第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、社是に掲げる「心のこもった製品をおとどけします」を礎に、日系最大級のEMS(電子機器受託製造サービス)企業として、業界No.1のQCDS(品質、価格、納期、サービス)を目指します。また、開発・部材調達から基板実装・完成品に至るまで、どの拠点も共通の価値観の下、同レベルのきめ細かなサービスを提供することを基本方針としております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループが属しているEMS業界は、製造業のアウトソーシング需要の拡大とともに更なる成長が見込まれますので、目標とする経営指標としましては、営業利益率の向上と考えております。

 

(3) 会社の対処すべき課題

今後の世界経済情勢は、コロナ禍からの経済活動の正常化が進む一方、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化等の地政学リスクの高まりによるエネルギー価格及び資源価格の高止まりが継続し、世界的な金融引き締め、高インフレ、更なる物価高への懸念等、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

これに伴い、当社グループの主要事業であるEMS事業の各販売先企業におきましても、車載機器の電動化や自動運転技術の進展、デジタル技術の導入による高性能化等、車載機器や半導体、設備投資関連需要の増加基調による電子部品市場の拡大が見込まれております。

そのような中、2024年度の当社グループにおきましては、社是に掲げる「心のこもった製品をおとどけします」を礎に、以下4点に取り組んでおります。

1.コンプライアンス推進

2.従業員の安全と満足度向上

3.企業価値の向上

4.全てのステークホルダーへの貢献

そして、今後も引き続きサプライチェーンの維持・強化を図り、あらゆるロスの削減・撲滅に注力していくと同時に、強みを伸長させることで中長期的な持続的成長を見据えた収益の柱を強固なものとし、当社グループの業績向上とサステナブルな成長を実現すべく、EMS企業としての競争力を高めてまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みの状況は、次のとおりであります。

 

(1)ガバナンス及びリスク管理

①ガバナンス

気候変動をはじめとした地球規模の環境問題への配慮、人権の尊重、従業員を含む全てのステークホルダーへの公正・適正な事業活動など、社会や企業のサステナビリティを巡る課題解決を事業機会と捉え、これに向けた取組みを推進するため2022年12月に代表取締役社長を委員長として、以下、取締役、常勤監査等委員、経営役員で構成されるサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会では「重要課題(マテリアリティ)」や気候変動リスク等、サステナビリティ活動全般に関する全社の取組みについて、方向性を審議・決定し、活動計画の承認と実績の評価を行います。また、下部組織として環境分野及び人的資本分野を中心に、各業務部門を代表するメンバーで構成される分科会を設置し、サステナビリティ委員会をサポートする体制を構築しております。

取締役会は、サステナビリティ委員会で協議、決議された事項について、適宜報告、提案を受け議論するとともに、各業務部門における取組み全般を監督しています。

 

②リスク管理

当社グループでは、企業活動の持続的発展を脅かすあらゆるリスクに対処するため、リスク管理委員会を設けて、リスク項目の洗い出し、対策の点検や評価を行い、各関係部門と連携したリスク管理を実施しております。また、当社では、感染症のまん延や自然災害等の緊急事態が発生した場合、損失を最小限に抑え早期に生産を復旧させ、かつ顧客、従業員および近隣住民等への影響を最小限に抑えるための事業継続計画(BCP)対応マニュアルを制定しています。

なお、気候変動に係るリスク及び収益機会が当社の事業活動や収益等に与える影響については、現在その影響について分析を進めている状況です。TCFDまたはそれと同等の枠組みに基づき開示できるよう取り組んでまいります。

 

 

(2)人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略並びに指標及び目標

①戦略

 当社の持続的な成長のために新規学卒者、中途採用者を人種、性別、年齢の区別なく継続的に有用な人材の採用を行ってまいります。

 入社後は、キャリア形成に役立つ階層別研修を行い従業員の知識や能力の向上を図り、さらには上司との育成面談を通じて適切な評価を実施し成長を支援します。

 また、生産性の向上や離職率を抑えるため、熱意や意欲をもって働いているかなど定期的に従業員アンケートを行い、有益な人事制度の立案、策定、運用を図ってまいります。

 職場環境においては、育児・介護休業の取得推進の教育を行うとともに、フレックスタイム労働制、在宅勤務制度を導入し、従業員とその家族が健康で安心して働ける環境を整備してまいります。

 

②指標及び目標

 従業員のキャリア形成の一環として、2027年度迄に管理職のうち女性管理職の割合を5%にすることを目指します。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには主として以下のようなものがあります。なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況の動向等

当社グループは、日本国内のほか、主に中国、香港、ベトナム、タイの海外に事業拠点を有して事業活動を行っており、また、当社グループの取引先についても、その多くの企業が日本国内に留まらず全世界で事業を展開しております。このため、当社グループの事業活動は、日本や事業拠点の有る現地の国々や地域に限らず、世界的な経済環境や社会環境の変化及び景気動向の影響を受ける可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 取引先企業の業界動向等

当社グループは、自動車用電子制御装置、プリンター、産業用制御装置等のセットメーカー(自らのブランド力によって、最終消費者へ最終製品を販売する企業)や部品メーカー等を主要な取引先企業としており、最終製品の中核機能を構成する部品として位置付けられる電子機器の受託開発・製造・販売を行うEMS事業を主たる業務としております。

このため、景気動向及び個人消費動向等により当社グループの取引先企業の属する業界の状況が悪化した場合や最終製品の販売状況が芳しくない場合等には、当社グループの受注状況に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 取引先企業の生産変動

当社グループの主たる事業であるEMS事業は、当社取引先企業の生産状況に合わせて受託製造等を行っております。当社グループの取引先企業の多くは、国内に留まらず全世界に製品を出荷しており、出荷先の景気動向が生産数量に大きな影響を及ぼす状況となっており、生産変動は頻繁に生じております。さらに、これらの取引先企業は、為替変動、コストダウン要請等の課題も抱え、グローバルな視点での生産拠点最適化を模索しており、生産拠点自体の統廃合も戦略的、機動的に行われております。

こうした取引先企業の生産動向の変化や生産拠点戦略の変更等は、今後も規模の大小を問わず常に生じるものと考えられます。取引先企業の大規模かつ急激な生産変動が生じた場合には、当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 生産技術に関するリスク

当社グループの取引先企業である国内外のセットメーカーや部品メーカー等においては技術革新が速く、受託製造を行う当社グループにおいても要求される生産技術水準は年々高まっております。

取引先企業の要求する生産技術水準の高度化に対し、当社グループでは現場社員の徹底した教育を通じた技能向上や生産設備の維持・更新、生産ラインの合理化等による生産技術の向上及び競争力の維持に努めております。

しかしながら、今後、取引先企業における急速な技術革新等により、当社グループが取引先企業の要求する水準を満たせなかった場合や競争力を維持できなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 設備投資や固定資産の減損に関するリスク

当社グループは、生産能力拡大や製品の競争力維持のため、設備投資を行っております。設備投資にあたっては、極力汎用性の高い生産設備の投資を優先し、専用的な生産設備の投資については、取引先企業に一部又は全部の負担を求めること等によって、設備の余剰リスクや投資負担等の軽減を図るように努めております。しかしながら、取引先企業が生産や販売等の方針を変更した場合や、景気後退等により当社グループの設備投資が過大となった場合には、減価償却費の負担等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、工場、生産設備等の有形固定資産を保有しており、当社グループの固定資産の連結貸借対照表計上額については、当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローの見積りに基づく残存価額の回収可能性を定期的に評価しております。当社グループでは、各工場別の損益が当社グループの業績に直結するため、各工場別の損益管理を厳格に行い、事業収益の低下等が見られる場合には、当社グループ全体で速やかに対応策を講じるよう努めております。しかしながら、競合やその他の理由によって事業収益性が低下し当該資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、減損の認識が必要となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 製品の欠陥の可能性

当社グループにおいて製造している電子機器は、セットメーカーにおいて最終製品に組み込まれております。当社グループでは、品質マネジメントシステムに従って製品を製造し品質管理を行っております。また、セットメーカーにおいても受入検査及び最終製品検査などを実施しており、製品の欠陥の発生を未然に防止する仕組みが確保されております。しかしながら、万一、製造物賠償責任を追及される事態となった場合には、当社グループに何らかのコスト負担が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 自然災害・事故・その他の要因による影響

当社グループは、日本国内のほか、主に中国、香港、ベトナム、タイの海外に事業拠点を有しております。このため、各事業拠点のある国々や地域において、地震、津波、豪雨、洪水、落雷等の自然災害、コンピュータウイルスの感染、部品調達先等の罹災によるサプライチェーン上の混乱、感染症の発生や蔓延、戦争、テロ行為、暴動あるいは労働争議等が発生し、当社グループの事業拠点が打撃を被った場合、操業の停止、生産・出荷が停止する恐れがあります。また、災害により電力・インフラが不安定になった場合、電力供給量の低下や物流ルートの遮断等社会インフラの不安定化による生産能力の低下、原材料の調達難、製品供給の遅延等、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 海外での事業展開

当社グループは、日本国内のほか、主に中国、香港、ベトナム、タイの海外に事業拠点を有しており、2024年3月期の連結売上高に占める海外連結子会社売上高は、連結売上高全体の8割を超え、そのうち中国及び香港の連結子会社の売上高が5割を占めます。海外事業の展開にあたっては、不安定な政治情勢、不確実な事業環境若しくは経済環境、当社グループの製品の製造、輸出入や使用等に関する環境や安全等に係る規制を含む法令、労務管理に伴う困難及び人件費の上昇、高額な関税及び厳格な貿易規制、予期しない法令・税制・政策の新設又は変更や解釈の相違、電力、輸送、通信等の基幹となるサービスの停止・遅延等を起こしうる不安定なインフラ、為替レートの変動、法令、規制、商慣習におけるスタンダード及び実務上の取扱いの変更、感染症の発生や蔓延、戦争、テロ行為、暴動あるいは労働争議発生等のリスクが内在しております。これらのリスクが顕在化した場合、費用の増加、利益の減少、業務の混乱等を生じさせ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 為替変動リスク

中国、ベトナム及びタイにおける工場の操業に際して、米ドル等の外貨建資産を保有する必要が生じるため、当社グループは米ドル、香港ドル、人民元、ベトナム・ドン、タイ・バーツ及び円の為替変動の影響を受ける可能性があります。基本的には為替リスクを回避するため、同一通貨による仕入と販売、顧客との為替リスク負担に関する取り決め等により為替リスクのヘッジに努めておりますが、急激な為替変動の影響により損失が生じることがあります。

また、当社グループは、中国、香港、ベトナム、タイ、メキシコ、ドイツ及びアメリカに海外連結子会社を有しており、これら海外連結子会社の現地通貨建の資産、負債、収益、費用等の項目は、連結財務諸表作成の際には円換算されるため、当社グループの業績及び財政状態は為替相場の変動による影響を受けます。

 

(10) 環境規制その他の法的規制

当社グループは、事業拠点がある各国各地域において、大気汚染、土壌汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル、地球温暖化防止、エネルギー等に関する様々な環境関連法令の適用を受けています。また、この他に当社グループが事業活動を行うにあたっては、国内外の様々な法令、規則による規制等の制約を受ける場合があります。当社グループは、これらの規制等に細心の注意を払いつつ事業を行っていますが、製品の製造販売活動や設備投資が制約を受ける等、事業展開に支障が生じる可能性がある他、各種の法規制が制定又は変更された場合はその遵守対応のための費用が増加し、あるいは当社グループにおいてこうした法規制の違反が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性や社会的評価に影響を与える可能性があります。

 

(11) 部材供給停止のリスク

当社グループは、生産に必要な原材料を外部の材料メーカー及び商社から購入しております。購買戦略としてサプライヤー拠点の分散とセカンドソースの確保による部材の安定的な仕入に努めておりますが、「(7) 自然災害・事故・その他の要因による影響」に記載しました背景も含め、原材料市況のひっ迫等により予定した部材の確保ができなくなった場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 機密情報の管理

当社グループは、業務を通じて、取引先企業の生産計画や新製品の開発及び製造に関わる機密性の高い情報に接することがあります。当社グループにおいてはこれらの機密情報を保護するための管理を行っておりますが、かかる管理が将来に亘って常に有効である保証はありません。予期せぬ事態により当社グループが保持又は管理する情報が流出し、第三者がこれを不正に取得又は使用するような事態が生じた場合、当社グループに対して損害賠償を求める訴訟が提起されるなど、当社グループの事業、業績、評判及び信用に悪影響を与える可能性があります。

 

(13) 資金調達・金利変動

当社グループは、金融機関からの借入れ等により必要な事業資金を調達しております。借入実行に際しては金利動向に応じ、適宜、変動ないし固定金利調達としている他、デリバティブ取引を活用することで金利変動リスクを軽減しておりますが、予期せぬ市場金利の変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) M&A等を含めた事業投資

当社グループは、主たる事業であるEMS事業の拡大と成長発展を促進するための手段として、国内及び海外の企業又は事業の買収等を積極的に検討していく方針であります。これらのアクションに応じて多額の資金需要が発生する可能性がある他、のれんの償却やその事業の発展の鈍化、またその投資が必ずしも見込みどおりに当社グループの業績に寄与せず、業績貢献までに時間を要する可能性があります。また投資に対する回収、さらには利益の実現までにある一定の期間が必要であるとともに、投資の増加が収益を上回る可能性があります。特に、海外においては、為替リスク、取引先との関係構築、商習慣の違いや投資規制、宗教観の違いや政治的、法的障害に遭う可能性があります。これらの場合においては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における経済情勢は、部材不足の緩和による製造業の景況の持ち直しはあるものの、依然としてエネルギー価格及び資源価格の高止まりが継続しており、世界的な金融引き締め、高インフレ、更なる物価高への懸念は根強く、加えて中国経済の先行きが懸念されるなど、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

このような状況の下、当連結会計年度の売上高は1,312億89百万円(前年同期比18.8%減)となりました。損益面においては、営業利益は20億43百万円(前年同期比8.0%減)、経常利益は12億33百万円(前年同期比4.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は10億21百万円(前年同期比60.3%増)となりました。

 

当社グループは、EMS事業とその他の事業を営んでおりますが、ほとんどがEMS事業のため、セグメント情報の記載を省略しております。

なお、EMS事業の製品分野別の売上高とその他の事業の売上高は以下のとおりであります。売上高の金額については、連結相殺消去後の数値を記載しております。

 

① EMS事業

当社グループの主たる事業であるEMS事業の売上高は1,305億35百万円(前年同期比18.9%減)となりました。製品分野別の業績の概況は次のとおりであります。

 

(車載機器)

電動自動車市場の拡大による需要増の状況は継続しているものの、日本車の中国市場における需要低迷の影響があり、また一部顧客との取引について当連結会計年度より代理人取引として収益を純額で計上したことにより、売上高は755億96百万円(前年同期比7.9%減)となりました。

 

(産業機器)

半導体設備投資需要の復調による売上増加はあるものの、制御機器製品の中国市場における低迷による取扱高の減少により、売上高は243億49百万円(前年同期比22.2%減)となりました。

 

(OA機器)

在宅需要による増産の反動に起因する複合機やレーザープリンター向け製品の取扱高の減少及び市場での在庫水準の高止まりに伴う影響を受け、売上高は300億43百万円(前年同期比35.6%減)となりました。

 

(その他)

コンシューマー製品とアミューズメント向け開発が主な事業内容になり、売上高は5億45百万円(前年同期比42.4%減)となりました。

 

② その他の事業

人材派遣業の売上高は7億54百万円(前年同期比7.3%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物につきましては、102億66百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは86億60百万円の収入(前連結会計年度は3億61百万円の収入)となりました。これは主に、棚卸資産の減少によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは47億44百万円の支出(前連結会計年度は87億61百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、34億54百万円の支出(前連結会計年度は101億43百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の返済によるものであります。

 

生産、受注及び販売の実績

(1) 生産実績

当連結会計年度のEMS事業における生産実績を製品分野別に示すと、次のとおりであります。

 

製品分野の名称

生産高(百万円)

車載機器

75,288

産業機器

24,100

OA機器

29,704

その他

259

合計

129,354

 

(注) 1.金額は販売価格によっております。

2.その他の事業については重要性が乏しいため記載を省略しております。

 

(2) 受注実績

EMS事業については、顧客から提示された生産計画等に基づく受注生産を行っておりますが、受注から製品完成までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ一致するため、記載を省略しております。また、その他の事業については、大部分が派遣業務及び請負業務であるため、受注実績については記載を省略しております。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

EMS事業

130,535

車載機器

75,596

産業機器

24,349

OA機器

30,043

その他

545

その他の事業

754

合計

131,289

 

(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社豊田自動織機

43,149

26.7

41,206

31.4

キヤノン株式会社

16,280

10.1

 

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを実施しております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は790億15百万円(前連結会計年度末比57億70百万円減少)となりました。これは主に、有形固定資産が増加した一方で、棚卸資産が減少したことによるものであります。

負債につきましては、592億97百万円(前連結会計年度末比74億77百万円減少)となりました。これは主に、長期借入金が増加した一方で、短期借入金及び買掛金が減少したことによるものであります。

純資産につきましては、197億17百万円(前連結会計年度末比17億7百万円増加)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び為替換算調整勘定が増加したことによるものであります。

 

 

(3) 経営成績の分析
① 売上高

在宅需要の増産の反動及び市場での在庫水準の高止まりによるOA機器分野の低迷に加え、中国市場における車載機器分野及び制御機器製品の減少により、売上高は1,312億89百万円(前年同期比18.8%減)となりました。

 

② 売上原価

売上高の減少に比例した減少に加え、改善取組みによる労務費及び経費の減少により、売上原価は1,239億50百万円(前年同期比19.2%減)となりました。

 

③ 販売費及び一般管理費

物流の正常化により運搬費が減少したこと等により、販売費及び一般管理費は52億95百万円(前年同期比12.3%減)となりました。

 

④ 営業損益

上記の状況により、営業損益は20億43百万円の利益(前年同期比8.0%減)となりました。また、売上高営業利益率は1.6%(前連結会計年度は1.4%)となりました。

 

⑤ 営業外収益(費用)、経常損益

営業外収益は15億10百万円となり、主な内訳は受取地代家賃11億96百万円、受取利息1億45百万円、為替差益43百万円であります。営業外費用は23億21百万円となり、主な内訳は賃貸費用11億82百万円、支払利息8億93百万円であります。

この結果、経常損益は12億33百万円の利益(前年同期比4.5%増)となりました。

 

⑥ 特別利益

特別利益は0百万円であります。

 

⑦ 特別損失

特別損失は1億94百万円であり、内訳は特別退職金98百万円、固定資産売却損55百万円、固定資産除却損21百万円、減損損失19百万円であります。

 

⑧ 親会社株主に帰属する当期純損益

以上の結果、税金等調整前当期純損益は10億39百万円の利益(前年同期比6.0%減)となり、法人税、住民税及び事業税や、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引き、親会社株主に帰属する当期純損益は10億21百万円の利益(前年同期比60.3%増)となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 [事業の状況] 4 [経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

② 財務政策

当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、自己資金、借入により調達しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。