文中における将来に関する事項は、当事業年度末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「世界を変える仲間をつくる。」をミッションとし、個の力では達成できないことでも仲間を増やし協力し合うことで実現できるという考えに基づき、複数の会社が力を合わせて成長・発展するための仲間づくりこそがM&Aの本質にあると捉え、その仲間づくりを支援することで、顧客の成長・発展に貢献していくことを目指しております。当社の主力業務であるM&A仲介は、売却したい方と買収したい方の結びつけを支援するものであり、まずはM&A当事者の期待に応えることを主目的としております。しかしながら、M&Aはその事業や会社にかかわる多くのステークホルダーへも影響を及ぼすものであります。当事者に加えステークホルダーの多くがM&Aをして良かったと感じ、更に協力することで、次の成長・発展を目指していく、このような案件を多く創出していくことを経営方針としております。
(2) 経営環境
中堅・中小企業を譲渡対象とするM&A市場環境は、オーナー社長の高齢化や後継者不在の企業数の増加を背景に、中長期的に増加傾向にあります。政府も、後継者不在企業の廃業による希少な経営資源の散逸を回避するための事業承継型M&A、人手不足が深刻化する環境下での中小企業の成長・生産性向上実現のための成長・生産性向上型M&Aなどを支援し、中小企業の育成・存続に向けた各種の施策に取り組んでいる結果、中小企業のM&Aも社会的に普及しております。ところが、日本における社長の高齢化や中小企業における人手不足も改善しておらず、市場承継のためのM&A活用ニーズや、成長のためM&A活用したいニーズ、M&Aの普及に伴い増えているものと推測しております。
一方、昨今、M&A仲介業者が関与した案件で、不適切なM&A取引が実際に起きていることを問題視する報道があり、M&A仲介業者に対して厳しい目が向けられるようになりました。このような問題を受けて、2024年8月に中小企業庁より「中小M&Aガイドライン」(以下、「ガイドライン」)の第3版が改訂・公表され、また、業界団体による自主規制や業界健全化に向けた取組みも行われ、不適切なM&A取引の抑制に向けた規制が強化され、これまで以上にM&A支援サービスの質の確保が求められている環境となっています。
(3) 対処すべき課題
当社が事業を推進するにあたり、特に対処すべき課題は次のとおりであります。
① サービス品質の向上
M&Aを普及していくためには、顧客が安心してM&Aできる環境を整備することが重要となります。昨今、不適切なM&A取引が実際に起きていることが社会問題視されており、M&Aを行うことに不安を感じている方も増えている傾向にあると推察しております。このため、当社の顧客が安心してM&Aできる体制、業務運営を整備することが課題であると認識しております。当社ではガイドラインや業界団体による自主規制を高いレベルで遵守し、不適切なM&A取引を起こさないよう、社内体制の整備、業務の見直しを継続的に進めていく方針としています。
また、顧客の更なる期待に応えるべく、顧客に対するサービス品質の向上、サービス範囲の拡大も図っていく方針としております。とりわけ、サービス品質について、適切な資料やデータに基づき、適切にアドバイスを行うことが、顧客が安心してM&Aできる環境整備において重要となりますので、従業員の知識やスキルの向上に向けて教育・研修を充実させていく必要があります。さらに、顧客に対して満足度調査を実施し、その意見を業務改善やサービス向上にフィードバックする取組みを進めることで、当社独自のサービス品質の向上に努めてまいります。
② 人材の確保・育成・働きやすい環境づくり
顧客のM&Aを支援し、M&A仲介事業を持続的に成長させるために重要となるのが、コンサルタントの増員となります。コンサルタントについては、これまでは中途採用を中心とした採用を行ってまいりました。中途採用の場合、採用市場全体の動向や同業との採用競争などにより、安定的な採用が難しい面があります。さらに、今後は、労働人口の減少の問題もあり、採用が徐々に困難となる可能性があります。一方、M&A仲介にあたっては、M&Aにかかる経済・法律知識や顧客の業界動向・業界規制、ガイドライン・業界自主規制など、様々な知識・スキルが必要となりますが、従前に比べ、コンサルタントが活躍するために習得しなければならない知識・スキルの量も増え、育成する時間もかかるようになってきております。
このような状況で、安定的な採用、十分な教育体制を確保し、事業を持続的に成長させていくために、新卒採用を中心とした採用に徐々にシフトしていく方針としています。新卒採用の場合、一般的には中途採用に比べ収益貢献するようになるまでの期間が長くなる傾向にあるため、一時的に労働生産性が下がる局面も想定されますが、中長期での持続的な成長を優先させる方針としております。
また、従業員の育成のため、専門的知識や専門的スキルの向上のための社内研修の充実、M&A情報の共有等の施策に取り組んでまいります。加えて、チーム制を導入しており、チームとして多様な案件に対応することを通じて、個人の経験を高める施策を推進し、早期に収益貢献できるよう育成に努めてまいります。優秀なM&Aコンサルタントの定着率を向上させるため、成果主義に基づく給与制度や人事考課制度を採用しておりますが、社会環境や組織構造の変化に対応して随時見直しを行うとともに、従業員が積極的に仕事に取り組める環境を整備してまいります。
③ 多様なM&Aニーズへの対応
これまでの市場環境としては、オーナー社長の高齢化や後継者不在の企業数の増加を背景に、日本国内の中堅・中小企業のM&Aは拡大傾向にあります。後継者不在のM&Aが無くなることはありませんが、どこかでピークアウトを迎える可能性があります。一方、将来的な労働人口の減少やテクノロジーの進展などを踏まえると、今後は、存続していくための更なる成長のためのM&A、海外企業とのM&A、大企業とスタートアップ企業のイノベーション型M&Aが増えていくことが予想されます。経済環境に応じて、M&Aの目的やニーズも変化することになりますが、当社としては、様々なニーズに応えられるよう支援するM&A仲介領域の拡大を進めてまいります。スタートアップ企業の成長を支援するM&A、医療機関存続を目的としたM&A、地域活性化を目的としたプロスポーツチームM&A、国内企業・海外企業とのクロスボーダーのM&Aなどについてはすでに取組んでおりますが、当該M&Aの支援件数も増やしていくとともに、それ以外でも当社が強みを持てるM&A領域を開拓していく方針としています。
④ 事業領域の拡大
現状の当社事業については、一部においてファイナンシャル・アドバイザリー業務、企業価値評価業務、M&Aにかかるコンサルティング業務などを行っていますが、M&A仲介業務が全体のほとんどを占めている状況であります。
今後、M&A仲介サービスを更に充実させていくためには、仲介業務だけでなく、それに付随する業務も開始又は拡充する必要があると考えております。また、大企業に対してもM&A支援を行っていくために、M&A仲介ではなく、譲渡希望先又は買収希望先の片側のみにサービス提供するファイナンシャル・アドバイザリー業務を拡充することも重要であると考えています。
このような方針のもと、既存のM&A仲介業務と事業を整理・区分し、それぞれの事業を機動的に進めていくため、2026年9月期中に持株会社体制へ移行する方針としております。既存のM&A仲介業務については子会社で運営していき、新たな業務についても子会社を設立し、進めていく予定としております。
⑤ ガバナンス体制の強化・サステナビリティへの取組みの充実
当事業年度においては、新たに経営企画部及びIR室を新設し、管理体制の強化やステークホルダーとの関係強化を進めております。
また、サステナビリティ推進委員会を中心に、重要課題(マテリアリティ)の特定や、重要課題を達成するための指標及び具体的な目標に対しての実績を測定、分析し、サステナビリティへの取組みを推進していくとともに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示に加え、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った自然関連の課題への対応に新たに取り組んでおります。
持株会社体制へ移行した後につきましても、引き続き、ガバナンス体制の強化、サステナビリティへの取組みの充実を推進してまいります。
(4) 経営目標
経営方針、経営環境、及び対処すべき課題を踏まえて、今後3年間において、下記のとおり成約組数及び売上高を増加させていくことを当面の目標としております。
また、当社の業務の特殊性から、人員増加がすぐに売上に繋がらない特徴があり、「人の増加」→「案件の増加」→「成約数の増加(=売上の増加)」といった影響がある一定の期間を経過して発生することになります。このため、成約組数達成のための先行指標となる新規受託件数、新規受託件数の先行指標となるコンサルタント増員数も下記のとおりの目標としております。これらの数値目標は、毎期、その期の活動状況を踏まえ、見直す方針としております。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般への取り組み
当社は「M&Aは、人の想いでできている。」をコーポレートスローガンに掲げ、また「世界を変える仲間をつくる。」をミッションとして、ご相談者様の想いに寄り添いながら、企業の成長と発展を支援しています。
後継者不在の解決、規模拡大による生産性向上、イノベーションの創出など、本業であるM&Aを通じてこれまで多くの企業の事業継続や発展といった企業そのもののサステナビリティを実現するお手伝いをしてきましたが、近年の社会や環境に対する要請の高まりを受け、当社自身の持続可能性と社会への貢献をより一層体系的に推進するため、2024年に当社のサステナビリティに関する全ての活動の指針となる「サステナビリティポリシー」を以下の通り制定いたしました。
<サステナビリティポリシー>
このサステナビリティポリシーの実現に向けて、優先的に取り組むべき6つの重要課題(マテリアリティ)を設定し、これらの指標及び具体的な目標達成のため取り組みを進めています。6つのマテリアリティは、当社の事業活動と密接に関連しており、本業を通じて社会課題を解決するという当社のサステナビリティ戦略の中核をなすものとなります。特に「業界全体での顧客本位かつ健全なM&A仲介サービスの提供」や「M&Aの推進による地域経済の発展への寄与」は、当社のM&A仲介事業そのものが社会の持続可能性に貢献するものであることを示しています。これは、当社の事業成長が社会価値の創造に直結するという考え方を明確にするものであり、企業の競争力強化と社会的責任の両立を目指す姿勢を反映しています。当社のマテリアリティや特定プロセスについては、後述の②リスク管理の項目で記載いたします。
また、当社は、財務情報と非財務情報を統合した統合報告書を発行することで、中長期的な企業価値創造プロセスと、ステークホルダーに対するコミットメントをより深く、分かりやすく開示しています。
最新版である統合報告書「STRIKE REPORT 2025」は当社ウェブサイトに掲載しております(URL:https://ssl4.eir-parts.net/doc/6196/ir_material3/254559/00.pdf)。同書の記載の対象期間は、2024年度(2023年10月から2024年9月。一部過去の実績、2024年4月以降の情報も含みます。)であります。
今後も統合報告書をはじめとする開示を通じて、資本市場との建設的な対話を深めていくとともに、顧客目線での高品質なM&Aサービスの提供や従業員の専門性向上等を継続し、より一層環境面などにも配慮した事業運営やM&A支援を推し進めることにより、M&A業界全体の発展だけでなく社会全体の持続的な発展にも貢献していきたいと考えています。
当社では、全社的なサステナビリティ活動の推進を目的として、管理部担当取締役を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。取締役会は優先的に取り組むべき重要課題を踏まえて、サステナビリティ推進委員会に対して取組方針を指示しています。サステナビリティ推進委員会では、サステナビリティに関連する方針や戦略、マテリアリティ、活動計画等について審議し、取り組みを具体化するために関連各部門に必要な指示や提言を行っています。
サステナビリティ推進委員会の審議内容や活動状況のうち、経営上の重要事項については、取締役会へ適宜報告されます。取締役会は、その報告に基づき、サステナビリティ推進に関する監督及び方針の指示を行う体制となっております。この明確なレポーティングラインと監督機能により、サステナビリティに関する取り組みが経営戦略と一体となって推進されるガバナンス体制を構築しております。
当社は、以下の重要課題特定(マテリアリティ)プロセスで示す通り、当社へのリスク及び機会に与える重要度を識別し、6つのマテリアリティの特定を行っています。マテリアリティについてはサステナビリティ推進委員会において評価および見直しを行っています。
<重要課題(マテリアリティ)特定のプロセス>
STEP1.社会課題の抽出と整理
サステナビリティ推進委員会において、国際的ガイドライン(SDGs等の国際目標、ISO26000等の国際規格、国連グローバルコンパクト10原則等)やサステナビリティ評価機関(GRI : Global Reporting Initiative、SASB : Sustainability Accounting Standards Board、WEF: World Economic Forum等)の評価項目などからESG領域の社会課題を洗い出し、さらに、業界特有の課題や当社の状況を踏まえ、当社が取り組むべき社会課題を追加的に抽出し、合計51項目をリストアップし、項目ごとに当社へのリスク及び機会に与える重要度を識別いたしました。
STEP2.社会課題の優先順位付け
STEP1で抽出した51項目の社会課題を、「ステークホルダーにとっての重要度」「自社にとっての重要度」の2つの視点から総合的に評価し、マテリアリティマップとして整理を行い、優先順位の高い12項目の社会課題を絞り込みを行いました。
STEP3.妥当性評価
STEP2で抽出した12項目の社会課題を、取り組みの関連性などを踏まえ、6つのマテリアリティとして整理いたしました。社外有識者との意見交換や社内での議論を重ねて当該6つのマテリアリティの妥当性を確認いたしました。
STEP4.マテリアリティの特定と承認
上記ステップを通じて、6つのマテリアリティを当社が取り組むべき課題として特定し、取締役会にて承認いたしました。特定したマテリアリティについては、今後も取り組みの進捗や社会・事業環境の変化に応じて、適宜見直しを行っていきます。
上記のプロセスにより特定されたマテリアリティは以下の通りとなります。
サステナビリティに関連するリスクを含む全社的なリスクの管理は、管理部門担当取締役が統括しており、重要事項については経営会議、取締役会への報告を行い、実際のリスク管理についてはサステナビリティ推進委員会で対応しています。
当社は、外部環境分析(国際的ガイドライン等の要請、ベンチマーク先の策定状況の調査)及び内部環境分析(マテリアリティ検討時の当社状況分析)の双方を踏まえ、特定した重要課題(マテリアリティ)ごとに2030年のありたい姿を策定し、その姿と整合するKPIを選定しております。選定したKPIに関する中期的な目標値と、目標を達成するためのアクションプランを策定し、取り組むことでマテリアリティの達成を目指してまいります。
当社の重要課題(マテリアリティ)を達成するためのKPIおよび目標は以下の通りであります。
(2) 気候変動及び自然資本・生物多様性に関する取組
当社では、気候変動及び自然資本・生物多様性が事業活動及び社会全体に与える影響の重要性を認識し、経営上の重要課題の一つとして捉えております。2022年9月期よりTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った情報開示を開始し、2024年9月期からはTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った情報開示も開始しました。気候変動と自然資本は相互に関連しており、一体的に捉えるべき重要な課題であるとの認識のもと、両課題への対応を強化しております。
気候変動及び自然資本・生物多様性に係る当社の取組については、
①ガバナンス
サステナビリティ推進委員会は、SDGsを意識したサステナビリティ全般の対応に加え、TCFD提言及びTNFD提言で要請されているリスクと機会の特定・評価、シナリオ分析、温室効果ガス排出量の算定等を実施し、取締役会への報告を行う等、気候関連及び自然資本・生物多様性関連課題に対するモニタリングを実施しています。
取締役会は、気候変動及び自然資本・生物多様性問題への取組状況についての報告を受け、サステナビリティ推進委員会に対して取組方針を指示しています。
②-1戦略(気候変動への対応)
a.気候変動に伴う重要なリスクと機会
2024年10月に気候変動に伴って将来生じる可能性のある当社のリスク・機会について、TCFD提言に沿ったリスク・機会を特定し、重要度の評価を行いました。リスク・機会の特定に当たっては、2030年(短期)、2050年(中期)、2100年(長期)を想定し、以下のシナリオを使用しました。
・IEA(国際エネルギー機関)1.5℃上昇(NZE2050)、2℃上昇(APS)
・IPCC(気候変動に関する政府間パネル)4℃上昇(SSP5、RCP8.5)
特定されたリスク・機会のうち、特に重要なものは次に示す表のとおりです。
重要なリスク
重要な機会
b.事業インパクト評価
2024年10月に特定されたリスクのうち、重要度が高く、試算可能なリスクについて、移行リスクとして炭素税導入による追加コスト、物理的リスクとして洪水・高潮発生時の拠点の浸水による追加コスト(オフィス代替費用)を試算しました。試算に当たっては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)と国際エネルギー機関(IEA)の情報に基づき、1.5℃/2℃上昇、4℃上昇を想定したシナリオを使用しました。
ア.税制度(炭素税等)導入による追加コスト [移行リスク]
国際エネルギー機関(IEA)の情報に基づき、当社の拠点において、エネルギー消費に伴い排出される温室効果ガス排出量に応じて課税される追加コストを算定しました。なお、算定に当たっては、温室効果ガス排出量削減目標の基準年である2022年9月期の温室効果ガス排出量を用いました。
1.5℃上昇シナリオで追加コストが大きくなり、2050年の影響は約6.3百万円となりましたが、リスクの検討を開始した2022年9月期以降の経常利益に対して1%未満であり、気候変動の影響は小さいことがわかりました。
イ.高潮発生時の拠点の浸水による追加コスト(オフィス代替費用) [物理的リスク]
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が提供する将来予測データを用いて、当社の拠点が、洪水又は高潮で浸水被害を受けた場合、事業継続に必要な代替オフィスの借り上げ費(追加コスト)を算定しました。
当社の全拠点について、現況の洪水・高潮のハザードマップを重ねた結果、洪水のみの影響による浸水被害の試算対象となる拠点はなかったため、高潮を対象に試算しました。なお、試算は、2023年9月時点の拠点を対象として実施しました。
4℃上昇シナリオで追加コストが大きくなり、2100年の影響は約24百万円となりましたが、リスクの検討を開始した2022年9月期以降の経常利益に対して1%未満であり、気候変動の影響は小さいことがわかりました。
②-2戦略(自然資本・生物多様性への対応)
当年度において、当社の事業活動における自然との関わり(自然資本・生物多様性への依存・影響)を把握した上で、将来顕在化する可能性のあるリスク・機会を特定しました。事業活動における自然との関わりの把握に当たっては、TNFD提言において推奨されているLEAPアプローチを参考に検討を行いました。
a.事業活動と自然との関わり
事業活動における自然資本との関係について、一般的な依存・影響の概要を簡易に評価するツールであるENCOREを使用するとともに、当社の事業特性を踏まえて、バリューチェーン全体における自然資本・生物多様性への依存と影響について整理しました。
当社は、事業活動で使用するパソコンや印刷用紙等の必要資材等の調達において自然資本に依存しており、事業から出る廃棄物や温室効果ガスの排出等により自然資本へ影響を与えています。
b.主なリスク・機会
事業活動と自然との関わりを把握した結果、特定された主なリスク・機会は次に示す表のとおりです。
なお、リスク・機会の重要度評価の際に、定量化が可能な依存・影響を対象にエコロジカル・フットプリントを用いて、依存・影響の大きさを定量化いたしました。
c.優先地域の分析
自然関連のリスク・機会を特定する過程においては、優先地域の分析を行いました。分析に当たっては、当社の
操業場所であり、自然との直接的な接点であるオフィスの立地箇所を対象としました。
優先地域の分析の結果、自然資本・生物多様性にマイナスの影響を与える拠点は確認されませんでした。なお、
緑化・植栽などの再生・復元活動によってプラスの影響を与える機会のある拠点は複数確認されました。
③リスク管理
気候変動及び自然資本・生物多様性関連を含む全社的なリスクの管理は、管理部担当取締役が統括しており、重要な方針については経営会議、取締役会への報告を行っています。
気候変動及び自然資本・生物多様性関連のリスクについては、「サステナビリティ推進委員会」において、TCFD提言及びTNFD提言に沿って気候関連・自然関連のリスクと機会の洗い出しを行い、取締役会への報告を行う等、気候関連・自然関連の課題に対するモニタリングを実施しています。また、特定したリスクと機会は、確からしさと影響の大きさから重要度を評価し、重要と評価されたリスクと機会については、取締役会に報告し、全社的なリスク管理の対象に組み込み、対応しています。
④指標及び目標
当社では、2024年9月期における当社事業(単体)に伴う温室効果ガス排出量を、国際基準であるGHGプロトコルに準拠して算定しました。2024年9月期におけるScope1、Scope2、Scope3の排出量は以下のとおりです。
2024年9月期温室効果ガス排出量
(注)1.ガソリンの年間使用量×ガソリンの単位発熱量×ガソリンの排出係数×44/12
ガソリンの単位発熱量、ガソリンの排出係数は、「地球温暖化対策の推進に関する法律」の「温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度」に基づく値を採用しております。
2.平均的な排出係数(2022年度全国平均係数)に基づき算定しております。
3.「地球温暖化対策の推進に関する法律」で定められた電気事業者別の調整後排出係数(2024年度提出用)に基づき算定しております。
本社については、2023年10月~2024年9月の期間、トラッキング付き非化石証書で購入した電力割当量を電気使用量から相殺しております。
4. 全国平均係数が未公表(2025年3月時点)であるため、代替値(省令の排出係数)を使用して算定しております。
5. 熱事業者別の排出係数に基づき算定(熱事業者別の排出係数が未公表の場合は代替値を適用)しております。
(注)1.「―」は算定対象外
2.レンタルオフィス使用による排出量を算定しております。
当社では、気候関連のリスクと機会をマネジメントするため、2050年カーボンニュートラルに向けて、当社事業に伴う温室効果ガス排出量の削減に努めています。
2022年9月期の温室効果ガス排出量の算定結果を踏まえ、中期的な目標を以下のとおり設定しました。
(注)目標基準年である2022年9月期の排出量実績(Scope1+Scope2の総量)は、ロケーション基準で152tCO2、
マーケット基準で185tCO2
(3) 人的資本に関する取組
①基本方針及び戦略
当社では、M&A仲介事業を持続的に成長させるために最重要となる経営資源は人的資源であると考えており、優秀なM&Aコンサルタントの継続的な獲得・育成・維持が喫緊の課題であると認識しているため、以下の基本方針及び戦略に従い取り組んでおります。
a.基本方針
当社は、「個の力を結集し、最高のチームになる。」ことを行動規範の一つとしており、「多様な人材が、個の能力を最大限発揮し、皆が協力し合うことで最高の成果を生み出すこと」を基本方針としており、そのために下記の3つの具体的な方針を定めております。
(獲得)個人能力に基づく採用
(育成)成長・活躍できる体制・環境整備
(維持)成果や貢献に基づく人事制度
b.人材の獲得に関する戦略
獲得に関しては、年齢、性別、国籍等の属性に左右されず、専門的な知識を有する人材、多様な分野に精通している人材、営業力・交渉力に長けた人材等の当社の求める知識、技能、経験を備えた人材を獲得する方針としております。特に、当社の課題であるサービス品質の向上、事業領域の拡大に向けて、これまでにない分野での知識、技能、経験を持つ人材の採用も積極的に行ってまいります。
また、過去は、中途採用を中心に人材獲得を行ってまいりましたが、安定的に採用できない場面もあり、安定的に優秀な人材を確保するため、新卒採用に積極的に取り組む予定としております。
c.人材の育成に関する戦略
従業員の育成に関しては、研修メニューの見直しや開発に取り組み、新卒社員向け研修期間の伸長や、コンプライアンス、リーダー・管理職向け、個人資質向上等の階層別、テーマ別研修の開催回数を増やすとともに、eラーニングによる研修機会の提供や専門書籍の配布等を行っており、今後も専門的知識や専門的スキルの向上のための社内研修の充実、M&A情報の共有等の施策に取り組んでまいります。また、労働や勤務形態についても、出産・育児・介護などを抱える従業員を含め、全従業員の成長・活躍のために見直しを進めていくほか、社内でのナレッジ共有やAI活用など通して、業務効率化についても継続的に進めてまいります。
また、チーム制を導入しており、チームとして多様な案件に対応することを通じて、個人の経験を高める施策を推進しております。当事業年度に入社したM&Aコンサルタントが早期に収益貢献できるよう育成に努めてまいります。当社は、優秀なM&Aコンサルタントの定着率を向上させるため、成果主義に基づく給与制度や人事考課制度を採用しておりますが、社会環境や組織構造の変化に対応して随時見直しを行ってまいります。
d.人材の維持に関する戦略
当社は、優秀な人材の定着率を向上させるため、成果主義に基づく給与制度や成果・貢献に基づく人事考課制度を採用しておりますが、社会環境や組織構造の変化に対応して随時見直しを行ってまいります。
e.人材の多様性の確保
当社は、行動規範の通り、一人ひとりの個の力、多様な人材こそ競争力の根幹であると考えております。個人の多様性を尊重し、従業員一人ひとりがその力を最大限に発揮できるように、働きやすい職場・風土の醸成に努めております。
多様な人材を確保するため、女性を積極的に採用する方針とし、女性向け採用コンテンツや採用イベントなどの強化を進めております。また女性の活躍推進にも注力しており、女性管理職比率の向上を目標として定めております。さらに、年齢や経験に関わらず意欲と能力のある人材が活躍できるよう、高齢者の積極採用も進めております。人権尊重を事業活動の基盤と捉え、「人権方針」を策定し、全従業員を対象としたハラスメント研修等を実施、出産・育児・介護などに対する制度整備を進めるほか、年齢や性別、国籍に関わらず、従業員が積極的に仕事に取り組める環境を整備してまいります。
②指標及び目標
当社の人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。併せて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
当社は、これらのリスクの発生可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
本項記載の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
中堅・中小企業のM&A市場は、1990年代以降、オーナー経営者の高齢化に伴う後継者問題等を背景に拡大傾向にあります。また、今後も、企業の成長、生産性向上、オープンイノベーションなどの目的のためのM&A活用により、市場は更に拡大する可能性があるものと予測しており、当社でも様々なM&Aニーズに対応できるよう体制を整備しております。しかしながら、経済環境や金融市場の動向等によりM&A買収ニーズが減少に転ずること等を要因として、市場が縮小した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、過去にも、リーマンショックや東日本大震災を契機として、M&A買収ニーズの減少によりM&A市場が一時的に縮小した経緯もあり、類似した経済情勢の変化や自然災害の影響を受けて市場が低迷する可能性もあります。
当面のところ当該リスクが顕在化する可能性は低いものと判断しておりますが、経済情勢の変化や自然災害はいつ発生してもおかしくないものとなります。また、日本国内における経済情勢悪化の度合いが大きいほど、発生した自然災害のエリアや災害規模が大きいほど、当社の経営成績及び財政状態に与える影響は大きくなります。
現状、M&A仲介業務を直接的に規制する法令はなく、許認可制度や資格制限もありません。しかしながら、今後、法令の制定により、M&A仲介業務に対する何らかの法的な規制を受けることに至った場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、M&A取引又はM&A制度に係る金融商品取引法、会社法、税法等の法改正が行われることで、社会におけるM&Aニーズも変化する可能性があり、その結果として、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
現在のところ、影響の大きな具体的な法規制は予定されていませんので、リスクが顕在化する可能性及びその影響は低いと判断しております。
③ 中小M&Aガイドライン
中小企業庁が、中小企業が安心してM&Aに取り組める基盤を構築するためにM&A支援機関登録制度を設置しております。これは、中小企業庁が制定した中小M&Aガイドライン及び所定の誓約事項を遵守し、登録されたM&A支援機関を一定の補助金対象とする制度であります。一方、中小M&Aガイドライン違反等があった場合には、その登録が取り消されることとなっております。
もし、当社が当該ガイドラインの違反行為をし、当該登録が取り消された場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。現状のところ、ガイドラインの改訂の都度、複数部門で協議し適切な対応を図るなど適切に対応しておりますので、発生の可能性は低いと判断しておりますが、そのような登録が取り消されるような事態になった場合には相当の影響があるものと予想しております。
また、ガイドライン等が強化された場合については、業務負担が増えることで当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、現状では業務負担が大きく増加するような改訂は認識しておりません。
④ 同業者との競合
M&A仲介事業は許認可制度や資格制限もないことに加え、事業の開始にあたり大規模な設備投資も不要であることから、相対的に参入障壁が低い事業であると判断しております。このため、大手事業者から個人事業者まで多数の事業者がM&A仲介事業を展開しており、今後も同業者間での競争が激しくなることが推測されます。一方、中小M&Aガイドラインの策定や改訂などを通じて、M&A仲介業者の業務レベルの向上も求められている状況であり、単純な顧客獲得競争から業務品質を中心とした競争へと競争環境が変化してきているものと判断しております。
当社では、M&A仲介業務の差別化や顧客からの信頼を向上させるため、会議、研修、社内システムにより、これまでの経験により蓄積されたノウハウの社内共有、外部専門家による講習、従業員に対する専門的知識の教育を行うとともに、公認会計士・税理士等の有資格者やM&A実務経験者の積極的な採用をするなどの施策を講じてサービス品質の向上に向けた対応を図っておりますが、競合他社との競争が激化した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
M&A仲介事業は、受託する案件の規模により、成約報酬も異なっております。当社では、受託案件数を増やすことにより、業績が大きく変動しないよう取り組んでおりますが、案件成約数の一時的な変動や成約案件規模の大小により、四半期又は事業年度ごとの一定期間で区切ってみた場合に、期間ごとの業績が大きく変動する可能性があります。
M&A仲介事業は、譲渡先と買収先の意向に従い、受託から成約までの一連の業務を進めています。当社は両者のマッチングが円滑に進み、早期に成約に至るよう取り組んでおりますが、両者での条件交渉が難航することや、当事者の意思決定が遅延すること等を要因として、予定どおりに案件が進まない場合も想定されます。また、予定どおり業務が進んだものの、最終的には当事者の希望により譲渡日が決定されるため、当初の想定とは異なる時期にM&A実行される場合もあります。これらにより、期間ごとの業績が当初計画と比べ大きく変動する可能性もあります。
近年、規模が非常に大きな案件も増えてきており、当該大型案件の成約によって期間ごとの売上が変動する可能性が高くなっています。また、大型案件の増加に伴い、期間ごとの業績が計画と大きく乖離する状況も発生しております。
個々の案件状況次第にはなりますが、業績の変動や、業績予定と実績の乖離については、今後も発生する可能性があると認識しています。その影響額の程度については、対象案件の数、大型案件の多少によって左右されることになります。
当社の事業は、コンサルタントによる人的サービスを中心としているため、当社が事業を拡大していくには、優秀なM&Aコンサルタントの獲得、育成、維持が重要な課題であると認識し、これに取り組んでおります。しかしながら、人材を適時に確保できない場合、人材が大量に社外流出してしまった場合、あるいは人材育成が計画どおりに進展しない場合には、当社の経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。更に、個々のコンサルタントの不適切な業務により、当社の対外的な信用力が低下し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性もあると認識しています。
当社では個人の能力を高めるための研修についてこれまでも拡充してきており、業務についてはチームを中心とした組織で行う体制とすることで、個人が成長し、成果を創出しやすい環境整備をしてまいりました。また、チーム制によるメンバーの相互牽制により、不正が起きにくい体制にもなっております。こちらを強みとして、人材を適切に獲得し、維持でき、不適切な業務ができにくい体制になっていますので、当該リスクの発生する可能性は低いと判断しております。
当社は、M&A仲介事業を中心として安定的に成長してまいりましたが、単一事業セグメントであるため、M&A仲介事業に対する何らかの影響があった場合に、当社の経営成績及び財政状態に及ぼす影響が相対的に高いと考えております。現在のところ、単一セグメントであることに起因する顕在化の可能性の高いリスク要因は認識していませんが、将来的なリスク要因となりえるため、M&A仲介事業を中心としながら、事業領域を拡大することでその可能性を低減できるよう対応していく方針としています。
その事業領域の拡大の過程で、新たな事業投資に対して、収益化が想定どおり進展しない場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があると考えております。現在のところ、新事業への投資額は多額ではないため、そのような事象が発生しても影響は軽微であると判断しております。
当社は、顧客から情報を入手するに際して、秘密保持契約等を締結し、顧客に対して守秘義務を負っております。当社で、情報セキュリティマネジメントシステム(ISМS)の国際規格である「JISQ 27001:2023(ISО/IEC27001:2022)」の認証を2024年3月に取得しており、顧客から入手した情報が漏洩しないよう、社内規程を整備し、情報の保管管理を徹底するとともに、役職員に対しても守秘義務に関する教育を行う等の施策を講じております。しかしながら、不測の事態等により、守秘義務の対象となる情報が漏洩した場合、損害賠償請求等の金銭補償や信用力の低下等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、現在のところ、当該リスクが発生する可能性のある要因は認識しておりません。
当社は、メールマガジンの登録及びセミナーの受講等において、個人情報を取得する場合があります。当社では「個人情報の保護に関する法律」に従い、社内規程を整備し、個人情報の厳正な管理を行っております。このような対策にも関わらず、個人情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償請求等の金銭補償や信用力の低下等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、現在のところ、当該リスクが発生する可能性のある要因は認識しておりません。
当社代表取締役 荒井邦彦は、当社の創業者及び経営の最高責任者であり、荒井邦彦の資産管理会社である株式会社K&Companyとあわせて、当事業年度末現在、当社株式の40.2%を所有する大株主であるとともに、経営においても重要な役割を担っております。当社では、過度な依存を回避すべく、会議体での重要な意思決定の徹底、組織としての管理体制の強化、マネジメント層の採用・育成を図っておりますが、現時点において当該役員に対する依存度は高い状況にあるといえます。そのため、何らかの理由により同氏が当社の経営を行うことが困難な状態となり、また、後任となる経営層の採用・育成が進展していなかった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
継続的にマネジメント層の充実を図り、中長期的な観点で当該リスクへの対応を図っております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当事業年度末の流動資産は、前事業年度末に比べ1,922百万円増加し、21,150百万円となりました。これは主として現金及び預金が1,790百万円増加したほか、売掛金が53百万円、前払費用が48百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当事業年度末の固定資産は、前事業年度末に比べ150百万円増加し、3,612百万円となりました。これは主として高松オフィスの増床移転や広島オフィス及び札幌オフィスの増床等に伴い建物が67百万円増加したほか、投資有価証券が18百万円増加したことによるものであります。
当事業年度末の流動負債は、前事業年度末に比べ887百万円減少し、3,036百万円となりました。これは主として未払法人税等が340百万円が減少したほか、未払金が240百万円、買掛金が83百万円それぞれ減少したことによるものであります。
当事業年度末の固定負債は、前事業年度末に比べ44百万円減少し、252百万円となりました。
当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ3,004百万円増加し、21,474百万円となりました。これは、主として、利益剰余金が配当により1,747百万円減少したものの、当期純利益により4,719百万円増加したことによるものであります。
当事業年度においては、275組の案件が成約(前事業年度252組)し、大型案件の影響を受けて案件単価が上昇したことにより、売上高は20,314百万円(前期比12.0%増)となりました。売上原価は、売上増加に伴うインセンティブ給与の増加やM&Aコンサルタントの増員に伴う人件費の増加等により、8,395百万円(前期比28.6%増)、販売費及び一般管理費は、営業関連の広告宣伝費等の増加、積極的な採用活動による採用に係る手数料の増加、M&Aコンサルタントの育成やコンプライアンス強化のための研修費の増加等により、5,586百万円(前期比15.5%増)となった結果、営業利益は6,332百万円(前期比6.5%減)となりました。これらの結果を受け経常利益は、6,341百万円(前期比6.4%減)となり、特別利益として投資有価証券売却益を89百万円、特別損失として投資有価証券評価損を62百万円計上した結果、当期純利益は4,719百万円(前期比4.7%減)となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、20,149百万円と前事業年度末と比べ1,790百万円の増加となりました。主な増減要因は、下記のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は3,847百万円(前事業年度は6,280百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額が1,990百万円、未払金の増減額が243百万円減少、未払又は未収消費税等の増減額が237百万円減少した一方で、税引前当期純利益を6,368百万円計上したことによるものであります。
投資活動の結果使用した資金は314百万円(前事業年度は1,045百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が246百万円、敷金及び保証金の差入による支出が102百万円あったことによるものであります。
財務活動の結果使用した資金は1,742百万円(前事業年度は979百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額が1,742百万円あったことによるものであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1.当社は、M&A仲介事業の単一セグメントであるため、セグメントに関わる記載は省略しております。
2.前事業年度及び当事業年度の主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
3.前事業年度及び当事業年度におけるM&A成約組数の実績は次のとおりであります。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来生じる実際の結果とは異なる可能性がありますので、ご留意ください。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
また、財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
(資産の部)
当事業年度末の流動資産は、前事業年度末に比べ1,922百万円増加し、21,150百万円となりました。主な変動科目は下記のとおりであります。
・配当金の支払いがあったものの、期中に発生した売掛金の回収等により現金及び預金が1,790百万円増加しました。
・事業年度末直前に多数の案件成約により、売掛金が53百万円増加しました。
・企業情報取得費用の先行支払い等により、前払費用が48百万円増加しました。
当事業年度末の固定資産は、前事業年度末に比べ150百万円増加し、3,612百万円となりました。主な変動科目は下記のとおりであります。
・地方オフィスの移転等による設備投資により、有形固定資産が67百万円増加しました。
・純投資目的とする新規投資等により、投資有価証券が18百万円増加しました。
(負債の部)
当事業年度末の流動負債は、前事業年度末に比べ887百万円減少し、3,036百万円となりました。主な変動科目は下記のとおりであります。
・課税所得の減少に伴い、未払法人税等が340百万円減少しました。
・インセンティブ賞与の支払い早期化に伴い、未払金が240百万円減少しました。
・事業年度末直前に案件紹介料の発生件数が少なかったことにより、買掛金が83百万円減少しました。
当事業年度末の固定負債は、前事業年度末に比べ44百万円減少し、252百万円となりました。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ3,004百万円増加し、21,474百万円となりました。主な変動科目は下記のとおりであります。
・利益剰余金が配当により1,747百万円減少したものの、当期純利益により4,719百万円増加しました。
(活動状況・取り組み)
当事業年度において、営業面におきましては、顧客への提案力向上のための研修や、「中小M&Aガイドライン」の理解を深めるための社内研修を行い、M&Aコンサルタントの育成を通じてサービス品質の向上に努めてまいりました。また、業種別にWEB広告や提案型営業を展開し、幅広くM&Aニーズの発掘に取り組みました。さらに、スタートアップ企業と事業会社の提携促進を目的としたサービス「S venture Lab.」では毎月交流イベントを開催し、スタートアップ企業のM&A市場の開拓等にも注力しました。また、国内だけでなくクロスボーダー案件の獲得やM&A仲介事業にとどまらずFA(ファイナンシャル・アドバイザー)事業や戦略コンサルティング等のM&Aの周辺領域への事業拡大も進めております。
提携先との連携におきましては、兵庫県の淡路税理士協同組合との業務提携を開始したことで、税理士協同組合等との提携は全国23団体、6万6千人以上の会員とのネットワークに拡大いたしました。また、提携先金融機関より人材を受け入れることで、提携先金融機関内におけるM&A人材の育成を担い、協業によるM&A支援体制の強化を行いました。
人員面におきましては、今後の業績拡大を図るため積極的な採用を進めたことで、当事業年度においてM&Aコンサルタントを74名増員しました。
このような取り組みの結果、新規受託実績は1,181件となり、目標件数(1,045件)を達成することができました。
(売上高)
当事業年度の売上高は20,314百万円と、前事業年度に比べ2,175百万円の増収(前期比12.0%増)となり、過去最高となりました。この主な要因は、成約組数が目標(310組)に届かなかったものの、275組成約(前期比+23組)するとともに、大型案件の影響を受けて案件単価が上昇したことによるものであります。
成約組数について、当初目標が達成できなかったのは、「中小M&Aガイドライン」の改訂対応等により工数が増加傾向にあり、成約期間が想定より長期化したことが要因と判断しております。
成約単価については、売上高を成約組数で除した金額ベースで、前事業年度は72百万円のところ当事業年度は74百万円と上昇しております。
(売上総利益)
当事業年度の売上原価は8,395百万円となり、前事業年度に比べ1,867百万円の増加(前期比28.6%増)となりました。この主な要因は、人員増加及び売上に伴うインセンティブ賞与の増加による給与手当及び賞与の増加1,116百万円と、提携先からの紹介案件の成約が増えたことにより案件紹介料が453百万円増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度の売上総利益は11,918百万円と、前事業年度に比べて307百万円の増益(前期比2.7%増)となりました。
(営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は5,586百万円となり、前事業年度に比べ748百万円の増加(前期比15.5%増)となりました。この主な要因は、営業関連の広告宣伝費等の増加183百万円や、地方オフィス移転等による地代家賃の増加94百万円等によるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は6,332百万円と、前事業年度に比べて440百万円の減益(前期比6.5%減)となりました。
(経常利益)
当事業年度の営業外収益は32百万円となり、前事業年度に比べ23百万円の増加(前期比268.7%増)となりました。この主な要因は、預金金利の上昇による受取利息25百万円等によるものであります。
当事業年度の営業外費用は22百万円となり、前事業年度に比べ13百万円の増加(前期比155.1%増)となりました。この主な要因は、投資事業組合運用損22百万円によるものであります。
この結果、当事業年度の経常利益は6,341百万円と、前事業年度に比べて430百万円の減益(前期比6.4%減)となりました。
(当期純利益)
当事業年度の特別利益は89百万円となり、前事業年度に比べ26百万円の増加となりました。
当事業年度の特別損失は62百万円となり、前事業年度に比べ42百万円の減少となりました。
また、当事業年度の法人税等は1,653百万円となり、前事業年度に比べ165百万円の減少(前期比9.1%減)となりました。
この結果、当事業年度の当期純利益は4,719百万円と、前事業年度に比べて235百万円の減益(前期比4.7%減)となりました。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の運転資金需要の主なものは、人材の獲得、維持に係る人件費、営業継続のための物件維持費及びシステム維持費、将来の顧客獲得のため又は顧客の利便性や当社サービス向上のための広告宣伝費及びシステム改良費等の営業費用であります。
現時点で予定されている重要な資本的支出はありませんが、当社がM&Aにより企業買収することは常に視野に入れており、買収資金として活用する可能性はあります。
当社としては、不測の事態や競合会社とのサービス競争も想定し、十分な資金を自己資金(内部留保により)として確保しながら、必要に応じて銀行借入で調達する方針としております。なお、当事業年度末での銀行借入はありません。
該当事項はありません。