第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度の世界経済は、総じて堅調な展開で推移しました。

米国においては、雇用・所得環境の底堅さや、減税など新政権の財政政策に対する期待などから、個人消費は回復傾向が持続し、製造業は回復の動きが強まり設備稼働率も上昇傾向となっており、引続き経済成長ペースは高まる見通しとなっております。FRBは、今後も米国景気の回復に沿う形で着実に利上げを実施していく見込みです。

中国においては、各種政策効果もあり、年度後半から見られた持ち直しの動きが来期以降も続くものと期待されております。輸出額は米国向けが回復しつつあり、アジア諸国の需要回復とともに、下げ止まりの兆しが見えております。

欧州経済は、英国のEU離脱に伴う政治・経済をめぐる先行き不透明感が根強く残存するものの、個人消費は緩やかに改善しており、景気は回復基調にあります。

我が国経済においては、個人消費は伸び悩むものの、輸出の持ち直しや企業収益の改善が進み、全体として緩やかな回復基調が続きました。

 

当社グループが属するエレクトロニクス業界においては、車載電装関連機器の増加、スマートファクトリー向け需要の増加等により、全体としては底堅く推移しております。

 

このような事業環境の下、当社グループでは、前年度に子会社化した自動車用精密金型・成形品業務が、順調に推移していることに加え、車載機器、産業機器製品の取扱高が引続き安定的に伸長しております。また、引続き製造全拠点においてLCA(Low Cost Automation、 自社開発・製造の自動・省力化設備)の導入、各拠点共通の生産管理システム導入など、スマートファクトリーへの挑戦に向け準備を進めております。車載機器製品の対応力強化に向け、メキシコに工場の設立、アメリカに販売会社の設立、中国における排ガス規制強化により今後世界に先駆け需要が本格化するEV、PHEVなどの「新エネ車」の対応に向け、ハイブリッド向けの受注を足掛かりにした生産拡大準備、日本国内における営業拠点の拡充を進めており、また、産業機器分野においては新興国での需要増に向けた生産等、各拠点にて多数の新規プロジェクトを開始しております。

また、事業拡大のための経営基盤強化に向け、社員参画型の経営品質向上委員会を発足しました。

また、中国での橋頭工場への集約化に伴う労働者の退職金等を事業構造改善費用として特別損失に計上しております。当連結会計年度の平均為替レートは、1US$=108.42円(前期120.14円)と、前期より約10%の円高で推移しました。

 

この結果、当連結会計年度の売上高は1,117億82百万円(前連結会計年度比4.1%増)、営業利益は24億72百万円(前連結会計年度比1.1%減)、経常利益は15億57百万円(前連結会計年度比3.5%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は5億20百万円(前連結会計年度比56.6%減)となりました。

当社グループは、EMS事業とその他の事業を営んでおりますが、ほとんどがEMS事業のため、セグメント情報の記載を省略しております。

なお、EMS事業の製品分野別の売上高とその他の事業の売上高は以下のとおりであります。売上高の金額については、連結相殺消去後の数値を記載しております。

当連結会計年度より、社内の経営管理区分の一部変更として、「その他」に含まれていた売上高のうち、精密金型・成形に係る売上高を各製品分野別に、医療関連売上高を「産業機器」の区分に変更しております。

なお、前連結会計年度比については、前連結会計年度の数値を当連結会計年度の事業区分に組み替えて算出しております。

 

① EMS事業

 当社グループの主たる事業であるEMS事業の売上高は1,112億82百万円(前連結会計年度比4.1%増)となりました。製品分野別の業績の概況は次のとおりであります。

 

(車載機器)

 電装化の進展による取扱製品の増加、環境対応車向け動力系基板等の新規案件が相次いだことにより、売上高は439億27百万円(前連結会計年度比21.6%増)となりました。

 

(産業機器)

 中国市場を中心にスマートフォン通信インフラ関連での旺盛な設備投資需要が継続し、売上高は269億88百万円(前連結会計年度比11.9%増)となりました。

 

(コンシューマー製品)

 主要日系顧客の市場における低迷の影響を受け、売上高は83億62百万円(前連結会計年度比33.2%減)となりました。

 

(OA機器)

 新興国市場の景気減速の影響により、売上高は212億54百万円(前連結会計年度比11.2%減)となりました。

 

(情報通信機器)

 記録再生用ドライブ向け製品が安定的に推移し、売上高は68億94百万円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。

 

(その他)

 アミューズメント機器の取扱高が安定的に推移し、売上高は38億55百万円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。

 

② その他の事業

 人材派遣業が好調に推移し、売上高は4億99百万円(前連結会計年度比18.7%増)となりました

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物につきましては、96億80百万円(前連結会計年度比24.8%減)となりました

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、20億26百万円の収入(前連結会計年度度は30億96百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益、減価償却費の計上によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、42億4百万円の支出(前連結会計年度度は17億7百万円の支出)となりました。これは主にグループ各社における機械装置の投資、UMC Electronics Mexico, S.A. de C.V.の工場建設によるものであります

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、△7億64百万円の支出(前連結会計年度度は39億31百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の減少によるものであります

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度のEMS事業における生産実績を製品分野別に示すと、次のとおりであります。

製品分野の名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

車載機器

44,110,471

122.1

産業機器

27,042,283

112.2

コンシューマー製品

8,308,033

66.3

OA機器

21,111,346

88.2

情報通信機器

6,851,430

104.4

その他

5,877,954

160.0

合計

113,301,520

105.5

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.その他の事業については重要性が乏しいため記載を省略しております。

4.当連結会計年度より、社内の経営管理区分の一部変更として、「その他」に含まれていた生産実績のうち、

精密金型・成形に係る生産実績を各製品分野別に、医療関連生産実績を「産業機器」の区分に変更しております。なお、前年同期比については、前連結会計年度の数値を当連結会計年度の事業区分に組み替えて算出しております。

 

(2)受注状況

 EMS事業については、顧客から提示された生産計画等に基づく受注生産を行っておりますが、受注から製品完成までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ一致するため、記載を省略しております。また、その他の事業については、大部分が派遣業務及び請負業務であるため、受注実績については記載を省略しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

EMS事業

111,282,994

104.1

車載機器

43,927,537

121.6

産業機器

26,988,125

111.9

コンシューマー製品

8,362,522

66.8

OA機器

21,254,954

88.8

情報通信機器

6,894,136

105.0

その他

3,855,717

105.0

その他の事業

499,994

118.7

合計

111,782,988

104.1

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。

3.当連結会計年度より、社内の経営管理区分の一部変更として、「その他」に含まれていた販売実績のうち、

精密金型・成形に係る販売実績を各製品分野別に、医療関連販売実績を「産業機器」の区分に変更しております。なお、前年同期比については、前連結会計年度の数値を当連結会計年度の事業区分に組み替えて算出しております。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

  当社グループは、「心ある物づくり」を企業理念に掲げ、「感謝の心」の精神のもとに、日系最大級のEMS

 (電子機器受託製造サービス)企業として、徹底した三現主義(現場、現物、現実)を実践するとともに、業界

 No.1のQCDS(品質、価格、納期、サービス)を目指します。また、開発・部材調達から基板実装・完成品に

 至るまで、どの拠点も共通の価値観の下、同レベルのきめ細かなサービスを提供することを基本方針としておりま

 す。

 

(2) 目標とする経営指標

  当社グループが属しているEMS業界は、製造業のアウトソーシング需要の拡大とともに更なる成長が見込まれ

 ますので、目標とする経営指標としましては、売上高成長率および営業利益率の向上と考えております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

  近年、車載分野において電装化が進展していますが、技術面、品質面での要求水準の高さから参入障壁が高い

 と言われている中、当社グループは、SE(サイマルテニアス・エンジニアリング)活動による設計・開発段階

 からの関与等、主要Tier1メーカーから高い評価を得て、当業界におけるこの分野のフロントランナーとなって

 います。加えて、川上では精密成形・金型事業への新規参入を果たしており、川下では画像鮮明化等ソフトウェア

 技術の取込みやサービスの充実を通じ、バリューチェーンの拡大を図り、企業価値を向上させております。また、

 顧客のニーズに即した生産・購買支援体制を強化するため、拠点網を更に拡充し、世界に拡大するEMSビジネス

 を積極的に取込んでいきます。

 

(4) 会社の対処すべき課題

  当社グループのコア事業領域であるエレクトロニクス業界におきましては、企業の海外生産の進展に伴って、製

 造から販売・物流に至るまで、国境を越えた水平分業化、アウトソーシング化の動きが益々進展しております。当

 社グループは、こうしたニーズに対して、「技術開発機能を併せ持つ、提案型受託製造サービス」- S-EMS

 (Solution-Electronics Manufacturing Service) - を活かして、最適なソリューションを提供していくととも

 に、「お客様から見てご満足頂けるQCDS(品質・価格・納期・サービス)」を全社的に展開して事業の拡大を

 図る所存です。そのために当社グループは、グローバル拠点ネットワークの充実と拠点間シナジー効果を追求し、

 下記の重点課題に取り組んでまいります。

 

 ① グローバル有力企業とのビジネス開拓、拡大

 ② 高度化する製品に対応した生産体制・生産技術の高度化による品質確保

 ③ 持続的な成長を見据えた人材育成、組織体制強化

 ④ グローバル購買体制による調達力の強化

 ⑤ EMS事業におけるバリューチェーンの更なる拡大

 ⑥ 基幹システム(SAP)とLCA設備との連動を主眼においたスマートファクトリーの実現

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには主として以下のようなものがあります。

 

(1)経済状況の動向等

 当社グループは、日本国内のほか、中国、香港、ベトナム、タイ、メキシコ及びドイツに事業拠点を有して事業活動を行っており、また、当社グループの取引先についても、その多くの企業が日本国内に留まらず全世界で事業を展開しております。このため、当社グループの事業活動は、日本や事業拠点の有る現地の国々や地域に限らず、世界的な経済環境や社会環境の変化及び景気動向の影響を受ける可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)取引先企業の業界動向等

 当社グループは、デジタル家電、パソコン、通信機器、産業用制御装置、自動車用電子制御装置のセットメーカー(自らのブランド力によって、最終消費者へ最終製品を販売する企業)や部品メーカー等を主要な取引先企業としており、最終製品の中核機能を構成する部品として位置付けられる電子機器の受託開発・製造・販売を行うEMS事業を主たる業務としております。

 このため、一般景気動向及び個人消費動向等により当社グループの取引先企業の属する業界の状況が悪化した場合や最終製品の販売状況が芳しくない場合等には、当社グループの受注状況に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)取引先企業の生産変動

 当社グループの主たる事業であるEMS事業は、当社取引先企業の生産状況に合わせて受託製造等を行っております。当社グループの取引先企業の多くは、国内に留まらず全世界に製品を出荷しており、出荷先の景気動向が生産数量に大きな影響を及ぼす状況となっており、生産変動は頻繁に生じております。さらに、これらの取引先企業は、為替変動、コストダウン要請等の課題も抱え、グローバルな視点での生産拠点最適化を模索しており、生産拠点自体の統廃合も戦略的、機動的に行われております。

 こうした取引先企業の生産動向の変化や生産拠点戦略の変更等は、今後も規模の大小を問わず常に生じるものと考えられます。取引先企業の大規模且つ急激な生産変動が生じた場合には、当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)生産技術に関するリスク

 当社グループの取引先企業である国内外のセットメーカーや部品メーカー等においては技術革新が早く、受託製造を行う当社グループにおいても要求される生産技術水準は年々高まっております。

 取引先企業の要求する生産技術水準の高度化に対し、当社グループでは現場社員の徹底した教育を通じた技能向上や生産設備の維持・更新、生産ラインの合理化等による生産技術の向上及び競争力の維持に努めております。

 しかしながら、今後、取引先企業における急速な技術革新等により、当社グループが取引先企業の要求する水準を満たせなかった場合や競争力を維持できなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)設備投資や固定資産の減損に関するリスク

 当社グループは、生産能力拡大や製品の競争力維持のため、設備投資を行っております。設備投資にあたっては、極力汎用性の高い生産設備の投資を優先し、専用的な生産設備の投資については、取引先企業に一部又は全部の負担を求めること等によって、設備の余剰リスクや投資負担等の軽減を図るように努めております。しかしながら、取引先企業が生産や販売等の方針を変更した場合や、景気後退等により当社グループの設備投資が過大となった場合には、減価償却費の負担等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、工場、生産設備等の有形固定資産を保有しており、当社グループの固定資産の連結貸借対照表計上額については、当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローの見積りに基づく残存価額の回収可能性を定期的に評価しております。当社グループでは、各工場別の損益が当社グループの業績に直結するため、各工場別の損益管理を厳格に行い、事業収益の低下等が見られる場合には、当社グループ全体で速やかに対応策を講じるよう努めております。しかしながら、競合やその他の理由によって事業収益性が低下し当該資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、減損の認識が必要となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)製品の欠陥の可能性

 当社グループにおいて製造している電子機器は、セットメーカーにおいて最終製品に組み込まれております。当社グループでは、品質マネジメントシステムに従って製品を製造し品質管理を行っております。また、セットメーカーにおいても受入検査及び最終製品検査などを実施しており、製品の欠陥の発生を未然に防止する仕組みが確保されております。しかしながら、万一、製造物責任賠償を追及される事態となった場合には、当社グループに何らかのコスト負担が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)自然災害・事故・その他の要因による影響

 当社グループは、日本国内のほか、中国、香港、ベトナム、タイ、メキシコ及びドイツに事業拠点を有しております。このため、各事業拠点のある国々や地域において、地震、津波、豪雨、洪水、落雷等の自然災害、コンピュータウィルスの感染、部品調達先等の罹災によるサプライチェーン上の混乱、疫病の発生や蔓延、戦争、テロ行為、暴動あるいは労働争議等が発生し、当社グループの事業拠点が打撃を被った場合、操業の停止、生産・出荷が停止する恐れがあります。また、災害により電力・インフラが不安定になった場合、電力供給量の低下や物流ルートの遮断等社会インフラの不安定化による生産能力の低下、原材料の調達難、製品供給の遅延等、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)海外での事業展開

 当社グループは、日本国内のほか、中国、香港、ベトナム、タイ、メキシコ及びドイツに事業拠点を有しており、平成29年3月期の連結売上高に占める海外連結子会社の売上高は、中国及び香港の連結子会社の売上高が5割近くを占める等、8割近くを占める状況であります。海外事業の展開にあたっては、不安定な政治情勢、不確実な事業環境若しくは経済環境、当社グループの製品の製造、輸出入や使用等に関する環境や安全等に係る規制を含む法令、労務管理に伴う困難及び人件費の上昇、高額な関税及び厳格な貿易規制、予期しない法令・税制・政策の新設又は変更や解釈の相違、電力、輸送、通信等の基幹となるサービスの停止・遅延等を起こしうる不安定なインフラ、為替レートの変動、法令、規制、商慣習におけるスタンダード及び実務上の取扱いの変更、テロ、戦争、伝染病、デモ、ボイコットの発生等のリスクが内在しております。これらのリスクが顕在化した場合、費用の増加、利益の減少、業務の混乱等を生じさせ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)為替変動リスク

 中国、ベトナム、タイ及びメキシコにおける工場の操業に際して、米ドル等の外貨建資産を保有する必要が生じるため、当社グループは米ドル、香港ドル、人民元、ベトナム・ドン、タイ・バーツ、メキシコ・ペソ及び円の為替変動の影響を受ける可能性があります。基本的には為替リスクを回避するため、同一通貨による仕入と販売、顧客との為替リスク負担に関する取り決め等により為替リスクのヘッジに努めておりますが、急激な為替変動の影響により損失が生じることがあります。

 また、当社グループは、中国、香港、ベトナム、タイ、メキシコ及びドイツに海外連結子会社を有しており、これら海外連結子会社の現地通貨建の資産、負債、収益、費用等の項目は、連結財務諸表作成の際には円換算されるため、当社グループの業績及び財政状態は為替相場の変動による影響を受けます。

(10)環境規制その他の法的規制

 当社グループは、事業拠点がある各国各地域において、大気汚染、土壌汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けています。また、この他に当社グループが事業活動を行うにあたっては、国内外の様々な法令、規則による規制等の制約を受ける場合があります。当社グループは、これらの規制等に細心の注意を払いつつ事業を行っていますが、製品の製造販売活動や設備投資が制約を受ける等、事業展開に支障が生じる可能性がある他、各種の法規制が制定又は変更された場合はその遵守対応のための費用が増加し、あるいは当社グループにおいてこうした法規制の違反が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性や社会的評価に影響を与える可能性があります。

 

(11)部材供給停止のリスク

 当社グループは、生産に必要な原材料を外部の材料メーカー及び商社から購入しております。購買戦略としてサプライヤー拠点の分散とセカンドソースの確保による部材の安定的な仕入に努めておりますが、原材料市況のひっ迫等により予定した部材の確保ができなくなった場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)機密情報の管理

 当社グループは、業務を通じて、取引先企業の生産計画や新製品の開発及び製造に関わる機密性の高い情報に接することがあります。当社グループにおいてはこれらの機密情報を保護するための管理を行っておりますが、かかる管理が将来に亘って常に有効である保証はありません。予期せぬ事態により当社グループが保持又は管理する情報が流出し、第三者がこれを不正に取得又は使用するような事態が生じた場合、当社グループに対して損害賠償を求める訴訟が提起されるなど、当社グループの事業、業績、評判及び信用に悪影響を与える可能性があります。

(13)資金調達・金利変動

 当社グループは、金融機関からの借入れ等により必要な事業資金を調達しております。借入実行に際しては金利動向に応じ、適宜、変動ないし固定金利調達としている他、デリバティブ取引(金利スワップ等)を活用することで金利変動リスクを軽減しておりますが、予期せぬ市場金利の変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)M&A等を含めた事業投資

 当社グループは、主たる事業であるEMS事業の拡大と成長発展を促進するための手段として、国内及び海外の企業又は事業の買収等を積極的に検討していく方針であります。これらのアクションに応じて多額の資金需要が発生する可能性があるほか、のれんの償却やその事業の発展の鈍化、またその投資が必ずしも見込みどおりに当社グループの業績に寄与せず、業績貢献までに時間を要する可能性があります。また投資に対する回収、さらには利益の実現までにある一定の期間が必要であるとともに、投資の増加が収益を上回る可能性があります。特に、海外においては、為替リスク、取引先との関係構築、商習慣の違いや投資規制、宗教観の違いや政治的、法的障害に遭う可能性があります。これらの場合においては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(株式会社グリーン・システムの吸収合併について)

 当社は、平成28年5月24日開催の取締役会において、当社の完全子会社である株式会社グリーン・システムを平成28年7月1日を効力発生日として、当社に吸収合併することを決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。

 

(株式会社サイバーコア株式の譲渡について)

 当社は、平成28年11月22日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社サイバーコアの株式の一部を東京センチュリー株式会社へ譲渡する株式譲渡契約の締結を決議し、同日付で締結いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。

 

6【研究開発活動】

 研究開発活動については、先進の画像鮮明化・認識技術を持った当社グループ会社の株式会社サイバーコアにおいて、今後成長が期待される車載分野(自動走行ほか)や防災・セキュリティ分野等の開発力強化のため、研究開発費13,630千円を計上いたしました。

 なお、株式会社サイバーコアは、平成29年1月から当社の持分法適用関連会社となったため、平成28年4月から同年12月までの研究開発費を記載しております。

 また、研究開発活動によって開発される技術の多くはさまざまな製品に利用されることなどから、活動の状況および当該費用を報告セグメントにより区分することは困難であり、報告セグメントによって示すことは行っておりません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

(1)重要な会計方針および見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを実施しております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

  当社グループの連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

 

(2)財政状態の分析

 当連結会計年度末における総資産は567億49百万円(前連結会計年度末比12.4%増)となりました。これは主に

メキシコ工場建設に係る建設仮勘定の増加、投資有価証券取得による増加であります。

 負債につきましては、455億38百万円(前連結会計年度末比16.2%増)となりました。これは主に設備購入に係る債務の増加によるものであります。

純資産につきましては、112億10百万円(前連結会計年度末比1.3%減)となりました。これは主に円高進行によ

   る為替換算調整勘定の減少によるものであります。

 

  (3)経営成績の分析

① 売上高

 車載電装関連機器の増加、スマートフォン通信インフラ関連の増加により、売上高は1,117億82百万円(前連結会計年度比4.1%増)となりました

 

② 売上原価

 売上高の増加に伴い、1,051億34百万円(前連結会計年度比3.9%増)となりました

 

③ 販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費は、41億76百万円(前連結会計年度比12.3%増)となりました。

 

④ 営業利益

 売上高が増加したものの、販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は24億72百万円(前連結会計年度比1.1%減)となりました。売上高営業利益率は2.2%(前連結会計年度は2.3%)となりました。

 

⑤ 営業外収益(費用)、経常利益

 営業外収益は、97百万円となり、主な内訳は受取配当金42百万円などであります。営業外費用は、10億12百万円となり、主な内訳は支払利息3億75百万円、為替差損6億22百万円などであります。

 この結果、経常利益は15億57百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。

 

⑥ 特別利益

 特別利益は1億39百万円であり、主な内訳は関係会社株式売却益75百万円、投資有価証券売却益44百万円であります

 

⑦ 特別損失

 特別損失は5億25百万円であり、主な内訳は固定資産除却損2億2百万円、中国事業構造改革費用3億22百万円であります。

 

⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益

 以上の結果、税金等調整前当期純利益は11億70百万円(前連結会計年度比35.9%減)となり、法人税、住民税及び事業税や、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は5億20百万円(前連結会計年度比56.6%減)となりました。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 [事業の状況] 1 [業績等の概要] (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。

 

② 財務政策

 当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、自己資金、借入により調達しております。長期借入金は原則として固定金利で調達しております。

 なお、連結子会社が資金調達を実施する際には、グローバルな資金効率を向上させる観点から、調達を現地法人取引通貨に合わせるため、またガバナンス強化を目的として現地金融機関からの借入を実施しております。

 

③ キャッシュ・フロー関連指標の推移

 キャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。

 

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

自己資本比率(%)

14.5

22.5

19.8

時価ベースの自己資本比率(%)

32.2

44.6

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

6.8

7.0

10.4

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

11.5

8.0

5.5

 自己資本比率: 自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額総資産

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債キャッシュ・フロー

 インタレスト・カバレッジ・レシオ: キャッシュ・フロー利払い

 

 1. いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

 2. 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

 3. キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

 4. 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。