第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

下記の文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、以下の3点を企業理念として掲げ、事業活動を展開しております。

① 真に質の高い住宅を供給することを基本に、さまざまな面から都市の発展に貢献します。

② お客様から評価される高い付加価値を創造することによって、社会に貢献します。

③ 高い志を持った、誇り高きプロフェッショナル集団となることを目指します。

これら企業理念を実現するための経営方針として、目まぐるしく変わる事業環境に対して迅速かつ的確に対応できる態勢構築を進めるとともに、常に先を見通した経営戦略の推進や財務基盤の強化を図ることにより、将来の安定的な収益確保を担保しております。

また、主力の戸建販売事業のみならず、個人のお客様からの注文住宅やリノベーション・リフォーム、同業他社からの戸建住宅の建築請負事業にも積極的に取り組むとともに、アセットソリューション事業においては、不動産を取り巻くあらゆるビジネスの可能性を模索し、当社の存在意義と存在感を世の中に示してまいりたいと考えております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は成長性を重視し、売上高の増大及びシェアの拡大を目指しており、売上高経常利益率5%を経営目標としております。これらの目標達成のため、コア事業である戸建販売事業の収益性、生産性の向上に努めるとともに、注文住宅・戸建建築請負事業、リノベーション・リフォーム事業にも積極的に取り組んでまいります。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

当社は、2009年4月の創業以来、長きにわたるデフレ経済のなかで、自社設計・自社施工管理による商品の差別化によって、戸建住宅の分譲を中心に事業を展開してまいりました。
 昨今の日本経済は、2008年のリーマンショック以降、概ね回復基調で推移していたものの、足元では米中間の通商問題や中国経済の減速に加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、景気の先行きには不安定感が増しております。
 このような中にあって当社は、企業理念の実現を通じて企業価値の向上を図るため、以下の課題を自らに課して業務を推進しております。

なお、新型コロナウイルス感染症は、経済及び企業活動に広範な影響を与える事象であり、また、今後の拡がり方や収束時期等を正確に予測することは困難であり、新型コロナウイルス感染症の収束時期やその他の状況の経過により影響が変化した場合には、当社の翌期以降の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

① お客様への商品訴求力の強化

当社は、大半の戸建プロジェクトにおきまして、不動産仲介業者を介さず、当社従業員が直接お客様と相対して商品のご説明及び商談を行う自社販売を行っております。
 これは、ご購入頂いたお客様だけでなく、ご成約に至らなかったお客様からも、当社従業員が直にご意見・ご感想を頂戴し、次のプロジェクト・プランに反映・活用させていただくことで、より魅力のある商品を世に送り出したいという考えに基づいたものです。
 当社の業容規模・陣容からして、全てのプロジェクトの販売を自社販売形態で行うことは困難ですが、社内研修・OJT等による自社人材の育成により、お客様への商品訴求力を更にブラッシュアップさせ、自社販売比率(目標8割)を高めていく方針であります。
 
② 販売力の強化・営業拠点におけるシェア拡大
 当社は、東京都武蔵野市吉祥寺本町に本社・本店を設立して以降、2015年9月にたまプラーザ支店(神奈川県横浜市青葉区美しが丘)、2016年9月に東京支店(東京都千代田区神田神保町)を設立し、事業エリア・業容の拡大を図ってまいりました。
 2019年4月には東京支店内にアセットソリューション事業部を併設し、主に都心部における様々な不動産情報の収集に努め、設立初年度より収益を獲得することができました。
 今後より一層、コア事業である戸建販売事業及び新たな事業の柱と位置付けているアセットソリューション事業への経営資源集約を推し進め、有望なマーケットである都心部において更なる業容拡大を図るべく、2020年8月から9月頃を目途に、東京都新宿区西新宿に本社・本店を移転する予定であります。なお、当該移転を機に、アグレ・デザインオフィス代官山(東京都渋谷区代官山町)は閉鎖し、経営資源をコア事業に集約させる予定であり、また、現吉祥寺本社・本店は、当該移転後に名称を吉祥寺支店に変更する予定であります。
 今後は新たな拠点体制において人材・陣容の充実を図り、既存エリアの深耕と未開拓エリアでの新規受注による、更なるシェアの拡大に向け取り組んでまいります。
 
③ 人材採用・生産性の向上
 当社は、これまで多くの専門知識や豊富な経験を持った人材を確保し、事業を推進してまいりましたが、継続的な成長のためには、優秀な人材の採用、なかでも若手人材の採用が重要であると認識しております。
 採用においては、自社ホームページ内の採用ページのコンテンツの拡充や会社説明会の定期開催をとおして、労働市場における当社の認知度の向上を図り、また、社内外の研修・教育制度や会議やOJT等による情報共有、スキルの伝達をとおして若手人材の育成に努めてまいります。
 また、ITを活用した業務効率化や、テレワーク・時差出勤の導入といった様々な働き方を推奨することにより、生産性の更なる向上に努めてまいります。
 
④ コンプライアンス体制及びリスク管理体制の充実
 当社の展開する事業に関連する法規は多岐にわたり、また、関連法規の制定・改廃が相次いでおります。また、業務内容の多様化等に伴う取引の継続性や資産性等に関する潜在的なリスク要因を把握して適切に管理していく必要があります。これらに対応するため、コンプライアンス体制及びリスク管理体制をより一層充実させるとともに、社員への教育を徹底し、経営管理体制の強化に努めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 不動産市況の悪化

当社の主要事業である戸建住宅の分譲は、消費者の需要動向に大きく左右される傾向にあります。そのため、景気動向、金利動向、地価動向及び物価動向の変動、消費税及び住宅減税等の税制変更、公的融資制度の変更・廃止、少子化による人口減少、新型コロナウイルス感染症の拡大などにより、消費者の需要が低下した場合には、着工数の減少や販売価格の低下等が生じ、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(2) 事業エリアの集中について

当社の事業展開は、対象エリアを首都圏とし、その中でも特に多摩エリア及びそれに隣接する地域を中心としております。したがって、当社の業績は首都圏内の景気動向、経済環境、住宅需要、地価の動向等により、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 競合について

当社の属する戸建販売業界は、技術の独自性等に基づくものではないため、参入障壁は高くありません。

当社は、企画設計から施工管理、販売、建築請負業務など不動産業、建築業の事業領域において様々なノウハウの蓄積に努めておりますが、競合他社の参入に伴い、差別化のための各種方策等が必要になった場合、又は、当社が提供する物件の競争力が低下した場合は、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(4) 販売期間の長期化等について

当社の主力事業である戸建住宅の分譲における用地仕入決済日から引渡までの平均事業期間は約12か月となっております。景気動向・需要動向の悪化や競争激化、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛といった影響により販売が長期化した場合、販売価格の下落やたな卸資産の評価損の計上等により、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 季節変動について

当社の主要事業である戸建住宅の分譲においては、物件の完成・引渡しが9月、12月、3月に集中する傾向があり、そのため、当社の第1四半期の売上高は、他の四半期に比して少なくなり、また、第2四半期及び第4四半期の売上高が相対的に多くなる傾向があります。なお、2019年3月期から2020年3月期における四半期別の売上高及び営業損益の構成は、次のとおりであります。

 

(2019年3月期)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

金額
(千円)

構成比
(%)

金額
(千円)

構成比
(%)

金額
(千円)

構成比
(%)

金額
(千円)

構成比
(%)

売上高

2,601,685

16.6

4,800,660

 30.5

3,139,205

20.0

5,172,230

 32.9

営業利益

25,818

 4.6

247,118

44.2

62,971

11.3

223,439

39.9

 

 

(2020年3月期)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

金額
(千円)

構成比
(%)

金額
(千円)

構成比
(%)

金額
(千円)

構成比
(%)

金額
(千円)

構成比
(%)

売上高

1,667,173

9.2

6,217,861

34.3

2,963,601

16.3

7,305,166

40.2

営業利益又は営業損失

△140,799

△20.0

341,859

48.4

△3,154

△0.4

507,811

72.0

 

 

(6) 自然災害・人災等に係る影響について

地震や台風等の大規模な自然災害が発生した場合、当社において、物件の点検や応急措置等により、多額の費用が発生する可能性があります。また、建築用資材・部材については複数の発注先を確保するよう努めておりますが、社会インフラの大規模な毀損で建築現場の資材・部材の供給が一時的に途絶えた場合等には、完成引渡しの遅延等により当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

また、新型コロナウイルス等の感染症の流行が急速に拡大した場合、当社の本社や事業所の一時的な閉鎖の可能性があり、当社の業績に影響が生じる可能性があります。当社としては、複数の事業拠点を有しており特定の事業所において感染症が発生した場合にも事業継続が可能な体制を構築しており、また、在宅勤務が可能な環境を整備しており、感染症流行時に出社しなくても業務遂行が可能となっております。

 

(7) 用地取得について

当社の主要事業である戸建住宅の分譲においては、戸建住宅用の用地を、立地条件や周辺環境等に応じて、適正価格で継続的に取得することが必要です。当社としては、土地売却情報の入手先を複数確保するとともに、土地取得に際しては立地条件・周辺環境・面積等について調査の上、適正価格で取得するよう努めております。

しかしながら、他社との競合、情報収集の遅れ・不足等により相場よりも高価格で土地を購入することとなった場合や土地の仕入れが想定どおりに進捗しない場合には、当社の経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(8) 外注先について

当社は、戸建分譲住宅における施工面の大部分を外注に依存しております。当社としては、外注先の確保に注力しておりますが、万が一、職人不足等に伴って外注先が減少した場合、販売棟数の増加に伴って選定基準に合致する外注先を十分に確保できない場合、または外注先の経営不振・繁忙等により工期が遅延した場合等には、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(9) 資材及び住宅設備機器等の調達・価格の変動について

国内外の市場の動向等により、木材・建材等の資材価格が上昇した場合、当社又は外注先の原材料調達状況に影響が及ぶ可能性があります。また、当社としては適正な利益を確保するよう努めておりますが、資材価格の上昇分を販売価格へ転嫁することが困難な場合には、当社の利益が減少するなど、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

また、現時点においては新型コロナウイルス感染症の世界的な流行による住宅設備機器等のサプライチェーンの混乱は収束しているものの、今後、新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化した場合に、住宅設備機器等の納期遅延や価格高騰により、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(10) 組織・人材・陣容の充実

当社は今後も戸建住宅の販売を中心に事業を展開してまいりますが、不動産業界の競争激化の中で業績拡大を図るためには、継続して優秀な人材を確保・育成していくことが最重要課題であると認識しております。そのため、中途・新卒採用の強化及び不動産関連の資格取得支援並びに当社の経営理念及び行動規範を理解した責任ある社員の育成を行っていく方針であります。しかしながら、当社の求める人材の確保が困難となった場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(11) 金融機関からの資金調達にかかるリスクについて

当社は戸建住宅の分譲用地の取得資金について、主に金融機関からの借入金により調達しているため、有利子負債への依存度が高い水準にあります。今後、有利子負債の圧縮を図るとともに自己資本の充実に注力する方針ではありますが、金融政策や経済情勢等により金利水準及び金融環境等に変動があった場合、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(12) 個人情報の管理について

当社は、事業の特性上、仕入先、顧客(潜在顧客含む。)等に関して、住所、氏名等の個人情報を多数お預かりしております。個人情報保護につきましては、個人情報の保護に関する法律に従い、全社的な対策を継続的に実施しておりますが、万一個人情報の漏えい等が発生した場合には、信用を大きく毀損することとなり、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(13) 法的規制について

当社の業務は、分譲用地の仕入から企画設計業務、施工管理業務、販売業務、建築請負業務など不動産業、建築業に関連する業務を幅広く行っております。そのため、当社の事業に関連する法規は多岐にわたり、宅地建物取引業法、建設業法、国土利用計画法、都市計画法以外にも土地区画整理法、農地法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法等の規制を受けております。今後これらの公的規制を強化する改正や、当社の事業に関連する法規の新設等がなされた場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

また、当社では、当社の主要事業の継続に必要となる、宅地建物取引業法に基づく宅地建物取引業者免許(国土交通大臣免許(1)第8859号)、建設業法に基づく特定建設業許可(国土交通大臣許可(特-28)第26417号)及び建築士法に基づく一級建築士事務所登録(東京都知事登録 第56852号)を行っておりますが、本書提出日までの間において、これらの免許、許可及び登録の取消事由は存在しておりません。しかしながら、将来においてこれら免許、許可及び登録の取消等があった場合には、主要な事業活動に支障をきたすとともに業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

なお、本書提出日現在における当社の許認可取得状況は以下のとおりです。

 

許認可等の名称

宅地建物取引業者免許

特定建設業許可

一級建築士事務所登録

所管官庁

国土交通大臣

国土交通大臣

東京都

登録番号等

国土交通大臣免許

(1)第8859号

国土交通大臣許可

(特-28)第26417号

東京都知事登録

第56852号

取得日

2015年8月26日

2016年11月7日

2016年2月10日

有効期限

2020年8月25日

2021年11月6日

2021年2月9日

主な許認可

取消事由

・欠格事由等に該当するとき

・不正の手段により免許を受けたとき

・業務に関し取引の関係者に損害を与え又は公正を害する行為をした場合等において情状が特に重いとき

・業務停止処分に違反したとき等

・欠格事由等に該当するとき

・不正の手段により許可を受けたとき

・建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼした場合又は法令違反等があった場合等において情状が特に重いとき

・営業停止処分に違反したとき等

・免許取消の申請

・死亡等の届出

・虚偽又は不正の事実に基づいて免許を受けたことが判明したとき

・建築士法若しくは建築物の建築に関する他の法律又はこれらに基づく命令若しくは条例の規定に違反したとき

・業務に関して不誠実な行為をしたとき等

 

 

(14) 住宅品質保証について

住宅供給業者は、「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(以下「住宅瑕疵担保履行法」)により、新築住宅の構造耐力上主要な部分及び雨水の侵入を防止する部分については、住宅の引渡日から10年間、瑕疵担保責任を負い、また、住宅の瑕疵担保責任履行のための資力の確保が義務付けられております。

当社では、当社が供給する住宅の品質確保のため、住宅の設計、施工及び監理に万全を期し、また、住宅瑕疵担保履行法による資力確保の方法として保険に加入しております。

しかしながら、万が一、当社の販売した物件に重大な瑕疵があることが判明した場合、売主としての瑕疵担保責任を負い、その結果として、当社が負担すべき費用の増加や信用の低下等が発生し、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) コンプライアンス体制について

当社は、コンプライアンス体制の整備及びその運用により訴訟及びクレーム等の発生の回避に努めております。

しかしながら、今後、戸建販売事業において当社が販売した物件における瑕疵の発生、建築に際しての近隣住民からのクレーム等、及びこれらに起因する訴訟やその他の請求が発生する可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(16) 特定人物への依存について

当社の代表取締役社長である大林竜一は、最高経営責任者として経営方針や経営戦略の決定等、事業活動上の重要な役割を果たしております。当社においては、同人に過度に依存することがないよう、合議制や権限委譲の推進を図っておりますが、現時点において同人が何らかの理由により経営者として業務を遂行できなくなった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)小規模組織であることについて

当社は社歴が浅く、また、組織規模が小さいため、内部管理体制もこのような事業規模に応じたものとなっております。今後、事業規模の拡大にともない人員の増強や内部管理体制の一層の強化・充実を図る方針でありますが、事業の拡大及び人員の増加に適時適切に組織的対応ができなかった場合には、当社グループの事業遂行及び拡大に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、大手企業を中心に企業収益や雇用情勢の改善が進むなど、景気は緩やかな回復基調で推移した一方、国内においては実質賃金の伸び悩みや物価の上昇などから個人消費は力強さを欠き、また、海外においては米中間の通商問題や中国経済の減速に加え、直近では新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、景気の先行きにはより一層の不透明感が漂っております。
 当社の属する不動産業界におきましては、低金利融資の継続や住宅取得に係る税制優遇策などにより、住宅需要は底堅く推移している一方、良質な戸建用地を巡る競争の激化や建築コストの上昇、職人の高齢化、消費増税による消費マインドへの影響、更には、新型コロナウイルス感染症の拡大により、一部の住宅設備に係るサプライチェーンが混乱するなど、事業環境の先行きは楽観視できない状況にあります。
 このような事業環境のもと、当社は引き続き良質な戸建用地の取得に注力するとともに、自社設計・自社施工管理によるデザイン性・機能性に優れた戸建住宅の供給に努め、お客様に対する商品訴求力の更なる強化を目的に、自社販売手法のブラッシュアップに努めてまいりました。
 また、2019年4月新設のアセットソリューション事業部においては、主に都心部における様々な不動産情報の収集に努めた結果、設立初年度より収益を獲得することができました。
 なお、アグレ・デザインオフィス代官山では、2017年4月より主に個人のお客様からの注文住宅やリノベーション・リフォーム工事の受注に取り組んでまいりましたが、今般、当社の祖業でありコア事業である戸建販売事業及び新たな事業の柱と位置付けているアセットソリューション事業への経営資源の集約を目的とし、2020年8月から9月に予定しております東京都新宿区西新宿への本社・本店移転に合わせて、同事業所を閉鎖することといたしました。
 この事業所閉鎖に伴い、当第4四半期において減損損失10,010千円を計上しております。
 この結果、当事業年度の経営成績は、売上高18,153,802千円(前年同期比15.5%増)、売上総利益2,289,343千円(同12.7%増)、営業利益705,717千円(同26.2%増)、経常利益529,747千円(同45.7%増)、当期純利益355,275千円(同44.5%増)となりました。

 
事業別の業績を示しますと、次のとおりであります。
(戸建販売事業)
 戸建販売事業においては、自社ブランドである「アグレシオ・シリーズ」278棟、土地分譲24区画(アセットソリューション事業4区画を含む)の引渡しにより、売上高17,723,756千円(前年同期比20.5%増)、売上総利益2,189,917千円(同16.5%増)を計上いたしました。

なお、商品ラインナップ別の引渡棟数・売上高は以下のとおりであります。

 

<商品ラインナップ別 引渡棟数・売上高>

ブランド名

グレード

棟数(棟)

売上高(千円)

前年同期比(%)

アグレシオ・シリーズ

標準グレード

180

8,700,261

+1.6

エグゼ・シリーズ

中~高級グレード

78

5,099,510

+46.8

イルピュアルト・シリーズ

最高級グレード

20

1,787,488

+154.6

小 計

278

15,587,260

+22.4

土地分譲

24

2,136,496

+8.6

合 計

302

17,723,756

+20.5

 

 

 

(その他の事業)

その他の事業においては、売上高430,045千円(前年同期比57.3%減)、売上総利益99,426千円(同34.5%減)を計上いたしました。

a 注文住宅・戸建建築請負事業、リノベーション・リフォーム事業

注文住宅等の建築請負事業においては11棟(注文住宅6棟、法人建築請負5棟)、リノベーション・リフォーム事業においては178件(リノベーション13件、リフォーム165件)の引渡しにより、売上高428,828千円(前年同期比57.3%減)を計上いたしました。

 

b 不動産仲介・コンサルティング事業

不動産仲介・コンサルティング事業においては、売上高1,216千円(前年同期比74.8%減)を計上いたしました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ49,462千円減少し、2,401,519千円となりました。
 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当事業年度末における営業活動によるキャッシュ・フローは1,368,341千円の資金の増加(前年同期は1,533,236千円の資金の減少)となりました。これは主に、仕入債務が995,122千円減少した一方、戸建用地の仕入れを厳選したことにより、たな卸資産が1,683,154千円減少したこと及び税引前当期純利益519,737千円を計上したことによるものであります。
  
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当事業年度末における投資活動によるキャッシュ・フローは59,113千円の資金の減少(前年同期は6,622千円の資金の減少)となりました。これは主に、東京支店増床及び本社移転等に伴う敷金保証金の差入による支出49,989千円によるものであります。
 
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当事業年度末における財務活動によるキャッシュ・フローは1,358,690千円の資金の減少(前年同期は1,791,598千円の資金の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が5,921,100千円あった一方、長期借入金の返済による支出が5,377,518千円、短期借入金の純減1,651,300千円によるものであります。

 

当社の運転資金需要のうち、主なものは戸建住宅の分譲用地の取得資金のほか、土地の造成や建築等の製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

当社は、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
 

なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は8,434,615千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は2,401,519千円となっております。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

    a 生産実績

  当事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の生産実績は次のとおりであります。なお、当社の事業セグメントは単一であるため、業務区分別に記載しております。

業務区分

件数(棟)

生産高(千円)

前年同期比(%)

戸建住宅

288

16,470,445

+27.4

土地分譲

25

2,183,951

+11.2

戸建販売事業計

313

18,654,397

+25.2

注文住宅

6

131,348

△59.8

法人建築請負

5

80,490

△86.0

リノベーション

13

140,981

+173.2

リフォーム

165

53,433

+83.3

不動産仲介・コンサルティング事業

1,216

△74.8

その他の事業計

189

407,471

△58.7

合計

502

19,061,869

+20.0

 

(注)1.当事業年度中に完成した物件の販売価格を以て生産高としております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

    b 受注実績

当事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の受注実績は次のとおりであります。なお、当社の事業セグメントは単一であるため、業務区分別に記載しております。

業務区分

期首受注高

期中受注高

期末受注高

件数(棟)

受注高(千円)

件数(棟)

受注高(千円)

件数(棟)

受注高(千円)

戸建住宅

8

442,175

283

15,804,807

13

659,723

土地分譲

25

2,343,496

1

207,000

戸建販売事業計

8

442,175

308

18,148,303

14

866,723

注文住宅

6

133,506

3

75,001

3

71,847

法人建築請負

2

31,400

8

126,843

5

74,600

リノベーション

4

35,752

10

134,491

1

15,154

リフォーム

4

10,679

161

42,754

不動産仲介・

コンサルティング事業

1,216

その他の事業計

16

211,339

182

380,307

9

161,601

合計

24

653,515

490

18,528,611

23

1,028,324

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

    c 販売実績

  当事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の販売実績は次のとおりであります。なお、当社の事業セグメントは単一であるため、業務区分別に記載しております。

業務区分

件数(棟)

販売高(千円)

前年同期比(%)

戸建住宅

278

15,587,260

+22.4

土地分譲

24

2,136,496

+8.6

戸建販売事業計

302

17,723,756

+20.5

注文住宅

6

136,661

△59.6

法人建築請負

5

83,643

△85.5

リノベーション

13

155,089

+167.5

リフォーム

165

53,433

+83.3

不動産仲介・コンサルティング事業

1,216

△74.8

その他の事業計

189

430,045

△57.3

合計

491

18,153,802

+15.5

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

当社の当事業年度における売上高は、前年同期比2,440,019千円・15.5%増の18,153,802千円となりました。これは主に、引渡し件数が前期の戸建分譲234棟・土地分譲37区画・注文住宅13件、法人建築請負41棟、リノベーション4件、リフォーム128件の合計457件から、戸建分譲278棟・土地分譲24区画・注文住宅6件、法人建築請負5棟、リノベーション13件、リフォーム165件の合計491件へと増加したことによるものであります。
 なお、戸建販売事業における戸建住宅の平均単価は56,069千円であります。

 

(売上原価、売上総利益)

売上原価は、前年同期比2,182,424千円・16.0%増の15,864,458千円となり、売上総利益は前年同期比257,594千円・12.7%増の2,289,343千円、売上総利益率は前期から0.3ポイント低下し12.6%となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は、前年同期比111,225千円・7.6%増の1,583,625千円となりました。これは主に、人員数(役員12名含む)の増加により、人件費が前年同期比40,912千円・6.7%増の650,729千円、業容拡大に伴う固定資産税や都市計画税等の租税公課が前年同期比25,018千円・12.1%増の232,011千円、となったことなどによるものであります。

以上の結果、営業利益は前年同期比146,369千円・26.2%増の705,717千円となり、営業利益率は前年同期比で0.3ポイント上昇し3.9%となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

営業外収益は、前年同期比10,283千円・94.0%増の21,224千円となりました。これは主に、前事業年度以前の不動産取得税の還付金9,886千円によるものであります。営業外費用は、前年同期比9,581千円・4.6%減の197,194千円となりました。これは主に、戸建用地の仕入れを厳選したことにより、支払利息が前年同期比8,931千円・5.1%減の166,040千円となったことによるものであります。

以上の結果、経常利益は前年同期比166,234千円・45.7%増の529,747千円となり、経常利益率は前年同期比で0.6ポイント上昇し2.9%となりました。

 

(特別損益)

特別損失は、2020年8月から9月に予定しております東京都新宿区西新宿への本社・本店移転に合わせて、アグレ・デザインオフィス代官山を閉鎖することとし、減損損失10,010千円を計上しております。なお、特別利益の計上はありません。

 

(法人税等、当期純利益)

法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合せた税金費用は、前年同期比46,815千円・39.8%増加し、164,461千円となりました。この結果、当期純利益は前年同期比109,408千円・44.5%増の355,275千円となりました。

 

(財政状態)

当事業年度における総資産は12,564,078千円となり、前事業年度末と比較して1,814,546千円・12.6%減少いたした。
 流動資産は12,337,954千円となり、前事業年度末と比較して1,887,486千円・13.3%減少いたしました。これは主に、戸建用地の仕入れを厳選したことにより、たな卸資産が1,683,154千円減少したことによるものであります。
 固定資産は226,124千円となり、前事業年度末と比較して72,939千円・47.6%増加いたしました。これは主に、アグレ・デザインオフィス代官山の閉鎖に伴う減損損失10,010千円を計上した一方、東京支店増床及び本社移転等に伴う差入敷金保証金が49,022千円、繰延税金資産が16,966千円、基幹システムの導入に伴うリース資産が15,911千円それぞれ増加したことによるものであります。
 流動負債は6,406,662千円となり、前事業年度末に比べ2,720,148千円・29.8%減少いたしました。これは主に、短期借入金が1,651,300千円、工事未払金が995,122千円それぞれ減少したことによるものであります。
 固定負債は3,316,994千円となり、前事業年度末に比べ664,344千円・25.0%増加いたしました。これは主に、長期借入金が771,854千円増加したことによるものであります。
 純資産は2,840,421千円となり、前事業年度末に比べ241,257千円・9.3%増加いたしました。これは、前事業年度末日を基準日とする剰余金の配当114,018千円を実施した一方、当期純利益355,275千円を計上したことによるものであります。
 以上の結果、自己資本比率は、前事業年度末の18.1%から22.6%となりました。

 

なお、今後の見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たり経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しておりますが、特に下記の会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。

 

(たな卸資産評価)

当社は、通常の販売目的で保有するたな卸資産についての評価を実施し、評価額が簿価を下回った場合には評価損を計上しております。たな卸資産の評価に使用する正味売却価額は販売予定価格を基礎として、戸建需要などの外部要因に当社における過去の販売価格改定等の内部要因を加味して見積もっています。

当該見積りには、将来の戸建需要予測、販売価格改定見込などの仮定が含まれます。そのため、将来の不確実な需要の変動等の状況の変化によって、実際の結果が見積もった仮定から変動した場合、たな卸資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
 なお、新型コロナウイルス感染症の影響は「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。