文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「サステナブルな社会の実現を新しい常識で」というPURPOSEのもと、「個人参加型、持続可能エネルギー社会の実現」をビジョンとして事業の推進を行っております。
また再生可能エネルギーの経済的利得性に着目し、それを個人の家計や地域中小企業の財務基盤に組み込むことで「個人や企業の永続性」と「再生可能エネルギー社会」の同時実現を目指しております。これらの目標の元、個人が積極的に参加できる商品開発及び提供を推進しております。主には太陽光発電設備事業、系統用蓄電所事業、ネットゼロ・エネルギー・ハウス事業、O&M事業、発電事業を中心に展開しており、個人・地方の力×再生可能エネルギー×DXのクリーンテック企業として更なる成長と、継続的な企業価値の向上を目指してまいります。
当社グループの目標とする経営指標としては、「開発数最大化」戦略を基盤としており、既存の事業エリアの深耕及び全国エリアへの展開等により売上高を拡大しつつ、2029年4月期に売上高300億円を目標としております。
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大等を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、金利上昇やインフレの進展、緊迫化する国際情勢等、景気停滞懸念は依然として残っており、先行きは不透明な状況が続いております。
そのような状況の中、日本国内の再生可能エネルギー市場は、導入に向けた動きが世界的な潮流と軌を一にして加速しています。2023年11月に開催されたCOP28では、世界の再生可能エネルギー容量を2030年までに3倍に拡大するという国際的な合意がなされ、脱炭素化へのコミットメントが一層強まりました。国内におきましても、経済産業省が2020年12月に公表した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において再生可能エネルギー電源の比率を50~60%に高める方針が示され、2021年10月閣議決定の第6次エネルギー基本計画では2030年度の再生可能エネルギー比率36~38%程度という具体的な目標が設定されました。さらに、2023年2月には「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定され、再生可能エネルギーの主力電源化やカーボンプライシングの本格導入に向けた検討が進められるなど、市場の成長を支える政策的枠組みが整備されつつあります。
(4) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2024年7月31日に長期ヴィジョン「サステナグロース2035」及び中期経営計画「Green300」を発表し、フロービジネスにおける太陽光発電設備・系統用蓄電所及びネットゼロ・エネルギー・ハウスの開発数最大化戦略を基盤と位置付けました。この開発数最大化戦略により2029年4月期時点で売上高300億円/営業利益20億円への到達目標も設定致しました。またこれに並行してストックビジネスにおけるO&M事業等の管理件数の増加及び発電事業の拡大を進めることで、収益性と収益安定性を向上させ、更なる投資拡充を実施し、業容の拡大を図ってまいります。
当社グループは、2024年5月1日から持株会社体制へ移行し、前述の通り2024年7月31日に中期経営計画「Green300」及び長期ヴィジョン「サステナグロース2035」を策定・発表致しました。これらの中長期的な成長を実現するため、以下の具体的な課題に取り組み、持続可能な成長を目指していきます。
① 再生可能エネルギー市場成長に伴う「開発数最大化戦略」の推進
日本国内の再生可能エネルギー市場は、地球温暖化対策やエネルギー安全保障の観点から急速に成長しています。政府のエネルギー政策により再生可能エネルギーの導入が促進され、技術革新とコスト削減が進む中、当社も市場の成長に対応するため、再生可能エネルギーの供給開発規模の拡大を推進します。まず、フロービジネスの強化策として、これまでのNonFIT発電所の開発・販売体制の拡大・強化に加え、系統用蓄電所の開発拡大に注力します。また、ストックビジネスの拡大を図るために、PPA事業への取り組み強化とO&M事業の品質向上と拡販体制の強化を実施し、安定した収益基盤を築きます。
② 生産効率改良への取り組み
事業開発規模の拡大に伴い多くの投資も実行してまいりましたが、これからは規模拡大と並行して生産効率の改良も重要なテーマであると認識します。AI技術等を大幅に取り入れ活用し本社機能を中心とした間接工程を抜本的にスリムに再構築し、少ない人員数でも大量開発を可能にする効率経営を実現します。また、経営指標のモニタリングを強化し、重要な経営指標を定期的に監視します。これにより、迅速な経営判断と透明性の高い経営を実現します。
③ 人的資本への積極投資
社内人材が長期に渡り高いパフォーマンスを発揮するためには、活躍できる環境作り、学習できる環境、活躍に報いる仕組みやキャリアプランの開発など、これまで以上に様々な投資が必要であると認識しています。活躍する社員の環境支援制度「グリーン制度」の強化・拡充や昨年度より開講したグリーンエナジー大学による学び環境の強化などに加え、キャリア育成上必要と判断されるような抜擢人事やその支援体制など今年度以降も積極的な投資を図り、人財が育つ環境作りを強化するとともに市場からも有能な人材を迎え入れやすい環境作りも強化してまいります。
④ コーポレートガバナンス及び内部管理体制の強化
コーポレートガバナンスの強化に向けて、現在の取締役会の独立性と多様性を維持しつつ、外部の有識者の知見をより活用してまいります。これにより、健全な意思決定を支え、企業価値の向上を図ります。また、内部統制システムを強化し、企業の透明性と信頼性を高めます。内部管理体制の強化にも注力しており、リスクマネジメントの強化を図ります。定期的なリスクアセスメントを実施し、潜在的なリスクを早期に把握し、対策を講じます。また、内部監査の充実を図り、企業全体の健全性を確保します。これにより、持続可能な経営基盤を築きます。
⑤ コンプライアンス体制の強化、意識の向上
当社グループのコンプライアンス強化と維持を目的に、全社員を対象とした定期的なコンプライアンス研修を実施します。それらを通じ法令遵守の重要性を教育し、企業倫理の徹底を図ります。また、内部通報制度を強化し、不正行為の早期発見と是正を促進します。これにより、コンプライアンスに対する健全な企業文化を醸成します。
以上の施策を着実に実行することで、株式会社グリーンエナジー&カンパニーグループは持続可能な成長を実現し、株主の皆様にさらなる価値を提供してまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものです。
当社グループは、サステナビリティを経営における最重要課題と位置づけており、「サステナブルな社会の実現を新しい常識で」というPURPOSEのもと、「個人参加型、持続可能エネルギー社会の実現」をビジョンとして、事業の推進を行っております。また、個人や社会にとって正しい選択肢を届けていくため、最適解を考え、常識を疑い、新しい手段を取っていくことにチャレンジし続けており、事業を通じて社会の発展に貢献できる新たな価値を生み出し、各個人が幸せになれる選択肢を提案できる企業として世の中に必要とされる存在であり続けたいと考えております。
これらの考え方のもと、サステナビリティを含む環境や社会課題の解決にも積極的に取り組み、持続的成長と企業価値向上を目指してまいります。
当社グループは、持続的な成長と企業価値向上のため、効率性の優れた透明性の高い経営に努め、監査等委員会の監督のもと、法令遵守の徹底、適切な資源配分、意思決定の迅速化などを図っていくことで、中長期的な企業価値の向上を目指しております。また、当社グループは株主総会を最高意思決定機関と位置付け、株主が有する権利が十分に確保され、平等性が保たれるように定款や関連規程の整備、株主総会の運営や議決権行使方法の工夫、株主還元方針の開示などに努めてまいります。
気候変動への対応については、当社グループが目指しているグリーンかつ持続可能なエネルギー社会を個人の方々の参加によって構築・実現を図り、社会的課題を解決していくために、太陽光発電施設の開発拡大を進めることを通じて、徹底したCO²削減への貢献を進めてまいります。
当社グループのサステナビリティへの取組みに係るリスクの評価と対応については、経営資源の有限性の観点から、影響の重要性に応じて取り組むべき優先順位を決定し、目標を設定しております。
特に、少子高齢化に伴う労働人口の減少、働き方改革、人材の多様化などの環境の変化により従来にも増して人的資本への適切な対応が極めて重要な課題となっております。当社グループではそれらの課題に対応するために下記のような施策を講じておりますが、今後さらに充実した社内環境整備を継続してまいります。
1)人材育成
①人材育成方針
自己変革に挑戦する社員を尊重し、成長・活躍・自己実現の場を提供する。
・社員の成長を促進する教育機会を提供する
・将来の管理職、経営層の育成を行う
・多様な仕事を経験させ、活力を生み出す人材配置を行う
②具体的な取組
・グリーン制度の拡充・強化(活躍する社員の待遇・環境向上)
当社グループでは、活躍する社員の待遇・環境の向上を目的としてグリーン制度を設置し様々な制度の導入強化を推進継続中です。
・グリーンエナジー大学の開設
常に進化するビジネススキルや市場知識を社員が適切に習得できる環境として当社は2025年3月にグリーンエナジー大学を設置しマーケティング、DX、GXに関する講座を開設しました。これからの時代に必要なGX人財の輩出にも寄与できる有効な取り組みとして今後も強化して参ります。
・積極的なジョブローテーションの実施や社内FA制度(グリーンジョブチェンジ制度)の設置
社員の多面的総合的なキャリア構築が企業組織の活性化にも有効であると認識し積極的なジョブローテーションを実施しております。また社員自身がキャリア構築に能動的に取り組めるよう社内FA制度も設置し、自ら手を挙げチャンスを獲得できる枠組みも広げました。これらを通じて持株会社と事業会社の垣根を越えた人財流動が生まれ各組織の活性化に大きく寄与しております。
・各種資格取得支援制度の継続
これまで同様に、事業に有効な各種技術資格やビジネス資格に対して資格取得にかかる費用面の支援など、今後も継続して総合的な資格取得しやすい環境の維持継続を図ってまいります。
2)女性活躍支援
①女性活躍支援基本方針
当社の女性比率は、42.3%となっており、業界水準からしても高い水準であり、戦略的な人事制度改革の実践にあたり、女性活躍推進法に基づく自主行動計画を実行しております。女性社員が自身の強みを活かして活躍できる組織及びそれを支援する制度づくりを目的とし、目標達成に向け各種施策を展開しております。
②具体的な取組
・働き方改革の継続実施
テレワーク勤務、短時間勤務等、柔軟な働き方に関わる制度の再整備と拡充・業務効率化のためのDX推進
・育児支援制度:育児短時間勤務制度、時間有給休暇制度、在宅勤務制度、産前・産後休業
3)働き方の見直し(社内環境整備)
①働き方に関する方針
当社グループでは、社員の多様性、人格、個性を尊重し、社員一人ひとりが能力を十分に発揮できる雇用環境の整備を行うとともに、次世代の育成に貢献するため、社員の育児・介護を支援しております。
また、当社では、社員が生き生きと働ける「働きがい」のある職場を目指し、さまざまな労務管理の改善強化策を実施し、時間勤務やテレワークなどの柔軟な勤務制度など、社員のワークライフバランスを推進するための取り組みを多面的に行っております。
②具体的な取組
・男性育児休業取得率の推進
・働き方の柔軟性
在宅勤務、時差勤務や時間単位の有給休暇制度等、職種や職場環境に応じて活用しやすい制度を整備
・過重労働の防止
Google Workspaceを活用し、リモート会議やチャット機能による円滑なコミュニケーション、お互いの業務状況を共有することで、業務をシェアし過重労働を防止
・オフィス環境
コミュニケーションエリア設置等、働きやすいオフィス環境の整備
・グリーン・ウォーキング制度
公園等(緑のある場所)をウォーキングしながらWeb会議参加
③参考指標
・男性育児休業取得率:16.6%
性別問わず、誰もが仕事と育児を両立できる環境づくりと、会社・部署ぐるみで子育てをサポートする体制の推進として、男性育児休業取得率の推進を行っており、さらなる取得率向上を目指してまいります。また、2024年4月期において、女性社員の育児休業取得率及び復帰率は100%となっております。
※男性育児休業取得率(育児休業には出生時育休を含む)
年度内に育児休業を取得した男性社員数÷年度内に配偶者が出産した男性社員数
・有給休暇平均取得日数:12.0日
計画的付与制度:計画的付与制度を活用して、休暇取得の確実性を高めています。
特別休暇制度:従業員の様々な事情に応じた特別な休暇制度を導入しております。
時間単位の有給休暇制度:時間単位での有給休暇付与制度を導入し、柔軟な働き方を支援しています。
(3) リスク管理
当社グループは、リスクについて全社的に管理する体制を構築することが重要であることを踏まえ、「リスク管理規程」を制定し、リスク管理の最高責任者を代表取締役と定め、直下に経営リスクに関するガバナンス委員会を設置することにより、当社グループの経営や事業活動を取り巻く様々なリスクに対する管理体制の構築を図っております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。
1.GXグリーンエネルギー発電施設工事の遅延について
当社グループが販売しているGXグリーンエネルギー発電施設は、工事が完了し、顧客への引渡し後、電力会社との系統連系時に売上計上しております。従って、自然災害等の要因により工事が遅延し、期中の引渡しに支障が生じた場合や電力会社との系統連系が遅れた場合には、当該期間の売上高が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(注) 系統連系とは、電力会社の電力系統に発電設備を接続することであります。
2.個人消費動向等の影響について
当社グループの主たる販売先は個人顧客であることから、個人消費者の需要動向の影響を受ける傾向があります。また、景気動向、金利水準、地価水準等のマクロ経済要因の変動や消費者所得の減少、住宅税制の改正やFIT制度の改正、消費税等の税率変更等により個人消費者の需要が減少した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
3.政府の施策について
当社グループにおける産業と社会の脱炭素事業は、「改正FIT法」における制度変更やルールの厳格化、系統連系の遅れ等により顧客の購入意欲が減退した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
4.材料価格の高騰について
当社グループの太陽光発電施設のソーラーパネル等の材料や住宅の建材は、為替相場の変動等により仕入価格が高騰することが考えられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
5.外注管理について
当社グループは太陽光発電施設及び住宅の建設について、施工管理業務(品質・安全・工程・コストの各管理)を除き、原則として大工や左官、電気業者、水道業者などの専門業者ごとに直接工事を発注する分離発注の上、外注をしております。これは適切に分離発注することにより適正な競争が行われることを期待し、また、専門工事業者と直接契約することで、工事の進捗等について直接交渉することができ、施工の信頼性と品質の確保が期待できるためであります。
このように施工業務の大部分を外注に依存しているため、販売件数の増加や営業エリアの拡大に伴い外注先を十分に確保できない場合、または外注先の経営不振や繁忙等により工期が遅延した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、国内外の市場の動向等により、資材価格が上昇し、外注先の材料調達状況に影響が及んだ場合、その状況を販売価格へ転嫁することが難しい場合には、外注費の上昇により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
6.契約不適合責任について
当社グループは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、新築住宅の構造上主要な部分及び雨水の浸水を防止する部分について住宅の引渡日から10年間の瑕疵担保責任を負っております。その他の部分については、「宅地建物取引業法」により住宅の引渡日から最低2年間について契約不適合責任を負っております。加えて「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」により、住宅の瑕疵担保責任履行のための資力の確保が義務付けられております。万が一、当社グループの販売した物件に重大な瑕疵があるとされた場合には、その直接的な原因が当社グループ以外の責によるものであっても、当社グループは売主として契約不適合責任を負うことがあります。その結果、補償工事費の増加や当社グループの信用力低下により、当社グループの業績や事業の展開等に影響を与える可能性があります。
7.自然災害等について
地震や台風等の大規模な自然災害の発生時には、被災した自社保有設備や建築現場の修復に加え、建物の点検や応急措置などの初動活動や支援活動等により、多額の費用が発生する可能性があります。
また、社会インフラの大規模な損壊で建築現場の資材等の供給が一時的に途絶えた場合等には、完成引渡しの遅延等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
8.法的規制について
当社グループの主要な事業内容は、太陽光発電施設及びソーラー発電搭載コンパクトハウスの販売、施工、メンテナンスであり、「電気事業法」「建築基準法」「建設業法」「建築士法」「宅地建物取引業法」「国土利用計画法」「農地法」「特定商品取引法」「電気工事業の業務の適正化に関する法律」「住宅品質確保促進法」「消費者契約法」「不当景品類及び不当表示防止法」「特定商取引法」「割賦販売法」「個人情報保護法」等の法的規制を受けております。当社グループは、この許認可を受けるための諸条件及び関係法令の遵守や社内管理体制の整備に努めており、現状において当該許認可が取消しとなる事由は発生しておりませんが、今後、法令の改正や新たな法的規制が設けられ当社グループの事業に適用された場合、当社グループはその制約を受けることとなり、業績に影響を与える可能性があります。
9.個人情報などの漏洩リスクについて
当社グループでは、多数の個人情報を取り扱っております。「個人情報保護管理規定」に基づき個人情報の適切な取り扱いに関し体制整備を図っておりますが、個人情報が漏洩した場合には、当社グループの社会的信用が低下し、またその対応のための費用負担が発生し、業績に影響を与える可能性があります。
10.代表者への依存について
当社グループは会社の規模が小さく、事業活動における主要な部分を代表取締役社長である鈴江崇文に依存しております。同氏は、当社設立以来の最高責任者であり、当社の大株主であります。同氏は、業界に特化した経験と実績から、当社グループの経営方針や経営戦略及び製品戦略においても重要な役割を果たしており、当社グループ事業の発展に大きく貢献しております。このため、当社グループでは同氏への過度の依存を改善すべく組織的な経営体制を構築中ですが、現時点においては同氏が離職するような事態となった場合、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
11.訴訟等について
当社グループでは、現時点において業績に重大な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。
しかしながら、当社グループが事業を継続していくうえでは、知的財産権他多種多様な訴訟リスクが継続的に存在します。
当社グループでは、施工にあたっては近隣対策や周辺環境への配慮を含め品質管理に努め、またその他業務においては各種専門家を利用してリスク管理を行っておりますが、訴訟本来の性質を考慮すると係争中または将来の訴訟の結果は予測不可能であり、係争中または将来の訴訟のいずれかひとつでも不利な結果に終わった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大等を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、金利上昇やインフレの進展、緊迫化する国際情勢等、景気停滞懸念は依然として残っており、先行きは不透明な状況が続いております。
そのような状況の中、日本国内の再生可能エネルギー市場は、導入に向けた動きが世界的な潮流と軌を一にして加速しています。2023年11月に開催されたCOP28では、世界の再生可能エネルギー容量を2030年までに3倍に拡大するという国際的な合意がなされ、脱炭素化へのコミットメントが一層強まりました。国内におきましても、経済産業省が2020年12月に公表した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において再生可能エネルギー電源の比率を50~60%に高める方針が示され、2021年10月閣議決定の第6次エネルギー基本計画では2030年度の再生可能エネルギー比率36~38%程度という具体的な目標が設定されました。さらに、2023年2月には「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定され、再生可能エネルギーの主力電源化やカーボンプライシングの本格導入に向けた検討が進められるなど、市場の成長を支える政策的枠組みが整備されつつあります。
当社グループは、この大きな事業環境の変化を捉え、持続可能な社会の実現に貢献すべく、当連結会計年度より、持株会社体制へ移行し、商号を「株式会社グリーンエナジー&カンパニー」へと変更いたしました。また、新たに長期ビジョンである「サステナグロース2035」及びその第一フェーズとして、2029年4月期までの中期経営計画「Green300」を策定いたしました。私たちが目指す再生可能エネルギー社会は経済性が土台にあるエネルギー社会であり、誰でも作ることができる太陽光発電を通じて「エネルギーの民主化」を推し進めるものです。そして誰しもに「稼げる選択」を提供できる社会環境に努めてまいります。
当期においては、グリーンエネルギー施設※の開発を中心に、太陽光発電による再生可能エネルギーの創出に取り組んでまいりました。また、販売した施設のO&M(オペレーションアンドメンテナンス)サービスの拡充を通じて、将来にわたる安定的な収益基盤の確立にも注力しております。加えて、事業基盤の強化を目的とし、当連結会計年度において株式会社GREEN ACTIONの株式を取得し、連結子会社といたしました。
※太陽光発電所、系統用蓄電所、営農型太陽光発電所、ネットゼロ・エネルギー・ハウス等を示す。
なお、当社グループの報告セグメントは、従来「脱炭素デキルくん事業」の単一セグメントでありましたが、当連結会計年度より、報告セグメントの名称を「再生可能エネルギー事業」に変更しております。当該変更は報告セグメント名称の変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は11,616,630千円(前年同期比20.1%増)、営業利益543,537千円(前年同期比5.7%増)、経常利益408,098千円(前年同期比18.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益275,507千円(前年同期比16.6%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、911,167千円となり、前連結会計年度末に比べ592,045千円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、961,122千円の減少(前年同期は570,493千円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益297,503千円の計上等により資金が増加した一方で、棚卸資産の増加額1,154,711千円、売上債権の増加額171,691千円等により資金が減少したことによるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、663,572千円の減少(前年同期は310,278千円の減少)となりました。主な要因は、貸付けによる支出340,000千円、投資有価証券の取得による支出175,500千円、有形固定資産の取得による支出123,354千円等により資金が減少したことによるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,032,649千円の増加(前年同期は728,349千円の減少)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出740,323千円等により資金が減少した一方で、短期借入金の純増加額1,078,700千円、長期借入れによる収入460,000千円、社債の発行による収入400,000千円等により資金が増加したことによるものであります。
a.生産実績
当社グループは「再生可能エネルギー事業」の単一セグメントであります。当事業では生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。
当連結会計年度の受注実績をサービスの種類別に示すと、次のとおりであります。なお、O&M事業及び発電事業では、事業の性質上、受注実績の表示がなじまないため記載しておりません。
(注) 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度の販売実績をサービスの種類別に示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
(売上高)
サービスの種類別の売上高の状況は次のとおりであります。
① 太陽光発電設備・系統用蓄電所事業
太陽光発電設備・系統用蓄電所事業では、主に個人向け投資商品や法人需要家向けの商品として太陽光発電設備の販売を行っており、販売区画数は、341.68区画となりました。
② ネットゼロ・エネルギー・ハウス事業
ネットゼロ・エネルギー・ハウス事業では、一般消費者や投資家向けに、低価格ソーラー発電付き戸建住宅の販売を行っており、販売棟数は255棟となりました。
③ O&M事業及び発電事業
O&M事業及び発電事業では、太陽光発電施設及び賃貸不動産の管理受託件数が1,893件となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は11,616,630千円となりました。
(営業利益)
複数棟同時建築や作業工数の削減、購買先及び外注先等の選定見直しを実施すること等によるコスト抑制に努めた結果、売上原価は8,813,755千円となりました。
販売費及び一般管理費は、事業規模拡大に向けた人財投資やブランディング及び商品開発の強化に対し先行投資を行った結果、2,259,336千円となりました。
以上の結果、営業利益は543,537千円となりました。
(経常利益)
営業外収益は47,912千円となり、営業外費用は、株主優待制度の変更に伴い株主優待費用37,265千円、株主優待引当金繰入額25,695千円を計上したこと等により、183,350千円となりました。
以上の結果、経常利益は408,098千円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
特別損失に棚卸資産評価損108,015千円を計上したこと等により、税金等調整前当期純利益は297,503千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益に法人税等合計21,995千円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は275,507千円となりました。
(キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
b.財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は11,249,763千円(前連結会計年度末10,249,120千円)となり、1,000,642千円増加しました。主な要因は、仕掛品が527,006千円、製品が578,803千円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は2,307,710千円(前連結会計年度末1,873,841千円)となり、433,868千円増加しました。主な要因は、のれんが98,898千円減少した一方で、投資有価証券が164,500千円、長期貸付金が152,000千円、機械装置及び運搬具(純額)が62,963千円、建物及び構築物(純額)が36,884千円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は4,266,622千円(前連結会計年度末3,194,075千円)となり、1,072,547千円増加しました。主な要因は、買掛金が330,427千円減少した一方で、短期借入金が1,078,700千円、前受金が502,395千円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は3,988,056千円(前連結会計年度末3,895,868千円)となり、92,187千円増加しました。主な要因は、長期借入金が167,549千円減少した一方で、社債が280,000千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は5,302,794千円(前連結会計年度末5,033,018千円)となり、269,776千円増加しました。主な要因は、利益剰余金が、配当金の支払いにより48,909千円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により275,507千円増加したことによるものであります。
資本政策につきましては、当社グループは未だ成長途上であることから、内部留保の充実を図るとともに、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大発展を実現させることと、株主様への利益還元との最適なバランスを考慮し、実施していくこととしております。
また、当社グループにおける資金需要の主なものは、既存事業の持続的成長や新規事業への投資資金のほか、設備の更新等に要する設備投資資金や事業に係る運転資金であります。
当社グループは、必要となった資金については、主として内部留保資金及び営業活動によるキャッシュ・フローによるものを活用しておりますが、安定的な財源確保のため、複数の金融機関から借入による資金調達を行っており、今後も継続する方針であります。
d.経営上の目標の達成状況
当社グループは、2029年4月期の売上高30,000百万円達成を目標指標としております。
当連結会計年度の売上高は11,616百万円となりました。今後も事業の拡大等の推進により、目標の達成に努めてまいります。
(株式の取得による企業結合)
当社の子会社である株式会社グリーンエナジー・ライフは、2025年6月4日開催の取締役会において、株式会社いえとち不動産の全株式を取得、完全子会社化することを決議し、2025年6月4日付で株式譲渡契約を締結致しました。当契約に基づき、2025年6月4日付で当該株式の取得を完了しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。
(自己株式を活用した第三者割当による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第7回新株予約権(固定行使価額型)の発行)
当社は、2025年6月13日開催の取締役会において、第三者割当による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第7回新株予約権の発行を行うことを決議しました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。
該当事項はありません。