文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、経営理念及び行動規範を次のとおり制定し、これらの実践をとおして「一番にお声がかかる選ばれる会社」となることで、一層の業績向上を目指しております。
① 経営理念
私たちは環境と安全に配慮した価値ある商品の提供と、新しい市場の開発を通じて、真の顧客満足を実現し、企業の発展と社会への貢献を果たします。
私たちは事業の目的を達成するため、業務の有効性及び効率性を高めるための取り組みと、正しい財務報告と資産管理、社会正義に則っての法令遵守を継続していきます。
② 行動規範
一、仕入先には信頼感
市場の変化や幅広い情報を仕入先と共有し、ニーズに沿った商品の供給と開発を共同で行い、新しい市場を拓きます。これを通じて仕入先との強い信頼関係を築きます。
一、得意先には満足感
自信と誇りを持って価値ある商品を提供します。さらに、ニーズに対応した価値ある提案を行うことにより、お客様の満足を実現し、その繁栄に寄与します。
一、自分自身は責任感
自分の存在価値を仕事の中に見出し、常に自己研鑽に励みます。目標を高く揚げてチャレンジし、スピーディーに責任をもって仕事を達成します。
当社グループは、持続的な成長と発展の基盤は、利益であるとの認識の下、売上総利益の絶対額の持続的な増加を目標としております。
2021年3月期は、化学品事業、日用品事業、土木建設資材事業、それぞれで売上高の増加を見込んでおり、当社グループの連結業績は、売上高18,103百万円(前連結会計年度比2.1%増)、売上総利益は前連結会計年度に比べ16百万円増の1,524百万円(前連結会計年度比1.1%増)を見込んでおります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、感染予防で使用される除菌関連(消毒液やハンドソープ等)の原材料の需要増がある一方、感染症の影響による国内外からの原材料調達での納期遅延、景気減速を背景とした受注の減少、在庫調整による商品の前倒しや後ろ倒し等が考えられ、現時点では業績へ与える影響は不透明な状況にあります。そのため、上記予算は新型コロナウイルス感染症の影響については織り込んでおりません。
当社グループは、経営者及び従業員等の「人的経営資源」、設備及び資金等の「物的経営資源」、及び情報、ノウハウ、信用力等の「情報的経営資源」の展開を、当社グループの事業ドメインである「オレオケミカルを中心とした化学品分野」に集中的に展開する「集中戦略」を採用しております。
当社グループは、持続的な安定成長、経営リスクの分散の観点から、化学品事業、日用品事業及び土木建設資材事業のそれぞれにおいて、一層の市場の深耕を図る必要があるものと考えております。これら市場の深耕に当たっては、既に有する経営資源のうち、特に当社グループの事業ドメインに係る関連知識、国内外の製品情報、メーカー情報及び営業ノウハウ等の「情報的経営資源」を3事業それぞれが有効に活用することこそが最も重要であり、この徹底をもって3事業間で強い関連を持たせながら効率的な市場の深耕を図ってまいります。
現在の3事業を基本とした集中型市場深耕の展開を選択することで、新しい経営資源の獲得を効率的に行うことが可能になり、また新たに獲得した情報的経営資源を3事業で有効に活用することによって、事業間のシナジー効果の最大化を図り、異業種への事業多角化を図るよりも低リスクで利益貢献の可能性が高い事業展開を推進してまいります。
セグメント別の中長期的な戦略は、次のとおりです。
〔化学品事業〕
当社グループの主たる事業である化学品事業の販売活動は、オレオケミカルを界面活性剤等の原材料として油脂メーカーから仕入れ、界面活性剤等の中間製品メーカー等に販売し、これらの中間製品メーカーが生産した界面活性剤等の化学品を最終製品メーカーに販売する「化学品の原材料流通を川上から川下まで広くカバーするビジネスモデル」を構築している点に特徴があります。
得意先及び仕入先は、常に新商品開発、商品リニューアルにおいて、価格、品質、機能、作用及び環境負荷等で課題を抱えており、自社と外部のアイデア等を組み合わせて革新的な価値を創出するオープン・イノベーションを志向する企業が増える中、当社グループが各社の開発テーマや製造上の課題をヒアリングできる機会は徐々に増加しております。当社グループは、これらをビジネスチャンスと捉え、単なる商社機能の枠を超え、油脂・界面活性剤業界に集中して事業活動を行ってきたことから蓄積された知識やノウハウを活用し、これらの企業に対して原材料選定の面から新商品開発の支援を強化することで、既存商品よりも付加価値の高い商品のイノベーションの実現に貢献し、信頼関係を構築することで競合他社との差別化を図り、グローバルでの取引の拡大に繋げてまいります。
〔日用品事業〕
日用品事業は、化学品事業における界面活性剤に関する専門性を活用し、「安心・安全」をテーマとして「簡単・便利」を商品コンセプトに、家庭用洗剤、業務用洗浄剤及び化粧品等の商品を得意先とともに企画し、外部に生産を委託する等によって、相手先ブランド(OEM)で商品を販売しております。また、2016年より当社オリジナル商品の販売を開始し、販売チャネルの拡大に取組んでおります。
大手企業が主に高い洗浄機能に重点を置いた商品開発を行っているのに対し、当社グループは「安心・安全」をテーマにしたニッチな商品企画を得意としており、また化学品事業において日用品の原材料となる多種多様な化学品メーカーとの取引があることから、最適な原材料の調達及び生産委託先の選定を効率的かつ機動的に行うことが可能となっております。
得意先は、新商品開発、商品リニューアルにおいて、常に価格、品質、機能、作用及び環境負荷等で課題を抱えております。当社グループはこれらをビジネスチャンスと捉え、当社グループが有する情報的経営資源、及び「小ロットでも安価で効率的かつ機動的に供給できるサプライチェーン」を最大限活用し、得意先の課題を解決する新たな商品の提供を図り、顧客ニーズに対応したエンドユーザー視点での商品差別化だけでなく、「得意先のブランド価値の維持・向上を支える商品提供」を行うことによって、差別化を図ってまいります。
〔土木建設資材事業〕
当社グループは、化学品事業で蓄積した界面活性剤に関する専門的知識を最大限活用するという観点から、土木建設資材の中でも、グラウト(薬液注入)工法等の地盤改良及びコンクリート補修補強工法に使用する材料・添加剤、並びに汚染土壌改良の環境改善薬剤等の販売に経営資源を集中し、特に環境影響に配慮した薬剤選定に強みがあります。
得意先は、土木建設工事において、常に価格、品質、機能、作用及び環境負荷等で課題を抱えており、当社グループはこれらをビジネスチャンスと捉え、当社グループが有する情報的経営資源を最大限活用し、ゼネコン等が進める新工法開発の原材料選定に関する技術サポート等を通して取扱工法を増やし、また得意先との信頼関係を強固にすることで、差別化を図ってまいります。
セグメント別の経営環境は、次のとおりです。
〔化学品事業〕
化学品事業とのかかわりの深い界面活性剤業界におきましては、2019年度の生産・販売活動は低調な推移となりました。そのような中、当事業においても、米中貿易摩擦等の影響で国内主要得意先からの受注は減少し、品種別では高級アルコール、脂肪酸等の数量が減少しました。
また、仕入れ・販売価格では、2019年度の天然油脂相場(パーム油)価格が、とくに上期、低水準で推移したことで、一部原材料の仕入れ・販売単価に影響し、販売価格が低迷しました。

※(出所:経済産業省鉱工業生産動態統計室)

※(出典:Malaysia Prices of Crude Palm Oil(当該ページURL:http://www.mpob.gov.my)のデータをもとに当社にて加工して作成)
〔日用品事業〕
日用品事業におきましては、当社オリジナル商品のインターネット販売は好調に推移しましたが、相次ぐ台風や豪雨などの自然災害の影響により一部地域で受注が伸び悩み、更には消費増税等による個人消費の落ち込みから、当事業の販売は低迷しました。
〔土木建設資材事業〕
土木建設資材事業におきましては、広くは国内の土木建設投資の増減に影響を受けます。国土交通省から報道発表されている令和元年度建設投資見通しは、62兆9,400億円(前年度比3.4%増)となっておりますが、当事業の取扱商品としてかかわりの深い地盤改良工事、コンクリート補修補強工事に使用される薬液や材料・添加剤等は、地盤改良工事、コンクリート補修補強工事の案件を多く受注することができず、低調となりました。また、環境関連薬剤の販売は、前年比較的規模の大きかった環境関連工事が落ち着いたことで大きく低調となりました。
当社グループは、「オレオケミカルを中心とした化学品分野」を事業ドメインとし、役員及び従業員等の人的経営資源、設備及び資金等の物的経営資源、並びに関連情報、営業ノウハウ等の情報的経営資源を、当該事業ドメインに集中的に展開し、化学品事業、日用品事業及び土木建設資材事業のそれぞれにおいて一層の市場深耕を図る「集中型市場深耕モデル」をビジネスモデルとしております。当社グループは、このビジネスモデルを基礎として持続的な企業の成長を推進し、一層の企業価値の向上を図るため、以下の事項を今後の課題と考え、対処してまいります。
① グローバル・ネットワークの構築
当社グループは、事業間のシナジー追求はもとより、国内外のシナジーを一層強化するため、国内外の情報的経営資源を整理し、各事業において有効に活用する仕組みの構築に取組んでおります。しかし、国内外の事業活動で蓄積された情報的経営資源の共有はなされているものの、これらを活用した得意先への提案活動はまだ十分なレベルとはいえません。とりわけ海外子会社は、国内事業との一層の連携強化により、早期に国内と同等レベルまでの提案力の向上を図り、海外における事業ノウハウの蓄積、国内事業へのフィードバックによるシナジーの最大化が不可欠であり、国内事業だけでは成し得ない新たな顧客価値を創造する「グローバル・ネットワークの構築」が課題であると考えております。
② 組織機能の向上及び人材の育成
当社グループは、持続的な企業価値の向上を図るため、またあらゆる経営課題を克服するために、マーケティング、営業及び仕入、並びに人事、財務及びその他管理等の個々の組織機能の関連性を強化し、継続して向上させることが課題と認識しております。
また、当社グループは、これらの組織機能を支える重要な要素である人材について、かねてから外部研修を利用する等してその育成に努めておりますが、今後も経営環境の変化に対して組織機能別に関連した組織機能と連動して機動的に対応できる人材の確保及び育成は、継続的な課題であると認識しております。
③ コア・コンピタンスの継続的な向上及び効果の最大化
当社グループは、化学品事業においては「得意先が求める顧客価値の実現を原材料選定の面から支援する仕組み」、日用品事業においては、「小ロットでも安価で効率的かつ機動的に商品を供給できるサプライチェーン」、土木建設資材事業においては、「新工法の開発支援、工事目的に応じた工法提案等の技術サポート力」を有することが、3事業それぞれのコア・コンピタンスと考えております。これらのコア・コンピタンスは普遍的な側面を有する一方で、市場の環境変化や技術革新等による陳腐化の可能性を有しています。
当社グループは、事業活動の顧客にとっての付加価値、すなわち取引先のバリュー・チェーン及び顧客価値の創造に好影響を与え続けることができるよう、それぞれのコア・コンピタンスの継続的な向上が課題であると考えております。
また、これらコア・コンピタンスの有する効果の最大化についても経営上の重要な課題であると認識しており、事業別に以下の事項を中期的に取り組むべき主要な事項としております。
〔化学品事業〕
新興国の化学品メーカーの新規開拓等によって新たな戦略商品を導入する等により、取扱商品のラインアップの強化を図る。
〔日用品事業〕
国内を中心とするサプライチェーンを活用し、安心安全をテーマにした商品企画の強化を図る。
〔土木建設資材事業〕
全国の土木建設投資の情報収集体制を構築し、また幅広い需要獲得のために二次販売店への販売活動の強化を図る。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの主たる取扱商品は天然油脂由来の油脂化学品であるオレオケミカル及びこれらを主たる原材料とした化学品であり、オレオケミカル分野に係る化学品等の需要動向、パーム油等の天然油脂の市況変動及び為替変動の影響を受けており、また当該分野の商品については、天然油脂の原材料であるアブラヤシ等の天候不順等による不作の影響を受けることがあります。当社グループは、引続き取扱商品の仕入価格の変動に応じた販売価格の見直しにより、適正な利潤を維持する方針でありますが、これらに著しい変動が生じた場合には、化学品事業等においては取扱商品の価格変動に伴うマージンの増減並びに取扱商品の供給量の不足等により、日用品事業においては利益率の変動等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、オレオケミカル分野の化学品については、自然派志向や環境負荷への配慮等の意識の高まりから、その需要は底堅く推移するものと認識しておりますが、一部の工業用途等においては石油化学製品との競合もあり、これらの動向等についても、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 主要な取引先との関係について
当社グループにおいて、花王株式会社は主要な取引先(仕入先及び販売先)であります。同社との取引は、1951年に脂肪酸及び脂肪酸誘導体の仕入取引を開始して以降、長年にわたるものであり、当社は現在、同社ケミカル事業の国内主要代理店に指定されております。
同社からの仕入金額は当社グループの仕入総額の約4割を占めており、その依存度は高い状況にあるほか、同社との関係が当社グループの事業基盤となっております。当社グループは、販売代理店として同社との強固な関係を維持し、今後も取引の維持拡大を図っていく方針でありますが、同社における販売戦略等に重要な変更が生じた場合、その他何らかの事情により、同社から当社への商品供給に著しい支障をきたし、若しくは商品供給が不能になった場合は、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は長期保有目的で主要取引先の株式を複数保有しております。2020年3月期末における投資有価証券残高は7,067,627千円であり連結総資産額の47.1%を占めており、うち同社株式は同6,136,055千円(連結総資産の40.9%)であります。当社はこれら保有株式に係る剰余金の配当を受領しております。当該受取配当金の額は2020年3月期において124,856千円であり、うち同社株式に係る受取配当金は90,338千円となっております。
これらの状況から、同社株式をはじめとする保有投資有価証券に係る株価の変動、配当金の増減が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、中国及びタイをはじめとするアジア諸国での事業展開を強化しております。各国での事業推進に当たっては、それぞれの国における経済環境や政治情勢を常に注視しながらその展開を図っておりますが、予期せぬ法規制の変更、テロ、紛争その他予期し得ない政治または社会情勢の変動、景気動向及び為替等の経済情勢の変化、文化及び商習慣の違いに関するリスクの顕在化等、事業環境に変化が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは海外展開に当たっては、主に国内企業の海外生産拠点を取引先として事業活動を行っており、これらの日系企業の化学品需要の獲得に努めております。しかしながら、これらの対策が奏功せず、取引先の海外展開に十分な対応ができない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業は様々な産業分野に関連しており、当社グループの業績は産業分野個別の好不調の影響を受けにくい反面、国内全体の景気動向とともに、海外諸国の経済情勢の影響を直接および間接的に受けます。今後の経済情勢の動向によっては、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが持続的な成長をしていくためには、高度な専門知識を有する人材の確保と育成が重要と考えております。しかしながら、雇用環境の変化や人材獲得競争の激化等により、人材の確保や育成、維持が出来なかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 競合他社との競争環境について
当社グループは、「オレオケミカルを中心とした化学品分野」を事業ドメインとして、事業活動を行っておりますが、当社グループのようにオレオケミカル分野に係る化学品を主たる取扱商品としていなくとも、オレオケミカル分野の化学品を取扱う企業は存在し、これらの企業とは取扱商品のラインアップ、品質及び価格等を含めた競争関係にあります。
当社グループは、オレオケミカル分野を中心とした専門的知識を蓄積、共有し、また国内外における既存仕入先との関係強化及び新規仕入先の開拓等による取扱商品の拡充等により、顧客に対する提案活動の強化に努める等の差別化を図っております。しかしながら、何らかの要因でこれらの対策が奏功しない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、外貨建取引において為替変動リスクに晒されております。当社グループでは、為替予約等によりリスクを低減させる措置を講じておりますが、為替相場の変動により影響を受ける可能性があります。また、海外の連結子会社の経営成績は、連結財務諸表作成のために円換算されますが、為替の変動によって当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、取引先の信用管理につきましては、定性的及び定量的な面から取引先を評価し与信限度額を設定しており、その範囲内で取引が実行できているかを日々モニタリングをしております。また、一定の条件を充たす取引先に関しては、外部信用調査機関による信用調査情報に基づいて与信限度額の見直しを年次で行っており、不良債権の発生防止に努めております。しかしながら、経営環境の変化等に起因して取引先の信用が悪化する等により債権回収が不能又は著しく困難となった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの取扱う一部商品(化学品事業における輸入商品及び日用品事業における外部製造委託の商品等)は、製造物責任法による規制を受けており、当社グループは万一の製造物責任事故による損害賠償リスクに備える生産物賠償責任保険(PL保険)に加入しておりますが、同保険が賠償責任額を十分にカバーできるという保証はなく、製造物責任による多額の損害賠償が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業活動を通じて、取引先の商品開発等の機密情報を入手することがあります。これらの機密情報の管理については、情報セキュリティ管理規程を定め、情報セキュリティ担当役員を統括責任者として、その徹底を図っております。しかしながら、万が一これら機密情報の漏洩事故等が生じた場合には、当社グループの信用が著しく低下し、また損害賠償責任を負う等、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、地震等の自然災害や新型インフルエンザ等が発生した場合に備え、従業員の安否確認やBCP(事業継続計画)実行のためのマニュアル作成・教育等の対策を講じております。しかしながら、被害や影響を完全に回避することは困難であり、更には仕入先や販売先が被害や影響を受けることもあります。そのような場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業活動を展開している日本、中国及び東南アジア等において、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」をはじめとする関係法令(海外においてはこれらに相当する法令)により、各種許認可や環境規制等の適用を受けております。これら法規制の大幅な変更・強化及び予期しない法令の変更等により、事業活動の制限、追加の費用等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主に土木建設資材事業においてゼネコン等が進める新工法開発の原材料に関する技術サポート等を通して共同で特許権等の知的財産権を取得することがあります。これらの共同保有の知的財産権がその権利保護に十分であるという保証はなく、第三者により知的財産権の侵害を主張され、また第三者がこれらの知的財産権を侵害して不正に使用する可能性があります。現時点においては、過去に知的財産権に係る重要な係争・紛争が生じた事例はありませんが、万が一これらの知的財産権に係る係争・紛争が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、仕入及び販売取引に際して、継続的取引先とは取引基本契約書を締結することを原則としておりますが、既存取引先との過去からの取引慣行、及び取引先の方針等により、必ずしも取引基本契約書を締結しておりません。取引に係る基本的な事項については、取引の対象となる取扱商品の規格書、見積書及びこれに基づく注文書、並びに取引確認書等によってその明確化に努めております。
当社グループにおいては、現時点で通常取引における支障は生じておりませんが、当社グループ及び取引先との取引に関して明確な取決めがなされていない事項について、何らかの問題が生じた場合は、当該取引先との関係が悪化し、また係争に発展する可能性があり、結果的に当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善などを背景に景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、台風などの自然災害の影響や消費増税の影響による個人消費の落ち込み、また米中貿易摩擦の影響による輸出低迷など景気後退感が強まる中、世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症による国内外の景気の先行きは一段と不透明感が増しております。
このような環境の下、当社グループの事業とかかわりの深い界面活性剤業界におきましても、生産・販売活動とも低調な推移となりました。
こうした中、当社グループとして化学品事業におけるオレオケミカルを中心とした既存得意先への拡販・拡充、新規取引先の開拓、国内外での新興国化学品の販売拡大に取組みました。しかし、国内主要得意先からの受注が減少し、低水準で推移する一部原材料価格(天然油脂相場価格)等の影響を受けることになりました。
これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高が17,733,944千円(前連結会計年度比11.8%減)、営業利益は128,154千円(前連結会計年度比53.2%減)、経常利益は営業外収益160,844千円、営業外費用26,895千円を計上したことにより262,103千円(前連結会計年度比36.3%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益に投資有価証券売却益101,960千円を計上したことで255,940千円(前連結会計年度比6.2%減)となりました。
また、当社グループの目標とする経営指標における売上総利益の絶対額の持続的な増加についても、計画数値には届かず、前年実績から119,186千円減少した1,508,320千円(前連結会計年度比7.3%減)となり達成することができませんでした。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、各セグメントの売上高は外部顧客への売上高を表示し、セグメント損益は連結損益計算書における営業損益(営業利益又は営業損失)をベースとしております。また、各セグメントの営業損益のほかに、各セグメントに帰属しない全社費用170,874千円(前連結会計年度比2.5%増)があります。
① 化学品事業
化学品事業におきましては、国内主要得意先の生産・販売活動が低調となり、一部原材料価格(天然油脂相場価格)も低水準で推移したことで販売価格は低迷しました。また、中国での環境規制に伴う一部取扱商品の供給不足等の問題も改善されませんでした。
この結果、化学品事業に係る当連結会計年度の売上高は15,985,562千円(前連結会計年度比11.5%減)、セグメント利益は231,361千円(前連結会計年度比28.9%減)となりました。
日用品事業におきましては、当社オリジナル商品のインターネット販売は好調に推移し、また既存得意先への新アイテム商品や除菌関連商品の特需があった一方、個人消費の低迷や一部地域での台風などの自然災害等の影響を受け、全体の売れ行きは低調となりました。
この結果、日用品事業に係る当連結会計年度の売上高は744,008千円(前連結会計年度比9.2%減)、セグメント利益は91,783千円(前連結会計年度比24.2%減)となりました。
土木建設資材事業におきましては、当事業の取扱商品とかかわりの深い地盤改良工事、コンクリート補修補強工事で復調の兆しがみられるものの依然低迷しており、工事に使用される材料・添加剤等の販売は低調に推移しました。また環境関連薬剤の販売は、前年比較的規模の大きかった環境関連工事が落ち着いたことで大きく低調となりました。
この結果、土木建設資材事業に係る当連結会計年度の売上高は1,004,373千円(前連結会計年度比17.6%減)、セグメント損失は24,117千円(前連結会計年度は5,762千円のセグメント損失)となりました。
(注)1.セグメント別売上高は、各セグメントの外部顧客への売上高を表示しております。
2.セグメント損益は、各セグメントの営業利益又は営業損失(△)を表示しております。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
該当事項はありません。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. 金額は、仕入価格によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
受注実績と販売実績との差異は僅少なため、受注実績の記載は省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.当連結会計年度の三洋化成工業株式会社に対する販売実績については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末の総資産は14,999,910千円(前連結会計年度末比1,831,354千円減少)、負債は6,864,473千円(前連結会計年度末比1,886,221千円減少)、純資産は8,135,437千円(前連結会計年度末比54,867千円増加)となりました。
主な増減要因は、次のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は7,132,918千円となり、前連結会計年度末に比べ1,649,289千円減少しました。主な要因は、現金及び預金が881,569千円、受取手形及び売掛金が849,814千円それぞれ減少したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は7,866,992千円となり、前連結会計年度末に比べ182,065千円減少しました。主な要因は、保有投資有価証券の一部売却や時価変動により投資有価証券が175,032千円減少したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は4,735,857千円となり、前連結会計年度末に比べ1,548,214千円減少しました。主な要因は、短期借入金が80,659千円増加した一方で、支払手形及び買掛金が1,441,598千円、1年内返済予定の長期借入金が150,000千円それぞれ減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は2,128,615千円となり、前連結会計年度末に比べ338,007千円減少しました。主な要因は、長期借入金が300,000千円、繰延税金負債が32,551千円それぞれ減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は8,135,437千円となり、前連結会計年度末に比べ54,867千円増加しました。主な要因は、自己株式が114,198千円増加(純資産は減少)した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が191,528千円増加したことによるものです。
なお、当社グループでは、経営の意思決定上、資産及び負債を各セグメントに配分していないため、セグメントごとの財政状態の状況に関する記載を省略しております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、営業活動の結果使用した資金が472,184千円、投資活動の結果獲得した資金が116,353千円、財務活動の結果使用した資金が547,293千円であったこと等により、前連結会計年度に比べ896,969千円減少し732,515千円となりました。
当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は472,184千円(前連結会計年度は331,942千円の資金の獲得)となりました。主な要因は、売上債権の減少額847,569千円、税金等調整前当期純利益364,063千円があった一方で、仕入債務の減少額1,464,742千円、法人税等の支払額137,444千円、投資有価証券売却益101,960千円があったことによるものです。なお、売上債権の減少額及び仕入債務の減少額には、前連結会計年度末日が金融機関の休日であったため、当連結会計年度に決済された売上債権額が439,637千円、仕入債務額が1,109,369千円あったことによる影響が含まれており、その影響を除くと197,548千円の資金の獲得になります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は116,353千円(前連結会計年度は33,348千円の資金の使用)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出30,546千円、保険積立金の積立による支出16,209千円、投資有価証券の取得による支出12,811千円があった一方で、投資有価証券の売却による収入170,651千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は547,293千円(前連結会計年度は505,213千円の資金の使用)となりました。要因は、短期借入金の純増額81,770千円があった一方で、長期借入金の返済による支出450,000千円、自己株式の取得による支出114,651千円、配当金の支払額64,412千円があったことによるものです。
資本の財源及び資金の流動性に係る情報は、次のとおりであります。
当社グループの主要な資金需要は、原材料、販売費及び一般管理費、並びにシステム投資等の投資であります。
また今後、当社グループの収益の源泉として、事業間及び国内外間のシナジーを追及し売上高の増加を目指してまいります。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4.「キャッシュ・フロー/利払い」は、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業キャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を利用しております。
5.2020年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたっては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、会計上の見積りにあたっての新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
① 貸倒引当金
将来に発生する売上債権や未収入金等の貸倒れによる損失に備えるため、貸倒引当金を設定しています。一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しています。しかし、今後の経営環境の変化等により、取引先の支払能力が悪化し、追加の引当が必要となる可能性があります。
② 投資有価証券の減損
有価証券のうち時価のあるものについては、期末日の市場価格等に基づく時価法、時価のないものについては、移動平均法による原価法で評価しております。将来、時価又は実質価額が下落し、回復可能性がないと判断した場合には、減損処理する可能性があります。
③ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得の十分性を慎重に検討し、回収可能性を判断した上で計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合には、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のと おりですが、2020年1月以降の新型コロナウイルス感染症による影響が長期化した場合には、国内外の景気減速要因となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの経営上の重要な契約は次のとおりです。
該当事項はありません。