第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの対処すべき課題は、以下のとおりであると認識しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 優秀な人材の確保及び組織体制の充実

当社グループが事業を拡大していくためには、各業務部門において、相応の専門性やスキルを有する優秀な人材の確保が重要な課題であると認識しております。そのような人材を確保するため、事業規模に応じた少人数での効率的な事業運営を意識しつつも、採用活動の強化による人材の採用、研修制度、人事評価制度の充実等による人材の教育・育成を進める方針であります。

こうした人材の確保に合わせて、事業拡大に応じた内部管理体制の強化を図るとともに、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。

 

(2) デバイスの多様化への対応

急速に普及しているスマートフォンやタブレット型PCなどモバイル端末及び無線LANなどの利用環境の変化に対応しながら、これらを有効に活用できる商品や教材に対する需要が高まるものと認識しております。当社グループでは、多様化するデバイスの特性や利用シーンに応じた商品や教材の開発・提供に積極的に取り組んでまいります。

 

(3) クラウド提供教材の拡充

当社グループでは、「CHIeru.net」において各種教材をクラウドで提供しておりますが、クラウド化へのニーズの高まりに対応し、クラウドで提供する教材数の増加、教材の機能強化等に積極的に取り組んでまいります。

 

(4) 製品のグローバル化対応

当社グループの一部の製品はグローバル対応が未了となっております。少子化の影響により長期的には国内市場の縮小が見込まれる一方で、文教ICT市場で日本を先行する北米や経済成長が今後も見込まれるASEAN諸国など、海外での販売を拡大するため、グローバル化対応製品の強化に取り組んでまいります。

 

(5) 販売力の強化

当社グループは、全国に営業拠点を設置し、地域に密着した営業に努めておりますが、既存の営業拠点では充分な対応が図れていない地域が存在すると認識しております。そのため、より効率的効果的な営業活動を実現するために費用対効果を勘案のうえ、営業拠点の新設を検討してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 国や地方自治体の施策による影響について

我が国の施策としてICTを活用した教育の情報化が推進されていることにより、当社グループの商品・製品が属する市場規模は今後拡大していくことが予想されます。

しかしながら、国の施策が変更された場合には市場の成長が鈍化し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、学校に対する売上高は、導入先の性質上、獲得された予算規模や予算執行状況に大きく影響を受ける可能性があります。

 

(2) ICT分野における新技術への対応による影響について

当社グループは、ICT関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、ICT分野における新技術や新サービスは激しく変化しております。これらの変化に対応するため、当社では、積極的に研究開発を行い、新技術への対応を行っております。

しかしながら、研究開発の遅延した場合や、優秀な開発人材の確保が順当に行えなかった場合には、技術革新に適切に対応できない可能性があります。その結果、当社グループの製品開発能力の低下を招き、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 少子化による影響について

当社グループの主たる市場は、学校教育をICTでサポートする「学校教育ICT市場」であります。そのため、少子化によって長期的には当社製品の利用者が減少する可能性があります。ただし、今後、我が国のICTを活用した教育の情報化推進施策や、少子化に直面した教育機関が質の高い教育を提供するため積極的な情報化投資を推進することが見込まれるため、当面は「学校教育ICT市場」の市場規模は拡大していくものと考えております。

しかしながら、少子化の影響が想定以上に大きく、当社グループ製品の利用者が予想以上に減少し、教育機関の情報化投資が減少した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) CALL/PC教室システムの市場動向による影響について

当社グループは学校教育ICT市場向けに多様な製品を提供しておりますが、2018年3月期において、「CaLaboEX」「CaLaboLX」「S300-AV」等、CALL/PC教室システム市場向けの関連製品群が売上高の約3割を占めております。当社グループでは、同市場が安定的に推移することを見込んでおりますが、急激な環境変化に対応すべく、CALL/PC教室システム市場以外への取組みの強化にも努めております。

しかしながら、CALL/PC教室システム市場が急激に縮小していった場合や、当社グループ製品の市場競争力が低下し、他の製品への切り替えが行えない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) ソフトウエアに関する影響について

当社グループでは、自社開発製品のほか、他社からOEM供給を受けているソフトウエアの販売も行っており、主として文教市場でニーズの高いセキュリティ関連製品を、国内外の他のソフトウエアメーカーから調達し、販売代理店を通じてエンドユーザーである学校等に販売しております。

OEM製品については、OEMメーカーと長期安定的な関係を築きながら、安定的な調達を行っておりますが、何らかの事情により、取引が継続できなくなった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) ハードウエアに関する影響について

当社グループは、画像転送システム、無線LAN最適化ソリューション等のハードウエアについては、国内外の他のハードウエアメーカーからのOEM供給を受けて販売することを主流としておりますが、当社グループが提供するハードウエアは、特殊な製造技術を必要とするものではなく、一般的な製造技術で生産可能であり、基本的な設計等については自社で管理していることから、万一供給元であるメーカーの倒産等によって製品供給が困難となった場合であっても、他のメーカーへの切り替えは可能であると考えております。

しかしながら、代替先との契約に長期間を要した場合や、相手国における政治経済情勢の悪化、輸出入及び外資の規制、予期しない法令の変更、テロ・戦争、その他の要因による社会的混乱等があった場合には、当社グループが提供するハードウエアの供給に影響を及ぼすことも考えられ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 業績の季節的変動による影響について

当社グループの四半期における業績は、第2四半期及び第4四半期において、売上高及び営業利益が偏重する傾向にあります。

これは、第2四半期については主力商品・製品の導入先である学校が長期の休みに入る時期に導入案件が増加すること、第4四半期については導入先の年度予算の執行等の関係により販売代理店を通じた受注が増加することによるものであります。

当社グループは、当該季節的要因を踏まえた販売計画を策定し、受注の増加が見込まれる時期の売上の確保に努めておりますが、何らかの事情により当該期間の受注が計画通りに獲得できなかった場合や、当社グループが導入機器の設置まで行う受注形態で決算月である3月に予定されていた検収が翌期以降に遅れる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

 

 

上半期

 

 

下半期

通期

第1四半期

 

第2四半期
 

 

第3四半期
 

第4四半期
 

 

 

売上高(千円)

212,786

602,885

815,671

255,061

959,654

1,214,716

2,030,388

構成比(%)

10.5%

29.7%

40.2%

12.6%

47.3%

59.8%

100.0%

営業利益又は
営業損失(△)(千円)

△207,048

80,237

△126,810

△131,825

336,344

204,518

77,708

構成比(%)

100.0%

 

 

(8) 販売代理店政策による影響について

当社グループは、販売代理店制度を採用しており、当社グループの営業部門が、主にエンドユーザーである先生、学生や児童生徒のニーズの収集や教育システム導入の提案を行っている一方で、当社グループの商品・製品の大部分は販売代理店を経由して利用者に販売されております。そのため、主要販売代理店の販売状況や経営環境の変化によって、当社グループの売上高が大きく変動する可能性があります。

当社グループは、主要販売代理店と良好な業務関係の維持に努め、当社グループの商品・製品の販売拡大に努めておりますが、これらの代理店は他社の競合商品・製品も取り扱っており、主要販売代理店の方針により当社グループの商品・製品の取り扱いが縮小された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(9) 入札制度による影響について

当社グループは、販売代理店制度を採用しており、当社グループの商品・製品の大部分は販売代理店を経由して利用者に販売されておりますが、当社グループの商品・製品は、大学、地方自治体や教育委員会等の機関が作成した「機器仕様書・仕様書」に基づく設備・ICT機器・教材の入札公告(一般競争入札、指名競争入札等)に、販売代理店が入札・応募し、落札することで、利用者である教育機関に導入される流れとなっており、事業の特性上、入札結果が当社以外の要因に左右される性格を有しております。そのため、何らかの要因によって入札の不調、遅延等が起こった場合や、当社グループが想定するような入札結果が得られなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 自然災害等による影響について

地震、台風、津波等の自然災害、火災、各種感染症の拡大等が発生した場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループの主要な事業拠点である首都圏において大規模な自然災害等が発生した場合には、正常な事業運営が行えなくなる可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、自然災害等が発生した場合に備え、体制を整備しておりますが、自然災害等による人的、物的損害が甚大である場合は、事業の継続そのものが不可能になる可能性があります。

 

(11) 製品の不良による影響について

当社グループは、主要な製品・デジタル教材については社内で開発を行っており、新製品のリリースに当たっては、開発部門と異なる部門が検証を十分に行い、開発・品質管理体制の強化を図っております。また、リリース後に発見されたバグ等については、迅速に対応しており、大きな問題が生じたことはありません。

しかしながら、ソフトウエア開発はその性質上、プログラム等に生じたバグを完全に排除することは難しく、万が一にも重大なバグが生じた場合、製品を利用することができない可能性があります。

こうした事態が生じた場合、教育現場での混乱や当社製品の信用力の低下を招き、結果的に、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、取引先やエンドユーザーからの損害賠償の訴訟等が提起され、不測の損害が生じる可能性もあります。

 

(12) 知的財産権にまつわる影響について

当社グループが提供する製品及びサービスに対して、これまで知的財産権にまつわる侵害訴訟等を提起されたことはありません。当社グループは、第三者の知的財産を侵害しないよう日頃より注意を払っておりますが、当社が認識していない範囲で第三者の知的財産権を侵害し、損害賠償や対価の支払い等を請求された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、損害賠償の訴訟等が提起され、不測の損害が生じる可能性もあります。

また、第三者が当社の製品を模倣する等により当社の知的財産を侵害するような場合においては、売上の減少等により当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 小規模組織であることについて

本書提出日現在における当社組織は、取締役(監査等委員であるものを除く。)4名、監査等委員である取締役3名、従業員数47名(臨時従業員除く)であり、会社の規模に応じた内部管理体制や業務執行体制となっております。このため、業容の拡大に応じた人員を確保できず業務遂行に支障が生じた場合、あるいは役職員が予期せず退職した場合には、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(14) 経営陣への依存について

当社代表取締役川居睦をはじめとする経営陣は、各担当業務分野において、重要な役割を果たしております。これら役員が業務執行できなくなった場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

このため、当社グループでは過度に経営陣に依存しない経営体制を構築すべく、組織規模の拡大に応じた権限移譲を進めるとともに、役員及び幹部社員による情報の共有化等を通じて経営組織の強化を図っております。

しかしながら、現時点で何らかの理由により、主要経営陣の業務遂行が困難となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 優秀な人材の確保や育成について

教育の情報化推進ニーズに応えるため、高度な専門知識を有する優秀な技術者を安定的に確保する必要があります。当社グループでは、必要な技術の習得や開発ノウハウを蓄積するなど、計画的な技術者の育成に努めております。

しかしながら、IT業界における慢性的な人材不足等により、当社グループが必要とする時期に必要な技術者を十分に確保できなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 個人情報流出による影響について

当社は、「個人情報の保護に関する法律」における「個人情報取扱事業者」に該当することから、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制の構築・維持の一環として、2010年11月12日からプライバシーマーク(第10823718(05)号)を取得し、個人情報の適切な取り扱いに努めております。

しかしながら、何らかの原因により個人情報が漏えいした場合には、当社グループへの信頼が損なわれ企業イメージの低下を招くなど、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、損害賠償の訴訟等が提起され、不測の損害が生じる可能性もあります。

 

(17) システムダウン及び情報セキュリティに係るリスクについて

当社グループのクラウド型教材配信システムである「CHIeru.net」は、インターネット環境が十分に整備されていることを前提に運営しております。また、外部のデータセンター運営会社と協力し、運営に必要なコンピュータネットワーク等について情報セキュリティの強化を推進しております。しかし、インターネット環境が何らかの理由で阻害されたり、従業員・パートナー事業者の過誤、コンピュータシステムの瑕疵、自然災害、コンピュータウイルス、ネットワークへの不正侵入、アクセス増加等の一時的な過負荷等に基づき、重要データの漏えい、コンピュータープログラムの不正改ざん、システムダウン等が発生する可能性があります。

こうした事態が生じた場合、当社グループの教材をWEB上で利用しているユーザーはサービスを利用することができなくなり、当社グループの信用力の低下を招き、結果として、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) ソフトウエアの資産計上に伴う費用化による影響について

当社グループは「研究開発費等に係る会計基準」(企業会計審議会 平成10年3月13日)に従い、研究開発費の一部について、適切に資産計上及び減価償却を行っており、無形固定資産(ソフトウエア、ソフトウエア仮勘定の合計)は、2017年3月期末312,798千円、2018年3月期末420,089千円、2019年3月期末356,130千円となっています。

今後、研究開発の結果として資産計上されるソフトウエアが増加した場合には、それに伴う減価償却費も増加することとなり、当社グループの将来の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19) 法的規制による影響について

現時点で、今後の当社グループの事業そのものを規制対象とする法的規制はないものと認識しておりますが、IT業界の変革は激しく、状況に応じては、今後新たな法令等の整備が行われる可能性があり、その内容によっては、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(20) 配当政策について

当社グループは会社設立以来、企業体質の強化及び継続的な商品開発に備えた資金の確保を優先し、株主に対する配当を実施しておりません。当社グループは、事業の拡大過程にあり、内部留保の充実を重視する方針であります。

しかしながら、株主への利益還元については、当社の重要な経営課題と認識しており、今後財政状態及び経営成績を勘案しつつ、配当の実施を検討する所存であります。

 

(21) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社グループは、取締役及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が行使された場合、当社グループの株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

当連結会計年度末現在におけるこれらの新株予約権による潜在株式数は57,600株であり、発行済株式総数3,882,000株の1.5%に相当しております。

 

(22) 資金使途について

2016年3月に実施した公募増資等による資金調達の使途につきましては、研究開発資金及び販売目的ソフトウエア開発資金に充当する予定であります。しかしながら、変化する経営環境に柔軟に対応するため、現時点での計画以外の使途にも使用される可能性があります。また、当初の計画通りに資金が使用された場合においても、計画通りの効果が達成できない可能性があります。

 

(23) M&Aについて

当社グループは、事業拡大を加速する有効な手段のひとつとして、当社グループに関連する事業のM&Aを検討していく方針です。M&A実施に際しては、対象企業の財務・法務・事業等について事前にデューデリジェンスを行い、十分にリスクを吟味した上で決定いたしますが、買収後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等、事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合、また事業の展開等が計画通りに進まない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の経済政策や日銀による金融政策等を背景に企業収益や雇用環境に改善が見られ、全体として緩やかな回復基調にて推移いたしました。

現在の学校教育を取り巻く環境の変化としては、2020年度より実施される新たな「学習指導要領」の公表及び教育政策「第3期教育振興基本計画」(計画期間2018~2022年度)の公表が挙げられます。これらに基づき、情報活用能力の育成、授業の改善及び教職員の業務改善を実現するためのICT環境の整備が進行しております。

このような市場動向のもと、当連結会計年度の当社グループ業績は、次のとおりとなりました。

高校・大学市場では、教材提供クラウドサービス分野製品及び運用管理システム分野製品が前年同期比で増加した一方で、講義支援分野製品の販売及び一部ハードウエアの仕入販売が前年同期比で減少した結果、高校・大学市場における受注額は前年同期比で減少となりました。小学校・中学校市場における受注額は、授業支援分野製品が前年同期比で増加したことに加え、無害化製品が寄与し、前年同期比で増加しました。これにより、高校・大学市場と小学校・中学校市場の受注金額構成比は68%:32%となりました。これらに加え自治体への無害化製品等の販売が寄与したことで、売上高は2,030,388千円(前年同期比24,789千円増)となりました。

しかしながら、Chromebook等の新しい環境に対応するための製品開発の推進及びソフトウエアの減価償却負担が増加しことにより、製品製造原価が前年同期比で増加し、営業利益77,708千円(前年同期比123,376千円減)となりました。持分法による投資損失14,223千円(前年同期は持分法による投資利益36,336千円)を計上したことから、経常利益は61,524千円(前年同期比192,080千円減)となりました。さらに、小学校・中学校市場向けに展開している授業・学習支援システム 「らくらく先生シリーズ」について販売状況等を基にソフトウエア資産計上額の厳格な評価を行い、減損損失89,659千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は10,575千円(前年同期比173,350千円減)となりました。

当連結会計年度末の資産合計は2,408,486千円(前連結会計年度末は2,442,192千円)、負債合計は928,945千円(前連結会計年度末は926,301千円)、純資産合計は、1,479,540千円となりました。

なお、当社グループは、学校教育ICT事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

② 資本の財源及び資金の流動性についての分析

キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より259,565千円増加し、686,589千円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、380,131千円の収入(前年同期は141,438千円の収入)となりました。これは主に、減価償却費171,601千円、減損損失89,659千円、仕入債務の増加59,414千円が計上されたことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、9,229千円の支出(前年同期は462,017千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入180,000千円があった一方で、無形固定資産の取得による支出が220,489千円生じたことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、111,337千円の支出(前年同期は16,012千円の収入)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出47,606千円が生じたことによるものです。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当社グループは単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

学校教育ICT事業

546,733

108.1

 

(注) 1.金額は製品製造原価とソフトウエアのうち自社開発分(資産計上分)の合計により算出しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載は省略しております。

 

c. 販売実績

当社グループは単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

学校教育ICT事業

2,030,388

101.2

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は2,030,388千円(前年同期比1.2%増)となりました。内訳は「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度は、売上原価が1,017,027千円(前年同期比14.4%増)、売上総利益が1,013,360千円(前年同期比9.3%減)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は935,652千円(前年同期比2.2%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は77,708千円(前年同期比61.4%減)となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は2,029千円となりました。当連結会計年度の営業外費用は18,212千円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の経常利益は61,524千円(前年同期比75.7%減)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の法人税等合計は△18,327千円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は10,575千円(前年同期比94.3%減)となりました。

 

b.財政状態の分析

当連結会計年度末における資産の額は、2,408,486千円(前連結会計年度末は2,442,192千円)となり、33,705千円減少しました。これは主に、ソフトウエア等無形固定資産が53,135千円減少したことによるものです。

負債の額は、928,945千円(前連結会計年度末は926,301千円)となり、2,643千円増加しました。これは主に、長期借入金が62,208千円減少した一方で、買掛金が59,414千円増加したことによるものです。

純資産の額は、1,479,540千円となり(前連結会計年度末は1,515,890千円)となり、36,349千円減少しました。これは主に利益剰余金が10,575千円増加した一方で自己株式が47,606千円増加したことによるものです。

 

c.経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

d. 経営戦略の現状と見通し

現在の学校教育を取り巻く環境の変化として、2020年度より実施される新たな「学習指導要領」の公表および教育政策「第3期教育振興基本計画」(計画期間 2018~2022年度)に関する答申の公表が挙げられます。これらにより、情報活用能力の育成、授業の改善および教職員の業務改善を実現するためのICT環境の整備が進行するものと見込まれます。このような環境変化に対して、市場のニーズを満たす新製品を継続的に投入できるようにするとともに、既存製品のバージョンアップにも積極的に取り組んでまいります。

 

 

e. 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

当社は、2019年6月13日開催の取締役会において、株式会社昭栄広報及び株式会社エーアンドシーの株式を取得し、いずれも子会社化することについて決議いたしました。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。

 

 

5 【研究開発活動】

当社の事業の根幹は販売用ソフトウエアの販売にあり、その優位性を持続するため、研究開発を重視しております。具体的には、当事業年度において当社が支出した研究開発費の総額は、2,926千円であります。

なお、当社は、学校教育ICT事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(1) 研究開発・製品開発体制

製品の研究開発については、製品開発部が中心になって行っております。製品開発部は正社員6名体制(2019年3月末現在)で、新製品研究、製品化、既存製品バージョンアップ、及び動作検証を行っております。

 

(2) 新製品、新技術等の研究開発活動

① 研究開発目的

当社の経営理念である「私たちチエルは、子供たちの未来のために、世界中の先生の授業をICTで支えます」に基づいて、研究開発を進めております。具体的には、以下の目的を達成するような研究開発を行っております。

(創造)

授業を進めやすくするために、先生に寄り添った製品を研究開発すること。

(変化)

常に変化する教育業界のニーズを先取りした製品を研究開発すること。

(挑戦)

新しい技術に挑戦しシーズを産み出すような製品を研究開発すること。

(協働)

パートナーの製品と連携するような製品を研究開発すること。

 

② 主要な研究開発課題

a 研究開発の基本方針

上記①の目的を達成するために、当社の通信技術、画像・音声転送技術を更に研磨するとともに、今後市場動向に沿った新技術に積極的に挑戦し、内外の顧客のニーズに合致した製品を開発できるような技術を効率的に習得することを基本方針としております。また、開発した技術のうち、特異なものについては、特許を出願するようにしております。

b 主要研究開発テーマ

(タブレット対応)

市場からの要請が強い既存製品のタブレット端末利用に対応するため、当社既存製品を普通教室や教室外で使用することを可能とするプラットフォームの開発・強化に取り組んでおります。

(アクティブ・ラーニング対応)

「アクティブ・ラーニング」に適した、タブレット・スマートフォンに対応する語学学修支援・授業支援の製品開発に取り組んでおります。既存製品との連携機能により総合提案を可能とします。

(クラウド対応)

クラウドを利用したeラーニングの市場は拡大しており、これに対応して、当社では既にクラウド上で教材を提供する「CHIeru.net」を提供中であります。「CHIeru.net」上で提供する教材数の増加・機能強化を進め、先生方の学生への教材指定を獲得することにより、教室外での利用促進、新規顧客の取り込み促進に取り組んでおります。

(教材開発)

タブレット対応、アクティブ・ラーニング対応、クラウド対応といった、教材を利用するためのプラットフォーム開発に合わせて、デジタル教材について、各プラットフォームや異なる利用環境での利用を可能とするための開発を行い、既存製品の横展開、新教材の開発、教材量産体制の確立に取り組んでおります。