第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

当社グループは、当連結会計年度が連結初年度であり、また、連結子会社のみなし取得日及び既存子会社を連結の範囲に含める時期を連結会計年度末日としていることから、当連結会計年度においては、貸借対照表のみを連結しているため、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません。そのため、第2[事業の状況]における損益及びキャッシュ・フローに関する記載につきましては、個別財務諸表に係る数値を記載しております。

 

 (1) 業績

 当社を取り巻く環境におきましては、平成29年度のスマートフォン出荷台数が前年比8.7%増の3,199.4万台と平成24年を抜いて過去最高の出荷実績となりました(株式会社MM総研調べ、平成30年2月現在)。今後も、スマートフォンの出荷台数増加及び高性能化に伴い、スマートフォンユーザーの拡大はさらに進展していくものと予想されます。

 また、平成28年度におけるモバイルコンテンツ市場は1兆8,757億円(対前年比120%)、中でもスマートフォン市場は1兆8,047億円(対前年比123%)と年々成長を続けており、スマートフォン市場の内、ゲームが1兆1,836億円(対前年比123%)と非常に大きな割合を占めております(一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム調べ、平成29年7月現在)。一方で、当該市場には多くのスマートフォンゲームが投入され、競争が激化しており、より高品質のゲームを投入するために開発費が増加する傾向にあります。

 このような事業環境の中、当社ではオタク市場向けコンテンツにフォーカスし、当社の得意とするモバイル周辺の技術及び位置情報とエンタテインメント性を融合させたスマートフォンコンテンツの提供に注力して参りました。

 当事業年度の取り組みといたしましては、既存不採算ゲームタイトルの運用を複数終了させ、新規ゲームタイトルをリリースすることにより、当社としてのタイトルポートフォリオの変革を図り、収益基盤を拡大すべく新規タイトルの開発に集中して参りました。その結果、平成29年11月に株式会社サンリオウェーブとの共同プロジェクトによる新規タイトル『ハローキティのドコカナアルカナ』の配信を開始しました。当該タイトルでは、当社の得意とする位置情報を活用し、「サンリオピューロランド」「ハーモニーランド」付近限定で特別なゲーム内アイテムが入手できるイベントを開催するなど、リアル連動イベントなども行いました。

 一方、当事業年度中にリリースを予定していた他の新規ゲームタイトルについては、新技術の開発を踏まえてのクオリティアップによる仕様変更、ゲーム機能の拡充やクロスメディア展開、リアルイベントの実施を行うことを決定し、リリース時期を翌事業年度に変更することとなり、当初計画していたタイトルポートフォリオの変革が進展できず、前事業年度と比べ収益を大きく減らす結果となってしまいました。これらのタイトルにつきましては、翌事業年度のリリースに合わせ、クロスメディア展開や様々なリアルイベントと連動していくことにより、各タイトルの収益の最大化を図って参ります。

 既存ゲームタイトルにつきましては、長期運営タイトルを中心に周年キャンペーン施策やコラボレーション施策を行うことで収益は安定いたしました。また、ライフエンターテインメントサービスにおきましては、App Store、Google Play向け本格ナビゲーションアプリ 『MAPLUS+声優ナビ』で、「Re:ゼロから始める異世界生活」より、「レム(CV.水瀬いのり)」と「ラム(CV.村川梨衣)」のキャラチェンジセットを追加すると共に、「コミックマーケット92」「コミックマーケット93」へ出展するなどリアルイベントとのコラボを積極的に行い、メディア露出・知名度向上に注力しました。これら収益性の高いゲームタイトル及びアプリサービスについては、市場のユーザーにマッチするサービスを提供することにより、安定した収益を引き続き確保して参ります。

 このようなゲームサービス及びライフエンターテインメントサービスの施策に加え、当社の収益拡大を図るための施策として、平成30年1月に音楽ゲームアプリ『SHOW BY ROCK!!』をギークス株式会社から運営を移管し、ゲームサービスのラインナップを拡充いたしました。また、主に女性ユーザー向けの「音楽レーベル事業」「コンテンツコラボカフェ・グッズ事業」を手掛ける株式会社ティームエンタテインメントを平成30年2月に子会社化し、新規ビジネスへの進出による収益基盤の拡大を図ることが可能となりました。さらに、女性向けコンテンツの創出を目的として複数のパートナーと提携するなど、翌事業年度以降の業容拡大による収益化を行うための新施策を実施いたしました。

 以上の通り、既存ゲームタイトル及びアプリによる安定した収益計上があるものの、ゲームタイトルの一部のリリース時期を翌事業年度に変更したことによるタイトルポートフォリオの変革遅延による収入減少、収益基盤の強化に向けた積極的な開発及び先行投資を行ったことによる費用増加の結果、当期の売上高は771,230千円(前期比43.5%減)、営業損失は403,913千円(前期は54,159千円の営業利益)、経常損失は411,791千円(前期は38,844千円の経常利益)、当期純損失は535,864千円(前期は32,656千円の当期純損失)となりました。

 なお、当社はエンターテインメント事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

 (2) キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ502,227千円減少し、289,735千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果支出した資金は、358,641千円となりました。主な要因は、減価償却費の計上70,631千円、減損損失の計上90,405千円があったものの、税引前当期純損失の計上502,197千円があったことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は、623,008千円となりました。主な要因は、無形固定資産の取得による支出が310,391千円、関係会社株式の取得による支出が272,300千円あったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は、479,422千円となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出が133,992千円あったものの、株式の発行による収入が616,952千円あったことによるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

  当社は、生産実績を行っていないため、生産実績は記載しておりません。

 

(2) 受注実績

  当社は、受注生産を行っていないため、受注実績は記載しておりません。

 

(3) 販売実績

第18期事業年度及び第19期事業年度における販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社の事業セグメントは、エンターテインメントサービス事業の単一セグメントであります。

 

サービスの名称

第18期事業年度

(自 平成28年3月1日

    至 平成29年2月28日)

第19期事業年度

(自 平成29年3月1日

    至 平成30年2月28日)

 

前年同期比(%)

 

ゲームサービス(千円)

1,029,468

549,086

△46.7

ライフエンターテインメント
サービス(千円)

334,820

222,144

△33.7

合計(千円)

1,364,288

771,230

△43.5

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該の販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

第18期事業年度

(自 平成28年3月1日

    至 平成29年2月28日)

第19期事業年度

(自 平成29年3月1日

    至 平成30年2月28日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社グリフォン

416,252

30.5

258,355

33.5

株式会社藤商事

185,580

13.6

-

-

株式会社NTTドコモ

149,639

11.0

116,969

15.2

Google Inc.

143,575

10.5

95,924

12.4

KDDI株式会社

104,198

7.6

48,503

6.3

Apple Inc.

96,442

7.1

60,707

7.9

株式会社DMM.com

81,770

6.0

78,761

10.2

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営方針

 当社グループは、『SMART MEDIA COMPANY』を企業コンセプトに掲げ、スマートフォンなどのモバイル向けコンテンツサービスの企画・開発・運営を行うモバイルインターネットサービスをはじめ、オタク市場にフォーカスした総合エンターテインメントを提供し続けていくことを目指しております。当社グループは、このような経営方針に基づき事業を展開することにより、企業価値の増大を図って参ります。

 

(2)経営戦略等

 当社グループでは、総合エンターテインメント企業としての更なる飛躍を目指すべく、以下の3つの軸による成長戦略を考えております。

① コンテンツの拡充とクロスメディア展開

 当社グループでは、ゲームを中心としたコンテンツを取りそろえるとともに、オリジナルIP創出に向けた取り組みを強化するため、アニメ、コミック、音楽、グッズなど、ゲームと親和性の高い分野とのクロスメディア展開を行って参ります。

② 女性向けゲーム市場及び中国ゲーム市場への参入

 スマートフォンの普及により、これまでのゲームユーザーのみならず新しいゲーム市場が拡大しており、中でも近年急拡大している女性向けゲーム市場及び中国ゲーム市場に新たなコンテンツを投入して参ります。

③ 位置情報、AI、ARなど新技術への取り組み

 位置情報、AI、ARなどの新技術開発を加速させ、エンターテインメントと技術とを融合させた新たなコンテンツを創造して参ります。

 

(3)目標とする経営指標

  平成31年2月期の事業計画は下記のとおりであります。

 

平成30年2月期実績(エディア単体)

平成31年2月期計画(連結)

売上高(百万円)

771

1,500

経常利益(百万円)

△411

15

 

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

ゲーム市場が年々成長している中、多くのスマートフォンゲーム投入による競争激化が進み、また、より高品質のゲームを投入するために開発費が増加傾向にあります。このような環境で当社グループは、当連結会計年度において、既存ゲームタイトル及びアプリによる安定した収益計上があるものの、ゲームタイトルの一部のリリース時期を翌事業年度に変更したことによるタイトルポートフォリオの変革遅延による収入減少、収益基盤の強化に向けた積極的な開発及び先行投資を行ったことによる費用増加の結果、営業損失を計上し営業キャッシュ・フローもマイナスとなっております。翌連結会計年度においては、開発を進めている複数のゲームタイトルのリリースを控えており、新たに子会社化した株式会社ティームエンタテインメントの営む事業では、複数のサービスを開始し、順次収益化に向けた取り組みを行っております。これらの取り組みを実行することで、現況の改善及び解消に努めて参ります。

このような環境の下、当社が対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。

 

①知名度の向上とユーザー数の拡大

当社が持続的に成長するためには、当社及び当社サービスの知名度を向上させ、新規ユーザーを継続的に獲得し、ユーザー数を拡大していくことが必要不可欠であると認識しております。そのためには、効果的な広告宣伝活動等により当社知名度を向上させること、また多種多様なコンテンツを展開し、当社のサービスをより多くのユーザーに利用してもらえるように、新規ユーザーを獲得するための施策を積極的に実施することでユーザー数の拡大に努めて参ります。

 

 

②人材の確保と育成

品質の高いサービスを提供し続けるために、当社では優秀な人材を確保するよう努めておりますが、一方で従業員数の増加は人件費を押し上げ、経営を圧迫する要因になります。したがって、事業規模の拡大、成長スピードに合わせた適正な人数で最大の効果を上げるべく、綿密な人員計画の策定、柔軟な雇用形態の実現及び人事制度の刷新等に取り組んでおります。さらに、従業員の能力向上のため教育カリキュラムの充実を推進し、人材を育成する事により、組織体制の強化とサービスのクオリティ向上を目指して参ります。

 

③技術革新への対応

当社が展開する事業は、技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が速く、それに基づくサービスの導入が相次いでいる非常に変化の激しい業界に属しております。当社は、これらの変化に対応するため、優秀な技術者の確保、新しい技術の探求や採用等を行い、新技術の普及状況を捉えた事業展開を推進して参ります。

 

④コンテンツの安全性及び健全性強化への対応

インターネット市場の普及に連れて、コンテンツの安全性及び健全性に対する社会的な要請は一層高まりを見せております。当社は、コンテンツサービスを提供する立場から、ユーザーが安心して利用できるように、ウェブサイトの安全性及び健全性を強化していくことが必要であると考えております。

 

⑤継続的な事業収益への対応

当社では、多くの同業他社が自社タイトルを中心に収益を構成しているのに対し、経営の安定性と成長性のバランスが重要だと認識をしており、複数のアライアンスタイトルを積み重ねる事で、安定した収益を確保し、タイトルを増やす事で事業の成長も行えると考えており、安定収益を確保した上で、自社タイトルをヒットさせることで、更なる成長を狙って参ります。

 

 

4 【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの業績及び事業展開上のリスクとなる可能性がある主要な事項を記載しております。必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から積極的にこれを開示しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

 ①事業環境に関わるリスク

 

 Ⅰ.市場動向

 新たな法的規制の導入、プラットフォーム運営事業者等の動向など、予期せぬ要因により、モバイル市場の発展が阻害される場合には、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。また、モバイルインターネットサービス事業を展開する市場の歴史はまだ浅く、かつ変化が激しいため、ビジネスの将来性は不透明な部分があります。その他予期せぬ要因による市場環境の変化が生じた場合には、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 また、当社連結子会社である株式会社ティームエンタテインメントの主力事業である音楽CDや音楽配信は、市場の動向、消費者の嗜好、消費行動に大きく左右されます。このため、景気の後退、消費支出の縮小などにより音楽関連産業全般の需要が減少する場合、当該事業の業績に悪影響を与える可能性があります。

 

 Ⅱ.技術革新

 当社事業の中心でありますモバイル関連分野は新しい技術の開発及びそれに基づく新サービスの開発が日々行われており、変化の激しい業界です。この新しい技術やサービスへの対応が遅れた場合、当社の競争力が低下し業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 また、携帯端末の分野においてはスマートフォン・タブレット端末等が急速に普及しており、高性能化・多機能化が進んでおります。このような技術の進歩に起因するビジネス環境の変化に当社が適切に対応できない場合、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

 ②サービスに関わるリスク

 

 Ⅰ.他社との競合について

 当社が事業を展開するモバイル市場においては、技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が速く、それに基づく新サービスの導入が相次いで行われております。当社は、これらの変化に対応するためサービスの拡充に努めておりますが、今後当社が魅力あるサービスを開発・提供できず、競合会社が提供するサービスとの差別化が図られない場合、ユーザー数の減少を招き、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

 Ⅱ.事業構造について

 プラットフォーム運営事業者等において不測の事態が発生した場合や、プラットフォーム運営事業者等のインターネット接続サービスに関する事業方針の変更があった場合、当社が提供するサービスに対してユーザーから苦情が多発する等の理由により、当社サービスがスマートフォンアプリもしくはキャリア公式サイトとして不適当であるとプラットフォーム運営事業者等が判断し、サービス提供に関する契約を解除された場合、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 また、当社の売上においてスマートフォン向けゲームの比率が高まっていることから、アライアンスタイトルでの間接的な取引も含めてプラットフォーム運営事業者であるApple Inc.及びGoogle Inc.への収益依存が拡大しております。そのため、プラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換並びに動向に伴い、手数料率や為替変動によるアイテム単価の変更等の要因により、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

 Ⅲ.タイトルの継続的な提供について

 スマートフォンゲームは提供開始から数か月~1年程度で売上等がピークアウトする傾向が一般的であり、安定的な収益をあげるためには、多数のユーザーを獲得できるタイトルを継続的に提供し続ける必要があります。当社では、強みであるコアジャンルや、ミッドコアジャンルに特化したタイトルを運営しており、その運営を通じて得た手法を新規タイトルの開発に活用しておりますが、複数のユーザーを獲得できるタイトルを継続的に提供できなかった場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 Ⅳ.ユーザーの嗜好の変化について

 スマートフォンゲームに代表されるコンテンツにおいては、ユーザーの嗜好の移り変わりが激しく、ユーザーニーズの的確な把握や、ニーズに対応するコンテンツの提供が何らかの要因によりできない場合、ユーザーへの訴求力が低下する可能性があります。

 また、継続してコンテンツの拡充を図っていく必要がありますが、計画どおり進まない場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 Ⅴ.特定の事業者への依存のリスク

 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、「第2 事業の状況 2生産、受注及び販売の状況」に記載のとおりであり、携帯キャリアに対する依存度が高い状況にあります。

 携帯キャリアのインターネット接続サービスに関する事業方針の変更等があった場合、当社の業績及び今後の事業展開に大きな影響を与える可能性があります。

 また、当社の事業の中に特定の取引先からの受託や協業の案件が含まれております。当社は、新規取引先の開拓を行う等、特定の取引先に依存しないビジネス構築を心掛けておりますが、取引先の経営方針の変更等により、当社の業績及び今後の事業展開に大きな影響を与える可能性があります。

 

 Ⅵ.受託開発案件について

 当社が行う受託開発は、プロジェクトの見積りの誤り、作業進捗の遅れ等により、自社での超過経費の負担が発生し、プロジェクトの採算が悪化する可能性があるほか、検収遅延により売上計上や代金回収の遅れが発生する可能性があります。当社では、このようなリスクを回避するため、プロジェクト別の原価予測や工数管理を徹底することにより、業績への影響の軽減に努めておりますが、費用の変動や、納入又は検収の遅れが生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 Ⅶ.新規事業について

 新規事業を開始するにあたっては、ユーザーニーズの把握などの研究や、システム開発を行う必要があり、動向調査や開発への投資、広告宣伝費等の追加的な支払いが発生し、利益率が低下する可能性があります。また、人員不足等の原因により開発に時間を要して対応が遅れた場合や、当初の想定どおりに進捗しなかった場合、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

 Ⅷ.売上債権回収に関するリスク

 当社は債権回収リスクに留意し、与信管理の強化を推進しておりますが、一方でプラットフォーム運営事業者等に委託している回収代行については、プラットフォーム運営事業者等の責によらない事由により代金を回収できない場合、その旨を当社に通知することでプラットフォーム運営事業者等は回収義務を免除されます。したがって、今後このような未回収代金が回収不能になり貸倒れに伴う費用が増加した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

 

 Ⅸ.不正行為等によるリスク

 当社のスマートフォンゲームのタイトルには、ユーザー同士がゲーム内で獲得したアイテムを交換できる機能を設けております。このような機能を導入しているスマートフォンゲームは一般的に数多くありますが、一部のユーザーがゲーム内アイテム等をオークションサイト等において現実の通貨で売買するというリアル・マネー・トレード(以下、「RMT」という。)を行う場合があり、悪意のあるユーザーが不正にゲーム内アイテム等を入手し、RMTによって多額の金銭を得るという不正行為等が行われることが、社会的な問題となっております。当社では、利用規約でRMTの禁止を明記するとともに、違反者に対してはゲームの利用停止や強制退会等の厳正な対応を講じる方針であることを明確にしております。しかしながら、当社に関連するRMTが大規模に発生、又は拡大した場合、当社のサービスの信頼性が低下し、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

 Ⅹ.広告出稿について

 モバイル市場における広告の出稿形態は変化が激しいため、当社は広告出稿形態による効果等を常に監視、検証し、最適な広告出稿形態を選択し、有料会員獲得に努めております。しかしながら、広告媒体自体の影響力の低下により想定通りに会員数を獲得できない場合、また、広告媒体の出稿枠獲得競争の激化等により、会員獲得コストが上昇した場合、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

 Ⅺ.サービスにおける表現の健全性確保について

 当社では提供するサービスの制作及び配信等において、一般財団法人コンピュータエンターテインメント協会や、プラットフォーム運営事業者等の性的・暴力的表現等に関するガイドラインに準拠し、提供サービスの健全性確保に努めております。しかしながら、性的・暴力的表現に関する法的規制や法解釈、プラットフォーム運営事業者等の設ける基準は、社会情勢等により変化する可能性があるため、法的規制の強化や、プラットフォーム運営事業者等の基準の変更等により、当該サービスの提供を継続できなくなった場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

    

 XⅡ.返品に係るリスク

 当社連結子会社である株式会社ティームエンタテインメントの主力製品とする音楽CDは、再販価格維持制度の対象となっており、小売店が自由に販売価格を設定できないことから、小売店は製品を一定の範囲内で返品できる商習慣があります。このため、販売不振の製品については将来返品されるものがあります。同社では過去の返品実績などを基に返品調整引当金の計上を行い、これに備えていますが、予想外の販売不振などにより返品が発生した場合、当該事業の業績に影響が生じる可能性があります。

 

 ③システムに関わるリスク

 

 Ⅰ.システム、ネットワーク障害について

 当社は、大手クラウドサービス事業者を利用し、かつバックアップ管理の冗長化を行うなど、サービスの安定運用のための対策を行っておりますが、大規模なプログラムの不良や、アクセス数の急激な増加によるサーバ負荷の増加、悪意ある第三者による不正アクセス、情報の漏洩等の違法な行為、その他何らかの理由によりシステム障害等が発生した場合、当社の事業活動に支障をきたし、当社サービスの信頼性の低下を招き、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

 Ⅱ.災害復旧対策等について

 当社では、自然災害、事故等に備え、定期的なバックアップ、稼働状況の監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、開発拠点は、本店所在地である東京都にあり、当該地区において大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等により、設備の損壊や電力供給の制限等の事象が発生した場合、国際紛争等による物的・人的損害が甚大になった場合、当社の事業活動に支障をきたし、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

 

 ④法的規制・制度動向によるリスク

 

Ⅰ.当社事業に関連する法的規制

 当社が運営するサービスのユーザーの個人情報に関しては「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。加えて、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」では、他人のID、パスワードの無断使用の禁止等が定められております。さらに「特定商取引に関する法律」及び「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」により、一定の広告・宣伝メールの送信にあたっては、法定事項の表示義務を負う場合があります。

 次に、当社が運営するサービスは、有料アイテム・コンテンツを購入して利用することが可能であることから「資金決済に関する法律」の適用を受けており、その法律に沿った運用を行っております。また、ユーザーが安心・安全に当社のサービスを利用できる環境を整備するため、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(以下、「同協会」)に加入するとともに、同協会の自主規制等のガイドラインを遵守し、業界の健全性、発展性を損なうことのないよう努めております。

 また、サービス内で提供されているSNS機能は、ユーザーの健全なコミュニケーションを前提としたサービスであり、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」に定義される「インターネット異性紹介事業」には該当しないものと認識しております。

 なお、システム開発やコンテンツ制作等を外注している場合があり、それらの取引の一部は「下請代金支払遅延等防止法」の適用対象になります。

 当社は、上記各種法的規制等について誠実に対応していると考えておりますが、不測の事態等により、万が一当該規制等に抵触しているとして契約等の効力が否定された場合、当社が何らかの行政処分を受けた場合、また、今後これらの法令等が強化・改正され、もしくは新たな法令等が定められ、当社の事業が制約を受ける場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。そのほか、法的規制に違反していないとしても、当社のサービスの信頼性やブランドが毀損し、サービスの安定的な提供が困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 また、スマートフォンの利用者は年齢層が幅広く、昨今では中高生のユーザーも増加、またスマートフォンをもたない未成年者が家族の端末を利用し当社のサービスで遊ぶ、といったような未成年者のユーザーも増加しております。当社のサービスでは、一部で有料アイテム・コンテンツを販売しており、アイテムやコンテンツを購入する際には、クレジットカードの利用、プラットフォーム運営事業者等の決済、またはプリペイドカードを利用するなど決済手段がいくつか存在します。当社では、同協会や、各地域の消費生活センター、消費者庁と情報交換を行い、健全な市場環境の形成に取り組んでおりますが、当社が想定していない規制等が新たに制定された場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 当社連結子会社である株式会社ティームエンタテインメントの主力製品とする音楽CDは、再販価格維持制度の対象となっており、再販価格維持制度は、著作物商品の価格を固定化することで、著作物の安定した供給体制を保証する制度であり、商品価格の安定につながっております。将来、当制度が変更もしくは撤廃された場合、当事業の業績に影響を与える可能性があります。

 当社連結子会社である株式会社ティームエンタテインメントが運営するコンテンツコラボレーションカフェでは、グッズと合わせて飲食物も提供しているため、「食品衛生法」により規制を受けており、食中毒等の事故を起こした場合、この法的規制により食品等の廃棄処分、営業許可の取り消し、営業の禁止、一定期間の営業停止等を命じられる可能性があります。

 

 ⑤社内体制に関わるリスク

 

 Ⅰ.人材の採用・育成について

 当社は、新卒採用を継続的に行うことで、優秀な学生の安定採用を目指しております。また、中途採用においては、複数の人材紹介会社から多角的な採用を行っております。しかしながらモバイル市場の人材獲得競争が非常に激しいことから、今後当社が必要とする人材が適時確保できない場合、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 また、育成においては、社内及び社外の研修制度を活用し、人材教育にも力を入れておりますが、社内における人材の育成が計画通りに進まず、適正な人員配置が困難になった場合、業務委託契約による委託先や派遣社員を増員することが必要な場合も想定されます。これにより、一時的な業務委託費等の増加、必要な能力を有した人材の適所への配置の困難、社内に知見等のノウハウが蓄積されないことなどにより、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 加えて、当社連結子会社である株式会社ティームエンタテインメントの主力事業である音楽ソフトの企画制作においては、比較的少人数での事業運営を行う一方、ノウハウ、人脈の専門性が高く、人材の代替可能性が必ずしも高くないことから、役員及び従業員が何らかの理由で退任又は退社し、その代替人材が確保できない場合、当該事業の業績に影響を与える可能性があります。

 

 Ⅱ.内部管理体制

 当社グループは、内部関係者の不正行為等が発生しないよう、国内外の法令・ルールの遵守及び企業倫理に沿った法令遵守規程を制定するとともに、代表取締役社長直轄の独立した組織として内部監査室を設置するなど内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、法令等に抵触する事態や内部関係者による不正行為が発生する可能性は皆無ではないため、これらの事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 Ⅲ.個人情報保護体制について

 当社は、当社が運営するサービスの利用者に係る個人情報を取得する場合があります。当社では「個人情報の保護に関する法律」「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」等に従い、個人情報の厳正な管理を行うため「個人情報保護方針」を定めております。また、データベースへのアクセス権限の設定、及び外部侵入防止のためのセキュリティ等の採用により個人情報の漏洩防止を図っております。
 また「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」において、他人のID・パスワードの無断使用の禁止等が定められており、個人情報に紐づいたIDやパスワード等の情報にも厳正なセキュリティ管理を実施し、機密情報の漏洩防止を図っております。
 このような対策にも関わらず、外部からの不正アクセスや内部関係者の不正行為等が発生し個人情報等の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、損害に対する金銭補償や企業イメージの悪化等により、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

 Ⅳ.特許・知的財産権の保護について

 当社の提供するサービスによる第三者の知的財産権の侵害の有無等について、外部の専門家との連携や、社内管理体制を強化しておりますが、チェックが十分でない場合や、認識不足等により、第三者から権利侵害の損害賠償請求や使用差し止め等の訴えを起こされる可能性、及び権利に関する使用料等の対価の支払が発生する可能性があります。その場合、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

 ⑥その他

 

 Ⅰ.新株予約権の行使による株式価値の希薄化

 当社は役員及び従業員に対して、モチベーションの向上を目的としたストックオプションを付与しております。今後新株予約権の行使が行われた場合、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日の前月末現在における新株予約権による潜在株式数は406,400株であり、発行済株式総数3,991,200株の10.18%に相当します。

 

 Ⅱ.税務上の繰越欠損金について

 当社の事業が当社の想定通りに推移した場合、第20期(平成30年3月1日~平成31年2月28日)以降に所得が拡大することにより、繰越欠損金がなくなることで、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税の負担が発生し、当社の当期純利益及び営業キャッシュ・フローに大きな変化を与える可能性があります。

 

 Ⅲ.業績等について

 当社は、当事業年度において、既存ゲームタイトル及びアプリによる安定した収益計上があるものの、ゲームタイトルの一部のリリース時期を翌事業年度に変更したことによるタイトルポートフォリオの変革遅延による収入減少、収益基盤の強化に向けた積極的な開発及び先行投資を行ったことによる費用増加の結果、営業損失を計上し営業キャッシュ・フローもマイナスとなっております。

 翌事業年度においては、開発を進めていた複数の新規ゲームタイトルをリリースすることで収益に貢献し、業績は改善すると考えております。

 また、翌事業年度には第三者割当による新株予約権の発行を行い、資金調達による資本の増強を行います。

 

5 【経営上の重要な契約等】

    スマートフォン向けアプリプラットフォーム運営事業者との契約

相手方の名称

契約の名称

契約内容

契約期間

Apple Inc.

iOS Developer Program  License Agreement

iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

1年間(1年毎の自動更新)

Google Inc.

Google Playマーケットデベロッパー販売/配布契約書

Android搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

契約期間は定められておりません。

 

 

6 【研究開発活動】

   該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

また、当社グループは、当連結会計年度が連結初年度であるため、(2)財政状態の分析においては、前連結会計年度との比較は行っておりません。

 (1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたりまして、経営者の判断に会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 

(2)財政状態の分析

①資産、負債及び純資産の状況

   (資産の部)

当連結会計年度末における流動資産は812,216千円となりました。主な内訳は、現金及び預金521,387千円、売掛金186,939千円であります。

また、固定資産は、405,461千円となりました。主な内訳は、有形固定資産が24,741千円、無形固定資産が329,831千円、投資その他の資産が50,888千円であります。

以上の結果、当連結会計年度末における総資産は1,217,677千円となりました。

   (負債の部)

当連結会計年度末における流動負債は、345,685千円となりました。主な内訳は、買掛金86,691千円、1年以内返済予定の長期借入金123,426千円、未払金71,163千円であります。

また、固定負債は、56,748千円となりました。内訳は、長期借入金56,748千円であります。

以上の結果、当連結会計年度末における負債は、402,433千円となりました。

   (純資産の部)

当連結会計年度末における純資産は、815,244千円となりました。主な内訳は、資本金791,171千円、資本剰余金781,171千円、利益剰余金△757,368千円であります。

なお、当社グループは、当連結会計年度が連結初年度であり、前期は連結財務諸表を作成していないため、前期との比較は行っておりません。

 

(3)経営成績の分析

     ①売上高

当事業年度の売上高は、771,230千円(前事業年度比43.5%減)となりました。これは主に、不採算タイトルの終了と、新規リリースを予定していたタイトルのリリース延期によるものであります。

 

     ②売上原価

当事業年度の売上原価は、労務費や外注加工費が増加するも積極的な開発及び先行投資によりソフトウエアへの振替額が増加し、469,379千円(前事業年度比25.0%減)となりました。

 

     ③販売費及び一般管理費

当事業年度の販売費及び一般管理費は、人件費や採用費等の増加により、705,764千円(前事業年度比3.2%増)となりました。

 

     ④営業外収益、営業外費用

当事業年度の営業外収益は、受取利息等により120千円となりました。営業外費用は、新株予約権発行費及び支払利息等により7,999千円となりました。

 

 

     ⑤特別損失

当事業年度の特別損失は、不採算ゲームタイトルの減損損失により90,405千円となりました。

 

これらの結果により、当事業年度の営業損失は403,913千円、経常損失は411,791千円、当期純損失は535,864千円となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの状況

     「1業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、「4事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える要因となる可能性があると認識しております。そのため、当社の知名度の向上とユーザー数の拡大、優秀な人材の確保と育成、技術革新への対応及びコンテンツの安全性及び健全性強化等により、これらのリスク要因を分散し、又は低減できるよう適切に対処できるよう取り組んで参ります。

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

当社は、『SMART MEDIA COMPANY』を企業コンセプトに掲げ、スマートフォンなどのモバイル向けコンテンツサービスの企画・開発・運営を行うモバイルインターネットサービス事業を主たる事業としています。これまでも携帯電話の黎明期から実用性とエンターテイメント性にこだわった「新しくて面白い」モバイル向けコンテンツサービスを手掛けてまいりました。現在は変化の激しいモバイル業界にタイムリーに対応するため、企画から開発、運用に至るまで一貫して社内で内製できる体制を構築し、ゲームからナビゲーションまで自社開発できる高い技術力を有しております。

今後は当社の持つ高い技術力を融合させ、当社独自のノウハウを活かした競争力のあるサービスの提供を継続してまいります。また新規ユーザーを獲得するための施策を積極的に実施することで、ユーザー数の拡大に努めてまいります。