(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「One Asia -アジア黄金期におけるリーディングカンパニーになる-」をビジョンに、アジア経済圏の中で生まれるあらゆる変化を事業機会として捉え終わりなき成長を続けていくことをミッションとして、「オンライン旅行事業」「ITオフショア開発事業」「投資事業」を柱に、以下の事業展開を通じてアジアを繋ぐ架け橋となることを基本方針としております。
また、当社は当年度において、商号とブランド名を「エアトリ」に統一いたしました。OTA(Online Travel Agent)として強固な事業基盤を構築し、ブランドの認知向上を図っております。
(2)経営環境、及び新型コロナウイルス感染症の拡大に関する当社グループへの影響
当連結事業年度における我が国経済は、米中貿易摩擦、中国及び欧州の景気の減速に加えて、当年度のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の拡大により、多くの国において海外渡航制限や外出禁止等の措置が取られ、世界的に旅行需要が停滞している環境となっております。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済活動の低迷により先行きが不透明な状況となっており、当該感染症の推移とともに、今後の市場動向を注視していく必要があると考えています。
当社グループでは、2020年3月以降、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大と各国の当該感染症の拡大防止策による影響を強く受けており、感染第2波や第3波の状況や旅行需要の回復スピード、及び金融市況等は依然として先行きが不透明である状況にあります。
しかしながら、当社グループは、上記新型コロナウイルス感染症の拡大による当社グループへの事業等リスクに影響を受けつつも、引き続き従業員とその家族、個人ユーザー様、クライアント及び外部協力パートナー等、当社のステークホルダーの安全確保や感染拡大防止を最優先に考えながら事業活動に取り組んでいます。
また、当社は、取締役会や経営戦略会議において、当該感染症が当社グループに与えるリスクに対応するための施策について議論・決議し、実現しています。当該リスクに対応するために実現した経営施策の詳細については、「2〔事業等のリスク〕(新型コロナウイルス感染症の拡大に関する当社グループへの事業等リスク影響と経営施策)」をご参照ください。
(3)中長期的な経営戦略
当社は、上場時2016年3月から当年度2020年9月までの4年半を「第1ステージ」として捉え翌年度2021年9月期を「第2ステージの始まり」として、"リ・スタート"いたします。
当社は、当事業年度において、新型コロナウイルス感染症の拡大が当社グループのインバウンド・アウトバウンドの需要及び一部の国内需要を大幅に喪失させていることにより、当連結会計年度第2四半期において計上した1,044百万円の減損損失に加え、のれんその他ソフトウエアを中心とした固定資産の減損損失を追加計上し、合計6,991百万円の減損損失を計上いたしました。今後は、当該固定資産の利用に伴う固定費が縮小されることとなります。
2021年9月期では、GoToトラベルキャンペーンに伴う国内旅行領域の売上収益の回復基調、及び上記減損計上による圧倒的に軽い固定費での事業運営が見込まれます。
さらに、ヘルスケア事業の立ち上げにより新たな事業領域を創出し、with/afterコロナ時代に即した事業を展開してまいります。
各事業セグメントの経営戦略は、以下となります。
① オンライン旅行事業
オンライン旅行事業においては、第一に「エアトリ旅行事業」として、当社が創業当時からオンラインに特化したOTA(Online Travel Agent)として、お客様へ便莉なサービスを展開してまいりました。
スマートフォン及びPCにおいて国内航空券を中心とした旅行商材の比較サイトによる直販(BtoC)を主軸としたオンライン販売を行っております。
これまでの航空券市場においては、消費者に認知され、確立されたブランドが存在しないものと認識しておりました。
そこで、当社が総合旅行プラットフォーム「エアトリ」のブランド認知を強化することにより、オーガニックでの流入の増加を見込み、利益向上を目指しております。さらに、業界最大規模の国内航空券取扱と各航空会社、東日本旅客鉄道との継続提携等により強い顧客基盤及び販売網を有しており、これらが強い競争力を発揮し競合他社との競争優位性なっています。
第二に、「訪日旅行事業」として、エアトリ旅行事業で蓄積したノウハウを、いち早く訪日外国人向けサービス及び民泊運営企業向けサービスとして展開してまいりました。今後のインバウンド需要拡大に向けて、訪日旅行客向けキャンピングカーレンタルや、Wi-Fiレンタル、多言語対応サービスの展開など、シェアリングエコノミーをはじめとした旅行事業を提供しております。
これまで、各海外旅行代理店やWeb媒体への日本国内航空券の横断検索、予約販売システムの多言語OEM提供を行ってきました。これらに加え、訪日外国人の5人に1人が利用している「Airbnb」と日本初の公式パートナーとなり、物件の登録から物件運用までをワンストップでサポートする"民泊プラットフォーム"、及び当社グループ会社が米国大手のキャンピングカーレンタル会社El Monte Rents, Inc.の全世界販売代理店の訪日旅行客受け入れ先となり、訪日旅行客のキャンピングニーズを取り込む"キャンピングカーレンタル"を推進し、一層の業容拡大を目指しております。これら、エアトリ旅行事業にて関係構築された大手企業様との連携強化が、当社の競争優位となっております。
新型コロナウイルス感染症拡大により、国内外の収益及び利益が減少しましたが、GoToトラベルキャンペーンの追い風、オペレーション業務の事業分離及び固定費用の削減により、旅行事業の収益及び利益の回復が見込まれます。
第三に、今後は航空券・宿泊など旅行領域に留まらない新規領域についても拡大を推進し、業容拡大を目指します。「ライフイノベーション事業」として、お客様の生活をあらゆるシーンでより便利にするため、今後with/afterコロナにより変化が想定される旅行スタイル・ライフスタイルを新たなビジネスモデルのターゲットとして捉え、サービス開発をしております。
今期にはヘルスケア事業を新規に立ち上げました。「旅行・出張」×「医療」の分野においても包括的な取組を行い、提携する医療機関・クリニックによる国内外の旅行・出張時におけるPCR検査・抗体検査サービス等の提供も進めております。エアトリ旅行事業で関係構築されたお客様を当社の競争優位源泉として捉え、ヘルスケアやPCR検査を展開する医療機関にスムーズにお繋ぎすることで、お客様の心を豊かにし、安心安全に旅行していただくために取り込んでおります。
② ITオフショア開発事業
ITオフショア開発事業においては、ホーチミン、ハノイ、ダナンの3拠点を各プロジェクトにあった拠点間の最適化を一層推進し、多拠点や他国への展開を行ってまいります。
これまで、日本国内で行うことが多かったシステム開発の上流工程(要件定義等)について、オフショア化を推進していくことにより、受注できるプロジェクト範囲の拡大しております。ITハイブリッド開発では専任の開発メンバーをアサインすることでノウハウが蓄積していただくことが期待されています。
また、発注側と開発側の連携不足が原因でプロジェクトが失敗遅延するケースを見ますが、当社グループでは、発注側に日本での実務経験が長いベトナム人プロジェクトマネージャーが入ることで、認識の齟齬なく上流工程から下流工程まで一気通貫した開発ソリューションの提供が可能です。専任の開発メンバーをアサインさせていただいており、これらを当社の競争優位源泉としてサービス展開することで、お客様の業務効率向上を実現しております。
新型コロナウイルス感染症拡大により今期の売上収益は減少しましたが、GoToトラベルキャンペーンの追い風もあり、国内旅行市場から回復するものと見込んでいます。当社のオンライン旅行事業の回復を促進するためにITオフショア開発事業を活用することで、競合他社との競争優位性を向上させております。
③ 投資事業
投資事業においては、成長企業への投資を通じて投資先企業との協業等によるシナジーを追求しており、M&A戦略も含めて推進しております。
当社グループは、上場を目指すグループ会社や投資先も有しており、当連結会計年度においては、投資先を64社まで拡大しております。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い一部銘柄に影響を及ぼしたものの、当社IPO案件の投資先3社の新規上場による利益享受もあり、前年同期比の増収となっています。
これらのIPO案件の実現に伴うノウハウが本事業の競争優位源泉となっており、今後においても成長・再生企業への投資の促進、投資先の育成や企業価値向上を図っております。
(4)対処すべき課題
当社エアトリグループは、①エアトリ旅行事業を主軸として、②訪日旅行事業、③ITオフショア開発事業、④ライフイノベーション事業、⑤投資事業を事業領域として、既存事業の成長継続と新規事業の創出を推進していくことにより、グループ全体の成長を目指します。
withコロナ及びafterコロナへ向けて「リ・スタート」し、下記の事項を対処すべき課題としております。
ア.GoToトラベルキャンペーンの活用による国内旅行需要の確実な取り込み
当社は、自社ブランドであるインターネット予約サイト「エアトリ」を中心に、自社媒体インターネットサイトによる旅行商品の販売を行っております。一方で、OEM提供(他社ブランド)、法人の出張手配(BTM―Business Travel Management)による販売にも注力しております。今後、業容を継続的に拡大していくために、優良な企業様との提携を積極的に図って参ります。
また、GoToトラベルキャンペーンを積極的に活用し、政府機関・現地パートナー・航空会社との連携強化を推進し、国内のあらゆる地域の旅行需要を喚起しております。
イ.エアトリのブランドを活用したマス向けの大規模プロモーションの検討
当社は航空券取扱高業界最大手のOTAサービスとして、「エアトリ」ブランドの活用及びオーガニック流入を活かしたマーケティング戦略の推進により、新しい旅の形に対応してまいります。
ウ.ITリテラシー・開発力を活かした新しい旅・生活の形に対応したサービス
当社が行っているインターネットを通じた旅行商品の販売は、購入者及びクライアントにとっていかに情報量が豊富であるか、いかにレスポンスが早いか、いかに安い価格で提供できるか、いかに利便性が良いか等々が必要不可欠なものであります。インターネットを利用して旅行商品を購入しようとするユーザー様は、それら全てのサービスを求めて様々なサイトを検索・閲覧しております。当社では、当該機能等をより強化し、よりクライアント・ライクなシステムを提供することを目的に、今後もシステム技術の研鑽とインフラの構築を行って参ります。
また、afterコロナにより変化が想定される旅行スタイル・ライフスタイルを捉え、新たなビジネスモデルやサービス開発を目指しております。
エ.ヘルスケア事業の新規立ち上げ
ライフイノベーション事業領域の更なる強化として、ヘルスケア事業を新規に立ち上げました。「旅行・出張」×「医療」の分野においても包括的な取組を行い、当社子会社である株式会社ピカパカにおいて、提携する医療機関・クリニックによる国内外の旅行・出張時におけるPCR検査・抗体検査サービス等の提供も進めてまいります。
オ.グループ主要子会社の上場準備
メールマガジン(メルマガ)の配信プラットフォームで老舗の「まぐまぐ!」を運営する株式会社まぐまぐが、2020年9月24日にJASDAQスタンダードに新規上場いたしました。その他当社グループ主要子会社の上場準備も進めており、引き続き、当社グループ全体の企業価値を向上させてまいります。
カ.コスト削減
人手が介在せずにオペレーションが可能な業務のシステム自動化を図り、顧客サービス利便性を向上させながら、管理コストを削減しております。
新型コロナウイルス感染症拡大に関する当社の経営施策処については、「2〔事業等のリスク〕(新型コロナウイルス感染症の拡大に関する当社グループへの事業等リスク影響と経営施策)」をご参照ください。
当社グループにおける事業等のリスクは、以下のとおりであります。なお文中における将来に関する事項は、本提出日において当社が判断したものであります。
(新型コロナウイルス感染症の拡大に関する当社グループへの事業等リスク影響と経営施策)
当社グループでは、2020年3月以降、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大と各国の当該感染症の拡大防止策による影響を強く受けており、感染第2波や第3波の状況や旅行需要の回復スピード、及び金融市況等は依然として先行き不透明感が強い状況にあります。
当社グループは、上記新型コロナウイルス感染症の拡大による当社グループへの事業等リスクへ影響を受けつつも、引き続き従業員とそのご家族、個人ユーザー様、クライアント及び外部協力パートナー等、当社のステークホルダーの安全確保や感染拡大防止を最優先に考えながら、雇用調整(休業)やリモートワーク等の体制に切り替えております。
しかしながら、当該感染症拡大が売上収益の減少及び減損損失の計上が営業利益に影響を与えており、当連結会計年度において、継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況が存在していると判断いたしました。
そこで、当社は取締役会や経営戦略会議において、当該感染症が当社グループに与えるリスクに対応するための施策について議論を重ね、以下の経営施策について決議し実現しています。
(1)グループ全社レベルのキャッシュアウトコストの削減
広告宣伝費・人件費・賃借料を中心に変動費と固定費を大幅に見直しました。
オンライン旅行事業におけるオペレーションコストの変動費化、頻閑に応じたコストコントロールの実施、大幅な在宅勤務移行に伴う賃借料等の抑制を実現しております。
その結果、グループ全社的なキャッシュアウトコストが、全体57%削減されました。翌期以降の早期回復に向けた体制が整備されております。
(2)転換社債型新株予約権付社債(CB)及び新株予約権(ワラント)の発行
withコロナ/ afterコロナを見据え、既存株主の皆様の利益に最大限配慮しながら以下のファイナンスを実施し、最大約60億円を超える資金調達枠(転換社債型新株予約権付社債(CB)約10億円、及び新株予約権(ワラント)約50億円)を発行しております。
上記の詳細については以下をご参照ください。
(2020年8月27日付け公表:株式会社エアトリ「本件ファイナンスについて説明資料」)
(3)コミットメントライン契約の締結
新型コロナウイルス感染症拡大影響の余波に備え、短期的な運転資金枠として15億円を確保しております。
(4)連結子会社の売却
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当社グループの主力旅行需要が大幅に落ち込んだことに伴い、当社グループ事業再構築の一環として、当年度2020年9月30日に連結子会社1社の全株式を売却いたしました。
上記売却に伴い、売却代金の受取、当期取得及び当期売却による利益の獲得、及び当該会社の連結除外により、当社グループの財政状況が改善されました。なお、連結子会社の売却に伴う非継続事業の業績等の詳細については、「第5〔経理の状況〕1〔連結財務諸表等〕〔連結財務諸表注記〕33.非継続事業」をご参照ください。
なお、当連結会計年度において減損損失を6,991百万円したことにより、翌連結会計年度以降の固定費が縮小されることになります。
以上より、当社は新型コロナウイルス感染症が当社グループに与える事業等リスクに対して、上記施策の実現により適切に対応しております。従って、継続企業の前提に関する重要な不確実性は存在しないと判断しております。
(各セグメント事業の事業リスク)
(1)オンライン旅行事業のおける競合
当社は創業以来、インターネットによる旅行商品の販売を行い、業界で高い評価を得ていると認識しております。
しかしながら、インターネットによる旅行商品の販売が一般化するにつれ、近年その競合環境は激化しており、競合環境によって売上の低下やサービスレベル向上に伴うコストの増加などにより、当社の業績に影響を与える可能性があります。
これに対して、当社では、航空会社との関係を継続強化するとともに、自社インターネットサイトの知名度向上、多数の会員をもつインターネットサイト運営者への旅行コンテンツのOEM供給、企業の出張に係る社内承認手続き及び手配を一元管理する事業、旅行商品の拡張などを目指すとともに、同業他社との資本・業務提携を積極的に進めていくことにより、競争力の維持強化を図って対応しております。
(2)オンライン旅行事業への法的規制等
当社は事業を行う上で、「旅行業法」、「古物営業法」その他の法令による規制を受けております。
しかしながら、これら法令に違反する行為が行われた場合もしくはやむを得ず遵守できなかった場合、及び行政機関により関連法令による規制の改廃や新設が行われた場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
これに対して、当社はこれらの法律・法令や関連諸規則を遵守すべく、各サイト上での表示や顧客への説明、また、社内体制の確立とルール化を徹底しております。また、主として顧問弁護士や外部の専門家との情報交換等を通じて、積極的な情報収集及び適切な対応を行っております。
(3)特定の取引先への依存度が高いことについて
当社は、主力商品の一つである国内航空券の仕入について、例えば下表のように取引先単位の金額が高く、特定の取引先において不測の事態が発生したり、航空券の販売方法や取扱い手数料に関する方針の変更があった場合、当社の業績及び事業展開に重大な影響を与える可能性があります。
これに対して、当社では現在の取引先様との関係を継続強化するとともに、取引先様数を増加検討することで対応を図っております。
(4)オンライン旅行事業における自然災害及び国際情勢等の影響
当社のオンライン旅行事業は、世界各地で発生しうる天災又は悪天候等の自然災害、及び海外における政情不安、国際紛争、大規模なテロ事件等、感染症等の疫病の発生及び蔓延、また事業展開対象国との外交関係の悪化等、外的要因の影響を大きく受けます。
このような事象が発生した場合には、旅行需要が低下することにより、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、当社の訪日旅行事業は、当初は中国・アジア方面を中心に展開しておりますが、今後、当該地域において上記のような事象が発生した場合には、訪日外国人旅行客の減少等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。
これに対して、当社では今年度の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経営施策を実現させており、上記事象が発生した場合でも、継続企業の前提に重要な不確実性が存在しないよう適切に対応しています。
(5)オンライン旅行事業におけるインターネット検索効果
当社が運営するインターネットサイトの集客効率は、検索エンジンの表示結果やスマートデバイスのアプリケーションの利用状況等の影響を大きく受けます。
検索エンジンの運営者における検索に係るアルゴリズムの変更、スマートデバイスにおけるアプリケーションの仕様及びその変更又は競合他社による対応等が行われた場合には、検索結果の表示が当社にとって有利に働かない状況が生じ、当社の業績に影響を与える可能性があります。
これに対して、当社グループでは多数のITエンジニアを有しており、上記事象が顕在化した場合においても早急に改善できる体制を整備していることで対応しています。
(6)オンライン旅行事業の電子商取引(以下「eコマース」)の普及
当社は、今後もBtoCのeコマース市場規模は拡大傾向が継続するものと考えております。
しかしながら、eコマースをめぐる新たな法制度等の規制の導入や何らかの予期せぬ要因により、当社の期待通りにeコマースの普及が進まない場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
これに対して、当社グループでは多様な経歴を有する社外取締役を含む取締役会及び当社経営陣及び主要幹部を構成とする経営戦略会議にて、常時法改正や特例措置等の情報を収集する体制を整備運用しております。情報をいかに早く収集し改善策を立案することで、あらゆる変化を想定して対応しております。
(7)ITオフショア開発事業の競合
ITオフショア開発事業においては、2012年に事業開始後、2019年には雇用エンジニア数が1,000名規模となっており、順調に推移しております。
しかしながら、業界の特性として価格競争になりやすく、エンジニアの引き抜き等により、競争がもたらされております。また、競合他社の「ラボ型」オフショア開発モデルの模倣により、当社の業績に影響を与える可能性があります。
これに対して、当社ではスケールメリットを活かし、人材獲得力や運営ノウハウ、強固なネットワークといった当社固有の強みを継続・強化していくことにより競争力の強化を図って対応しております。
(8)ITオフショア開発事業における海外市場
当社グループは事業戦略の一環としてITオフショア開発事業を中心として海外市場での事業拡大を進めており、当社グループにおける海外事業の存在感は拡大しております。
当社グループの海外事業は、グローバル経済や為替などの動向、投資や競争などに関する法的規制、商習慣の相違、労使関係、国際政治など、さまざまな要因の影響下にあり、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
これに対して、当社グループでは多様な経歴を有する社外取締役を含む取締役会及び当社経営陣及び主要幹部を構成とする経営戦略会議にて、常時法改正や特例措置等の情報を収集する体制を整備運用しております。情報をいかに早く収集し改善策を立案することで、あらゆる変化を想定して対応しております。
(9)投資事業
投資活動に伴い当該投資先が連結対象に加わった場合、マイナスの影響が発生するなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが投資時点においてその想定した通りに投資先が事業を展開できない場合、投資活動に伴い発生したのれん、有形固定資産、無形資産、株式などの金融資産の減損損失が発生する等、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これに対して、当社経営陣及び主要幹部を構成とする経営戦略会議にて、毎週定例会にて状況を確認し、想定する展開方法を期待できない場合の代替手段や第二手段を通じて、あらゆる状況を想定して対応しております。
(その他全社事項に係る事業リスク)
以下のリスクについても、取締役会や経営戦略会議を通じて当社グループの役員陣が議論しており、適宜対応しております。
(1)自然災害、事故等のリスクについて
当社の主要な事業拠点は、本社所在地である東京都であります。当該地区において大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等により、業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合には、当社の事業活動に支障をきたす可能性があり、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(2)技術革新について
当社は、技術革新や顧客ニーズの変化のサイクルが極めて速いインターネット業界において、事業を行うにあたり、先端的な技術の知見やノウハウの蓄積、高度なスキルを有する優秀な技術者の採用等を積極的に推進する予定としております。しかしながら、これらの予定に何らかの困難が生じ、技術革新に対する適切な対応が遅れた場合、システム投資や人件費の増大、業界内における技術的優位性や競争力の低下が、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(3)会社組織に関するリスクについて
① 創業者への依存について
取締役CGOである吉村英毅は、当社設立以来、経営方針や経営戦略の決定をはじめ、会社の事業推進に重要な役割を果たしております。同様に取締役会長である大石崇徳も設立当初から経営方針や経営戦略の決定等において重要な役割を果たしており、ツートップ体制により、互いに補完し合いながら、かつ互いに牽制が働く体制となっております。何らかの理由により両氏にともに不測の事態が生じた場合、または、両氏が退任するような事態が発生した場合には、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
これに対して、当社では、代表取締役社長である柴田裕亮を始めとし、取締役や執行役員各々が参加する会議を開催し、適宜に権限移譲も行い、両氏に依存しない経営体質の構築も並行して進めることで対応しております。
② 個人情報の管理について
当社は、事業の運営に際し、顧客その他の関係者の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。第三者によるセキュリティ侵害、ハッキング、従業員の故意又は過失等により、当社が保有する個人情報及び機密情報が外部に流出する又は不正に使用される等の事象が発生した場合、当社は顧客等に対する損害賠償責任を負うとともに、当局から業務改善命令を受ける可能性がある等、当社の業績、事業及び社会的信用に悪影響を与える可能性があります。
しかしながら、当社では個人情報の取扱と管理には細心の注意を払い、社内でのルール化やその手続きの明確化・徹底化を図っております。また、経済産業省の外郭団体である一般財団法人日本情報経済社会推進協会の発行するプライバシーマークを取得し、個人情報の管理を厳格にしております。
(4)ストック・オプション行使における株式価値の希薄化について
当社は、取締役、執行役員及び従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。今後につきましても、ストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加えて、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合には、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。
(5)システムリスクについて
当社は、顧客やコンテンツを管理しているサーバーや閲覧・予約システムにおいて、アクセス過多によるサーバー停止、ネットワーク機器の故障および自然災害や事故、火災等による何らかのトラブルが発生することで、顧客への情報提供や予約業務に障害が生じる可能性があります。
これに対して、当社ではサーバーの負荷分散、稼働状況の常時監視、定期的バックアップ実施の手段を講じることで、システムトラブルの防止及び回避に対応しています。
(6)関連当事者との取引について
当社は、当連結会計年度(自2019年10月1日 至2020年9月30日)において、当社役員である吉村英毅との間に以下の取引があります。当該取引は関連当事者との重要な取引であるため、取引条件及び決定方針について、取締役会で承認を得ることで対応しております。
(注)1.当社は銀行借入に対して、取締役である吉村英毅より債務保証を受けております。また、取引金額には被保証債務の当事業年度末残高を記載しております。なお、保証料の支払いは行っておりません。
2.当社は仕入債務に対して、取締役である吉村英毅、主要株主である吉村ホールディングス株式会社より債務保証を受けております。また、取引金額には被保証債務の当事業年度末残高を記載しております。なお、保証料の支払いは行っておりません。
(業績等の概要)
(1) 業績等
(単位:百万円)
(注)当連結会計年度に株式会社ひかわが連結除外されたため、同社からの事業を非継続事業に分類しております。これにより、売上収益、営業利益、税引前利益、及び親会社の所有者に帰属する当期利益は、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しております
当社は当年度において、商号とブランド名を「エアトリ」に統一いたしました。
OTA(Online Travel Agent)として強固な事業基盤を構築し、ブランドの認知向上を図っております。
また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、当社はグループの事業領域の再整理も実施いたしました。
オンライン旅行事業においてライフイノベーション事業を新設し、これまでの旅行関連サービスのノウハウを生かし、with/afterコロナ時代の新たな生活に向けた利便性を高める事業を展開しております。
当期における売上収益は、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大と各国の当該感染症の拡大防止策による影響が、2020年3月以降にオンライン旅行事業及びITオフショア開発事業に大きく影響を与えております。オンライン旅行事業では前年同期比12.6%減の18,794百万円となり、ITオフショア開発事業では前年同期比24.1%減の1,888百万円となりました。他方、投資事業においては、当社IPO案件の出資先の新規上場に伴う当該株式の譲渡により、前年同期比61.7%増の558百万円となりました。以上より、当期における売上収益は、前年同期比12.6%減の21,241百万円となりました。
当期における営業利益は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う売上収益の減少及び減損損失の計上が、営業利益に影響を与えております。オンライン旅行事業では前年同期比779.6%減の営業損失7,544百万円、ITオフショア開発事業では前年同期比100%減の営業利益0百万円、投資事業では前年同期比174.3%減の営業損失247百万円となっております。
減損損失につきましは、当連結会計年度第2四半期において既に1,044百万円の減損損失を計上しております。同連結会計年度第4四半期において追加で5,947百万円の減損損失を計上し、合計6,991百万円の減損損失を計上しております。これは上記感染症が、当社グループのインバウンド・アウトバウンド需要及び一部の国内需要を大幅に喪失させていることにより、のれん4,225百万円、その他ソフトウエアを中心とした固定資産1,626百万円の減損損失を計上しております。以上より、当期における営業利益は、前年同期比9,775百万円減の営業損失8,994百万円となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
オンライン旅行事業
(単位:百万円)
販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症拡大による売上収益及び営業利益の減少を見込み、広告宣伝費・人件費・賃借料を中心に変動費と固定費を大幅に見直しております。オンライン旅行事業におけるオペレーションコストの変動費化、頻閑に応じたコストコントロールの実施、大幅な在宅勤務移行に伴う賃借料等の抑制を実現した結果、当期における販売費及び一般管理費は、売上収益減少に対する費用削減の割合縮小を達成しております。しかしながら、上記減損損失を計上したことによりセグメント利益はマイナスとなりました。
翌期以降は、上記コスト削減の継続及び当期減損損失を計上に伴う翌期以降の固定費縮小、及びGoToトラベルキャンペーンの追い風に伴う国内旅行事業領域の回復により、リ・スタートに向けた体制が整備されております。
1.エアトリ旅行事業
当社は創業当時からオンラインに特化した旅行会社として、お客様へ便利なサービスを提供してまいりました。3つの強みである「仕入れ力」「多様な販路」「システム開発力」を主軸として、以下のサービスを展開しております。
① BtoCサービス(自社直営)分野
当社は業界最大規模の国内航空券取扱と各航空会社、東日本旅客鉄道との提携等で、強い競争力を実現しています。国内・海外旅行コンテンツを簡単に比較・予約出来るサイト「エアトリ」を運営しております。サイトの使いやすさに一層こだわりお客様に最適な旅の選択肢を届けます。
② BtoBtoCサービス(旅行コンテンツ OEM提供)分野
国内航空券・旅行、海外航空券・ホテル商材を、他社媒体様へ旅行コンテンツとして提供をさせていただいております。コンテンツのラインナップを増やすことにより、媒体ユーザー様の顧客満足度向上の一助となります。
③ ビジネストラベルマネジメント(BTM)
「エアトリBTM」において、日常業務の出張に関するチケット手配、効率的な管理業務システムを展開しており、ご出張のニーズがある企業様へ無料でシステムをご提供しております、直接コスト+間接コスト削減を実現しております。
2.訪日旅行事業
エアトリ旅行事業で蓄積したノウハウを、いち早く訪日外国人向けサービス及び民泊運営企業向けサービスとして展開しております。
① 訪日旅行客向けWi-Fiレンタル
エアトリの子会社である株式会社インバウンドプラットフォームにおいて、訪日旅行客向けのWi-Fiルーターレンタルサービスを展開。レンタル実績は200,000件を超え、長年の信頼と口コミでブランドを確立しております。キャンピングカーのレンタルと併せ、インバウンド需要に対するサービス拡大を図ります。
② 訪日旅行客向けダイナミックパッケージ
増加する東南アジア発の個人訪日旅行客に向け、各国言語への対応を強化し、まずはタイ語での日本国内ホテル・旅館情報を整備し、株式会社ジャルパックが販売する「日本初となる訪日外国人向けのダイナミックパッケージ」に国内ホテル・旅館のコンテンツを提供しております。他国方面において訪日旅行の販売促進環境を整えてまいります。
③ 民泊ホスト向けワンストップサービス
現在日本において年々増加傾向にある空き家を有効活用するため、住宅宿泊事業法に則ったお部屋の運用を「株式会社エアトリステイ」がご提案しております。増加する訪日外国人のうち、5人に1人が利用している「Airbnb」と日本初の公式パートナーとなり、物件の登録から物件運用までをワンストップでサポートしており、今後は更なるサービスの拡張を予定しております。
3.ライフイノベーション事業
「エアトリ」を通じて蓄積してきた様々な旅行関連サービスのノウハウを生かし、お客様の生活のあらゆる
シーンをより便利にすることを目的として、以下の事業を展開しております。
① ヘルスケア・PCR検査等
新型コロナウイルスの影響で対面診療の在り方が問われる中、単なる対面診療に代わるオンライン診療の提供ではなく、ユーザーの状況・ニーズに応えた地域医療・在宅診療とインターネットの組み合わせによる24時間・365日の地域医療提供サービスの構築支援に日々取り組んでおります。
「旅行・出張」×「医療」の分野においても包括的な取組を行い、当社子会社である株式会社ピカパカ社の提携する医療機関・クリニックが国内外の旅行・出張時におけるPCR検査・抗体検査サービス等の提供も進めていく予定です。
② メルマガ・WEBメディア
「伝えたいことを、知りたい人に」の理念とする当社子会社である株式会社まぐまぐと連携し、世界中からクリエイター等のコンテンツを集め、その情報に価値を感じる人の手元に届ける仕組みを開発・提供しています。無料・有料メールマガジン配信サービスの「まぐまぐ!」をはじめ、記事単位で購読できる「mine」。
また、コンテンツを発掘し、数多くの知りたい人に届けることができるWEBメディア「MAG2 NEWS」「MONEY VOICE」「TRiP EDiTOR」「by them」の運営を行なっています。
③ スーツケース販売・レンタル
スーツケースをはじめとするトラベル関連用品のレンタル及び販売を行っており、大手小売店や量販店への自社製品の提供、EC展開、OEM展開等も行っております。常に高品質で使いやすく耐久性のある良品を開発、展開してまいります。
当連結会計年度におけるオンライン旅行事業セグメント売上収益は、前年同期比12.6%減の18,794百万円となりました。新型コロナウイルス感染症拡大と各国の拡大防止策の影響を受け、減収となりました。
当連結会計年度におけるオンライン旅行事業セグメント損益は、前年同期比779.2%減の△7,544百万円となりました。主な減少要因は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う減損損失の計上によるものです。
ITオフショア開発事業
(単位:百万円)
ITオフショア開発事業では、ベトナムのホーチミン、ハノイ及びダナンにて、主にEコマース・Webソリューション・ゲーム・システム開発会社等を顧客として、ラボ型開発サービスを提供しております。
当社のラボ型開発サービスは、顧客ごとに専属のスタッフを都度新規採用してチームを組成しており、顧客が随時ラボの開発状況を確認することが可能なスタイルとなっております。
当連結会計年度におけるITオフショア開発事業セグメント売上収益は、前年同期比23.1%減の1,888百万円となりました。新型コロナウイルス感染症拡大と各国の拡大防止策の影響を受け、減収となりました。
当連結会計年度におけるITオフショア開発事業セグメント損益は、前年同期比100%減の0百万円となりました。
投資事業
(単位:百万円)
投資事業では、①旅行業界の再編機運を捉えたM&Aの推進、②継続的な事業規模拡大を目指した積極的投資の推進、③旅行事業の続く事業成長に向けたM&Aの推進、④旅行周辺領域の一部事業売却の検討等、収益性と成長性を軸としたグループ内の事業ポートフォリオを構築して、M&A戦略を推進しております。個人ユーザー及び企業クライアントの現在及び将来のニーズに応えるために、新たな働き方に対応するサービス等、革新的で差別化された領域に継続的に投資を行っております。当連結会計年度においては、投資先を64社まで拡大しております。
当連結会計年度における投資事業セグメント売上収益は、前年同期比61.7%増の558百万円となりました。当連結会計年度における当社IPO案件の出資先3社の新規上場に伴う当該株式の売却により、増収となりました。
当連結会計年度における投資事業セグメント損益は、前年同期比174.4%減の△247百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は前連結会計年度末より1,954百万円減少し、7,042百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により使用した資金は、前連結会計年度末より483百万円減少し、△559百万円となりました。この主な要因は、税引前損失を8,671百万円計上し、売上債権が1,887百万円減少し、仕入債務が2,015百万円減少したことに加え、減損損失を6,991百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により獲得した資金は、前連結会計年度末より935百万円増加し、256百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出220百万円、無形資産の取得による支出600百万円、敷金の回収による収入126百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却に伴う収入742百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、前連結会計年度末より6,103百万円増加し、1,643百万円となりました。この主な要因は、社債の発行による収入991百万円、長期借入の借入による収入449百万円、長期借入の返済による支出2,044百万円によるものであります。
(生産、受注及び販売の実績)
当社はオンライン旅行事業、ITオフショア開発事業及び投資事業を主たる事業としているため、生産実績及び受注実績はありません。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) ITオフショア開発事業及び投資事業について、仕入れは該当がないため記載しておりません。
当連結会計年度の販売実績及び取扱高実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
① 販売実績
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合について、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
② 取扱高実績
(注) ITオフショア開発事業及び投資事業については、販売実績と取扱高実績は同数になります。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
当社の当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、一定の会計基準の範囲内において、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や現在の取引状況ならびに入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積もりや仮定を継続的に使用しておりますが、見積り及び仮定には不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5経理の状況 1連結財務諸表 連結財務注記 (5) 重要な判断及び不確実性の見積りの主要な源泉」をご参照ください。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は21,241百万円となり、前連結会計年度に比べ3,065百万円(前連結会計年度比87.3%)減少いたしました。旅行商材の比較サイトによる直販(BtoC)、他社媒体へ当社の検索予約エンジンを提供するOEM提供(BtoBtoC)、法人の出張手配を販路に、国内航空券や海外ホテルを中心に旅行商材の販売を行う「オンライン旅行事業」と、ベトナムにおけるラボ型システム開発を行う「ITオフショア開発事業」が、コロナ禍による影響により当初想定に比べてかなり減少したことによるものであります。
当連結会計年度の売上原価は13,736百万円となり、前連結会計年度に比べ2,350百万円(同120.6%)増加いたしました。これは主に、旅行事業におけるツアー売上及びITオフショア開発事業の売上減少によるものであります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は7,504百万円となり、前連結会計年度に比べ5,415百万円(同58.0%)減少いたしました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は9,121百万円となり、前連結会計年度に比べ3,747百万円(同70.8%)減少となりました。
また、当連結会計年度における投資損失は412百万円となり、前連結会計年度に比べ562百万円(同274.6%)減少となりました。 この結果、当連結会計年度の営業損失は8,994百万円となり、前連結会計年度に比べ9,671百万円(同1430.4%)減少いたしました。
当連結会計年度の金融収益は9百万円となり、前連結会計年度に比べ9百万円(同50.0%)減少となりました。当連結会計年度の金融費用は204百万円となり、前連結会計年度に比べ94百万円(同185.4%)増加いたしました。
この結果、当連結会計年度の税引前純損失は9,190百万円となり、前連結会計年度に比べ9,775百万円(同1,670.8%)減少いたしました。 また、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期純損失は8,692百万円となり、前連結会計年度に比べ 9,423百万円(同1288.4%)減少いたしました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
(資産)
資産は前連結会計年度末に比べ9,312百万円減少しました。これは主に、現金及び現金同等物1,954百万円の減少、営業債権及びその他債権2,875百万円の減少、有形固定資産、無形資産、のれん6,977百万円の減少及び使用権資産3,156百万円の増加によるものです。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ1,751百万円減少しました。これは主に、営業債務及びその他の債務1,768百万円の減少、有利子負債1,567百万円の減少、及びリース負債3,254百万円の増加によるものです。
(資本)
資本は前連結会計年度末に比べ7,560百万円減少しました。これは主に、当連結会計年度において当期損失8,825百万円計上したことにより、利益剰余金8,734百万円を減少したことによるものです。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社オンライン旅行事業におきましては、業界全体の動向や取引先の施策に影響を受ける部分が大きく御座います。また、ITオフショア開発事業に関しましては、基本的に人月単価×人員数によって顧客に請求を行うビジネスモデルであるため、新規ラボの開発設数、既存ラボの増減員数が売り上げに大きく影響を与えます。当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の内容となっております。当社は、これらのリスク要因について、リスク軽減策を講じるように取り組んで参ります。
(6) 新型コロナウイルス感染症の拡大に関する会計上の見積り
当社グループでは、2020年3月以降、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大と各国の当該感染症の拡大防止策による影響を強く受けており、感染第2波や第3波の状況や旅行需要の回復スピード、及び金融市況等は依然として先行き不透明感が強い現状となっております。
見通しを行う上で、国内旅行需要は翌連結会計年度より徐々に回復し、海外旅行需要は翌々連結会計年度以降に徐々に回復に向かうものと仮定して見通しを行っております。
今後の景気回復に伴ない旅行市場が更に成長し続けるものと見込み、当社のオンライン旅行事業の成長を促進させております。また、ITオフショア開発を進めることにより競合他社との競争を優位に進めていくため、システム全般の強化を図って参ります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社が今後も成長するためには、引き続き「エアトリ」のサービス改善を行うことによる利便性の向上およびマス広告を含めたブランディング及び事業規模の拡大に合わせて適宜人員拡充を進めるとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大状況に応じた当社組織体制の再整備、及びwith/afterコロナに向かった新たなサービス展開を進めていくことが重要であると認識しております。
営業部門、システム開発部門等について事業規模や必要性に応じた採用を適宜行うとともに、内部管理体制の強化等の組織体制の再構築を図って参ります。
(7) その他、経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項はのれんであり、日本基準ではその効果の及ぶ期間で定額償却していますが、IFRSでは償却せずに毎期減損テストを行います。
(エアトリ旅行事業におけるコールセンター等オペレーション事業に係る事業譲渡)
当社は、2020年6月30日付でアップセルテクノロジィーズ株式会社に当社エアトリ旅行事業におけるコールセンター等オペレーション事業を譲渡する契約を締結し、同日付で締結した事業譲渡契約に基づいて、同年7月1日付で事業譲渡を実行いたしました。
(1)事業譲渡を行った理由
これまで主として内製化しておりましたコールセンター等オペレーション業務を譲渡移管することにより、当社は時期により変動する業務量に応じた最適な人的リソースの調整及びオペレーションコストの最適化を図ることが可能となり、繁開を加味した発注体制の構築が可能となります。
(2)譲渡する相手会社の名称
アップセルテクノロジィーズ株式会社
(3)譲渡する事業の内容
当社の旅行事業におけるコールセンター等オペレーション事業
(4)譲渡の時期
2020年7月1日
なお、連結財務諸表に与える影響については、現時点では未確定です。
(株式会社ひかわの株式取得及び株式売却に関する契約)
当社は、2019年11月29日開催の取締役会において、株式会社ひかわの株式を取得するとともに、当社を株式交換完全親会社とし、ひかわ社を株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決議し、株式譲渡契約及び株式交換契約を締結いたしました。
また、当社は2020年9月30日開催の取締役会において、当社が100%保有する株式会社ひかわの全株式を三栄源エフ・エフ・アイ株式会社に譲渡すること(以下、「本株式譲渡」という。)を決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。本株式譲渡により、株式会社ひかわは当社グループの連結範囲から除外されたため、同社の事業を非継続事業に分類しております。なお、株式譲渡は同日付で完了しております。
詳細につきましては、 「第5〔経理の状況〕1〔連結財務諸表等〕〔連結財務諸表等注記〕7.企業結合」をご参照ください。
該当事項はありません。