的に困難な状況下のこどもたちを支える団体の基盤づくり(組織のデジタライゼーションや事業のオンライン化を含む)への寄付にそれぞれ充当する新発債券の購入により、間接的に中長期的な支援をしております。
(注)CSRとは、Corporate Social Responsibilityの略。持続可能な社会形成を目的として、企業が経済活動に加えて、社会や環境などの要素に向けても責任ある活動をすべきであるという概念。
該当事項はありません。
該当事項はありません。