(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀による経済・金融政策を背景に企業収益や設備投資に改善傾向がみられたほか、雇用環境改善を反映して消費に持ち直しの兆しが出るなど、緩やかながら回復基調で推移しました。
このような環境の中、子育て支援事業を取り巻く状況は、女性就業者数の増加を背景とした保育需要の増加に対応するため、政府・自治体から保育士の待遇改善や保育所整備の補助金積み増しなどの施策が打ち出されるなど対策強化の機運が一段と高まりました。
一方、2017年度末までに待機児童を解消すべく待機児童解消加速化プランに沿って政府・自治体が受け皿整備等を進めてきましたが、未だ待機児童解消の目処は立っておりません。そこで、2020年度末までに22万人分、さらに2022年度までに10万人分、合計32万人分の受け皿を整備し待機児童の解消を目指す「子育て安心プラン」が、本年6月に政府から公表されました。労働人口の減少が懸念される中、わが国活力の担い手となる女性の社会進出のためには、保育環境の整備が喫緊の課題であり子育て支援事業者の社会的役割は一段と重要性を増しております。
こうした状況下、当社グループは東京都や神奈川県、大阪府において、保育所及び学童クラブの開設を進め、当連結会計年度には以下のとおり保育所18施設、学童クラブ1施設を開設しております。
この結果、当連結会計年度末時点で認可保育所(東京都)56施設、認可保育所(神奈川県)19施設、認可保育所(千葉県)3施設、認可保育所(大阪府)3施設、認証保育所・認定こども園等保育施設25施設、学童クラブ・児童館12施設、の計118施設を営んでいます。
(保育所)
東京都
ろく北千住こども園
グローバルキッズ鷺ノ宮園
グローバルキッズ豊洲五丁目保育園
グローバルキッズ住吉園
グローバルキッズ西大島園
グローバルキッズ雑司が谷園
グローバルキッズ東池袋園
グローバルキッズ若葉園
グローバルキッズ神楽坂園
グローバルキッズ成増園
グローバルキッズ東新小岩園
グローバルキッズ若林園
グローバルキッズ西国分寺園
グローバルキッズ狛江園
グローバルキッズ三鷹園
グローバルキッズ六番町園
神奈川県
グローバルキッズ南万騎が原園
大阪府
グローバルキッズあびこ園
(学童クラブ)
神奈川県
グローバルキッズ南万騎が原学童クラブ
上記の結果、当連結会計年度は、売上高13,155百万円(前期比30.1%増)、営業利益407百万円(同19.5%増)、経常利益1,477百万円(同26.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益791百万円(同41.7%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、営業活動による資金の増加1,963百万円、投資活動による資金の減少2,659百万円、財務活動による資金の増加467百万円により227百万円減少し、1,246百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
未収入金の増加による184百万円の資金の減少等がありましたが、一方で税金等調整前当期純利益1,248百万円、減価償却費530百万円等があったため、1,963百万円の資金の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出2,376百万円、敷金及び保証金の差入による支出187百万円、建設協力金の支払による支出66百万円等により、2,659百万円の資金の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済による支出756百万円、社債の償還による支出79百万円がありましたが、一方で長期借入れによる収入1,300百万円があったため、467百万円の資金の増加となりました。
(1)生産実績
当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
(2)受注状況
当社グループは受注生産を行っていないため、該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度(自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日)の販売実績を示すと、次のとおりであります。なお、当社グループは子育て支援事業の単一セグメントであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日) |
前年同期比(%) |
|
子育て支援事業(百万円) |
13,155 |
30.1 |
(注)1.上記の金額には消費税は、含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年10月1日 至 平成28年9月30日) |
当連結会計年度 (自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
横浜市 |
2,021 |
20.0 |
2,307 |
17.5 |
3.上記は、子育て支援事業における同市からの運営に関する補助金収入で、売上計上しております。上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「豊かに生きる力を育てる」ことを最大の使命としており、子ども達に夢を持たせ、感謝の心を養い、学ぶ姿勢といった社会における「生きる力」を育むことが重要と考え、「子ども達の未来のために」を企業理念として掲げております。
また、当社グループは、以下の3つを保育方針とし、実践しております。
① 子どもの安全と安心を基本として、自ら伸びる力を大切にし、成長と個性に応じた多様性のある保育をする。
② 子どもの目線で、豊かな愛情をもって、一人ひとりの気持ちをしっかり受け止め、その主体的な活動を育む。
③ 子どもを中心に据え、家庭や地域との信頼関係を築き、環境を通して、人や物との関わりを大切にする。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、企業価値の増大を図っていくために、経営指標として営業利益率を重視しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、共働き世帯数や女性の就業率が依然として上昇を続ける状況下、特に首都圏域においては、保育所の新設に対する需要は当面強い状況が続くと見込んでおります。
一方で、中長期的には、保育所の整備が進むことで、新設保育所の増加数は鈍化を見込んでおります。
上記見通しを踏まえ、当社グループでは、持続的な成長のために中長期的に3つの基本戦略に取り組んでまいります。
<3つの基本戦略>
① 既存保育事業の拡大に注力 ~目の前に全力~
・ドミナント戦略による年間15~20の施設拡大
・人材確保の強化
・周辺事業領域の推進
② 運営機能の強化 ~足腰の強化~
・人材の育成
・運営体制の効率化
・コンプライアンス遵守と情報管理の徹底
・情報発信機能の強化
③ 事業領域の拡大 ~将来の成長基盤~
・シナジー事業の掘り起こし
・海外展開の準備
(4)会社の対処すべき課題
我が国は安倍政権における成長戦略の1つとして女性が輝く日本を念頭に「待機児童の解消」「職場復帰・再就職の支援」「女性役員・管理職の増加」に向けた対策が進められています。このように保育事業に対する国の関心が高まる中で、当社グループとしてさらなる事業拡大に向けた重要課題として以下の点に取り組んでまいります。
① 戦略的な地域展開
当社グループは、これまで待機児童が集中する東京都23区などの首都圏都心部を中心に運営施設の拡大に努めてまいりました。今後、中長期的には少子化や待機児童の解消により児童等の獲得が難しくなる懸念がありますが、首都圏都心部においては、他の地域に比べ児童の確保に優位性があると見込んでおり、引き続き当該エリアを中心に新規施設の開設に注力していく方針です。
一方で、地域的な拡大も意図し平成27年9月期より大阪府での開設も始めております。今後も、首都圏以外では大都市を中心に検討を進める予定です。
[全国及び東京都における待機児童数]
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|
平成27年4月1日時点 |
平成28年4月1日時点 |
平成29年4月1日時点 |
|||
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待機児童数 |
割合(%) |
待機児童数 |
割合(%) |
待機児童数 |
割合(%) |
|
|
東京都 |
7,814人 |
33.7 |
8,466人 |
36.0 |
8,586人 |
32.9 |
|
全国 |
23,167人 |
100.0 |
23,553人 |
100.0 |
26,081人 |
100.0 |
出典:厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ(平成29年4月1日)」
東京都「都内の保育サービスの状況について」
② 採用力の強化等を通じた人材の確保
運営施設数の増加により、保育士資格を有する優秀な人材の確保が急務であります。しかしながら、保育士資格を有する求職者が不足していることから、特に首都圏においては、年々、採用が難しくなる傾向にあります。そのため、これまでの経験者を中心とする採用に加え、今後は新卒者の採用にも注力することで採用力の強化に努めます。また、雇用保険を受給できない求職者向けに保育補助養成科等の訓練を行っておりますが、修了生の希望等を踏まえたうえで当社で採用するなど、採用の多様化にも注力します。
なお、社員寮などの福利厚生や海外研修などの研修制度の充実、処遇改善等を通じた魅力ある就労環境の提供を通じて人材の長期雇用にも努めます。
③ 人材育成力の強化
子ども・子育て支援制度などの国や自治体の保育方針に関する勉強会や保育士試験の講座、アレルギー研修等、各職位に応じた研修カリキュラムの充実や研修参加の推奨により、施設長等、管理職水準の人材の早期育成体制の強化を目指します。また、ヨーロッパの保育所において現地の多様な保育を学ぶ海外研修を通じて、当社グループにおける保育の幅を広げる取り組みを実施しております。
④ 保育の質の維持・向上
運営施設数が増加する状況でも、優秀な人材の採用や育成の強化、及び、諸施策を通じた長期雇用の促進により、保育士の質の維持・向上を図ります。具体的な施策として、各職位における職務内容や人事評価制度の精緻化、処遇改善等を検討してまいります。これに加え、第三者評価を通じた利用者からの指摘事項の改善等を定期的に行います。また、当社グループの保育方針をより一層、浸透させるため、施設長や本部スタッフに対する研修の実施を進めてまいります。
⑤ 施設数増加に伴う効率的な事業運営の推進
運営施設数の増加に伴い、備品購入等における規模のメリットの享受や、運営業務の一元化、システム導入等を積極的に推進することで、運営コストを抑制しながら効果的・安定的な事業運営が行えるよう努めます。
⑥ 安定的な資金調達の確保と財務基盤の強化
当社グループは、現在、各施設の開発資金や運転資金の確保を、主に金融機関からの借入に依拠しております。今後も、積極的に開発を進め、安定した事業運営を行うためにも、諸施策を通じた安定的な資金調達の確保を図るとともに、収益力の向上による財務基盤の強化に努めます。
⑦ 事業の拡大と安定化
当社グループの収益は、現在、概ね子育て支援事業に依拠しており、国や自治体の政策等に大きく影響を受けている状況です。当該状況を踏まえ、当社グループでは子育て支援事業以外に保育に関連する周辺事業を中心に収益基盤の拡充に取り組んでおります。具体的には、保育士育成事業や、コンサルティング事業、食育事業、研修事業等の拡大・参入等を検討してまいります。
また、新規の保育施設については、安定的な運営が見込みやすい認可保育所を中心とすること及び、認可以外の既存施設についても認可保育所へと転換を進めることで、収益基盤の一層の安定化に努めます。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、現状の待機児童数の推移及び保育の受皿の拡大ペースに鑑みると、大都市圏を中心に保育需要は引き続き強く、中期的には現状の事業環境が継続されると見込んでおります。
このような見込みにおいて、当社グループは、引き続き首都圏都心部を中心に、積極的な新規施設の開設に取り組むとともに、これまでの経験者を中心とする採用に加え、新卒者採用にも注力する等により人材確保の強化に取り組みます。また、管理体制の強化による効率的な事業運営及び事業領域の拡大にも取り組んでまいります。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、待機児童の解消など、社会的要請に応えるために、保育所の新規開設に積極的に取り組むことが重要との認識でおります。一方で「子ども達の生きる力を育む」といった保育の質の向上も重要であり、保育士が成長できる職場作りや処遇改善、保育士の社会的な地位向上等に向け取り組んでまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下の記載事項は特に断りがない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 少子化や待機児童減少等に伴う入所児の減少
待機児童解消に向けた取組みを目的とした「待機児童解消加速化プラン」が平成25年4月に公表されて以降、新規参入を含む多数の事業者が保育所を開設しております。一方で、平成29年9月1日付厚生労働省公表資料「保育所等関連状況取りまとめ(平成29年4月1日)」によると、平成29年4月1日時点での全国の待機児童数は26,081人となり9年連続で、2万人を超える水準となっております。しかし、平成29年6月に「子育て安心プラン」が公表されるなど政府の対応が一段と積極化しているほか、少子化の進展等により将来的には想定した園児数の獲得が困難となる可能性があります。
当社グループの収益は主に園児や児童の人数に応じて増減するため、想定した園児数等の獲得ができない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2) 国や自治体による方針や関連法規制等の改訂等
平成12年に認可保育所の運営に株式会社を含む多様な運営主体が認められて以降、子ども・子育て支援制度において、国及び自治体は待機児童解消に向け、様々な支援策を実施しておりますが、今後、国や自治体の方針につき改訂等が実施され、補助金の削減や株式会社による保育所の開設が認められなくなる等となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループが現在運営する事業に関連する法規制は、児童福祉法、子ども・子育て支援法及び食品衛生法が主なものですが、今後、当社グループが運営する事業に関連する法規制の制定・改廃等が行われた場合、当社グループの事業活動が制約を受け、業績に影響を与える可能性があります。
(3) 認可事業等
当社グループが運営する保育所は、認可保育所や東京都認証保育所などの施設形態に関わらず各施設ごとに所管する自治体宛てに保育所設置の申請を行い、審査を経て、認可等を得た上で運営されております。当社グループが運営する保育所において、過去に認可等の取り消しが発生した事例はなく、本書提出日現在で認可等の取り消しが想定される事象は生じておりませんが、今後、何らかの事由により認可等が取り消された場合や新規施設の認可等が得られないような場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4) 施設運営に際しての事故等
当社グループは、施設の運営において園児や児童の安全に配慮し、万全の体制で臨んでおり、これまでに業績に大きな影響を与えるような事故等は発生しておりません。しかしながら、万が一施設運営に際して重大な事故等が発生した場合、所管する自治体等から事業の停止命令を受けたり、訴訟の提起や風評被害等により多数の園児の退園や児童の退会が生じたりすることで当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) 人材確保
当社グループは運営施設数の増加に伴い、保育士や指導員、スタッフの確保が急務となるため、新卒採用の強化や海外研修などの社内研修体制の整備など、職員の採用強化と長期雇用に向けた諸施策に取り組んでおります。しかしながら、予定した人材の確保に遅れ等が生じた場合、既存施設の運営計画や新規施設の開園計画に遅延等を及ぼす可能性があるため、当社グループの業績にも影響を与える可能性があります。
(6) 食の安全
当社グループは、給与栄養量(※)の目標を設定し、必要な栄養量が確保できるように献立を作成し各施設にて調理・提供しております。そのため、食品の購入及び検収に留意し、新鮮で栄養価の高い、安全なものを仕入れる方針であります。また、食品衛生法に沿った、厳正な食材管理及び衛生管理を施し、食中毒等の事故の防止に努めております。しかしながら、何らかの原因により食の安全性に重大な問題が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(※)給与栄養量とは、厚生労働省が発表する食事摂取基準に基づく栄養素別の必要量に従い、当社で提供する昼食やおやつにおける必要栄養量を定めたものをいいます。
(7) 感染症の流行
当社グループでは、安全な保育及び育成を提供するため、定期的な消毒の実施等により感染症についても厳重に対応しておりますが、新型インフルエンザやノロウィルスなどの感染症が流行した場合、従事する保育士や指導員、スタッフが多数欠勤することで施設の運営が困難となる可能性があります。その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8) 大規模な災害
当社グループは首都圏を中心に子育て支援施設の運営を行っておりますが、地震や火災等の発生により施設の利用者や従業員、施設の建物等が被害を受けた場合には施設の運営が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9) 個人情報保護
当社グループでは、園児や児童及びその保護者の氏名や住所など多くの個人情報を保持しているため、厳重に管理のうえ、慎重に取り扱う体制を整えておりますが、万が一漏洩するようなことがあった場合には、利用者を含め広く社会的な信用を失うこととなります。その結果、多くの園児の退園や児童の退会、施設の新規開設等に影響が出ることにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(10) 資金調達及び金利負担
当連結会計年度末の借入金及び社債残高は4,167百万円、総資産額に占める比率は29.9%となっております。
当社グループは、保育所の新規開設に関する設備資金等は金融機関からの借入や社債の発行により調達しておりますが、外部借入への依存度が高く、急激な金利の変動や計画どおりの資金調達ができなかった場合、新規開設が制約されるなど当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループはこれまで積極的な新規開設を行ってきたため、新規開設に伴う借入金増加額が、既存施設で獲得したキャッシュ・フローからの借入金返済額を上回り、借入金残高が増加傾向にあります。このため金利が大幅に上昇した場合は、既存借入金の金利負担など当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループにおいては、運転資金の効率的な調達を行うため複数の取引銀行と当座貸越契約を締結しており、これらの契約に基づく当連結会計年度末の借入未実行残高は4,400百万円であります。
(11) 固定資産の減損
運営する施設の業績が著しく悪化し改善の見込みがない場合、あるいは新規開設から一定期間を経過しても業績改善の見込みがない場合は、有形固定資産の減損処理が必要となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(12) 創業者依存
当社の代表取締役である中正雄一は、株式会社グローバルキッズ及び株式会社ろくの創業者であります。同氏は保育業界に精通しており、施設開発や経営方針、経営戦略において重要な役割を果たしております。当社グループでは、役員及び幹部社員の情報の共有化や権限委譲を進め、同氏に過度に依存しないような経営体制を整備しておりますが、何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 季節変動
当社グループにおける保育所等の新規開設は、4月に開設されるものが大部分となっています。新規開設施設については、第1四半期~第2四半期(10月~3)に開設準備費用等が先行的に発生する一方で、第3四半期(4月~6月)に補助金収入が多額に計上される傾向にあります。
(14) 新たに保育所等の施設を開設した場合の経営成績に対する影響
①新たに保育所等の施設を開設した場合、当社グループの経営成績に対する影響を個々の施設ごとに見ると、一般的な例として以下のような特徴があります。
営業損益・・・開設時には3歳~5歳児等が必ずしも定員を満たさない場合があるため、開設初年度から数年間は営業赤字となる場合がありますが、児童年齢の持ち上がりとともに年々、改善される傾向にあります。
営業外収益・・新規園開設資金のうち一部(内装工事費等)に対して自治体から補助金が交付された場合、営業外収益の「補助金収入」に計上されます。
営業外費用・・新規園開設資金のうち費用処理されたものが営業外費用の「開設準備費用」に計上されます。
このため新規開設施設の件数増加や施設規模の大型化は、一時的に営業損益の悪化要因となる傾向がありますが、補助金収入(営業外収益)の増加要因となる傾向があります。一方、新規開設施設の件数減少や規模の小型化による営業損益の悪化要因は限定的となりますが、補助金収入(営業外収益)が減少する可能性があります。
当社グループはこれまで積極的な新規開設を行ってきたため、経営成績における新規開設の影響が大きくなっていましたが、運営施設数に対する新規施設数の割合が減少するに伴い、今後は影響が徐々に緩和されるものと考えています。
②自治体からの補助金により固定資産を取得した場合には、税務上、固定資産の取得価額から補助金の額を控除することが認められています(「圧縮記帳」と呼ばれます)。財務会計において圧縮記帳の方法は2つあり、1つは補助金の額を控除した残額を固定資産に計上し、毎期の減価償却費も控除後の額をもとに計上する方法です(「直接減額方式」と呼ばれます)。もう1つは補助金を収益計上し、固定資産は補助金控除前の金額で計上する方法です(「剰余金処分方式」と呼ばれます)。
当社グループは剰余金処分方式を採用しております。剰余金処分方式の場合においても、利益剰余金と税額の計算により、税務上の効果は直接減額方式と同様になります。しかし直接減額方式を採用する場合と比較すると、新たに保育所等を開設した事業年度においては補助金収入が計上されるものの、その後の減価償却費は多額に計上されることになります。当社グループでは保育所等の減価償却費を売上原価に計上し、補助金収入を営業外収益に計上しているため、新規開設の影響が大きかった平成26年9月期までは、減価償却費の負担等により営業損失を計上し、営業外収益の補助金収入等により経常利益を計上しておりました。
平成27年9月期からは、既存保育所等の増加を含め収益基盤が安定したことにより、営業利益を計上しております。
株式移転前の実質的な統括会社であった株式会社グローバルキッズ及び当社の営業利益又は営業損失(△)、補助金収入(営業外収益)、経常利益は以下のように推移しています。
|
決算年月 |
平成26年9月 |
平成27年9月 |
平成28年9月 |
平成29年9月 |
|
|
営業利益又は営業損失(△) |
(百万円) |
△268 |
22 |
340 |
407 |
|
補助金収入 |
(百万円) |
797 |
1,508 |
2,143 |
1,586 |
|
経常利益 |
(百万円) |
336 |
1,128 |
2,000 |
1,477 |
(注)平成26年9月期及び平成27年9月期は、株式会社グローバルキッズ連結数値となります。
(15) 税務上の繰越欠損金
当社の子会社である株式会社ろくには現在のところ税務上の繰越欠損金が存在しております。そのため、事業計画の進展から順調に当社グループの業績が推移するなどして繰越欠損金による課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
(16) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関するリスク
当社グループは、企業価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、当社グループの業績向上に対する役職員の意欲を高めることを目的として、ストックオプション(新株予約権)を発行しております。平成29年9月末現在、新株予約権による潜在株式総数は690,000株であり、発行済株式総数8,695,360株の7.9%に相当します。今後これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成され
ております。この連結財務諸表の作成にあたっては、損益又は、資産の状況に影響を与える見積もりの判断は、一定の会計基準の範囲の中において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は、見積もりによる不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して2,038百万円増加し13,952百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比較して57百万円増加し2,645百万円となりました。これは、現金及び預金が227百万円減少した一方、未収入金が184百万円、前払費用が64百万円及び繰延税金資産が68百万円増加したためです。
固定資産は、前連結会計年度末と比較して1,981百万円増加し11,307百万円となりました。主な要因は、保育所等の新規開設に伴い建物及び構築物が1,499百万円増加したことや敷金及び保証金が168百万円増加したことです。
(負債)
当連結会計年度末の総負債は、前連結会計年度末と比較して1,356百万円増加し8,028百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比較して348百万円増加し2,472百万円となりました。未払金が123百万円、1年内返済予定の長期借入金が81百万円、その他が98百万円増加したことが主因です。
固定負債は、前連結会計年度末と比較して1,008百万円増加し5,555百万円となりました。これは、長期借入金が462百万円増加したことや繰延税金負債が385百万円増加したことが主因です。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して681百万円増加し5,924百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が791百万円増加したことが要因です。
(3) 経営成績の分析
当社は、平成27年10月1日に株式移転により設立された会社であります。前連結会計年度との比較は、株式移転前の実質的な統括会社であった株式会社グローバルキッズ平成27年9月期を対象としております。
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ30.1%増収の13,155百万円となりました。これは主に、当連結会計年度期間において東京都を中心に保育所を18施設、学童クラブを1施設を新規に開設したことによる売上高増加と既存園の売上高の順調な伸びによるものです。
なお、当連結会計年度期間における新規開設により、当連結会計年度末の運営施設数は、保育所106施設、学童クラブ・児童館12施設となりました。
(売上原価)
売上原価は前連結会計年度に比べ30.2%増の11,053百万円となりました。これは主に、売上高増加に伴う施設運営費増によるものです。売上原価率は、前連結会計年度の83.9%から当連結会計年度は84.0%となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ31.9%増の1,695百万円となりました。これは主に、租税公課や本部の人件費の増加によるものです。販管費率は前連結会計年度の12.7%から当連結会計年度は12.9%となりました。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ19.5%増益の407百万円となりました。
(営業外損益と経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ25.8%減の1,594百万円、営業外費用は前連結会計年度に比べ7.2%増の523百万円となりました。営業外収益は、主に新規施設の開設に伴う補助金収入によるものです。営業外費用は、主に新規施設の開設に伴う開設準備費用によるものです。
この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ26.1%減の1,477百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
減損損失を228百万円計上し、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ37.6%減益の1,248百万円となりました。法人税、住民税及び事業税を153百万円、法人税等調整額を303百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ41.7%減益の791百万円となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」をご参照下さい。