第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当事業年度における我が国経済は、アジア新興国をはじめとする景気減速懸念などの懸念材料に加え、欧米の情勢変化や為替の変動など景気の先行きについては不透明な状況となっております。

消費動向につきましても、物価上昇懸念や節約志向の高まりから引き続き国内個人消費の持ち直しには足踏みの状況がみられます。

このような状況の中、当社は、流通小売業におけるクライアントからのニーズにより一層応えるため、スーパーマーケット及び食品メーカー等を対象とする独自のマーケティングデータ分析プラットフォームを用いて、POSデータ、気象データ、商圏シェアデータ、独自調査のトレンドデータといった複合的なデータ分析を行うことで消費者に対する広告効果の最大化、消費者の視点に立ったセールスプロモーションの品質強化に注力いたしました。

当社では流通小売領域における知見を活かし、食品メーカー等と生活者と店頭とをつなぐ新たなダイレクトマーケティングサービスの準備に着手しており、当事業年度末現在、ダイレクトマーケティング支援アプリ「CASH☆BACK」のテストマーケティングを実施しております。本サービスは、商品・ブランドの認知、販売促進や継続購入等のインセンティブ機能を有するメディアサービスであり、今後各種メーカー向けに提供していく予定であります。

既存サービスに関しては、平成28年5月に西日本一帯への当社ソリューションの普及を目指して国内17カ所目となる福岡支店を開設いたしました。これと同時に西日本エリアを当社の重要営業戦略地域として位置づけて全国的に営業活動を行ってまいりました。その結果、西日本エリア及び東北エリアの新規クライアントに対する販売促進業務が開始見込みとなるなど業容の拡大に向けて注力いたしました。

また、販売促進業務の拡大や新規開拓へ向けて、当社独自の自動広告システムである「Automatic Digital Publishing System(ADPS)」を開発いたしました。今後のADPSの稼働・運用により、広告工数・コストの低減や制作時間の短縮が見込まれることから、引き続き積極的な事業開拓を進めてまいります。

以上の結果、当事業年度の売上高は7,574,472千円(前事業年度比5.6%増)、営業利益は838,267千円(前事業年度比11.3%増)、経常利益は822,499千円(前事業年度比11.8%増)、当期純利益は564,447千円(前事業年度比15.6%増)となりました。

なお、当社の事業は統合型販促支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ26,013千円減少し、2,081,456千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、641,147千円(前年同期比24,561千円増)となりました。これは主に、税引前当期純利益804,880千円の計上、法人税等の支払額201,279千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、523,549千円(前年同期比485,306千円増)となりました。これは主に、定期預金の増減額295,222千円、有形固定資産の取得による支出49,243千円、無形固定資産の取得による支出59,000千円、投資有価証券の取得による支出101,100千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、143,611千円(前年同期は851,868千円の獲得)となりました。これは、配当金の支払額101,400千円等によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

(2)受注状況

当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

(3)販売実績

当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社は統合型販促支援事業の単一セグメントであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

統合型販促支援事業

7,574,472

5.6

合計

7,574,472

5.6

 

(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当事業年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社バロー

3,820,478

53.2

4,087,116

54.0

株式会社ライフコーポレーション

850,591

11.2

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、「私たちは、国際社会の中で社員一人一人の自己の成長と企業の安定、発展をはかり感謝と誠意をもって顧客へサービスを提供し社会に貢献しつづける。」を経営理念とし、「商品」、「店舗」、「消費者」に関するありとあらゆるデータとクリエイティブをもとに、統合型販促支援サービスを行うことで、クライアントの皆様の抱える課題に対し、新たな時代の販売促進を実現するコンサルティングファームとして常に「新しいバリュー」を提供することを経営の基本方針としております。

 

(2)経営戦略等

当社が今後さらなる成長と発展を遂げるためには、「3.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載の課題に対応していくことが経営上重要であると認識しております。

このため当社は、サービス品質の継続的な向上、優秀な人材の採用・教育等を通じた営業力強化によるさらなる新規顧客の獲得及び当社の販売促進支援サービスの領域を食品メーカー等へ展開していく方針であります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、持続的な利益成長を目指して、継続的な事業拡大の観点から、各サービスにおける成長性や効率性の向上に取り組んでおり、「売上高」及び「経常利益」を重要な経営指標として位置づけております。

 

(4)経営環境

当社のクライアントである流通小売業界においては、魅力的な商品設定や適切な流通活動を行ったとしても、消費者がその商品を認知し、関心を持ち、消費行動に至らなければ販売には結びつかないことから、販売促進活動は事業運営上重要なものとなっております。また、近年では、コンビニエンスストアのみならず、食品販売を拡大しているインターネット通販など異業種との競争が激化するなどマーケティング分析をはじめとする販売促進手法に対するニーズが高まっていることから、当社が提供している統合型販促支援事業に対する需要も堅調に推移することが見込まれると考えております。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当社が対処すべき課題は以下のとおりであります。

(1) 自社サービスの強化

当社が提供している流通小売業に対する販売促進支援サービスを強化するためには、クライアントの売上、利幅の改善や効率化に役立つサービスの提供をする必要があります。

このため、流通小売業に対する販売促進支援サービスについて、マーケティングチームの拡充やインターネット技術等を活用したマーケティング分析をより一層強化することにより、当社サービスのさらなる強化を図ってまいります。

 

(2) 新サービス等への投資

当社がさらなる事業拡大を図るためには、既存サービスとシナジー効果のある営業領域等へ進出することが必要であると考えております。このため、コストベネフィットを意識したうえで、新サービス等への投資活動を積極的に展開してまいります。

 

(3) 優秀な人材の確保と育成

当社のさらなる成長のためには、優秀な人材の確保及び育成が不可欠であると認識しております。人材の多様性を重視したうえで、新卒・中途採用の強化を行い、継続的な人材の育成を図ってまいります。

 

(4) 内部管理体制の強化

当社は、事業規模を拡大すると同時に企業価値を継続的に高めていくためには、内部管理体制の維持・強化が必要であると考えております。社内規程や業務マニュアルの整備、定期的な社内教育の実施等を通じて業務の標準化と業務効率の向上、並びに法令遵守の徹底を図るとともに、内部監査の実施等により内部管理体制の実効性を確保してまいります。

 

4【事業等のリスク】

以下において、当社の事業展開その他に関してリスク要因となる可能性がある主な事項を記載しております。また、リスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。また、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) 事業環境に関するリスク

当社は、日本国内における流通小売業界に依存しており、当社の業績は国内の景気や個人消費の動向等の経済環境のみならず、流通小売企業各社の景況等に影響されやすい傾向にあります。このリスクに対して、流通小売業の取引先に加え、食品メーカー等を含めた新規取引先の開拓を行い、特定の業界に依存している状況からの転換を図っていく考えでありますが、国内の景気や個人消費の動向等の経済環境並びに流通小売業界における景況等が悪化した場合には、取引先数の減少や取引先における販売促進費の抑制が想定され、当社の業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります

 

(2) 特定の取引先の依存について

当社は、株式会社バローに対して、折込広告を主力媒体とした販促物の企画・提案・デザイン・制作等の販売促進支援サービスを提供しており、同社に対する売上高の割合は過半を占めております。現状において、当社は同社と安定的な取引関係にありますが、何らかの要因により取引関係に問題が生じた場合、あるいは販売促進政策の変更等があった場合には、当社の業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります

 

(3) 競争激化に関するリスク

当社は、流通小売業に対して、折込広告を主力媒体とした販促物の企画・提案・デザイン・制作等の販売促進支援サービスを事業領域としておりますが、当該領域においては多くの企業が事業展開をしております。当社では、販促物の企画・提案・デザイン・制作などのサービスを自社にて一気通貫で提供することにより、他社との差別化をしておりますが、今後一層競争が激化した場合には、当社の業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります

 

(4) 組織体制に関するリスク

① 特定経営者への依存について

当社の代表取締役である蛯谷貴は当社の創業者であり、経営方針や経営戦略の立案をはじめ、営業戦略や新サービス開発等の経営全般において重要な役割を果たしております。

当社は、経営体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の構築に努めておりますが、何らかの理由により、同氏が業務執行できなくなった場合、当社の業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材の確保、育成について

当社において、今後の事業拡大や企業運営を円滑に遂行していく上で、優秀な人材を確保することが極めて重要であります。しかしながら、必要な人材を適切な時期に確保できない場合、または社内の有能な人材が流出した場合には、経常的な業務運営や事業展開に支障が生じ、当社の業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります

 

③ 内部管理体制について

当社は、企業価値の持続的な向上を図るため、事業規模の拡大に合わせ、人員の増強や組織再編等の内部管理体制の充実を図ってまいりますが、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築に遅れが生じた場合には、当社の業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります

 

(5) コンプライアンスに関するリスク

① 法的規制について

当社が販売促進支援活動の過程で作成する、折込広告を始めとする販促物は、その表現について「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「不正競争防止法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」、「著作権法」及び「商標法」等の規制を受けております。

当社が行っている事業は販売促進支援サービスであり、実際に商品・サービスを供給している者には該当しないため、当社が直接的にこれらの規制の対象となるわけではありませんが、販促物の企画立案や制作に携わることから、当該販促物に不当な表示がなされた場合には、当社の社会的な信用や事業展開に影響を及ぼす可能性があります

 

② 情報管理体制について

当社は、消費者の購買行動を測定・蓄積・分析し定量的に評価する目的で、取引先のPOSデータをはじめとする重要な情報を取り扱っております。このため、当社では、情報セキュリティ規程の制定・周知、役職員に対する情報セキュリティに関する教育研修の実施、プライバシーマークの認証取得等、情報管理体制の強化に取り組んでおります。

しかしながら、不正侵入や故意又は過失により、重要な情報が外部に漏洩した場合には、当社への損害賠償請求や当社に対する社会的な信用低下等により、当社の業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります

 

③ 訴訟等について

当社では、現時点において業績に影響を及ぼす訴訟、紛争は生じておりません。また、当社が法令等遵守を徹底しているため、今後も当社に関連する訴訟、紛争の可能性は低いものと考えております。

しかしながら、今後何らかの事情によって当社に関連する訴訟、紛争等が発生した場合において、当社が的確に対応できなかった場合には、損害賠償請求や社会的な信用低下等により、当社の業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 災害・事故等に関するリスク

当社又は当社の取引先において、地震、洪水、火災等の災害や電力その他社会インフラの障害等の事故等が発生した場合には、製造、調達、物流等の機能が停止又は制限される可能性があり、当社の業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当事業年度末における資産は、前事業年度末と比較して409,403千円増加し、4,399,785千円となりました。これは主に、現金及び預金279,208千円、投資有価証券93,156千円及びソフトウエア28,142千円の増加によるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債は、前事業年度末と比較して49,271千円減少し、1,376,537千円となりました。これは主に、支払手形24,052千円及び買掛金16,756千円の減少によるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末と比較して458,675千円増加し、3,023,248千円となりました。これは主に、配当金の支払101,400千円、当期純利益の計上564,447千円等によるものであります。

 

(3) 経営成績の分析

(売上高)

当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ398,761千円増加し、7,574,472千円となりました。主な要因は、新規クライアントとの取引開始、当社の販売促進サービスの提案促進及び当社クライアントの新規出店に伴うオープン広告需要が寄与したことによるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べ195,922千円増加し、5,666,828千円となりました。主な要因は、売上高の増加に伴うものであります。

この結果、当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ202,839千円増加し、1,907,643千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ117,695千円増加し、1,069,376千円となりました。主な要因は、業容拡大に伴う人件費の増加33,130千円等であります。

この結果、当事業年度の営業利益は、前事業年度に比べ85,143千円増加し、838,267千円となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べ2,806千円減少し、2,004千円となりました。主な要因は、為替差益の減少2,685千円等であります。

当事業年度の営業外費用は、前事業年度に比べ4,255千円減少し、17,771千円となりました。主な要因は、上場関連費用の減少20,773千円、市場変更費用の増加16,928千円等であります。

この結果、当事業年度の経常利益は、前事業年度に比べ86,592千円増加し、822,499千円となりました。

 

(特別利益、特別損失、税引前当期純利益)

当事業年度の特別利益は発生がなく、当事業年度の特別損失は、17,619千円(内訳は減損損失15,962千円、投資有価証券評価損1,656千円)となりました。

この結果、当事業年度の税引前当期純利益は、前事業年度に比べ72,926千円増加し、804,880千円となりました。

 

(当期純利益)

当事業年度の法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は、前事業年度に比べ3,267千円減少し、240,432千円となりました。

この結果、当事業年度の当期純利益は、前事業年度に比べ76,194千円増加し、564,447千円となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。