文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「高齢化社会のなかで、すべての人々が仕事を通じて社会に貢献し、生きがいを見つけることのできる世の中の実現を目指します。」という企業理念のもと、我が国における高齢化社会の進展に伴う、労働人口の減少による人手不足の解消と、高齢者が必要とするサービスが継続的に供給される社会の実現とを課題と捉え、当社の展開する「高齢化社会型人材サービス」を通じて、その課題解決を目指しております。
高い成長性と収益性及び企業価値の向上が経営上の重点課題と認識しており、成長性については売上高対前年比率、収益性については売上高営業利益率などの経営指標を重視しております。
シニアの就業機会の選択肢を増やすためには、多様で柔軟な働き方をより一層推進することが必要になります。特にシニアは体力の低下に不安を抱いている人が多いため、フレックスタイム、短時間勤務・短日数勤務、テレワークなどの選択肢をいかに増やせるかが課題と考えています。
また、シニアはご自身がこれまで培ってきたスキルやノウハウを活かせる仕事を望む人が多く、派遣先企業が求める人物像とのミスマッチが発生する懸念も強くあります。そのため、派遣先とのマッチング機能の強化やリカレント・リスキリング教育の充実などによって、ミスマッチを極小化する取り組みも重要な課題と認識しています。
人材採用におけるニーズにおいては、数年単位での局所的な波はあるものの、長期的には引き続き存在し続けるものと考えており、その中でもシニア就労、介護業界の人材ニーズは成長し続けるものと考えております。しかしながら、社会保険料拡大や、最低賃金の高騰など企業における人員関連費用の高騰圧力などは実感しており、過去と同じことをしている状況では利益率を圧迫する圧力がかかり続けるという課題があると認識しております。
クライアント企業様と協力し、ご理解をいただきながら、様々な経営努力、チャレンジを行うことで利益確保を行っていく所存でございます。
人材サービスのDX化は日々進んでおり、今までの人材派遣、紹介事業のやり方を続けている限り、市場は成長したとしても、シェアの確保や生産性の部分で競争力を失う可能性があり、生産性の高い人材サービスの開発や、生産性を高める業務のDX化の推進を進めていく必要性を感じております。また、経営環境の変化に対応できるよう、人材サービス以外のシニア市場向けサービス等においても、つねにトライし続けなければいけないと考えております。
企業規模の拡大に伴い、ガバナンスの強化について、日々の業務の中で意識せずとも自然と守られる仕組みづくりが課題と考えております。従来の教育や指導による強化も並行しつつも、スマートな社内システムを構築することで、0にすることが難しいヒューマンエラーなどがそもそも起きない体制の構築を目指します。また、同様に生産性を高めることも課題と認識しており、システムに依存できるところはシステムに変更し、人が行うべき業務により集中できるよう、日々改善を行ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因によって大きく異なる可能性があります。
当社グループは、高齢化社会において社会問題と認識している労働人口の減少及び医療・介護市場の人材不足を解消するため、「意欲あるシニアへの就労機会の創造」「医療・介護市場への人材提供」の2つのミッションを実現し、これを通してSDGsの貢献に取り組んでおります。
当社グループでは、この取り組みを推進するにあたり、サステナビリティに関する基本方針を定めておらず、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視しており、管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続等の体制をその他のコーポレート・ガバナンスの体制と区別しておりません。
ガバナンスの詳細は、
当社グループは、「高齢化社会のなかで、すべての人々が仕事を通じて社会に貢献し、生きがいを見つけることのできる世の中の実現を目指します」を経営理念として掲げ、持続的な成長を通じた企業価値の向上を実現する上で、最も重要な経営資源である人材の確保と育成に重点を置いております。また、安定した事業継続のため、採用の強化と定着率の向上が不可欠であり、これらを達成するため、週に1度の人事戦略会議を設け、組織体制の整備や施策の実施に取り組み始めております。また、既存社員の定着率を向上させるために、働く環境の整備と従業員との対話の促進を進めてまいります。
労働安全については、「企業にとっての何よりも重要な資産である従業員を守るためには、企業として従業員の健康維持と災害防止に全力で努めなければならない」と考えております。特に、当社グループは多くの派遣スタッフを抱えており、大事故が発生した際は企業全体の協調、貢献の土台を崩す可能性があるため、各事業所で安全衛生に関する事項の確認や連絡調整をしており、月に1度開催される安全衛生委員会において状況共有され、従業員の安全に関わる事象を継続的に議論・改善しております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社グループは、経営戦略と連動した人材戦略に基づき、経営課題、実務課題に対する「当社独自のソリューション提案」する能力を高め、全ての人に対して「寄り添う姿勢」を大切にすることで、経営理念を実現できると考えております。
それを支える行動指針として「公明正大 × 自分らしさ × 前向」というValueを掲げ、これに基づき働きやすい環境、社員の成長を支える制度、社員や部署間のコミュニケーションを高める仕組みなどを整備しております。年齢、国籍、性別等区別することなく、雇用、昇進、異動、報酬、研修等の機会を公平に提供することで、従業員が能力を最大限に発揮し、生き生きと働ける環境づくりに努めます。そして、適切な労働環境の提供、公正な労働条件の実現に努め、お互いの個性を認め合い、お互いに尊重し合うことで、ハラスメントのない安全で健康に配慮した職場の実現に取り組みます。
当社グループは、「リスク管理規程」に従い、リスク管理委員会を設置し、サステナビリティに関連したリスクの特定、分析、評価、対応等のプロセスを円滑に実施することにより、リスクの予防・軽減の強化を図っております。
従業員の能力を十分に生かし、働き方の多様性を実現できるよう、また長く働き続けられる社内環境を目指しております。なお、人的資本に関する測定可能な指標は、当社の事業の継続と成長に必要な要素であり、2030年度の目標達成に向けて取り組んでまいります。
ただし、当指標につきましては、当社においては、関連する指標データ管理及び取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われておらず、連結グループの記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標
当社グループは、性別・国籍等によらず能力や適性を総合的に判断し、人材育成及び管理職への登用等を実施していることから、女性、外国人・中途採用者の管理職構成割合や人数等の目標値等は定めていません。今後につきましても、人材戦略の重要性に鑑み、能力や適性を総合的に勘案し、管理職登用を行う方針です。
また、多様な働き方の提供、多様な人材が活躍する社内環境を整備し、従業員一人一人がダイバーシティ&インクルージョンへの理解を深め、従業員エンゲージメントを高めてまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、労働者派遣法その他関連法令に従い、厚生労働大臣の許可を受け、人材派遣事業を行っております。現時点において、当社グループは、労働者派遣法等に抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後何らかの理由により、当社グループ並びにその役職員が法令に抵触した場合には、許可の取り消し又は業務の停止等の処分を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、労働者派遣法その他関連法令については、経済環境・社会環境の変化に応じて改正される可能性が高く、改正内容によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの場合は、シニア人材に特化していることから、わが国の労働力不足や財政の逼迫によるシニア人材活用の必要性から改正によるリスクは競合他社と比較して小さいと思われるものの、労働者派遣法その他関連法令の改正内容によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、職業安定法その他関連法令に従い、厚生労働大臣の許可を受け、人材紹介事業を行っております。現時点において、当社グループは、職業安定法等に抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後何らかの理由により、当社グループ並びにその役職員が法令に抵触した場合には、許可の取り消し又は業務の停止等の処分を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、看護師や介護士をはじめとした有資格者を対象とした人材派遣、人材紹介を行っているため、今後これらの資格を規定する社会福祉士及び介護福祉士法や保健師助産師看護師法等が改定された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、加入要件を満たす派遣スタッフの社会保険への加入を徹底しております。社会保険料の保険料率や対象範囲は、社会的情勢によって改正されていることから、社会保険料の会社負担金額が上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、シニア人材及び介護施設等に向けた人材サービスに特化した事業を行っております。シニアスタッフの個々のライフスタイルを尊重し、適切な職場を提供するために、スタッフにアンケート、ヒアリング、カウンセリングなどを行なっております。これによりスタッフの意向や希望を的確に把握し、スタッフの多様なニーズに対応することで、効率的なスタッフ登録とマッチングを推進しております。これらの取り組みと的確なスキルマッチングにより就業機会の創出を行うことで、当社グループのブランド力の向上を図っておりますが、競合他社と比較して当社グループの信用力、ブランド力が低下した場合、優良なシニアスタッフ及び看護師、介護士等のスタッフ確保が困難若しくは非効率となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
人材サービス業界は、比較的少額の資本からでも参入が容易なため、多数の競合他社が存在しております。当社グループといたしましては、設立以来、シニア人材に特化した人材サービスを行っており、競合他社よりも優位となりうる実績とノウハウを有していると考えておりますが、多くの競合他社が当社グループの事業分野に参入した場合、価格競争激化による収益性の悪化など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、業務に従事する者(派遣社員及び業務委託先の従業員を含む)が法令や社内規程を遵守するよう、コンプライアンス規程を制定し、教育・研修などを通じた啓発活動を行うことにより従業員等のコンプライアンス意識を高めるとともに、内部通報窓口の設置やコンプライアンス委員会の開催によりコンプライアンス違反の把握と未然防止に努めております。
しかし、万が一重大なコンプライアンス違反が発生した場合、顧客等からの信頼を著しく損ね、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが保有する登録スタッフなどの個人情報の取扱いについては、個人情報保護法に従い、当社グループ業務管理システムにて管理しております。また、当社グループはプライバシーマーク認証、JISQ27001:2014(ISO/IEC27001:2013)認証を取得しており、これらに従い情報漏洩の防止を徹底しております。しかしながら、不測の事態により、個人情報が外部に漏えいし、情報主体者に被害が発生した場合には、損害賠償及び社会的信用の失墜などにより、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、全国に営業拠点を有しており、地震、津波、台風などの自然災害に対して迅速かつ的確な対応を行ってまいりますが、想定外の大規模災害が起きた場合、一定の事業運営が困難になる可能性があります。
また、人材サービスの事業の性質上、多数のスタッフや顧客企業と提携しており、スタッフの安否確認や契約内容の調整等、多大な業務負荷を要することから当社グループの事業運営に影響を与えるとともに、財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに当社グループは、事業活動をコンピュータシステムやネットワークに大きく依存しており、当社グループの業務管理システム内に、登録スタッフの個人情報や顧客企業の基本情報等を大量に保有しております。このため、システムのセキュリティやバックアップ体制の強化等、不測の事態に備えて対策を講じておりますが、これらの対策にも関わらず人為的ミスや自然災害などにより業務管理システム等に障害が発生した場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。またそれが長期化した場合には、スタッフに対する勤怠管理、給与の支払、顧客に対する代金の請求、与信管理の業務等に支障を来し、当社グループの提供するサービスの信頼性の低下や業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、2009年4月に設立し、今後の事業展開や成長を支えるためにも内部管理体制のより一層の充実を図っていく予定であります。
今後、事業規模の拡大に合わせ、内部管理体制も充実・強化させていく方針ではありますが、事業の拡大及び人員の増加に適時適切に組織的な対応ができなかった場合、事業展開に影響が出るなどして、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが属する人材サービス業界は、社会情勢、景気動向や雇用情勢等の影響を受けやすいものであります。新型コロナウイルス感染症の影響により、一時的に市場環境の悪化ならびに既存顧客の人材需要の減退が発生しておりました。現状、社会情勢については回復基調ではあるものの、今後さらに景気後退した場合には、顧客との労働者派遣契約数の急激な減少や人材紹介の需要減など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するために、新規事業への取り組みを進めていく方針であります。新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の期間を要することが予想され、全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新規事業が当社グループの目論見どおりに推移せず、新規事業への投資に対し、十分な回収を行うことができなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
現時点で、当社グループは損害賠償を請求されている事実や訴訟を提起されている事実はありません。当社グループは法令違反となるような行為を防止するための内部管理体制を構築するとともに、取引先、従業員その他の第三者との関係において、訴訟リスクを低減するよう努めております。しかしながら、当社グループの登録スタッフによる派遣先等でのトラブルが発生した場合や、取引先等との関係に何かしらの問題が生じた場合には、これらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起されるリスクがあります。かかる損害賠償の金額、訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの社会的信用、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の創業者である川嶋一郎は当社の代表取締役会長兼社長であるため、当社といたしましても安定株主であると認識しておりますが、本書提出日現在、当社発行済株式総数の50.2%を保有しており、将来的に同氏により当社株式が売却された場合、当社株式の市場価格や流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社の代表取締役会長兼社長である川嶋一郎が代表取締役を務めるBH株式会社は、創業支援やスタートアップ投資を目的とした経営コンサルティング事業を行っており、人材サービスに関わる出資先として下表の会社に出資しております。
当社グループは、BH株式会社が出資する会社との間で取引関係はなく、人的な交流も行われておりません。BH株式会社の運営方針は、原則として、創業時若しくはスタートアップ期の企業に対し資金提供を行い、企業の成長に応じて段階的な株式譲渡により資金回収を行い、同時に持株比率を低下させるものとしております。そのため、出資先各社の経営は経営陣に一任し、経営判断及び事業展開には一切関与せず、人材サービスを営む会社の役員の兼務や、出資先各社間の交流、関係強化は行わない方針であります。当社グループとしましては、コーポレート・ガバナンスの強化の一環で、BH株式会社及び同氏による事業調整の可能性を排除することを目的に、当グループ社及びBH株式会社並びに同氏との間で、BH株式会社及び同氏が今後新たに当社グループと競合する事業を行う企業への出資を事前に防止するための協定書を三者間で締結し、当社グループ事業に毀損が生じないよう管理しております。なお、出資前に、同氏は当社取締役会にて当該出資予定先の事業内容の説明を行い、同氏を除く取締役会参加者が競合の有無について協議の上、その結果を同氏へ伝えることとしております。
川嶋一郎は当社の筆頭株主であり、BH株式会社を通じ様々な会社への出資も継続することとなりますが、当社は独立性の高い社外役員を選任し透明性の高いガバナンス体制を構築しているほか、BH株式会社との人的・資本的関係を有していないことから、事業展開にあたっては、独自に意思決定し実行してまいります。ただし、川嶋一郎及びBH株式会社の各社に対する出資や経営の方針等に変更が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって緩やかな回復が継続することが見込まれます。一方で、欧米における高い金利水準の継続や中国経済の先行き懸念、エネルギーコストや原材料価格の高騰による物価上昇が継続し、家計・企業を取り巻く環境は改善傾向にあるものの予断を許さない状況が継続しております。
2024年4月1日以降、雇用されている勤務医には時間外・休日労働時間の上限規制が適用されます。看護師の働き方改革は、医師の働き方改革の影響を受ける可能性を考慮する必要があります。そのため、医師の労働時間を減らすためには、看護師に一部の業務をタスクシェアすることになることが想定されます。これにより、看護師などのエッセンシャルワーカー派遣領域を主力事業として取り扱う当社におきましては、高まる需要に対して、これまで以上に看護師の確保に努める方針です。
当社グループの事業領域である人材サービス業界においては、2024年9月の有効求人倍率は1.24倍(前年同月は1.29倍。厚生労働省調査)、完全失業率が2.4%(前年同月は2.6%。総務省統計局調査)となっており、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の数値までは回復しておりませんが、経済活動・社会活動の活性化に伴い、企業の求人ニーズは、安定的に推移しております。
このような経営環境の中、当社は継続的な企業価値の向上を実現すべく、既存事業の継続成長及び中長期での業績向上を目的とした新たな取り組みを実施してまいりました。しかし、売上高はコールセンター派遣リソースの活用によるBPO事業へのシフトを図ったものの期初予想を下回る結果となり、利益面は大きく寄与していた高利益率のコロナ禍特需案件の剥落及び来期以降に繋がるための広告宣伝費の運用・DXによるオペレーションの効率化等の施策への積極的な投資を今まで以上に実施した結果、期初計画及び前年同期を大きく下回る結果となりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は16,709,494千円(前年同期比6.1%減)、営業利益は428,855千円(前年同期比29.5%減)、経常利益は、399,281千円(前年同期比33.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は249,851千円(前年同期比34.0%減)となりました。
なお、当社グループは「高齢化社会型人材サービス」の単一セグメントでありますが、事業別の業績を示すと以下のとおりであります。
シニアワーク事業は、主にコールセンター、公共機関における事務作業を行うホワイトカラー職種とビルメンテナンス、ベッドメイキング、ロジスティックスなどの身体的な作業を行うブルーカラー職種との2つの分野においてアクティブシニアの人材派遣、人材紹介及び業務請負を行っております。当連結会計年度につきましては、中長期的な計画として、コールセンター派遣事業のリソースの活用によるBPO事業へのシフトを図っておりましたが、リードタイムが遅れております。一方で、シニアワーク事業内における販売費及び一般管理費を圧縮し、利益率の改善に努めました。引き続き取扱い職種の開拓及び新たな働き方の提案が課題であると認識しており、シニア活用コンサルタントの採用育成の強化を図っております。
この結果、シニアワーク事業の売上高は2,565,324千円(前年同期比44.9%減)となりました。
シニアケア事業は、主に介護施設に対して、看護師や介護士等の有資格者の人材派遣、人材紹介及び紹介予定派遣を行っております。前連結会計年度の売上高で高い割合を占めていた新型コロナウイルス感染症ワクチン接種の特需案件が当連結会計年度はほぼ含まれていないものの、既存支店を中心にワクチン特需後も堅調な需要を取り込み、またエリアを拡大して需要を取り込む動きをいたしました。これにより、特需売上の剥落を補う形で、既存事業を大きく伸長させました。また、自社求人サイト内のコンテンツを拡充させ、既存支店においては、登録スタッフ増加のための広告宣伝の強化、従業員採用の強化を図っております。
この結果、シニアケア事業の売上高は14,144,169千円(前年同期比7.7%増)となりました。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、現金及び預金が減少したことなどにより、前連結会計年度末と比較して699,235千円減少し、4,407,709千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、未払法人税等、未払消費税等及び短期借入金などが減少したことにより、前連結会計年度末と比較して669,905千円減少し、2,402,886千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上および連結子会社株式の取得による持分の増減などにより、前連結会計年度末と比較して29,329千円減少し、2,004,823千円となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の36.8%から44.7%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ592,935千円減少し、2,152,744千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は91,231千円(前年同期は788,660千円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益413,501千円の計上、減価償却費51,655千円の計上、売上債権の減少86,488千円が生じた一方で、未払費用の減少74,101千円、未払消費税等の減少219,740千円、法人税等の支払額233,618千円が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は21,345千円(前年同期は61,369千円の支出)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出が10,460千円、無形固定資産の取得による支出が9,046千円、差入保証金の回収による収入が11,490千円、差入保証金の差入による支出が10,289千円が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は480,358千円(前年同期は210,335千円の支出)となりました。
これは主に、短期借入金の減少200,000千円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出280,358千円が生じたことによるものであります。
当社は、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
当社は、高齢化社会型人材サービスを営んでおり、提供するサービスの関係上、受注状況の記載になじまないため記載しておりません。
当連結会計年度の販売実績を事業別に示しますと、次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループにつき、将来の収益性が著しく低下した場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。固定資産における回収可能価額の評価の前提条件は、決算時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断していますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくため、将来の経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。
減損損失の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)」に記載のとおりです。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来の課税所得や実現可能性の高いタックス・プランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。業績の変動等により、将来の課税所得やタックス・プランニングに変更が生じた場合は、繰延税金資産が増加または減少する可能性があります。
当社グループの当連結会計年度における財務状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 財政状態」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1,082,707千円減少し、16,709,494千円(前年同期比6.1%減)となりました。シニアケア事業においては、既存事業の売上が順調に推移しているものの、シニアワーク事業において、前連結会計年度の売上高の大半を占めていたコロナウイルスのワクチン接種関連の特需案件が無くなりました。また、中長期的にコールセンター派遣事業のリソースをBPO請負事業にシフトを試みて、コールセンター派遣事業のリソースを投入しておりましたが、予定通り立ち上がらなかったことが要因となり減収となりました。
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ341,760千円減少し、3,657,410千円(前年同期比8.5%減)となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ161,906千円減少し、3,228,555千円(前年同期比4.8%減)となりました。これは主に、営業利益率を高めるため、生産性向上を目的とした社内におけるDX化を推進したこと、シェアードサービスの徹底化により販売費及び一般管理費を削減いたしました。
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ179,853千円減少し、428,855千円(前年同期比29.5%減)となりました。
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ204,292千円減少し、399,281千円(前年同期比33.8%減)となりました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ128,903千円減少し、249,851千円(前年同期比34.0%減)となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の概要 (3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、派遣スタッフの人件費のほか販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、給与、広告宣伝費、地代家賃等であります。
また、今後の更なる成長の為に、新規出店の加速、設備投資、M&A等に取り組む方針です。これらの資金需要は自己資金により充当する事が基本方針でありますが、必要に応じて金融機関からの借入を実施いたします。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおり、事業の許認可と法的規制、社会保険料の負担、自然災害及びシステム障害等、様々なものがあると認識しております。そのため、当社は常に市場動向、政府の政策に留意しつつ、優秀な人材を確保、内部管理体制を強化し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を低減し、適切に対応を行ってまいります。
当社グループは、「高齢化社会のなかで、すべての人々が仕事を通じて社会に貢献し、生きがいを見つけることのできる世の中の実現を目指します。」という企業理念のもと、高齢化社会型人材サービスとして、アクティブシニアの人材派遣、人材紹介及び業務請負を行うシニアワーク事業と、主に介護施設向けの看護師等の有資格者の人材派遣、人材紹介を行うシニアケア事業に区分し、社会的な追い風を受けつつ急成長を果たしております。
シニアワーク事業については、シニア活用コンサルタントにより、さらなるアクティブシニアの就業機会の創造と有資格者のアクティブシニアの経験とノウハウを活用した人材紹介を推進することで成長を継続いたします。シニアケア事業は、需要の大きい看護師資格保有者の人材派遣及び人材紹介を継続して行うことで成長を維持しつつ、全国規模で介護施設のクライアントを開拓し、さらに市場規模が大きいと考えている介護士の人材派遣及び紹介による成長を目指します。
当社グループの高齢化社会型人材サービスは、今後も成長が見込まれますが、当社が今後も持続的に成長するためには、経営陣となるべき人材の確保、経営管理体制やコーポレート・ガバナンス体制、コンプライアンス体制の構築が最も重要な問題であると認識しています。
該当事項はありません。
該当事項はありません。