第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「高齢化社会のなかで、すべての人々が仕事を通じて社会に貢献し、生きがいを見つけることのできる世の中の実現を目指します。」という企業理念のもと、我が国における高齢化社会の進展に伴う、労働人口の減少による人手不足の解消と、高齢者が必要とするサービスが継続的に供給される社会の実現とを課題と捉え、当社の展開する「高齢化社会型人材サービス」を通じて、その課題解決を目指しております。

 

(2) 目標とする経営指標

高い成長性と収益性及び企業価値の向上が経営上の重点課題と認識しており、成長性については売上高対前年比率、収益性については売上高営業利益率などの経営指標を重視しております。

 

(3) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① シニア人材の就業機会の拡大

現状、多くの業界や各企業においてはシニア人材の活用を敬遠し、若者を雇用する傾向であることは否めません。当社では、シニアの就業率の低いクライアントに対し、当初は若年層も含む幅広い年代の人材提供を行うことでクライアントの業務内容の理解を高め、シニア活用コンサルティングにより、シニアでも対応可能と考えられる業務を抽出し、業務分析及び業務フローの改善提案を行っております。このような業務分析と実際の就業状況をノウハウ・実績として蓄積することで、アクティブシニアの高い就業率を図っております。

今後もクライアントに対し、シニア人材の活用ノウハウを啓蒙することなどにより、シニア人材の就業機会を拡大させることや当社のシニア活用コンサルタントの育成強化及び対応業種の拡大が当社の成長のために必要な課題と認識しております。

 

② 人材確保と育成

当社グループ事業の中長期的な成長のためには、優秀な人材の確保と育成が重要であると考えております。積極的な採用活動、教育研修の充実、人事評価制度の構築、魅力ある職場づくりなどが課題であると認識しております。

 

③ スタッフ募集の効率化

アクティブシニアの募集については、シニアのITリテラシー(ITを使いこなす能力)の向上に伴い、紙媒体に変わる自社WEBサイトの強化など、メディアによる募集の効率及び認知度の向上が当社の業績向上を図るための課題と認識しております。

また、看護師や介護士の求職者の獲得競争が激しい状況にあり、今後も一層の激化が想定されます。これに対して、自社サイトのユーザビリティ向上やコンテンツ強化などを推し進め、ブランドや認知度の向上が課題であると認識しております。

 

④ 経営管理体制の強化

当社グループは、企業規模の拡大の基礎となる経営管理体制、コーポレート・ガバナンスをより強化し、支店運営上の問題点の把握、コンプライアンスの徹底、適切なディスクロージャーやIR活動に取り組むことが企業価値の向上に繋がるものと認識しております。

 

⑤ 新規事業開発

当社グループの経営理念「高齢化社会のなかで、すべての人々が仕事を通じて社会に貢献し、生きがいを見つけることのできる世の中の実現を目指します。」を実現するためには、高齢化社会型人材サービスの強化とシニアへの新たなサービス開発が重要であると認識しております。

 

 

⑥ 新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症を発端とする国内外の経済への影響は当連結会計年度末現在において、緩やかに回復することの兆しがあるものの、来期以降も継続すると判断しております。当社グループでは、緊急事態宣言の発令後、在宅ワークの推奨、社内インフラの整備、販管費の抑制等を行って参りました。今後の影響も勘案し、引き続き従業員の働き方の改善ならびに販管費のコントロールをおこない、来るべき景気回復に備えるべく、国内外の経済環境を注視してまいります。当社グループの事業に係る新型コロナウイルス感染症の影響は、「2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大は、今後の経過によっては、当社グループの業績および財務状況にさらに影響を及ぼす可能性があり、引き続き注視してまいります。

 

(1) 事業の許認可と法的規制について

① 人材派遣事業

当社グループは、労働者派遣法その他関連法令に従い、厚生労働大臣の許可を受け、人材派遣事業を行っております。現時点において、当社グループは、労働者派遣法等に抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後何らかの理由により、当社グループ並びにその役職員が法令に抵触した場合には、許可の取り消し又は業務の停止等の処分を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、労働者派遣法その他関連法令については、経済環境・社会環境の変化に応じて改正される可能性が高く、改正内容によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの場合は、シニア人材に特化していることから、わが国の労働力不足や財政の逼迫によるシニア人材活用の必要性から改正によるリスクは競合他社と比較して小さいと思われるものの、労働者派遣法その他関連法令の改正内容によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材紹介事業

当社グループは、職業安定法その他関連法令に従い、厚生労働大臣の許可を受け、人材紹介事業を行っております。現時点において、当社グループは、職業安定法等に抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後何らかの理由により、当社グループ並びにその役職員が法令に抵触した場合には、許可の取り消し又は業務の停止等の処分を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

会社名

許認可の名称

監督官庁

許可番号

取得年月日

有効期限

株式会社キャリア

一般労働者派遣事業

厚生労働省

派13-304437

2009年7月1日

2022年6月30日

有料職業紹介事業

厚生労働省

13-ユ-304348

2009年11月1日

2022年10月31日

 

 

③ その他

当社グループは、看護師や介護士をはじめとした有資格者を対象とした人材派遣、人材紹介を行っているため、今後これらの資格を規定する社会福祉士及び介護福祉士法や保健師助産師看護師法等が改定された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 社会保険料の負担について

当社グループは、加入要件を満たす派遣スタッフの社会保険への加入を徹底しております。社会保険料の保険料率や対象範囲は、社会的情勢によって改正されていることから、社会保険料の会社負担金額が上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) スタッフの確保について

当社グループは、シニア人材及び介護施設等に向けた人材サービスに特化した事業を行っております。シニアスタッフの個々のライフスタイルを尊重し、適切な職場を提供するために、スタッフにアンケート、ヒアリング、カウンセリングなどを行なっております。これによりスタッフの意向や希望を的確に把握し、スタッフの多様なニーズに対応することで、効率的なスタッフ登録とマッチングを推進しております。これらの取り組みと的確なスキルマッチングにより就業機会の創出を行うことで、当社グループのブランド力の向上を図っておりますが、競合他社と比較して当社グループの信用力、ブランド力が低下した場合、優良なシニアスタッフ及び看護師、介護士等のスタッフ確保が困難若しくは非効率となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 競争の激化について

人材サービス業界は、比較的少額の資本からでも参入が容易なため、多数の競合他社が存在しております。当社グループといたしましては、設立以来、シニア人材に特化した人材サービスを行っており、競合他社よりも優位となりうる実績とノウハウを有していると考えておりますが、多くの競合他社が当社グループの事業分野に参入した場合、価格競争激化による収益性の悪化など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) コンプライアンスについて

当社グループは、業務に従事する者(派遣社員及び業務委託先の従業員を含む)が法令や社内規程を遵守するよう、コンプライアンス規程を制定し、教育・研修などを通じた啓発活動を行うことにより従業員等のコンプライアンス意識を高めるとともに、内部通報窓口の設置やコンプライアンス委員会の開催によりコンプライアンス違反の把握と未然防止に努めております。

しかし、万が一重大なコンプライアンス違反が発生した場合、顧客等からの信頼を著しく損ね、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 個人情報の取扱いについて

当社グループが保有する登録スタッフなどの個人情報の取扱いについては、個人情報保護法に従い、当社グループ業務管理システムにて管理しております。また、当社グループはプライバシーマーク認証、JISQ27001:2014(ISO/IEC27001:2013)認証を取得しており、これらに従い情報漏洩の防止を徹底しております。しかしながら、不測の事態により、個人情報が外部に漏えいし、情報主体者に被害が発生した場合には、損害賠償及び社会的信用の失墜などにより、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 自然災害及びシステム障害について

当社グループは、全国に営業拠点を有しており、地震、津波、台風などの自然災害に対して迅速かつ的確な対応を行ってまいりますが、想定外の大規模災害が起きた場合、一定の事業運営が困難になる可能性があります。

また、人材サービスの事業の性質上、多数のスタッフや顧客企業と提携しており、スタッフの安否確認や契約内容の調整等、多大な業務負荷を要することから当社グループの事業運営に影響を与えるとともに、財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。

さらに当社グループは、事業活動をコンピュータシステムやネットワークに大きく依存しており、当社グループの業務管理システム内に、登録スタッフの個人情報や顧客企業の基本情報等を大量に保有しております。このため、システムのセキュリティやバックアップ体制の強化等、不測の事態に備えて対策を講じておりますが、これらの対策にも関わらず人為的ミスや自然災害などにより業務管理システム等に障害が発生した場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。またそれが長期化した場合には、スタッフに対する勤怠管理、給与の支払、顧客に対する代金の請求、与信管理の業務等に支障を来し、当社グループの提供するサービスの信頼性の低下や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 内部管理体制について

当社は、2009年4月に設立し、今後の事業展開や成長を支えるためにも内部管理体制のより一層の充実を図っていく予定であります。

今後、事業規模の拡大に合わせ、内部管理体制も充実・強化させていく方針ではありますが、事業の拡大及び人員の増加に適時適切に組織的な対応ができなかった場合、事業展開に影響が出るなどして、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 人材サービス業界の動向について

当社グループが属する人材サービス業界は、社会情勢、景気動向や雇用情勢等の影響を受けやすいものであります。新型コロナウイルス感染症の影響により、一時的に市場環境の悪化ならびに既存顧客の人材需要の減退が発生しております。現状、社会情勢については回復基調ではあるものの、今後さらに景気後退した場合には、顧客との労働者派遣契約数の急激な減少や人材紹介の需要減など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 新規事業進出について

当社グループでは、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するために、新規事業への取り組みを進めていく方針であります。新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の期間を要することが予想され、全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新規事業が当社グループの目論見どおりに推移せず、新規事業への投資に対し、十分な回収を行うことができなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 訴訟について

現時点で、当社グループは損害賠償を請求されている事実や訴訟を提起されている事実はありません。当社グループは法令違反となるような行為を防止するための内部管理体制を構築するとともに、取引先、従業員その他の第三者との関係において、訴訟リスクを低減するよう努めております。しかしながら、当社グループの登録スタッフによる派遣先等でのトラブルが発生した場合や、取引先等との関係に何かしらの問題が生じた場合には、これらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起されるリスクがあります。かかる損害賠償の金額、訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの社会的信用、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 大株主について

当社の創業者である川嶋一郎は当社の代表取締役会長兼社長であるため、当社といたしましても安定株主であると認識しておりますが、本書提出日現在、当社発行済株式総数の50.21%を保有しており、将来的に同氏により当社株式が売却された場合、当社株式の市場価格や流通状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(13) BH株式会社が出資する企業との関係について

当社の代表取締役会長兼社長である川嶋一郎が代表取締役を務めるBH株式会社は、創業支援やスタートアップ投資を目的とした経営コンサルティング事業を行っており、人材サービスに関わる出資先として下表の会社に出資しております。

会社名

事業内容

BH株式会社/

川嶋一郎の出資比率

株式会社アズスタッフ

ドライバー、保育士を主とした人材派遣

91.1%

WML,.ltd

米国における人材紹介

35.2%

 

当社グループは、BH株式会社が出資する会社との間で取引関係はなく、人的な交流も行われておりません。BH株式会社の運営方針は、原則として、創業時若しくはスタートアップ期の企業に対し資金提供を行い、企業の成長に応じて段階的な株式譲渡により資金回収を行い、同時に持株比率を低下させるものとしております。そのため、出資先各社の経営は経営陣に一任し、経営判断及び事業展開には一切関与せず、人材サービスを営む会社の役員の兼務や、出資先各社間の交流、関係強化は行わない方針であります。当社グループとしましては、コーポレート・ガバナンスの強化の一環で、BH株式会社及び同氏による事業調整の可能性を排除することを目的に、当グループ社及びBH株式会社並びに同氏との間で、BH株式会社及び同氏が今後新たに当社グループと競合する事業を行う企業への出資を事前に防止するための協定書を三者間で締結し、当社グループ事業に毀損が生じないよう管理しております。なお、出資前に、同氏は当社取締役会にて当該出資予定先の事業内容の説明を行い、同氏を除く取締役会参加者が競合の有無について協議の上、その結果を同氏へ伝えることとしております。

川嶋一郎は当社の筆頭株主であり、BH株式会社を通じ様々な会社への出資も継続することとなりますが、当社は独立性の高い社外役員を選任し透明性の高いガバナンス体制を構築しているほか、BH株式会社との人的・資本的関係を有していないことから、事業展開にあたっては、独自に意思決定し実行してまいります。ただし、川嶋一郎及びBH株式会社の各社に対する出資や経営の方針等に変更が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(14)新型コロナウイルス感染症の影響について

当社グループの事業は人材派遣業が主力となり、売上高は派遣先企業との労働者派遣契約に基づく派遣料金、その原価の大部分は派遣労働者に関連する給与ならびに法定福利費となります。当連結会計年度末現在において、新型コロナウイルス感染症の影響は、派遣先企業の派遣労働者の受け入れ枠の減少ならびに既存の派遣労働者のシフト減等が発生しており、派遣労働者の稼働時間減少に伴う売上高の減少ならびに有給休暇取得の増加などによる原価率の上昇が発生いたしました。

今後、新型コロナウイルス感染症の更なる拡大感染が発生し、国内外の情勢ならびに雇用環境の悪化が発生した場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の概要

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況が続いているものの、ワクチン接種による新規感染者数の減少等により9月末に緊急事態宣言が解除されるなど、行動制限の緩和による経済活動の正常化に向けた動きが見られてまいりました。

しかしながら、新たな変異株の発生等による緊急事態宣言の再発出に起因する景気の下振れリスクは依然として無くならない状況にあり、予断を許さない状況は続いております。

人材サービス業界を取り巻く環境におきましては、厚生労働省が発表した2021年9月の有効求人倍率が1.16倍と低水準の状態に加え、総務省統計局が発表した2021年9月の完全失業率の指数は2.8%と低水準に留まる等、人材需要は回復しつつも依然として新型コロナウイルス感染症の影響が継続しております。

このような経済状況のもと、当社グループの運営する「高齢化社会型人材サービス」の環境は、内閣府の2021年版高齢社会白書によりますと、当社グループで定義しておりますアクティブシニア(55歳以上の働く意欲のある人)の労働力人口は、2020年度の推計で2,126万人(前年対比1.5%増)、総労働力人口の31.0%を占めております。アクティブシニアの労働力人口は年々増加傾向にあり、当社グループの事業領域も拡大していくことが見込まれます。

このような経営環境の中、当社は継続的な企業価値の向上を実現すべく、既存事業の継続成長及び中長期での業績向上を目的とした新たな取り組みを実施してまいりました。

新型コロナウイルス感染症による影響につきましては、シニアワーク事業のホワイトカラー分野においては、新型コロナウイルス感染症に関連するコールセンター業務を受注し売上高に寄与しましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大前に受注していた案件等は受注減となっており、全体的な受注としては、新型コロナウイルス感染症の拡大前の水準に回復しておりません。一方、シニアケア事業においては、介護施設等に対しての派遣事業であり、このような社会情勢下の中でも大きな影響を受けることはありませんでした。

新型コロナウイルス感染症の影響を勘案し、当社は期初に掲げた方針の通り、事業所に係る家賃を削減すべく、東京本社、大阪支店、福岡支店、札幌支店の移転を実施いたしました。移転の実施による当期の業績への寄与は、今期は移転に係る出退店費用等も発生しており、貢献しないと見込んでおりますが、中長期的に当社の業績に影響を及ぼすものと見込んでおります。

以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は前年同期比1,936,685千円(15.8%)増収の14,184,491千円、営業利益は、479,707千円増益の481,689千円、経常利益は、477,766千円増益の482,449千円となりました。これに特別損益、法人税等を加減した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比108,256千円増益の68,912千円となりました。

 

なお、当社グループは「高齢化社会型人材サービス」の単一セグメントでありますが、事業別の業績を示すと以下のとおりであります。

① シニアワーク事業

シニアワーク事業は、主にコールセンター、公共機関における事務作業を行うホワイトカラー職種とビルメンテナンス、ベッドメイキング、ロジスティックスなどの身体的な作業を行うブルーカラー職種との2つの分野においてアクティブシニアの人材派遣、人材紹介及び業務請負を行っております。新型コロナウイルス感染症の影響が継続していることもあり、シニアワーク事業内における販売費及び一般管理費を圧縮し、利益率の改善に努めました。2021年3月にはシニア人材の新たな活用を実現すべく、障がい者雇用支援事業を展開する子会社を設立いたしました。また、引き続き取扱い職種の開拓及び新たな働き方の提案が課題であると認識しており、シニア活用コンサルタントの採用育成の強化を図っております。

この結果、シニアワーク事業の売上高は3,903,814千円(前年同期比8.8%減)となりました。

 

② シニアケア事業

シニアケア事業は、主に介護施設に対して、看護師や介護士等の有資格者の人材派遣、人材紹介及び紹介予定派遣を行っております。本事業においては、人手不足に悩む全国の介護施設への人材供給を行うべく積極的な支店開設を基本方針としており、この方針に則り、2021年4月に新潟支店、同年8月に金沢支店、松本支店、同年9月に沖縄支店を開設するとともに、既存支店においては、業績拡大を目的に、既存支店の中での担当地域の細分化による営業活動の深堀、自社求人サイト内のコンテンツを拡充させるとともに、登録スタッフ増加のための広告宣伝の強化、従業員採用の強化を図っております。

また、一部のエリアにおいては、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の為の看護師の派遣案件を受注するなど柔軟に対応して参りました。

この結果、シニアケア事業の売上高は10,280,676千円(前年同期比29.0%増)となりました。

 

 

(2) 財政状態

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は、のれんなどが減少したものの、売掛金が増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して1,328,249千円増加し、4,831,558千円となりました。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、長期借入金などが減少したものの、短期借入金、未払金、未払費用、未払法人税等が増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して1,214,089千円増加し、3,439,222千円となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末と比較して114,159千円増加し、1,392,336千円となりました。

この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の35.3%から27.0%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ25,134千円増加し、1,612,700千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、使用した資金は206,099千円(前年同期は263,502千円の収入)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益318,051千円の計上、のれん償却額212,782千円の計上、減価償却費23,482千円の計上、未払費用の増加353,781千円が生じた一方で、売上債権の増加1,316,095千円、法人税等の支払額18,332千円、未払消費税等の減少22,500千円が、生じたことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は58,416千円(前年同期は68,184千円の支出)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出が15,725千円、無形固定資産の取得による支出が22,150千円、資産除去債務による支出が48,910千円、差入保証金の回収による収入が106,262千円、差入保証金の差入による支出が82,351千円が生じたことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、獲得した資金は289,650千円(前年同期は180,464千円の収入)となりました。

これは主に、短期借入金300,000千円が増加した一方で、長期借入金の返済による支出10,296千円、配当金の支払額53千円が生じたことによるものであります。

 

生産、受注及び販売の実績

(1) 生産実績

当社は、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(2) 受注実績

当社は、高齢化社会型人材サービスを営んでおり、提供するサービスの関係上、受注状況の記載になじまないため記載しておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績を事業別に示しますと、次のとおりであります。

 

事業の名称

当連結会計年度

(自 2020年10月1日

至 2021年9月30日)

前年同期比(%)

シニアワーク事業

(千円)

3,903,814

△8.8

シニアケア事業

(千円)

10,280,676

29.0

合計(千円)

14,184,491

15.8

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果と異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(固定資産及びのれんの減損)

当社グループは、固定資産及びのれんのうち減損の兆候がある資産または資産グループにつき、将来の収益性が著しく低下した場合には、固定資産及びのれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。固定資産及びのれんにおける回収可能価額の評価の前提条件は、決算時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断していますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくため、将来の経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。

減損損失の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)」に記載のとおりです。

 

(繰延税金資産)

当社グループは、将来の課税所得や実現可能性の高いタックス・プランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。業績の変動等により、将来の課税所得やタックス・プランニングに変更が生じた場合は、繰延税金資産が増加または減少する可能性があります。

 

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

(2) 財政状態の分析

当社グループの当連結会計年度における財務状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 財政状態」に記載のとおりであります。

 

(3) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1,936,685千円増加し、14,184,491千円(前年同期比15.8%増)と増収になりました。これはシニアケア事業における新型コロナウイルスのワクチン接種関連の受注増加などによるものであります。

 

(売上総利益)

当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ683,210千円増加し、3,251,480千円(前年同期比26.6%増)と増益となりました。

 

 

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ203,503千円増加し、2,769,791千円(前年同期比7.9%増)に増加いたしました。これは主に、事業規模の拡大に伴う人件費の増加及び派遣スタッフの募集の効率化を目的としたサイト構築によるものであります。

 

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ479,707千円増加し、481,689千円(前年同期比24,203.3%増)と増益となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ477,766千円増加し、482,449千円(前年同期比10,203.1%増)と増益となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純損益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ108,256千円増加し、68,912千円(前年同期は39,344千円の損失)と増益となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要のうち主なものは、派遣スタッフの人件費のほか販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、給与、宣伝広告費、地代家賃等であります。

また、今後の更なる成長の為に、新規出店の加速、設備投資、M&A等に取り組む方針です。これらの資金需要は自己資金により充当する事が基本方針でありますが、必要に応じて金融機関からの借入を実施いたします。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおり、事業の許認可と法的規制、社会保険料の負担、自然災害及びシステム障害、新型コロナウイルス感染症等、様々なものがあると認識しております。そのため、当社は常に市場動向、政府の政策に留意しつつ、優秀な人材を確保、内部管理体制を強化し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

(7) 戦略的現状と見通し

当社グループは、「高齢化社会のなかで、すべての人々が仕事を通じて社会に貢献し、生きがいを見つけることのできる世の中の実現を目指します。」という企業理念のもと、高齢化社会型人材サービスとして、アクティブシニアの人材派遣、人材紹介及び業務請負を行うシニアワーク事業と、主に介護施設向けの看護師等の有資格者の人材派遣、人材紹介を行うシニアケア事業に区分し、社会的な追い風を受けつつ急成長を果たしております。

シニアワーク事業については、シニア活用コンサルタントにより、さらなるアクティブシニアの就業機会の創造と有資格者のアクティブシニアの経験とノウハウを活用した人材紹介を推進することで成長を継続いたします。シニアケア事業は、需要の大きい看護師資格保有者の人材派遣及び人材紹介を継続して行うことで成長を維持しつつ、全国規模で介護施設のクライアントを開拓し、さらに市場規模が大きいと考えている介護士の人材派遣及び紹介による成長を目指します。

 

(8) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループの高齢化社会型人材サービスは、今後も成長が見込まれますが、当社が今後も持続的に成長するためには、経営陣となるべき人材の確保、経営管理体制やコーポレート・ガバナンス体制、コンプライアンス体制の構築が最も重要な問題であると認識しています。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。