第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、企業理念のもと、製販一体経営の強みを活かし、関連サービスを絡めた既存製品の拡販に取り組むとともに、新製品・商品の開発にも尽力してまいります。より多くのお客様にクオリティの高い眠りを提供するために、主力のダイレクトセールスで取り扱っている高付加価値製品のほか、卸売、レンタル、ホテル・旅館向けなど、お客様の多様なニーズに対応した製品開発に取り組むとともに、ダイレクトセールス以外の販売チャネル強化並びに生産体制の効率化を進めてまいります。

このような経営方針のもと、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

 

 (1) ダイレクトセールスの強化

① 販売員採用の強化

ダイレクトセールスはお客様と直接対面する販売方法であり、業績拡大のためには、販売員の増員が不可欠であります。一般にも労働者不足の問題が依然として存在し困難な状況ではありますが、今後も継続的な採用活動に努めてまいります。

 

② お客様への提案力の強化

時代の変化に対応し引き続きお客様にご満足いただくためには、さまざまな潜在需要を喚起できる提案力が求められます。寝具以外にも住宅関連用品の豊富なラインナップを揃えるとともに、それらを画像や動画でお客様に視覚的に訴求できるタブレットPCの活用も推し進めております。また、羽毛ふとんのイージーオーダーシステム「M-DOS(マルハチ・デジタル・オーダー・システム)」により、使用する生地や充填する羽毛、ふとんのサイズをお客様にお選びいただくことで、多様なニーズにお応えしております。

今後とも、お客様への提案力の強化に努めてまいります。

 

 (2) ダイレクトセールス以外の販売チャネルの強化

当社グループは、各事業部門の責任の明確化を図る目的で分社制度を採用し、これまで一定の成果を挙げてまいりました。しかしながら、当社グループの課題であるダイレクトセールス以外の販売チャネルの強化を図るため、関係するグループ会社を合併して経営資源の集約と体力強化を図り、「丸八真綿」のブランドを前面に出して事業を展開しております。

 

 (3) 新製品・商品の開発

当社グループでは製品企画部門、在庫管理部門、仕入部門、営業部門等が共同で新製品・商品の提案、検討を行っております。

特に寝具新製品の開発にあたっては、社是の一つでもある「真理の綿の追求」に基づき、新素材の製品化に努めてまいります。また、社内での開発だけでなく、睡眠時無呼吸症候群専門医療機関や整形外科医院とも連携し、広角的に取り組んでまいります。人々の健康と睡眠に対する関心が高まるなか、より一層、お客様の健康に貢献できる製品を開発してまいります。

 

 

 (4) 生産体制

ダイレクトセールス以外の販売チャネルの強化に対応すべく、国内工場と海外工場との役割分担を適宜見直しつつ、設備と人員の最適化を図り、当社グループ全体の生産能力と物流体制の向上・効率化を目指してまいります。

 

 (5) 原材料の調達

当社グループは、寝具主要原材料である羽毛を、主として中国・東欧・北米から仕入れておりますが、近年、仕入価格は上昇傾向にあります。また、為替相場が円安の場合、仕入価格全体が上昇する傾向にあります。

当社グループでは、引き続き現地市況の把握や安定した仕入先の確保に努め、一定数の原材料は常に備蓄しておくことで原材料価格の高騰に備えてまいります。

 

 (6) 新型コロナウイルス感染症への対応

新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化すれば、主として得意先の経営状況の悪化を通じて、当社グループの企業活動にも多大な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは今後の状況を注視し、必要に応じて事業領域及び販売チャネルの見直し・調整を図りながら、対処していく方針であります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 当社グループ事業に係るリスク

① 寝具・リビング用品の市場動向について

寝具・リビング用品は人間が生活する上で必需品であり、一定の買い替えサイクルがあると同時に、睡眠への関心の高揚、さらには相次ぐ高機能を付加した新商品開発によって近年は消費者の健康志向の高まりを背景に、需要が喚起されております。

寝具新聞社が発行する寝具新聞記事によりますと、「2019年の寝具市場規模は本誌推定によると8年連続で1兆円の大台を確保し、1兆1,185億円であった。」とされており、概ね堅調に推移しております。

このような環境において、当社グループは高品質な羽毛ふとんや敷きふとんなど、従来からの主力製品の製造・販売のみならず、健康志向で機能性を重視した新製品の開発や様々な販売形態に対応した生産に努めております。また、総合寝具関連企業として、単に製造・販売するだけではなく、関連サービスであるふとんのリフレッシュサービス並びにクリーニングサービス(お客様のご要望により保管サービスも付加)及びふとん原料のリサイクルを推進しております。

しかしながら、これらの活動が奏功せず、競合他社の台頭やお客様のニーズに適合しない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 個人消費動向について

当社グループ連結売上高におけるダイレクトセールス比率は54.3%(2020年3月期)となっており、依然として一般個人のお客様への依存度は高い状況です。

当社グループの製品は比較的高価格でありますが、ダイレクトセールスの顧客層は健康志向の強い中高年層が多いこと、また、ダイレクトセールスが能動的営業手法であり、お客様に製品の品質・機能性・メンテナンス方法等を直接訴求でき、積極的に潜在需要を掘り起こすことが可能であることから、当社グループダイレクトセールス部門の業績は個人消費動向全般の影響を受けにくい特性を持っております。

しかしながら、景気や経済環境の著しい変化により、個人消費動向が想定以上に著しく減退した場合、特に、想定以上に中高年層の消費動向が著しく減退した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 事業戦略について

創業以来、当社グループは寝具・リビング用品の一貫生産体制の構築とダイレクトセールスの全国展開を両輪に事業を拡大してまいりました。2012年4月の当社設立後は、中間統括会社による管理体制を確立するとともに、グループ会社を編成することによって、事業責任の明確化や意思決定の迅速化をさらに図ってまいりました。

現状、当社グループの主力事業はダイレクトセールスとなっておりますが、お客様のニーズが多様化する中で、ダイレクトセールス以外の販売チャネル拡大のため、生産体制の効率化、製品開発力及び関連サービスの強化などに取り組み、総合寝具関連企業として持続的な成長及び競争力の強化を目指し、適切かつ柔軟な組織を編成してまいります。

しかしながら、こうした当社グループの事業戦略が期待どおりに奏功しなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

④ ダイレクトセールス販売員の確保について

ダイレクトセールスはお客様と直接対面する販売方法であり、業績拡大のためには販売員数の増員が不可欠であります。インターネット媒体、求人雑誌を活用し、会社説明会を積極的に行うほか、新人の育成を担う営業幹部も面接をはじめとした採用活動に直接携わることで、人材の採用を強化してまいります。また、雇用形態・勤務体系の多様化を図ることで募集対象者の幅を広げてまいります。

しかしながら、一般にも労働者不足の問題が依然として存在するなか、採用活動が想定以上に振るわなかった場合、また、労働環境の変化や行政処分等により当社グループのイメージが低下し、予定どおり販売員を確保できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 人材育成について

当社グループは製品企画・原材料調達・製造・品質管理・物流・販売・関連サービスをグループ内で一貫して行う総合寝具関連企業であるため、それぞれの分野で戦力となる人材を育成していく必要があります。

主力のダイレクトセールスについては、販売員に対し集合型研修を行っており、販売力習得はもとより、当社グループ工場見学を通じての商品知識習得も含んでおります。またeラーニングによる商品知識や関連法令の教育も実施しております。

また、当社グループ内でのジョブローテーションにより様々な角度から業務について総合的に理解し、視野を広げる機会を与え、社員の自己能力の向上やキャリアアップを図っております。

しかしながら、人材の育成が当社グループの計画どおりに進捗しない場合、あるいは優秀な人材が多数離職してしまう場合には、お客様満足度の高い生産活動、ダイレクトセールス活動等が十分に行えず、その結果、生産数や販売数の低下等の発生により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ ダイレクトセールスにおけるクレームについて

当社グループのダイレクトセールスは営業形態の性質上、クレームの発生を完全に撲滅することは難しいと考えられます。上述のとおり各種研修を行うほか、クレーム発生事案に関しては、当事者への指導・教育のみならず、全販売員に対してeラーニング受講を毎月義務付けており、販売マナーやコンプライアンスに関する教育を徹底しております。

さらに、毎月開催している販売コンプライアンス会議においてクレームの内容や対応状況を役員、幹部社員で共有し、再発防止策を協議のうえ、クレームの減少及び再発防止に努めております。

クレームが発生した場合は、丸八グループお客様相談室が窓口となり、迅速・丁寧な対応を心掛けております。また、お客様がクレーム内容を消費生活センター等に相談された場合には、専門員が対応し、お客様の立場で円満なクレーム対応を心掛けております。

しかしながら、想定以上の重大なクレームあるいは訴訟等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 販売代理店の確保について

当社グループのダイレクトセールス会社では営業社員のみならず、ダイレクトセールス会社と委託販売契約を締結した事業主である販売代理店も営業活動を行っております。販売代理店の確保は業績維持・向上のため重要であると考えておりますが、想定以上に委託販売契約の解除があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 物流体制について

当社グループの物流は、事業所に向けた定期路線配送のほか、事業所以外への配送及び個人宅向けへの配送等があります。物量及び配送効率を考慮し、当社子会社の株式会社丸八真綿による配送と外部配送業者への委託による配送を併用しています。当社グループドライバーの人員確保ができない場合や、外部配送業者から想定以上の運賃値上げやサイズ・数量等が規制された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 (2) 当社グループの生産に係るリスク

① 原材料の調達について

当社グループは、寝具・リビング用品の原材料として、羽毛・羊毛・ふとんの生地を国内外の取引先より仕入れておりますが、常にその価格は市況により変動しております。寝具主要原材料である羽毛は、主として中国・東欧・北米から直接仕入れておりますが、近年、仕入価格は上昇傾向にあります。また、為替相場が円安の場合、仕入価格全体が上昇する傾向にあります。さらに、海外の生産事情の変化や、鳥インフルエンザ等の感染症が大規模に発生した場合は、飼育個体数が減少し仕入価格が上昇する可能性があります。

当社グループでは、現地市況の把握や安定した仕入先の確保に努め、一定数の原材料は常に当社グループ倉庫に備蓄しておくことで原材料価格の高騰に備えておりますが、予想をはるかに超えて原材料価格が高騰し、これを販売価格に転嫁できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 製品の品質並びに表示について

当社グループは、製品の欠陥等の発生リスクを未然に防止するため、所定の品質管理基準に従って、主に羽毛ふとん・敷きふとん・カーテン等を生産しております。

当社グループが製造する羽毛ふとん・敷きふとんについては人体に直接触れるものであり、専門装置を用いて厳格に検針を行っております。しかしながら、何らかの不測の事態により製品に針等危険物が混入し、お客様に被害が生じた場合、当社グループへの信頼感が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、関係諸法令に抵触するような製品表示の不備があった場合、ブランドイメージの低下につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (3) 当社グループに対する法的規制について

① 特定商取引法について

当社グループのダイレクトセールスは、特定商取引法の規制を受けております。同法は訪問販売や通信販売等の特定取引の公正化を図り、消費者の利益を保護するための法律であります。具体的には、販売勧誘目的や商品の明示、契約書の交付、不実告知や迷惑勧誘の禁止、クーリング・オフなどが規定され、数年毎に改正が行なわれてきました。

当社グループでは特定商取引法の改正に応じて関連規程集・マニュアルを改定・運用するとともに、営業社員並びに販売代理店に対して公益社団法人日本訪問販売協会の教育登録証を必ず取得・携行させ、さらに販売コンプライアンスに関する研修を繰り返しております。また、契約されたお客様に対して、丸八グループお客様相談室担当者が契約翌日に謝礼電話を行い、販売員の接客態度のほか、契約内容、クーリング・オフ等について再度確認及び説明することで法令違反行為の予防を図っております。

しかしながら、万一にも当社グループが特定商取引法に抵触したことにより、業務の改善指示や停止命令等の行政処分がなされて社会的信用の低下を招いた場合、あるいは将来的に特定商取引法並びに関連法規の改正及び新たな法令等が制定され、それらへの対応に時間を要することとなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② 個人情報保護法について

当社グループはダイレクトセールスにおいて、お客様の氏名・住所・生年月日・電話番号・世帯状況・住居等の個人情報を入手する立場にあり、個人情報保護法に定められた個人情報取扱事業者に該当いたします。当社グループは、それら個人情報をお客様の同意のもと、ダイレクトセールス会社を統括する株式会社丸八真綿販売並びに株式会社丸八アセットで管理しており、個人情報を格納するサーバーには厳格にアクセス制限をかけております。

また、株式会社丸八アセットは割賦販売法に基づく個別信用購入あっせん業者として、クレジット利用のお客様の個人信用情報機関の照会データ等を入手しており、この情報は入退室管理がなされた執務室において、厳格に管理のうえ保管しております。

当社グループは、個人情報保護方針の開示等、個人情報取扱事業者として必要な措置を講じているほか、個人情報の取り扱いに関するルールを設定し、社員教育を中心とした社内管理体制の強化や外部からの不正アクセス等に対する情報システムの強化により、情報漏洩を防止する体制をとっております。

しかしながら、システムトラブル、外部からの不正アクセス、社員等による人為的なミスあるいは不正な持ち出しなどの原因で当社グループが保有している個人情報が漏洩した場合、当社グループの信用失墜による売上高の減少、または損害賠償金の支払いの発生等が起こることも考えられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 割賦販売法について

当社グループのダイレクトセールスにおいて、お客様は支払方法として現金又はクレジットを選択し、クレジットの場合は、その取扱業者を株式会社丸八アセット又は外部業者の2社から選択することができます。

株式会社丸八アセットは「割賦販売法」に基づき、関東経済産業局に「個別信用購入あっせん業者」として業者登録を行っておりますが、将来何らかの理由によりそれらの登録が更新できない場合や取消事由に該当した場合は、同社でのクレジット取り扱いができなくなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (4) 当社グループの財務に係るリスク

① 保有有価証券の時価の下落について

当社グループが保有する有価証券及び投資有価証券は2020年3月期末現在で2,463,210千円となっております。当社グループでは有価証券管理規程等の社内規程に基づき、長期的視点からの事業上の意義も含めて有価証券の保有・売却の判断をしております。
 しかしながら、想定以上に時価が下落した場合には、評価損や売却損の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 保有不動産の価格の下落について

当社グループでは、生産拠点・本社ビル・賃貸用不動産等、多くの不動産を保有しており、2020年3月期末現在で、建物及び構築物(純額)が5,106,895千円、土地が13,069,599千円となっております。
 これらの不動産の価格が想定以上に下落した場合や事業に必要がなくなり遊休不動産となった場合、あるいは不動産市況の悪化による賃料水準の低下や空室率の上昇などがあった場合には、当該不動産に対する減損や売却損の発生によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 為替変動のリスクについて

当社グループは、一部の子会社において外貨建て金融資産(預金・有価証券)を保有しております。また、在外子会社のあるラオスにおいて生産活動を行うほか、中国にはMARUHACHI (QINGDAO) TRADING CO., LTD.及び製造委託取引先が存在しているなど、海外での事業活動並びに貿易取引を行っております。そのため、外貨建て資産・負債、外貨建て輸出入取引及び子会社決算の円貨換算等について、為替相場の変動によるリスクがあります。特に、当期末時点での連結貸借対照表ベースで、㈱丸八アセットが保有する豪ドル及び米ドル建て金融資産は7,918,337千円、HATCHI SYDNEY CORPORATION PTY. LIMITED が保有する米ドル建て金融資産は4,573,608千円となっており、その為替差損益が多額に発生する可能性があります。

当社グループは、為替リスク管理規程等の社内規程に基づき、適宜、リスク管理を行っておりますが、想定以上に為替相場が変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 (5) その他

① 持株会社としてのリスクについて

当社は持株会社として、当社グループ全体の事業戦略立案、経営資源配分を統括し、中間統括会社(株式会社丸八アセット・株式会社丸八真綿・株式会社丸八真綿販売)を通じてグループ各社の経営企画・経理・財務・人事・総務等の管理並びに監視・監督等を行っております。当社の営業収益は、中間統括会社からの配当金並びにグループ各社からの経営指導料となっておりますが、中間統括会社並びにグループ各社が当社に対して配当金並びに経営指導料を支払えない状況が生じた場合には、当社は株主に対して配当を支払えなくなる可能性があります。

 

② 海外カントリーリスクについて

当社グループの海外事業は主に東南アジア・中国にて活動しております。これらの海外での事業活動におきましては、予期できない政情不安、労働問題、テロ・戦争の勃発による社会的混乱等のリスクが潜在するため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 国内における自然災害について

営業活動においては、ほぼ国内全国に販売網を有し、同質の製品・サービスを提供していることから、一部地域において販売に支障が生じた場合は、周辺地域の販売拠点にて対応することが可能であります。

一方、生産活動においては、海外ではラオス工場を中心に展開しておりますが、国内工場は静岡県浜松市近辺に集中しており、東海地震・東南海地震及びそれらに伴う津波等の自然災害が同地に発生した場合、生産活動に支障をきたすとともに、設備等の復旧に巨額の費用を要し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 風評リスクについて

当社グループ主力のダイレクトセールスにおいては、特定商取引法により、販売手法に対する厳格な規制が存在しておりますが、法令違反や行政処分等、ダイレクトセールス全体のイメージダウンにつながるような事象が当社に限らず多数発生した場合や、クレーム等の情報がSNS等により著しく拡散された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 新型コロナウイルス感染症のリスクについて

新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化すれば、人や物の移動制限や自粛等により経済活動全般が滞り、主として得意先の経営状況の悪化を通じて、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものであります。

 

 (1) 経営成績

(寝具・リビング用品事業)

当社グループが属する寝具業界は、寝具新聞社が発行する寝具新聞記事によりますと、「2019年の寝具市場規模は本誌推定によると8年連続で1兆円の大台を確保し、1兆1,185億円であった。寝具市場は健康や快眠を軸とした機能商品の開発により、新たな市場が生まれ安定してきている。寝具は人間が生活するうえで必需品であり、一定の買い替えサイクルがあると同時に、睡眠への関心の高揚、さらには相次ぐ高機能を付加した新商品開発によって新規需要がもたらされている。」とされております。

こうした状況の中、当社グループの当連結会計年度の状況といたしましては、前連結会計年度と比べ減収・減益となりました。その主な要因は、主力のダイレクトセールス部門におきまして、一般にも労働者不足が問題とされるなか、販売員増員を課題として認識しておりますが、継続的な募集活動に努めるも奏功せず減員となったためであります。ダイレクトセールス以外の国内卸売、レンタル、ホテル・旅館向け販売においては、概ね計画どおりの業績で推移いたしました。

 

(不動産賃貸事業)

当連結会計年度の状況といたしましては、前連結会計年度と比べ売上は概ね横這いで推移したものの、減益となりました。主要物件である西新宿パークウェストビル・丸八青山ビル・丸八新横浜ビルが都心部の安定した不動産市況を背景に堅調に推移しましたが、経費面では修繕費等の設備関係費が前期を上回ったため減益となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は13,574,985千円と前期と比べ1,284,005千円8.6%)の減収となりました。営業利益は799,419千円と前期と比べ185,877千円18.9%)の減益となりました。経常利益は852,790千円と前期と比べ440,538千円34.1%)の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は494,531千円と前期と比べ320,295千円39.3%)の減益となりました。

 

セグメント毎の状況は以下のとおりであります。

① 寝具・リビング用品事業

当セグメントにおきましては、売上高は12,585,838千円と前年期と比べ1,316,344千円9.5%)の減収、セグメント利益(営業利益)は968,821千円と前期と比べ112,971千円10.4%)の減益となりました。

② 不動産賃貸事業

当セグメントにおきましては、売上高は989,146千円と前期と比べ32,339千円3.4%)の増収、セグメント利益(営業利益)は433,370千円と前期と比べ76,410千円15.0%)の減益となりました。

 

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大が当連結会計年度の業績に与える影響は限定的でした。ただし、今後の業績に与える影響については、注視していく必要があるものと考えております。

 

 (2) 財政状態

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して646,473千円減少し、58,564,330千円となりました。これは主に、現金及び預金が1,295,883千円増加した一方で、ダイレクトセールスの売上高の減少により受取手形及び売掛金が1,390,792千円減少したこと及びそれに伴う在庫調整によりたな卸資産が493,074千円減少したことによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末と比較して557,982千円減少し、13,183,567千円となりました。これは主に、上述の在庫削減により支払手形及び買掛金が395,675千円減少したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比較して88,490千円減少し、45,380,763千円となりました。これは主に、海外子会社の換算レートの変動により為替換算調整勘定75,301千円減少したことによるものであります。

 

 (3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度に比べ9,121,546千円増加し、22,960,872千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローと要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は2,824,922千円(前連結会計年度は957,446千円の獲得)となりました。

この主な要因は、税金等調整前当期純利益695,086千円減価償却費471,949千円、売上債権の減少1,390,792千円、たな卸資産の減少492,485千円などがあった一方、仕入債務の減少395,091千円などがあったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により獲得した資金は6,754,249千円(前連結会計年度は2,679,762千円の使用)となりました。

この主な要因は、定期預金の純増額7,377,117千円があった一方、有形固定資産の取得による支出749,126千円などがあったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は465,650千円(前連結会計年度は534,248千円の獲得)となりました。

この主な要因は、配当金の支払額464,925千円によるものであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業資金は基本的に毎期の営業活動によるキャッシュ・フローで賄いますが、設備投資など多額の支出が必要となる場合には、適宜、金融機関からの長期借入金を財源に組み入れる方針であります。別途、自己資金を留保しており、資金の流動性は確保されていると判断しております。

 

 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える会計上の見積りを必要とします。経営者は過去の実績等を勘案して合理的と判断される前提に基づき当該見積りを行っておりますが、そこには不確実性が存在するため、実際の結果とは異なる場合があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大が事業に及ぼす影響については現在のところ限定的であり、固定資産の減損の兆候の判定や繰延税金資産の回収可能性の判断等の会計上の見積りは、当該状況を前提として行っております。したがって、新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化すれば、主として得意先の経営状況の悪化を通じて、当社グループの企業活動にも多大な影響を及ぼす可能性があり、会計上の見積りが実際の結果と異なる場合があります。

 

 

 (5) 生産、受注及び販売の実績

  ① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

寝具・リビング用品事業

3,850,038

+12.6

不動産賃貸事業

合計

3,850,038

+12.6

 

    (注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.金額は、製造原価によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  ② 受注実績

当社グループの製品のうち、主力のダイレクトセールス用については大部分が見込生産であります。また、卸売用などについては主に受注生産を行なっておりますが、全般的に生産に要する期間が短いことから記載を省略しております。

 

  ③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

寝具・リビング用品事業

12,585,838

△9.5

不動産賃貸事業

989,146

+3.4

合計

13,574,985

△8.6

 

    (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(委託販売契約)

当社グループの寝具・リビング用品事業においては、当社グループの営業社員以外に、ダイレクトセールス会社と以下の委託販売契約を締結した事業主(個人又は法人)が、販売代理店としてダイレクトセールスを行っております。

契約会社名

相手先

契約内容

契約期間

当社グループ

ダイレクト
セールス会社

事業主

(個人又は法人)

 当社グループ製品等の販売を委託された事業主が、販売代理店としてダイレクトセールスを行います。

 当社グループダイレクトセールス会社が販売代理店に対し、販売実績に応じた委託販売手数料を支払います。

契約日より1年間

(以後、1年毎の自動更新)

 

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は29,881千円であり、寝具・リビング用品事業において計上しております。

お客様の満足度向上と業界内における他社との差別化を目的として、睡眠の快適性向上を図る製品の研究開発を行っております。具体的には、品質管理部門が寝床内試験等を行い、そのデータを分析しているほか、睡眠時無呼吸症候群の専門医療機関や整形外科医院とも連携を図っております。

当社グループは製造・販売部門の両方を有しており、販売員がお客様宅にて製品の使用感やご意見及びニーズを伺い、その販売員と製品企画部門社員とが積極的に情報交換を行う機会を持つことで、お客様の意見を製品の開発・改良に反映させていくことが可能となっております。