第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、経営理念及び行動規範を次のとおり制定し、これらの実践をとおして「一番にお声がかかる選ばれる会社」となることで、一層の業績向上を目指しております。

① 経営理念

私たちは環境と安全に配慮した価値ある商品の提供と、新しい市場の開発を通じて、真の顧客満足を実現し、企業の発展と社会への貢献を果たします。

私たちは事業の目的を達成するため、業務の有効性及び効率性を高めるための取り組みと、正しい財務報告と資産管理、社会正義に則っての法令遵守を継続していきます。

② 行動規範

一、仕入先には信頼感 

市場の変化や幅広い情報を仕入先と共有し、ニーズに沿った商品の供給と開発を共同で行い、新しい市場を拓きます。これを通じて仕入先との強い信頼関係を築きます。

一、得意先には満足感

自信と誇りを持って価値ある商品を提供します。さらに、ニーズに対応した価値ある提案を行うことにより、お客様の満足を実現し、その繁栄に寄与します。

一、自分自身は責任感

自分の存在価値を仕事の中に見出し、常に自己研鑽に励みます。目標を高く揚げてチャレンジし、スピーディーに責任をもって仕事を達成します。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、持続的な成長と発展の基盤は、利益であるとの認識の下、売上総利益の絶対額の持続的な増加を目標としております。

平成31年3月期は、土木建設資材事業で売上高の減少を見込む一方、日用品事業と化学品事業で売上高の増加を見込み、当社グループの連結業績は、売上高20,700百万円(前連結会計年度比2.5%増)、売上総利益は前連結会計年度に比べ47百万円増の1,678百万円(前連結会計年度比2.9%増)を見込んでおります。

(単位:百万円,%)

 

 

平成29年3月期

平成30年3月期

平成31年3月期[予算]

 

実績

前期比増減率

実績

前期比増減率

予算

前期比増減率

売上総利益額
(連結)

1,555

1.7

1,631

4.9

1,678

2.9

 

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、経営者及び従業員等の「人的経営資源」、設備及び資金等の「物的経営資源」、及び情報、ノウハウ、信用力等の「情報的経営資源」の展開を、当社グループの事業ドメインである「オレオケミカルを中心とした化学品分野」に集中的に展開する「集中戦略」を採用しております。

当社グループは、持続的な安定成長、経営リスクの分散の観点から、化学品事業、日用品事業及び土木建設資材事業のそれぞれにおいて、一層の市場の深耕を図る必要があるものと考えております。これら市場の深耕に当たっては、既に有する経営資源のうち、特に当社グループの事業ドメインに係る関連知識、国内外の製品情報、メーカー情報及び営業ノウハウ等の「情報的経営資源」を3事業それぞれが有効に活用することこそが最も重要であり、この徹底をもって3事業間で強い関連を持たせながら効率的な市場の深耕を図ってまいります。

現在の3事業を基本とした集中型市場深耕の展開を選択することで、新しい経営資源の獲得を効率的に行うことが可能になり、また新たに獲得した情報的経営資源を3事業で有効に活用することによって、事業間のシナジー効果の最大化を図り、異業種への事業多角化を図るよりも低リスクで利益貢献の可能性が高い事業展開を推進してまいります。

セグメント別の中長期的な戦略は、次のとおりです。

〔化学品事業〕

当社グループの主たる事業である化学品事業の販売活動は、オレオケミカルを界面活性剤等の原材料として油脂メーカーから仕入れ、界面活性剤等の中間製品メーカー等に販売し、これらの中間製品メーカーが生産した界面活性剤等の化学品を最終製品メーカーに販売する「化学品の原材料流通を川上から川下まで広くカバーするビジネスモデル」を構築している点に特徴があります。

 

得意先及び仕入先は、常に新商品開発、商品リニューアルにおいて、価格、品質、機能、作用及び環境負荷等で課題を抱えており、自社と外部のアイデア等を組み合わせて革新的な価値を創出するオープン・イノベーションを志向する企業が増える中、当社グループが各社の開発テーマや製造上の課題をヒアリングできる機会は徐々に増加しております。当社グループは、これらをビジネスチャンスと捉え、単なる商社機能の枠を超え、油脂・界面活性剤業界に集中して事業活動を行ってきたことから蓄積された知識やノウハウを活用し、これらの企業に対して原材料選定の面から新商品開発の支援を強化することで、既存商品よりも付加価値の高い商品のイノベーションの実現に貢献し、信頼関係を構築することで競合他社との差別化を図り、グローバルでの取引の拡大に繋げてまいります。

〔日用品事業〕

日用品事業は、化学品事業における界面活性剤に関する専門性を活用し、「安心・安全」をテーマとして「簡単・便利」を商品コンセプトに、家庭用洗剤、業務用洗浄剤及び化粧品等の商品を得意先とともに企画し、外部に生産を委託する等によって、相手先ブランド(OEM)で商品を販売しております。

大手企業が主に高い洗浄機能に重点を置いた商品開発を行っているのに対し、当社グループは「安心・安全」をテーマにしたニッチな商品企画を得意としており、また化学品事業において日用品の原材料となる多種多様な化学品メーカーとの取引があることから、最適な原材料の調達及び生産委託先の選定を効率的かつ機動的に行うことが可能となっております。

得意先は、新商品開発、商品リニューアルにおいて、常に価格、品質、機能、作用及び環境負荷等で課題を抱えております。当社グループはこれらをビジネスチャンスと捉え、当社グループが有する情報的経営資源、及び「小ロットでも安価で効率的かつ機動的に供給できるサプライチェーン」を最大限活用し、得意先の課題を解決する新たな商品の提供を図り、顧客ニーズに対応したエンドユーザー視点での商品差別化だけでなく、「得意先のブランド価値の維持・向上を支える商品提供」を行うことによって、差別化を図ってまいります。

〔土木建設資材事業〕

当社グループは、化学品事業で蓄積した界面活性剤に関する専門的知識を最大限活用するという観点から、土木建設資材の中でも、グラウト(薬液注入)工法等の地盤改良及びコンクリート補修補強工法に使用する材料・添加剤、並びに汚染土壌改良の環境改善薬剤等の販売に経営資源を集中し、特に環境影響に配慮した薬剤選定に強みがあります。

得意先は、土木建設工事において、常に価格、品質、機能、作用及び環境負荷等で課題を抱えており、当社グループはこれらをビジネスチャンスと捉え、当社グループが有する情報的経営資源を最大限活用し、ゼネコン等が進める新工法開発の原材料選定に関する技術サポート等を通して取扱工法を増やし、また得意先との信頼関係を強固にすることで、差別化を図ってまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

 当社グループは、「オレオケミカルを中心とした化学品分野」を事業ドメインとし、役員及び従業員等の人的経営資源、設備及び資金等の物的経営資源、並びに関連情報、営業ノウハウ等の情報的経営資源を、当該事業ドメインに集中的に展開し、化学品事業、日用品事業及び土木建設資材事業のそれぞれにおいて一層の市場深耕を図る「集中型市場深耕モデル」をビジネスモデルとしております。当社グループは、このビジネスモデルを基礎として持続的な企業の成長を推進し、一層の企業価値の向上を図るため、以下の事項を今後の課題と考え、対処してまいります。

 

① グローバル・ネットワークの構築

当社グループは、事業間のシナジー追求はもとより、国内外のシナジーを一層強化するため、国内外の情報的経営資源を整理し、各事業において有効に活用する仕組みの構築に取組んでおります。しかし、国内外の事業活動で蓄積された情報的経営資源の共有はなされているものの、これらを活用した得意先への提案活動はまだ十分なレベルとはいえません。とりわけ海外子会社は、国内事業との一層の連携強化により、早期に国内と同等レベルまでの提案力の向上を図り、海外における事業ノウハウの蓄積、国内事業へのフィードバックによるシナジーの最大化が不可欠であり、国内事業だけでは成し得ない新たな顧客価値を創造する「グローバル・ネットワークの構築」が課題であると考えております。

② コア・コンピタンスの継続的な向上及び効果の最大化

当社グループは、化学品事業においては「得意先が求める顧客価値の実現を原材料選定の面から支援する仕組み」、日用品事業においては、「小ロットでも安価で効率的かつ機動的に商品を供給できるサプライチェーン」、土木建設資材事業においては、「新工法の開発支援、工事目的に応じた工法提案等の技術サポート力」を有することが、3事業それぞれのコア・コンピタンスと考えております。これらのコア・コンピタンスは普遍的な側面を有する一方で、市場の環境変化や技術革新等による陳腐化の可能性を有しています。

当社グループは、事業活動の顧客にとっての付加価値、すなわち取引先のバリュー・チェーン及び顧客価値の創造に好影響を与え続けることができるよう、それぞれのコア・コンピタンスの継続的な向上が課題であると考えております。

また、これらコア・コンピタンスの有する効果の最大化についても経営上の重要な課題であると認識しており、事業別に以下の事項を中期的に取り組むべき主要な事項としております。

〔化学品事業〕

新興国の化学品メーカーの新規開拓等によって新たな戦略商品を導入する等により、取扱商品のラインアップの強化を図る。

〔日用品事業〕

国内を中心とするサプライチェーンを活用し、安心安全をテーマにした商品企画の強化を図る。

 

〔土木建設資材事業〕

全国の土木建設投資の情報収集体制を構築し、また幅広い需要獲得のために二次販売店への販売活動の強化を図る。

③ 組織機能の向上及び人材の育成

当社グループは、持続的な企業価値の向上を図るため、またあらゆる経営課題を克服するために、マーケティング、営業及び仕入、並びに人事、財務及びその他管理等の個々の組織機能の関連性を強化し、継続して向上させることが課題と認識しております。

また、当社グループは、これらの組織機能を支える重要な要素である人材について、かねてから外部研修を利用する等してその育成に努めておりますが、今後も経営環境の変化に対して組織機能別に関連した組織機能と連動して機動的に対応できる人材の確保及び育成は、継続的な課題であると認識しております。

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済環境について

当社グループの事業は様々な産業分野に関連しており、当社グループの業績は産業分野個別の好不調の影響を受けにくい反面、国内全体の景気動向とともに、海外諸国の経済情勢の影響を直接および間接的に受けます。今後の経済情勢の動向によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 取扱商品について

当社グループの主たる取扱商品は天然油脂由来の油脂化学品であるオレオケミカル及びこれらを主たる原材料とした化学品であり、オレオケミカル分野に係る化学品等の需要動向、パーム油等の天然油脂の市況変動及び為替変動の影響を受けており、また当該分野の商品については、天然油脂の原材料であるアブラヤシ等の天候不順等による不作の影響を受けることがあります。当社グループは、引続き取扱商品の仕入価格の変動に応じた販売価格の見直しにより、適正な利潤を維持する方針でありますが、これらに著しい変動が生じた場合には、化学品事業等においては取扱商品の価格変動に伴うマージンの増減並びに取扱商品の供給量の不足等により、日用品事業においては利益率の変動等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、オレオケミカル分野の化学品については、自然派志向や環境負荷への配慮等の意識の高まりから、その需要は底堅く推移するものと認識しておりますが、一部の工業用途等においては石油化学製品との競合もあり、これらの動向等についても、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 海外展開について

当社グループは、中国及びタイをはじめとするアジア諸国での事業展開を強化しております。各国での事業推進に当たっては、それぞれの国における経済環境や政治情勢を常に注視しながらその展開を図っておりますが、予期せぬ法規制の変更、テロ、紛争その他予期し得ない政治または社会情勢の変動、景気動向及び為替等の経済情勢の変化、文化及び商習慣の違いに関するリスクの顕在化等、事業環境に変化が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは海外展開に当たっては、主に国内企業の海外生産拠点を取引先として事業活動を行っており、これらの日系企業の化学品需要の獲得に努めております。しかしながら、これらの対策が奏功せず、取引先の海外展開に十分な対応ができない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 花王株式会社との関係について

① 同社との取引関係について

当社グループにおいて、花王株式会社は主要な取引先(仕入先及び販売先)であります。同社との取引は、昭和26年に脂肪酸及び脂肪酸誘導体の仕入取引を開始して以降、長年にわたるものであり、当社は現在、同社ケミカル事業の国内主要代理店に指定されております。

同社からの仕入金額は当社グループの仕入総額の4割を超える水準であり、その依存度は高い状況にあるほか、同社との関係が当社グループの事業基盤となっております。当社グループは、販売代理店として同社との強固な関係を維持し、今後も取引の維持拡大を図っていく方針でありますが、同社における販売戦略等に重要な変更が生じた場合、その他何らかの事情により、同社から当社への商品供給に著しい支障をきたし、若しくは商品供給が不能になった場合は、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 同社株式の保有について

当社は、長期保有目的で主要取引先の株式を保有しております。平成30年3月期末における投資有価証券残高は6,907,398千円であり連結総資産額の40.3%を占めており、うち同社株式は同5,546,076千円(連結総資産の32.4%)であります。また、当社はこれら保有株式に係る剰余金の配当を受領しております。当該受取配当金の額は平成30年3月期において106,305千円であり、うち同社株式に係る受取配当金は76,440千円となっております。

これらの状況から、同社株式をはじめとする保有投資有価証券に係る株価の変動、配当金の増減が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 競合他社との競争環境について

当社グループは、「オレオケミカルを中心とした化学品分野」を事業ドメインとして、事業活動を行っておりますが、当社グループのようにオレオケミカル分野に係る化学品を主たる取扱商品としていなくとも、オレオケミカル分野の化学品を取扱う企業は存在し、これらの企業とは取扱商品のラインアップ、品質及び価格等を含めた競争関係にあります。

当社グループは、オレオケミカル分野を中心とした専門的知識を蓄積、共有し、また国内外における既存仕入先との関係強化及び新規仕入先の開拓等による取扱商品の拡充等により、顧客に対する提案活動の強化に努める等の差別化を図っております。しかしながら、何らかの要因でこれらの対策が奏功しない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 取引先に係る機密情報管理について

当社グループは、事業活動を通じて、取引先の商品開発等の機密情報を入手することがあります。これらの機密情報の管理については、情報セキュリティ管理規程を定め、情報セキュリティ担当役員を統括責任者として、その徹底を図っております。しかしながら、万が一これら機密情報の漏洩事故等が生じた場合には、当社グループの信用が著しく低下し、また損害賠償責任を負う等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 取引先との取引基本契約の締結について

当社グループは、仕入及び販売取引に際して、継続的取引先とは取引基本契約書を締結することを原則としておりますが、既存取引先との過去からの取引慣行、及び取引先の方針等により、必ずしも取引基本契約書を締結しておりません。取引に係る基本的な事項については、取引の対象となる取扱商品の規格書、見積書及びこれに基づく注文書、並びに取引確認書等によってその明確化に努めております。

当社グループにおいては、現時点で通常取引における支障は生じておりませんが、当社グループ及び取引先との取引に関して明確な取決めがなされていない事項について、何らかの問題が生じた場合は、当該取引先との関係が悪化し、また係争に発展する可能性があり、結果的に当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 売上債権管理について

当社グループは、取引先の信用管理につきましては、定性的及び定量的な面から取引先を評価し与信限度額を設定しており、その範囲内で取引が実行できているかを日々モニタリングをしております。また、一定の条件を充たす取引先に関しては、外部信用調査機関による信用調査情報に基づいて与信限度額の見直しを年次で行っており、不良債権の発生防止に努めております。しかしながら、経営環境の変化等に起因して取引先の信用が悪化する等により債権回収が不能又は著しく困難となった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 人材確保について

当社グループが持続的な成長をしていくためには、高度な専門知識を有する人材の確保と育成が重要と考えております。しかしながら、雇用環境の変化や人材獲得競争の激化等により、人材の確保や育成、維持が出来なかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 法規制について

当社グループは、事業活動を展開している日本、中国及び東南アジア等において、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」をはじめとする関係法令(海外においてはこれらに相当する法令)により、各種許認可や環境規制等の適用を受けております。これら法規制の大幅な変更・強化及び予期しない法令の変更等により、事業活動の制限、追加の費用等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 知的財産権について

当社グループは、主に土木建設資材事業においてゼネコン等が進める新工法開発の原材料に関する技術サポート等を通して共同で特許権等の知的財産権を取得することがあります。これらの共同保有の知的財産権がその権利保護に十分であるという保証はなく、第三者により知的財産権の侵害を主張され、また第三者がこれらの知的財産権を侵害して不正に使用する可能性があります。現時点においては、過去に知的財産権に係る重要な係争・紛争が生じた事例はありませんが、万が一これらの知的財産権に係る係争・紛争が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 製造物責任について

当社グループの取扱う一部商品(化学品事業における輸入商品及び日用品事業における外部製造委託の商品等)は、製造物責任法による規制を受けており、当社グループは万一の製造物責任事故による損害賠償リスクに備える生産物賠償責任保険(PL保険)に加入しておりますが、同保険が賠償責任額を十分にカバーできるという保証はなく、製造物責任による多額の損害賠償が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(13) 為替相場の変動について

当社グループは、外貨建取引において為替変動リスクに晒されております。当社グループでは、為替予約等によりリスクを低減させる措置を講じておりますが、為替相場の変動により影響を受ける可能性があります。また、海外の連結子会社の経営成績は、連結財務諸表作成のために円換算されますが、為替の変動によって当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 自然災害等について

当社グループは、地震等の自然災害が発生した場合に備え、従業員の安否確認やBCP(事業継続計画)実行のためのマニュアル作成・教育等の対策を講じております。しかしながら、被害を完全に回避することは困難であり、更には仕入先や販売先が被害を受けることもあります。そのような場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。

 

(2) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的な景気回復が続く中で、企業収益や雇用環境の改善がみられ、個人消費も依然低調なものの持ち直しの動きが垣間見え、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、国際情勢では米国をはじめとした海外経済の不確実性や金融資本市場の動向等不安定な要素もあり、またシリア、北朝鮮問題などの地政学リスクによる景気先行きへの不透明感は拭えない状況が続いております。

当社グループの事業とかかわりの深い界面活性剤業界におきましては、経済環境に不透明さが残る中で、底堅い需要に下支えされ、その生産活動は堅調に推移しました。

このような環境の下、当社グループはオレオケミカルを中心とした既存販売先への提案活動はもちろんのこと、新規取引先の開拓、新たな用途提案等を積極的に推進し、また国内外での新興国化学品の販売拡大に取組みました。

これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高が20,198,883千円前連結会計年度比7.3%増)、営業利益は334,731千円前連結会計年度比12.5%増)、経常利益は、営業外収益において貸倒引当金戻入額が減少した一方で、受取配当金106,305千円、為替差益4,585千円(前連結会計年度は為替差損22,748千円)を計上したこと等により451,556千円前連結会計年度比16.0%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、314,373千円前連結会計年度比20.2%増)となりました。

また、当社グループの目標とする経営指標における売上総利益の絶対額の持続的な増加については、概ね計画数値どおりとなり、売上総利益は前年実績から75,909千円増加した1,631,116千円(前連結会計年度比4.9%増)となり達成することができました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、各セグメントの売上高は外部顧客への売上高を表示し、セグメント損益は連結損益計算書における営業損益(営業利益又は営業損失)をベースとしております。また、各セグメントの営業損益のほかに、各セグメントに帰属しない全社費用166,133千円前連結会計年度比7.4%増)があります。

① 化学品事業

化学品事業におきましては、国内主要得意先の生産・販売活動が概ね好調に推移し、品種別ではとくに高級アルコール及び脂肪酸の販売が好調に推移しました。また既存得意先への輸入化学品の拡販や香粧品分野を中心とした新規取引先の開拓等に努めました。

この結果、化学品事業に係る当連結会計年度の売上高は18,148,335千円前連結会計年度比6.8%増)、セグメント利益は394,271千円前連結会計年度比20.2%増)となりました。

② 日用品事業

日用品事業におきましては、冷蔵庫脱臭剤や洗濯槽洗剤をはじめとする一部商品の販売は堅調なものの、売れ行き全体では低調な推移が続きました。また利益面でも原材料や運送費等の高騰化の影響を受け、低調となりました。

この結果、日用品事業に係る当連結会計年度の売上高は806,051千円前連結会計年度比6.6%減)、セグメント利益は114,344千円前連結会計年度比18.4%減)となりました。

 

③ 土木建設資材事業

土木建設資材事業におきましては、上期低調であった事業環境が下期に入り改善がみられ、当事業の取扱商品とかかわりの深い地盤改良工事、コンクリート補修補強工事の工事案件が少ないものの、施工会社、メーカー、二次代理店から付随する工事案件を受注することとなりました。また環境関連薬剤においても工事案件を受注することができ、回復基調となりました。

この結果、土木建設資材事業に係る当連結会計年度の売上高は1,244,496千円前連結会計年度比27.5%増)、セグメント損失は7,751千円(前連結会計年度は16,025千円のセグメント損失)となりました。

 

〔平成30年3月期 セグメント別連結業績〕

(単位:千円,%)

 

セグメント区分

セグメント別売上高

セグメント損益(営業損益)

 

実績

百分比

前期比増減率

実績

利益率

前期比増減率

化学品事業

18,148,335

89.8

6.8

394,271

2.2

20.2

日用品事業

806,051

4.0

△6.6

114,344

14.2

△18.4

土木建設資材事業

1,244,496

6.2

27.5

△7,751

全社費用

△166,133

7.4

セグメント合計

20,198,883

100.0

7.3

334,731

1.7

12.5

 

(注)1.セグメント別売上高は、各セグメントの外部顧客への売上高を表示しております。

2.セグメント損益は、各セグメントの営業利益又は営業損失(△)を表示しております。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

該当事項はありません。

 

② 商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

商品仕入高(千円)

前年同期比(%)

化学品事業

16,952,891

6.6

日用品事業

519,687

△10.5

土木建設資材事業

1,149,791

28.4

合計

18,622,370

7.2

 

(注) 1. 金額は、仕入価格によっております。

   2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

       

③ 受注実績

受注実績と販売実績との差異は僅少なため、受注実績の記載は省略しております。

 

 

④ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

化学品事業

18,148,335

6.8

日用品事業

806,051

△6.6

土木建設資材事業

1,244,496

27.5

合計

20,198,883

7.3

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

三洋化成工業株式会社

2,232,908

11.9

2,347,872

11.6

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は17,131,937千円前連結会計年度末比3,123,803千円増加)、負債は9,467,925千円前連結会計年度末比1,766,541千円増加)、純資産は7,664,012千円前連結会計年度末比1,357,261千円増加)となりました。

主な増減要因は、次のとおりであります。

 

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は9,513,230千円となり、前連結会計年度末に比べ1,572,897千円増加しました。主な要因は、商品が81,583千円減少した一方で、受取手形及び売掛金が911,843千円、現金及び預金が720,698千円それぞれ増加したことによるものです。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は7,618,707千円となり、前連結会計年度末に比べ1,550,905千円増加しました。主な要因は、保有投資有価証券の時価変動等により投資有価証券が1,539,337千円増加したことによるものです。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は6,633,336千円となり、前連結会計年度末に比べ1,877,010千円増加しました。主な要因は、支払手形及び買掛金が1,477,676千円、1年内返済予定の長期借入金が300,000千円、未払法人税等が58,139千円それぞれ増加したことによるものです。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は2,834,588千円となり、前連結会計年度末に比べ110,469千円減少しました。主な要因は、繰延税金負債が454,940千円、退職給付に係る負債が17,057千円、役員退職慰労引当金が13,090千円それぞれ増加した一方で、長期借入金が600,000千円減少したことによるものです。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は7,664,012千円となり、前連結会計年度末に比べ1,357,261千円増加しました。主な要因は、その他の包括利益累計額が1,096,824千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により株主資本が260,437千円それぞれ増加したことによるものです。

 

なお、当社グループでは、経営の意思決定上、資産及び負債を各セグメントに配分していないため、セグメントごとの財政状態の状況に関する記載を省略しております。

 

 

(4) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、営業活動の結果獲得した資金が1,105,957千円投資活動の結果使用した資金が39,690千円財務活動の結果使用した資金が353,935千円であったこと等により、前連結会計年度に比べ705,998千円増加1,824,291千円となりました。

当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は1,105,957千円前連結会計年度は66,316千円の資金の獲得)となりました。主な要因は、売上債権の増加額900,654千円法人税等の支払額84,127千円があった一方で、仕入債務の増加額1,448,679千円税金等調整前当期純利益451,556千円、たな卸資産の減少額86,548千円減価償却費24,690千円があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は39,690千円前連結会計年度は102,679千円の資金の使用)となりました。主な要因は、保険積立金の積立による支出18,579千円投資有価証券の取得による支出9,439千円無形固定資産の取得による支出8,682千円があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は353,935千円前連結会計年度は215,493千円の資金の使用)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出300,000千円、配当金の支払額53,684千円があったことによるものです

 

資本の財源及び資金の流動性に係る情報は、次のとおりであります。

① 主要な資金需要及び財源

当社グループの主要な資金需要は、原材料、販売費及び一般管理費、並びにシステム投資等の投資であります。

また今後、当社グループの収益の源泉として、事業間及び国内外間のシナジーを追及し売上高の増加を目指してまいります。

② 資金の流動性
突発的は資金需要に対して、迅速かつ確実に資金を調達できるよう、20億円の当座借越枠を取得しており、流動性リスクに備えております。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成28年3月期

平成29年3月期

平成30年3月期

自己資本比率(%)

43.8

45.0

44.7

時価ベースの自己資本比率(%)

28.2

19.5

22.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

25.4

1.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

4.4

85.9

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。

3.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

4.「キャッシュ・フロー/利払い」は、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業キャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を利用しております。

5.平成28年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

  当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のと

 おりですが、国内においては消費税率の引上げが予定されており、これらが国内景気に与える影響は現時点では不

 透明であり、また仕入に係る増税分を販売価格に転嫁することが困難な可能性があります。当社グループは継続的

 にコスト削減に取組んでおりますが、国内景気の動向、為替相場の変動及び売上原価率の上昇が、当社グループの

 業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社グループの経営上の重要な契約は次のとおりです。

 

相手方の名称

内容

契約期間

花王株式会社

花王株式会社が当社に対して同社製品を継続的に供給販売し、当社がこれを継続的に購入し、第三者への販売を行う契約

昭和56年4月1日から

昭和57年3月31日まで

以後1年毎自動更新

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。