第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末日現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針、経営環境

当社は、「人と企業の未来を創造する」ことを経営理念とし、役割を終えた事業や子会社を売却したい方、経営環境の変化に合わせるために事業や子会社を買収したい方、後継者不在で引き継ぎ先を探す必要に迫られている方、企業の更なる成長のために資金調達又は経営権の譲渡を望まれる方など、それぞれ企業の変化に合わせ、M&Aを通じてその経営体制を支援することが当社の役割と認識しております。そして、当社でのM&A仲介により、より多くの企業の未来を創造していくことで、事業拡大を図ることを経営方針としております。このような経営方針のもと、成約組数を年間2割以上増加させていくことを当面の目標としております。
 具体的な取り組みについては、下記のとおりとしております。
 当社は会社設立時から、公認会計士・税理士を中心とした会計分野の専門性を有するプロフェッショナル集団であり、中堅・中小企業のM&A仲介事業を主たる事業として展開してまいりました。引き続き、専門性の高い業務提供を行うことで、顧客が安心して満足できるM&Aを創出していく方針であります。
 また、当社でのM&A仲介では、インターネットを積極的に活用しておりますが、インターネット経由での受託、マッチングを強化するため、「M&A市場SMART」のWEBサイトの更新を図り、利便性を高めていく方針であります。
 さらに、M&Aの利便性やM&Aによる問題解決策を広く社会に認知していただけるよう「M&Aonline」等のWEBサイトを通じた情報発信を拡充していく方針であります。
 現在の環境としては、オーナー社長の高齢化や後継者不在の企業数の増加を背景に、日本国内の中堅・中小企業のM&Aは拡大傾向にあります。一方で、M&Aは後継者不在の解決策に限定されるものではなく、中期的な事業の拡大を図るために、事業承継のM&A市場だけにとらわれず、グループ企業のM&A、スタートアップ企業のM&A、事業再生のためのM&A等、事業承継以外のM&A市場でも積極的に活動してまいります。

 

(2)対処すべき課題

① 信用力の向上

中堅・中小企業の譲渡希望先にとって、会社を譲渡することは非常に重い決断であるとともに、今まで企業を育ててきた努力を将来の新たな活力に繋げる生涯における一大事であります。譲渡希望先は様々な不安を抱えながら、決断を行い、理想の買収先を求め、交渉を進めていきます。一方、買収希望先にとっては、貴重な経営資源を新たな会社に投下することは新たなリスクを抱えるものであり、慎重に会社を選定し、交渉を進め、決断を行います。
 このような状況下、譲渡先と買収先がM&Aを進める上では、仲介会社である当社の信用力が必要不可欠であり、顧客からの安心感を得られる体制を構築することが重要な課題であると認識しております。
 この課題を解決すべく、社会的信用力の向上を目指すとともに、更に信頼される企業となるべく、社内管理体制及びコンプライアンス体制の整備・充実を図ってまいります。また、業務・サービスの品質を高めるべく、従業員の専門性を高めるため社内教育を推進するとともに、徹底的に顧客と向き合い案件を進めていく企業文化を構築するため、案件会議を毎週開催し、社内コミュニケーションの促進、情報の共有を推進してまいります。

 

② 譲渡案件探索

M&A仲介事業の拡大のために、譲渡案件の探索及び受託を重要な課題と考えております。
 当社では、セミナー開催、広報誌の発行、WEB・新聞・雑誌での記事掲載により、M&Aに関する情報発信による潜在的な譲渡希望ニーズの発掘に取り組んでおりますが、発信する情報の拡充を図るとともに、効果的・効率的に譲渡案件が受託できるよう努めてまいります。この一環として、M&A専門の情報サイト「M&Aonline」上のコンテンツを充実させることで情報発信を強化してまいります。また、経営者の悩みやニーズに適切に応えるべく、潜在的な顧客へのダイレクトマーケティングも持続的に強化してまいります。
 一方、金融機関や会計事務所を中心とした業務提携により間接的な案件受託を推進しておりますが、当該受託の増加を図るため、新たな提携先の探索や提携領域の拡大に取り組んでまいります。また新たな提携領域として、スタートアップ支援企業(団体)等との業務提携を強化しております。当事業年度に成約したスタートアップ企業(設立5年以内の譲渡)のM&Aは9組となりましたが、今後ますますスタートアップ企業へM&Aの推進を図ってまいります。 

 

③ M&A活動エリア、M&A対象分野の拡充

当社は、東京に本社を置くとともに、札幌、仙台、名古屋、大阪、高松、福岡に営業所を設置し、全国の企業をM&A仲介の対象としておりますが、社内の人的資源にも限りがあり、全国全てのエリアにおいてM&Aニーズへの十分な対応ができているとは判断しておりません。このため、顧客ニーズに十分な対応ができていないエリア等を見極め、その時々で注力エリアを選別することで経営資源の有効的な活用を図るとともに、中長期的にはそのエリアの拡大に努めてまいります。その一環として、エリアでの営業力強化と業務の効率化を図るため平成29年9月に福岡営業所を移転、平成30年1月に名古屋営業所を移転、人員増加に対応するため平成30年6月に東京本社を増床いたしました。
 事業承継問題を背景に、中堅・中小企業のM&A市場は活性化している状況でありますが、事業承継だけに限定することなく、スタートアップ企業のエグジット、事業整理、事業再生目的等多様なM&Aニーズにも対応を図るとともに、M&Aを利用した新たな問題解決手法を創出することも視野に入れ、M&A市場全体が発展していく中で安定的な経営が行えるよう努めてまいります。

 

④人材の確保・育成

当社では、M&A仲介事業を成長させるために最重要となる経営資源は人的資源であると考えており、優秀なM&Aコンサルタントを継続的に獲得し、育成し、維持していくことが課題であると認識しております。
 獲得に関しては、専門的な知識を有する人材、多様な分野に精通している人材、営業力・交渉力に長けた人材等の有能な人材を獲得することに注力していく方針としております。
 従業員の育成のため、専門的知識や専門的スキルの向上のための社内研修の充実、M&A情報の共有等の施策を図ることとしております。さらに、優秀なM&Aコンサルタントの定着率を向上させるため、成果主義に基づく給与制度や人事考課制度を採用しておりますが、社会環境や組織構造の変化に対応して随時見直しを行うとともに、従業員が積極的に仕事に取り組める環境を整備してまいります。

 

⑤ マッチングサイト「M&A市場SMART」の更なる活用

当社では、譲渡希望先の意向によって、インターネット上でのマッチングサイト「M&A市場SMART」に企業名を伏せたまま案件概要を掲載し、買収に関心のある企業を募っております。「M&A市場SMART」を活用し、不特定多数の企業から買収候補先を探索することは、譲渡希望者にとってはより良い条件での譲渡の可能性が高まるとともに、買収候補先にとっても譲渡案件を適時に把握でき、すぐに買収に参加できることとなり、双方にメリットがあります。このような「M&A市場SMART」の利点を生かし、顧客満足を一層高められるよう、継続的にWEBサイトの更新・強化を図ることで「M&A市場SMART」の利便性を高めるとともに、より多くの企業から「M&A市場SMART」を経由して買収希望を獲得できるよう、その普及に努めてまいります。

 

⑥案件進捗管理

業績目標を達成する上では、個々案件の成約に向けた進捗管理が重要な課題になると認識しておりますが、案件の成約時期については、譲渡先と買収先のそれぞれの意向や意思決定手続等により左右され、当社で完全にコントロールできない面もあります。
 当社では、コンサルタントが成約目標時期を譲渡先と買収先に示し、成約までの期間が長期化することのないよう努めており、また、全案件の進捗管理のため、毎週、案件の進捗状況を把握し、必要に応じた対策を図るようにしております。さらに、会計・法律などの専門家で構成された業務支援部を設置し、経験の浅いコンサルタントであっても成約できる支援体制を整備しております。
 これらの施策により、案件の進捗管理は徐々に改善されておりますが、より厳格な進捗管理ができるよう継続的に管理体制の見直しに努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。併せて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
 当社は、これらのリスクの発生可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
 本項記載の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関連するリスクについて

① M&A市場の低迷

中堅・中小企業のM&A市場は、1990年代以降、オーナー経営者の高齢化に伴う後継者問題等を背景に拡大傾向にあります。また、今後も、ベンチャー企業の出口戦略としてのM&Aの活用やノンコア事業からの撤退手段としてのM&Aの活用等により、市場は更に拡大する可能性があるものと予測しており、当社でも様々なM&Aニーズに対応できるよう体制を整備しております。しかしながら、将来的に後継者問題解決策としてのM&A譲渡ニーズが減少に転ずること、金融市場の動向等によりM&A買収ニーズが減少に転ずること等を要因として、市場が縮小した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、過去にも、リーマンショックや東日本大震災を契機として、M&A買収ニーズの減少によりM&A市場が一時的に縮小した経緯もあり、類似した経済情勢の変化や自然災害の影響を受けて市場が低迷する可能性もあります。

 

② M&Aに関する法的規制

現状、M&A仲介業務を直接的に規制する法令等はなく、許認可制度や資格制限もありません。しかしながら、今後、法令等の制定・改定により、M&A仲介業務に対する何らかの規制を受けることに至った場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 また、M&A取引又はM&A制度にかかる金融商品取引法、会社法、税法等の法改正が行われることで、社会におけるM&Aニーズも変化する可能性があり、その結果として、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 同業者との競合

M&A仲介事業は許認可制度や資格制限もないことに加え、事業の開始にあたって大規模な設備投資も不要であることから、相対的に参入障壁が低い事業であると判断しております。このため、大手事業者から個人事業者まで多数の事業者がM&A仲介事業を展開しており、今後も同業者間での競争が激しくなることが推測されます。
 当社では、M&A仲介業務の差別化や顧客からの信頼を向上させるため、これまでの経験により蓄積されたノウハウの社内共有、従業員に対する専門的知識の教育、公認会計士・税理士等の有資格者やM&A実務経験者の積極的な採用等の施策を講じて対応を図っておりますが、競合他社との競争が激化した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 単一セグメント

当社は、M&A仲介事業の単一事業であり、M&Aに影響する環境変化が発生した場合には当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社のM&A仲介事業は、日本国内の企業を仲介対象としており、日本国内の経済環境変化によって当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(2) 事業内容に関連するリスクについて

① 案件成約の遅延

M&A仲介事業は、譲渡先と買収先の意向に従い、受託から成約までの一連の業務が進められております。当社は両者のマッチングが円滑に進み、早期に成約に至るよう取り組んでおり、案件の進捗管理を適時に実施しておりますが、両者での条件交渉が難航することや、買収先が手配して実施するデューディリジェンス作業が遅延すること等を要因として、予定通りに案件が進まない場合も想定されます。この結果、当社の事業年度別の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 業績の変動

M&A仲介事業は、受託する案件の規模により、成約報酬も異なっております。当社では、受託案件数を増やすことにより、業績が大きく変動しないよう取り組んでおりますが、案件成約数の一時的な変動や成約案件規模の大小により、四半期又は事業年度毎の一定期間で区切ってみた場合に、期間毎の業績が大きく変動する可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ クレーム、訴訟

当社では、コンプライアンスを遵守してM&Aの仲介業務を行うよう社内体制の整備に努めており、仲介業務については公平・中立的な立場で業務が進められるようビジネス倫理にも配慮しております。また、業務の過程で発生するクレーム等についても、適時適切な対応を図っております。
 しかしながら、何らかの要因により、当社が訴訟を提起される可能性もあり、この結果、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 人材の獲得、確保、育成

当社が事業を拡大していくには、優秀なM&Aコンサルタントの獲得、育成、維持が重要な課題であると認識し、これに取り組んでおります。しかしながら、人材を適時に確保できない場合、人材が大量に社外流出してしまった場合、あるいは人材育成が計画通りに進展しない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社は当事業年度末現在の従業員数75名の小規模な組織形態であることから、従業員が欠けるような事態に至った場合の経営成績及び財政状態への影響は相対的に大きいものと考えられます。

 

⑤ 情報セキュリティの管理

当社は、顧客から情報を入手するに際して、秘密保持契約等を締結し、顧客に対して守秘義務を負っております。当社では、顧客から入手した情報が漏洩しないよう、社内規程を整備し、情報の保管管理を徹底するとともに、役職員に対しても守秘義務に関する教育を行う等の施策を講じております。しかしながら、不測の事態等により、守秘義務の対象となる情報が漏洩した場合、損害賠償請求等の金銭補償や信用力の低下等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 個人情報管理

当社は、メールマガジンの登録及びセミナーの受講等において、個人情報を取得する場合があります。当社では「個人情報の保護に関する法律」に従い、社内規程を整備し、個人情報の厳正な管理を行っております。このような対策にも関わらず、個人情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償請求等の金銭補償や信用力の低下等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) その他のリスクについて

① 大株主及び当社代表取締役について

当社代表取締役 荒井邦彦は、当社の創業者及び経営の最高責任者であり、荒井邦彦の資産管理会社である株式会社K&Companyとあわせて、当事業年度末現在、当社株式の49.1%を所有する大株主であるとともに、経営においても重要な役割を担っております。当社では、過度な依存を回避すべく、会議体での重要な意思決定の徹底、組織としての管理体制の強化、マネジメント層の採用・育成を図っておりますが、現時点において当該役員に対する依存度は高い状況にあるといえます。そのため、何らかの理由により同氏が当社の経営を行うことが困難な状態となり、また、後任となる経営層の採用・育成が進展していなかった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 配当政策

当社は、株主に対する利益還元を重要な経営目標と認識しており、剰余金の配当につきましては、内部留保とのバランスを保ちながら、将来の事業展開と経営の体質強化のための内部留保を確保しつつ、業績に応じた配当を行うことを基本方針としております。このため、安定的かつ固定的な配当施策を採用しておらず、配当が毎期変動する可能性があります。この結果、配当政策が株価へ、株価が資金調達へ影響することで、最終的には経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 自然災害、事故等

当社では自然災害、事故等に備え、サーバーの分散化、データの定期的バックアップ、システム稼働状況の監視によりシステムトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、当社本社の所在地である関東圏において、大地震、台風等の自然災害や事故等により、設備の損壊や電力供給の制限等の事業に支障を来たす事象が発生し、システムの利用が制限された場合、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 調達資金の使途

当社の株式上場時の公募増資による調達資金につきましては、広告宣伝、人材採用、システム開発を目的として充当中であり、また、平成29年6月の公募増資による調達資金につきましては、当社上場時の公募増資による調達資金に追加して必要になる広告宣伝、人材採用、システム開発等を目的として充当しております。しかしながら、調達した資金の使途の全てが必ずしも当社の成長に寄与するとは限らず、期待通りの成果をあげられない可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

1)経営成績

当事業年度におけるわが国の経済は、日銀が金融緩和政策を維持することを決定したことなどを背景に、企業収益や雇用情勢の改善が続いており、景気は緩やかに回復しております。
  当社の事業領域である中堅・中小企業のM&A市場は、依然として拡大傾向となっています。経済産業省が平成29年10月に公表した「中小企業・小規模事業者の生産性向上について」によると、中小企業の経営者年齢のピークが過去20年間で47歳から66歳と高齢化が進んでいます。2025年には6割以上の中小企業・小規模事業者の経営者が70歳を超え、団塊世代が今後本格的な引退時期を迎えます。さらに中小企業庁では、事業承継に関する集中実施期間として「事業承継5か年計画」を平成29年7月に公表しました。これは今後5年程度を事業承継支援の集中実施期間とし、支援体制、支援施策を抜本的に強化する政策です。また税制改正においても事業承継税制の見直しについて積極的な議論がなされるなど、事業承継への対応は国家的な課題となっております。後継者問題を抱える企業にとってM&Aはその有力な解決策の一つとして認知されつつあります。

このような環境下、当社は、営業面では、新規顧客開拓のため、平成29年9月に長野と松本で、平成29年10月と11月に全国15か所で、平成30年2月と3月に全国5か所で、平成30年6月と7月に全国16か所でセミナーを開催し、事業承継型M&Aの活用事例、実際に会社を譲渡された元経営者の体験について解説いたしました。また案件管理を改善させるため社内システム投資を行い、増加している案件の進捗管理をより適切に行える体制の整備を図りました。

さらに、営業力強化と業務の効率化を図るため、平成29年9月に福岡営業所を移転、平成30年1月に名古屋営業所を移転、人員増加に対応するため平成30年6月に東京本社を増床いたしました。
 人員面におきましては、受託案件の増加に対応するため、当事業年度においてM&Aコンサルタントを17名増員いたしました。

この結果、当事業年度においては、計88組の(前期67組)の案件が成約しました。売上高は3,743百万円(前期比21.1%増)、営業利益は1,352百万円(前期比17.6%増)、経常利益は1,355百万円(前期比18.4%増)、当期純利益は919百万円(前期比14.4%増)と過去最高の業績となりました。
 なお、当社はM&A仲介事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

2)財政状態

当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ911百万円増加し、5,419百万円となりました。

当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ142百万円増加し、905百万円となりました。

当事業年度末の純資産合計は、全事業年度末に比べ769百万円増加し、4,513百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4,918百万円と前事業年度末と比べ760百万円の増加となりました。主な要因は、下記のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,025百万円(前事業年度は1,108百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額が395百万円あったものの、税引前当期純利益を1,355百万円計上したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は115百万円(前事業年度は7百万円の支出)となりました。これは主に、敷金及び保証金の差入による支出が56百万円、有形固定資産の取得による支出が49百万円あったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は150百万円(前事業年度は673百万円の収入)となりました。これは主に、配当金の支払額が154百万円あったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

該当事項はありません。

 

b.受注実績

該当事項はありません。

 

c.販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

事業の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

M&A仲介事業

3,743,742

+21.1

合計

3,743,742

+21.1

 

(注) 1.当社は、M&A仲介事業の単一セグメントであるため、セグメントに関わる記載は省略しております。

2.前事業年度及び当事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。当事業年度の主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。なお、M&A譲渡先オーナー(個人)との間で守秘義務を負っているため、公表は控えさせていただきます。

相手先

前事業年度

(自 平成28年9月1日

 至 平成29年8月31日)

当事業年度

(自 平成29年9月1日

  至 平成30年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

M&A譲渡先オーナー(個人)

510,000

16.5

 

3.上記の金額には消費税は含まれておりません。

4.前事業年度及び当事業年度におけるM&A成約組数の実績は次のとおりであります。

分類の名称

前事業年度

(自 平成28年9月1日

 至 平成29年8月31日)

当事業年度

(自 平成29年9月1日

 至 平成30年8月31日)

M&A成約組数

67

88

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来生じる実際の結果とは異なる可能性がありますので、ご留意ください。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
 また、財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析

(資産の部)

当事業年度末の流動資産は、前事業年度末に比べ816百万円増加し、5,130百万円となりました。これは主とし
て当初計画を超える経営成績を達成したこともあり現金及び預金が760百万円増加したことによるものであります。
 当事業年度末の固定資産は、前事業年度末に比べ94百万円増加し、288百万円となりました。これは主として本社の増床や営業所の移転等に伴い、有形固定資産が37百万円増加、投資その他の資産が58百万円増加したことによるものであります。

(負債の部)

当事業年度末の流動負債は、前事業年度末に比べ157百万円増加し、878百万円となりました。これは主として成約案件数の増加や人員の増加等に伴い、買掛金が53百万円増加、未払金が91百万円増加したことによるものであります。
 当事業年度末の固定負債は、前事業年度末に比べ15百万円減少し、26百万円となりました。

(純資産の部)

当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ769百万円増加し、4,513百万円となりました。これは主として
利益剰余金が配当により154百万円減少したものの、当期純利益により919百万円増加したことによるものであります。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

当事業年度の売上高は3,743百万円と、前事業年度に比べ651百万円の増収(前期比21.1%増)となりました。この主な要因は、受託活動を強化した結果、M&A成約組数が21組増加(前期比31.3%増)したことによるものであります。売上高については当初計画を達成するとともに、成約組数を年間2割以上増加させていく目標も達成することができました。

(売上総利益)

当事業年度の売上原価は1,424百万円となり、前事業年度に比べ182百万円の増加(前期比14.7%増)となりました。この主な要因は、案件紹介料が57百万円減少したものの、M&Aコンサルタントの増加に伴う給与手当の増加103百万円、賞与の増加87百万円等によるものであります。

この結果、当事業年度の売上総利益は2,318百万円と、前事業年度に比べて468百万円の増益(前期比25.3%増)となりました。 

(営業利益)

当事業年度の販売費及び一般管理費は965百万円となり、前事業年度に比べ266百万円の増加(前期比38.1%増)となりました。この主な要因は、人員増加に伴う給与手当の増加93百万円、役員の増員等に伴う役員報酬の増加64百万円、本社増床及び営業所移転に伴う地代家賃の増加29百万円、さらに積極的なセミナーの開催に伴う広告宣伝費の増加37百万円等によるものであります。

この結果、当事業年度の営業利益は1,352百万円と、前事業年度に比べて202百万円の増益(前期比17.6%増)となりました。

(経常利益)

当事業年度の営業外収益は2百万円となり、前事業年度に比べ0百万円の増加(前期比37.8%増)となりました。この主な要因は、受取配当金が0百万円増加したことによるものであります。

当事業年度の営業外費用は発生せず、前事業年度に比べて7百万円の減少となりました。

この結果、当事業年度の経常利益は1,355百万円と、前事業年度に比べて210百万円の増益(前期比18.4%増)となりました。

(当期純利益)

当事業年度の特別利益は0百万円となり、前事業年度に比べ0百万円の増加となりました。

当事業年度の特別損失は発生しませんでした。

また、当事業年度の法人税等は435百万円となり、前事業年度に比べ94百万円の増加(前期比27.8%増)となりました。

この結果、当事業年度の当期純利益は919百万円と、前事業年度に比べて115百万円の増益(前期比14.4%増)となりました。

   

c.経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

d.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度のキャシュ・フローの状況につきましては、「(1)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社の運転資金需要の主なものは、人材の獲得、維持にかかる人件費、営業継続のための物件維持費及びシステム維持費、将来の顧客獲得のため又は顧客の利便性や当社サービス向上のため広告宣伝費及びシステム改良費等の営業費用であります。現時点で予定されている重要な資本的支出はありません。

当社としては、不測の事態も想定し、十分な資金を自己資金(内部留保により)として確保しながら、必要に応じて銀行借入で調達する方針としております。なお、当事業年度末での銀行借入はありません。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。