文中の将来に関する事項は、有価証券届出書提出日(2020年11月27日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「心ある物づくり」を企業理念に掲げ、「感謝の心」の精神のもとに、日系最大級のEMS(電子機器受託製造サービス)企業として、徹底した三現主義(現場、現物、現実)を実践するとともに、業界No.1のQCDS(品質、価格、納期、サービス)を目指します。また、開発・部材調達から基板実装・完成品に至るまで、どの拠点も共通の価値観の下、同レベルのきめ細かなサービスを提供することを基本方針としております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループが属しているEMS業界は、製造業のアウトソーシング需要の拡大とともに更なる成長が見込まれますので、目標とする経営指標としましては、売上高成長率及び営業利益率の向上と考えております。
(3) 会社の対処すべき課題
2020年3月期連結会計年度中、当社の中国連結子会社、タイ連結子会社において不適切な会計処理が行われていたことが判明しました。これに伴い、当社は過年度の決算を訂正し、2014年3月期から2019年3月期の訂正有価証券報告書等を提出しております。また、2019年12月18日には、東京証券取引所より特設注意市場銘柄の指定を受けたことから、今後、内部管理体制確認書を提出した後、東京証券取引所による審査を受ける予定です。当該審査において、内部管理体制に問題が認められない場合には指定は解除となりますが、問題があるとされる場合は原則として上場廃止、又は6カ月の特設注意市場銘柄指定の延長後の再審査となります。
上記不適切な会計処理の要因としては、当時の一部の経営陣が、利益目標を達成すべく、役職員に対して強いプレッシャーをかけていたことが、現場レベルで不適切な会計処理を行う大きな要因となっていたことが調査報告書で指摘されています。また、経営者が信頼性のある財務報告を実現するための統制環境の構築を軽視したことにより、全社的な内部統制の不全を引き起こしたことも今回の不適切な会計処理問題の要因と認識しております。
当社は、上記の要因分析及び外部調査委員会及びガバナンス検討委員会の提言に基づき、今後のあるべき経営体制及びコーポレート・ガバナンス改革について検討し、以下の改革を行っております。
① 取締役会の監視監督機能の強化:監査等委員会設置会社へ移行し、任意の指名報酬委員会を設置いたしました。あわせて実効性向上・意思決定の迅速化の目的で、取締役の員数削減を行いました。
② コンプライアンス重視の企業風土醸成:コンプライアンス委員会の設置、内部通報制度の拡充を行い、コンプライアンスが定着するための仕組みを作りました。
③ 事業組織改編:従来の三本部制下の製造本部を解体し、拠点機能に加えてコーポレート機能が海外グループ全ての拠点を管理するマトリクス組織体制に移行しました。
今後、当社は新体制の下で再発防止策を具体化し、これを実行していくとともに、構造改革(拠点再編、原価低減活動、調達の合理化等)と、競争力強化(製造力、最適な生産工程のご提案、お客様とのパートナーシップ等)を柱とする再生計画に取り組んでまいります。
当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには主として以下のようなものがあります。なお、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券届出書提出日(2020年11月27日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済状況の動向等
当社グループは、日本国内のほか、中国、香港、ベトナム、タイ、メキシコ、ドイツ及びアメリカに事業拠点を有して事業活動を行っており、また、当社グループの取引先についても、その多くの企業が日本国内に留まらず全世界で事業を展開しております。このため、当社グループの事業活動は、日本や事業拠点の有る現地の国々や地域に限らず、世界的な経済環境や社会環境の変化及び景気動向の影響を受ける可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)取引先企業の業界動向等
当社グループは、デジタル家電、パソコン、通信機器、産業用制御装置、自動車用電子制御装置のセットメーカー(自らのブランド力によって、最終消費者へ最終製品を販売する企業)や部品メーカー等を主要な取引先企業としており、最終製品の中核機能を構成する部品として位置付けられる電子機器の受託開発・製造・販売を行うEMS事業を主たる業務としております。
このため、一般景気動向及び個人消費動向等により当社グループの取引先企業の属する業界の状況が悪化した場合や最終製品の販売状況が芳しくない場合等には、当社グループの受注状況に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)取引先企業の生産変動
当社グループの主たる事業であるEMS事業は、当社取引先企業の生産状況に合わせて受託製造等を行っております。当社グループの取引先企業の多くは、国内に留まらず全世界に製品を出荷しており、出荷先の景気動向が生産数量に大きな影響を及ぼす状況となっており、生産変動は頻繁に生じております。さらに、これらの取引先企業は、為替変動、コストダウン要請等の課題も抱え、グローバルな視点での生産拠点最適化を模索しており、生産拠点自体の統廃合も戦略的、機動的に行われております。
こうした取引先企業の生産動向の変化や生産拠点戦略の変更等は、今後も規模の大小を問わず常に生じるものと考えられます。取引先企業の大規模且つ急激な生産変動が生じた場合には、当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。
(4)生産技術に関するリスク
当社グループの取引先企業である国内外のセットメーカーや部品メーカー等においては技術革新が早く、受託製造を行う当社グループにおいても要求される生産技術水準は年々高まっております。
取引先企業の要求する生産技術水準の高度化に対し、当社グループでは現場社員の徹底した教育を通じた技能向上や生産設備の維持・更新、生産ラインの合理化等による生産技術の向上及び競争力の維持に努めております。
しかしながら、今後、取引先企業における急速な技術革新等により、当社グループが取引先企業の要求する水準を満たせなかった場合や競争力を維持できなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)設備投資や固定資産の減損に関するリスク
当社グループは、生産能力拡大や製品の競争力維持のため、設備投資を行っております。設備投資にあたっては、極力汎用性の高い生産設備の投資を優先し、専用的な生産設備の投資については、取引先企業に一部又は全部の負担を求めること等によって、設備の余剰リスクや投資負担等の軽減を図るように努めております。しかしながら、取引先企業が生産や販売等の方針を変更した場合や、景気後退等により当社グループの設備投資が過大となった場合には、減価償却費の負担等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、工場、生産設備等の有形固定資産を保有しており、当社グループの固定資産の連結貸借対照表計上額については、当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローの見積りに基づく残存価額の回収可能性を定期的に評価しております。当社グループでは、各工場別の損益が当社グループの業績に直結するため、各工場別の損益管理を厳格に行い、事業収益の低下等が見られる場合には、当社グループ全体で速やかに対応策を講じるよう努めております。しかしながら、競合やその他の理由によって事業収益性が低下し当該資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、減損の認識が必要となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)製品の欠陥の可能性
当社グループにおいて製造している電子機器は、セットメーカーにおいて最終製品に組み込まれております。当社グループでは、品質マネジメントシステムに従って製品を製造し品質管理を行っております。また、セットメーカーにおいても受入検査及び最終製品検査などを実施しており、製品の欠陥の発生を未然に防止する仕組みが確保されております。しかしながら、万一、製造物責任賠償を追及される事態となった場合には、当社グループに何らかのコスト負担が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)自然災害・事故・その他の要因による影響
当社グループは、日本国内のほか、中国、香港、ベトナム、タイ、メキシコ及びドイツに事業拠点を有しております。このため、各事業拠点のある国々や地域において、地震、津波、豪雨、洪水、落雷等の自然災害、コンピュータウィルスの感染、部品調達先等の罹災によるサプライチェーン上の混乱、疫病の発生や蔓延、戦争、テロ行為、暴動あるいは労働争議等が発生し、当社グループの事業拠点が打撃を被った場合、操業の停止、生産・出荷が停止する恐れがあります。また、災害により電力・インフラが不安定になった場合、電力供給量の低下や物流ルートの遮断等社会インフラの不安定化による生産能力の低下、原材料の調達難、製品供給の遅延等、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)海外での事業展開
当社グループは、日本国内のほか、中国、香港、ベトナム、タイ、メキシコ及びドイツに事業拠点を有しており、2020年3月期の連結売上高に占める海外連結子会社の売上高は、中国及び香港の連結子会社の売上高が4割を占める等、約8割を占める状況であります。海外事業の展開にあたっては、不安定な政治情勢、不確実な事業環境若しくは経済環境、当社グループの製品の製造、輸出入や使用等に関する環境や安全等に係る規制を含む法令、労務管理に伴う困難及び人件費の上昇、高額な関税及び厳格な貿易規制、予期しない法令・税制・政策の新設又は変更や解釈の相違、電力、輸送、通信等の基幹となるサービスの停止・遅延等を起こしうる不安定なインフラ、為替レートの変動、法令、規制、商慣習におけるスタンダード及び実務上の取扱いの変更、テロ、戦争、伝染病、デモ、ボイコットの発生等のリスクが内在しております。これらのリスクが顕在化した場合、費用の増加、利益の減少、業務の混乱等を生じさせ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)為替変動リスク
中国、ベトナム、タイ及びメキシコにおける工場の操業に際して、米ドル等の外貨建資産を保有する必要が生じるため、当社グループは米ドル、香港ドル、人民元、ベトナム・ドン、タイ・バーツ、メキシコ・ペソ及び円の為替変動の影響を受ける可能性があります。基本的には為替リスクを回避するため、同一通貨による仕入と販売、顧客との為替リスク負担に関する取り決め等により為替リスクのヘッジに努めておりますが、急激な為替変動の影響により損失が生じることがあります。
また、当社グループは、中国、香港、ベトナム、タイ、メキシコ及びドイツに海外連結子会社を有しており、これら海外連結子会社の現地通貨建の資産、負債、収益、費用等の項目は、連結財務諸表作成の際には円換算されるため、当社グループの業績及び財政状態は為替相場の変動による影響を受けます。
(10)環境規制その他の法的規制
当社グループは、事業拠点がある各国各地域において、大気汚染、土壌汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けています。また、この他に当社グループが事業活動を行うにあたっては、国内外の様々な法令、規則による規制等の制約を受ける場合があります。当社グループは、これらの規制等に細心の注意を払いつつ事業を行っていますが、製品の製造販売活動や設備投資が制約を受ける等、事業展開に支障が生じる可能性がある他、各種の法規制が制定又は変更された場合はその遵守対応のための費用が増加し、あるいは当社グループにおいてこうした法規制の違反が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性や社会的評価に影響を与える可能性があります。
(11)部材供給停止のリスク
当社グループは、生産に必要な原材料を外部の材料メーカー及び商社から購入しております。購買戦略としてサプライヤー拠点の分散とセカンドソースの確保による部材の安定的な仕入に努めておりますが、原材料市況のひっ迫等により予定した部材の確保ができなくなった場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)機密情報の管理
当社グループは、業務を通じて、取引先企業の生産計画や新製品の開発及び製造に関わる機密性の高い情報に接することがあります。当社グループにおいてはこれらの機密情報を保護するための管理を行っておりますが、かかる管理が将来に亘って常に有効である保証はありません。予期せぬ事態により当社グループが保持又は管理する情報が流出し、第三者がこれを不正に取得又は使用するような事態が生じた場合、当社グループに対して損害賠償を求める訴訟が提起されるなど、当社グループの事業、業績、評判及び信用に悪影響を与える可能性があります。
(13)資金調達・金利変動
当社グループは、金融機関からの借入れ等により必要な事業資金を調達しております。借入実行に際しては金利動向に応じ、適宜、変動ないし固定金利調達としている他、デリバティブ取引(金利スワップ等)を活用することで金利変動リスクを軽減しておりますが、予期せぬ市場金利の変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)M&A等を含めた事業投資
当社グループは、主たる事業であるEMS事業の拡大と成長発展を促進するための手段として、国内及び海外の企業又は事業の買収等を積極的に検討していく方針であります。これらのアクションに応じて多額の資金需要が発生する可能性があるほか、のれんの償却やその事業の発展の鈍化、またその投資が必ずしも見込みどおりに当社グループの業績に寄与せず、業績貢献までに時間を要する可能性があります。また投資に対する回収、さらには利益の実現までにある一定の期間が必要であるとともに、投資の増加が収益を上回る可能性があります。特に、海外においては、為替リスク、取引先との関係構築、商習慣の違いや投資規制、宗教観の違いや政治的、法的障害に遭う可能性があります。これらの場合においては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)事業の継続性に重要な疑義を生じさせるような状況について
当社グループにおいては、過年度の不正の発覚に起因し、過年度調査や内部統制整備に伴う費用支出が発生するとともに、当社に対する金融機関の与信姿勢について従前と異なった不透明さが継続しており、手元流動性が低下している状況にあります。当該状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しています。
当該状況を解消すべく、引き続き、在庫の削減、保有債権の流動化、設備投資抑制等により流動性資金の残高向上に取り組んでおります。取引金融機関に対しては、適時に当社グループの経営成績及び財政状態を報告することで良好な関係の維持に努めており、メインバンクによる50億円の借入極度設定を行うとともに、2020年3月期末日以降の全取引金融機関との短期的な借入条件変更により、資金繰り安定化を図っております。
また、2020年3月27日開催の臨時株主総会及び2020年8月7日開催の定時株主総会で承認された新経営体制の下、各拠点における構造改革、不採算事業の見直し、原価低減活動等に取り組むことで、収益体質改善と信用の回復に取り組んでおります。ただし、これらの対応策は実施途上であり、現時点においては継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、当社の連結財務諸表及び四半期連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を反映しておりません。
(16)新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響について
新型コロナウイルス感染症の世界的な影響により、当社グループの一部の拠点において操業の停止や稼働縮小等の影響を受けております。
当社グループは従業員の健康・安全を最優先とし、感染予防・拡大防止に努めながら事業活動を行っておりますが、事態長期化により、当社グループの業績及び財政状態にさらなる影響を及ぼす可能性があります。
(17)本新株式第三者割当増資、本優先株式第三者割当増資及び本事業再生ADR手続に関するリスク
当社は、本有価証券届出書提出日付の取締役会において、本新株式第三者割当増資及び本優先株式第三者割当増資を行うことについて決議しており、また同日付で本事業再生ADR手続の正式申込を行う予定です。当社は、これらにより当社の財務基盤を強化することを予定しておりますが、本新株式第三者割当増資については、関連する競争当局の企業結合規制に基づく許認可等を勘案して、会社法上の払込期間を2021年2月11日から2021年11月26日までとしており、また、本新株式第三者割当増資に係る払込みは、「第一部 証券情報、第1 募集要項、1 新規発行株式」注1記載の各事項を条件としており、本優先株式第三者割当増資に係る払込みは、「募集又は売出しに関する特別記載事項」記載の各事項を条件としております。仮に本事業再生計画案が予定通り成立しない場合又は前述の払込みに係る前提条件を充足しないこと等により本新株第三者割当増資若しくは本優先株式第三者割当増資が行われない場合には、当社が想定した資金調達及び当社が計画する設備投資を行うことができず、また自己資本の充実と早期の財務体質の改善を実現することができず、金融機関から弁済を求められる等して資金繰りが悪化すること、当社の取引先に対する信用が悪化することなどにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(18)株式の希薄化及び需給への影響について
当社は、本有価証券届出書提出日付の取締役会において、本新株式第三者割当増資及び本優先株式第三者割当増資を行うことを決議致しました。本新株式第三者割当増資の目的である普通株式の総数は13,235,296株であり、2020年9月30日現在の当社普通株式の発行済株式総数19,295,180株(総議決権数192,913個)に対する割合は68.59%(総議決権数に対する割合は68.61%)となります。また、本優先株式第三者割当増資の目的である本優先株式の総数は7,000株であり、本優先株式については、株主総会における議決権はありませんが、普通株式を対価とする取得請求権が付されており、本優先株式の全部について下限取得価額にて普通株式を対価とする取得請求権が行使された場合には、最大で議決権数44,585,987個の普通株式が交付されることになり、2020年9月30日現在の当社の発行済普通株式に係る議決権の数(192,913個)に対して231.12%となります。
本新株式第三者割当増資及び本優先株式第三者割当増資の割当予定先が、当社株式を売却する場合には、当社の株式の需給に影響を与える可能性があり、また、当社の株価に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
2020年3月期連結会計年度
2020年3月期連結会計年度中、当社中国連結子会社において不適切な会計処理が行われている疑義が生じ、事実関係の徹底した調査の結果、当社は過年度に係る決算短信等を訂正するとともに、2014年3月期から2019年3月期までの訂正有価証券報告書及び訂正四半期報告書を関東財務局に提出いたしました。そして株式会社東京証券取引所から2019年12月18日付で特設注意市場銘柄に指定されております。
当社は今回の事態を極めて厳粛に受け止め、適切なガバナンス体制構築のため、2020年2月に新経営体制及びガバナンス体制改革案について公表し、2020年3月27日開催の臨時株主総会において、監査等委員会設置会社へ移行することを決議いたしました。
2020年3月期連結会計年度における経済環境は、米中通商問題に端を発した景気の先行き不透明感が続く中で、第4四半期以降の新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により各地において経済活動が停滞し、景気悪化の懸念が急速に強まりました。当社が属するエレクトロニクス業界においては、車載機器の電子化の傾向は継続しているものの、新型コロナウイルスの影響を受けた世界的な工場の稼働停止など、大きく影響が及び始めました。産業機器関連市場においては、工作機械受注の落ち込みが続きました。
これらの結果、2020年3月期連結会計年度の売上高は1,410億10百万円(前期比1.7%増)となりました。損益面においては、営業損益は51億88百万円の損失となり、前期に比べて44億18百万円の減少となりました。経常損益は、66億9百万円の損失となり前期に比べて47億80百万円の減少となりました。特別損益項目については、退職給付制度移管に係る非支配株主による負担金11億42百万円の特別利益、並びに、固定資産減損損失35億68百万円、退職給付制度移管に係る退職給付費用8億48百万円及び過年度決算訂正関連費用26億49百万円の特別損失をそれぞれ計上しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純損益は、125億71百万円の損失となり前期に比べて103億28百万円の減少となりました。
当社グループは、EMS事業とその他の事業を営んでおりますが、ほとんどがEMS事業のため、セグメント情報の記載を省略しております。
なお、EMS事業の製品分野別の売上高とその他の事業の売上高は以下のとおりであります。売上高の金額については、連結相殺消去後の数値を記載しております。
(イ) EMS事業
当社グループの主たる事業であるEMS事業の売上高は1,403億25百万円(前期比1.6%増)となりました。製品分野別の業績の概況は次のとおりであります。
(車載機器)
ライトのLED化に伴うエクステリア製品の拡大に加え、ボディ系・パワートレイン系、電動車向けパワーコントロール製品等、重要保安部品の好調により、売上高は693億43百万円(前期比10.7%増)となりました。
(産業機器)
前年度第2四半期より連結子会社となったUMC・Hエレクトロニクスのサーバ、ストレージ、ネットワーク機器売上が寄与したものの、FA機器関連が中国市場を中心に減速したことにより、売上高は346億78百万円(前期比3.1%減)となりました。
(OA機器)
プリンター市場の需要減少により、売上高は262億86百万円(前期比11.1%減)となりました。
(コンシューマー製品)
日系既存顧客からの受注拡大により、売上高は44億44百万円(前期比13.5%増)となりました。
(情報通信機器)
光ピックアップが主な製品であり、売上高は30億43百万円(前期比26.1%減)となりました。
(その他)
アミューズメント機器が主な製品であり、売上高は25億28百万円(前期比24.3%増)となりました。
(ロ) その他の事業
人材派遣業は好調に推移し、売上高は6億84百万円(前期比12.6%増)となりました。
2021年3月期第2四半期連結累計期間
2021年3月期第2四半期連結累計期間における当社グループの経営成績は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、一部拠点の一時稼働停止や、顧客生産拠点の稼働停止をうけた受注減少、電子部品の入手困難による一部製品の出荷遅れ等の影響を受けたものの、2021年3月期第2四半期の売上高は第1四半期比では19.5%増加し、不透明な状況は継続していますが、回復の兆しが見られます。
これらの結果、2021年3月期第2四半期連結累計期間の売上高は642億15百万円となりました。損益面においては、営業利益は71百万円、経常損益は1億6百万円の損失となりました。親会社株主に帰属する四半期純損益は、前期に特別損失として計上した過年度決算訂正関連費用などの特殊要因がなくなったことから、3億60百万円の損失となりました。
なお、2020年11月27日公表のとおり、UMC Electronics Mexico, S.A. de C.V.(UMC メキシコ社)及び UMC Electronics North America, Inc.(UMC 北米社)の撤退に係る損失の見込み額300百万円を事業構造改革費用として特別損失に計上する見込みであり、また、中国・橋頭工場の賃貸契約更新の結果、賃借金額が増加したことに伴い、使用権資産の追加減損が必要となったことにより、見込み額129百万円を特別損失に計上する見込みです。
当該事象の発生により、個別決算及び連結決算において、事業構造改革費用を2021年3月期第3四半期に120百万円、同第4四半期に180百万円を計上する見込みです。また、中国・橋頭工場における使用権資産の減損は、2021年3月期第3四半期の個別決算及び連結決算において129百万円を計上する見込みです。
当社グループは、EMS事業とその他の事業を営んでおりますが、ほとんどがEMS事業のため、セグメント情報の記載を省略しております。
なお、EMS事業の製品分野別の売上高とその他の事業の売上高は以下のとおりであります。売上高の金額については、連結相殺消去後の数値を記載しております。
(イ) EMS事業
当社グループの主たる事業であるEMS事業の売上高は638億64百万円となりました。製品分野別の業績の概況は次のとおりであります。
(車載機器)
重要保安部品の電動車向けパワーコントロール製品が増加したものの、自動車生産台数の大幅な減少や生産調整の影響を受け、売上高は317億18百万円となりました。
(産業機器)
サーバ、ストレージ、ネットワーク機器、新製品の取り扱い等が寄与したものの、中国市場向けFA機器の減少により、売上高は165億75百万円となりました。
(OA機器)
複合機の需要減少により、売上高は128億60百万円となりました。
(コンシューマー製品)
日系既存顧客からの受注減少により、売上高は12億0百万円となりました。
(情報通信機器)
光ピックアップが主な製品であり、売上高は6億71百万円となりました。
(その他)
アミューズメント機器が主な製品であり、売上高は8億37百万円となりました。
(ロ) その他の事業
人材派遣業は好調に推移し、売上高は3億50百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
2020年3月期連結会計年度
2020年3月期連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物につきましては、42億20百万円(前連結会計年度比34.3%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、4億27百万円の収入(前連結会計年度は1億6百万円の収入)となりました。これは主に、非資金項目である減価償却費(31億17百万円)、たな卸資産の減少(36億10百万円)、売上債権の減少(16億11百万円)等があった一方で、税金等調整前当期純損失(128億44百万円)等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、36億18百万円の支出(前連結会計年度は69億35百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出(43億71百万円)、投資有価証券の売却(8億87百万円)等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、11億22百万円の収入(前連結会計年度は78億23百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の増加(53億24百万円)、長期借入金の減少(34億3百万円)等があったことによるものであります。
2021年3月期第2四半期連結累計期間
2021年3月期第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ12億84百万円増加し、55億4百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、の5億81百万円の収入となりました。これは主にたな卸資産の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、12億88百万円の支出となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、20億74百万円の収入となりました。これは主に短期借入金の増加によるものであります。
(2)生産、受注及び販売の状況
2020年3月期連結会計年度
①生産実績
2020年3月期連結会計年度のEMS事業における生産実績を製品分野別に示すと、次のとおりであります。
|
製品分野の名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
車載機器 |
67,925,715 |
106.3 |
|
産業機器 |
33,891,620 |
93.3 |
|
OA機器 |
25,665,227 |
85.5 |
|
コンシューマー製品 |
4,317,583 |
109.8 |
|
情報通信機器 |
2,936,254 |
71.1 |
|
その他 |
2,269,045 |
26.1 |
|
合計 |
137,005,446 |
93.2 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.その他の事業については重要性が乏しいため記載を省略しております。
②受注実績
EMS事業については、顧客から提示された生産計画等に基づく受注生産を行っておりますが、受注から製品完成までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ一致するため、記載を省略しております。また、その他の事業については、大部分が派遣業務及び請負業務であるため、受注実績については記載を省略しております。
③販売実績
2020年3月期連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
EMS事業 |
140,325,964 |
101.6 |
|
車載機器 |
69,343,547 |
110.7 |
|
産業機器 |
34,678,612 |
96.9 |
|
OA機器 |
26,286,611 |
88.9 |
|
コンシューマー製品 |
4,444,508 |
113.5 |
|
情報通信機器 |
3,043,803 |
73.9 |
|
その他 |
2,528,881 |
124.3 |
|
その他の事業 |
684,266 |
112.6 |
|
合計 |
141,010,230 |
101.7 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
最近連結会計年度の前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
最近連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社小糸製作所 |
- |
- |
19,292,387 |
13.7 |
|
株式会社豊田自動織機 |
14,490,280 |
10.4 |
15,225,418 |
10.8 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
2021年3月期第2四半期連結累計期間
2021年3月期第2四半期連結累計期間において、特記すべき事項はありません。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを実施しております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
②財政状態の分析
2020年3月期連結会計年度
2020年3月期連結会計年度末における総資産は614億19百万円(前連結会計年度末比17.3%減)となりました。これは主に、現金及び預金の減少、債権流動化による売上債権の減少、減損損失計上による固定資産の減少によるものであります。
負債につきましては、580億4百万円(前連結会計年度末比1.9%増)となりました。これは主に、短期借入金の増加によるものであります。
純資産につきましては、34億14百万円(前連結会計年度末比80.4%減)となりました。これは主に、利益剰余金の減少によるものであります。
2021年3月期第2四半期連結累計期間
2021年3月期第2四半期連結会計期間末における総資産は623億17百万円(前連結会計年度末比1.5%増)となりました。
これは主に現金及び預金が増加したことによるものであります。
負債につきましては、591億31百万円(前連結会計年度比1.9増)となりました。これは主に短期借入金の増加によるものであります。
純資産につきましては、31億85百万円(前連結会計年度末比6.7減)となりました。これは主に利益剰余金の減少によるものであります。
③経営成績の分析
2020年3月期連結会計年度
a.売上高
環境規制強化等を背景とした車載分野での電動化への対応力を強化したことが奏功し、売上高は1,410億10百万円(前期比1.7%増)となりました。
b.売上原価
複数の新規案件の立上げなど先行投資、たな卸資産の評価等に関する見積り方法の変更等があり、1,390億46百万円(前期比3.7%増)となりました。
c.販売費及び一般管理費
不適切な会計処理の発覚に伴い、管理業務の立て直しに伴う外部専門家への支払が増加したこと等により、71億52百万円(前期比33.4%増)となりました。
d.営業損益
不適切な会計処理の発覚に伴う費用の増加、見積り方法の変更等により、営業損益は51億88百万円の損失(前期は7億69百万円の損失)となりました。売上高営業利益率は△3.7%(前期は△0.6%)となりました。
e.営業外収益(費用)、経常損益
営業外収益は、4億10百万円となり、主な内訳は受取地代家賃2億63百万円などであります。営業外費用は、18億30百万円となり、主な内訳は支払利息9億43百万円、為替差損5億84百万円などであります。
この結果、経常損益は66億9百万円の損失(前期は18億28百万円の損失)となりました。
f.特別利益
特別利益は14億13百万円であり、主な内訳は退職給付制度移管に係る負担金11億42百万円、受取保険金2億29百万円であります。
g.特別損失
特別損失は76億48百万円であり、主な内訳は固定資産の減損損失35億68百万円、過年度決算訂正関連費用26億49百万円、退職給付費用8億48百万円であります。
h.親会社株主に帰属する当期純損益
以上の結果、税金等調整前当期純損益は128億44百万円の損失(前期は18億96百万円の損失)となり、法人税、住民税及び事業税や、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引き、親会社株主に帰属する当期純損益は125億71百万円の損失(前期は22億43百万円の損失)となりました。
2021年3月期第2四半期連結累計期間
a.売上高
新型コロナウイルス感染症による世界各国での外出禁止・自粛対応により営業活動や出荷業務に制約を受けたことにより、売上高は642億15百万円となりました。
b.売上原価
売上高減少と同様の要因により、610億11百万円となりました。
c.販売費及び一般管理費
世界各国での外出禁止・自粛対応により旅費交通費等の経費が減少したものの、管理業務の立て直しに伴う外部専門家への支払が増加したこと等により、31億32百万円となりました。
d.営業損益
不適切な会計処理の発覚に伴う費用の増加、見積り方法の変更等により、営業損益は71百万円となりました。売上高営業利益率は0.1%となりました。
e.営業外収益(費用)、経常損益
営業外収益は、1億89百万円となり、主な内訳は受取地代家賃1億32百万円などであります。営業外費用は、3億68百万円となり、主な内訳は支払利息2億71百万円、為替差損23百万円などであります。
この結果、経常損益は1億6百万円の損失となりました。
f.特別利益
特別利益は73百万円であり、内訳は受取保険金41百万円、固定資産売却益32百万円であります。
g.特別損失
特別損失は94百万円であり、主な内訳は固定資産除却損7百万円、固定資産売却損27百万円、固定資産に係る減損損失59百万円であります。
h.親会社株主に帰属する四半期純損益
以上の結果、税金等調整前四半期純損益は1億27百万円の損失となり、法人税等、非支配株主に帰属する四半期純損失を差し引き、親会社株主に帰属する四半期純損益は3億60百万円の損失となりました。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
a. キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 [事業の状況] 3 [経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
b. 財務政策
当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、自己資金、借入により調達しております。
なお、連結子会社が資金調達を実施する際には、グローバルな資金効率を向上させる観点から、調達を現地法人取引通貨に合わせるため、またガバナンス強化を目的として現地金融機関からの借入を実施しております。
c. キャッシュ・フロー関連指標の推移
キャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。
|
|
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
19.1 |
23.2 |
5.3 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
68.6 |
41.3 |
6.9 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
12,194.3 |
222.8 |
60.9 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
0.0 |
0.2 |
0.5 |
(注)各指標の算出方法
自己資本比率: 自己資本÷総資産
時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債÷キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ: キャッシュ・フロー÷利払い
1. いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2. 株式時価総額は期末株価終値(東京証券取引所第一部)×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出して
おります。
3. 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としておりま
す。営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用して
おります。
4. 利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。