当連結会計年度におけるわが国経済においては、政府による経済・金融政策を受けて企業収益や雇用情勢が改善したほか、訪日外国人の増加によるインバウンド消費の拡大が見られ、雇用情勢や所得環境の改善など緩やかながら景況感は回復基調で推移いたしました。
しかしながら、中国や新興国の景気が減速し、欧州経済の先行きに不透明感が高まり、為替相場が円高に転じ始め、これまで輸出企業を中心に牽引してきた経済成長に対する懸念が強まってきているほか、大手企業の賃上げが前年水準を下回るなどの理由で個人消費が伸び悩みを見せており、景気の先行きに対する不透明感が増してきております。
当社グループが属する寝具業界におきましては、人々の健康や快眠への関心の高まりにより、機能性を重視したマットレス等の寝具の需要が堅調であり、近年において寝具市場全般を牽引しております。平成27年(1月~12月)の寝具市場規模は4年連続で1兆円台を維持したものの、前年比4.8%減の1兆760億円(有限会社寝具新聞社調査)と推測されております。個人消費が伸び悩んでいる中で、生活必需品である寝具市場は概ね堅調に推移しているものと思われます。
こうした状況の中、当社グループは、企業理念である「人々の健康な生活のためにクオリティの高い眠りの提供に努め企業価値を高めることで社会の進歩と発展に貢献し全社員の成長と幸福を追求する」に基づき、総合寝具関連企業として、寝具・リビング用品の生産・販売を積極的に推進し、また、関連サービスの充実にも努めました。
主力のダイレクトセールスについては、営業人員の確保が売上高伸張に影響するために、積極的な人材採用に努めましたが、採用環境が売り手市場となったことで営業人員の確保に苦戦する状況となり、売上は伸び悩みました。一方で、多様化するお客様のニーズに応えるために、主力製品の寝具以外のリビング用品として、ふとんカバーの刺繍技術を用いたオーダーカーテンの生産・販売並びに畳の販売を開始し、商品ラインナップの充実に努めました。
ダイレクトセールス以外の卸売、レンタル、ホテル・旅館向け販売については、国内景気の緩やかな回復とともに、法人顧客の需要に積極的に応え、業績は好調に推移いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は22,147,609千円(前期比5.8%増)となりました。営業利益は、売上高の増加のほか、採用が伸び悩んだことで人件費が抑制されたことを理由に、2,115,818千円(前期比95.9%増)となりました。また、営業外費用における為替差損が前期比増加し、経常利益は1,882,209千円(前期比9.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,397,202千円(前期比11.1%増)となりました。
なお、セグメント別の業績は次のとおりであります。
(寝具・リビング用品事業)
売上高は21,330,420千円(前期比5.6%増)、営業利益は1,835,074千円(前期比100.5%増)でありました。
(不動産賃貸事業)
売上高は817,188千円(前期比11.8%増)となり、営業利益については、前期に比べて修繕費等が減少したことを理由に、280,744千円(前期比70.1%増)でありました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度に比べ451,959千円増加し、10,913,759千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローと要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は2,946,543千円(前連結会計年度は1,237,223千円の獲得)となりました。
この主な要因は、税金等調整前当期純利益1,845,220千円、減価償却費522,145千円、たな卸資産の減少413,234千円の計上などがあった一方で、法人税等の支払額306,537千円などがあったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は1,292,304千円(前連結会計年度は892,359千円の獲得)となりました。
この主な要因は、収入については、定期預金の減少658,268千円などによるものであり、支出については、有形固定資産の取得による支出383,066千円、投資有価証券の取得による支出2,174,673千円などがあったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は1,080,591千円(前連結会計年度は349,032千円の使用)となりました。
この主な要因は、支出については、短期借入金の返済による支出911,519千円、配当金の支払額393,682千円などによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
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寝具・リビング用品事業 |
7,692,934 |
114.5 |
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不動産賃貸事業 |
― |
― |
|
合計 |
7,692,934 |
114.5 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの製品のうち、主力のダイレクトセールス用については大部分が見込生産であります。また、卸売用などについては主に受注生産を行なっておりますが、全般的に生産に要する期間が短いことから記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
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寝具・リビング用品事業 |
21,330,420 |
105.6 |
|
不動産賃貸事業 |
817,188 |
111.8 |
|
合計 |
22,147,609 |
105.8 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
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販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
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Ikea Trading HK Ltd |
3,178,260 |
15.2 |
4,392,814 |
19.8 |
(注) 販売高は、同一企業グループに属する他の会社に対する売上高を合算して記載しております。
当社グループは、「人々の健康な生活のためにクオリティの高い眠りの提供に努め企業価値を高めることで社会の進歩と発展に貢献し全社員の成長と幸福を追求する」という企業理念のもと、製販一体経営の強みを活かし、主力のダイレクトセールス並びに卸売等を強化するために、関連サービスを絡めた既存製品の拡販のみならず、新製品・商品の開発にも尽力してまいります。
近年、羽毛原材料の仕入価格は高騰傾向にありますが、より多くのお客様にクオリティの高い眠りを提供するために、主力のダイレクトセールスで取り扱っている高付加価値の製品以外に、卸売、レンタル、ホテル・旅館向け販売において、より手ごろな価格で提供できる製品の開発をさらに進めてまいります。
また、これらの事業展開に必要な人員確保が不可欠であることから、採用活動を強化していくとともに、適正な管理が行き届くよう社員教育を強化してまいります。
(1) ダイレクトセールスの強化
① 営業社員平均勤続年数の向上
営業社員の平均勤続年数は、当社グループの製造部門社員、管理部門社員と比べて短い状況にあります。当社グループでは、努力が公平に反映され、モチベーションアップとなるよう社歴・経験・年齢に関係なく、社内基準により昇給・昇格・業績給が得られる評価制度を採用しておりますが、平均勤続年数の向上に向けて、各種研修の充実、職場環境の改善、福利厚生の充実に努めてまいります。
② 営業社員採用の強化
ダイレクトセールスは顧客と直接対面する販売方法であり、営業社員を確保することで初めて実現するものであるため、業績の維持並びに拡大のためには、営業社員数の維持並びに増員が不可欠であります。求人雑誌、インターネット媒体を活用し、会社説明会を積極的に行い、人材採用をさらに強化してまいります。
③ お客様への提案力と接点の強化
営業社員並びに販売代理店にはタブレットPCを配布し、お客様への製品・商品のご案内(カタログ、動画等)やお客様情報の登録・検索に利用しております。今後、同PCの機能を充実・強化のうえ、さらにお客様への提案力強化と接点の強化を図ってまいります。
④ ダイレクトセールス向け新製品・商品の開発
当社グループでは製品企画部門、在庫管理部門、仕入部門等が共同で新製品・商品の提案、検討を行っております。
特に寝具新製品の開発にあたっては、人間工学並びに使い心地の研究も必要なため、大学並びに睡眠時無呼吸症候群専門医療機関とも連携しております。人々の健康と睡眠に対する関心が高まっており、より一層、お客様の健康に貢献できる製品を開発してまいります。
また、リビング用品については平成28年3月期より、当社グループ生産のオーダーカーテン並びに畳(外部業者からの仕入れ)の販売を開始しております。今後も、お客様の住環境向上に貢献できるリビング用品を積極的に開発してまいります。
(2) 販売形態の拡充
主力のダイレクトセールス以外の販売形態拡充戦略として、卸売、レンタル、ホテル・旅館向け販売に注力しております。各販売形態ごとの戦略は、「第2 事業の状況 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6) 経営戦略と今後の見通しについて」をご参照ください。
また、インターネットで申込みいただいたお客様に対して、販売員がご自宅へ伺って商品等をお持ちし、寝心地を確かめていただいたうえで、ご購入いただくウェブサイト「おうちdeまるはち」を通じて、幅広い層の顧客開拓を目指しております。
(3) 生産体制の強化
現在、当社グループでは、羽毛ふとんの側生地加工(刺繍含む)、毛皮製品の原皮なめし加工等は海外工場(外注先含む)にて行い、羽毛ふとんの羽毛投入、羊毛敷きふとんの縫製加工、製品検査等は国内工場にて行っております。
各販売形態の多様化に応じた製品開発の強化に対応していくために、海外工場と国内工場との役割分担を適宜見直しつつ、当社グループ全体の生産能力向上・効率化を図ってまいります。
(4) 原材料の調達について
当社グループは、寝具主要原材料である羽毛を、主として中国・東欧から仕入れております。最近はグースの飼育減少に伴って供給量より需要量が大きくなり、仕入価格が上昇傾向にあります。また、為替相場が円安傾向の場合、仕入価格が上昇する傾向にあります。
当社グループでは、現地市況の把握や安定した仕入先の確保に努め、一定数の原材料は常に当社グループ倉庫に保管しておくことで原材料価格の高騰に備えてまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社グループ事業に係るリスク
① 寝具・リビング用品の市場動向について
寝具・リビング用品は生活必需品として安定した需要がありますが、近年は消費者の健康志向の高まりを背景に、睡眠に関する研究及び人間工学の成果を取り入れて機能性を高めた寝具や、高齢者及び介護に配慮したベッドなどの投入によって需要が喚起されております。近年において寝具・寝装品の市場規模は、高価格品と低価格品に二極化しながら概ね堅調に推移しております。平成27年の寝具市場規模は、1兆760億円(前年比△4.8%)(有限会社寝具新聞社調査)と推測されております。
このような環境において、当社グループは高品質な羽毛ふとんや羊毛敷きふとんなど、従来からの主力製品の製造・販売のみならず、健康志向で機能性を重視した新製品の開発にも努めております。また、総合寝具関連企業として、単に製造・販売するだけではなく、関連サービスであるふとんのリフレッシュサービス並びにクリーニングサービス、販売時の不要ふとんの無償回収(リサイクル)をお客様へ提供し、サービス向上にも努めております。
しかしながら、これらの活動が奏功せず、お客様のニーズに適合しない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 個人消費動向について
当社グループ連結売上高におけるダイレクトセールス比率は約5割(平成28年3月期)となっており、一般個人のお客様への依存度が高くなっております。
羽毛ふとんに代表される当社グループの製品は比較的高価格でありますが、ダイレクトセールスの顧客層は比較的家計に余裕のある中高年層が多いこと、また、ダイレクトセールスが能動的営業手法であり、お客様に製品の品質、機能性、メンテナンス方法等を直接訴求でき、積極的に潜在需要を掘り起こすことが可能であることから、当社グループダイレクトセールス部門の業績は個人消費動向全般の影響を受けにくい特性を持っております。
しかしながら、景気や経済環境の著しい変化により、個人消費動向が想定以上に著しく減退した場合、特に、想定以上に中高年層の消費動向が著しく減退した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 事業戦略について
創業以来、当社グループは寝具・リビング用品の一貫生産体制の構築とダイレクトセールスの全国展開を両輪に事業を拡大してまいりました。平成24年4月の当社設立後は、機能別にグループ会社を再編成することによって、事業責任の明確化や意思決定の迅速化をさらに図っております。
現状、当社グループの主力業務はダイレクトセールスとなっておりますが、お客様のニーズが多様化する中で、更なる販売形態拡充のため、生産体制の効率化、製品開発力及び関連サービスの強化などに取り組み、総合寝具関連企業として持続的な成長及び競争力の強化を目指してまいります。
しかしながら、こうした当社グループの事業戦略が期待どおりに奏功しなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ ダイレクトセールス営業社員の雇用確保について
ダイレクトセールスはお客様と直接対面する販売方法であり、営業社員の販売力に依存するため、業績の維持・向上のためには営業社員の確保が不可欠であります。このため、公正な評価制度に基づく待遇並びに福利厚生の充実により営業社員の士気向上と職場環境の活性化を図り、優れた人材の確保に努めております。
しかしながら、採用活動が想定以上に振るわなかった場合、また、労働環境の変化や行政処分等により当社グループのイメージが低下し、予定どおり営業社員を確保できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 人材育成について
当社グループは製品企画・原材料調達・製造・品質管理・物流・販売・関連サービスをグループ内で一貫して行う総合寝具関連企業であるため、それぞれの分野で戦力となる人材を育成していく必要があります。
主力業務のダイレクトセールスについては、営業社員に対し、入社年月や役職に合わせた各種研修を行っており、その中では当社グループ工場見学を通じての製品知識習得も含んでおります。
ダイレクトセールス営業社員以外の社員には、当社グループ内でのジョブローテーションにより様々な角度から業務について総合的に理解し、視野を広げる機会を与え、自己能力の向上やキャリアアップを図っております。
しかしながら、人材の育成が当社グループの計画どおりに進捗しない場合、あるいは優秀な人材が多数離職してしまう場合には、お客様満足度の高い生産活動、ダイレクトセールス活動等が十分に行えず、その結果、生産数や販売数の低下等の発生により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑥ ダイレクトセールスにおけるクレームについて
当社グループのダイレクトセールスは営業形態の性質上、クレームの発生を完全に撲滅することは難しいと考えられます。上述のとおり各種研修を行うほか、クレーム発生事案に関しては全販売員に対してタブレットPCを用いた研修(eラーニング)受講を毎月義務付けており、販売マナーやコンプライアンスに関する教育を徹底しております。
更に、毎月開催している販売コンプライアンス会議においてクレームの内容や対応状況を役員、幹部社員で共有・報告し、再発防止策を協議のうえ、クレームの減少及び再発防止に努めております。
クレームが発生した場合は、㈱丸八真綿販売に設置された相談室が窓口となり、迅速・丁寧な対応を心掛けております。また、お客様がクレーム内容を消費生活センターに相談された場合には、㈱丸八真綿販売相談室の専門社員が対応し、お客様の立場で円満なクレーム処理を心掛けております。
しかしながら、想定以上の重大なクレームあるいは訴訟等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 販売代理店の確保について
当社グループのダイレクトセールス会社では営業社員のみならず、ダイレクトセールス会社と委託販売契約を締結した事業主である販売代理店も営業活動を行っております。販売代理店の確保は業績維持・向上のため重要であると考えておりますが、想定以上に委託販売契約の解除があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 特定の販売先への依存について
子会社G L BOWRON & CO LIMITEDは、Ikea Trading HK Ltd及び同社のグループ会社へ毛皮製品のリビング用品を販売しており、平成28年3月期の売上高は合計で4,392,814千円(連結売上高の19.8%)となっております。
Ikea Trading HK Ltdとの取引関係は良好でありますが、取引契約期間は単年度であるため、今後の取引の継続が保証されているものではありません。
(2) 当社グループの生産に係るリスク
① 原材料の調達について
当社グループは、寝具・リビング用品製造の原材料として、羽毛・羊毛、羊毛原皮を主に海外の取引先より、ふとんの生地を主に国内の取引先より仕入れておりますが、常にその価格は市況により変動しております。羽毛の仕入先は主として中国・東欧でありますが、最近はグースの飼育減少に伴って供給量よりも需要量が大きくなり、仕入価格が上昇傾向にあります。また、為替相場が円安傾向の場合、仕入価格が上昇する傾向にあります。さらに、万が一、鳥インフルエンザ等の感染症がグース、ダックに大規模に発生した場合は、飼育個体数が減少し、仕入価格が上昇する可能性があります。
当社グループでは、現地市況の把握や安定した仕入先の確保に努め、一定数の原材料は常に当社グループ倉庫に保管しておくことで原材料価格の高騰に備えておりますが、予想をはるかに超えて原材料価格が高騰し、これを販売価格に転嫁できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 製品の品質並びに表示について
当社グループは、製品の欠陥等の発生リスクを未然に防止するため、所定の品質管理の基準に従って、羽毛ふとん、羊毛敷きふとん、毛皮製品、ベッド等を生産しております。
当社グループが製造する羽毛ふとん、羊毛敷きふとん、毛皮製品については人体に直接触れるものであり、専門装置を用いて厳格に検針を行っております。しかしながら、検針の不備により製品に針等危険物が混入し、お客様に被害が生じた場合、当社グループへの信頼感が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、製品の表示については、品質管理部門が表示案を作成し、複数部門で確認を行っておりますが、製品の不適切な表示により関係諸法令に抵触した場合、ブランドイメージの低下に繋がり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 当社グループに対する法的規制について
① 特定商取引法について
当社グループのダイレクトセールスは、特定商取引法の規制を受けております。同法は訪問販売や通信販売等の特定取引の公正化を図り、消費者の利益を保護するための法律であります。具体的には、販売勧誘目的や商品の明示、契約書の交付、不実告知や迷惑勧誘の禁止、クーリング・オフなどが規定され、数年毎に改正が行なわれてきました。
当社グループでは特定商取引法の改正に応じて関連規程集・マニュアルを改定・運用するとともに、営業社員並びに販売代理店に対して公益社団法人日本訪問販売協会の教育登録証を必ず取得・携行させ、さらに販売コンプライアンスに関する研修を繰り返しております。また、契約されたお客様に対して、㈱丸八真綿販売相談室の担当者が契約翌日に謝礼電話を行い、販売員の接客態度のほか、契約内容、クーリング・オフ等について再度確認及び説明することで法令違反行為の予防を図っております。
しかしながら、万一にも当社グループが特定商取引法に抵触したことにより、業務の改善指示や停止命令等の行政処分がなされて社会的信用の低下を招いた場合、あるいは将来的に特定商取引法並びに関連法規の改正及び新たな法令等が制定され、それらへの対応に時間を要することとなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 個人情報保護法について
当社グループはダイレクトセールスにおいて、顧客の氏名・住所・生年月日・電話番号・世帯状況・住居(クレジット(分割払い)利用のお客様については、年収・勤務の状況)等の個人情報を入手する立場にあり、個人情報保護法に定められた個人情報取扱事業者に該当いたします。当社グループは、それら個人情報をお客様の同意のもと、ダイレクトセールス会社を統括する㈱丸八真綿販売並びに㈱丸八真綿で管理しており、個人情報を格納するサーバーには厳格にアクセス制限をかけた上で、社内ネットワークとも物理的に隔離しております。
また、㈱丸八真綿は割賦販売法に基づく個別信用購入あっせん業者として、クレジット利用のお客様の個人信用情報機関の照会データ等を入手しており、この情報は入退室管理がなされたクレジット業務の執務室において、厳格に管理のうえ保管しております。
当社グループは、個人情報保護方針の開示等、個人情報取扱事業者として必要な措置を講じているほか、個人情報の取扱いに関するルールを設定し、社員教育を中心とした社内管理体制の強化や外部からの不正アクセス等に対する情報システムの強化により、情報漏洩を防止する体制をとっております。
しかしながら、システムトラブル、外部からの不正アクセス、社員等による人為的なミスあるいは不正な持ち出しなどの原因で当社グループが保有している個人情報が漏洩した場合、当社グループの信用失墜による売上高の減少、又は損害賠償金の支払いの発生等が起こることも考えられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 割賦販売法について
当社グループのダイレクトセールスにおいて、お客様は支払方法として現金又はクレジットを選択し、クレジットの場合は、その取扱業者を㈱丸八真綿又は外部業者の2社から選択することができます。
㈱丸八真綿は「割賦販売法」に基づき、関東経済産業局に「個別信用購入あっせん業者」として業者登録を行っておりますが、将来何らかの理由によりそれらの登録が更新できない場合や取消事由に該当した場合は、同社でのクレジット取扱いができなくなり、クレジット取扱業者の選択肢が1社のみとなり、お客様の利便性が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 当社グループの財務に係るリスク
① 保有有価証券の時価の下落について
当社グループが保有する有価証券及び投資有価証券は平成28年3月期末現在で、それぞれ1,668,466千円、1,770,193千円となっております。当社グループでは有価証券管理規程に基づき、長期的視点からの事業上の意義も含めて有価証券の保有・売却の判断をしております。
しかしながら、想定以上に時価が下落し、また時価の低迷が長期化する場合には、評価損や売却損の発生によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 保有不動産の価格の下落について
当社グループでは、生産拠点、本社ビル、賃貸用不動産等、多くの不動産を保有しており、平成28年3月期末現在で、建物及び構築物(純額)が4,495,459千円、土地が13,113,470千円となっております。
これらの不動産の価格が想定以上に下落した場合、事業に必要がなくなり遊休不動産となった場合、あるいは不動産市況の悪化による賃料水準の低下や空室率の上昇などがあった場合、当該不動産に対する減損や売却損の発生によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替変動のリスクについて
当社グループは、本邦子会社において外貨建て金融資産(預金、有価証券及び投資有価証券)を保有しております。また、タイ・ラオス・ニュージーランドの在外子会社で生産活動を行うほか、中国・ベトナムには製造委託取引先が存在しているなど、海外での事業活動並びに貿易取引を行っております。そのため、外貨建て資産・負債、外貨建て輸出入取引及び子会社決算の円貨換算等について、為替相場の変動によるリスクがあります。特に、本邦子会社が保有する豪ドル建て金融資産は平成28年3月期末現在5,007,197千円となっており、その為替差損益が多額に発生する可能性があります。
当社グループは、為替リスク管理規程に基づき、適宜、為替予約等によりリスク回避方針の決定を行っておりますが、リスクを排除できないほど為替相場が短期的に変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) その他
① 持株会社としてのリスクについて
当社は持株会社として、当社グループ全体の事業戦略立案、経営資源配分を統括し、中間統括会社(㈱丸八真綿販売、㈱丸八プロダクト及び㈱丸八真綿)を通じてグループ各社の経営企画・経理・財務・人事・総務等の管理並びに監視・監督等を行っております。当社の営業収益は、中間統括会社からの配当金並びにグループ各社からの経営指導料となっておりますが、中間統括会社並びにグループ各社が当社に対して配当金並びに経営指導料を支払えない状況が生じた場合には、当社は株主に対して配当を支払えなくなる可能性があります。
② 海外カントリーリスクについて
当社グループの事業活動は東南アジア、中国、オセアニアに拡大しております。これらの海外での事業活動におきましては、予期できない政情不安、労働問題、テロ・戦争の勃発、感染症の流行による社会的混乱等のリスクが潜在するため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 国内における自然災害について
営業活動においては、ほぼ国内全国に販売網を有し、同質の製品・サービスを提供していることから、一部地域において販売に支障が生じた場合は、周辺地域の販売拠点にて対応することが可能であります。
一方、生産活動においては、海外での委託加工等の分散を図っているものの、主力生産拠点である国内工場は、静岡県浜松市近辺に集中しており、万が一、予想されている東海地震、東南海地震及びそれらに伴う津波の自然災害等の予測不可能な事象が同地に発生した場合、生産活動に支障を来し、設備等の復旧に巨額の費用を要し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 風評リスクについて
当社グループが属するダイレクトセールス業界には、特定商取引法により、販売手法に対する厳格な規制が存在しております。しかしながら、浄水器、健康食品、リフォーム、白蟻駆除等のダイレクトセールスを営む他社の法令違反や行政処分等、ダイレクトセールス業界全体のイメージダウンにつながるような事象が多数発生した場合、当社グループの風評までもが悪化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの寝具・リビング用品事業においては、当社グループの営業社員以外に、ダイレクトセールス会社と以下の委託販売契約を締結した事業主(個人又は法人)が、販売代理店としてダイレクトセールスを行っております。
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契約会社名 |
相手先 |
契約内容 |
契約期間 |
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当社グループ ダイレクト |
事業主 (個人又は法人) |
当社グループ製品等の販売を委託された事業主が、販売代理店としてダイレクトセールスを行います。 当社グループダイレクトセールス会社が販売代理店に対し、販売実績に応じた委託販売手数料を支払います。 |
契約日より1年間 (以後、1年毎の自動更新) |
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は27,423千円であり、寝具・リビング用品事業において計上しております。
お客様の満足度向上と業界内における他社との差別化を目的として、睡眠の快適性向上を図る製品の研究開発を行っております。具体的には、製品企画部門が寝床内試験等を行い、そのデータを分析しているほか、大学並びに睡眠時無呼吸症候群の専門医療機関とも連携を図っております。
当社グループは製造・販売部門の両方を有しており、営業社員がお客様宅にて製品の使用感・意見及びニーズを伺い、その営業社員と製品企画部門社員とが積極的に情報交換を行う機会を持つことで、お客様の意見を製品の開発・改良に反映させていくことが可能となっております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や取引状況を勘案し、合理的と判断される前提に基づき見積りを行っている部分があり、これらの見積りについては不確実性が存在するため、実際の結果と異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して655,290千円減少し、54,694,196千円となりました。流動資産は前連結会計年度末と比較して491,358千円減少し、34,103,154千円となりました。主な要因は、有価証券が890,922千円増加した一方で、現金及び預金が615,067千円減少したほか、たな卸資産が687,663千円減少したことによるものであります。固定資産は前連結会計年度末と比較して163,931千円減少し、20,591,041千円となりました。主な要因は、建物及び構築物(純額)が213,043千円減少したことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末と比較して911,909千円減少し、10,844,930千円となりました。流動負債は前連結会計年度末と比較して1,343,019千円減少し、4,710,673千円となりました。主な要因は、短期借入金が689,990千円減少したほか、1年内返済予定の長期借入金が500,000千円減少したことによるものであります。固定負債は前連結会計年度末と比較して431,109千円増加し、6,134,257千円となりました。主な要因は、長期借入金が500,000千円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比較して256,619千円増加し、43,849,265千円となりました。主な要因は、利益剰余金が1,003,520千円増加した一方で、為替換算調整勘定が637,173千円減少したことによるものであります。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済においては、政府による経済・金融政策を受けて企業収益や雇用情勢が改善したほか、訪日外国人の増加によるインバウンド消費の拡大が見られ、雇用情勢や所得環境の改善など緩やかながら景況感は回復基調で推移いたしました。
しかしながら、中国や新興国の景気が減速し、欧州経済の先行きに不透明感が高まり、為替相場が円高に転じ始め、これまで輸出企業を中心に牽引してきた経済成長に対する懸念が強まってきているほか、大手企業の賃上げが前年水準を下回るなどの理由で個人消費が伸び悩みを見せており、景気の先行きに対する不透明感が増してきております。
主力のダイレクトセールスについては、営業人員の確保が売上高伸張に影響するために、積極的な人材採用に努めましたが、採用環境が売り手市場となったことで営業人員の確保に苦戦する状況となり、売上は伸び悩みました。一方で、多様化するお客様のニーズに応えるために、主力製品の寝具以外のリビング用品として、ふとんカバーの刺繍技術を用いたオーダーカーテンの生産・販売並びに畳の販売を開始し、商品ラインナップの充実に努めました。
ダイレクトセールス以外の卸売、レンタル、ホテル・旅館向け販売については、国内景気の緩やかな回復とともに、法人顧客の需要に積極的に応え、業績は好調に推移いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は22,147,609千円(前期比5.8%増)となりました。営業利益は、売上高の増加のほか、採用が伸び悩んだことで人件費が抑制されたことを理由に、2,115,818千円(前期比95.9%増)となりました。また、営業外費用における為替差損が前期比増加し、経常利益は1,882,209千円(前期比9.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,397,202千円(前期比11.1%増)となりました。
なお、セグメント別の業績は次のとおりであります。
(寝具・リビング用品事業)
売上高は21,330,420千円(前期比5.6%増)、営業利益は1,835,074千円(前期比100.5%増)でありました。
(不動産賃貸事業)
売上高は817,188千円(前期比11.8%増)となり、営業利益については、前期に比べて修繕費等が減少したことを理由に、280,744千円(前期比70.1%増)でありました。
(4) キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 1.業績等の概況 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6) 経営戦略と今後の見通しについて
当社グループは企業理念として「人々の健康な生活のためにクオリティの高い眠りの提供に努め企業価値を高めることで社会の進歩と発展に貢献し全社員の成長と幸福を追求する」を掲げ、それぞれの価格帯における最適な素材・最適な製造方法・最適な販売方法で、お客様に寝具・リビング用品とその関連サービスを提供することをビジネスモデルとしております。
具体的には、次のとおり、寝具・リビング用品事業における販売形態別に戦略を持って事業を推進してまいります。
(ダイレクトセールス)
創業以来継続している主力業務となっております。お客様宅へ伺うことにより、羽毛ふとん等の高付加価値寝具等を、丁寧に説明して販売し、人々へクオリティの高い眠りをお届けしております。
ダイレクトセールスは、古くは行商から発祥し、日本の伝統的な営業手法として、人間関係を築き、商品知識等について、お客様を啓蒙できるビジネスでありますが、近年では、在宅率の低下、特定商取引法規制強化、通信販売市場拡大といった厳しい外部環境が見られます。
当社グループとしては、お客様のご都合に合わせて複数回お会いし、信頼関係を構築し、商談していくことで、成約につながり、顧客満足度も高くなると考えております。また、お取引していただいたお客様については、定期的なアフター訪問を行いながら、末永いお付き合いを目指していく方針であります。
最終取引後5年以上取引の無かったお客様については、㈱丸八真綿販売お客様センターがアポイントを取り、ダイレクトセールス会社の販売員がお客様宅へ伺っております。また、平成27年6月には、ウェブサイト「おうちdeまるはち」を開設いたしました。これは、お客様から来訪要請が来る新しいアポイント形態を確立していくため、製品・商品購入並びにサービスの申込みが出来るウェブサイトであります。今後、比較的若年の、新しい顧客層開拓に貢献していくものと期待されます。
販売手法については、単にふとんを「売る」から、寝具メンテナンス等の啓蒙活動へとシフトしております。製販一体経営により、販売員が自社グループ製品の深い知識を有しているため、お客様へ、寝具のメンテナンス啓蒙が可能となっていることは大きな他社差別化要因となっております。
当社グループは、商材を寝具だけでなく関連商品へ拡充していき、新規商材の開発を進めてまいります。商材を複数持つことで、お客様の買替えサイクルも複数となり、長期間に亘り、より一層、お客様との接点を持つことができるものと考えております。当連結会計年度から、当社グループ生産オーダーカーテンと畳(外部業者からの仕入れ)の販売を開始しております。
(卸売)
卸売では、当社グループの製造ノウハウを活用し、顧客ニーズをいち早く製品に反映させることを基本戦略としております。浜松工場、大久保工場及び磐田工場は、一般財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTEC)の認定工場として登録されており、法人取引先からは、品質に関しての信頼性が得られております。量販店においては、当社グループ製品のような日本国内生産品の価値が再認識され、当該需要は拡大の傾向にあるため、卸売製品の品揃えの拡充を図ってまいります。
また、製品以外の分野では、高品質の羽毛原材料を、アパレル会社のダウンジャケット用に卸売を行っております。今後は、量販店以外の新規取引先の開拓に努めてまいります。
(レンタル)
個人市場においては、都心部のマンション居住者層をターゲットに、ウェブサイトでの集客により、レンタルふとんニーズを掘り起こしております。当連結会計年度においては、3ヶ月以上のレンタル需要に対応した長期レンタルサービスを本格的に開始いたしました。
法人市場においては、マンスリーマンションなど法人の長期レンタル需要に対応しております。当連結会計年度においては、「保育園用お昼寝マット」、「介護用シーツ」の取扱いを本格的に開始いたしました。
今後も、独自製品の開発によりお客様の裾野を広げ、新たな市場の獲得に取り組んでまいります。
(ホテル・旅館向け販売)
ダイレクトセールスで培った当社グループ製品の品質、ブランド力を生かし、ホテル・旅館での当社グループ寝具を介し、人々へクオリティの高い眠りをお届けしてまいります。
高付加価値の羽毛ふとんを中心とした当社グループの寝具は、ホテル・旅館でも好評をいただいております。今後、国内では平成32年の東京オリンピック開催に向けて、新規ホテル・旅館の建設も進むといわれており、海外からの旅行者も増加することが予想されております。宿泊者に喜んでいただける寝具の提供に努めるとともに、ホテル・旅館への営業強化を図ってまいります。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。